JP5952763B2 - ハイドロゲル - Google Patents

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本発明は、単官能単量体と架橋性単量体との共重合体からなる高分子マトリックスと、ポリビニルアルコール系重合体と、多価アルコールと、水とを含むハイドロゲルに関する。
一般に、水を含んだハイドロゲルは引っ張ると千切れやすい性質を示す。このため、ハイドロゲルは、補強のために網状の不織布や織布を埋設して使用されることが多い。しかし、補強材を入れることで、引張強度等の機械的強度が増大する反面、伸縮性や柔軟性が低下することは否めなかった。
不織布などの補強材を有しないハイドロゲルの中でも、幾分高い機械的強度を有するものとしては、ポリビニルアルコール系重合体を含んだハイドロゲルが挙げられる。
例えば、特許文献1には、N−ビニルアセトアミドとアクリル酸ナトリウムとの共重合体であるアクリルアミド系高分子(高分子マトリックス)内に、ポリビニルアルコールと、多価アルコールと、水とが保持されたハイドロゲルが開示されている。
また、特許文献2には、分子内に重合性を有する炭素−炭素二重結合を1つ有する単官能単量体と分子内に重合性を有する炭素−炭素二重結合を2つ以上有する架橋性単量体とが共重合架橋した高分子マトリックス内に、前記高分子マトリックス100重量部に対して0.15〜30重量部のポリビニルアルコールと、水と、多価アルコールとを含む混合液が保持されたハイドロゲルが開示されている。この特許文献2に開示のハイドロゲルの引張破断強度は、ポリビニルアルコールを含まないハイドロゲルと比較して、約3倍も高い。
ところで、従来、ハイドロゲルは、その柔軟性や皮膚への追従性から生体関連分野、例えば創傷被覆材や電極パッドなどに利用されているが、機械的強度を有するハイドロゲルは、生体関連分野に留まらず、工業用分野での利用が期待されている。具体例としては、半導体等の電子部品やガラスチップ等を製造又は加工する工程において材料等を仮止めするための仮固定材、或いは、前記電子部品やガラスチップ等の微小な製品を搬送する際に前記製品を搬送用の部材(例えば、搬送用容器、搬送用トレイ等)に仮止めするための仮固定材等としての用途展開が期待されている。
特開2012−107120号公報 特許第4194400号公報
しかしながら、特許文献1に開示のハイドロゲルに含まれる高分子マトリックスは、N−ビニルアセトアミドとアクリル酸ナトリウムとの共重合体であり、アクリル酸ナトリウムで架橋したもの、即ち、金属架橋による架橋構造を有するものとなっている。金属架橋による架橋構造は物理結合により形成されるものであり、金属架橋による架橋構造の高分子マトリックスは、架橋構造が化学結合により形成された高分子マトリックスと比べて、ハイドロゲルに機械的強度を付与する効果に劣る。このため、特許文献1に開示のハイドロゲルは、工業用分野で利用するには、十分な機械的強度(特に、引張強度)を有していなかった。
一方、特許文献2に開示のハイドロゲルに含まれる高分子マトリックスは、分子内に重合性を有する炭素−炭素二重結合を1つ有する単官能単量体と分子内に重合性を有する炭素−炭素二重結合を2つ以上有する架橋性単量体との共重合体であり、その架橋構造が化学結合により形成されている。このため、特許文献2に開示のハイドロゲルは、伸縮性と共に、比較的高い機械的強度を有する。
しかしながら、特許文献2に開示のハイドロゲルの引張破断強度は、最大で34kPa程度であり、特許文献2に開示のハイドロゲルは、工業用分野で、特に、仮固定材として使用するには、十分な引張強度を有していなかった。具体的には、特許文献2に開示のハイドロゲルは、例えば、仮固定材として使用された場合に、被着体からハイドロゲルを剥離する際等の引張応力により破壊されてしまう可能性があるものであった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、単官能単量体と架橋性単量体との共重合体からなる高分子マトリックスと、ポリビニルアルコール系重合体と、水と、多価アルコールとを含むハイドロゲルであって、伸縮性を有する引張強度の高いハイドロゲルを提供することを目的とする。
本発明に係るハイドロゲルは、高分子マトリックスと、ポリビニルアルコール系重合体と、水と、多価アルコールとを含むハイドロゲルであって、前記高分子マトリックスが、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1つ有する単官能単量体と、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する架橋性単量体との共重合体からなり、前記高分子マトリックス内に、粘度平均重合度が200〜1500のポリビニルアルコール系重合体と、水と、少なくとも一種の多価アルコールとを含む混合液が保持されており、前記ポリビニルアルコール系重合体の含有量が、前記高分子マトリックス100重量部に対して、35〜70重量部であることを特徴とする。
本発明のハイドロゲルでは、高分子マトリックス100重量部に対して、粘度平均重合度が200〜1500のポリビニルアルコール系重合体を35〜70重量部含む構成により、伸縮性と、高い引張強度が得られる。
本発明によれば、単官能単量体と架橋性単量体との共重合体からなる高分子マトリックスと、ポリビニルアルコール系重合体と、水と、多価アルコールとを含むハイドロゲルであって、伸縮性を有する引張強度の高いハイドロゲルを提供することができる。
〔ハイドロゲル〕
本発明のハイドロゲルは、高分子マトリックスと、ポリビニルアルコール系重合体と、水と、多価アルコールとを含むものである。
前記高分子マトリックスは、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1つ有する単官能単量体と、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する架橋性単量体との共重合体からなる。
また、前記高分子マトリックス内には、粘度平均重合度が200〜1500のポリビニルアルコール系重合体と、水と、少なくとも一種の多価アルコールとの混合液が保持されている。
また、前記高分子マトリックス内に保持される前記ポリビニルアルコール系重合体の量、即ち、本発明のハイドロゲルにおける前記ポリビニルアルコール系重合体の含有量は、前記高分子マトリックス100重量部に対して、35〜70重量部とされている。
(単官能単量体)
本発明で使用される前記単官能単量体としては、分子内に重合性を有する炭素−炭素二重結合を1つ有し、かつ、水溶性を有する単量体であれば特に制限されない。本明細書中において、水溶性とは100gの水に10g以上溶解することを意味する。
このような単官能単量体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等)、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド等)、N−アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等)、アミノ基含有のカチオン性アクリルアミド系化合物(例えば、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等)の(メタ)アクリルアミド系単官能単量体;下記一般式(1)
CH2=CR1COOR2・・・(1)
(式中、R1は、H又はCH3であり、R2は、−(CH2CH2O)m−Cn2n+1(mは1〜20の整数、nは0〜4の整数)である。)で表わされる水溶性(メタ)アクリルエステル系単官能単量体;ジメチルアミノエチルアンモニウム(メタ)アクリレート等のアミノ基及び/又はアンモニウム基含有カチオン性(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ビニルピロリドン、ビニルアセトアミド、ビニルホルムアミド等のビニルアミド系単官能単量体;アリルアルコール等の非イオン性単官能単量体;(メタ)アクリル酸又はその塩;tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸等のスルホン酸基含有アニオン性単官能単量体又はその塩等を挙げることができる。これらの単官能単量体は、それぞれ、単独で用いても、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを意味し、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
また、前記高分子マトリックスを形成するための前記単官能単量体は、(メタ)アクリルアミド系単官能単量体を含むことが好ましい。前記高分子マトリックスを形成するための前記単官能単量体に、(メタ)アクリルアミド系単官能単量体を含めることにより、ハイドロゲルの引張強度のさらなる向上を図ることができる。この場合における前記(メタ)アクリルアミド系単官能単量体としては、窒素原子に少なくとも1つの水素が結合しているもの(例えば、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド等)、若しくは、ヒドロキシル基を有するもの(例えば、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド)が特に好ましく、これらの(メタ)アクリルアミド系単官能単量体の使用により、引張強度をさらに向上させることができる。
本発明のハイドロゲルにおける前記単官能単量体に由来する構造単位の含有量は、十分な機械的強度が得られる限り、特に限定されるものではないが、当該ハイドロゲルの全量100重量部に対して、15〜40重量部であることが好ましく、20〜35重量部であることがより好ましい。前記ハイドロゲルにおける前記単官能単量体に由来する構造単位の含有量が、当該ハイドロゲルの全量100重量部に対して、15重量部未満のものは、十分な機械的強度、特に、十分な引張強度を有さないおそれがある。一方、前記ハイドロゲルにおける前記単官能単量体に由来する構造単位の含有量が、当該ハイドロゲルの全量100重量部に対して、40重量部を超えるものについては、後述するハイドロゲルの製造において、前記単官能単量体、前記架橋性単量体、前記ポリビニルアルコール系重合体、及び多価アルコールが水に均一に溶解した配合液が得られないおそれがあり、製造できないおそれがある。
(架橋性単量体)
本発明で使用される前記架橋性単量体としては、分子内に重合性を有する炭素−炭素二重結合を2つ以上有する単量体であれば特に限定されないが、本発明のハイドロゲルでは、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリグリセリンジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系架橋性単量体を使用することが好ましい。これらの架橋性単量体は、それぞれ、単独で用いても、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のハイドロゲルにおける前記架橋性単量体に由来する構造単位の含有量は、十分な機械的強度が得られる限り、特に限定されるものではないが、当該ハイドロゲルの全量100重量部に対して、0.001〜1.0重量部であることが好ましく、0.01〜0.2重量部であることがより好ましい。前記ハイドロゲルにおける前記架橋性単量体に由来する構造単位の含有量が、当該ハイドロゲルの全量100重量部に対して、0.001重量部未満のものは、架橋密度が低すぎて、ゲル体とならないおそれがある。一方、前記ハイドロゲルにおける前記架橋性単量体に由来する構造単位の含有量が、当該ハイドロゲルの全量100重量部に対して、1.0重量部を超えるものは、前記高分子マトリックスの架橋密度が高すぎて、腰強度が高い反面、脆いゲル体となり、引張や圧縮による切断及び破壊が生じやすくなり、十分な機械的強度(特に、十分な引張強度)と伸縮性が得られないおそれがある。
(ポリビニルアルコール系重合体)
本発明のハイドロゲルには、粘度平均重合度が200〜1500のポリビニルアルコール系重合体が含有されている。粘度平均重合度が200未満のポリビニルアルコール系重合体を含有したハイドロゲルでは、十分な機械的強度、特に、十分な引張強度が得られないおそれがある。一方、粘度平均重合度が1500を超えるポリビニルアルコール系重合体を含有したハイドロゲルは、後述するハイドロゲルの製造において、前記単官能単量体、前記架橋性単量体、前記ポリビニルアルコール系重合体、及び多価アルコールを水に溶解させて配合液を得る際に、前記ポリビニルアルコール系重合体が溶解しきれず、均一な配合液が得られないおそれがあり、製造することが困難である。
なお、ポリビニルアルコール系重合体の「粘度平均重合度」は、JIS K 6726−1994に準じて測定することができる。具体的には、けん化されていない部分(残存酢酸基)をあらかじめ水酸化ナトリウムを用いて完全にけん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:デシリットル/g)から下記算出式により、粘度平均重合度(P)を求めることができる。
<粘度平均重合度(P)の算出式>
P=([η]×1000/8.29)(1/0.62)
また、本発明のハイドロゲルにおいて、前記ポリビニルアルコール系重合体の含有量は、前記高分子マトリックス100重量部に対して、35〜70重量部、より好ましくは、45〜60重量部とされている。前記ポリビニルアルコール系重合体の含有量が前記高分子マトリックス100重量部に対して35重量部未満のハイドロゲルでは、十分な機械的特性、特に、十分な引張強度が得られない。一方、前記ポリビニルアルコール系重合体の含有量が、前記高分子マトリックス100重量部に対して、70重量部を超えるハイドロゲルは、後述するハイドロゲルの製造において、前記単官能単量体、前記架橋性単量体、前記ポリビニルアルコール系重合体、及び多価アルコールを水に溶解させて配合液を得る際に、前記ポリビニルアルコール系重合体が溶解しきれず、均一な配合液が得られないおそれがあり、製造することが困難である。
本発明で使用される前記ポリビニルアルコール系重合体としては、粘度平均重合度が200〜1500である限り特に限定されず、例えば、ポリ酢酸ビニルのけん化により得られるポリビニルアルコール;トリフルオロ酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル、tert−ブチル安息香酸ビニル、バーサティック酸ビニル等の酢酸ビニル以外のビニルエステルの単独重合体;前記ビニルエステル及び酢酸ビニルの少なくとも2種からなる共重合体をけん化して得られたもの等を挙げることができる。これらのポリビニルアルコール系重合体は、それぞれ、単独で用いても、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において使用することができる粘度平均重合度が200〜1500の前記ポリビニルアルコール系重合体の市販品としては、クラレ株式会社製の「PVA−706」(粘度平均重合度600、けん化度90.5〜92.5モル%のポリビニルアルコール)、「PVA−613」(粘度平均重合度1300、けん化度92.5〜94.5モル%のポリビニルアルコール)、「PVA−203」(粘度平均重合度300、けん化度87.0〜89.0モル%のポリビニルアルコール)、「PVA−205」(粘度平均重合度500、けん化度86.5〜89.0モル%のポリビニルアルコール)、「PVA−210」(粘度平均重合度1000、けん化度87.0〜89.0モル%のポリビニルアルコール);日本酢ビ・ポバール株式会社製の「JT−05」(粘度平均重合度500、けん化度93.5〜94.5モル%のポリビニルアルコール)、「JT−13E」(粘度平均重合度1300、けん化度92.5〜94.5モル%のポリビニルアルコール)、「JP−04」(粘度平均重合度400、けん化度86.0〜90.0モル%のポリビニルアルコール)、「JP−05」(粘度平均重合度500、けん化度87.0〜89.0モル%のポリビニルアルコール)、「JP−05E」(粘度平均重合度500、けん化度86.0〜90.0モル%のポリビニルアルコール)、「JP−10」(粘度平均重合度1000、けん化度86.0〜90.0モル%のポリビニルアルコール)、「JP−15」(粘度平均重合度1500、けん化度86.0〜90.0モル%のポリビニルアルコール);日本合成化学株式会社製の「ゴーセノール(登録商標)」シリーズの「AL−06R」(粘度平均重合度600、けん化度91.0〜94.0モル%のポリビニルアルコール)、「P−610」(粘度平均重合度1100、けん化度95.0〜97.0モル%のポリビニルアルコール)、「GL−03」(粘度平均重合度300、けん化度86.5〜89.0モル%のポリビニルアルコール)、「GL−05」(粘度平均重合度500、けん化度86.5〜89.0モル%のポリビニルアルコール)、「GM−14L」(粘度平均重合度1400、けん化度86.5〜89.0モル%のポリビニルアルコール)等を挙げることができる。
また、本発明で使用される前記ポリビニルアルコール系重合体のけん化度は、80〜98モル%であることが好ましい。けん化度が80モル%未満の前記ポリビニルアルコール系重合体を使用した場合には、後述するハイドロゲルの製造において、前記単官能単量体、前記架橋性単量体、前記ポリビニルアルコール系重合体、及び多価アルコールが水に均一に溶解した配合液を得やすいが、その一方で、得られるハイドロゲルの安定性が低下するおそれがある。また、けん化度が98モル%を超える前記ポリビニルアルコール系重合体を使用した場合には、配合液中で前記ポリビニルアルコール系重合体が溶解しきれず、後述するハイドロゲルの製造において、前記単官能単量体、前記架橋性単量体、前記ポリビニルアルコール系重合体、及び多価アルコールが水に均一に溶解した配合液が得られず、ハイドロゲルの製造が困難となるおそれがある。なお、前記ポリビニルアルコール系重合体の「けん化度」は、JIS K 6726−1994に準じて測定することができる。
(水)
本発明のハイドロゲルには、水が含有されている。
本発明のハイドロゲルにおいて、水の含有量は、前記高分子マトリックス100重量部に対して、40〜460重量部であることが好ましく、100〜200重量部であることがより好ましい。水の含有量が、前記高分子マトリックス100重量部に対して、40重量部未満である場合、機械的強度を得るために十分な量のポリビニルアルコール系重合体を水に溶解させることが困難であるため、十分な量のポリビニルアルコール系重合体を前記高分子マトリックスに保持させてハイドロゲル中に含有させることができず、十分な機械的強度、特に、十分な引張強度が得られないおそれがある。一方、水の含有量が、前記高分子マトリックス100重量部に対して460重量部を超える場合には、機械的強度を得るために十分な量のポリビニルアルコール系重合体を水に溶解させることができる反面、前記高分子マトリックスが保持可能な水分量を大きく超えるおそれがあり、乾燥による物性変動が生じやすくなるおそれがある。
(多価アルコール)
本発明のハイドロゲルには、保湿性、及び可塑性を向上させるために、多価アルコールが含有されている。
本発明において使用される多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどのジオール類;グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の他の多価アルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン等の多価アルコール縮合体;ポリオキシエチレングリセリン等の多価アルコール変成体等を挙げることができる。また、多価アルコールとしては、常温で液状、詳細には、ハイドロゲルを実際に使用する温度領域(例えば室内で使用する場合は20℃前後)で液状のものを使用することが好ましい。
本発明のハイドロゲルにおいて、多価アルコールの含有量は、前記高分子マトリックス100重量部に対して20〜580重量部であることが好ましく、50〜580重量部であることがより好ましい。多価アルコールの含有量を、前記高分子マトリックス100重量部に対して20〜580重量部とすることにより、ハイドロゲルに十分な保湿性を付与して、乾燥による物性変化を抑え、ハイドロゲル本来の柔軟性を長時間持続させることができる。言い換えれば、多価アルコールの含有量が、前記高分子マトリックス100重量部に対して20重量部未満の場合には、ハイドロゲルに十分な保湿性を付与することができず、乾燥による物性変化を抑えることができないおそれがあり、ハイドロゲル本来の柔軟性を長時間持続させることができないおそれがある。一方、多価アルコールの含有量が、前記高分子マトリックス100重量部に対して、580重量部を超える場合には、前記高分子マトリックスに保持することができる水分量が相対的に少なくなりすぎ、機械的特性を得るために十分な量のポリビニルアルコール系重合体をハイドロゲルに含有させることができないおそれがある。
(他の添加剤)
本発明のハイドロゲルには、必要に応じて、他の添加剤(以下、単に「添加剤」という)が含有されていてもよい。添加剤としては、例えば、電解質、防腐剤、殺菌剤、防徴剤、防錆剤、酸化防止剤、安定剤、香料、界面活性剤、着色剤、抗炎症剤、ビタミン剤、美白剤、その他薬効成分等を挙げることができる。これら添加剤は、単独で用いても、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記したような本発明のハイドロゲルは、単官能単量体と架橋性単量体との共重合体である高分子マトリックス、即ち、架橋構造を有する高分子マトリックスに、ポリビニルアルコール系重合体が無架橋の状態で貫通したS−IPN(Semi−Interpenetrating Polymer Network)構造を有していると考えられる。なお、S−IPNとは、架橋されたポリマーマトリックスに、架橋されていないポリマー(例えば、水溶性のポリマー)が貫通した構造をいう。本発明のハイドロゲルでは、このようなS−IPN構造を有する構成によって、伸縮性と高い引張強度とが兼ね備えられる。
また、本発明のハイドロゲルでは、粘度平均重合度が200〜1500のポリビニルアルコール系重合体を使用することで、高分子マトリックス中に、従来のハイドロゲル(例えば、特許文献2に開示のハイドロゲル)と比べて、多量のポリビニルアルコール系重合体を保持させることが可能であり、これにより、従来のハイドロゲルと比べて、より高い引張強度を有する。
例えば、本発明のハイドロゲルは、500kPa以上の引張破断強度と、100%以上の引張破断伸びとを有していることが好ましく、500〜2000kPaの引張破断強度と、100〜1000%の引張破断伸びとを有していることがより好ましい。
上記した本発明のハイドロゲルは、当該ハイドロゲル中に、強度補強のための網状の不織布や織布が埋設されていなくても、十分な機械的強度を有するため、伸縮性や屈折性の自由度が高い。ただし、本発明のハイドロゲルには、強度のさらなる向上を図る目的で、不織布や織布が埋設されてもよい。
また、本発明のハイドロゲルでは、前記高分子マトリックスの含有量、多価アルコールの含有量、前記添加剤の含有量、含水量、及び/又はハイドロゲルの架橋密度等を適宜設定することにより、当該ハイドロゲルの物性を任意に設計することが可能である。なお、ハイドロゲルの架橋密度は、前記高分子マトリックスを形成するための架橋性単量体の量を調整することで、制御可能である。
〔ハイドロゲルの製造方法〕
本発明のハイドロゲルは、上記単官能単量体と、上記架橋性単量体と、上記ポリビニルアルコール系重合体と、上記多価アルコールとを、水に均一に混合溶解させた配合液を用い、この配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させる製造方法によって容易に製造することができる。また、前記配合液は液状であるため、例えば、前記配合液を成形された樹脂型等に流し込み、前記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させると、任意の形状のハイドロゲルを製造することができる。また、2枚のフィルム(例えば、樹脂フィルム等)の間に前記配合液を流し込み、一定の厚みに保持した状態で、前記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させると、シート状のハイドロゲルを製造することができる。
なお、この製造方法で本発明のハイドロゲルを製造する場合、上記配合液中における単官能単量体及び架橋性単量体以外の成分(例えば、多価アルコール、ポリビニルアルコール系重合体、水)の含有量は、それぞれ、上記ハイドロゲルにおける単官能単量体及び架橋性単量体以外の成分の含有量に等しく、上記配合液中における単官能単量体及び架橋性単量体の含有量は、それぞれ、上記ハイドロゲルにおける単官能単量体及び架橋性単量体に由来する構造単位の含有量に等しい。例えば、上記配合液中におけるポリビニルアルコール系重合体の含有量は、上記ハイドロゲルにおけるポリビニルアルコール系重合体の含有量に等しく、上記配合液中における単官能単量体の含有量は、上記ハイドロゲルにおける単官能単量体に由来する構造単位の含有量に等しく、上記配合液中における架橋性単量体の含有量は、上記ハイドロゲルにおける架橋性単量体に由来する構造単位の含有量に等しい。
(重合開始剤)
上記配合液には、重合開始剤を含有させることが好ましい。前記重合開始剤としては、特に限定されず、熱重合開始剤、光重合開始剤等が挙げられる。
上記熱重合開始剤としては、熱により開裂して、ラジカルを発生するものであれば特に限定されず、例えば、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物;アゾビスシアノ吉草酸、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスアミジノプロパン二塩酸塩等のアゾ系重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩等が挙げられる。これらの熱重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、必要に応じて、硫酸第1鉄やピロ亜硫酸塩等の還元剤と過酸化水素やチオ硫酸ナトリウムやペルオキソ二硫酸塩等の過酸化物とからなるレドックス開始剤を熱重合開始剤と併用してもよい。
上記光重合開始剤としては、紫外線又は可視光線で開裂して、ラジカルを発生するものであれば特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミドや、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジハイドロクロリド等のアゾ系重合開始剤、α−ヒドロキシケトン、α−アミノケトン、ベンジルメチルケタール、ビスアシルフォスフィンオキサイド、メタロセン等が挙げられ、より具体的には、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(製品名:Darocur(登録商標)1173、BASFジャパン株式会社(旧:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社)製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(製品名:IRUGACURE(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン(製品名:IRUGACURE(登録商標)2959、BASFジャパン株式会社製)、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(製品名:IRUGACURE(登録商標)907、BASFジャパン株式会社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(製品名:IRUGACURE(登録商標)369、BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記配合液中の上記重合開始剤の含有率は、0.01重量%〜1.0重量%であることが好ましい。上記配合液における上記重合開始剤の含有率が0.01重量%以上であると、重合反応が十分に進み、この重合反応により得られるハイドロゲル中に残存する単官能単量体及び架橋性単量体の量を低減させることができる。また、上記配合液中における上記重合開始剤の含有率が1.0重量%未満であると、上記重合反応により得られるハイドロゲル中に残存する重合開始剤による変色(黄変)や臭気を防止することができる。
上記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させる方法としては、特に限定されず、例えば、上記配合液に対して加熱、光照射、又は放射線照射を行う方法等が挙げられる。具体的には、上記配合液に、重合開始剤として、熱重合開始剤を含有させて、加熱により、前記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させる方法;上記配合液に、重合開始剤として、光重合開始剤を含有させて、光照射(紫外線又は可視光線照射)により、前記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させる方法;上記前記配合液に、重合開始剤として、熱重合開始剤と光重合開始剤とを含有させて、光照射と加熱を同時に行うことにより、前記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを、重合させる方法;上記前記配合液に、電子線やガンマ線等の放射線を照射することにより、前記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させる方法等を挙げることができる。なお、熱重合開始剤として、レドックス開始剤を併用する場合、加熱をしなくても反応を行うことが可能であるが、残存モノマーの低減化又は反応時間の短縮のため、レドックス開始剤を併用した場合であっても、加熱を行うことが好ましい。また、上記した通り、上記配合液に対して放射線照射を行って、前記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させることも可能ではあるが、放射線照射のための特殊な設備を要するため、前記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させる方法としては、上記配合液に対して、加熱又は光照射を行う方法が好ましい。
また、上記した添加剤を含有したハイドロゲルを製造する場合には、前記添加剤を、予め上記配合液に溶解又は分散させてから、前記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させる、或いは、前記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させてハイドロゲルを得てから、当該ハイドロゲルに、前記添加剤を添加するとよい。なお、薬効成分等の添加剤については、ラジカル重合反応を伴うハイドロゲルの生成時に、当該添加剤がラジカルに攻撃されて薬効を失うおそれがあるため、前記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させてハイドロゲルを得てから、当該ハイドロゲルに添加することが好ましい。
上記したハイドロゲルの製造方法を用いると、製造工程が簡素であり、連続生産も可能であるため、非常に経済的であると同時に、安定した物性のハイドロゲルを得ることが可能である。
〔ハイドロゲルシート〕
本発明のハイドロゲルは、例えば、上記配合液を重合してゲル化させたものであるため、用途に合わせて適宜成形することが可能であり、ハイドロゲルをシート状に成形することによってハイドロゲルシートを得ることができる。このようなハイドロゲルシートにおいて、ハイドロゲルの少なくとも片面には、ハイドロゲルの表面を保護する保護フィルムが設けられていることが好ましい。
ハイドロゲルシートにおいて、ハイドロゲルの片面に設けられた保護フィルムをセパレーターとして用いる場合は、保護フィルムの両面に離型処理が施されていることが好ましい。この場合、表裏の剥離強度に差をつけてもよい。また、前記保護フィルムを支持体として用いる場合は、保護フィルムのハイドロゲルと接する面と反対側の面に離型処理を施すことで、前記保護フィルムのハイドロゲルと接する面と反対側の面にセパレーターとしての機能を付与することができる。
また、ハイドロゲルシートにおいて、ハイドロゲルの両面に保護フィルムを設けてもよい。ハイドロゲルの両面の保護フィルムは、セパレーターとして工程の途中で剥離され別のフィルム等に貼りかえられる場合もあり、支持体や台紙として最終製品まで付属し、そのまま末端ユーザに利用される場合や末端ユーザにより使用直前に剥離される場合もある。
支持体として用いられる場合の保護フィルムは、ハイドロゲルを補強し、シート状の形態を保持させることができる樹脂フィルム、不織布、又は織布であれば特に限定されない。支持体として使用可能な樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン等が挙げられる。
セパレーターとして用いられる場合の保護フィルムは、フィルム状に成型可能な樹脂又は紙であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン等からなる樹脂フィルム;紙;樹脂フィルムをラミネートした紙等が挙げられる。また、セパレーターとして用いられる場合の保護フィルムには、少なくともハイドロゲルと接する面に離型処理が施されていることが好ましく、必要に応じて保護フィルムの両面に、離型処理が施されていてもよい。両面に離型処理する場合には、表裏の剥離強度に差をつけてもよい。なお、離型処理の方法としては特に限定されず、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル基含有カルバメート等の離型剤によるコーティング法等が挙げられ、特に、熱又は紫外線で架橋、硬化反応させる焼き付け型のシリコーンコーティング法が好ましい。
なお、ハイドロゲルの両面の保護フィルムがセパレーターとして用いられる場合、一方の保護フィルム(以下、ベースフィルムという)には、二軸延伸したPETフィルム、OPPフィルム、ポリオレフィンをラミネートした紙が用いられることが好ましい。また、ハイドロゲルの両面の保護フィルムがセパレーターとして用いられる場合、ベースフィルムには、光学フィルタを使用してもよい。また、ハイドロゲルの両面の保護フィルムがセパレーターとして用いられる場合、ベースフィルムと逆の面に配置される保護フィルム(以下、トップフィルムという)には、ハイドロゲルシートの製品形態に応じて最適な材料が選択される。例えば、ハイドロゲルシートを短冊状とする場合において、トップフィルムは、フィルム状に成型可能な樹脂又は紙であれば特に制限されないが、トップフィルム及びベースフィルムには、離型処理が施されていることが好ましい。
上記したハイドロゲルシートは、例えば、2枚の樹脂フィルムからなる保護フィルムの間に上記配合液を流し込み、一定の厚みに保持した状態で、加熱及び/又は光照射を行って、上記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させることにより、製造することができる。
或いは、上記したハイドロゲルシートは、1枚の保護フィルム上に、上記配合液を薄層コーティングし、加熱及び/又は光照射を行って、上記配合液中の単官能単量体と架橋性単量体とを重合させることにより、製造することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
〔実施例1〕
単官能単量体としてN−ヒドロキシエチルアクリルアミド25重量部と、架橋性単量体としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミド0.036重量部と、多価アルコールとしてのグリセリン19.46重量部と、ポリビニルアルコール系重合体としての粘度平均重合度が500で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)14重量部(単官能単量体及び架橋性単量体の合計量100重量部に対して、56重量部)と、水41.50重量部とを混合し、溶解攪拌して均一な配合液を得た。この配合液100重量部に対して、光重合開始剤としての1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(製品名:IRUGACURE(登録商標)2959、BASFジャパン株式会社製)を0.1重量部添加し、攪拌して溶解させた。得られた配合液をポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム)上に薄く展開した。次いで、このモノマー配合液にメタルハライドランプを使用してエネルギー量7000mJ/cm2の紫外線を照射することにより、重合反応を行い、厚さ300μmのシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)を得た。
〔実施例2〕
単官能単量体として、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド25重量部に代えてアクリルアミドを25重量部使用し、架橋性単量体としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.048重量部とし、水の使用量を41.49重量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ300μmのシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)を得た。
〔実施例3〕
単官能単量体として、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド25重量部に代えてN,N−ジメチルアクリルアミド25重量部を使用し、架橋性単量体としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.034重量部とし、水の使用量を41.51重量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ300μmのシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)を得た。
〔実施例4〕
単官能単量体として、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド25重量部に代えてアクリルアミドを25重量部使用し、架橋性単量体として、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.036重量部に代えてポリエチレングリコール#200ジアクリレート(共栄社化学株式会社製)0.018重量部を使用し、水の使用量を41.52重量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ300μmのシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)を得た。
〔実施例5〕
架橋性単量体として、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.036重量部に代えてポリエチレングリコール#200ジアクリレート(共栄社化学株式会社製)0.9重量部を使用し、水の使用量を40.64重量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ300μmのシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)を得た。なお、実施例5では、配合液中におけるポリビニルアルコールの含有量は、単官能単量体及び架橋性単量体の合計量100重量部に対して、54重量部となる。
〔実施例6〕
ポリビニルアルコール系重合体として、粘度平均重合度が500で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)14重量部に代えて、粘度平均重合度が600で、けん化度が95.5モル%であるポリビニルアルコール(PVA)14重量部(単官能単量体及び架橋性単量体の合計量100重量部に対して、56重量部)を使用した以外は、実施例1と同様にして、厚さ300μmのシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)を得た。
〔実施例7〕
単官能単量体としてのN−ヒドロキシエチルアクリルアミドの使用量を30重量部とし、架橋性単量体としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.045重量部とし、多価アルコールとしてのグリセリンの使用量を17.50重量部とし、ポリビニルアルコール系重合体として粘度平均重合度が500で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)14重量部に代えて、粘度平均重合度が300で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)21重量部(単官能単量体及び架橋性単量体の合計量100重量部に対して、70重量部)を使用し、水の使用量を31.46重量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ300μmのシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)を得た。
〔実施例8〕
単官能単量体としてのN−ヒドロキシエチルアクリルアミドの使用量を40重量部とし、架橋性単量体としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.060重量部とし、多価アルコールとしてのグリセリンの使用量を18.00重量部とし、水の使用量を27.94重量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ300μmのシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)を得た。なお、実施例8では、配合液中におけるポリビニルアルコールの含有量は、単官能単量体及び架橋性単量体の合計量100重量部に対して、35重量部となる。
〔実施例9〕
単官能単量体として、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド25重量部に代えてアクリルアミド20重量部を使用し、架橋性単量体としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.040重量部とし、多価アルコールとしてのグリセリンの使用量を45.00重量部とし、ポリビニルアルコール系重合体として粘度平均重合度が500で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)14重量部に代えて、粘度平均重合度が1500で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)8重量部(単官能単量体及び架橋性単量体の合計量100重量部に対して、40重量部)を使用し、水の使用量を21.96重量部とし、更に、配合液に、光重合開始剤を添加する前に、塩化ナトリウム5重量部を添加した以外は、実施例1と同様にして、厚さ300μmのシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)を得た。
〔比較例1〕
単官能単量体として、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド25重量部に代えてアクリルアミドを25重量部使用し、架橋性単量体としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.030重量部とし、多価アルコールとしてのグリセリンの使用量を45.00重量部とし、ポリビニルアルコール系重合体として粘度平均重合度が500で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)14重量部に代えて、粘度平均重合度が2400で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)3重量部(単官能単量体及び架橋性単量体の合計量100重量部に対して、12重量部)を使用し、水の使用量を26.97重量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ300μmのシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)を得た。
〔比較例2〕
単官能単量体として、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド25重量部に代えてアクリルアミドを20重量使用し、架橋性単量体としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.040重量部とし、多価アルコールとしてのグリセリンの使用量を45.00重量部とし、ポリビニルアルコール系重合体として粘度平均重合度が500で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)14重量部に代えて、粘度平均重合度が1800で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)8重量部(単官能単量体及び架橋性単量体の合計量100重量部に対して、40重量部)を使用し、水の使用量を21.96重量部とし、更に、配合液に、光重合開始剤を添加する前に、塩化ナトリウム5重量部を添加した以外は、実施例1と同様にしてシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)の製造を試みたが、配合液中で前記ポリビニルアルコール系重合体が溶解しきれず、均一な配合液が得られなかった。このため、シート状のハイドロゲルを得ることができなかった。
〔比較例3〕
単官能単量体としてのN−ヒドロキシエチルアクリルアミドの使用量を40重量部とし、架橋性単量体としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用量を0.060重量部とし、多価アルコールとしてのグリセリンの使用量を10.00重量部とし、ポリビニルアルコール系重合体として粘度平均重合度が500で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)14重量部に代えて、粘度平均重合度が300で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)30重量部(単官能単量体及び架橋性単量体の合計量100重量部に対して、75重量部)を使用し、水の使用量を19.94重量部とした以外は、実施例1と同様にしてシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)の製造を試みたが、配合液を得る際に、配合液中で前記ポリビニルアルコール系重合体が溶解しきれず、均一な配合液が得られなかった。このため、シート状のハイドロゲルを得ることができなかった。
〔比較例4〕
多価アルコールとしてのグリセリンの使用量を44.00重量部とし、ポリビニルアルコール系重合体として粘度平均重合度が500で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)の使用量を7重量部(単官能単量体及び架橋性単量体の合計量100重量部に対して、28重量部)とし、水の使用量を23.96重量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ300μmのシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)を得た。
〔比較例5〕
多価アルコールとしてのグリセリンの使用量を44.00重量部とし、水の使用量を30.96重量部として、ポリビニルアルコール系重合体としての粘度平均重合度が500で、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコール(PVA)を使用しない以外は、実施例1と同様にして、厚さ300μmのシート状のハイドロゲル(ハイドロゲルシート)を得た。
上記実施例1〜9、並びに比較例1、4、及び5で得られたハイドロゲルシートについて、引張破断強度及び引張破断伸びの測定、耐候性の評価、黄変性(Δb*)の測定、及び垂直剥離力(N)の測定を行った。これらの測定又は評価方法を以下に示す。
〔引張破断強度及び引張破断伸びの測定方法〕
ハイドロゲルシートを温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で16時間状態調節したものを0時間のサンプルとし、前記の通り16時間状態調節した後、アルミラミネートフィルム製の袋中に密閉包装をして85℃の恒温条件下に100時間静置したものを100時間のサンプルとする。0時間及び100時間のそれぞれのサンプルについて、温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で試験片をJISK6251−2010に規定するダンベル状3号形で3枚打ち抜いた。なお、実施例1〜9並びに比較例1、4、及び5で得たハイドロゲルシートについては、保護フィルムを外して、試験片を作製した。
テンシロン万能試験機「UCT−10T」(株式会社オリエンテック製)及び万能試験機データ処理ソフト「UTPS−STD」(ソフトブレーン株式会社製)を用いて、引張破断強度及び引張破断伸びを測定した。ただし、ここでいう「引張破断強度」および「引張破断伸び」とは、それぞれ、JIS K6251−2010の「引張強さ」および「降伏点(最大点)伸び」のことである。試料厚み寸法は、株式会社ミツトヨ製「シックネスゲージ」で1/100mmまで測定し、つかみ具間隔を50mmとし、試験速度50mm/minで3枚の試験片をそれぞれ測定し、JISK6251−2010規定の方法により、引張破断強度及び引張破断伸びを算出し、それらの平均値を求めた。ただし、引張破断伸びは、つかみ具間の距離から算出した。
引張破断強度TS(kPa)は次式により算出する。
TS=Fm/(W・t)
Fm:最大の力(N)
W:打ち抜き刃形の平行部分の幅(mm)
t:平行部分の厚さ(mm)
また、引張破断伸びEy(%)は次式により算出する。
y=(Ly−L0)/L0×100
y:降伏点yのつかみ具間隔(mm)
0:初期のつかみ具間隔(mm)
降伏点yは、最大点応力時とする。
上記実施例1〜9、並びに比較例1、4、及び5で得られたハイドロゲルシートの0時間のサンプルから作製した試験片を用いて測定した引張破断強度(以下、「引張破断強度(初期値)」という)及び引張破断伸びの測定結果(3回の測定の平均値)を、後記の表1及び表2に示す。
また、上記実施例1〜9、並びに比較例1、4、及び5で得られたハイドロゲルシートの100時間のサンプルから作製した試験片を用いて測定した引張破断強度(以下、「引張破断強度(100時間経過後)」という)についての測定結果(3回の測定の平均値)を、後記の表1及び表2に示す。
〔耐候性の評価方法〕
上記の通り測定したハイドロゲルシートの引張破断強度(初期値)と引張破断強度(100時間経過後)とを用い、変化率を以下の算出式により求めた。そして、得られた変化率が、80%以上のものを「◎」、80%未満〜50%以上のものを「○」、50%未満のものを「△」と評価した。
<変化率の算出式>
C=(S1/S0)×100
C:変化率(%)
0:引張破断強度(初期値)(kPa)
1:引張破断強度(100時間経過後)(kPa)
上記実施例1〜9、並びに比較例1、4、及び5で得られたハイドロゲルシートについての耐候性の評価結果を、後記の表1及び表2に示す。
〔黄変性の測定方法〕
−色座標b*の測定方法−
ハイドロゲルシートを温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で16時間状態調節したものを0時間のサンプルとし、前記の通り16時間状態調節した後、アルミラミネートフィルム製の袋中に密閉包装をして85℃の恒温条件下に100時間静置したものを100時間のサンプルとする。0時間及び100時間のそれぞれのサンプルについて、温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で4cm角にカットしたものを試験片とする。なお、実施例1〜9並びに比較例1、4、及び5で得たハイドロシートについては、保護フィルムを外して、試験片を作製した。
日本電色工業株式会社製の分光式色彩計(商品名「SE−2000」、測定方法:透過モード、色彩管理ソフト:カラーメイト5、測定径:30mmΦ)を用いて、色座標b*を測定する。このとき、光源設定はD65/視野10°で、反射試料台には30mmΦの見口・試料台と標準白板(C/2、Y:96.09、X:94.13、Z:113.36)をセットし、試験片を試料バサミに挟んで透過試料室にセットして測定を行う。測定は3回行い、それらの平均値を採用する。
−黄変性(Δb*)の算出−
上記実施例1〜9、並びに比較例1、4、及び5で得られた各ハイドロゲルシートの0時間のサンプルから作製した試験片を用い、上記測定方法により、色座標b*(以下、「色座標b*(初期値)」という)を測定した。
更に、上記実施例1〜9、並びに比較例1、4、及び5で得られた各ハイドロゲルシートの100時間のサンプルから作製した試験片を用い、上記測定方法により、色座標b*(以下、色座標「b*(100時間経過後)」という)を測定した。
そして、上記実施例1〜9、並びに比較例1、4、及び5の各ハイドロゲルシートについて、以下の算出式により、色座標b*の差Δb*を算出した。この結果を後記の表1及び表2に示す。
<Δb*の算出式>
Δb*=b*2−b*1
*1:b*色座標(初期値)
*2:b*色座標(100時間経過後)
〔垂直剥離力の測定方法〕
ハイドロゲルシートを20mmφにカットしたものを試験片とする。なお、実施例1〜9並びに比較例1、4、及び5で得たハイドロシートについては、保護フィルムを外して、試験片を作製した。
テクスチャーアナライザー(TA.XT.plus Texture Analayzer(Stable Micro Systems社))に、P/20mmφ(Stable Micro Systems社)のシリンダープローブを装着し、そのシリンダープロープの底面に上記試験片の一方の面を、粘着テープを介して貼り付けた。さらに、そのシリンダープロープの真下に被着体(株式会社藤原製作所製のパイレックス(登録商標)ガラス(ホウケイ酸ガラス))を配置した。そして、シリンダープロ―プを垂直方向下方に0.5cm/secの速度で移動させて、上記試験片を前記被着体に貼り付けて、750gの荷重を10秒間かけた後、そのシリンダープロープを垂直方向上方に1.0cm/secの速度で移動させて、上記試験片を被着体から引き剥がした際に要する力(N)を測定した。この測定値(N)を、垂直剥離力(N)とした。なお、本測定は、室温下(25℃、1気圧)で実施した。
上記実施例1〜9、並びに比較例1、4、及び5で得られたハイドロゲルシートの垂直剥離力(N)を、後記の表1及び表2に示す。
以下の表1及び表2に、実施例1〜9及び比較例1〜5のハイドロゲルの製造において使用した単官能単量体、架橋性単量体、ポリビニルアルコール(PVA)、塩化ナトリウム、及び水の使用量(重量部)、並びに、ハイドロゲルシートにおけるポリビニルアルコール(PVA)含有量(単官能単量体及び架橋性単量体の使用量の合計100重量部に対する重量部)を示す。また、以下の表1及び表2に、上記実施例1〜9、並びに比較例1、4、及び5で得られた各ハイドロゲルシートについての引張破断強度(初期値)、引張破断伸び、及び引張破断強度(100時間経過後)の測定結果、耐候性の評価結果、黄変性の測定結果、並びに、垂直剥離力の測定結果を示す。なお、比較例2及び3については、ハイドロゲルの製造において、均一な配合液が得られず、ハイドロゲルシートを得ることができなかったため、測定及び評価を行うことができなかった。
Figure 0005952763
Figure 0005952763
表1及び表2に示すように、高分子マトリックス100重量部に対して、粘度平均重合度が200〜1500のポリビニルアルコール系重合体を35〜70重量部含有する実施例1〜9に係るハイドロゲルは、500kPa以上(具体的には、540〜2114kPa)の引張破断強度(初期値)、及び100%以上(具体的には、149〜431%)の引張破断伸びを示し、伸縮性を有する上に、優れた引張強度を有するものであることが認められた。また、実施例1〜9に係るハイドロゲルは、耐候性を有していることが認められた。また、実施例1〜9に係るハイドドロゲルは、色座標の差Δb*(黄変性)が2.86以下と少なく、経時及び熱による変色の少ないものであることが認められた。さらに、実施例1〜9に係るハイドロゲルは、5.9〜23.5Nの垂直剥離力を示し、ガラス等の被着体に対して、密着性を有していることが認められた。
実施例1〜9のハイドロゲルの中でも、アクリルアミド又はN−ヒドロキシエチルアクリルアミド(即ち、窒素原子に少なくとも1つの水素が結合している(メタ)アクリルアミド系単官能単量体)を使用して製造された実施例1、2、及び4〜9のハイドロゲルが、特に、高い引張破断強度(初期値)を示し、高い引張強度を有していた。また、特に高い引張破断強度(初期値)を示す実施例1、2、及び4〜9のハイドロゲルの中でも、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(即ち、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリルアミド系単官能単量体)を使用して製造された実施例1、及び5〜8のハイドロゲルは、色座標の差Δb*(黄変性)が0.93以下と特に少なく、経時及び熱による変色の特に少ないものであった。
これに対して、比較例1、4、及び5に係るハイドロゲルは、54〜377kPaの引張破断強度及び213〜412%の引張破断伸びを示し、伸縮性を有するものの、実施例1〜9に係るハイドロゲルと比べて、引張強度に劣るものであることが認められた。具体的には、粘度平均重合度2400のポリビニルアルコールを高分子マトリックス100重量部に対して12重量部含有した比較例1に係るハイドロゲルでは、ポリビニルアルコールの含有量が不十分であり、十分な引張強度を得ることができなかった。また、粘度平均重合度500のポリビニルアルコールを高分子マトリックス100重量部に対して28重量部含有した比較例4に係るハイドロゲルにおいても、ポリビニルアルコールの含有量が不十分であり、十分な引張強度を得ることができなかった。さらに、比較例5に係るハイドロゲルにおいても、ポリビニルアルコールが含有されていないため、十分な引張強度が得られなかった。
本発明のハイドロゲルは、搬送加工時の電子部品の仮止めに適用可能な仮固定材;クリーンルームでの半導体製造プロセスなど、電子部品に対する静電対策が必要な作業に使われる帯電防止シート、異物除去シート、保護シート等;生体電極用途の電極パッドを構成する貼付材等として用いることができる。

Claims (7)

  1. 高分子マトリックスと、ポリビニルアルコール系重合体と、水と、多価アルコールとを含むハイドロゲルであって、
    前記高分子マトリックスが、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1つ有する単官能単量体と、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する架橋性単量体との共重合体からなり、
    前記高分子マトリックス内に、粘度平均重合度が200〜1500のポリビニルアルコール系重合体と、水と、少なくとも一種の多価アルコールとを含む混合液が保持されており、
    前記ポリビニルアルコール系重合体の含有量が、前記高分子マトリックス100重量部に対して、35〜70重量部であることを特徴とするハイドロゲル。
  2. 請求項1に記載のハイドロゲルであって、
    当該ハイドロゲルの全量100重量部に対して、前記単官能単量体に由来する構造単位を15〜40重量部含み、前記架橋性単量体に由来する構造単位を0.001〜1.0重量部含むことを特徴とするハイドロゲル。
  3. 請求項1又は2に記載のハイドロゲルであって、
    前記ポリビニルアルコール系重合体のけん化度が80〜98モル%であることを特徴とするハイドロゲル。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイドロゲルであって、
    引張破断強度が500kPa以上で、引張破断伸びが100%以上であることを特徴とするハイドロゲル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイドロゲルであって、
    前記単官能単量体が、(メタ)アクリルアミド系単官能単量体を含むことを特徴とするハイドロゲル。
  6. 請求項5に記載のハイドロゲルであって、
    前記(メタ)アクリルアミド系単官能単量体の窒素原子に少なくとも1つの水素が結合していることを特徴とするハイドロゲル。
  7. 請求項5又は6に記載のハイドロゲルであって、
    前記(メタ)アクリルアミド系単官能単量体がヒドロキシル基を有することを特徴とするハイドロゲル。
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