JP2014141761A - 炭素繊維束およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアクリロニトリル系前駆体繊維束を耐炎化、予備炭素化されてなる予備炭素化繊維束を、1200〜2000℃の不活性雰囲気中において、張力13〜18mN/dtexで炭素化する、炭素化時の予備炭素化繊維束の束強度の試長依存性係数mPBが10〜40の炭素繊維束の製造方法、ないし、結晶子サイズLc(nm)が1.7〜5.6であり、かつ結晶配向度π002(%)が、3.1×Lc+82<π002<3.1×Lc+83を満たし、かつ束強度の試長依存性係数mCBが12〜40の炭素繊維束である。
【選択図】 なし
Description
ここで、σP10000およびσP10はそれぞれ、試長10000mmおよび試長10mmの予備炭素化繊維束の束強度(GPa)である。
σC10000/σC10=(10000/10)−1/mCB ・・・式(3)
ここで、σC10000およびσC10はそれぞれ、試長10mおよび試長10mmの炭素繊維束の束強度(GPa)。
ここで、σP500およびσP10はそれぞれ、試長10000mmおよび試長10mmの予備炭素化繊維束の束強度(GPa)。
ここで、σP10000およびσP10はそれぞれ、試長10mおよび試長10mmの予備炭素化繊維の束強度(GPa)である。
本発明における流体交絡処理は、繊維束の撚り数が0〜1ターン/m、繊維束の張力が2〜5mN/dtexの状態とし、流体の吐出圧力を0.2〜4MPa−Gに設定するのが好ましい。また、より好ましくは該張力が2〜3mN/dtexであり、該吐出圧力が0.25〜0.35MPa−Gである。
σC10000/σC10=(10000/10)−1/mCB ・・・式(3)
ここで、σC10000およびσC10はそれぞれ、試長10mおよび試長10mmの炭素繊維束の束強度(GPa)である。
ここで、σC10000およびσC10はそれぞれ、試長10mおよび試長10mmの炭素繊維束の束強度(GPa)である。
試長10mmの束強度は、JIS L1013(2010年)に基づき、以下の手順で測定する。測定に供する繊維束を、試長10mmに調整したゴムフェイスを貼り付けたエアーチャックを用いて引張試験機に取り付ける。クロスヘッド速度200mm/分で引張試験を行い、最高強度を束強度とした。50回の測定の算術平均値を10mmの束強度σP10、σC10とする。炭素繊維束の試長10mmにおける束強度のワイブル形状係数m’は、単繊維の引張強度50点を強度順にワイブルプロットをして、その傾きから求めた。ワイルブルプロットで用いる、累積破壊確率を求めるためのランク法は、対称試料累積分布法を用いる。
試長10mの束強度は、以下の手順で測定する。1組の駆動ロールを、該ロールの頂点間距離が10mとなるように設置する。測定に供する繊維束を両駆動ロールに掛け、片方の駆動ロールは停止したまま、もう片方の駆動ロールを70mm/分で回転させ、引張試験を行う。引張試験中の繊維束の張力をテンションメーターで測定し、断糸に至るまでの間の最高張力を束強度とする。10回の測定の算術平均値を10mの束強度σP10000、σC10000とした。なお、駆動ロール上で繊維束がスリップしないよう、適宜、接触角、ロール材質を選択する。試長依存性係数mPB、mCBは、式(1)と式(2)にそれぞれ束強度σP10、σC10、束強度σP10000、σC10000を代入することで計算する。
測定に供する炭素繊維を引き揃え、コロジオン・アルコール溶液を用いて固めることにより、長さ4cm、1辺の長さが1mmの四角柱の測定試料を用意する。用意された測定試料について、広角X線回折装置を用いて、次の条件により測定を行う。
・X線源:CuKα線(管電圧40kV、管電流30mA)
・検出器:ゴニオメーター+モノクロメーター+シンチレーションカウンター
・走査範囲:2θ=10〜40°
・走査モード:ステップスキャン、ステップ単位0.02°、計数時間2秒。
但し、
K:1.0、λ:0.15418nm(X線の波長)
β0:(βE 2−β1 2)1/2
βE:見かけの半値幅(測定値)rad、β1:1.046×10−2rad
θB:Braggの回析角。
上述した結晶ピークを円周方向にスキャンして得られる強度分布の半値幅から次式を用いて計算して求める。
π002=(180−H)/180
但し、
H:見かけの半値幅(deg)
上記測定を3回行い、その算術平均を、その炭素繊維の結晶子サイズ及び配向度とする。
炭素繊維束の破断端数は以下の通りにして求める。鏡面加工を施した2本の固定ガイドを30cmの間隔で横方向に配置し、測定に供する炭素繊維束をテープで該ガイドに固定する。ガイド間の30cmの炭素繊維束のすべての単繊維について培養針を用いて束を広げながら、破断部の個数をカウントする。束を広げる際に、単繊維が破断してしまった場合は、その部分はカウントから除外する。なお、測定は3回行い、3回の総カウント数から炭素繊維束破断端数は次式により定義される。
炭素繊維束破断端数(個/m・本)=3回のすべての単繊維の破断部の総カウント数(個)/炭素繊維束フィラメント数(本)×100/30/3。
炭素繊維の単繊維引張強度は、JIS R7606(2000年)に基づいて、以下の通りにして求める。つまり、まず、20cm程度の炭素繊維の束をほぼ4等分し、4つの束から順番に単糸をサンプリングして束全体からできるだけまんべんなくサンプリングする。サンプリングした単糸は、穴あき台紙に接着剤を用いて固定する。単糸を固定した台紙を引張試験機に取り付け、ゲージ長25mm、歪速度1mm/分、試料数50で引張試験をおこなう。炭素繊維の引張強度は以下の式で定義される。
引張強度=(得られる強度)/(単繊維の断面積)。
測定する繊維束について、1mサンプリングし、比重液をo−ジクロロエチレンとしてアルキメデス法で測定した。試料数は3で試験を行った。
フックドロップ法による繊維束の交絡度は、JIS L1013(2010年)に基づいて、以下の通りにして求める。すなわち、測定に供する繊維束を垂下装置の上部にクリップで固定し、繊維束下端にクリップで50gの錘をぶらさげ、試料を垂直にたらす。試料上部固定端から1cm下に、繊維束を2分割するように、直径0.6mmの表面を滑らかに仕上げた重さ10gのフックを挿入し、その降下距離を50回測定し、その算術平均値より下記式で算出する。
交絡度(CF値)=1000/フック降下距離の50回算術平均値(mm)。
炭素繊維束のストランド引張強度とストランド弾性率は、JIS−R−7608(2004)の樹脂含浸ストランド試験法に準拠し、次の手順に従い求めた。樹脂処方としては、“セロキサイド(登録商標)”2021P(ダイセル化学工業社製)/3フッ化ホウ素モノエチルアミン(東京化成工業(株)製)/アセトン=100/3/4(質量部)を用い、硬化条件としては、常圧、温度125℃、時間30分を用いた。炭素繊維束のストランド10本を測定し、その平均値をストランド引張強度およびストランド弾性率とした。
アクリロニトリル99.5mol%とイタコン酸0.5mol%からなる共重合体を、ジメチルスルホキシドを溶媒とし、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを開始剤として溶液重合法により重合させ、ポリアクリロニトリル系共重合体を製造した。製造されたポリアクリロニトリル系重合体に、アンモニアガスをpH8.5になるまで吹き込み、イタコン酸を中和しつつ、アンモニウム基をポリアクリロニトリル系共重合体に導入し、紡糸原液を得た。得られた紡糸原液を、40℃で、直径0.15mm、孔数3,000の紡糸口金を用い、一旦空気中に吐出し、約4mmの空間を通過させた後、3℃にコントロールした35%ジメチルスルホキシドの水溶液からなる凝固浴に導入する乾湿式紡糸法により凝固糸条とした。
包括的実施例記載の方法で表1記載の耐炎化繊維束を得、表1記載の流体圧でエアーを噴きつけ、交絡を導入した後、包括的実施例の方法で予備炭素化処理を行い、次いで、表1記載の炭素化温度及び張力で炭素化処理を行い、炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド弾性率・品位は良好なものであった。また、結晶配向度は式(2)を満足し、束強度の試長依存性係数mCBが高いものであった。
包括的実施例記載の方法で表1記載の耐炎化繊維束を得、表1記載の流体圧でエアーを噴きつけ、交絡を導入した後、表1記載の撚り数の撚りを加え、包括的実施例の方法で予備炭素化処理を行い、次いで、表1記載の炭素化温度及び張力で炭素化処理を行い、炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド弾性率・品位は良好なものであった。また、結晶配向度は式(2)を満足し、束強度の試長依存性係数mCBが高いものであった。
表1記載の流体圧でエアーを噴きつけ、交絡を導入した後、表1記載の撚り数の撚りを加え、張力を表1記載の条件とした以外は、実施例1と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は低下傾向を示したが、得られた炭素繊維束の、ストランド弾性率・品位は良好なものであった。また、結晶配向度は式(2)を満足し、束強度の試長依存性係数mCBが高いものであった。
包括的実施例記載の方法で表1記載の耐炎化繊維束を得、表1記載の流体圧でエアーを噴きつけ、交絡を導入した後、包括的実施例の方法で予備炭素化処理を行い、次いで、表1記載の炭素化温度及び張力で炭素化処理を行い、炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド弾性率・品位は良好なものであった。また、結晶配向度は式(2)を満足し、束強度の試長依存性係数mCBが高いものであった。
包括的実施例記載の方法で表1記載の耐炎化繊維束を得、表1記載の撚り数の撚りを加え、包括的実施例の方法で予備炭素化処理を行い、次いで、表1記載の炭素化温度及び張力で炭素化処理を行い、炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド弾性率・品位は良好なものであった。また、結晶配向度は式(2)を満足し、束強度の試長依存性係数mCBが高いものであった。
表1記載の流体圧でエアーを噴きつけ、交絡を導入した後、表1記載の撚り数の撚りを加え、張力を表1記載の条件とした以外は、実施例5と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は低下傾向を示したが、得られた炭素繊維束の、ストランド弾性率・品位は良好なものであった。また、結晶配向度は式(2)を満足し、束強度の試長依存性係数mCBが高いものであった。
実施例6で得た炭素繊維束を、炭素化温度2500℃及び延伸比を1.0として窒素中で追加炭素化した以外は、実施例6と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド弾性率・品位は良好なものであった。また、結晶配向度は式(2)を満足し、束強度の試長依存性係数mCBが高いものであった。
エアー吹き付けによる交絡及び撚りを加えなかった以外は包括的実施例記載の方法で予備炭素化繊維束を得た。次いで、特許文献10に倣い、炭素化工程を3炉に分けて、第1炭素化炉を最高温度1000℃、張力2.5mN/dtex、第2炭素化炉を最高温度1200℃、張力2.5mN/dtex、第3炭素化炉を表1記載の炭素化温度及び張力で炭素化処理を行い、炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であったが、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は毛羽が多いものであった。また、束強度の試長依存性係数mCBは低く、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
比較例1と同様に予備炭素化繊維束を得た。次いで、特許文献10に倣い、炭素化工程を3炉に分けて、第1炭素化炉を最高温度1000℃、張力2.5mN/dtex、第2炭素化炉を最高温度1200℃、張力2.5mN/dtex、第3炭素化炉を表1記載の炭素化温度及び張力で炭素化処理を行った。炭素化工程において即座に断糸し、炭素繊維束を得ることは出来なかった。
第3炭素化炉の温度を表1記載の条件とした以外は、比較例1と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であったが、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は毛羽が多いものであった。また、束強度の試長依存性係数mCBは低く、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
エアー吹き付けによる交絡及び撚りを加えなかった以外は包括的実施例記載の方法で予備炭素化繊維束を得た。次いで、表1記載の炭素化温度及び張力で炭素化処理を行い、炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は良好なものであった。しかしながら、束強度の試長依存性係数mCBは低く、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
炭素化温度を表1記載の条件とした以外は、比較例4と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は良好なものであった。しかしながら、束強度の試長依存性係数mCBは低く、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
炭素化温度及び張力を表1記載の条件とした以外は、比較例4と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は良好なものであった。しかしながら、束強度の試長依存性係数mCBは低く、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
比較例4と同様に予備炭素化繊維束を得た。次いで、表1記載の張力で炭素化処理を行った。炭素化工程において即座に断糸し、炭素繊維束を得ることは出来なかった。
炭素化温度及び張力を表1記載の条件とした以外は、比較例4と同様に炭素繊維束を得た。炭化素工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は良好なものであった。しかしながら、束強度の試長依存性係数mCBは低く、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
炭素化温度及び張力を表1記載の条件とした以外は、比較例4と同様に炭素繊維束を得た。炭化素工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は良好なものであった。しかしながら、束強度の試長依存性係数mCBは低く、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
炭素化温度及び張力を表1記載の条件とした以外は、比較例4と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は良好なものであった。しかしながら、束強度の試長依存性係数mCBは低く、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
炭素化温度及び張力を表1記載の条件とした以外は、比較例4と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は良好なものであった。しかしながら、束強度の試長依存性係数mCBは低く、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
炭素化温度及び張力を表1記載の条件とした以外は、比較例4と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は低下傾向を示したが、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は良好なものであった。しかしながら、束強度の試長依存性係数mCBは低く、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
比較例4と同様に予備炭素化繊維束を得た。次いで、表1記載の張力で炭素化処理を行った。炭素化工程において即座に断糸し、炭素繊維束を得ることは出来なかった。
特許文献3に倣い、開始剤濃度を低減して重合を行ったこと、エアー吹き付けによる交絡及び撚りを加えなかった以外は包括的実施例記載の方法で予備炭素化繊維束を得た。次いで、表1記載の炭素化温度及び張力で炭素化処理を行い、炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は良好なものであった。しかしながら、束強度の試長依存性係数mCBは低く、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
炭素化温度を変更した以外は比較例14と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は良好なものであった。しかしながら、束強度の試長依存性係数mCBは低く、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
炭素化温度を変更した以外は比較例14と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は良好なものであった。しかしながら、束強度の試長依存性係数mCBは低く、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
比較例16と同様に予備炭素化繊維束を得た。次いで、表1記載の張力で炭素化処理を行った。炭素化工程において即座に断糸し、炭素繊維束を得ることは出来なかった。
炭素化温度及び張力を変更した以外は実施例1と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド品位は良好なものであった。しかしながら、束強度の試長依存性係数mCBは高かったものの、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
実施例6と同様に予備炭素化繊維束を得た。次いで、表1記載の張力で炭素化処理を行った。炭素化工程において即座に断糸し、炭素繊維束を得ることは出来なかった。
流体圧を表1記載の条件とした以外は、実施例1と同様に予備炭素化繊維束を得て、炭素化処理を行った。炭素化工程において即座に断糸し、炭素繊維束を得ることは出来なかった。
流体圧及び撚り数を表1記載の条件とした以外は、実施例1と同様に予備炭素化繊維束を得て、炭素化処理を行った。炭素化工程において即座に断糸し、炭素繊維束を得ることは出来なかった。
流体圧及び撚り数を表1記載の条件とした以外は、実施例1と同様に予備炭素化繊維束を得て、炭素化処理を行った。炭素化工程において即座に断糸し、炭素繊維束を得ることは出来なかった。
流体圧及び撚り数を表1記載の条件とした以外は、実施例1と同様に予備炭素化繊維束を得て、炭素化処理を行った。炭素化工程において即座に断糸し、炭素繊維束を得ることは出来なかった。
特許文献9に倣い、炭素化炉入り側において、張力下で表1記載の条件の流体圧で交絡を導入、撚りを加えなかった以外は、実施例5同様に炭素化処理を行った。炭素化工程において即座に断糸し、炭素繊維束を得ることは出来なかった。
特許文献7,8に倣いポリアクリロニトリル系前駆体繊維に表1記載の撚り数を付与した後、
包括的実施例に従い耐炎化、予備炭化を行い、実施例5同様の炭素化条件にて炭素化処理を行った。炭素化工程において即座に断糸し、炭素繊維束を得ることは出来なかった。
アミノ変性シリコーン系シリコーン油剤として、アミノ変性シリコーン50質量部、エポキシ変性シリコーン25質量部、ポリエーテル変性シリコーン25質量部、反応性界面活性剤として旭電化工業(株)製アデカリアソープNE−10を30質量部、水4000質量部からなる油剤とした以外は、包括的実施例に従い製糸、耐炎化、予備炭化を行い、実施例5同様の炭素化条件にて炭素化処理を行った。炭素化工程において即座に断糸し、炭素繊維束を得ることは出来なかった。
炭素化温度を表1記載の条件とした以外は、実施例7と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド弾性率・品位は良好なものであった。しかしながら、束強度の試長依存性係数mCBは高いものの、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
炭素化温度を表1記載の条件とした以外は、実施例7と同様に炭素繊維束を得た。炭素化工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の、ストランド弾性率・品位は良好なものであった。また、束強度の試長依存性係数mCBは高いものの、結晶配向度は式(2)を満足しなかった。
Claims (8)
- ポリアクリロニトリル系前駆体繊維束を耐炎化、予備炭素化されてなる予備炭素化繊維束を、1200〜2000℃の不活性雰囲気中において、張力13〜18mN/dtexで炭素化する炭素繊維束の製造方法であって、炭素化時の予備炭素化繊維束の式(1)から算出される束強度の試長依存性係数mPBが10〜40である炭素繊維束の製造方法。
σP10000/σP10=(10000/10)−1/mPB ・・・式(1)
ここで、σP10000およびσP10はそれぞれ、試長10mおよび試長10mmの予備炭素化繊維束の束強度(GPa) - 耐炎化する際のポリアクリロニトリル系前駆体繊維束の撚り数が0〜1ターン/mであり、かつ、耐炎化終了後炭素化を行うまでの間において、繊維束に流体交絡処理を行う、請求項1に記載の炭素繊維束の製造方法。
- 耐炎化する際のポリアクリロニトリル系前駆体繊維束の撚り数が0〜1ターン/mであり、かつ、炭素化する際の予備炭素化繊維束の撚り数が20〜45ターン/mである、請求項1または2のいずれかに記載の炭素繊維束の製造方法。
- 請求項1または2のいずれかに記載の製造方法で得られた炭素繊維束に、さらに1500〜3000℃の不活性雰囲気中において炭素化する炭素繊維束の製造方法。
- 結晶子サイズLc(nm)が1.7〜5.6であり、かつ結晶配向度π002(%)が式(2)を満たし、かつ式(3)から算出される束強度の試長依存性係数mCBが12〜40である炭素繊維束。
3.1×Lc+82<π002<3.1×Lc+83 ・・・式(2)
σC10000/σC10=(10000/10)−1/mCB ・・・式(3)
ここで、σC10000およびσC10はそれぞれ、試長10mおよび試長10mmの炭素繊維束の束強度(GPa) - 試長10mの炭素繊維束の束強度が1.9〜4.0GPaである、請求項5に記載の炭素繊維束。
- 炭素繊維1本の1mあたりに存在する単繊維破断端数が0.015〜0.2個/m・本である、請求項5または6のいずれかに記載の炭素繊維束。
- 結晶子サイズLcが1.7〜2.4nmである、請求項5〜7のいずれかに記載の炭素繊維束。
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