JP6509791B2 - ハイドロゲル及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、ハイドロゲル及びその製造方法に関する。本発明のハイドロゲルは、アルカリ二次電池、電気防食工程のバックフィル、再アルカリ化用部材、脱塩用部材等の強度や耐アルカリ性を求められる用途に好適に使用できる。
ハイドロゲルは、親水性高分子鎖間が架橋された三次元ネットワーク構造を持つ高分子マトリックスに水や保湿剤等を含むものである。また、電解質を含む水溶液を含有・保持することで導電性を付与することができ、例えば、生体電極や電池の電解質等に使用することができ、医療分野や工業分野において幅広い用途を有する。特にアルカリ二次電池の分野では、安全性を高めるために、ハイドロゲルを用いたアルカリ電解質のゲル化が古くから注目されている。
一般に、ハイドロゲルは優れた圧縮強度を有するが、引張り破断強度が低く、自立膜として使用することが困難である。このため、一般的なアルカリ電解質としてのハイドロゲルの使用は、増粘を目的としたゲル化剤として添加することに留まり、十分な機械的強度を持った自立膜としてのハイドロゲルはほとんど開発されていなかった。
機械的強度を有する高分子ハイドロゲル電解質としては、例えば、特開2005−322635号公報(特許文献1)に、ポリビニルアルコールとアニオン性架橋共重合体とからなる重合体組成物に、水酸化アルカリを含有させてなるアルカリ電池用高分子ハイドロゲル電解質が開示されている。
特開2005−322635号公報
しかしながら、特許文献1では、イオン伝導を担うアルカリ水溶液の含水率が低いため、電池に使用した場合、十分な放電特性が得られていなかった。また、この重合体組成物には架橋物であるアニオン性架橋共重合体の含有量が低く、またハイドロゲルが架橋ポリマーゲルの集合体により構成されている。そのため、架橋度が低く、且つゲル間の相互作用が小さく、伸びが無く脆いゲルである。そのため、イオン伝導度を確保するために、よりアルカリ水溶液を含ませた場合、ハイドロゲルが膨潤し、膨潤に伴って機械的強度は著しく低下してしまう。結果として、十分な機械的強度が得られず、自立膜として使用できない課題があった。
かくして本発明によれば、水及びゲル強度向上剤と、それらを含有し得る高分子マトリックスとから構成されたハイドロゲルであって、
前記高分子マトリックスは、1個のエチレン性不飽和基を有する単官能性モノマーと2〜6個のエチレン性不飽和基を有する多官能性モノマーとの共重合体とを含み、
前記共重合体は、その主鎖に結合する親水性基を有し、
前記高分子マトリックスは、前記ハイドロゲル100重量部中に、1〜30重量部含まれ、
前記共重合体100重量部中に、前記多官能性モノマー由来の成分は0.1〜5重量部の割合で含まれ、
前記ハイドロゲルは、その100重量部中に、高分子マトリックスとゲル強度向上剤の合計含有量が10重量部となるように水を含ませた場合、10kPa以上の引張り破断強度、100%以上の引張り破断伸びを示し、
前記ゲル強度向上剤は、前記高分子マトリックス100重量部に対して、前記引張り破断強度及び引張り破断伸びを示し得る量で含まれ、
前記ゲル強度向上剤が、1〜200nmの平均繊維径及び100〜1000の重合度を示すセルロースナノファイバーであり、前記セルロースナノファイバーが、前記高分子マトリックス100重量部に対して、1.0〜50重量部含まれ、
前記ハイドロゲルが、前記水に溶解したアルカリ成分を更に含み、
前記多官能性モノマーが、ジビニルベンゼン、ジビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジビニルビフェニル、ジビニルスルホン、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド及びN,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドから選択されることを特徴とするハイドロゲルが提供される。
また、本発明によれば、上記ハイドロゲルを製造する方法であって、
水、ゲル強度向上剤、1個のエチレン性不飽和基を有する単官能性モノマー、2〜6個のエチレン性不飽和基を有する多官能性モノマー及び重合開始剤を含むハイドロゲル前駆体を調製する工程と、
前記単官能性モノマー及び多官能性モノマーを重合させることによりハイドロゲルを得る工程とを含み、
前記ハイドロゲルが、前記水に溶解したアルカリ成分を更に含み、
前記アルカリ成分が、重合後のハイドロゲルをアルカリ水溶液に浸漬することで前記水に溶解されることを特徴とするハイドロゲルの製造方法が提供される。
本発明のハイドロゲルは、それ自体がミクロゲルの集合体ではなく、1つのバルクゲルで構成されており、架橋ポリマーゲルの集合体に比べて、高い機械的な強度(例えば、優れた引張り破断強度)を有している。またゲル強度向上剤をハイドロゲル前駆体に添加し、重合することで架橋網目構造を持つ共重合体にゲル強度向上剤が貫通したS−IPN(Semi−Interpenetrating Polymer Network)構造を形成し、且つゲル強度向上剤がポリビニルアルコール系重合体及び/又はセルロースナノファイバーであれば共重合体とゲル強度向上剤が水素結合するため、ゲル強度向上剤を含まないハイドロゲルよりも更に高い機械的強度を有しており、含水率が高い状態でも優れた機械的強度を有し、自立膜として使用することができる。
また、電池に使用する際に、アルカリ水溶液を含有させる工程では、アルカリ水溶液によってゲル強度向上剤が塩析効果により、収縮状態をとろうとするため、アルカリに対する膨潤を抑制することが可能であり、ゲル強度向上剤を含まないハイドロゲルに比べて膨潤工程・乾燥工程を含むアルカリ水溶液含有工程を大幅に短縮することができる。
一般的に、ハイドロゲルの膨潤を抑制するには、架橋性のモノマーを増量して架橋密度を高くする、ポリマーと水との親和性を小さくする等の方法が考えられる。
しかしながら、架橋密度を高くすると、膨潤抑制ができ、ゲル硬度が高くなる反面、脆くなってしまい、破断強度が低下する。また、ポリマーと水との親和性を小さくすると、破断強度の低下を招くことなく、膨潤抑制が可能であるが、保水性が低下するため、ハイドロゲルそのものの利点を減ずることになる。ゲルの膨潤と破断強度低下の抑制を両立することは困難であるが、本発明では、アルカリ成分を含む水溶液に対しての膨潤を抑制し、破断強度や保水性の低下を招くことなく、ハイドロゲルを得ることができる。
また、本発明によれば、以下の構成を有する場合、膨潤抑制が可能であり、含水率が高い状態でもより高い機械的な強度(例えば、優れた引張り破断強度)を有したハイドロゲルを提供できる。
(1)ゲル強度向上剤が、ポリビニルアルコール系重合体及び/又はセルロースナノファイバーであり、前記ポリビニルアルコール系重合体が、前記高分子マトリックス100重量部に対して、10〜150重量部含まれ、前記セルロースナノファイバーが、前記高分子マトリックス100重量部に対して、1.0〜50重量部含まれる。
(2)ハイドロゲルが、水に溶解したアルカリ成分を更に含む。
(3)ハイドロゲルが、4Mの水酸化カリウム水溶液中で600%以下の膨潤度を示し、0.2以下の(4Mの水酸化カリウム水溶液中での膨潤度)/(イオン交換水中での膨潤度)を示す。
(4)ポリビニルアルコール系重合体が、ポリビニルアルコール部分ケン化物であり、500〜3000の平均重合度を示し、80〜97mol%のケン化度を示す。
(5)セルロースナノファイバーが、1〜200nmの平均繊維径を示す。
(6)ハイドロゲルが、多価アルコールを含む。
(7)単官能性モノマーが(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸亜鉛、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウム、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−1−プロパンスルホン酸、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−2−メチル−1−プロパンスルホン酸カリウム、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、アリルアミン、2−ビニルピリジン及び4−ビニルピリジンからなる群から選択され、多官能性モノマーがジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルスルホン、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリグリセリンジ(メタ)アクリレートからなる群から選択される。
更に、本発明によれば、ハイドロゲルが、水に溶解したアルカリ成分を更に含み、
アルカリ成分が、重合後のハイドロゲルをアルカリ水溶液に浸漬することで水に溶解される場合、上記ハイドロゲルをより簡便に製造できる。
(ハイドロゲル)
ハイドロゲルは、水及びゲル強度向上剤と、それらを含有した高分子マトリックスとから構成される。
(1)高分子マトリックス
高分子マトリックスが、1個のエチレン性不飽和基を有する単官能性モノマーと2〜6個のエチレン性不飽和基を有する多官能性モノマーとの共重合体とを含む。
高分子マトリックスは、ハイドロゲル100重量部中に1〜30重量部含まれる。含有量が1重量部未満の場合、ハイドロゲルの強度が低くなり、シート形状を保てなくなることがある。30重量部より多いと、重合速度が速くなり、高分子マトリックスが低分子量化するため、強度が低くなり、破断強度が低下してしまうことがある。また、重合時の反応熱が非常に高くなり、高分子マトリックスが解重合することで、破断強度が低下することがある。また、電池の電解質として使用した場合、インピーダンスが高く、望む電池特性が出ないことがある。好ましい含有量は2〜27重量部であり、より好ましい含有量は5〜25重量部である。
共重合体は、その主鎖に結合する親水性基を有している。親水性基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、スルホ基等が挙げられる。親水性基の数は、高分子マトリックスを構成する単官能性モノマーの親水性官能基当量(官能基1つあたりの分子量)が300g/mol以下となる数であることが好ましい。
共重合体は、高分子マトリックス100重量部中に80〜100重量部含まれることが好ましい。含有量が80重量部未満の場合、ハイドロゲルの強度が低くなることがある。高分子マトリックスは共重合体のみからなっていることがより好ましい。
(a)単官能性モノマー
単官能性モノマーは、1個のエチレン性不飽和基を有する限り特に限定されない。また、単官能性モノマーは、親水基を有することが好ましい。単官能性モノマーは、水に対して可溶性を有するモノマーが好ましい。ここで、可溶性とは、100gの水に1g以上溶解することを意味する。例えば、単官能性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸亜鉛、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウム、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−1−プロパンスルホン酸、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−2−メチル−1−プロパンスルホン酸カリウム、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、アリルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が挙げられる。単官能性モノマーは、1種のみであってもよく、複数種の混合物であってもよい。アルカリ電池で使用する場合、アルカリにより加水分解する官能基を持たないモノマーの方が好ましく、そのような単官能性モノマーとして、アクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
(b)多官能性モノマー
多官能性モノマーは、2〜6個のエチレン性不飽和基を有する限り特に限定されない。例えば、多官能性モノマーとしては、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルスルホン、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリグリセリンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。多官能性モノマーは、1種のみであってもよく、複数種の混合物であってもよい。
(c)多官能性モノマーの割合
多官能性モノマー由来の重合体は、共重合体100重量部に対して、0.1〜5重量部の割合で含まれる。共重合体中の多官能性モノマー由来の重合体の含有量は、熱分解GCにより測定できる。熱分解GCによる測定は、例えば、以下の手順で行うことができる。
(多官能性モノマーとしてのジビニルベンゼン由来重合体のジビニルベンゼン含有量測定)
重合後のハイドロゲル約0.05gをできるだけ小さな大きさにカット後、遠沈管に精秤し、メタノール約10mlを加えて10hr以上常温静置する。約15分間超音波洗浄抽出して再度よく混合した後、3500rpm×30min遠心分離し、上澄み液を捨てて沈殿物を取り出し、沈殿物を絶乾することでハイドロゲルに含まれる共重合体樹脂成分の分離を行い、これを測定試料とする。
試料を0.1〜0.5mg精秤し、キューリー点が590℃の強磁性金属体(パイロホイル:日本分析工業社製)に圧着するように包み、キューリーポイントパイロライザーJPS−700型(日本分析工業社製)熱分解装置で下記条件にて測定して生成したジビニルベンゼンモノマーをガスクロマトグラフ GC7820(アジレント・テクノロジー社製)(検出器:FID)を用いて測定し、ジビニルベンゼン単独重合体を同様に測定して得られたジビニルベンゼンモノマーピーク面積を使用して予め準備した検量線より含有量を算出する。
(測定条件)
・加熱(590℃−5sec)
・オーブン温度(300℃)
・ニードル温度(300℃)
・カラム(GRACE社製 EC−5(φ0.25mm×30m×膜厚0.25μm)
(カラム温度条件)
・温度条件(50℃で0.5分保持後、200℃まで10℃/分で昇温し、更に320℃まで20℃/分で昇温し320℃にて0.5分保持)
・キャリアーガス(He)
・He流量(39.553ml/分)
・注入口圧力(100kPa)
・注入口温度(300℃)
・検出器温度(300℃)
・スプリット比(1/50)
検量線作成用標準試料は、積水化成品工業社製のジビニルベンゼン単独重合体を使用する。
ジビニルベンゼン単独重合体粒子は、以下の方法に作製したものを使用した。
即ち、攪拌機、温度計を備えた重合器にラウリル硫酸ナトリウム0.2重量部を溶解させた脱イオン水2000重量部を入れ、そこへ第三リン酸カルシウム200重量部を分散させた。これに予め調製しておいたジビニルベンゼン(商品名「DVB−810」新日鉄住金化学社製)1000重量部に2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)10重量部を溶解させた混合液を入れて、その液をT.Kホモミキサー(特殊機化工業社製)にて4000rpmで10分間攪拌して重合器を65℃に加熱して攪拌しながら懸濁重合を行った後、室温まで冷却した。ここで得られた懸濁液を吸引濾過により10000重量部の脱イオン水で洗浄した後、乾燥してジビニルベンゼン重合体粒子を得た。粒度分布測定装置Multisizer3(ベックマン・コールター社製)で測定したジビニルベンゼン単独重合体粒子の平均粒子径は11.5μmであった。
多官能性モノマー由来の重合体の割合が0.1重量部未満の場合、架橋密度が低くなることがある。5重量部より多い場合、多官能性モノマー由来の重合体が相分離してしまい、架橋構造が不均一なハイドロゲルとなることがある。好ましい割合は0.2〜3重量部であり、より好ましい割合は0.4〜1.5重量部である。
なお、共重合体は、単官能性モノマーと多官能性モノマーに由来する成分からなるが、共重合体製造時の各モノマーの使用量と、共重合体中の各成分の含有量とは、ほぼ同じである。
(d)他のモノマー
本発明の効果を阻害しない範囲で、上記単官能性モノマーと多官能性モノマー以外の他のモノマー由来の成分が、共重合体に上記単官能性モノマー及び/又は多官能性モノマーと共重合する形態で含まれていてもよい。全モノマー100重量部中に占める他のモノマーの割合は、5重量部以下であることが好ましい。全モノマーが上記単官能性モノマーと多官能性モノマーからなることがより好ましい。
(e)他の重合体
また、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記単官能性モノマーと多官能性モノマーの共重合体以外の他の重合体が、前記共重合体と重合しない形態で高分子マトリックスに含まれていてもよい。他の重合体としては、セルロース誘導体等が挙げられる。高分子マトリックス100重量部中に占める他の重合体の割合は、20重量部未満であることが好ましい。
(2)水
水は、ハイドロゲル100重量部中に5〜99重量部含まれることが好ましい。含有量が5重量部未満の場合、アルカリ成分を含有できる量が少なくなり、電池の電解質として使用した場合、インピーダンスが高く、望む電池特性が得られないことがある。99重量部より多いと、ハイドロゲルの強度が低くなることがある。より好ましい含有量は10〜95重量部であり、更に好ましい含有量は20〜90重量部である。
水にはアルカリ成分が溶解していてもよい。アルカリ成分が溶解していることで、二次電池用のゲル電解質やコンクリートの再アルカリ化工法に使用可能となる。アルカリ成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。アルカリ成分の溶解量は、水100重量部に対して、70重量部までの量であることが好ましい。溶解量が70重量部より多い場合、電解質濃度が高くなりすぎるため、インピーダンスが高くなることがある。溶解量は、ゲル電解質の用途では4〜70重量部、再アルカリ化工法の用途では20〜70重量部とすればよい。
また、用途によっては、水に酸成分が溶解していてもよい。
(3)ゲル強度向上剤
ゲル強度向上剤は、ポリビニルアルコール系重合体及び/又はセルロースナノファイバーである。ゲル強度向上剤は、高分子マトリックス100重量部に対して、ハイドロゲルが次の引張り破断強度及び引張り破断伸びを示し得る量で含まれている。即ち、ハイドロゲルを、その100重量部中に、高分子マトリックスとポリビニルアルコール系重合体の合計含有量が10重量部となるように水を含ませた場合、10kPa以上の引張り破断強度及び100%以上の引張り破断伸びを示し得る量である。
(a)ポリビニルアルコール系重合体
ポリビニルアルコール系重合体は、ハイドロゲルへの添加剤として使用することができさえすれば、特に限定されない。ポリビニルアルコール系重合体としては、ポリ酢酸ビニルのケン化により得られるポリビニルアルコールの単独重合体、酢酸ビニルとこれと共重合可能な他のモノマー(例えば、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、t−ブチル安息香酸ビニル等)との共重合体のケン化により得られるポリビルアルコールの共重合体が挙げられる。
ポリビニルアルコール系重合体は、500〜3000の平均重合度を示すことが好ましい。平均重合度が500未満の場合、機械的強度向上の効果が得られないことがある。更に、この場合、アルカリに浸漬すると、ハイドロゲルが不均一に収縮し、歪な形状となることがある。3000を超える場合、ハイドロゲル作製時にモノマー配合液に溶解する際、粘度上昇が著しく、均一に溶解できないことがある。平均重合度は800〜2500であることが更に好ましい。
ポリビニルアルコール系重合体は、80〜97mol%のケン化度を示すことが好ましい。ケン化度が80mol%未満の場合、配合液調製時の溶解性は向上するが、得られたハイドロゲルの安定性が低下することがある。97mol%を超えると、溶解性が極端に低下し、配合液調製が困難となることがある。ケン化度は83〜95mol%であることがより好ましく、85〜92mol%であることが更に好ましい。
ポリビニルアルコール系重合体は、高分子マトリックス100重量部に、10〜150重量部含まれていることが好ましい。含有量が10重量部未満の場合、機械的強度向上の効果が得られないことがある。150重量部より多い場合、ハイドロゲル作製時に調製するモノマー配合液に溶解する際、粘度上昇が著しく、均一な配合液が調製できないことがある。含有量は15〜120重量部であることがより好ましく、20〜100重量部であることが更に好ましい。
(b)セルロースナノファイバー
セルロースナノファイバーは、ハイドロゲルへの添加剤として使用することができさえすれば、特に限定されない。セルロースナノファイバーとしては、木材繊維(パルプ)のような植物原料由来のもの、水酸基の一部が酸化されたものや、アシル化、カルボキシメチル化等のエーテル化、エステル化、その他反応によって化学修飾されたもの等が挙げられる。
セルロースナノファイバーは、例えば、原料を適宜酸化、エーテル化等の化学処理をおこなった後、機械的方法等により解砕して繊維状とすることにより得られる。
セルロースナノファイバーには、1〜200nmの平均繊維径を示すものを使用できる。平均繊維径が1nm未満の場合、セルロースナノファイバーの剛性が失われハイドロゲルの機械強度が低下することがある。200nmより大きい場合、表面積が小さくなり、高分子マトリックスとの相互作用が低下し、ハイドロゲルの機械強度が低下することがある。平均繊維径は1〜150nmであることがより好ましく、1〜100nmであることが更に好ましい。
セルロースナノファイバーには、10〜1000m2/gの比表面積を示すものを使用できる。比表面積が10m2/g未満の場合、セルロースナノファイバーと高分子マトリックスとが相互作用する面積が小さくなり、ハイドロゲルの機械強度が低下することがある。比表面積が1000m2/gより大きい場合、セルロースナノファイバーの強度が弱くなり、ハイドロゲルの機械強度が低下することがある。比表面積は30〜950m2/gであることがより好ましく、60〜900m2/gであることが更に好ましい。
セルロースナノファイバーには、100〜1000の重合度を示すものを使用できる。重合度は125〜950であることがより好ましく、150〜900であることが更に好ましい。重合度が100以上であれば、十分な補強効果が得られる。
セルロースナノファイバーは、入手のしやすさから、一般工業用セルロースファイバーとして市販されているものを用いることができる。セルロースナノファイバーの市販品の具体例として、レオクリスタシリーズ(第一工業製薬社製)、BiNFisシリーズ(スギノマシン社製)、セリッシュシリーズ(ダイセルファインケム社製)等が挙げられる。
セルロースナノファイバーは、高分子マトリックス100重量部に、1.0〜50重量部含まれていることが好ましい。含有量が1.0重量部未満の場合、機械的強度向上の効果が得られないことがある。50重量部より多い場合、ハイドロゲル作製時に調製するモノマー配合液に溶解する際、粘度上昇が著しく、均一な配合液が調製できないことがある。含有量は1.5〜40重量部であることがより好ましく、2.0〜30重量部であることが更に好ましい。
(4)多価アルコール
ハイドロゲルは、多価アルコールを含んでいてもよい。これを含むことで、ハイドロゲルの保水性を向上できる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等のジオールの他、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール縮合体、ポリオキシエチレングリセリン等の多価アルコール変成体が挙げられる。多価アルコールは、1種のみであってもよく、複数種の混合物であってもよい。
多価アルコールの含有量は、ハイドロゲル100重量部に対して、1〜70重量部であることが好ましい。1重量部より少ないと、多価アルコール添加による保水性向上の効果が得られないことがある。70重量部より多いと、高分子マトリックスが保持できる多価アルコールの量を超えてしまうことがあるため、多価アルコールがブリードアウトして物性変動が生じることがある。より好ましい含有量は5〜65重量部であり、更に好ましい含有量は20〜60重量部である。
(5)その他の成分
(a)支持材
ハイドロゲルは、織布、不織布、多孔質シート等の支持材を含んでいてもよい。支持材を含むことで、ハイドロゲルの形状を容易に維持できる。支持材の材質としては、セルロース、絹、麻等の天然繊維やポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等の合成繊維、それらの混紡が挙げられる。アルカリ成分を含ませる場合、アルカリ成分により分解する成分を持たないレーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維、それらの混紡が好ましい。支持材は、ハイドロゲルの表面、裏面及び中間のいずれに位置していてもよい。
(b)保護フィルム
ハイドロゲルは、その表面及び/又は裏面に保護フィルムを備えていてもよい。保護フィルムをセパレーターとして用いる場合は、離型処理されていることが好ましい。表面及び裏面の両方に保護フィルムを備える場合、表裏異なる剥離強度に調整してもよい。また、保護フィルムを支持材として用いる場合は離型処理の必要はない。
保護フィルムとしては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、紙、樹脂フィルム(例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム)をラミネートした紙等からなるフィルムが挙げられる。離型処理としては、熱又は紫外線で架橋、硬化反応させる焼き付け型のシリコーンコーティングが挙げられる。
(c)添加剤
ハイドロゲルは、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、電解質、防腐剤、殺菌剤、防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、消泡剤、安定剤、香料、界面活性剤、着色剤、薬効成分(例えば、抗炎症剤、ビタミン剤、美白剤等)が挙げられる。
例えば、電解質を含むことで導電性のハイドロゲルが得られる。導電性のハイドロゲルは、例えば、心電図測定用電極、低周波治療器用電極、各種アース電極等の生体電極として使用可能である。
また、アクリル系エマルジョンやリン酸エステル型界面活性剤等の粘着剤を添加することで、ハイドロゲルに粘着性を付与することができる。粘着性のハイドロゲルは、例えば、電気防食工程のバックフィル、再アルカリ化用部材、脱塩用部材として使用可能である。
(6)ハイドロゲルの物性
ハイドロゲルは、4Mの水酸化カリウム水溶液中で600%以下の膨潤度を示し、0.2以下の(4Mの水酸化カリウム水溶液中での膨潤度)/(イオン交換水中での膨潤度)を示すことが好ましい。4Mの水酸化カリウム水溶液中での膨潤度が600%より大きい場合、膨潤後のハイドロゲルの機械強度が低いために、取り扱い時にハイドロゲルが破壊されることがある。4Mの水酸化カリウム水溶液中での膨潤度は100〜600%であることがより好ましく、100〜500%であることが更に好ましい。(4Mの水酸化カリウム水溶液中での膨潤度)/(イオン交換水中での膨潤度)が0.2より大きい場合、アルカリ環境下での膨潤抑制効果が低く、アルカリ膨潤後の機械強度低下が大きくなることがある。結果として、取り扱い時にハイドロゲルが破壊されることがあり、また乾燥工程等に時間を要することがある。(4Mの水酸化カリウム水溶液中での膨潤度)/(イオン交換水中での膨潤度)は0.01〜0.2であることがより好ましく、0.02〜0.1であることが更に好ましい。
また、ハイドロゲルはその100重量部中に、高分子マトリックスとゲル強度向上剤の合計含有量が10重量部となるように水を含む場合、10kPa以上の引張り破断強度を有する。10kPa以上の破断強度を有することで、ハンドリング性を向上できる。好ましい破断強度は30〜150kPaである。
更に、ハイドロゲルはその100重量部中に、高分子マトリックスとゲル強度向上剤の合計含有量が10重量部となるように水を含む場合、100%以上の引張り破断伸びを有する。100%以上の破断伸びを有することで、ハンドリング性を向上できる。好ましい破断伸びは100〜1000%である。
(ハイドロゲルの製造方法)
ハイドロゲルは、例えば、
(i)水、ゲル強度向上剤、1個のエチレン性不飽和基を有する単官能性モノマー、2〜6個のエチレン性不飽和基を有する多官能性モノマー及び重合開始剤を含むハイドロゲル前駆体を調製する工程(成形工程)
(ii)単官能性モノマー及び多官能性モノマーを重合させることによりハイドロゲルを得る工程(重合工程)
を経ることにより製造できる。
(1)成形工程
この工程での重合開始剤には、熱重合開始剤及び光重合開始剤のいずれも使用できる。この内、重合前後での成分の変化の少ない光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(製品名:イルガキュア1173,BASF・ジャパン社製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(製品名:イルガキュア184,BASF・ジャパン社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン(製品名:イルガキュア2959,BASF・ジャパン社製)、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(製品名:イルガキュア907,BASF・ジャパン社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(製品名:イルガキュア369,BASF・ジャパン社製)等が挙げられる。重合開始剤は、1種のみであってもよく、複数種の混合物であってもよい。
重合開始剤の使用量は、全モノマー(単官能性モノマー、多官能性モノマー及び任意に他のモノマー)の合計100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが好ましい。使用量が0.1重量部未満の場合、重合反応が十分に進行せず、得られたハイドロゲル中に、未重合のモノマーが残存することがある。5重量部より多いと、重合反応後の重合開始剤の残物により、臭気を帯びたり、残物の影響により物性が低下したりすることがある。より好ましい使用量は0.2〜3重量部であり、更に好ましい使用量は0.4〜1.5重量部である。
シート状のハイドロゲルを製造する場合、ハイドロゲル前駆体のシート状への成形は、例えば、(i)ハイドロゲル前駆体を型枠に注入する方法、(ii)保護フィルム間にハイドロゲル前駆体を流し込み、一定の厚みに保持する方法、(iii)保護フィルム上にハイドロゲル前駆体をコーティングする方法、等が挙げられる。方法(i)は、任意の形状のハイドロゲルを得ることができる利点がある。方法(ii)及び(iii)は、比較的薄いハイドロゲルを得ることができる利点がある。支持材を含むハイドロゲルは、方法(i)により製造することが適切である。
なお、ハイドロゲル前駆体には、上記の他のモノマー、添加剤等が含まれていてもよい。
(2)重合工程
ハイドロゲル前駆体を熱付与又は光照射により重合させることでハイドロゲルを得ることができる。熱付与及び光照射の条件は、ハイドロゲルを得ることができる限り、特に限定されず、一般的な条件を採用できる。
(3)その他の工程
その他の工程として、アルカリ成分含有工程が挙げられる。アルカリ成分含有工程では、重合後のハイドロゲルをアルカリ水溶液に浸漬することで、ハイドロゲル中の水にアルカリ水溶液中のアルカリ成分が溶解される。この浸漬は、所望するアルカリ成分量のハイドロゲルを得るための条件下で行われる。例えば、浸漬温度としては、4〜80℃の冷却、常温(約25℃)及び加温下で行うことができる。浸漬時間は、常温下では、6〜336時間とすることができる。
なお、以下の実施例(例えば、実施例8)では、単官能性モノマーとしてアクリル酸を、多官能性モノマーとしてN,N’−メチレンビスアクリルアミド、ポリビニルアルコール系重合体として部分ケン化型ポリビニルアルコールJP−15を使用してハイドロゲルが得られている。比較例2では、ポリビニルアルコール系重合体を使用せず、ハイドロゲルを得ているが、この場合、水酸化カリウム水溶液に24時間浸漬することで、架橋構造が分解し、ハイドロゲルが液状化する様子が確認されている。しかしながら、本願の発明者によれば、ポリビニルアルコール系重合体を添加することで、比較例2のような液状化は見られず、形状を維持できることを見出している。
浸漬後に、ハイドロゲルを乾燥させることで、含水量の調整を行ってもよい。その調整としては、例えば、浸漬前後のハイドロゲルの重量をほぼ同一にすることが挙げられる。
また、ハイドロゲルを電気防食工程のバックフィル、再アルカリ化用部材、脱塩用部材のシートに用いる場合、粘着性があることが好ましい。粘着性を付与するには、アクリル系エマルジョンやリン酸エステル型界面活性剤等の粘着剤を(1)成型工程で添加すればよい。
(ハイドロゲルの用途)
ハイドロゲルは、アルカリ二次電池、電気防食工程のバックフィル、再アルカリ化用部材、脱塩用部材等の強度や耐アルカリ性を求められる用途に使用できる。また、ハイドロゲルに導電性を付与すれば、生体電極として使用できる。
(1)アルカリ二次電池
ここでのアルカリ二次電池は、正極及び負極間の電解質層としてハイドロゲルを使用し得る二次電池である。そのような二次電池としては、ニッケル−水素二次電池やニッケル−亜鉛二次電池が挙げられる。これら二次電池は、電解液としてアルカリ水溶液を使用しているため、二次電池からの液漏れをハイドロゲルにより防止できる。
アルカリ二次電池の構成は、電解質層としてハイドロゲルを使用すること以外は、特に限定されず、一般的な構成をいずれも使用できる。例えば、ニッケル−水素二次電池の正極としてはニッケル又はニッケル合金を、負極としては白金触媒を、ニッケル−亜鉛二次電池の正極としてはニッケル又はニッケル合金を、負極としては亜鉛又は酸化亜鉛を使用できる。正極及び負極は、ニッケル、アルミニウム等からなる集電体上に形成されていてもよい。
ハイドロゲルは、セパレーターの役割を兼ねていてもよい。この場合、ハイドロゲルは支持材を備えていることが好ましい。
(2)電気防食工程のバックフィル
ここでのバックフィルは、鋼材を含むコンクリート構造物において、鋼材の腐食によりコンクリート構造物にひび割れのような劣化が発生することを抑制する部材を意味する。この用途では、鋼材に防食電流を流すために、ハイドロゲルに導電性が付与されていることが好ましい。また、ハイドロゲルは、それを鋼材及び防食電流を流す電極と電気的に接触させることを容易にするために、粘着性が付与されていることが好ましい。
(3)再アルカリ化用部材及び脱塩用部材
再アルカリ化及び脱塩は、コンクリート構造物において求められている。これまでの再アルカリ化及び脱塩は、そのための組成物を現場で塗布することで行われていたため、作業効率を上げることが望まれている。本発明のハイドロゲルを使用すれば、現場でシートを貼るのみであるから、作業効率をこれまでより格段に上げることができる。再アルカリ化及び脱塩部材用のハイドロゲルには、粘着性が付与されていることが好ましい。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、実施例1〜12は参考例である。まず、実施例で測定する各種物性の測定方法を記載する。
(ポリビニルアルコール系重合体(試料)の平均重合度及びケン化度)
平均重合度及びケン化度はJIS K 6726−1994に準じて測定する。
(1)平均重合度
試料のケン化されていない部分(残存酢酸基)をあらかじめ水酸化ナトリウムを用いて完全にケン化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](dL/g)から下記算出式により、平均重合度(PA)を求める。
A=([η]×10000/8.29)1.613
(2)ケン化度
フェノールフタレイン水溶液に試料を溶解させ、規定濃度の水酸化ナトリウムを一定量用いて、試料を完全にケン化する。これを同一濃度の硫酸又は塩酸を用いて、滴定することで試料を溶解させた場合の、硫酸又は塩酸の使用量を求める。同様に、試料を溶解させていないフェノールフタレイン水溶液を調製し、同様の滴定作業を行うことで、試料を溶解させない場合の、硫酸又は塩酸の使用量を求める。これらを用いて、試料中の残存酢酸基に相当する酢酸量X(%)を次の式によって求める。
=((b−a)×f×D×0.06005×100)/(S×P/100)
a:硫酸又は塩酸の使用量(ml)
b:試料を使用しない空試験での硫酸又は塩酸の使用量(ml)
f:硫酸又は塩酸のファクター
D:規定液の濃度
0.06005:酢酸の分子量/1000
S:試料採取量(g)
P:試料の純分(%)
を用いて、残存酢酸基X(mol%)及びケン化度H(mol%)を次の式によって求める。
=(44.05×X)/(60.05−0.42×X
H=100−X
44.05:ビニルアルコールの分子量
60.05:酢酸の分子量
0.42:XとXの間に成立する次の関係式から得られる数値
=(X×60.05)×100/(X×86.09+(100−X)×44.05)
酢酸ビニルの分子量:86.09
(セルロースナノファイバーの平均繊維径)
セルロースナノファイバーの平均繊維径は、例えば、つぎのようにして測定することができる。固形分濃度で0.005〜0.2重量%のセルロースナノファイバーの水分散体を調製し、その分散体を、親水化処理済みのコロジオン膜貼付メッシュ上に滴下して乾燥したものを観察試料として、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製「H−7600」透過電子顕微鏡、AMT社製「ER−B」CCDカメラシステム)を用いて、該観察試料中の繊維径を測定する。セルロース繊維が確認できる顕微鏡画像において、セルロース繊維を5本以上抽出し、それらの繊維径を計測し、平均繊維径を算出する。構成する繊維の大きさに応じて5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で観察を行う。このようにして得られた繊維径のデータにより、平均繊維径を算出する。
(セルロースナノファイバーの比表面積)
セルロースナノファイバーの比表面積はJIS R1626記載のBET法(窒素吸着法)に従い、セルロースナノファイバーの比表面積を測定した。セルロースナノファイバー水分散体を80℃の真空乾燥機で乾燥し、乾燥粉体を得る。これを自動比表面積/細孔分布装置(島津製作所社製Tristar3000)を用いてBET窒素吸着等温線を測定し、窒素吸着量からBET多点法を用いて比表面積を算出する。なお、セルロース密度は1.50g/cmと仮定した。
(セルロースナノファイバーの重合度)
セルロースナノファイバー水分散液を凍結乾燥して得たセルロースナノファイバー0.15gを30mLの0.5M銅エチレンジアミン溶液に溶解させる。キャノン・フェンスケ粘度計を用いて粘度を測定し、Schulz−Blaschke式から極限粘度計数を求めて、Mark−Houwink−Sakurada式から、重合度を算出する。
極限粘度[η]=(η/η0)/{c(1+A×η/η0)}(cはセルロースナノファイバー濃度(g/dL)、A=0.28)
極限粘度[η]=K×DP (K=5.7×10−3、a=1)
η:セルロースナノファイバー銅エチレンジアミン溶液の粘度
η0:0.5M銅エチレンジアミン溶液の粘度
重合度DP:セルロースナノファイバー
(アルカリ水溶液の吸収量)
まず、アルカリ浸漬前のハイドロゲルを計量する。その後、250メッシュのポリエチレン製ティーバッグにハイドロゲルを入れ、ティーバッグをアルカリ水溶液に24時間浸漬し、ティーバッグを引き上げて10分間水切りをしたものを計量する。吸収量は以下のように求める。吸収量は、24時間アルカリ水溶液に浸漬したハイドロゲルが入っていないティーバッグの重量をブランクとし、アルカリ浸漬により膨潤したハイドロゲルが入ったティーバッグの重量から、ブランクと浸漬前のハイドロゲルの重量を減じた値を、浸漬前のハイドロゲルの重量で除して、100を掛けた値を吸収量とする。また、水切り時にハイドロゲルが柔らかくなってメッシュを通り抜ける場合は、「液状化」したと記載する。
(引張り試験での破断強度及び破断伸び)
得られたハイドロゲル全量100重量部中の、高分子マトリックスとゲル強度向上剤の合計含有量が10重量部より少ないとき、乾燥させて水の含有量を減らすことで、高分子マトリックスとゲル強度向上剤の合計含有量が10重量部となるように調製する。また、ハイドロゲル全量100重量部中の、高分子マトリックスとゲル強度向上剤の合計含有量が10重量部より多いとき、高分子マトリックスとゲル強度向上剤の合計含有量が10重量部となるように、イオン交換水を添加し、72時間静置して完全に浸透させる。
なお、高分子マトリックスとゲル強度向上剤の合計含有量はハイドロゲル作製時の配合組成から算出することができる。また、赤外線水分計や示差熱・熱重量測定(TG-DTA)でも算出することができる。
上記高分子マトリックスとゲル強度向上剤の合計含有量を調整したハイドロゲルを20mm×50mm×4mm厚に切り取り、試験片とする。引っ張り試験機として、テクスチャーアナライザーTA.XT Plus(英弘精機社製)を用いる。上下の冶具に20mm×20mm×4mm部を挟み込み、厚みが1.5mmになるように固定する。引張り速度0.5mm/secでハイドロゲルを破断するまで引っ張る。
破断強度及び破断伸びは以下のように求める。
破断強度 σu=Pu/A0×1000(kPa)
u:破断時の荷重(N)
0:シートの断面積(=20mm×4mm=80mm2
破断伸び φ=100×(L−L)/L(%)
:破断時の標点間距離(mm)
:試験前の標点間距離(=10mm)
(膨潤度)
(1)イオン交換水での膨潤度
アルカリ浸漬前のハイドロゲルを5mm×5mm×4mm厚に切り、計量する。その後、250メッシュのポリエチレン製ティーバッグにハイドロゲルを入れ、ティーバッグを4Mの水酸化カリウム水溶液に1時間浸漬させ、ハイドロゲルに含まれる共重合体を完全に中和する。その後、ティーバッグを引き上げて、5Lのイオン交換水に24時間浸漬した後、水切りを行う。このイオン交換水に置換する工程を計3回行った後、10分間水切りをしたものを計量し、イオン交換水に膨潤させたハイドロゲル入りティーバッグを得る。また、水切り時にハイドロゲルシートが柔らかくなってメッシュを通り抜ける場合は、「液状化」したと記載する。
膨潤度は以下のように求める。膨潤度は、イオン交換水に72時間浸漬したハイドロゲルが入っていないティーバッグの重量をブランクとし、イオン交換水に膨潤させたハイドロゲル入りティーバッグの重量から、ブランクの重量を減じた値を、膨潤前のハイドロゲルの重量で除して、100を掛けた値を膨潤度(%)とする。
(2)4Mの水酸化カリウム水溶液中での膨潤度
アルカリ浸漬前のハイドロゲルを5mm×5mm×4mm厚に切り、計量する。その後、250メッシュのポリエチレン製ティーバッグにハイドロゲルを入れ、ティーバッグを4Mの水酸化カリウム水溶液に1時間浸漬させ、ハイドロゲルに含まれる共重合体を完全に中和する。その後、ティーバッグを引き上げて、1Lの4Mの水酸化カリウム水溶液に72時間浸漬した後、10分間水切りをしたものを計量し、4Mの水酸化カリウム水溶液に膨潤させたハイドロゲル入りティーバッグを得る。また、水切り時にハイドロゲルシートが柔らかくなってメッシュを通り抜ける場合は、「液状化」したと記載する。
膨潤度は(1)と同様にして求める。膨潤度は、4Mの水酸化カリウム水溶液に72時間浸漬したハイドロゲルが入っていないティーバッグの重量をブランクとし、4Mの水酸化カリウム水溶液に膨潤させたハイドロゲル入りティーバッグの重量から、ブランクの重量を減じた値を、膨潤前のハイドロゲルの重量で除して、100を掛けた値を膨潤度(%)とする。
<実施例1>
アクリル酸(日本触媒社製)20重量部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MRCユニテック社製)0.12重量部、グリセリン(日本油脂社製)46.54重量部、部分ケン化型ポリビニルアルコールJP−15(日本酢ビ・ポバール社製、ケン化度88.5mol%、平均重合度1500)5重量部、イオン交換水28.34重量部、重合開始剤としてイルガキュア1173(BASF・ジャパン社製)0.20重量部をいれて混合し、ハイドロゲル前駆体を作製した。次に、剥離性PETフィルム上に4mm厚のシリコン枠を置き、枠内にハイドロゲル前駆体を流し込んだ。この後、ハイドロゲル前駆体上に剥離性PETフィルムを載せることで、シート状のハイドロゲル前駆体を得た。その後、小型UV重合機(JATEC社製、J−cure1500、メタルハライドランプ型名MJ−1500L)にてコンベアー速度0.4m/min、ワーク間距離150mmの条件でエネルギー7000mJ/cm2の紫外線を照射する工程を3回行うことで、4mm厚のハイドロゲルシートを作製した。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、391重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例2>
部分ケン化型ポリビニルアルコールJP−15の使用量を8重量部、グリセリンの使用量を26.67重量部、イオン交換水の使用量を45.21重量部にしたこと以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、322重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例3>
グリセリンを使用せず、イオン交換水の使用量を71.88重量部にしたこと以外は実施例2と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、350重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例4>
多官能性モノマーをN,N’−メチレンビスアクリルアミドからジビニルベンゼン(新日鉄住金化学社製)0.30重量部に変え、部分ケン化型ポリビニルアルコールJP−15の使用量を3重量部、グリセリンの使用量を60重量部、イオン交換水の使用量を16.70重量部にしたこと以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、360重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例5>
N,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.4重量部、部分ケン化型ポリビニルアルコールJP−15の使用量を8重量部、グリセリンの使用量を26.67重量部、イオン交換水の使用量を44.93重量部にしたこと以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、267重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例6>
単官能性モノマーとして、ビニルスルホン酸(旭化成ファインケム社製)20重量部を使用し、N,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.2重量部、部分ケン化型ポリビニルアルコールJP−15の使用量を8重量部、グリセリンの使用量を26.67重量部、イオン交換水の使用量を45.13重量部にしたこと以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、321重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例7>
N,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.2重量部、部分ケン化型ポリビニルアルコールJP−15の使用量を12重量部、イオン交換水の使用量を67.80重量部にしたこと以外は実施例3と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、332重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例8>
N,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.04重量部、部分ケン化型ポリビニルアルコールJP−15の使用量を8重量部、グリセリンの使用量を26.67重量部、イオン交換水の使用量を45.29重量部にしたこと以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、413重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例9>
部分ケン化型ポリビニルアルコールをJP−15からGL−05(日本合成化学社製、ケン化度88.5mol%、平均重合度500)8重量部に変え、グリセリンの使用量を26.67重量部、イオン交換水の使用量を45.21重量部にしたこと以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、372重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例10>
GL−05の使用量を14重量部、グリセリンの使用量を13.50重量部、イオン交換水の使用量を52.38重量部にしたこと以外は実施例9と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、323重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例11>
部分ケン化型ポリビニルアルコールをJP−15からPVA−613(クラレ社製、ケン化度93.5mol%、平均重合度1300)4重量部に変え、グリセリンを使用せず、イオン交換水の使用量を75.88重量部にしたこと以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、457重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例12>
部分ケン化型ポリビニルアルコールをJP−15からPVA−CST(クラレ社製、ケン化度96mol%、平均重合度1700)4重量部に変え、グリセリンを使用せず、イオン交換水の使用量を75.88重量部にしたこと以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、443重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<比較例1>
多官能性モノマー、ポリビニルアルコールを使用せず、グリセリンの使用量を60重量部、イオン交換水の使用量を20重量部にして、実施例1と同様にしてハイドロゲル前駆体を得た。
このハイドロゲル前駆体を実施例1と同様に紫外線照射すると、ゲル化せず、ハイドロゲルが得られなかった。
<比較例2>
ポリビニルアルコールを使用せず、N,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.04重量部、グリセリンの使用量を60重量部、イオン交換水の使用量を19.96重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬すると、ハイドロゲルが液状化してしまい、シート形状を保てなかった。
<比較例3>
粒径約20〜50μmの微粉末からなる架橋型ポリアクリル酸粒子(東亜合成社製、ジュンロンPW−120)20重量部、部分ケン化型ポリビニルアルコールJP−15を8重量部、イオン交換水600重量部とを加えて、72時間攪拌することで、架橋型ポリアクリル酸粒子・ポリビニルアルコール混合希薄水溶液を調製した。この水溶液をシリコン枠に流し込み、イオン交換水が72重量部になるまで自然乾燥し、プレス機で4mm厚になるように圧延することでハイドロゲルシートを得た。
アルカリ浸漬工程は実施例1と同様にして行ったところ、435重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<比較例4>
N,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.4重量部、部分ケン化型ポリビニルアルコールJP−15の使用量を1重量部、グリセリンの使用量を60重量部、イオン交換水の使用量を18.60重量部にしたこと以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、602重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<比較例5>
部分ケン化型ポリビニルアルコールをJP−15からJC−33(日本酢ビ・ポバール社製、ケン化度99.0mol%、平均重合度3300)1.5重量部に変え、グリセリンの使用量を46.54重量部、イオン交換水の使用量を31.84重量部にしたこと以外は実施例1と同様にしてハイドロゲル前駆体を作製したところ、均一な前駆体が得られず、ハイドロゲルを得ることができなかった。
上記実施例及び比較例の原料の構成量及び結果をまとめて表1及び2に示す。
Figure 0006509791
Figure 0006509791
表1及び2から、実施例1〜12において、水及びポリビニルアルコール系重合体と、それらを含有した高分子マトリックスとから構成されたハイドロゲルであって、高分子マトリックスが、1個のエチレン性不飽和基を有する単官能性モノマーと2〜6個のエチレン性不飽和基を有する多官能性モノマーとの共重合体とを含み、共重合体が、その主鎖に結合する親水性基を有し、高分子マトリックスが、ハイドロゲル100重量部中に、1〜30重量部含まれ、共重合体100重量部中に、多官能性モノマー由来の重合体が0.1〜5重量部の割合で含まれ、ポリビニルアルコール系重合体が、高分子マトリックス100重量部に対して、10〜150重量部含まれるハイドロゲルは、その100重量部中に、高分子マトリックスとポリビニルアルコール系重合体の合計含有量が10重量部となるように水を含ませた場合、10kPa以上(更には、30kPa以上)の引張り破断強度、100%以上の引張り破断伸びを示すことが分かる。
<実施例13>
多官能性モノマーをN,N’−メチレンビスアクリルアミドからジビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム(東ソー有機化学社製)0.30重量部に変え、グリセリンを使用せず、イオン交換水の使用量を74.70重量部にしたこと以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、405重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例14>
ゲル強度向上剤を部分ケン化型ポリビニルアルコールから2.0重量%セルロールナノファイバー水分散体であるレオクリスタI−2SP(第一工業製薬社製、平均繊維径11.5nm、重合度550、比表面積(BET法)650m 2 /g)25重量部に変え、イオン交換水の使用量を54.7重量部にしたこと以外は実施例13と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、490重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例15>
更に、部分ケン化型ポリビニルアルコールJP−15を5重量部加え、イオン交換水の使用量を49.7重量部にしたこと以外は実施例14と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、382重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例16>
2.0重量%セルロールナノファイバー水分散体をレオクリスタI−2SPからBinfis IMa−100(スギノマシン社製、平均繊維径28.7nm、重合度800、比表面積(BET法)120m2/g)に変えたこと以外は実施例14と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、432重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例17>
更に、部分ケン化型ポリビニルアルコールJP−15を5重量部加え、イオン交換水の使用量を49.7重量部にしたこと以外は実施例16と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、298重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例18>
2.0重量%セルロールナノファイバー水分散体をレオクリスタI−2SPからBinfis AMa−100(スギノマシン社製、平均繊維径21.2nm、重合度200、比表面積(BET法)150m 2 /g)に変えたこと以外は実施例14と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、463重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<実施例19>
更に、部分ケン化型ポリビニルアルコールJP−15を5重量部加え、イオン交換水の使用量を49.7重量部にしたこと以外は実施例18と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、336重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
<比較例6>
ゲル強度向上剤を使用せず、イオン交換水の使用量を79.7重量部にしたこと以外は実施例13と同様にしてハイドロゲルシートを得た。
重合後のハイドロゲルシートを4Mの水酸化カリウム水溶液に室温で24時間浸漬したところ、929重量部の水酸化カリウム水溶液を吸収した、アルカリ成分を含有したハイドロゲルシートを得た。
上記実施例及び比較例の原料の構成量及び結果をまとめて表3に示す。
Figure 0006509791
表3から、実施例13〜19において、ゲル強度向上剤が、ポリビニルアルコール系重合体及び/又はセルロースナノファイバーであるハイドロゲルは、実施例1〜12と同様に、その100重量部中に、高分子マトリックスとゲル強度向上剤の合計含有量が10重量部となるように水を含ませた場合、10kPa以上の引張り破断強度、100%以上の引張り破断伸びを示すことが分かる。

Claims (5)

  1. 水及びゲル強度向上剤と、それらを含有し得る高分子マトリックスとから構成されたハイドロゲルであって、
    前記高分子マトリックスは、1個のエチレン性不飽和基を有する単官能性モノマーと2〜6個のエチレン性不飽和基を有する多官能性モノマーとの共重合体とを含み、
    前記共重合体は、その主鎖に結合する親水性基を有し、
    前記高分子マトリックスは、前記ハイドロゲル100重量部中に、1〜30重量部含まれ、
    前記共重合体100重量部中に、前記多官能性モノマー由来の成分は0.1〜5重量部の割合で含まれ、
    前記ハイドロゲルは、その100重量部中に、高分子マトリックスとゲル強度向上剤の合計含有量が10重量部となるように水を含ませた場合、10kPa以上の引張り破断強度、100%以上の引張り破断伸びを示し、
    前記ゲル強度向上剤は、前記高分子マトリックス100重量部に対して、前記引張り破断強度及び引張り破断伸びを示し得る量で含まれ、
    前記ゲル強度向上剤が、1〜200nmの平均繊維径及び100〜1000の重合度を示すセルロースナノファイバーであり、前記セルロースナノファイバーが、前記高分子マトリックス100重量部に対して、1.0〜50重量部含まれ、
    前記ハイドロゲルが、前記水に溶解したアルカリ成分を更に含み、
    前記多官能性モノマーが、ジビニルベンゼン、ジビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジビニルビフェニル、ジビニルスルホン、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド及びN,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドから選択されることを特徴とするハイドロゲル。
  2. 前記ハイドロゲルが、4Mの水酸化カリウム水溶液中で600%以下の膨潤度を示し、0.2以下の(4Mの水酸化カリウム水溶液中での膨潤度)/(イオン交換水中での膨潤度)を示す請求項1に記載のハイドロゲル。
  3. 前記ハイドロゲルが、多価アルコールを含む請求項1又は2に記載のハイドロゲル。
  4. 前記単官能性モノマーが(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸亜鉛、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウム、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−1−プロパンスルホン酸、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−((メタ)アクリロイルオキシ)−2−メチル−1−プロパンスルホン酸カリウム、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、アリルアミン、2−ビニルピリジン及び4−ビニルピリジンからなる群から選択される請求項1〜3のいずれか1つに記載のハイドロゲル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のハイドロゲルを製造する方法であって、
    水、ゲル強度向上剤、1個のエチレン性不飽和基を有する単官能性モノマー、2〜6個のエチレン性不飽和基を有する多官能性モノマー及び重合開始剤を含むハイドロゲル前駆体を調製する工程と、
    前記単官能性モノマー及び多官能性モノマーを重合させることによりハイドロゲルを得る工程とを含み、
    前記ハイドロゲルが、前記水に溶解したアルカリ成分を更に含み、
    前記アルカリ成分が、重合後のハイドロゲルをアルカリ水溶液に浸漬することで前記水に溶解されることを特徴とするハイドロゲルの製造方法。
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