JP6265068B2 - 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法 - Google Patents
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Description
第1シール室入口における炭素繊維前駆体アクリル繊維束の幅Aに対する前記第1シール室出口における炭素繊維前駆体アクリル繊維束の幅Bの拡幅率(B/A×100)が、30〜150%とする炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法である。
また、前記繊維束幅規制ガイドが溝の形状が半円形または円の一部である溝ガイドもしくはピンガイドであることが好ましい。
さらに、前記繊維束幅規制ガイドが複数配置されていることが好ましい。
本発明の加圧スチーム延伸装置が適用できる範囲は、繊維の種類、工程等によって特に限定されないが、特に、高い紡糸速度を要求される場合に有効であり、特にアクリル繊維、炭素繊維前駆体等の繊維束の細繊度化や高倍率での延伸、高速化に適する。さらに、複数の繊維束を一括処理する加圧スチーム延伸装置に好適である。
本発明は、加圧スチームが導入される蒸気導入口を有する蒸気室と、前記蒸気室の繊維束入口に隣接する第1シール室及び前記蒸気室の繊維束出口に隣接する第2シール室を有する延伸装置において、走行する炭素繊維前駆体アクリル繊維束を加圧スチーム雰囲気中で延伸する炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法であって、
第1シール室入口における炭素繊維前駆体アクリル繊維束の幅Aに対する前記第1シール室出口における炭素繊維前駆体アクリル繊維束の幅Bの拡幅率(B/A×100)が、30〜150%とする炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法であることが重要である。
さらに前記繊維束幅規制ガイドは、溝ガイドやピンガイドが使用できる。繊維束の部分的な折り畳まれ、特に繊維束両端部の折り畳まれを防ぐ観点から、形状が半円形または円の一部である溝ガイドであることが好ましい。また、溝ガイドの幅やRは繊維束の総繊度あるいは制御したい繊維束幅に合わせて適宜変更することができる。
前記繊維束幅規制ガイドの材質は、繊維束へのダメージを軽減するため、クロムメッキされた鉄またはステンレス製もしくはセラミックコーティングされたステンレス製であることが好ましい。
溝ガイドが、繊維束が接触する部分が、R加工されているものが、毛羽の発生を防ぎやすいので好ましい。
本実施例中、アクリル繊維束全体の切断回数の評価は、15分間連続して繊維束をスチーム延伸装置に導入して炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造を行い、スチーム延伸の際にアクリル繊維束全体が切断した回数を計測することにより行った。なお、繊維束全体が切断した場合は、改めてスチーム延伸装置に繊維束を導糸し所定の条件で延伸し、切断回数の計測を繰り返し行った。
第1シール室出口の繊維束幅の計測は、スチーム延伸装置の蒸気室内に内視鏡を設置し、第1シール室出口を走行中の繊維束を観察することにより行った。なお、内視鏡は下記の機器を使用した。
・メーカー:カールストルツ・エンドスコピー
・型番:ボアスコープ 86130AF(φ6.5、直視)
アクリロニトリル98%、メタクリル酸2%からなるアクリル系共重合体を、ジメチルホルムアミドに溶解して重合体濃度23%の紡糸原液を調整した。この紡糸原液を、紡糸ノズルを用いて、温度10℃、濃度80%からなる凝固浴中に吐出し凝固糸を得た。この凝固糸を、冷延伸および熱水中延伸を実施し、油剤付着および乾燥緻密化処理を行って、アクリル繊維束を得た。引き続き、アクリル繊維束を図1に示す通り、第1ラビリンスシール部の長さが1000mmの第1ラビリンスシール部の繊維束出口及び、前記入口から500mmの位置に溝ガイドを設置したスチーム延伸装置に通し、表1に示す条件で溝ガイドを配し、蒸気圧力400KPaで4.0倍延伸を行った。引き続き、乾燥して単繊維繊度が1.0dtex、フィラメント数が12000本のアクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の切断回数及び毛羽発生数と、スチーム延伸装置の第1シール室入口と出口の繊維束幅の結果を表1に示した。
表1に示すように繊維束幅規制ガイドの種類、形状を変更し、スチーム延伸装置の第1シール室入口の繊維束幅を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして図1に示したスチーム延伸装置に通しアクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の切断回数及び毛羽発生数と、スチーム延伸装置の第1シール室入口と出口の繊維束条幅の結果を表1に示した。
図2に示すように繊維束幅規制ガイドの設置条件を第1ラビリンスシール部の繊維束入口から500mmの位置に溝ガイドを設置した以外は、実施例1と同様にしてアクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の切断回数と毛羽発生数と、スチーム延伸装置の第1シール室入口と出口の繊維束幅の結果を表1に示した。
図3に示すように繊維束幅規制ガイドの設置条件を第1ラビリンスシール部の繊維束出口に溝ガイドを設置した以外は、実施例1と同様にしてアクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の切断回数と毛羽発生数と、スチーム延伸装置の第1シール室入口と出口の繊維束幅の結果を表1に示した。
図4に示すように繊維束幅規制ガイドの設置条件を第1ラビリンスシール部の繊維束入口近傍及び前記入口から500mmの位置に溝ガイドを設置した以外は、実施例1と同様にしてアクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の切断回数と毛羽発生数と、スチーム延伸装置の第1シール室入口と出口の繊維束幅の結果を表1に示した。なお、第1シール室入口近傍に配した溝ガイドと前記第1シール室入口の距離は100mmとした。
図5に示すように繊維束幅規制ガイドを設置しなかった以外は、実施例1と同様にしてアクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の切断回数と毛羽発生数と、スチーム延伸装置の第1シール室入口と出口の繊維束幅の結果を表1にしめした。
図6に示すように、繊維束幅規制ガイドの設置条件を第1ラビリンスシール部の繊維束入口近傍に溝ガイドを設置した以外は、実施例1と同様にしてアクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の切断回数と毛羽発生数と、スチーム延伸装置の第1シール室入口と出口の繊維束幅の結果を表1に示した。なお、第1シール室入口近傍に配した溝ガイドと前記第1シール室入口の距離は100mmとした。
図7に示すように溝ガイドの設置条件を第2ラビリンスシール部の繊維束出口近傍に溝ガイドを設置した以外は、実施例1と同様にしてアクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の切断回数と毛羽発生数と、スチーム延伸装置の第1シール室入口と出口の繊維束幅の結果を表1にしめした。なお、第2シール室出口近傍に配した溝ガイドと前記第2シール室出口の距離は100mmとした。
図8に示すように溝ガイドの設置条件を第2ラビリンスシール部の繊維束入口から500mmの位置に溝ガイドを設置した以外は、実施例1と同様にしてアクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の切断回数と毛羽発生数と、スチーム延伸装置の第1シール室入口と出口の繊維束幅の結果を表1にしめした。
図1に示す溝ガイドの設置条件とし、表1に示すように溝ガイドの形状を変更し、スチーム延伸装置の第1シール室入口の繊維束幅を表1に示す通りにした以外は、実施例1と同様にしてアクリル繊維束を得た。得られたアクリル繊維束の切断回数及び毛羽発生数と、スチーム延伸装置の第1シール室入口と出口の繊維束幅の結果を表1に示した。
2:第1シール室
3:蒸気室
4:第2シール室
5:スチーム導入部
6:繊維束幅規制ガイド
7:ラビリンスプレート
8:スチーム延伸機
Claims (1)
- 加圧スチームが導入される蒸気導入口を有する蒸気室と、前記蒸気室の繊維束入口に隣接する第1シール室及び前記蒸気室の繊維束出口に隣接する第2シール室を有する延伸装置において、走行する炭素繊維前駆体アクリル繊維束を加圧スチーム雰囲気中で延伸する炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法であって、
第1シール室入口における炭素繊維前駆体アクリル繊維束の幅Aに対する前記第1シール室出口における炭素繊維前駆体アクリル繊維束の幅Bの拡幅率(B/A×100)を、前記第1シール室内または前記蒸気室内に、溝の形状が半円形または円の一部である溝ガイドを配置することにより30〜150%に制御する炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法。
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