JP3969799B2 - 高強度アクリル繊維、及びそれを用いた炭素繊維の製造方法 - Google Patents

高強度アクリル繊維、及びそれを用いた炭素繊維の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、産業資材用もしくは炭素繊維用プリカーサーとして有用な高強度アクリル繊維、及びそのアクリル繊維を使用して炭素繊維を製造する方法に関する。
【0002】
さらに詳しくは、湿式紡糸によって、高強度のアクリル繊維を供給する事に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
アクリル繊維は、衣料用として大量に生産されているが、高強度のアクリル繊維が得られれば産業資材への応用が期待される。
また、アクリル繊維は炭素繊維(以後CFと略すことがある)製造の前駆体繊維(以後プリカーサーと略す)としても用いられ、一般に高強度なプリカーサーが高強度なCFを与えることから、上記のような高強度アクリル繊維はプリカーサーとしても有用である。
【0004】
従来、重量平均分子量25万未満の比較的低分子量の重合体を湿式紡糸してアクリル繊維を製造する方法は、低コストで繊維が製造可能であり、広く実施されているが、このような方法によって得られるアクリル繊維は、工程の全延伸倍率は15倍が限度であり、従って強度も高いものではなく、高くても強度10g/dが限度であった(特開昭49−124335号公報)。
【0005】
高強度(10g/d以上)のアクリル繊維を得る方法として、重量平均分子量25万(極限粘度2.6)以上の高分子量のアクリル系重合体を乾湿式紡糸後湿熱延伸し、ついで乾燥緻密化後乾熱によって1.2〜5倍乾熱延伸する方法も開示されている(特開昭61−152811号公報)。
【0006】
別の方法として重量平均分子量50万以上のアクリルニトリル系重合体を使用して、乾湿式紡糸後湿熱延伸、次いで乾燥後、150℃の加熱ローラーで延伸し15g/d以上の高強度アクリル繊維を製造する方法が開示されている(特開平1−104818号公報)。
【0007】
しかし、これらのような高分子量重合体は、溶媒への溶解性が悪いことから、粉末を溶媒に溶解して紡糸原液を調整する場合には、ゲル状粒子を生じ易く、均一な紡糸原液とすることが困難である。
【0008】
また、これらのような高分子量の重合体は、重合体濃度5〜20重量%における紡糸原液の粘度が500〜10000ポイズ(45℃)と高いため、このような高粘度の紡糸原液を湿式紡糸に使用するとノズルの背圧が極度に高くなり、わずかな吐出量で高圧によるノズルの変形等のトラブルを生じ、安定した操業ができなかった。
【0009】
重合体濃度を更に下げて、紡糸原液の粘度を下げれば、背圧を低下させることも可能である。しかし、重合体濃度を下げると、凝固過程において、紡糸原液からの多量の脱溶媒に伴いボイドの生成が著しくなるため、このボイドが欠陥となり繊維強度が低下する原因となる。
【0010】
したがって、湿式紡糸が困難なこれらのような高分子量の重合体からなる紡糸原液は、乾湿式紡糸を行う必要があった。乾湿式紡糸においては、紡糸原液をノズルから一度空間に吐出した後、凝固浴に導入するため、ノズル面において凝固が起こらず、高粘度の紡糸原液を使用しても背圧が上昇しにくいのがその理由である。
【0011】
しかし、乾湿式紡糸においては、吐出した紡糸原液の空間での走行を安定させるため、ノズル孔の間隔を広くする必要があり必然的にノズル径が大型化するうえ、繊維の膠着が生じ易く、コスト高となりやすく大量生産への適用が困難な方法であった。
【0012】
アクリル繊維を湿式紡糸後熱水浴中で延伸して緻密化する方法が提案されている(特開平4−245911号公報)。
しかし、この方法では、熱水浴中で延伸処理しており、アクリル繊維をこのような水中や飽和水蒸気中等の水蒸気濃度が高い条件で処理すると、水分が繊維内部で凝集してボイドの除去は出来ず、逆に新たなボイドが形成されされる場合もあり、緻密化が不充分であり結果的に全延伸倍率は16倍が限度であり、強度も10g/dが限界であった。
【0013】
更に、配向度を高めることにより繊維の強度を高める方法もある。
しかし、湿式紡糸しやすい重量平均分子量25万以下の重合体においては、延伸倍率を高めても配向度を92%を越えて増大させることは困難であり、従来の湿熱延伸の場合には、配向度92%の繊維を更に延伸しても、配向度は向上しないばかりか、無理な延伸によりかえって繊維の損傷を招き単糸切れによる毛羽の発生が多くなると云う問題を含んでいる。
【0014】
また、配向度95%にて最高で17g/dの高強度アクリル繊維を得る方法も開示されている。(例えば、特開平1−104818号公報)しかし、このような95%の高配向度を達成するためには、
前に述べた生産性に劣る、重量平均分子量50万以上の重合体を乾湿式紡糸する方法の採用が不可欠であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法では、生産効率のよい低分子量重合体の湿式紡糸によって高強度のアクリル繊維を得ることはできなかった。
【0016】
【本発明の目的】
本発明は、湿式紡糸することが容易で生産効率の高い、極限粘度1.0〜2.5(分子量6.7万〜24万)のアクリル系重合体からなる高強度アクリル繊維を提供することにある。他の目的は、このような重合体を使用し湿式紡糸によって、高強度のアクリル繊維を製造する方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の主な構成は以下の通りである。
(1)アクリロニトリル90〜100重量%を含有し、且つ極限粘度1.0〜2.5の重合体からなり、広角X線回折から求められる配向度88〜92%、単繊維の引張り強度10〜14.5g/d、散乱角2θ=0.4°における小角X線散乱強度が80〜500CPS/10万デニール、であることを特徴とするアクリル繊維。
(2)アクリロニトリル90〜100重量%を含有し且つ極限粘度1.0〜2.5の重合体からなり、単繊維の引張り強度10〜14.5g/d、広角X線回折から求められる配向度88〜92%、散乱角2θ=0.4°における小角X線散乱強度が80〜500CPS/10万デニールであるアクリル繊維を酸化性雰囲気中で耐炎化処理後、不活性ガス雰囲気中で焼成することを特徴とする炭素繊維の製造方法。
【0018】
本発明によると、衣料用として汎用されていた、低乃至中程度の分子量のアクリル系重合体によって、低コストで高強度のアクリル系繊維を提供することが出来、この高強度アクリル繊維は、産業用資材、及び、アクリル系炭素繊維の原料(プリカーサー)として有用である。
【0019】
本発明の方法によると、高倍率の乾熱延伸が可能であり、得られた繊維はX線結晶学的な解析によってもボイドがほとんど検出されない高度に緻密化された構造を得ることが出来る。
【0020】
さらに、配向度が比較的低いのにもかかわらず、このアクリル繊維を原料として製造した炭素繊維は、はるかに高分子量の重合体を用いて焼成した炭素繊維に匹敵する強度を有する。
【0021】
本発明のアクリル系繊維は、アクリロニトリル90〜100重量%を含有し且つ極限粘度1.0〜2.5の重合体からなり、散乱角2θ=0.4°における小角X線散乱強度が500〜0 CPS/10万デニール、単繊維の引張り強度10〜20 g/d、であることを特徴とするアクリル繊維である。
【0022】
アクリロニトリル重合体とは、90重量%以上、好ましくは、95重量%以上のアクリロニトリル単量体と、10重量%以下、好ましくは、5重量%以下のビニル系単量体からなるアクリロニトリル系共重合体である。
【0023】
アクリロニトリルの含有率が90重量%未満では、アクリル繊維が溶融しやすく、特に炭素繊維製造に使用した場合には、耐炎化時に膠着を生ずるため好ましくない。
【0024】
ビニル系単量体の種類は特に限定されず、その総量が10重量%以下、好ましくは5重量%以下であれば、複数の種類の単量体を共重合させても良い。
【0025】
本発明においてアクリル系重合体は、アクリロニトリルを90〜100重量%含む、アクリロニトリル単独重合体又は共重合体である。
【0026】
コモノマーとしては、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、メタクリル酸メチルエステル等の低級アルキルエステル類のほか、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド等のアミド類、染色性のアリルスルホン酸、メタリルスルホン酸等のスルホン酸類およびその塩類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル等のカルボン酸類である。
【0027】
本発明のアクリロニトリル系重合体の極限粘度は、1.0〜2.5であり、好ましくは1.3〜2.0である。
この極限粘度1.0〜2.5は重量平均分子量6.7万〜24万に相当する。
【0028】
極限粘度が1.0未満であると繊維強度が低く、高強度アクリル繊維とすることが出来ない。また紡糸工程や炭素繊維における耐炎化工程において膠着現象を生じやすい。
一方、極限粘度が2.5を超えると、紡糸原液粘度の急激な増加をもたらし、湿式紡糸が困難になる。
【0029】
本発明のアクリル繊維は、散乱角2θ=0.4°における繊維の小角X線散乱強度Fが、0〜500CPS/10万デニール、好ましくは0〜200CPS/10万デニール以下である高度に緻密化されたアクリル繊維である。
小角X線散乱強度を散乱角2θ=0.4°において求めるのは散乱角2θ=0.4°においては、装置のスリットによる散乱の影響が少なく、しかも繊維の粗密構造の差が顕著に現れるからである。
【0030】
小角X線散乱強度が500CPS/10万デニールを超える繊維は、機械的欠陥となる粗密構造が顕著となることから、繊維強度が低く、また、焼成して得た炭素繊維は毛羽が多くなりやすい。
本発明のアクリル繊維の広角X線回折により測定される配向度は88〜92%である。好ましくは89〜91%である。
【0031】
88%未満では充分な強度が得られず、本発明の分子量範囲の重合体からは、延伸倍率を高めても92%超の配向度を得ることは困難であり、過度に延伸すると単繊維の切断が多くなり繊維束としての品質が劣る。
【0032】
本発明のアクリル繊維は、分子量が25万未満と比較的低いのにも拘わらず、高い繊維強度を有する。
【0033】
高強度のアクリル繊維は、前述の通り、25万以上の高分子量重合体の乾湿式紡糸によって供されていたが、本発明は、分子量が低いにも拘わらず、10g/d以上の高強度が容易に得られる。
【0034】
このようなアクリル繊維は、高強度であり産業用資材として有用であると共にこのアクリル繊維を使用して製造された炭素繊維は、比較的低分子量のアクリル繊維をプリカーサーとして使用しているにもかかわらず高強度の炭素繊維である。
【0035】
本発明のアクリル系繊維の製造方法を以下に示す。
アクリロニトリル系重合体の紡糸溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキシド、ジメチルアセトアミド、等の有機溶媒、塩化亜鉛系水溶液、ロダン塩系水溶液、硝酸系水溶液、等の無機溶媒があげられるが、紡糸性に優れることから塩化亜鉛系水溶液の使用が好ましい。
【0036】
ここで塩化亜鉛系水溶液とは、アクリロニトリル系重合体を溶解するのに充分な濃度を有する塩化亜鉛を主成分とする水溶液であって、塩化亜鉛単独の濃厚水溶液、または、これに塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウム、等の無機塩を添加した混合塩の濃厚水溶液である。
【0037】
混合塩における塩化亜鉛の含有率は約65重量%以上とすることが好ましい。塩化亜鉛水溶液を溶媒とする場合、紡糸原液の重合体濃度は、3〜15重量%、好ましくは4〜12重量%のものが使用される。
【0038】
本発明の重合体は、比較的分子量が低いため、45℃において粘度50〜500ポイズの湿式紡糸に適した紡糸原液が上記の適度な重合体濃度において容易に得られる。このため、凝固過程においては、脱溶媒量が適度に制御され、後工程の処理によって緻密化されやすい、ボイドの少ない前駆的構造が形成されると考えられる。
【0039】
本発明のアクリロニトリル系重合体の製造は、乳化懸濁重合法や塊状重合法及び溶液重合法の何れも使用することができるが、溶液重合法は、重合された溶液を紡糸原液に使用することができるため、重合体の溶解に伴うゲルの発生という問題を根本的に回避して、均一な紡糸原液を得ることができるため特に好ましい。
【0040】
紡糸原液は、ノズルから低濃度の紡糸溶媒で満たした凝固浴中に吐出し、凝固させて湿式紡糸を行う。
【0041】
脱溶媒は、これを溶媒残存量が0〜0.3重量%になるまで水洗して行われる。
【0042】
本発明における延伸は、以下のように二段階で行われる。
まず、第一段延伸は、水洗工程において、未延伸糸を2〜6倍、好ましくは2〜4倍に浴中延伸することにより行われる。
この範囲以外の延伸倍率では、最終的に得られる繊維強度が低下する。
【0043】
次いで、100〜150℃に保たれた装置により繊維を乾燥する。
乾燥工程においては繊維を5〜30%収縮させることが毛羽の発生を防ぐために好ましい。
【0044】
この第一段の延伸後、乾燥によって得られる繊維の特性としては、広角X線回折による配向度が60〜80%の範囲になるようにすることが必要である。また、単繊維強度2〜5g/d、伸度20〜40%の範囲となるようにする。
【0045】
ここで乾燥とは、繊維の水分を2重量%以下の状態にすることを云う
乾燥のための装置としては、加熱ローラーのほか、熱風が循環した装置内を繊維が通過して乾燥される形式のローラー式乾燥機や吸引ドラム乾燥機が使用されるが、効率よく均一な処理が可能であることから吸引ドラム乾燥機が特に好ましい。
【0046】
乾燥前又は後に、通常の繊維製造工程に従って油剤処理が施される。繊維の油剤としては、通常のアクリル繊維やプリカーサーに用いられる、高級脂肪酸エステル誘導体、アルキル燐酸エーテル誘導体、アミノポリシロキサン、アミノシリコン等の各種油剤を使用することができる。
【0047】
配向度が60〜80%、単繊維強度2〜5g/d、伸度20〜40%の範囲の乾燥工程を経た繊維を、次いで固体表面に非接触の状態で乾熱延伸(第二段延伸)を施す。延伸倍率は6〜10倍とする。
この非接触状態での乾熱延伸により、緻密な繊維を得ることができる。
ここでの雰囲気は、非接触状態での乾燥雰囲気で、且つ繊維のガラス移転点以上の温度に加熱されている雰囲気とする。
【0048】
繊維を非接触状態で延伸するには、空間において繊維が加熱されることが必要で、そのための手段としては、加熱気体が流通している筒中を通過させる、熱板間で加熱する、熱風を吹き付けるなどの手段が採用され、加熱ゾーンの両端において繊維の把持・搬送機構にて、供給引き取りが行われる構造の装置が使用出来る。
【0049】
被処理繊維が固体表面と接触しない状態において、被処理繊維が気体により加熱されつつ延伸される延伸筒式が、加熱が均一に行われ膠着や毛羽の発生も少なく、結果として高い延伸倍率が得られる。
【0050】
乾熱延伸に使用される気体としては、通常は空気が用いられるが、繊維を化学的に変性しない、窒素、二酸化炭素、希ガス、等も使用できる。
【0051】
延伸処理雰囲気の水蒸気濃度は、可及的低いのが好ましいが、 10体積%までは許容できる。より好ましくは5体積以下、特に好ましくは3体積%以下である。
水蒸気濃度が10体積%を超えると、工程中は延伸倍率を高めることが出来ず、延伸倍率を高めることができないため繊維強度を高めることができない。
【0052】
延伸雰囲気温度は、繊維形成重合体のガラス転移点以上好ましくは100〜200℃、より好ましくは130〜180℃である。
この範囲を外れると、高強度化に必要な第二段延伸において、高強度化に必要な充分な延伸倍率を得ることが困難になる。
【0053】
乾熱延伸においては6〜10倍延伸することが必要である、より好ましくは6.5〜9倍である。
6倍未満は繊維強度が充分ではなく、10倍を越すと繊維の長さ方向に高密度と低密度の部分が交互に繰り返し現れ、繊維の周方向に縞構造(図2)を生じる。
【0054】
このように繊維の周方向の縞構造が生ずると低密度部分が欠陥となるため、繊維強度は低下する。
通常、湿熱延伸では6〜7倍の延伸倍率で上記した縞構造が出現するのに対し、本発明の乾熱延伸では、10倍という高い延伸倍率まで縞構造を生じない、高強度を得るための優れた方法である。
【0055】
本発明において全延伸倍率は、好ましくは14〜25倍、さらに好ましくは16〜22倍であり、14倍未満では充分な強度が得られず、25倍を超えると縞構造が生じ単繊維の切断が多発する。
ここで全延伸倍率とは、凝固浴の出側にあるローラーの線速度と延伸終了時の線速度比を云う。
【0056】
従来乾熱延伸方式として、熱板や熱ピンや加熱ローラーによる接触加熱方式は知られている。このような接触加熱方式は、表面の熱伝導を利用して繊維束を外側の一方向から加熱するため、繊維束内の不均一加熱を生じやすく、延伸性に斑を生じやすい。また、接触時間を長くして、緩慢均一加熱を図ると、接触時間が長いことによる固体表面との摩擦により毛羽や膠着が発生するため好ましくない。
【0057】
また、例えば湿式紡糸後第一次延伸し、乾燥した配向度60〜80%の繊維をスチーム延伸(第二次延伸)すると、加熱効率に優れるため延伸の所要時間を短縮し、生産性を高めることができるが、この延伸の場合は、延伸倍率6倍(第二段延伸)を越えると縞構造が生じ、7倍付近に於いて縞構造が原因の切断を生じるという問題点があった。
一方、接触加熱方式の乾熱延伸も前記した通り知られており、この場合の延伸は5倍が限度であり、この場合の繊維強度は6g/dであった。
【0058】
本発明のように、湿熱延伸と乾熱延伸とを組み合わせ、この際乾熱延伸を非接触状態とし、しかも延伸に供される繊維を、配向度が60〜80%、単繊維強度2〜5g/d、伸度20〜40%の範囲の乾燥された繊維を使用することによって、上記の乾熱延伸が可能となる。その結果10〜20g/dとういう高強度のアクリル繊維を得ることが出来る。
【0059】
通常、湿熱延伸は6〜7倍の延伸倍率で縞構造が出現するのに対し、本発明の乾熱延伸では、10倍という高い延伸倍率まで縞構造を生じない(図1)、高強度を得るために優れた方法である。
【0060】
このような乾熱延伸に使用され得る装置としては、加熱ゾーンをはさみ両端に供給機構と引取り機構とを有し、加熱ゾーンにおいては、被処理繊維が固体表面と非接触で通過できる機構であればよい。
【0061】
加熱ゾーンは、加熱したガスが供給され室内が所定温度に保たれたチャンバーであればよい。チャンバーの出側には冷却機構を設け、被処理繊維が引き取り機構に接触する前に繊維のガラス転移温度以下に冷却するとより好ましい。
【0062】
乾熱延伸の時間は、繊維束が均一に加熱される延伸出来る時間行えばよく、必要以上に長時間過熱状態におくことは配向の緩和が起こり好ましくない。従って所定の延伸倍率に延伸後は速やかに温度を下げ、配向の緩和が起こらないようにするのがよい。
加熱時間は好ましくは1〜30秒、より好ましくは1〜10秒である。1秒未満では延伸斑を生じ、30秒超では、品質低下、生産性低下を起こす虞がある。
【0063】
乾熱延伸の張力は、延伸に好ましくは0.5〜2g/d、より好ましくは0.7〜1.5g/dの範囲で所定延伸倍率が得られるように条件設定するのがよい。
延伸時の張力は、延伸雰囲気の温度、被処理繊維の分子量、加熱時間、等に依存するが、延伸時の張力が上記の範囲となるように調整することによって、上記の延伸を円滑且つ効果的なものとすることが出来る。
このようにして本発明の高強度のアクリル繊維が得られる。
【0064】
本発明においては、高分子量の重合体を乾湿式紡糸して初めて得られる配向度95%以上の繊維並みの繊維強度が、低分子量の重合体を湿式紡糸して得られる上記のような比較的低い配向度において達成される。
【0065】
このようにして得られたアクリル繊維は、小角X線散乱の強度によって特徴づけられる。
すなわち、本発明のアクリル繊維10万デニールあたりの小角X線散乱強度Fは、図3に示したように、散乱角2θ=0.2°〜1.0°範囲において、スチーム延伸によって得られた繊維の散乱強度と比較して、非常に低く、高度に緻密化されていることがわかる。
【0066】
本発明のアクリル繊維をプリカーサーとして炭素繊維を製造する方法について説明する。
本発明のアクリル繊維から、よく知られた通常の炭素繊維の製造法に準じて炭素繊維を製造することができる。
即ち、該アクリル繊維を酸化性雰囲気において200〜300℃の温度で収縮または伸長を施しながら熱処理して耐炎化繊維となし、続いて、不活性雰囲気において300〜800℃の温度にて前炭素化処理し、更に1000℃以上の温度で炭素化処理することにより本発明の高強度炭素繊維とすることができる。
【0067】
本発明における各種の特性値の測定は、次の方法による。
アクリル単繊維の引張り強度(単繊維強度)
単繊維について、JIS L−1069,L−1015に準じて測定した。
【0068】
極限粘度の測定
アクリロニトリル系重合体の極限粘度[η](単位:100ml/g)は、雑誌Journal of Polymer Science(A−1)、第6巻、第147〜159ペ−ジ(1968年)に記載されているT.Shibukawaら著の論文に準じた方法により、ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒に使用し、オストワルド型粘度計を用いて30℃で測定した値である。
【0069】
分子量の測定
極限粘度から上記T.Shibukawaらの論文に記載されている次式を用いて計算した重量平均分子量である。
[η]=3.35×10−4M0.72
M :重量平均分子量
【0070】
炭素繊維の強度
樹脂含浸ストランドについて、JIS R−7601に準じて測定した。
【0071】
膠着
CFストランドを長さ5mmに切断してアセトン200ml中で超音波処理により分散させ、密着した単繊維2本以上から成る繊維束の数を数えた。
【0072】
毛羽
繊維束を気流により開繊させ、1mあたりの繊維末端を数えた。
【0073】
広角X線回折による配向度の測定
理学電機(株)製、RINT1200型X線回折装置、同製CN4057B1型X線発生装置、同製SC−50型シンチレ−ション・カウンタ−を使用して、管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、Niフィルタ−使用、の条件にてX線を照射し、10万デニ−ルのアクリル繊維束の赤道方向の回折角2θ=17°付近の回折につき、方位角方向の回折プロファイルを得て、グラフ上にベ−スラインを引き、ピ−クの半値幅H1/2、H’1/2 (度)より次の式で計算した。
配向度=(360−(H1/2+H’1/2 ))/360
【0074】
小角X線散乱強度の測定
理学電機(株)製、RINT1200型X線回折装置、同製CN4057B1型X線発生装置、同製SC−50型シンチレ−ション・カウンタ−を使用して測定した。
【0075】
<装置の設定>
▲1▼ X線は、管球Cu、管電圧40kV、管電流40mAにて発生させ、グラファイト製モノクロメ−タ−で単色化したCuKα線を使用する。
▲2▼ 光学系はゴニオメ−タ−を使用する。
▲3▼ スリットの幅は、第一スリット0.08mm、第二スリット0.06mm、第三スリット0.14mm、受光スリット0.10mm、受光スリットの縦散乱スリット0.01mm、である。
なお、第一、第二、第三スリットは、一般に発散スリットといわれる。
▲4▼ 検出器は、シンチレ−タ−としてTlで活性化したNaI単結晶を使用したシンチレ−ション・カウンタ−を用いる。
【0076】
<試料の調製>
10万デニ−ル相当の繊維束を平行に引き揃え、気温10〜30℃の室内に1日以上放置し水分率2重量%まで乾燥する。
【0077】
<測定と計算>
【0078】
▲1▼ まず、バックグランド散乱の強度Bを、上記の装置に試料を
セットせずに、散乱角2θ=0.4°において、1秒間あたりのカウント数、すなわちCPSを単位として測定する。
ここで、バックグランド散乱とは、空気中で測定することによって生じる散乱や装置のスリットによる散乱を合わせたものをいう。
【0079】
▲2▼ 次に、試料である10万デニ−ル相当の繊維束を、繊維軸と垂直方向の散乱を計測するため、繊維軸がX線スリットの長手方向と平行になるようにゴニオメ−タ−にセットし、上記と同様に、散乱角2θ=0.4°において繊維束10万デニ−ルあたりの
散乱強度S(単位CPS)を測定する。
【0080】
▲3▼ 次式により、散乱角2θ=0.4°における繊維束10万デニ−ルあたりの正味の散乱強度F(単位CPS)を計算する。
F=S−B
【0081】
小角X線散乱とは、細く絞ったX線が試料内部を通過する際に粗密構造により散乱されて広がる現象である。したがって、理論的に、不均一構造部が多いほど散乱強度が大きく、緻密な均一構造ほど散乱強度が小さい。
散乱の様子は、散乱角2θの0°付近を最大とするX線強度の分布として測定される。
【0082】
本発明は、装置のスリットによる散乱の影響が比較的少なく、かつ、散乱の差が顕著に現れる散乱角2θ=0.4°において、上記条件で測定された繊維の小角X線散乱強度Fが、0〜500CPS/10万デニ−ル、好ましくは0〜200CPS/10万デニ−ルである高度に緻密化されたアクリル繊維である。
【0083】
【発明の効果】
本発明のアクリル繊維は、湿式紡糸が容易な極限粘度が1.0〜2.5という比較的低分子量の重合体からなるにもかかわらず、湿熱方式と乾熱方式の延伸を特定の条件で組合せることにより、小角X線散乱強度0〜500CPS/10万デニ−ルという従来にない緻密な構造を達成することにより配向度88〜92%にて、10〜20g/dという、従来の高分子量重合体を乾湿式紡糸して延伸した繊維並みの高い単繊維の引張り強度を有する繊維である。
【0084】
また、このアクリル繊維を炭素繊維製造用のプリカ−サ−として使用した場合、高緻密化度に起因して、高強度の炭素繊維を得ることが出来る。
【0085】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0086】
【実施例1】
60重量%の塩化亜鉛系水溶液を溶媒として溶液重合を行い、アクリロニトリル95重量%、アクリル酸メチル4重量%、イタコン酸1重量%からなる、極限粘度1.61(重量平均分子量13万)、の重合体が溶解した、重合体濃度8重量%、粘度70ポイズ(45℃)の紡糸原液を得た。
【0087】
この紡糸原液を孔数12000個のノズルを使用し、10℃、25重量%の塩化亜鉛水溶液中に吐出して凝固させて湿式紡糸を行い、未延伸糸を得た。
【0088】
未延伸糸を15〜95℃の温水中で水洗しながら第一段延伸として2.7倍の浴中延伸を行い、高級脂肪酸エステルアミン系カチオン誘導体系油剤とアミノシリコン系油剤の混合油剤を0.1重量%付着させ、延伸倍率0.9倍(10%収縮に相当)にて、70〜140℃の吸引ドラム乾燥機にて水分率1重量%以下まで乾燥した。
【0089】
得られた繊維は、繊度3.9デニール、引張り強度2.5g/d、伸度35%、配向度70%であった。
【0090】
a)乾熱延伸
第二段延伸として、上記の乾燥後の繊維を、水蒸気濃度1.5体積%(25℃において相対湿度約50%に相当する)の常圧の加熱空気が循環した150℃の乾熱式延伸筒を、処理時間10秒、張力1g/d、の条件にて通過させつつ乾熱延伸を行い、12000本の単繊維から成る延伸倍率の異なる各種のアクリル繊維束A〜Hを得た。
【0091】
b)湿熱延伸
他方、第二段延伸として、乾燥後の繊維を80℃の熱水浴を通した後、0.7kg/cm2に加圧した飽和水蒸気を満たした湿熱式延伸筒で処理時間3秒、張力0.3g/dにて湿熱延伸して、12000本の単繊維から成る延伸倍率の異なる各種のアクリル繊維束I〜Lを得た。
【0092】
得られた繊維の特性を表1に示した。
【0093】
表1から明らかなように、乾熱延伸においては、第二段延伸6〜10倍、全延伸14.6〜24.3倍において、単繊維強度10g/d以上の高強度が得られた。
【0094】
また、その繊維構造は、配向度88〜92%と、表1と図3に示す散乱角2θ=0.4°における繊維の小角X線散乱強度Fの80CPS/10万dという極めて低い値で代表される緻密なものであり、繊維強度低下と単繊維切断発生の原因となる縞構造は、第二段延伸倍率10倍まで発生しなかった(図1)。
【0095】
他方の湿熱延伸は、第二段延伸わずか6.5倍において既に図2に示すように縞構造が生じ、7倍以上においては切断したため試料が得られなかった。その繊維構造は、表1と図3に示すように、散乱角2θ=0.4°における繊維の小角X線散乱強度Fが、 2000CPS/10万dと乾熱延伸繊維の25倍もある。このためか同一延伸倍率における強度は乾熱延伸より低く、10g/d以上のアクリル繊維は得られなかった。
【0096】
【表1】
Figure 0003969799
【0097】
注)※散乱角2θ=0.4°における繊維の小角X線散乱強度Fにて標記した。
【0098】
【実施例2】
実施例1で作製したアクリル繊維ストランドのD(乾熱延伸6.5倍)とL(湿熱延伸6.5倍)をプリカ−サ−に使用し、空気雰囲気240〜260℃にて60分の耐炎化処理を行い、窒素中300〜800℃にて2分間の前炭素化処理を行い、更に窒素中1600℃にて2分間処理することにより、炭素繊維を得た。
その特性を表2に示した。
【0099】
本発明のアクリル繊維Dをプリカ−サ−として得られた炭素繊維は、650kgf/mm2と高強度であり膠着も少なく、本発明はプリカ−サ−としても優れていた。
【0100】
【表2】
Figure 0003969799
【0101】
【実施例3】
アクリロニトリル95重量%、アクリル酸メチル3重量%、メタクリル酸2重量%からなる重合体を使用し、第二段延伸における水蒸気濃度を変えたこと以外は、実施例1−a)の乾熱延伸と同じ方法と条件でアクリル繊維M〜Qを、実施例1−b)の湿熱延伸法によりRを作製した。
【0102】
表3に示すように、散乱角2θ=0.4°における繊維の小角X線の散乱強度Fが、500CPS/10万d以下である本発明の繊維において、10g/d以上の高い強度が得られた。
【0103】
また、切断することなく繊維が得られる第二段延伸の最大の延伸倍率は、水蒸気濃度が1.5〜3.0体積%の10倍、5.0〜10体積%の9倍、に比較して、11体積%においては、7倍と低く、縞構造も現われやすく、延伸性においても劣っていた。
【0104】
【表3】
Figure 0003969799
【0105】
注)※散乱角2θ=0.4°における繊維の小角X線散乱強度Fにて標記した。
【0106】
【実施例4】
実施例3の試料を実施例2の条件にて焼成してCFを得た。
【0107】
表4に示すように、散乱角2θ=0.4°におけるプリカーサーの小角X線の散乱強度Fが、0〜500CPS/10万dの範囲にある本発明のCFは、高強度であり、毛羽も少なかった。
【0108】
【表4】
Figure 0003969799
【0109】
注)※散乱角2θ=0.4°における繊維の小角X線散乱強度Fにて標記した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の縞構造のないアクリル繊維を透過光を用いて光学顕微鏡にて撮影した繊維側面の形状写真である。
【図2】縞構造の生じた比較例のアクリル繊維を透過光を用いて光学顕微鏡にて撮影した繊維側面の形状写真である。
【図3】小角X線散乱の強度の分布を散乱角2θに対して示した図であり、本発明である乾熱延伸アクリル繊維の散乱強度と、比較例であるスチ−ム延伸アクリル繊維の散乱強度を対比して示したものである。

Claims (5)

  1. アクリロニトリル90〜100重量%を含有し、且つ極限粘度1.0〜2.5の重合体からなり、広角X線回折から求められる配向度88〜92%、単繊維の引張り強度10〜14.5g/d、散乱角2θ=0.4°における小角X線散乱強度が80〜500CPS/10万デニール、であることを特徴とするアクリル繊維。
  2. 該アクリル繊維が、溶液重合法にて得られたアクリロ二トリル重合体を紡糸原液に使用したものであり、該紡糸原液が、アクリロニトリル90〜100重量%を含有し且つ極限粘度1.0〜2.5の重合体を3〜15重量%含む重合体溶液である請求項1記載のアクリル繊維。
  3. 該アクリル繊維が湿熱延伸と乾熱延伸とを組み合わせて得たものである請求項1または2記載のアクリル繊維。
  4. 該乾熱延伸が、乾熱非接触状態で6〜10倍延伸したものである請求項3記載のアクリル繊維。
  5. アクリロニトリル90〜100重量%を含有し且つ極限粘度1.0〜2.5の重合体からなり、単繊維の引張り強度10〜14.5g/d、広角X線回折から求められる配向度88〜92%、散乱角2θ=0.4°における小角X線散乱強度が80〜500CPS/10万デニールであるアクリル繊維を酸化性雰囲気中で耐炎化処理後、不活性ガス雰囲気中で焼成することを特徴とする炭素繊維の製造方法。
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