以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る開口部の防水装置の概略構成を表す平面図である。図1,図2に示す実施形態の開口部の防水装置1は、開口部Oから構造物Sの内部に水が浸入することを防止するものである。開口部Oは、構造物Sの壁部Wなどに形成され、構造物Sの一方の空間側(例えば、屋外空間側)と他方の空間側(例えば、屋内空間側)とを連通するように形成される。なお、防止とは、阻止や抑制などの意味を含むものとする。
このような構造物Sの開口部Oには、開閉体としてシャッターや開閉扉が設置されていることが多い。例えば、地下駐車場の入口や、店舗の入口等にもシャッターや開閉扉が設置されていることが多い。シャッターは、隙間が多い構造であるため、ゲリラ豪雨や洪水時のように想定以上の降水量となるとシャッターの隙間を介して浸水して施設が被害に遭う可能性がある。また、開閉扉は、扉間および各扉と開口部との間に隙間があるため、同様に施設が被害に遭う可能性がある。
図1ないし図3に示す実施形態の開口部の防水装置1は、ビル,家屋,倉庫等の構造物を含む構造物Sに形成された開口部Oを開放あるいは閉塞する開閉体(開閉扉)2を通して構造物Sの内部に水が浸入することを防止するものである。
なお、以下の説明では、図1に示すX方向は、水平方向に沿った方向であって後述する枠体3の一対の縦枠部材(方立)31が向かい合う「扉幅方向」である。また、図1に示すY方向は、上流側(屋外空間側)から下流側(屋内空間側)に向かう「奥行方向」である。また、図2に示すZ方向は、枠体3の一対の縦枠部材31が延在する「上下方向」である。ここで、屋内空間側とは、水の浸入を防止、すなわち、水の浸入を阻止や抑制したい側であり、屋外空間側とは、浸入可能性のある水が流れてくる側のことである。なお、屋外空間側や屋内空間側とは、水が浸入する可能性がある場合の上流側や下流側を意味する便宜上の文言である。本発明は、例えば廊下等の通路のような家屋や部屋等の概念が必ずしも明確にならない場所に設置された扉に対しても適用できる。
開閉扉2は、図1に示すように、枠体3の屋内空間側に配設され、扉幅方向にスライド可能に支持された両開き式の一対の扉21を有する。開閉扉2は、扉21が開口部Oを閉塞させる閉塞位置と、開口部Oを開放させる開放位置とに亘って枠体3に対して扉幅方向にスライドすることで、開口部Oを開放あるいは閉塞する。具体的に、開閉扉2は、一対の扉21が互いに近付いて開口部Oを閉塞し、一対の扉21が互いに離間して開口部Oを開放する。このような扉21の移動は、手動でなされても、モータ等の駆動装置によって自動でなされてもよい。また、開閉扉2が後述する止水板4と接触しないため、開閉扉2は、止水板4を開口部Oに設置した状態で開閉可能である。
扉21は、図示しないガイドレールによって案内される。ガイドレールは、開口部Oの上下両端に配設され、壁部Wの表面と平行である。扉21の上下方向両端部は、それぞれガイドレールの溝部に挿入されている。溝部は、開閉方向、すなわち、扉幅方向に延在しており、扉21を扉幅方向にスライド自在に案内する。図1に示すように、扉21の扉幅方向の両端には、扉21よりも厚い扉側縦方立21aが配設されている。また、図2に示すように、扉21の下端部には、扉21よりも厚い扉側幅木21bが配設されている。扉側縦方立21aの厚みは、扉側幅木21bの厚みと等しい。なお、本発明でいう床面Fとは、説明上分かりやすくするための便宜上の表現であって、通常の床面Fのみならず、コンクリート面や地面等の開口部Oの下方に位置する面を総称する。
枠体3は、図1に示すように、開口部Oの周囲の壁部Wよりも厚く、防錆性を有する金属材で構成されている。枠体3は、開口部Oの周囲を囲むように構造物Sに固定的に設置されている。枠体3は、図2に示すように、左右一対の縦枠部材(方立)31と、上枠部材32と、下枠部材(幅木)33とを含んで構成される。一対の縦枠部材31と上枠部材32と下枠部材33は、それぞれ板状の金属材により中空状の断面形状に形成されている。
縦枠部材31は、開口部Oの扉幅方向の両端部に一対が配設され、上下方向に延在している。一対の縦枠部材31は、図1,図2に示すように、開閉扉2よりも屋外空間側に配設されている。一対の縦枠部材31は、扉幅方向において開口部Oの空間部分を挟んで対向する対向面31aを有している。上枠部材32は、図2に示すように、開口部Oの上側に配設されている。下枠部材33は、開口部Oと隣接する壁部Wの下側において床面Fの上方に配設されている。上枠部材32および下枠部材33は、扉幅方向に延在している。一対の縦枠部材31の上端部と上枠部材32の両端部とは、開口部Oの内面側にて連結されている。また、一対の縦枠部材31の下端部と下枠部材33の一端部とは、連結されている。このように構成された枠体3は、全体として開口部Oに対応した形状である。
止水板4は、図1ないし図5に示すように、開口部Oの下側の領域を閉塞することが可能な幅および高さを有する直方体状である。止水板4は、防錆性を有する板状の金属材を加工してパネル状に形成されている。止水板4は、人が跨ぐことで開閉扉2を介して構造物Sの出入りが可能である。止水板4は、開口部Oの幅L1、すなわち、対向する縦枠部材31間の幅よりも大きな幅で、人が跨ぐことができる高さ、具体的には例えば、数10cmに設定されている。止水板4は、開口部Oの床面Fから数10cmの高さを閉塞し、浸水時に屋内空間側への水の浸入を防止する。この止水板4は、屋外空間側の床面Fに配設される。
また、止水板4は、持ち運び自在な重量であり、浸水時の水圧に耐え得る剛性を有している。止水板4は、より詳しくは、アルミを含む防錆性を有する軽量の金属板を断面形状がコの字型に加工して骨材とし、4つの骨材を組み合わせた四角形のフレームを有する。このフレームの正面および背面の開口部が四角形のパネルでそれぞれ閉塞されて、止水板4は、形成される。また、フレームとパネルとで囲われた内部の空間に充填剤を充填することで、止水板4は、軽量で剛性の高いものとなる。この止水板4は、浸水時、屋外空間側からの水圧によって屋内空間側、すなわち、縦枠部材31に押圧されて押し付けられる。
縦止水ゴム(第1止水ゴム)5は、止水板4の屋内側面4aの扉幅方向の両端部に一対が配設されている。縦止水ゴム5は、屋内側面4aにおいて扉幅方向の端部に、止水板4の短手方向(高さ方向)全長に亘って配設されている。縦止水ゴム5は、図5に示すように、止水板4が枠体3に設置された状態で、止水板4と枠体3の縦枠部材31との間に介在する。このとき、縦止水ゴム5は、縦枠部材31に押圧されて弾性変形している。一対の縦止水ゴム5は、一対の縦枠部材31に密着している。このため、一対の縦止水ゴム5は、止水板4と一対の縦枠部材31の当接部との間を水が流れることを抑制する。すなわち、一対の縦止水ゴム5は、一対の縦枠部材31において屋外空間側から屋内空間側に水が浸入することを抑制する。
底面止水ゴム(第2止水ゴム)6は、止水板4の床面Fと対向する面、すなわち、止水板4の底面に長手方向(扉幅方向)全長に亘って配設されている。底面止水ゴム6は、図5に示すように、止水板4が枠体3に設置された状態で、止水板4と床面Fとの間に介在する。このとき、底面止水ゴム6は、床面Fに押圧されて弾性変形している。このため、底面止水ゴム6は、床面Fに密着している。このため、底面止水ゴム6は、止水板4と床面Fの当接部との間を水が流れることを抑制する。すなわち、底面止水ゴム6は、屋外空間側から屋内空間側に水が浸入することを抑制する。
支持部材7は、図3ないし図5に示すように、止水板4を縦枠部材31に押圧し、縦枠部材31に着脱自在に固定されるものである。支持部材7は、縦枠部材31に対して固定された状態で縦止水ゴム5を縦枠部材31に押圧する。支持部材7は、板状の金属材料を曲げ加工して形成される。支持部材7は、一対の縦枠部材31の扉幅方向の内側、すなわち、一対の縦枠部材31の対向面31a側に一対が配設される。支持部材7は、基部71と、第1当接部72と、第2当接部73と、押圧ねじ(押圧部材)74と、を有している。
基部71は、図4,図5に示すように、矩形状の部分である。基部71は、奥行方向に長辺が延在し、Z方向に短辺が延在している。基部71は、奥行方向の長さ(奥行)が、止水板4の厚さより大きい。基部71には、第1当接部72の壁部72aと第2当接部73の壁部73aとによって囲われた、側面視において下側に開口したコの字型の保持部71bが形成されている。保持部71bは、その内側に止水板4の上側を収容する。基部71は、止水板4が枠体3に設置された状態で、底面71aが止水板4の上面4dに当接する。このとき、基部71は、止水板4を床面Fに押圧する。
第1当接部72は、基部71の奥行方向の一端部(下流側の端部)に延設されている。第1当接部72は、縦枠部材31に対して止水板4と反対側に配設され、縦枠部材31に止水板4と反対側から当接する。この第1当接部72は、上面視においてL字型に形成されている。具体的に、第1当接部72は、壁部72aと、壁部72bと、曲部72cと、を有する。壁部72aは、基部71の奥行方向の一端部において上方および下方に延設されている。壁部72aは、縦枠部材31の対向面31aと対向する。壁部72bは、縦枠部材31の後面31bと対向する。壁部72bは、扉幅方向の外側にて屋内空間側に凸状に湾曲して縦枠部材31の後面31bから離れている。曲部72cは、壁部72aと壁部72bとの間に延在する。曲部72cは、縦枠部材31の対向面31aおよび後面31bの間の角部に対向する。第1当接部72は、止水板4が枠体3に設置された状態で、縦枠部材31の対向面31aおよび後面31bに屋内空間側から当接する。
第2当接部73は、基部71の奥行方向の他端部(上流側の端部)に延設されている。第2当接部73は、止水板4に対して縦枠部材31と反対側に配設され、止水板4に縦枠部材31と反対側から当接する。このような第1当接部72と第2当接部73との間には、止水板4および縦枠部材31が配置される。この第2当接部73は、上面視においてL字型に形成されている。具体的に、第2当接部73は、壁部73aと、壁部73bと、曲部73cと、を有する。壁部73aは、基部71の奥行方向の他端部において下方に延設されている。壁部73aは、止水板4が枠体3に設置された状態で、屋内空間側端面が止水板4の屋外側面4bと当接する。壁部73bは、止水板4の屋外側面4bと対向する。壁部73bには、後述する押圧ねじ74と螺合するねじ孔が板厚方向に貫通している。曲部73cは、壁部73aと壁部73bとの間に延在する。曲部73cは、縦枠部材31の対向面31aおよび後面31bの間の角部に対向する。第2当接部73は、止水板4が枠体3に設置された状態で、壁部73aの屋内空間側端面が止水板4の屋外側面4bに屋外空間側から当接する。
押圧ねじ74は、第1当接部72に対して進退自在に配設されている。押圧ねじ74は、先端部が止水板4の屋外側面4bに屋外空間側から当接可能である。具体的に、押圧ねじ74は、壁部73bのねじ孔に螺合させて締結したり緩めたりすることで第1当接部72に対して進退する。より詳しくは、押圧ねじ74を締結すると、押圧ねじ74は、第1当接部72側に前進する。押圧ねじ74の先端が止水板4の屋外側面4bに当接した状態から、さらに押圧ねじ74を締結すると、押圧ねじ74は、その先端部が止水板4を縦枠部材31に押圧する。このとき、押圧ねじ74は、その先端と第1当接部72の壁部72bとの間に縦枠部材31および止水板4を挟持する。これにより、支持部材7は、縦枠部材31に固定される。押圧ねじ74を緩めると、押圧ねじ74は、第1当接部72側から後退する。押圧ねじ74の先端と第1当接部72の壁部72bとの間が離間すると、押圧力(止水板4の屋外側面4bを縦枠部材31に押圧する方向に作用する圧力)は、ゼロになる。これにより、支持部材7は、縦枠部材31から取り外される。
上記のように構成される開口部の防水装置1の使用方法について説明する。開口部Oに止水板4を設置する際、作業者は、保管場所から止水板4を運搬する。
作業者は、開口部Oにおける止水板4の設置位置に、屋外側から止水板4を載置する。具体的に、作業者は、止水板4の底面4cを止水板4の設置位置、すなわち、一対の縦止水ゴム5が一対の縦枠部材31と当接する位置に合わせて、止水板4を床面Fに垂直に立設させる。この状態で、底面止水ゴム6は、自重により床面Fに押圧され弾性変形している。
作業者は、止水板4を床面Fおよび縦枠部材31に押圧しながら、支持部材7を縦枠部材31に固定する。具体的に、作業者は、止水板4の上方において、第1当接部72を縦枠部材31の対向面31aおよび後面31bに当接させる。そして、作業者は、基部71の底面71aが止水板4に当接するまで、支持部材7を縦枠部材31に沿って下方にスライドさせる。そして、基部71の底面71aが止水板4に当接したら、作業者は、止水板4を床面Fおよび縦枠部材31に押圧しながら、押圧ねじ74を締結する。図5は、押圧ねじ74が締結された状態、すなわち、止水板4が枠体3に設置された状態を示している。このとき、縦止水ゴム5および底面止水ゴム6は、弾性変形して潰れた状態であり、縦止水ゴム5および底面止水ゴム6の復元力によって、床面F,一対の縦枠部材31に押圧されて密着している。この状態では、弾性変形して潰れた縦止水ゴム5および底面止水ゴム6を介して、止水板4と床面F,一対の縦枠部材31とが密着している。止水板4を開口部Oに設置した後、屋外空間側の水位が上昇すると、止水板4に屋外空間側から作用する水圧は、増加する。そして、止水板4は、屋外空間側の水位上昇に伴ってより強固に縦枠部材31に押し付けられる。このため、止水板4の開口部Oへの設置時において、支持部材7は、作業者の手で加えることができる程度の力で止水板4を床面Fおよび縦枠部材31に押圧した状態で固定できればよい。
このようにして、止水板4は、開口部Oに設置される。底面止水ゴム6と床面Fとの摩擦力が作用しているため、止水板4は、床面Fに対して滑ってずれることが抑制される。また、止水板4が支持部材7および押圧ねじ74によって縦枠部材31に押圧された状態で固定されているため、止水板4は、上側が強固に支持される。これらのことにより、浸水時に止水板4に水圧が作用したとしても、止水板4は、滑ってずれることが避けられる。
開口部Oに設置された止水板4を取り外す際、作業者は、一方の手で止水板4を把持した状態で、他方の手で押圧ねじ74を緩める。そして、作業者は、支持部材7を縦枠部材31から取り外し、止水板4を開口部Oから取り外す。そして、作業者は、止水板4を保管場所まで運搬して収納する。このようにして、開口部Oに設置された止水板4は、取り外される。
以上で説明した実施形態に係る開口部の防水装置1によれば、支持部材7は、縦枠部材31に着脱自在とすることができる。このため、開口部Oへ止水板4を設置していない通常時には、開口部Oにレール材や接地板を含む大型の支持部材が配設されていないので、開口部Oの意匠性を損なわない。このように、開口部の防水装置1は、開口部Oの美観を損なわないので、構造物Sの正面入口のように人目に付く場所に設置することにも適している。
また、開口部Oへの止水板4の設置時(枠体3への止水板4の設置時)は、止水板4を床面Fおよび縦枠部材31に押圧しながら、支持部材7を縦枠部材31に固定する。このとき、押圧ねじ74を締結するだけで、支持部材7は、縦枠部材31に固定され、止水板4は、開口部Oに容易に設置される。また、開口部Oに設置された止水板4の取り外し時は、押圧ねじ74を緩めるだけで支持部材7が縦枠部材31から容易に取り外される。このように、開口部の防水装置1は、止水板4の設置、取り外しに工具を必要とせず、誰でも短時間で容易に設置、取り外しができる。
また、開口部Oへの止水板4の設置時には、縦止水ゴム5が止水板4と一対の縦枠部材31との間に介在し、底面止水ゴム6が止水板4と床面Fとの間に介在する。そして、一対の縦止水ゴム5は、一対の縦枠部材31に押圧され、底面止水ゴム6は、床面Fに押圧されて密着し弾性変形する。このように縦止水ゴム5および底面止水ゴム6によって、止水板4と床面Fおよび止水板4と一対の縦枠部材31の当接部の間を水が流れることが抑制される。このように、開口部の防水装置1は、屋外空間側から屋内空間側に水が浸入することを防止できる。
しかも、開口部の防水装置1は、既存の構造物Sに改修工事を必要としない。そのため、開口部の防水装置1は、既設の構造物Sを含む様々な構造物Sに適用することができる。
また、押圧ねじ74が第1当接部72に対して進退自在であるので、開口部の防水装置1は、止水板4の厚さや縦枠部材31の奥行に違いがあっても、止水板4を枠体3に適切に設置することができる。これにより、どんな場所であっても、止水板4を適切に設置することができる。
また、浸水時に止水板4に水圧が作用したとしても、止水板4は、構造物Sに固定的に配設された縦枠部材31の全面で支持されるため、水圧を分散して支持することができる。このため、開口部の防水装置1は、簡易な構成でも、水圧に耐え得る強度を備えることができる。
さらに、開口部Oに設置された止水板4は、開閉扉2と接触していないので、開閉扉2は開閉自在であり、止水板4を跨ぐことで開閉扉2を介して構造物Sの出入りが可能である。
[実施形態2]
図6を参照して、実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。実施形態2に係る開口部の防水装置100は、支持部材110の構成が実施形態1と異なる。
支持部材110は、止水板4を縦枠部材31に押圧し、縦枠部材31に着脱自在に固定されるものである。支持部材110は、基部111と、第1当接部112と、第2当接部113と、を有している。基部111は、実施形態1の基部71と同様に形成されている。第1当接部112は、実施形態1の基部72と同様に形成されている。第2当接部113は、基部111の奥行方向の他端部(上流側)において、扉幅方向の外側に延設されている。第2当接部113は、止水板4の屋外側面4bと対向する。第2当接部113は、下側が屋内空間側にて凸状に湾曲して止水板4の屋外側面4bから離れている。第2当接部113は、基部112の壁部112bとの距離dが、縦枠部材31の奥行と止水板4の厚さの和よりわずかに小さい。このため、第2当接部113は、止水板4が枠体3に設置された状態で、第1当接部112の壁部112bとの間に縦枠部材31と止水板4とを挟持する。
以上で説明した実施形態に係る開口部の防水装置100によれば、実施形態1と同様に、支持部材110は、縦枠部材31に着脱自在とすることができる。このように、開口部の防水装置100は、開口部Oの美観を損なわないので、構造物Sの正面入口のように人目に付く場所に設置することにも適している。
また、支持部材110は、ねじなどを使用せずに縦枠部材31に着脱自在とすることができる。このため、開口部の防水装置100は、止水板4の設置、取り外しに工具を必要とせず、誰でも短時間で容易に設置、取り外しができる。
[実施形態3]
図7を参照して、実施形態3について説明する。なお、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。実施形態3に係る開口部の防水装置120は、支持部材130の構成が実施形態1と異なる。
支持部材130は、止水板4を縦枠部材31に押圧し、縦枠部材31に着脱自在に固定されるものである。支持部材130は、板状の金属材料で形成される。支持部材130は、平面視において鉤型に形成されている。支持部材130は、基部131と、第1当接部132と、長孔133と、押圧ねじ(押圧部材)134と、を有している。この支持部材130は、一対の縦枠部材31にそれぞれ配設される。支持部材130は、一対の縦枠部材31の扉幅方向の内側、すなわち、一対の縦枠部材31の対向面31a側に一対が配設される。
基部131は、矩形状の板材で形成されている。基部131は、縦枠部材31の奥行と止水板4の厚さとの和より大きい奥行を有する。第1当接部132は、基部131の奥行方向の一端部において扉幅方向の外側、すなわち、縦枠部材31側に延設されている。第1当接部132は、縦枠部材31の後面31bに対向する。第1当接部132は、止水板4が枠体3に設置された状態で、縦枠部材31の後面31bに当接する。
ガイド孔133は、基部131を厚さ方向(上下方向)に貫通している。ガイド孔133は、基部131の奥行方向に延在する長孔である。このガイド孔133は、押圧ねじ134が第1当接部132に対して進退する際、すなわち、奥行方向にスライドする際のガイドとして機能する。押圧ねじ134は、第1当接部132に対して進退自在に配設されている。具体的に、押圧ねじ134は、ガイド孔133に沿ってスライドすることで第1当接部132に対して進退する。この押圧ねじ134は、先端部が止水板4の上面4dに形成されたねじ孔に螺合する。止水板4を第1当接部132に押圧した状態で押圧ねじ134を締結することにより、支持部材130は、縦枠部材31に固定される。これにより、止水板4は、縦枠部材31に押圧され、かつ、床面Fに押圧される。
上記のように構成される開口部の防水装置120の使用方法について説明する。作業者は、開口部Oにおける止水板4の設置位置に屋外空間側から止水板4を載置して、止水板4を縦枠部材31と当接させる。
そして、作業者は、止水板4を支持部材130によって床面Fおよび縦枠部材31に押圧しながら、支持部材130を縦枠部材31に固定する。具体的に、作業者は、第1当接部132を対向面31aおよび後面31bの間の角部に当接させた状態で、基部131の底面131aを止水板4に当接させる。そして、基部131の底面131aが止水板4に当接したら、作業者は、止水板4を床面Fおよび縦枠部材31に押圧しながら、押圧ねじ134を締結する。
開口部Oに設置された止水板4を取り外す際、作業者は、一方の手で止水板4を把持した状態で、他方の手で押圧ねじ134を緩める。そして、作業者は、支持部材130を縦枠部材31から取り外し、止水板4を開口部Oから取り外す。このようにして、開口部Oに設置された止水板4が取り外される。
以上で説明した実施形態に係る開口部の防水装置120によれば、実施形態1と同様に、支持部材130は、縦枠部材31に着脱自在である。
また、開口部Oへの止水板4の設置時は、止水板4を床面Fおよび縦枠部材31に押圧しながら、支持部材130を縦枠部材31に固定する。このとき、押圧ねじ134を締結するだけで、止水板4は開口部Oに容易に設置される。また、開口部Oに設置された止水板4の取り外し時は、押圧ねじ134を緩めるだけで支持部材130が縦枠部材31から取り外され、止水板4が取り外される。開口部の防水装置120は、止水板4の設置、取り外しに工具を必要とせず、誰でも短時間で容易に設置、取り外しができる。
また、開口部Oへの止水板4の設置時には、縦止水ゴム5は、支持部材130の第1当接部132と押圧ねじ134とによって一対の縦枠部材31に押圧される。また、底面止水ゴム6は、押圧ねじ134によって床面Fに押圧されて密着し弾性変形する。このように縦止水ゴム5および底面止水ゴム6によって、止水板4と床面Fおよび止水板4と一対の縦枠部材31の当接部の間を水が流れることが抑制される。すなわち、開口部の防水装置120によって、屋外空間側から屋内空間側に水が浸入することを防止できる。
[実施形態4]
図8を参照して、実施形態4について説明する。なお、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。実施形態4に係る開口部の防水装置200は、支持部材210の構成が実施形態1と異なる。
支持部材210は、保持部211と、上壁部212と、前壁部213と、固定ねじ214と、押圧ねじ215と、押圧ねじ216と、を有する。
保持部211は、縦枠部材31の対向面31aと側面31dを挟持して保持するものである。保持部211は、上面視において屋内空間側が開口したコの字型に形成されている。この保持部211には、後述する固定ねじ214と螺合するねじ孔が板厚方向に貫通している。保持部211の縦枠部材31の前面3cと対向する面を基部211aという。
上壁部212は、基部211aの下端部から屋外空間側に延設されている。上壁部212は、基部211aの扉幅方向の幅と同じ幅を有する。上壁部212は、止水板4の厚さよりも大きい奥行を有する。上壁部212は、止水板4の上面4dと対向する。この上壁部212には、後述する押圧ねじ216と螺合するねじ孔が板厚方向に貫通している。
前壁部213は、上壁部212の前端部から下方に延設されている。前壁部213は、保持部211の基部211aの扉幅方向の幅と同じ幅を有する。前壁部213は、止水板4の前面4bと対向する。この前壁部213には、後述する押圧ねじ215と螺合するねじ孔が板厚方向に貫通している。
固定ねじ214は、保持部211のねじ孔と螺合する。固定ねじ214を締結すると、固定ねじ214の先端部が止水板4を縦枠部材31に押圧する。これにより、保持部211は、縦枠部材31に固定される。
押圧ねじ215は、縦枠部材31に対して奥行方向に進退自在に配設されている。押圧ねじ215は、先端部が止水板4の屋外側面4bに屋外空間側から当接可能である。押圧ねじ215を締結することにより、先端部が止水板4を縦枠部材31に押圧する。
押圧ねじ216は、止水板4の上面4dに対して上下方向に進退自在に配設されている。押圧ねじ216は、先端部が止水板4の上面4dに上方から当接可能である。押圧ねじ216を締結することにより、先端部が止水板4を床面Fに押圧する。
上記のように構成される開口部の防水装置200の使用方法について説明する。作業者は、開口部Oにおける止水板4の設置位置に屋外空間側から止水板4を載置して、止水板4を縦枠部材31と当接させる。
そして、止水板4が床面Fから垂直となった状態で、作業者は、支持部材210を縦枠部材31に固定する。具体的に、作業者は、保持部211によって縦枠部材31の対向面31aと側面31dを挟んだ状態で、基部211aを縦枠部材31の前面31cに当接させる。そして、作業者は、固定ねじ214を締結して、支持部材210を縦枠部材31に固定する。そして、作業者は、押圧ねじ215を締結して、止水板4を縦枠部材31に押圧する。そして、作業者は、押圧ねじ216を締結して、止水板4を床面Fに押圧する。
開口部Oに設置された止水板4を取り外す際は、作業者は、一方の手で止水板4を把持した状態で、他方の手で押圧ねじ216,215,固定ねじ214を緩める。そして、作業者は、支持部材210を縦枠部材31から取り外して、止水板4を開口部Oから取り外す。このようにして、開口部Oに設置された止水板4が取り外される。
以上で説明した実施形態に係る開口部の防水装置200によれば、実施形態1と同様に、支持部材210は、縦枠部材31に着脱自在である。
また、開口部Oへの止水板4の設置時は、固定ねじ214を締結して支持部材210を縦枠部材31に固定し、押圧ねじ215,216を締結するだけで、止水板4が開口部Oに容易に設置される。また、開口部Oに設置された止水板4の取り外し時は、3つのねじ、すなわち、押圧ねじ216,215,固定ねじ214を緩めるだけで支持部材210が縦枠部材31から取り外されて、止水板4が取り外される。開口部の防水装置200は、止水板4の設置、取り外しに工具を必要とせず、誰でも短時間で容易に設置、取り外しができる。
また、開口部Oへの止水板4の設置時には、縦止水ゴム5は、押圧ねじ215によって一対の縦枠部材31に押圧されて密着し弾性変形する。また、底面止水ゴム6は、押圧ねじ216によって床面Fに押圧されて密着し弾性変形する。このように縦止水ゴム5および底面止水ゴム6によって、止水板4と床面F、止水板4と一対の縦枠部材31の当接部との間を水が流れることが抑制される。すなわち、開口部の防水装置200によって、屋外空間側から屋内空間側に水が浸入することを防止できる。
[実施形態5]
図9ないし図12を参照して、実施形態5について説明する。なお、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。実施形態5に係る開口部の防水装置300は、主として、支持部材310の構成が実施形態1と異なる。
支持部材310は、主として、前壁311aと、側壁311bと、側壁311cと、上壁311eと、固定ねじ312と、係止部材313と、押圧ねじ314と、縦止水ゴム315と、底面止水ゴム316と、を有する。
前壁311aは、縦枠部材31の前面31cと対向して配設される。前壁311aは、矩形状に形成されている。前壁311aは、止水板4の上下方向の長さ(高さ)より大きな高さを有する。前壁311aは、縦枠部材31の前面31cの扉幅方向の幅より大きな幅を有する。側壁311bは、前壁311aの扉幅方向の一端部において屋内空間側に延設されている。側壁311bは、縦枠部材31の対向面31aと対向して配設される。側壁311bは、矩形状に形成されている。側壁311bは、前壁311aと同じ高さを有する。側壁311bは、縦枠部材31の対向面31aの奥行より大きな奥行を有する。側壁311bには、後述する2つの固定ねじ312と螺合するねじ孔が間隔を空けて2つ形成されている。側壁311cは、前壁311aの扉幅方向の他端部において屋内空間側に延設されている。側壁311cは、縦枠部材31の側面31dと対向して配設される。側壁311cは、矩形状に形成されている。側壁311cは、前壁311aと同じ高さを有する。側壁311cは、縦枠部材31の対向面31aの奥行より小さい奥行を有する。側壁311cは、枠体3の縦枠部材31や下枠部材33の配設位置に合わせて下側に切欠部311dが設けられている。上壁311eは、前壁311aの上端部において屋外空間側に延設されている。上壁311eは、止水板4の上面4dと対向して配設される。上壁311eは、矩形状に形成されている。上壁311eは、止水板4の厚さより大きな奥行を有する。
固定ねじ312は、支持部材310を縦枠部材31に固定するものである。固定ねじ312は、側壁311bの上下方向に間隔を空けて2つ配設されている。
係止部材313は、止水板4を縦枠部材31に固定するものである。係止部材313は、側壁311bの上下方向に間隔を空けて2つ配設されている。係止部材313は、主として、本体部313aと、受金具313bと、を有する。受金具313bは、後述する被係止部材320のフック320aの上下方向の長さよりも長くなっている。
押圧ねじ314は、止水板4の上面4dに対して上下方向に進退自在に配設されている。押圧ねじ314は、先端部が止水板4の上面4dに上方から当接可能である。押圧ねじ314を締結することにより、先端部が止水板4を床面Fに押圧する。
縦止水ゴム315は、上面視においてL字型に形成されている。縦止水ゴム315は、前壁311aおよび側壁311cの屋内側面に配設されている。縦止水ゴム315は、止水板4が設置された状態で、支持部材310と枠体3の縦枠部材31との間に介在する。このとき、縦止水ゴム315は、縦枠部材31に押圧されて弾性変形している。このため、一対の縦止水ゴム315は、一対の縦枠部材31に密着している。一対の縦止水ゴム315は、止水板4と一対の縦枠部材31の当接部との間を水が流れることを抑制する。すなわち、縦止水ゴム315は、一対の縦枠部材31において屋外空間側から屋内空間側に水が浸入することを抑制する。
底面止水ゴム316は、支持部材310の下端部で折り返された状態で前壁311aの屋内側面の下側と屋外側面の下側とを挟んで配設されている。底面止水ゴム316は、底面止水ゴム6と少なくとも一部が当接し、隙間なく連続する位置に配設されている。底面止水ゴム316は、止水板4が設置された状態で、支持部材310と床面Fとの間に介在する。このとき、底面止水ゴム316は、床面Fに押圧されて弾性変形している。このため、底面止水ゴム316は、床面Fに密着している。底面止水ゴム316は、支持部材310と床面Fの当接部との間を水が流れることを抑制する。すなわち、底面止水ゴム316は、屋外空間側から屋内空間側に水が浸入することを抑制する。
被係止部材320は、止水板4の屋内側面4aの扉幅方向の両端部における上側および下側に4つ配設されている。被係止部材320は、止水板4を正しい設置位置に位置させた際に係止部材313と対向する位置に配設されている。被係止部材320は、フック320aを有している。フック320aは、係止部材313の受金具313bに係止可能である。この被係止部材320を係止部材313に係止させることで、止水板4が支持部材310に押圧される。
上記のように構成される開口部の防水装置300の使用方法について説明する。作業者は、支持部材310を縦枠部材31に固定する。具体的に、作業者は、支持部材310の前壁311aを縦枠部材31の前面31cに対向させ、支持部材310の側壁311b,311cで縦枠部材31の対向面31aと側面31dを挟んだ状態にする。そして、作業者は、支持部材310を縦枠部材31に押圧した状態で、固定ねじ312を締結して、支持部材310を縦枠部材31に固定する。
そして、作業者は、開口部Oにおける止水板4の設置位置に、屋外空間側から止水板4を載置する。そして、止水板4が床面Fから垂直となった状態で、作業者は、止水板4を支持部材310に固定する。具体的に、被係止部材320のフック320aを係止部材313の受金具313bに係止させた状態で、本体部313aを締め込む。
開口部Oに設置された止水板4を取り外す際は、作業者は、一方の手で止水板4を把持した状態で、他方の手で係止部材313の本体部313aを緩める。また、作業者は、押圧ねじ314を緩める。そして、作業者は、止水板4を開口部Oから取り外す。そして、作業者は、固定ねじ312を緩めて支持部材310を縦枠部材31から取り外す。このようにして、開口部Oに設置された止水板4が取り外される。
以上で説明した実施形態に係る開口部の防水装置300によれば、実施形態1と同様に、支持部材310は、縦枠部材31に着脱自在である。
また、開口部Oへの止水板4の設置時は、固定ねじ312を締結して支持部材310を縦枠部材31に固定して、押圧ねじ314を締結し、被係止部材320を係止部材313に係止させるだけで、止水板4は開口部Oに容易に設置される。また、開口部Oに設置された止水板4の取り外し時は、被係止部材320と係止部材313との係止を解除して、押圧ねじ314を緩めるだけで止水板4が支持部材310から取り外される。また、固定ねじ312を緩めるだけで支持部材310が縦枠部材31から取り外される。開口部の防水装置300は、止水板4の設置、取り外しに工具を必要とせず、誰でも短時間で容易に設置、取り外しができる。
また、開口部Oへの止水板4の設置時には、縦止水ゴム315は、縦枠部材31に押圧されて弾性変形している。一対の縦止水ゴム315は、一対の縦枠部材31に密着している。このため、縦止水ゴム315は、一対の縦枠部材31において屋外空間側から屋内空間側に水が浸入することを抑制する。縦止水ゴム315は、縦枠部材31に押圧されて弾性変形している。一対の底面止水ゴム316は、一対の縦枠部材31に密着している。このため、底面止水ゴム316は、屋外空間側から屋内空間側に水が浸入することを抑制する。また、縦止水ゴム5は、被係止部材320を係止部材313と係止させることで一対の縦枠部材31に押圧されて密着し弾性変形する。また、底面止水ゴム6は、押圧ねじ314によって床面Fに押圧されて密着し弾性変形する。このように縦止水ゴム5および底面止水ゴム6によって、止水板4と床面F、止水板4と一対の支持部材310との間を水が流れることが抑制される。すなわち、開口部の防水装置300によって、屋外空間側から屋内空間側に水が浸入することを防止できる。
[実施形態6]
図13ないし図15を参照して、実施形態6について説明する。なお、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。実施形態6に係る開口部の防水装置330は、主として、支持部材340の構成が実施形態5と異なる。
支持部材340は、主として、実施形態5の前壁311a、側壁311b、側壁311c、上壁311e、固定ねじ312、係止部材313、押圧ねじ314、縦止水ゴム315、底面止水ゴム316とそれぞれ同様に構成された、前壁341aと、側壁341bと、側壁341cと、上壁341eと、固定ねじ342と、係止部材343と、押圧ねじ344と、縦止水ゴム345と、底面止水ゴム346と、を有する。また、前壁341aおよび側壁341bの間の角部には、切欠部311fが形成されている。この切欠部311fは、後述する被係止部360を係止するものである。
被係止部350は、実施形態5の被係止部材320と同様に配設されている。本実施形態では、被係止部材350は、止水板4の屋内側面4aの扉幅方向の両端部における上側に一対が配設されている。
被係止部360は、止水板4の屋内側面4aの両端部における下側に配設されている。被係止部材360は、止水板4を正しい設置位置に位置させた際に切欠部311fと対向する位置に配設されている。被係止部材360は、フック360aを有している。フック360aは、切欠部311fに係止可能である。この被係止部材360を切欠部311fに係止させ、かつ、被係止部材350を係止部材343に係止させることで、止水板4が支持部材340に押圧される。
以上で説明した実施形態に係る開口部の防水装置330によれば、実施形態5と同様に、支持部材340は、縦枠部材31に着脱自在である。また、開口部の防水装置330は、実施形態5と同様に、止水板4の設置、取り外しに工具を必要とせず、誰でも短時間で容易に設置、取り外しができる。
上記実施形態においては、開口部の防水装置1を開閉扉2が配設される開口部Oに設置するものとして説明したが、開閉扉2は止水板4と接触しないため、開閉扉2が配設されない開口部Oであっても開口部の防水装置1を適用することができる。
また、止水板4の設置時における開閉扉2の開閉が要求されない場合は、止水板4が開閉扉2と接触するように配設してもよい。例えば、止水板4の扉幅方向の中央部を、開閉扉2と接触させた状態で設置する。これにより、浸水時に止水板4に作用する水圧は、開閉扉2によっても支持される。このため、止水板4に要求される強度を低減することができる。
また、縦止水ゴム5は、短手方向(高さ方向)全長に亘って配設されているものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、開口部の防水装置1が適用される場所の予測浸水時水位よりも高くなればよい。すなわち、縦止水ゴム5は、止水板4の底面から予測浸水時水位+αの高さまで配設されていればよい。
なお、上述した本発明の実施形態に係る開口部の防水装置は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係る開口部の防水装置は、以上で説明した各実施形態の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。