JP5772012B2 - フィラメントワインディング成形用炭素繊維およびその製造方法 - Google Patents
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Description
ここで、本発明で規定される前記解舒時の糸条形態(糸幅、糸幅変動率)は、下記の方法で測定される。
図1に示す糸道のクリールに炭素繊維パッケージを仕掛け、図示する糸道に誘導し、糸道を安定させるため、一旦90°に捻り、逆方向に捻り返してから平ローラ群を通過させ、糸幅測定位置を通過させて、ワインダーに巻き取る。張力、速度を以下所定の解舒条件に合わせて、条件設定後空中糸幅を光学センサーで測定し、糸幅の平均値と変動係数を求め、これらをそれぞれ本発明で規定される糸幅、糸幅変動率と定義する。また、糸幅が平均値の75%以下となったときに反転が1回とカウントする。
キーエンス社製NR600,NR1000データロガーを用い、0.1秒間隔でデーター取り入れする。
本発明で規定される炭素繊維束の解舒条件は次のとおりである。
引き出し張力:6N/tex(1kg/36K)、測定糸長:1000m、糸速:50m/分
また、本発明の好ましい態様として規定される炭素繊維の長径/短径比とは、炭素繊維を繊維軸に対して直角方向に切断し、ランダムに選定したn=25本の単糸の断面を、SEMを用いて観察し、断面を楕円として近似したときの長径/短径比の平均値と定義される。
また、本発明の好ましい態様として規定される炭素繊維表面の算術平均粗さ(Ra)は、測定試料として炭素繊維を長さ数mm程度にカットしたものを用い、銀ペーストを用いて基板(シリコンウエハ)上に固定し、原子間力顕微鏡(AFM)によって各単繊維の幅方向の中央部において、3次元表面形状の像を得る。原子間力顕微鏡としてはDigital Instuments社製 NanoScope IIIaにおいてDimension 3000ステージシステムを使用する。観測条件は下記条件とする。
・走査モード:タッピングモード
・探針:シリコンカンチレバー(探針一体型カンチレバー)
・走査範囲:2.5μm2
・走査速度:0.3Hz
・ピクセル数:512×512
・測定環境:室温、大気中。
また、本発明の好ましい態様として規定される炭素繊維のドレープ値は、図2,3に示す方法によって測定される。
アクリロニトリル(AN)99.5モル%、イタコン酸0.5モル%からなるAN共重合体をアンモニアで中和変性しポリマの濃度が20質量%であるDMSO溶液を調整した。
表1に示す各種プリカーサを240〜280℃の空気中で、延伸比0.90で耐炎化処理し、引き続いて窒素雰囲気中、最高温度を800℃と1450℃に設定した炉で、それぞれ300〜600℃の温度域および1000〜1450℃の温度域における昇温速度をいずれも800℃/分以下として炭素化処理した。また、1450℃の炉における延伸比は0.95とした。引き続き、硫酸水溶液中で電解表面処理した後、エポキシ樹脂を主成分としたエマルジョン溶液中に、実施例2、7、8以外は付着量が1.0質量%となるように含浸させ、サイジング処理を施して炭素繊維を得た。また、実施例2では付着量を0.5質量%、7では付着量を1.3質量%に、実施例8では0.3質量%に設定した。この炭素繊維を図5,6に示す巻取り機によって巻取り炭素繊維パッケージを得た。このとき図5bに示す、ガイドロール28を比較例1以外は回転可能なものとし、比較例1ではガイドロール2の支持部材26を、軸受を介すことなく直接ブラケットに固定したものの2種類で炭素繊維の搬送、案内を行った。得られた炭素繊維の特性を表2に示す。
A:ドレープ値測定架台
P:プリカーサ繊維束
T:トラバース方向
1:炭素繊維パッケージ
2:巻取りボビン
3:糸道規制ローラ
4:平ローラ
5:糸幅測定装置
6:平ローラ
7:駆動ローラ
11:糸道ガイド
12:綾振り装置
13:トラバースガイド
14:パッケージ
15:巻取装置
16:プレッシャーロール
21:上部ガイドロール
22:中間ガイドロール
23:最終ガイドロール
24:本体ブラケット
25:支持部材の回転軸
26:支持部材
27:ガイドロールの回転軸
28:ガイドロール
31:フリーガイドローラ群
32:ドライブステーション
33:巻き取り糸条パッケージ
34:第1フリーローラ
35:第2フリーローラ
Claims (6)
- ストランド引張強度が4000MPa以上、ストランド引張弾性率が225GPa以上350GPa以下であり、フィラメント数が15000〜60000、単糸繊度が0.25〜0.8dtexである炭素繊維束をボビンに巻き上げた炭素繊維パッケージであって、ボビン上糸幅が3.5×10−4〜7.5×10−4mm/dtexであり、明細書に記載される条件で炭素繊維束を解舒したときの解舒時の糸幅の変動率がCV値で10%以下であり、かつ解舒時の糸幅の平均値に対して75%未満の糸幅を有する部分が5個/1000m以下であることを特徴とするフィラメントワインディング成形用炭素繊維。
- 前記炭素繊維が、単糸断面の長径/短径比が1.08以下、表面Raが20以下であり、ドレープ値が6〜18のアクリロニトリル系炭素繊維である、請求項1に記載の炭素繊維。
- フィラメント数が15000〜60000、単糸繊度が0.6〜1.5dtexにあるアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束をボビン上糸幅1.8×10−4〜4.5×10−4mm/dtexでボビンに巻き取り、前駆体繊維パッケージを製造する工程、得られた前駆体繊維を無撚りで耐炎化し、不活性ガス中での炭化温度が最高温度1100℃以上2200℃以下で炭化することによって、ストランド引張強度が4000MPa以上、ストランド引張弾性率が225GPa以上350GPa以下である炭素繊維束を製造する工程、得られた炭素繊維束をワインダーに巻き取る際に、ワインダーのトラバースガイドに、糸道を外れる動作をする繊維束を本来の糸道方向に案内する糸ガイド機構を有するものを用いることによって、巻取り直前のローラ上での糸道変動を3mm未満とし、ボビン上の糸幅が3.5×10−4〜7.5×10−4mm/dtexで前記炭素繊維束をボビンに巻き取る工程からなり、明細書に記載される条件で炭素繊維束を解舒したときの解舒時の糸幅の変動率をCV値で10%以下とし、かつ解舒時の糸幅の平均値に対して75%未満の糸幅を有する部分を5個/1000m以下とすることを特徴とするフィラメントワインディング成形用炭素繊維の製造方法。
- 前記糸ガイド機構が、走行する繊維束を案内する糸道ガイドであって、該糸道ガイドがガイドロールと該ガイドロールを支持する支持部材とからなり、該支持部材は、前記ガイドロールの回転軸に対し直角にねじれた位置に回転軸を有するものであり、糸道の変動に対応して、該支持部材の回転軸を回転中心とする回転により該ガイドロールが糸道に対して傾けられることにより、繊維束が本来の糸道方向に自動的に案内されるように構成されてなる糸道ガイドを有する、請求項3に記載の炭素繊維の製造方法。
- 前記用いられるアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束が、単糸断面の長径/短径比が1.08以下、表面Raが20以下であり、かつ前記得られる炭素繊維束が、単糸断面の長径/短径比が1.08以下、表面Raが20以下であり、ドレープ値が6〜18である、請求項3または4に記載の炭素繊維の製造方法。
- ポリアクリロニトリル系ポリマをホール数が3000〜15000である口金から吐出、凝固してマルチフィラメント糸とし、その糸条を複数本合糸して、前記フィラメント数が15000〜60000の前駆体繊維を得るに際して、延伸後に合糸する工程を含み、該合糸工程での合糸用のガイドが、フリーガイドローラ群からなり、そのローラ群がローラ軸を走行糸条に対して実質的に直角かつ互いに平行になるよう配置した複数本の第1フリーローラと、該第1フリーローラとはそのローラ軸を実質的に直角に配置した少なくとも1本の第2フリーローラとからなるものであって、かつ、走行糸条が複数本の第1フリーローラに該糸条の表裏を交互に接触させて後、第2フリーローラによりひねりを与えるよう通過せしめることにより、前記糸幅1.8×10−4〜4.5×10−4mm/dtexで巻き取った前駆体繊維パッケージを得る、請求項3乃至5のいずれかに記載の炭素繊維の製造方法
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