JP2009256859A - アクリロニトリル系共重合体溶液、及び炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法 - Google Patents

アクリロニトリル系共重合体溶液、及び炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】室温付近においても安定性に優れるアクリロニトリル系共重合体溶液、及び炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法を実現する。
【解決手段】共重合体単位質量当たりA当量のカルボキシル基を有するアクリロニトリル系共重合体、アミド系溶剤、および酢酸を含むアクリロニトリル系共重合体溶液であって、前記酢酸の量が0.3A〜3.0Amol/gである、アクリロニトリル系共重合体溶液。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアクリロニトリル系繊維、特に炭素繊維前駆体繊維束であるプレカーサーの製造に適したアクリロニトリル系共重合体溶液、及び炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法に関する。
ポリアクリロニトリル系繊維は、羊毛に似た優れた嵩高性、風合い、染色鮮明性等の特性を有し、広範な用途に利用されている。さらにポリアクリロニトリル系繊維は炭素繊維前駆体繊維束(プレカーサー)として広く利用されている。
ポリアクリロニトリル系繊維は、一般的にアクリロニトリル系重合体を有機または無機溶剤に溶解した原液(紡糸原液)を湿式或いは乾湿式紡糸して繊維状に賦型した後、延伸、洗浄、乾燥緻密化することにより得られる。溶剤としては、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドといったアミド系溶剤やジメチルスルホキシドなどの溶剤が広く使用されている。
プレカーサー原液などの紡糸原液は、通常、60℃前後で安定性が高い。しかし、室温付近の比較的低温や80℃以上の高温にて紡糸原液を長期間保持すると、原液の粘度が上昇したり、ゲル化が発生したりしやすくなり、安定性に問題があった。
そこで、熱安定性の高いプレカーサー用原液を得る方法として、例えば特許文献1には、アクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸のうち少なくとも1つの酸モノマーを共重合したアクリル系重合体を溶解した原液に、pKa値が4以下の鉱酸または/および有機カルボン酸を添加する技術が開示されている。
また、特許文献2には、アクリル系重合体と溶剤及びエチレン性二重結合を含む化合物からなるアクリル系プレカーサー用原液が開示されている。
特開平9−3722号公報 特開2002−249924号公報
しかしながら、特許文献1に記載の原液は、80℃の高温における熱安定性は良好であるものの、室温付近の比較的低温での安定性に関する記述はない。
なお、特許文献1に記載の比較例2では、酢酸(pKa=4.7)を0.1重量%添加したアクリロニトリル系共重合体(アクリロニトリル98mol%、メタクリル酸2mol%)の20重量%ジメチルホルム溶液(原液)を調製しているが、この原液では高温でのゲル化が抑制されない。比較例2で調製した原液中のアクリロニトリル系共重合体のカルボキシル基の当量は7.4×10−5当量/g、原液中の酢酸の含有量は1.7×10−5mol/gであることから、酢酸の含有量はカルボキシル基のモル数の0.23倍相当量である。なお、「当量/g」と「mol/g」は、実質的に同じ意味をなす。
一方、特許文献2に記載のアクリル系プレカーサー用原液では、原液に含まれるモノマーの影響で、室温付近の温度における原液の安定性が著しく低下することがあり、室温付近の温度での原液の保存安定性に問題があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、室温付近において安定性に優れるアクリロニトリル系共重合体溶液、及び炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法の実現を目的とする。
本発明のアクリロニトリル系共重合体溶液は、共重合体単位質量当たりA当量のカルボキシル基を有するアクリロニトリル系共重合体、アミド系溶剤、および酢酸を含むアクリロニトリル系共重合体溶液であって、前記酢酸の量が0.3A〜3.0Amol/gである。
また、前記アクリロニトリル系共重合体が、5.0×10−5〜2.0×10−4当量/gのカルボキシル基を有することが好ましい。
さらに、前記アミド系溶剤が、ジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミドであることが好ましい。
また、本発明の炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法は、前記アクリロニトリル系共重合体溶液を紡糸原液として紡糸する工程を有する。
本発明のアクリロニトリル系共重合体溶液は、室温付近において安定性に優れる。
また、本発明によれば、炭素繊維の製造に適した緻密なポリアクリロニトリル系繊維を得ることが可能なアクリロニトリル系共重合体溶液、及び炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法を実現できる。
実施例1、比較例1、2で得られた共重合体溶液の30℃における落球粘度の経過日数による変化を示したグラフである。 実施例1、比較例1、2で得られた共重合体溶液の85℃における落球粘度の経過日数による変化を示したグラフである。 実施例4、比較例3で実施した、共重合体溶液の60℃におけるフィルター差圧の積算ドープ量による変化を示したグラフである。
以下本発明を詳細に説明する。
[アクリロニトリル系共重合体溶液]
本発明のアクリロニトリル系共重合体溶液(以下、単に「共重合体溶液」という場合がある。)は、アクリロニトリル系共重合体、アミド系溶剤、および酢酸を含む。
なお、本発明において「室温付近」とは10〜40℃の温度範囲を意味する。
<アクリロニトリル系共重合体>
本発明で用いられるアクリロニトリル系共重合体(以下、単に「共重合体」という場合がある。)は、アクリロニトリル単位と、該アクリロニトリル単位と共重合可能なビニル系単量体とを共重合して得られるものである。
ビニル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸等の酸類およびそれらの塩類;マレイン酸イミド、フェニルマレイミド、(メタ)アクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。これらビニル系単量体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方を示すものとする。
本発明で用いられる共重合体(100質量%)には、ポリアクリロニトリル系繊維を炭素繊維にしたときの共重合成分に起因する欠陥点を軽減し、炭素繊維の品質並びに性能を向上させる目的から、アクリロニトリル単位が90質量%以上含まれることが好ましく、96質量%以上含まれることが更に好ましい。
共重合体は、カルボキシル基を有する。共重合体がカルボキシル基を有することで、ポリアクリロニトリル系繊維を焼成(炭素化処理)して炭素繊維にするに際して、焼成工程での耐炎化反応性が高まる傾向にある。
ところで、共重合体中のカルボキシル基は、上述したように焼成工程での耐炎化反応性を高める役割を果たす一方、炭素繊維の欠陥点になる場合があるため、カルボキシル基の当量(含有量)を適切な値に制御するのが好ましい。なお、本発明において「カルボキシル基の当量」とは、共重合体1g当りのカルボキシル基のモル当量を意味する。
すなわち、共重合体は5.0×10−5〜2.0×10−4当量/gのカルボキシル基を有することが好ましく、更に好ましくは5.0×10−5〜1.8×10−4当量/gである。
カルボキシル基の当量が5.0×10−5当量/g未満である場合は、焼成工程での耐炎化反応性が低く、高温での焼成処理を必要とする。高温で焼成処理を行うと、暴走反応が起こりやすく、安定した焼成工程通過性を得ることが困難となりやすい。暴走反応を抑制するには、低速度で焼成を行えばよいが、生産性が低下するため経済的ではない。
カルボキシル基の当量が2.0×10−4当量/gを越えると、共重合体のニトリル基の閉環反応が迅速になるため繊維内部にまで酸化反応が進行せず、繊維表層近くの部分のみ耐炎化構造が進行しやすくなる。しかし、このような構造では、さらに高温での処理が必要となる次工程の炭素化工程において、繊維中心部の耐炎化構造未発達な部分の分解が抑制できないため、炭素繊維の性能、特に引張弾性率が著しく低下する。
このような共重合体を得るには、アクリロニトリル系共重合体とカルボキシル基を有するビニル単量体とを共重合させればよい。カルボキシル基を有するビニル単量体としては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸が好ましい。カルボキシル基を有するビニル単量体の配合量を調整することで、共重合体中のカルボキシル基の当量を調節できる。
また、必要に応じて、カルボキシル基を有するビニル単量体以外のその他のビニル系単量体を併用してもよい。特に、その他のビニル系単量体として、アクリルアミド単位を併用するのが好ましい。
焼成工程での耐炎化反応性、及び熱環化反応速度は、共重合体中のカルボキシル基の含有量が支配的な要因であるが、少量のアクリルアミド単位が共存することで急激に増大する。また、アクリルアミド単位を併用することで、溶剤に対する溶解性の向上、湿式紡糸又は乾湿式紡糸した凝固糸の緻密性が向上する。
アクリルアミド単位の含有量は、共重合体100質量%中、0〜3質量%が好ましい。
共重合体は、通常、重合開始剤の存在下で共重合反応することで得られる。本発明において共重合体は、重合開始剤によるポリマー末端基が、主に硫酸基及びスルホン酸基からなることが好ましい。ポリマー末端の硫酸基とスルホン酸基は、共重合体を用いて作製するポリアクリロニトリル系繊維の緻密性の制御に重要な役割を果たす。
すなわち、共重合体はその末端に0.5×10−5当量/g以上、4.0×10−5当量/g未満の硫酸基とスルホン酸基を有することが好ましい。
硫酸基とスルホン酸基の当量(含有量)が0.5×10−5当量/g未満では、凝固糸がボイドの多い繊維構造となりやすく、最終的な炭素繊維の性能が低下しやすくなる。この傾向を防ぐため1.0×10−5当量/g以上の硫酸基及びスルホン酸基を有することがより好ましい。
ところで、ポリマー末端の硫酸基とスルホン酸基が多くなるということは共重合体の分子量の低下を意味することになる。硫酸基とスルホン酸基含有量の当量が4.0×10−5当量/g以上であると、共重合体の分子量が必要以上に低下し、その結果、溶剤に溶解した際に溶液の粘度が低下しやすくなる傾向にあり、繊維の緻密性の低下をもたらすことになる。
なお、本発明において「硫酸基とスルホン酸基の当量」とは、共重合体1g当りの硫酸基とスルホン酸基のモル当量を意味する。
なお、上述した各単量体単位を共重合させて共重合体を製造し、共重合体溶液に用いる際は、製造した共重合体から未反応の単量体や重合触媒残査、その他の不純物類を極力取り除いてから用いることが望ましい。
共重合体の含有量は、共重合体溶液100質量%中、15〜25質量%が好ましく、17〜23質量%がより好ましい。共重合体の含有量が上記範囲内であれば、共重合体溶液を紡糸する際に、緻密な凝固糸が得られやすくなる。
<アミド系溶剤>
本発明で用いられるアミド系溶剤としては、緻密性の高いポリアクリロニトリル系繊維を得ることが可能なジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミドを用いることが好ましく、ジメチルアセトアミドが特に好ましい。
なお、ジメチルアセトアミドの場合は、分解物として酢酸をはじめから数十〜100ppm程度含んでいる場合が多く、共重合体溶液を調製した際に、後述する酢酸を実際に添加した量よりも、共重合体溶液中に含まれる酢酸の量の方が若干多くなる。しかし、ジメチルアセトアミドに微量の酢酸が含まれていても、ポリアクリロニトリル系繊維の製造工程で用いる場合には、新たな成分が追加される訳ではないために、凝固浴や溶剤回収工程に悪影響を及ぼす恐れはない。
アミド系溶剤の含有量は、共重合体溶液100質量%中、75〜85質量%が好ましく、77〜83質量%がより好ましい。アミド系溶剤の含有量が75質量%未満であると、共重合体溶液の粘度が高くなりすぎるため、紡糸原液として用いた場合に紡糸速度を上げることが困難となる傾向にある。一方、アミド系溶剤の含有量が85質量%を超えると、共重合体溶液の粘度が低くなりすぎるため、紡糸して得られるポリアクリロニトリル系繊維の緻密性が著しく低下する傾向にある。
<酢酸>
本発明の共重合体溶液は酢酸を含むが、酢酸の含有量により、効果に大きな違いが発生する。従って、酢酸の含有量は本発明の効果を発現するための重要な要素の一つとなる。
本発明において、酢酸の含有量は、共重合体の単位質量当たりのカルボキシル基の当量をA(mol/g)としたときに、0.3A〜3.0A(mol/g)であり、0.3A〜2.7A(mol/g)が好ましく、0.5A〜2.7A(mol/g)がより好ましい。酢酸の含有量が上記範囲内であれば、共重合体のカルボキシル基同士の会合による粘度上昇や室温付近におけるゲル化といった現象を抑制し、共重合体溶液の安定性を向上させることができる。
酢酸の含有量が0.3A(mol/g)未満では、共重合体のカルボキシル基の分子間会合を十分に抑制することが困難となる。一方、酢酸の含有量が3.0A(mol/g)を超えると、共重合体の熱安定性が著しく低下しやすくなる。なお、酢酸はアクリロニトリル系共重合体に対して良溶媒ではないため、含有量が多くなりすぎると共重合体溶液が不安定になり、かえってゲル化しやすくなる。
<共重合体溶液の調製>
本発明の共重合体溶液は、例えば上述した共重合体をアミド系溶剤に溶解させ、これに酢酸を添加することで得られる。
共重合体をアミド系溶剤に溶解させる方法としては、公知の任意の方法を用いることができる。
また、酢酸を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、共重合体溶液中の酢酸の含有量が、最終的に上述した範囲内になればよい。従って、酢酸の添加方法としては、上述したように、共重合体をアミド系溶剤に溶解した後に添加する方法の他、あらかじめアミド系溶剤に添加しておいてもよく、共重合体をアミド系溶剤に溶解させる時に同時に添加してもよい。また、これら以外の方法を用いてもよい。
ところで、従来の紡糸原液(アクリロニトリル系重合体を有機又は無機溶剤に溶解した溶液)は、粘度が上昇して、ゲル化が発生しやすかった。これは、アクリロニトリル系重合体中のカルボキシル基同士が分子間会合することによるものと考えられる。
しかし、本発明の共重合体溶液であれば、共重合体に含まれるカルボキシル基と酢酸のカルボキシル基が会合を形成しやすいため、従来の紡糸原液に比べて、共重合体のカルボキシル基同士の分子間会合を抑制でき、その結果、粘度上昇しにくくなりゲル化の発生を軽減できる。このような特性により、室温付近の比較的低い温度で長期間保存してもゲル化の進行が非常に遅く、本発明の共重合体溶液は保存安定性に優れる。
また、本発明の共重合体溶液は、共重合体に含まれるカルボキシル基と酢酸のカルボキシル基が会合を形成しやすいため、分子間の相互作用が少なく、共重合体溶液の粘度が従来の紡糸原液に比べて低下しやすい、といった特徴を有する。このような特徴により、本発明の共重合体溶液は、ポリアクリロニトリル系繊維の紡糸に用いる場合に、従来の紡糸原液よりも低い温度で紡糸することが可能となり、高温での保存の必要性が少なくなるため非常に好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、粘度が低く、長時間室温付近の比較的低温で保存しても粘度の上昇が遅く、安定性の高いアクリロニトリル系共重合体溶液(紡糸原液)を得ることができる。
また、本発明のアクリロニトリル系共重合体溶液は、上述したように粘度が低く、ゲル化しにくいことから、紡糸工程において共重合体溶液を濾過して精製する際のフィルターにかかる圧力上昇が起こりにくく、フィルターの交換頻度を軽減できる。
本発明のアクリロニトリル系共重合体溶液は、ポリアクリロニトリル系繊維、特に炭素繊維前駆体繊維束であるプレカーサーの製造に好適に用いることができる。
[炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法]
本発明の炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法(以下、単に「製造方法」という場合がある。)は、前記アクリロニトリル系共重合体溶液を紡糸原液として紡糸する工程を有する。
紡糸方式としては、湿式紡糸法、乾−湿式紡糸法、乾式紡糸法が採用でき、いずれの方法に限定されるものではないが、湿式紡糸法、乾−湿式紡糸法が紡糸の生産性、炭素繊維の強度発現性の観点から好ましく用いられる。
紡糸では、まず、紡糸原液を円形断面のノズル孔より凝固浴中に吐出するか(湿式紡糸)、又は一旦空気中に吐出した後、凝固浴に導いて(乾−湿式紡糸)、凝固糸とする。紡糸ドラフトは、ポリマー濃度、延伸倍率に応じ、所望のデニール繊維が得られるように適切に設定する。
炭素繊維の製造に適した、緻密で均質な前駆体繊維を得るには、延伸、熱処理による繊維の高配向化や高結晶化が重要であり、これが不十分な場合、炭素繊維の性能が低下する。
得られた凝固糸はその後、洗浄、延伸等の工程を経て炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維とされる。該工程としては脱溶剤、浴中延伸、油剤付着処理、乾燥、更にはスチーム延伸または乾熱延伸等の後延伸が挙げられる。
該炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維を焼成することにより、炭素繊維を製造できる。焼成は耐炎化、炭素化等の処理を公知の方法により施すことにより実施できる。
本発明の製造方法は、本発明のアクリロニトリル系共重合体溶液を紡糸原液として紡糸するので、炭素繊維の製造に適した緻密なポリアクリロニトリル系繊維、特に炭素繊維前駆体繊維束であるプレカーサーを製造できる。
また、本発明の製造方法は、紡糸工程において共重合体溶液を濾過して精製する際のフィルターにかかる圧力上昇が起こりにくく、フィルターの交換頻度を軽減できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例、比較例中の「%」は質量%を意味する。また、「共重合体」はアクリロニトリル系共重合体を意味し、「共重合体溶液」はアクリロニトリル系共重合体溶液を意味する。
実施例、比較例における各測定方法については、下記の方法により実施した。
<測定方法>
(1)共重合体の組成比
共重合体の組成比(各単量体単位の比率(質量比))は、H−NMR法(日本電子(株)製、「GSZ−400型超伝導FT−NMR」)により、溶媒としてジメチルスルホキシド−d6溶媒を用い、積算回数40回、測定温度120℃の条件にて測定して、ケミカルシフトの積分比から求めた。
(2)共重合体の極限粘度[η]
25℃のジメチルホルムアミド溶液を用い、ウベローデ式粘度計にて測定した。
(3)共重合体中のカルボキシル基の当量の定量
共重合体中のカルボキシル基の当量(含有量)は、(1)の共重合体の組成比において測定したH−NMRの結果からカルボキシル基のモル当量を算出し、共重合体1g当りに換算した。
(4)共重合体溶液中の酢酸の含有量の定量
共重合体溶液中の酢酸の含有量は、共重合体溶液を水中に投入し、ミキサーで撹拌して再沈させ、共重合体をろ過して取り除いた後、水中に溶解した酢酸の量をイオンクロマトグラフィー法により測定した。
(5)共重合体溶液の落球粘度の測定
共重合体溶液を200mLの粘度管に入れ、恒温槽中で30℃、および85℃にてそれぞれ保持し、所定時間ごとに鋼球を落とし、落球粘度の経時変化を測定し、ゲル化に要した日数を計測した。
(6)共重合体溶液のフィルター差圧の測定
60℃で保温した共重合体溶液を、15g/分でステンレス鋼繊維焼結フィルター((株)明成商会製、「NF2M−05」、濾過面積8.79×10−5)で濾過したときにフィルターにかかる圧力変化を圧力計にて測定した。このとき、測定開始時のフィルターにかかる圧力がX[MPa]、ある積算ドープ量通過時の圧力がY[MPa]であった場合、Y−X[MPa]をその積算ドープ量通過時のフィルター差圧とする。
(7)共重合体溶液連続紡糸時のフィルター寿命の測定
80℃に保温した共重合体溶液をステンレス鋼繊維焼結フィルター((株)明成商会製、「NF2M−05」、濾過面積2.02×10−3)で濾過した後、直径が0.075mm、孔数が6000の口金を通して67%ジメチルアセトアミド水溶液(38℃)に吐出し、凝固糸を作製し、それを空気中で1.5倍に延伸し、続いて熱水中で3.4倍に延伸しながら洗浄、脱溶剤したあと、シリコン系油剤溶液中に浸漬し、140℃の加熱ローラーで緻密乾燥化した。引き続いて170℃の加熱蒸気中で1.5倍に延伸し、捲取速度100m/分にて1.1デニールの円形断面を有する炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維を長期間連続的に湿式紡糸により製造した。このときの開始日から終了日までの間にステンレス鋼繊維焼結フィルターを交換した回数を調べた。
[実施例1]
<アクリロニトリル系共重合体の調製>
オーバーフロー式の重合容器にアクリロニトリル(AN)単位、アクリルアミド(AAm)単位、メタクリル酸(MAA)単位と、蒸留水、そして重合開始剤の過硫酸アンモニウム、亜硫酸水素アンモニウムおよび硫酸を毎分一定量供給し、50℃に維持しながら撹拌を続け、オーバーフローしてきた重合スラリーを洗浄、乾燥して共重合体を得た。
得られた共重合体の組成比、カルボキシル基の当量、極限粘度[η]を表1に示す。
<アクリロニトリル系共重合体溶液の作製>
共重合体21.2%、酢酸0.1%、ジメチルアセトアミド78.7%を混合し、加熱溶解してア共重合体溶液を作製した。なお、ジメチルアセトアミドには、微量の酢酸が含まれている。
実施例1で得られた共重合体溶液中の酢酸の含有量は0.11質量%(1.8×10−5mol/g)であった。これは共重合体のカルボキシル基の当量をAとしたときに0.91Aであることを意味する。
共重合体溶液の初期の落球粘度、およびゲル化日数(ゲル化して落球しなくなるまでの日数)を表1に示す。さらに、共重合体溶液の落球粘度の経時変化の結果を図1(30℃)、図2(85℃)に示す。なお、共重合体溶液の初期の落球粘度とは、粘度管を恒温槽中で60分間保持した直後に鋼球を落下させた際の落球粘度のことである。
[実施例2]
共重合体の配合量を21.2%、酢酸の配合量を0.3%、ジメチルアセトアミドの配合量を78.5%とした以外は、実施例1と同様にして共重合体溶液を作製した。
実施例2で得られた共重合体溶液中の酢酸の含有量は0.31質量%(5.2×10−5mol/g)であり、これは共重合体のカルボキシル基の当量をAとしたときに2.64Aであることを意味する。
共重合体溶液の初期の落球粘度、およびゲル化日数を表1に示す。
[実施例3]
共重合体の配合量を21.2%、酢酸の配合量を0.05%、ジメチルアセトアミドの配合量を78.75%とした以外は、実施例1と同様にして共重合体溶液を作製した。
実施例3で得られた共重合体溶液中の酢酸の含有量は0.06質量%(1.0×10−5mol/g)であり、これは共重合体のカルボキシル基の当量をAとしたときに0.51Aであることを意味する。
共重合体溶液の初期の落球粘度、およびゲル化日数を表1に示す。
[比較例1]
共重合体の配合量を21.2%、ジメチルアセトアミドの配合量を78.8%とし、酢酸を混合しなかった以外は、実施例1と同様にして共重合体溶液を作製した。
比較例1で得られた共重合体溶液中の酢酸の含有量は0.006質量%(1.0×10−6mol/g)であり、これは共重合体のカルボキシル基の当量をAとしたときに0.051Aであることを意味する。
共重合体溶液の初期の落球粘度、およびゲル化日数を表1に示す。さらに、共重合体溶液の落球粘度の経時変化の結果を図1(30℃)、図2(85℃)に示す。
[比較例2]
共重合体の配合量を21.2%、酢酸の配合量を0.5%、ジメチルアセトアミドの配合量を78.3%とした以外は、実施例1と同様にして共重合体溶液を作製した。
比較例2で得られた共重合体溶液中の酢酸の含有量は0.51質量%(8.5×10−5mol/g)であり、これは共重合体のカルボキシル基の当量をAとしたときに4.31Aであることを意味する。
共重合体溶液の初期の落球粘度、およびゲル化日数を表1に示す。さらに、共重合体溶液の落球粘度の経時変化の結果を図1(30℃)、図2(85℃)に示す。
Figure 2009256859
表1から明らかなように、実施例1で得られた共重合体溶液は、初期の落球粘度が30℃では500ポイズ、85℃では100ポイズと低かった。また、落球粘度の経時変化を調べた結果、30℃では50日経過してもゲル化せず、室温付近でも極めて安定であることが分かった。また、85℃ではゲル化して落球しなくなるまでの日数が31日であった。さらに、図1、2から明らかなように、実施例1で得られた共重合体溶液は、時間が経過しても落球粘度が変化しにくく、安定していた。
実施例2、3で得られた共重合体溶液についても、30℃における初期落球粘度の値が比較例に比べて低かった。また、85℃の高温においても初期落球年粘度の値は低かった。さらに、ゲル化に要した日数も30℃の場合は比較例よりも長く、室温付近における安定性に優れていた。
一方、比較例1で得られた共重合体溶液は、初期の落球粘度が30℃では970ポイズ、85℃では170ポイズと実施例に比べて高かった。また、落球粘度の経時変化を調べた結果、30℃ではゲル化して落球しなくなるまでの日数が23日であり、粘度の上昇が速く、室温付近にて不安定であることが分かった。なお、85℃ではゲル化して落球しなくなるまでの日数が32日であり、実施例1と同程度であった。さらに、図1、2から明らかなように、比較例1で得られた共重合体溶液は、時間の経過と共に、落球粘度が上昇しやすいことが示唆された。
比較例2で得られた共重合体溶液は、初期の落球粘度が30℃では900ポイズ、85℃では140ポイズと実施例に比べて高かった。また、落球粘度の経時変化を調べた結果、30℃ではゲル化して落球しなくなるまでの日数が22日であり、粘度の上昇が速く、室温付近にて不安定であることが分かった。なお、85℃では粘度の上昇が極めて速く、ゲル化して落球しなくなるまでの日数が20であった。さらに、図1、2から明らかなように、比較例2で得られた共重合体溶液は、時間の経過と共に、落球粘度が上昇しやすいことが示唆された。
[実施例4]
実施例2で作製した共重合体溶液をステンレス鋼繊維焼結フィルター((株)明成商会製、「NF2M−05」、濾過面積8.79×10−5)で濾過したときのフィルター差圧を測定した結果を図3に、この共重合体溶液1000g通過時(積算ドープ量1000g)のフィルター差圧を表2に示す。
また、実施例2で作製した共重合体溶液を長期間連続的にステンレス鋼繊維焼結フィルター((株)明成商会製、「NF2M−05」、濾過面積2.02×10−3)で濾過し、湿式紡糸することで炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維を製造した。このときの開始日から終了日までの間にフィルターを交換した回数を調べ、1年間当たりの回数に換算した。結果を表2に示す。
[比較例3]
比較例1で作製した共重合体溶液を用いた以外は、実施例4と同様の検証を行った。このときのフィルター差圧を測定した結果を図3に、この共重合体溶液1000g通過時(積算ドープ量1000g)のフィルター差圧、および炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維を長期間連続的に湿式紡糸により製造したときの開始日から終了日までの間にフィルターを交換した回数を調べ、1年間当たりの回数に換算した結果を表2に示す。
Figure 2009256859
表2から明らかなように、実施例2で得られた共重合体溶液は、該共重合体溶液が積算1000g通過した時のフィルター差圧が0.09MPaと低い値であり、図3から明らかなようにフィルター差圧の上昇も小さかった。
また、この共重合体溶液を用いて連続濾過、紡糸運転を行った実施例4では、フィルターの交換回数が少なく、安定に各工程を行うことができた。
一方、比較例1で得られた共重合体溶液は、該共重合体溶液が1000g通過した時のフィルター差圧が0.13MPaであり、実施例に比べて高い値を示した。また、図3から明らかなようにフィルター差圧の上昇も実施例に比べて早かった。
また、この共重合体溶液を用いて連続濾過、紡糸運転を行った比較例3では、濾過フィルターの交換回数が実施例の約1.46倍であり、交換頻度が多かった。

Claims (4)

  1. 共重合体単位質量当たりA当量のカルボキシル基を有するアクリロニトリル系共重合体、アミド系溶剤、および酢酸を含むアクリロニトリル系共重合体溶液であって、
    前記酢酸の量が0.3A〜3.0Amol/gである、アクリロニトリル系共重合体溶液。
  2. 前記アクリロニトリル系共重合体が、5.0×10−5〜2.0×10−4当量/gのカルボキシル基を有する請求項1に記載のアクリロニトリル系共重合体溶液。
  3. 前記アミド系溶剤が、ジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミドである請求項1または2に記載のアクリロニトリル系共重合体溶液。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のアクリロニトリル系共重合体溶液を紡糸原液として紡糸する工程を有する、炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
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