JP3933712B2 - 炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維、その製造方法、及びその前駆体繊維から得られる炭素繊維 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は炭素繊維製造用アクリロニトリル系前駆体繊維に関し、特に高強度及び高弾性を有する炭素繊維の製造に好適な、緻密性の高い、アクリロニトリル系前駆体繊維に関するものである。
背景技術
従来、アクリロニトリル系繊維を前駆体とする炭素繊維及び黒鉛繊維(本出願では、一括して炭素繊維という。)はその優れた力学的性質により、航空宇宙用途を始め、スポーツ、レジャー用途の高性能複合材の補強繊維素材として広い範囲で利用されている。さらに、これらの複合材料の高性能化のために炭素繊維の品質、性能の一層の向上が求められると共に、さらに製造コストの低減により産業資材用途への広がりが期待されている。
炭素繊維の前駆体としてのアクリロニトリル系繊維は、衣料用アクリル繊維とは異なりあくまでも最終製品である炭素繊維を製造するための中間製品である。従って、品質、性能の優れた炭素繊維を与えるようなものが求められると同時に、前駆体紡糸時の安定性に優れ、かつ炭素繊維となす焼成工程において生産性が高く、低コストで提供し得るものであることが極めて重要である。
このような観点から、炭素繊維の高強度、高弾性化を目的としたアクリロニトリル系繊維について数多くの提案がなされてきた。その中で、原料重合体の高重合度化、アクリロニトリル以外の共重合成分含有量を低下させる等の提案がある。又、紡糸方式に関しては、乾−湿式紡糸法の採用が一般的である。
しかしながら、アクリロニトリル以外の共重合成分含有量を低下させた場合、一般的に溶剤への溶解性が低下し、紡糸原液の安定性が損なわれると共に、重合体の析出凝固性が著しく高くなり、前駆体繊維の安定した製造が困難になる。そこで、乾−湿式紡糸方式を用いることによりこれらの問題を補ってきた。
乾−湿式紡糸方式はノズルから押し出された重合体溶液を一旦空気中に吐出した後、連続的に凝固浴に導き、繊維形成を行うことから、緻密な凝固糸が得やすい反面、ノズル孔ピッチを小さくすると隣接する繊維が接着する問題が生じ、多ホール化に限界がある。
乾−湿式紡糸方式に比較して、アクリル繊維の製造に一般的に応用されている湿式紡糸方式は、凝固速度が早くノズル孔を高密度に配列することが可能であることから、生産性の面で優位であり、湿式紡糸方式を採用しうる高性能炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維が切望されてきた。
しかし、湿式紡糸方式によって得られる繊維束は一般に単繊維切れや毛羽が多く、さらに紡糸方式の特徴として、得られる前駆体繊維の引っ張り強度・弾性率が低く、前駆体繊維構造の緻密性や配向度が低い。従ってこれを焼成して得られる炭素繊維の力学的性能は概して不十分である。
そこで、湿式紡糸方式を用いながら繊維構造の高緻密化の方法がこれまでにいくつか開示されている。
例えば、特公昭54−39494号公報には非水系の有機溶媒を凝固剤とした湿式紡糸法により、緻密性の高いアクリロニトリル系繊維を製造する方法が開示されている。しかし、この方法は凝固浴に非水系の有機溶媒を用いるという点で経済的でない。
特開昭58−214518号公報には、焼成工程における工程通過性及びそれに伴う炭素繊維品質面での改善を主目的とし、繊維の構造、特にスキン層の厚さに特徴を有する前駆体繊維が開示されているが、繊維の構造を支配する重要な要因であるポリマー組成及び凝固糸構造はまったく考慮されていないため、炭素繊維の性能向上という観点からは不十分である。
さらに、アクリロニトリル系前駆体繊維の原料となるアクリロニトリル系重合体においては、繊維への賦形性はもちろん、焼成工程での複雑な熱化学反応について十分に考慮する必要がある。
すなわち、性能・品質ともに優れた炭素繊維をより低製造コストにて得るためには、焼成熱処理により炭素構造に至らしめる際、フュージング(融着)発生や炭素繊維性能低下の原因となる熱分解物生成が少なく、かつ短時間の焼成でこれが可能であるような熱反応特性を持つことが望ましい。
アクリロニトリル系繊維から炭素繊維への転換には大幅な物理・化学的変化を伴うため、両者の因果関係が極めて不明瞭である。理論的な解明についても種々研究されてきたが、未だ多くの未解決の問題を包含しているのが現状である。
アクリロニトリル系前駆体繊維を構成する基本となるアクリロニトリル系重合体としていかなる重合組成のものが好適かという点を、工業的な観点から定量的に示したものは少ない。
従来提案されてきたものからその知見を纏めてみると、炭素繊維前駆体用のアクリロニトリル系重合体としては、アクリロニトリル単位がその重合組成においてある程度以上(約90重量%以上)含有されるものが好ましいということ、又焼成過程を短時間で通過させるため適当な反応開始基、すなわちニトリル基の環化縮合反応を促進する官能基(例えばカルボキシル基)を導入することが有効であること、さらにこれらの条件をふまえながら、前駆体繊維への賦形を容易にすべく、その他のコモノマーを添加することなどの方法が挙げられる。
これまで、例えば重合体組成中のアクリロニトリル単位の含有率が高い重合体を用いた場合、溶剤への溶解性が低下し前駆体繊維の製造は極めて限定された方法に依存せざるを得ず、原液濃度も希釈なものになることから、炭素繊維性能・紡糸賦形性において十分満足なものとなっていない。
又、紡糸賦形における自由度を広げるべく共重合成分の含有量を増加したものは、これを用いた前駆体繊維の焼成熱処理においてフュージング(融着)が生じやすく、同時に炭素化収率も低下するなど、焼成工程通過性、炭素繊維の品質・性能の面でなお不十分である。
このような種々の問題を克服し、同時により短時間に焼成炭素化が可能な、あるいはこれに有利な原料重合体の組成を示唆する次のような提案がなされている。
例えば、焼成初期の耐炎化における環化及び酸化反応性が高い重合体組成にすることで焼成速度及び炭素化収率の向上を図る方法(特公昭47−33019号公報)、カルボン酸ビニルモノマーを用いる等重合体組成の限定により重合体製造や紡糸工程での安定性も考慮しながら焼成時間の短縮を試みたもの(特開昭51−7209号公報)、あるいは原料重合体にアミン塩類や過酸化物を添加する方法(特公昭51−7209号公報、特開昭48−87120号公報)などが提案されている。
しかし、これらはいずれも重合体組成すなわち共重合モノマーの種類や含有量について広範囲な構成を提示しているだけであり、焼成特性などの前駆体繊維に求められる特性を十分に満足するだけの適切な組成を開示したものとは到底言えない。さらに、耐炎化での反応促進そのものが高速焼成を可能にすると考えられているが、一方では得られる炭素繊維の性能はむしろ損なわれる傾向にあり、炭素繊維の生産性及び性能の両面での向上は達成されていない。又、重合体へのアミン類や過酸化物等の添加は、紡糸原液や前駆体繊維の安定性に種々の悪影響をもたらすため工業的に優れた方法ではない。
こういった中で、特開昭52−34027号公報において、重合体組成を限定し、さらに焼成処理条件に工夫を施すことで、高性能炭素繊維を経済的かつ安定に製造するための方法が開示されている。特に(メタ)アクリルアミドとカルボキシル基含有モノマーの併用による耐炎化反応促進における特異的な効果は注目に値する。
又、特開平5−339813号公報には、アクリロニトリル、アクリルアミドメタクリル酸の共重合組成をコントロールし、温式紡糸を行うことによって緻密性の高いアクリロニトリル系前駆体繊維とする提案がなされている。この提案によって、これまでの湿式紡糸方式での欠点を補うことが可能となったが、より高性能な炭素繊維を得るためのアクリロニトリル系前駆体繊維としては不十分なものである。
このように、従来から多くの方法が提案されているにもかかわらず、炭素繊維用前駆体繊維として、高い生産性を有し、高性能な炭素繊維を与えるアクリロニトリル系前駆体繊維は未だ得られていない。特に、焼成工程での耐炎化反応を効率よく実施する上でのアクリロニトリル系重合体組成に関する提案は多くなされているのに対して、繊維構造を支配する凝固工程において繊維構造を制御し、それによって高性能炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維を得る試みについては、提案がないのが現状である。
発明の開示
本発明者らは、このような従来の技術の問題点に鑑みて、前駆体繊維構造の緻密化、均質化について鋭意検討した結果本発明に至ったものである。すなわち本発明は、繊維構造を緻密化、均質化することにより、炭素繊維にしたときも容易に高強度と高弾性率を発現し得る炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維、その経済性に優れた製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、アクリロニトリル系共重合体を紡糸して凝固糸とし、この凝固糸を処理して得られる炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維において、前記アクリロニトリル系共重合体が、モノマー成分としてアクリロニトリル単位96重量%及びアクリルアミド単位1.0重量%以上を含み、カルボン酸基を5.0×10-5〜2.0×10-4当量/g、硫酸基及び/又はスルホン酸基を0.5×10-5当量/g以上含有し、かつポリマー末端に硫酸基及び/又はスルホン酸基を有し、カルボン酸基、硫酸基及びスルホン酸基のカウンターイオンがプロトン及び/又はアンモニウムイオンの共重合体であり、炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維のヨウ素吸着量が繊維重量あたり0.42重量%以下であることを特徴とする炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維に関する。
又、本発明は、モノマー成分としてアクリロニトリル単位96重量%以上及びアクリルアミド単位1.0重量%以上を含み、カルボン酸基を5.0×10-5〜2.0×10-4当量/g、硫酸基及び/又はスルホン酸基を0.5×10-5当量/g以上含有し、カルボン酸基、硫酸基及びスルホン酸基のカウンターイオンがプロトン及び/又はアンモニウムイオンであり、過硫酸塩/亜硫酸塩触媒、又はそれらのアンモニウム塩を用いて、ポリマー末端に硫酸基及び/又はスルホン酸基を導入して得られたものであるアクリロニトリル系共重合体を溶剤に溶解した紡糸原液を凝固浴中に吐出して凝固糸とし、この凝固糸を洗浄、延伸し、乾燥緻密化した後に再度1.5倍以上の延伸を行う炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法に関する。
本発明で用いられるアクリロニトリル系共重合体には、炭素繊維にしたときの共重合成分に起因する欠陥点を少なくし、炭素繊維の品質並びに性能を向上の目的からアクリロニトリル単位が90重量%以上、好ましくは96重量%以上含まれることが必要である。
又、本発明で用いられるアクリロニトリル系共重合体には、アクリルアミド成分が1重量%以上含まれることが以下の理由から好ましい。焼成工程での耐炎化反応性、及び熱環化反応速度は、後述するようにカルボン酸基の含有量が支配的な要因であるが、少量のアクリルアミドが共存することで急激に増大する。このとき共重合体中のアクリルアミド含有量が1重量%未満ではこの熱環化反応の促進効果が不明瞭となる。又、アクリルアミドを含ませることで、溶剤に対する溶解性の向上、湿式紡糸又は乾湿式紡糸した凝固糸の緻密性が向上する。凝固糸の緻密性については、後述する硫酸基又はスルホン酸基が支配的な要因であるが、アクリルアミドを含有させることでより緻密な凝固糸を得ることが可能となる。アクリルアミド含有量の上限は特に限定はされないが、好ましくは4重量%未満である。
本発明において、重合体中に含まれるカルボン酸基は、焼成工程での耐炎化反応性を高める役割を果たす一方、炭素繊維の欠陥点となるため、最適なものに制御する重要な要素である。すなわち、カルボン酸基の含有量が5.0×10-5当量/g未満である場合は、焼成工程での耐炎化反応性が低く、さらに高温での処理を必要とする。高温で処理を行うと、暴走反応が起こりやすく、安定した焼成工程通過性を得る事が困難となる。逆に暴走反応を抑制するために、低速度での焼成を行う必要が生じ経済的でない。
又、カルボン酸基の含有量が2.0×10-4当量/gを越えるとポリマーのニトリル基の閉環反応が迅速になるため繊維内部にまで酸化反応が進行せず、繊維表層近くの部分のみ耐炎化構造が進行する形となる。しかしこのような構造では、次のさらに高温の炭素化工程において、繊維中心部の耐炎化構造未発達な部分の分解が抑制できないため、炭素繊維の性能、特に引張弾性率が著しく低下する。
本発明において、アクリロニトリル系共重合体へカルボン酸基を導入する方法としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基を有するビニル系モノマーをアクリロニトリル及びその他のモノマー成分と共重合することによって容易に達成される。この中でも、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸が好ましい。
本発明において、硫酸基及び/又はスルホン酸基は前駆体繊維の緻密性の制御に重要な役割を果たす。硫酸基及び/又はスルホン酸基の含有量が0.5×10-5当量/g未満では凝固糸がボイドの多い繊維構造となりやすく、最終的な炭素繊維の性能が低下する。この傾向を防ぐため1.0×10-5当量/g以上硫酸基及び/又はスルホン酸基が含まれることが好ましい。一方、硫酸基及び/又はスルホン酸基量の上限は特に限定されないが、次に説明するように硫酸基及び/又はスルホン酸基を、これらの官能基をもつモノマーを共重合させることによって導入する場合は、コモノマー量が必要以上に増えることになるため、その部位が欠陥点となり、かえって炭素繊維の性能が低下する結果となる。従って、共重合体に含まれる硫酸基及び/又はスルホン酸基含有量としては4.0×10-5当量/g未満が好ましい。
本発明において、硫酸基及び/又はスルホン酸基を導入する方法としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、P−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スルホアルキルアクリレート、スルホアルキルメタクリレート、アクリルアミドアルカンスルホン酸、又はそれらのアンモニウム塩等のスルホン酸基含有ビニルモノマーをアクリロニトリルと共重合する方法、又は過硫酸塩/亜硫酸塩触媒、又はそれらのアンモニウム塩を用い、ポリマー末端に硫酸基及び/又はスルホン酸基を導入する方法のどちらも採用できる。又必要に応じて両方式の併用も可能である。
上記の硫酸基、スルホン酸基及びカルボン酸のカウンターイオンは、プロトン又はアンモニウムイオンが好ましい。ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属を用いた場合は、焼成後も炭素繊維に残存しやすく、炭素繊維の性能の強度が低下するからである。
本発明で用いられるアクリロニトリル系共重合体は、アクリロニトリル、アクリルアミド、及び上記カルボン酸基含有ビニルモノマーやスルホン酸基含有ビニルモノマー以外にも本発明の要件を満足する範囲で、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のビニル基含有カルボン酸のエステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、無水マレイン酸、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン等のモノマーを少量含んでいても良い。
このようなモノマーを用いて、アクリロニトリル系共重合体を製造するには、溶液重合、懸濁重合等公知の重合方法の何れでも用いることができる。溶液重合を採用する場合、アゾ系開始剤又は有機過酸化物開始剤を使用するが、この開始剤では硫酸基及び/又はスルホン酸基をポリマー中に導入することができないため、前述した硫酸基及び/又はスルホン酸基を含有するモノマーを必要量共重合する。
又、懸濁重合においても上記開始剤を用いる場合は同様に硫酸基及び/又はスルホン酸基含有モノマーを共重合する必要があるが、過硫酸/亜硫酸、塩素酸/亜硫酸又はそれらのアンモニウム塩等のレドックス触媒を用いた場合、ポリマー中に硫酸基及び/又はスルホン酸基が導入されるため、効率よく本発明のポリマーを得ることができる。
重合された共重合体から、未反応モノマーや重合触媒残査、その他の不純物類を極力のぞくことが好ましい。又前駆体繊維紡糸での延伸性や炭素繊維の性能発現性などの点から、共重合体の重合度は極限粘度[η]が1.0以上、特に1.4以上が好ましい。又、極限粘度[η]が2.0以下のものが通常用いられる。
次に得られた共重合体を溶剤に溶解し紡糸原液とする。溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びジメチルフォルムアミド等の有機溶剤や塩化亜鉛、チオシアン酸ナトリウム等の無機化合物の水溶液が使用できるが、繊維中に金属物を含有せず、工程が簡略化される点で有機溶剤が好ましく、その中でも凝固糸の緻密性が高いという点でジメチルアセトアミドが最も好ましい。
紡糸したときに緻密な凝固糸を得るためには、紡糸原液としてある程度以上ポリマー濃度を有するポリマー溶液を使用することが好ましく、ポリマー濃度としては17重量%、さらに好ましくは19重量%以上である。又、通常25重量%以下が好ましい。
紡糸方法としては、乾−湿式紡糸、湿式紡糸の両方式とも採用が可能であるが、特に生産性にすぐれた湿式紡糸方式が工業的な観点から好ましい。
紡糸は、紡糸原液を円形断面を有するノズル孔より凝固浴中に吐出するか(湿式紡糸)、又は一旦空気中に吐出した後凝固浴に導いて(乾−湿式紡糸)、凝固糸とする。紡糸ドラフトは、ポリマー濃度、延伸倍率に応じ、所望のデニール繊維が得られるように適切に設定する。
前駆体繊維の繊維構造の緻密性あるいは均質性が不十分な場合、焼成時に欠陥点となり、炭素繊維の性能を損なう。緻密で均質な前駆体繊維を得るには、この凝固糸の性状が極めて重要であり、本発明において凝固糸は、空隙率が50%以下であることが好ましい。
空隙率は、凝固糸の均質性の指標であり、空隙率が50%以下であれば、凝固糸に存在する細孔は十分に均一である。本発明者らが検討した結果、本発明が対象とする凝固糸において空隙率が50%以下の範囲では、図1に示すように空隙率と平均細孔半径は良好な相関を示す。逆に、空隙率が55%を越えると、空隙率と平均細孔半径の相関がなくなり、平均細孔半径のみが増大してくる。これは、空隙率が大きくなると、大きい半径を有する細孔が増加することを示しており、凝固糸が均質でなくなることを示唆しているものと考えられる。
又、凝固糸は失透していない透明なものが好ましい。凝固糸の失透の原因としては、マクロボイドによるものと、ジメチルフォルムアミドやジメチルスルホキシドを溶剤として用いる水系凝固浴で紡糸したときに見られるマクロボイドの生成によらないものがある。失透は、アクリロニトリル系重合体に親水性単量体を導入したり、紡糸原液の溶剤、凝固浴中の溶剤をジメチルアセトアミドに変更したりすることで防ぐことができる。好ましい凝固糸は、マクロボイドが繊維1mm長中に1個未満である。
ここで、マクロボイドとは、最大径が0.1〜数μmの大きさを有する球形、紡錘形、円筒形を有する空隙を総称したものである。本発明における凝固糸は、このようなマクロボイドがなく、十分に均一な凝固によって得られたものである。マクロボイドの有無も、凝固糸を直接光学顕微鏡で観察することで容易に判断することができる。
本発明の凝固糸の性状は、前記の紡糸原液を用いて、凝固浴の条件を調整することで製造することができる。凝固浴は、紡糸原液に用いられる溶剤を含む水溶液が好適に使用され、含まれる溶剤の濃度を調節して、凝固糸の空隙率が50%以下となるように設定する。使用する溶剤によって一般的に異なるが、例えばジメチルアセトアミドを使用する場合は、ジメチルアセトアミドの濃度は50〜80重量%、好ましくは60〜75重量%である。
又、凝固浴の温度は低い方が好ましく、通常50℃以下、さらに好ましくは40℃以下である。凝固浴の温度を低くすればより緻密な凝固糸を得ることができるが、温度を下げすぎると凝固糸の引取速度が低下し生産性が低下するので、適切な範囲に設定することが望ましい。
次に凝固糸を、乾燥緻密化に先立ち、洗浄及び延伸する。この洗浄、延伸については特に限定はなく、洗浄後延伸、又は延伸後洗浄、あるいは同時に行うことが可能である。延伸方法としては、通常浴中延伸が用いられる。このとき浴中延伸は凝固糸を凝固浴中又は延伸浴中で直接延伸してもよいし、又一部空中延伸した後に、浴中延伸をしてもよい。浴中延伸は通常50〜98℃の延伸浴中で1回あるいは2回以上の多段に分割するなどして行われ、その前後あるいは同時に洗浄を行ってもよい。これらの操作によって凝固糸は浴中延伸完了時までに約4倍以上延伸されることが好ましい。又、空中延伸や溶剤延伸等も本発明の目的を損なわない範囲で採用することができる。
延伸、洗浄後の繊維は公知の方法によって油剤処理を行う。油剤の種類は特に限定されないが、アミノシリコン系界面活性剤が好適に使用される。
油剤処理後、乾燥緻密化が行われる。乾燥緻密化の温度は、繊維のガラス転移温度を越えた温度で行う必要があるが、実質的には含水状態から乾燥状態によって異なることもあり、温度は100〜200℃程度の加熱ローラーによる方法が好ましい。
本発明では、乾燥緻密化後、再度延伸(以下、後延伸という。)を行うことが重要である。後延伸は、高温の加熱ローラー、熱盤ピン等による乾熱延伸、あるいは加圧スチームによるスチーム延伸等の種々の方式を用いることができる。延伸倍率としては1.1倍以上、さらに好ましくは1.5倍以上である。
この後延伸は、特に前駆体繊維のヨウ素吸着量を低下させるのに有効であり、容易に前駆体繊維のヨウ素吸着量を繊維重量あたり0.8重量%以下とすることができる。ここで、ヨウ素吸着量とは、繊維をヨウ素溶液に浸漬したときに繊維が吸着するヨウ素の量であり、繊維構造の緻密性の程度を示す指標である。小さいほど繊維が緻密であることを示す。
さらに、本発明の前駆体繊維は断面形状が実質的に円形であることが好ましい。実質的に円形とは、断面にくびれがなく、長辺と短辺の比率が1.2以下、好ましくは1.1以下の楕円形状をも含むものである。このような断面形状を有する前駆体繊維を用いると、焼成工程において繊維断面方向に均一に耐炎化、炭素化されるので、より高性能な炭素繊維を得ることができる。断面形状が実質的に円形であるようにするには、紡糸原液の溶剤としてジメチルアセトアミドを使用し、同時に凝固浴中のジメチルアセトアミドの濃度を60〜75重量の範囲にコントロールする。
その後必要に応じて、緩和処理を行って本発明の前駆体繊維を得る。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。なお、以下で「%」は重量%を表す。また、以下に示す実施例1〜7、11及び12が本発明についての実施例であり、実施例8〜10は本発明に関連する発明についての参考実施例である。
(イ)「共重合体組成」
共重合体中のアクリルアミド、メチルアクリレート、スチレンスルホン酸アンモニウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、カルボン酸含有モノマー等の各モノマー含有量は、1H−NMR法(日本電子GSZ−400型超伝導FT−NMR)により測定して求めた。
(ロ)「共重合体の極限粘度[η]」
25℃のジメチルフォルムアミド溶液で測定した。
(ハ)「凝固糸の空隙率及び平均細孔半径」
凝固浴及び延伸浴から出た糸条を採取し、水洗後、液体窒素による凍結乾燥法を用いて構造の固定化を行う。この乾燥試料を約0.2g精秤しディラトメーターに入れる。次に水銀注入装置を用いて容器内を真空(0.05torr以下)にし、その後水銀を充填する。そして、ポロシメーターを用いて測定を行う。水銀圧入量より細孔体積を求める。圧力は最大3000バールまでかける。空隙率は以下の式を用いて求めた。
空隙率=V/(V+M)
ここで、M=試料の体積、V=細孔容積である。
平均細孔半径は、以下のように算出した。
各圧力における細孔半径を下式から求め、各圧力における細孔容積と細孔半径の細孔分布を求め、平均細孔半径を求めた。
細孔半径r=−2σcosθ/p
σ:水銀の表面張力(480dyn/cm)
θ:接触角(140°)
p:圧力
(ニ)「カルボン酸、硫酸基及び/又はスルホン酸基の定量」
カルボン酸の定量は、上述(イ)の1H−NMRにより定量した。
硫酸基及び/又はスルホン酸基の定量は、共重合体の2%ジメチルフォルムアミド溶液を陰陽混合イオン交換樹脂に通して電離性不純物を除去後、陽イオン交換樹脂に通して強酸基イオンを酸型に転換し、電位差滴定により、共重合体1g当たりの全強酸性基の当量数を求めた。
(ホ)「炭素繊維のストランド強度・弾性率」
JIS R 7601に記載の方法に準じて測定した。
(ヘ)「ヨウ素吸着量」
前駆体繊維2gを秤量採取し、100mlの三角フラスコに入れる。これにヨウ素溶液(ヨウ化カリウム100g、酢酸90g、2,4−ジクロロフェノール10g、ヨウ素50gを蒸留水に溶解し1000ml溶液とする)100mlを入れ60℃で50分間振とうし、ヨウ素吸着処理を行う。この後吸着処理糸を30分間イオン交換水にて洗浄し、さらに蒸留水にて洗浄した後、遠心脱水する。脱水糸を300mlビーカーに入れジメチルスルホキシド200mlを加え60℃にて溶解する。
この溶液をN/100硝酸銀水溶液で電位差滴定しヨウ素吸着量を求めた。
[実施例1]
オーバーフロー式の重合容器にアクリロニトリル(以下ANと略す)、アクリルアミド(以下、AAmと略す)、メタクリル酸(以下MAAと略す)、スチレンスルホン酸アンモニウム(以下ST−NH4と略す)、蒸留水とジメチルアセトアミド、そして重合開始剤のアゾビスイソブチロニトリルを毎分一定量供給し、65℃に維持しながら撹拌を続け、オーバーフローしてきた重合スラリーを洗浄、乾燥してアクリロニトリル系共重合体を得た。
組成はAN/AAm/MAA/ST−NH4=96.1/2.7/0.6/0.6(%)であった。又、共重合体の極限粘度[η]は1.7であった。さらにこのアクリロニトリル共重合体のカルボン酸、硫酸基及び/又はスルホン酸基はそれぞれ、7.5×10-5、3.2×10-5当量/gであった。
このアクリロニトリル系共重合体をジメチルアセトアミドに溶解して紡糸原液(重合体濃度21%、原液温度70℃)を調製した。
この紡糸原液を直径0.075mm、孔数3000の口金を用いて、濃度70%、浴温35℃のジメチルアセトアミド水溶液中に吐出し、透明で、マクロボイドのない凝固糸を得た。このときの空隙率は35%であった。さらにこの凝固糸を空気中で1.5倍、さらに温水中で3.4倍延伸しながら洗浄・脱溶剤した後、シリコン系油剤溶液中に浸漬し、140℃の加熱ローラーにて乾燥緻密化した。
引き続いて、180℃の熱板上で1.5倍延伸し、捲取速度77m/分にて1.1デニールの円形断面を有する前駆体繊維を得た。得られた前駆体繊維のヨウ素吸着量は0.32%であった。
この繊維を空気中230〜260℃の熱風循環式耐炎化炉にて5%の伸張を付与しながら50分間処理し、耐炎化繊維となし、引き続きこの繊維を窒素雰囲気下最高温度600℃、伸張率5%にて1.5分間低温熱処理し、さらに同雰囲気下で最高温度が1200℃の高温熱処理炉にて−4%の伸張の下、約1.5分処理した。得られた炭素繊維のストランド強度は510kg/mm2、ストランド弾性率は26.3ton/mm2であった。
[実施例2]
実施例1と同様な重合を行い表1に示した組成の極限粘度[η]が1.8の重合体を得た。この重合体を実施例1同様な方法で、1.1デニール繊維を紡糸し、焼成を実施した。
凝固糸を光学顕微鏡で観察したところ、透明でマクロボイドのない繊維であった。又、得られた前駆体繊維の断面形状は円形であり、ヨウ素吸着量、凝固糸の空隙率、及び得られた炭素繊維のストランド性能は表2に示した通りである。
[実施例3]
オーバーフロー式の重合容器にAN、AAm、MAAと蒸留水、そして重合開始剤の過硫酸アンモニウム、亜硫酸水素アンモニウム及び硫酸を毎分一定量供給し50℃に維持しながら撹拌を続け、オーバーフローしてきた重合スラリーを洗浄、乾燥してアクリロニトリル系共重合体を得た。この共重合体の組成及びカルボン酸、硫酸基及び/又はスルホン酸基含有量を表1に示した。又、この共重合体の極限粘度[η]は1.7であった。
この共重合体を実施例1と同様の条件で湿式紡糸法により紡糸し、透明で、マクロボイドのない凝固糸を得、さらに実施例1と同様な方法で後処理を施し、1.1デニールの円形断面を有する前駆体繊維を得た。
さらに、実施例1と同様な方法により焼成を行った。ここで得られた炭素繊維のストランド性能を表2に示した。
[実施例4]
実施例3と同様に重合を行い表1に示す組成の極限粘度[η]が1.7の共重合体を得た。この共重合体を実施例3と同様な方法で、紡糸、焼成を実施した。得られた凝固糸は実施例3と同様に、透明で、マクロボイドがなく、又前駆体繊維の断面形状は円形であり、ヨウ素吸着量、凝固糸の空隙率、及び得られた炭素繊維のストランド性能は表2に示した通りである。
[実施例5]
実施例3で用いたアクリロニトリル系共重合体をジメチルアセトアミドに溶解して紡糸原液(重合体濃度22%、原液温度70℃)を調製した。
この紡糸原液を直径0.15mm、孔数3000の口金を用いて、乾湿式紡糸を行った。エアギャップを5mmとして、濃度70%、浴温20℃のジメチルアセトアミド水溶液に吐出し凝固糸とした。凝固糸は透明で、マクロボイドのない均質なもので、このときの空隙率は28%であった。
さらにこの凝固糸を空気中で1.2倍、沸水中で4倍延伸しながら洗浄・脱溶剤した後、シリコン系油剤溶液中に浸漬し、140℃の加熱ローラーにて乾燥緻密化した。引き続いて180℃の乾燥ロール間で1.70倍延伸した後、捲取速度160m/分にて、1.1デニールの円形断面を有する前駆体繊維を得た。
この繊維を空気中230〜260℃の熱風循環式耐炎化炉にて5%の伸張を付与しながら50分間処理し、繊維密度が1.36g/cm3の耐炎化繊維となし、引き続き該繊維を窒素雰囲気下最高温度600℃、伸張率5%にて1.5分間低温熱処理し、さらに同雰囲気下で最高温度が1400℃の高温熱処理炉にて−5%の伸張の下、約1.5分処理した。得られた炭素繊維のストランド強度は550kg/mm2、ストランド弾性率は27.3ton/mm2であった。
[実施例6]
実施例3と同様な共重合体及び原液を用い、実施例3と同様な方法で紡糸し、洗浄、延伸、油剤処理、乾燥緻密化を行った。乾燥緻密化した繊維を2.5kg/cm2Gの加圧水蒸気中にて3.3倍延伸した後、再乾燥し、紡速110m/min.で捲取、1.1デニールの円形断面を有する前駆体繊維を得た。
この繊維を実施例3と同様な方法で焼成し、炭素繊維を得た。この性能を表2に示した。
[実施例7]
実施例3で得られた共重合体を用い、実施例3と同様な原液を調製した。
この紡糸原液を直径0.075mm、孔数3000の口金を用いて、濃度65%、浴温35℃のジメチルアセトアミド水溶液中に吐出し、透明で、マクロボイドのない凝固糸を得た。このときの空隙率は45%であった。さらに実施例1と同様な方法で、1.1デニールの円形断面を有する前駆体繊維を得た。得られた前駆体繊維のヨウ素吸着量は0.42%であった。
実施例3と同様な方法で焼成し、炭素繊維を得た。この性能を表2に示す。
Figure 0003933712
Figure 0003933712
[実施例8]
オーバーフロー式の重合容器に所定のモノマー、蒸留水とジメチルアセトアミド、そして重合開始剤のアゾビスイソブチロニトリルを毎分一定量供給し、65℃に維持しながら撹拌を続け、オーバーフローしてきた重合スラリーを洗浄、乾燥してアクリロニトリル系共重合体を得た。
各共重合体の組成及びカルボン酸、硫酸基及び/又はスルホン酸基量を表3に示した。重合開始剤量を調整し、極限粘度[η]1.7の共重合体を得た。この共重合体を実施例1と同様の条件で湿式紡糸法により紡糸し、1.1デニールの前駆体繊維を得た。
さらに、実施例1と同様な方法により焼成を行った。その結果得られた炭素繊維のストランド性能を表4に示した。
Figure 0003933712
Figure 0003933712
[比較例1〜4]
実施例8と同様にして極限粘度[η]1.7の共重合体を得た。各共重合体の組成及びカルボン酸、硫酸基及び/又はスルホン酸基量を表5に示した。この共重合体を実施例1と同様の条件で湿式紡糸法により紡糸し、1.1デニールの前駆体繊維を得た。さらに、実施例1と同様な方法により焼成を行った。その結果得られた炭素繊維のストランド性能を表6に示した。
Figure 0003933712
Figure 0003933712
[実施例9]
実施例1と同様な重合方法でAN/AAm/MAA/ST−NH4=97.9/0.5/0.7/0.9の組成を有するアクリロニトリル系共重合体を得た。又、共重合体の極限粘度[η]は1.7であった。さらにこのアクリロニトリル共重合体のカルボン酸、硫酸基及び/又はスルホン酸基はそれぞれ、8.2×10-5、4.5×10-5当量/gであった。
このアクリロニトリル系共重合体をジメチルアセトアミドに溶解して紡糸原液(重合体濃度21%、原液温度70℃)を調製した。
この紡糸原液を直径0.075mm、孔数3000の口金を用いて、濃度70%、浴温35℃のジメチルアセトアミド水溶液中に吐出し、透明でマクロボイドのない凝固糸を得た。このときの空隙率は58%であった。さらに実施例1と同様な方法で後処理を行い、1.1デニールの円形断面を有する前駆体繊維を得た。得られた前駆体繊維のヨウ素吸着量は0.35%であったが、紡糸時間とともにノズル圧が上昇し、安定な紡糸ができなかった。
この繊維を実施例1と同様な方法で焼成し炭素繊維を得た。得られた炭素繊維のストランド強度は450kg/mm2、ストランド弾性率は26.7ton/mm2であった。
[実施例10]
オーバーフロー式の重合容器にアクリロニトリル、メチルアクリレート(以下MAと略す)、メタクリル酸と蒸留水、そして重合開始剤の過硫酸アンモニウム、亜硫酸水素アンモニウム及び硫酸を毎分一定量供給し50℃に維持しながら撹拌を続け、オーバーフローしてきた重合スラリーを洗浄、乾燥してAN/MA/MAA=96/3/1重量%共重合体を得た。
この共重合体のカルボン酸含有量は1.2×10-4当量/g、硫酸基及び/又はスルホン酸基量の含有量は2.8×10-5当量/gであった。又、この共重合体の極限粘度[η]は1.75であった。
このアクリロニトリル系共重合体をジメチルアセトアミドに溶解して紡糸原液(重合体濃度21%、原液温度70℃)を調製した。
この紡糸原液を直径0.075mm、孔数3000の口金を用いて、濃度71%、浴温35℃のジメチルアセトアミド水溶液中に吐出し、透明なマクロボイドのない凝固糸を得たが、このときの空隙率は62%であった。さらにこの凝固糸を実施例1と同様な処理を行い、1.1デニールの円形断面を有する前駆体繊維を得た。得られた前駆体繊維のヨウ素吸着量は2.53%であった。
さらに、実施例1と同様な方法により焼成を行った。得られた炭素繊維のストランド強度は410kg/mm2、ストランド弾性率は25.3ton/mm2であった。
[比較例5]
実施例3と同様な共重合体及び原液を用い、実施例3と同様な方法で紡糸し、洗浄、延伸、油剤処理、乾燥緻密化を行い、後延伸することなく、1.1デニールの円形断面を有する前駆体繊維を得た。
この繊維のヨウ素吸着量を測定したところ、1.44%であった。
この繊維を実施例3と同様な方法で焼成し、炭素繊維を得た。得られた炭素繊維のストランド強度は440kg/mm2、ストランド弾性率は26.3ton/mm2であった。
[比較例6]
オーバーフロー式の重合容器にAN、AAm、MAA、蒸留水とジメチルアセトアミド、そして重合開始剤のアゾビスイソブチロニトリルを毎分一定量供給し、65℃に維持しながら撹拌を続け、オーバーフローしてきた重合スラリーを洗浄、乾燥して、カルボン酸基の含有量7.8×10-5当量/gで、硫酸基及びスルホン酸基を含有しないアクリロニトリル系共重合体を得た。組成はAN/AAm/MAA=96.1/3.2/0.7(重量%)であった。又、共重合体の極限粘度[η]は1.73であった。
このアクリロニトリル系共重合体をジメチルアセトアミドに溶解して紡糸原液(重合体濃度21%、原液温度70℃)を調製した。
この紡糸原液を直径0.075mm、孔数3000の口金を用いて、濃度70%、浴温35℃のジメチルアセトアミド水溶液中に吐出し、8m/min.の速度で引取、凝固糸を得た。この凝固糸を光学顕微鏡で側面を観察したところ、繊維内部に多数のマクロボイドが観察された。この凝固糸を実施例1と同様な方法で、後処理を行い、1.1デニールの円形断面を有する前駆体繊維を得た。
この繊維を実施例1と同様な方法で焼成したところ、得られた炭素繊維のストランド強度は385kg/mm2、ストランド弾性率は25.3ton/mm2であった。
[比較例7]
実施例3で得られたポリマーのジメチルスルホキシド溶液(ポリマー濃度21重量%)を調整した。
この紡糸原液を直径0.075mm、孔数3000の口金を用いて、濃度70%、浴温35℃のジメチルスルホキシド水溶液中に吐出し、8m/min.の速度で引取、凝固糸を得た。この凝固糸を光学顕微鏡で側面を観察したところ、繊維内部に1個/1mmをはるかに越える多数のマクロボイドが観察された。
[比較例8]
比較例7と同様な原液を用い、この紡糸原液を直径0.075mm、孔数3000の口金を用いて、濃度50%、浴温35℃のジメチルスルホキシド水溶液中に吐出し、8m/min.の速度で引取、凝固糸を得た。この凝固糸を光学顕微鏡で側面を観察したところ、マクロボイドは観察されなかったが、凝固糸は白化(失透)し、又繊維の断面は空豆状であった。
[実施例11]
実施例3同様に重合を行い、共重合体を得た(AN/AAm/MAA=96.5/2.5/1.0(%))、カルボン酸:1.2×10-4当量/g、硫酸基及び/又はスルホン酸基:2.7×10-5当量/gであった。この共重合体を実施例1と同様な方法で、紡糸、焼成を実施した。得られた凝固糸は透明で、マクロボイドが無かった。前駆体繊維の断面形状は円形であり、ヨウ素吸着量0.29%、凝固糸の空隙率33%であった。更に得られた炭素繊維のストランド性能は、強度:507kg/mm2、弾性率:26.2ton/mm2であった。
[実施例12]
実施例3同様に重合を行い、共重合体を得た(AN/AAm/MAA=97.5/1.5/1.0、カルボン酸:1.2×10-4当量/g、硫酸基及び/又はスルホン酸基:2.8×10-5当量/gであった。この共重合体を実施例1と同様な方法で、紡糸、焼成を実施した。得られた凝固糸は透明で、マクロボイドが無く、前駆体繊維の断面形状は円形であり、ヨウ素吸着量0.38%、凝固糸の空隙率34%であった。更に得られた炭素繊維のストランド性能は、強度:504kg/mm2、弾性率:26.3ton/mm2であった。
産業上の利用可能性
本発明によれば、繊維構造を緻密化、均質化することにより、炭素繊維にしたときも容易に高強度と高弾性率を発現し得る炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維、及びその経済性に優れた製造方法を提供することができる。この炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維を耐炎化し、炭素化して得られる炭素繊維は、優れた性能を示す。
【図面の簡単な説明】
図1は、凝固糸の空隙率と平均細孔半径の関係を示した図である。

Claims (10)

  1. アクリロニトリル系共重合体を紡糸して凝固糸とし、この凝固糸を処理して得られる炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維において、前記アクリロニトリル系共重合体が、モノマー成分としてアクリロニトリル単位96重量%以上及びアクリルアミド単位1.0重量%以上を含み、カルボン酸基を5.0×10-5〜2.0×10-4当量/g、硫酸基及び/又はスルホン酸基を0.5×10-5当量/g以上含有し、かつポリマー末端に硫酸基及び/又はスルホン酸基を有し、カルボン酸基、硫酸基及びスルホン酸基のカウンターイオンがプロトン及び/又はアンモニウムイオンの共重合体であり、炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維のヨウ素吸着量が繊維重量あたり0.42重量%以下であることを特徴とする炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維。
  2. 前記アクリロニトリル系共重合体が、硫酸基及び/又はスルホン酸基を1.0×10-5当量/g以上含有する請求の範囲1記載の炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維。
  3. 前記アクリロニトリル系共重合体が、ポリマー末端の硫酸基及び/又はスルホン酸基が重合触媒として用いる過硫酸塩/亜硫酸塩触媒、及び/又はそれらのアンモニウム塩に起因する請求の範囲1項又は2項記載の炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維。
  4. 前記凝固糸の空隙率が50%以下である請求の範囲1〜3項のいずれか1項記載の炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維。
  5. 繊維断面が実質的に円形である請求の範囲1〜4項のいずれか1項記載の炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維。
  6. 前記凝固糸中に存在するマクロボイドが、1mm長の中に1個未満である請求の範囲1〜5項のいずれか1項記載の炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊糸。
  7. モノマー成分としてアクリロニトリル単位96重量%以上及びアクリルアミド単位1.0重量%以上を含み、カルボン酸基を5.0×10-5〜2.0×10-4当量/g、硫酸基及び/又はスルホン酸基を0.5×10-5当量/g以上含有し、カルボン酸基、硫酸基及びスルホン酸基のカウンターイオンがプロトン及び/又はアンモニウムイオンであり、過硫酸塩/亜硫酸塩触媒、又はそれらのアンモニウム塩を用いて、ポリマー末端に硫酸基及び/又はスルホン酸基を導入して得られたものであるアクリロニトリル系共重合体を溶剤に溶解した紡糸原液を凝固浴中に吐出して凝固糸とし、この凝固糸を洗浄、延伸し、乾燥緻密化した後に再度1.5倍以上の延伸を行う炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
  8. 前記溶剤がジメチルアセトアミドであり、前記凝固浴が、ジメチルアセトアミドを含む水溶液であり、凝固浴中に導いて得られる凝固糸の空隙率を50%以下とする請求の範囲7項記載の炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
  9. 前記凝固浴中のジメチルアセトアミド濃度が60〜75重量%であることを特徴とする請求の範囲8項記載の炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
  10. 請求の範囲1〜6項のいずれか1項記載の炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維を耐炎化し、炭素化して得られる炭素繊維。
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