JP6502140B2 - 車室用薬液揮散器 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の室内に設置される車室用薬液揮散器であって、薬液を揮散させる吸液芯の形状を高温下でも安定に保持し、しかも使用後期における薬液の揮散速度が低下し難く、使用終期に容器内での薬液の残留を抑制できる車室用薬液揮散器に関する。
従来、自動車の室内に芳香等を付与して快適空間にするために、芳香液等の薬液を揮散させる薬液揮散器が使用されている。このように自動車の室内に設置される薬液揮散器には、悪路走行時の揺れ等によって薬液揮散器内の薬液がこぼれ出ないように設計されていることが必要とされる。
従来、薬液のこぼれを防止できる薬液揮散器として、薬液を収容する容器器の開口部を、気体が透過可能な膜で覆い、当該膜を介して薬液を揮散させるメンブレンタイプの薬液揮散器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、メンブレンタイプの薬液揮散器では、膜を介して揮散できる薬液の組成が制約されるため、使用者の幅広い嗜好に対応することができないという欠点がある。
特開2014−94619号公報
自動車の室内は、夏季には高温になり、冬季にはエアコン等の使用により、送風口付近が高温になるため、メンブレンタイプの薬液揮散器を自動車内で使用すると、その膜や薬液の種類によっては、薬液の揮散速度が上がってしまい、所期の揮散性を達成できないという欠点もある。従来、揮散させる薬液の溶剤として、分子量が大きいパラフィン系炭化水素を使用することによって、高温条件下での薬液の揮散速度の増大を抑制できることが知られている。しかしながら、このような溶剤を使用すると、使用後期に薬液の揮散速度が低下し、薬液が薬液揮散器内で揮発しない状態で残留し易くなるため、使用者にとって薬液揮散器の終期の判断ができず、揮発し難い薬液がいつまでも放置されてしまうという問題点がある。
しかしながら、本発明者は、自動車内で使用される車室用薬液揮散器を開発すべく鋭意検討を行ったところ、部屋用の薬液揮散器において薬液揮散部材として汎用されているポリオレフィン製の吸液芯を使用して、パラフィン系炭化水素を溶剤として含む薬液を揮散させると、高温条件で当該吸液芯が変形して崩れてしまうという問題点も新たに見出した。このように高温下で吸液芯の変形を生じる薬液揮散器では、薬液の揮散速度の低下を招くだけでなく、更に容器と吸液芯との間に隙間が空いて薬液がこぼれやすくなるため、自動車内で使用することはできない。
このように、従来の技術では、揮散させる薬液の溶剤として、パラフィン系炭化水素を使用すると、使用後期に薬液の揮散速度が低下し、容器内に薬液が残留し易くなるという問題に加え、パラフィン系炭化水素を薬液の溶剤として使用する場合には、部屋用の薬液揮散器に汎用されているポリオレフィン製の吸液芯では高温下で変形するという問題がある。そのため、従来技術では、自動車の室内での使用時の要求特性を満足できる車室用薬液揮散器が開発できていないのが現状である。
そこで、本発明の目的は、薬液を揮散させる吸液芯の形状を高温下でも安定に保持し、しかも使用後期における薬液の揮散速度が低下し難く、使用終期に容器内での薬液の残留を抑制できる車室用薬液揮散器を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、薬液揮散器において、パラフィン系炭化水素を含む薬液と、当該薬液を揮散させる揮散部材としてポリエステル及び/又はナイロンを含む素材で形成された吸液芯とを組み合わせて使用することによって、パラフィン系炭化水素を使用しているにも拘わらず、吸液芯の形状を高温下でも安定に保持でき、車室用薬液揮散器として使用できることを見出した。更に、前記薬液と吸液芯を組み合わせることによって、自動車の室内のように高温に晒される環境で使用しても、使用後期における薬液の揮散速度が低下し難く、使用終期に容器内での薬液の残留を抑制できることをも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 上部に開口を有する容器と、
前記容器に収容された薬液と、
前記容器の開口に差し込まれ、前記薬液を揮散させる吸液芯と、を備え、
前記薬液が、パラフィン系炭化水素を含み、且つ
前記吸液芯が、ポリエステル及びナイロンよりなる群から選択される少なくとも1種の素材で形成されている、車室用薬液揮散器。
項2. 前記吸液芯が、ポリオレフィンからなる素材を実質的に含まない、項1に記載の車室用薬液揮散器。
項3. パラフィン系炭化水素が、イソパラフィン系炭化水素である、項1又は2に記載の車室用薬液揮散器。
項4. 前記薬液が、更に香料を含む、項1〜3のいずれかに記載の車室用薬液揮散器。
項5. 前記容器が、底面と、当該底面の周縁から上方に延びる外周面と、を備え、
その内壁面には、前記底面から前記外周面の少なくとも一部に亘って延びる少なくとも1つの突条又は溝、或いは/並びに前記外周面から前記開口に向かって延びる少なくとも1つの突条又は溝が形成されている、項1〜4のいずれかに記載の車室用薬液揮散器。
項6. 前記容器が、底面と、当該底面の周縁から上方に延び、少なくとも一部が底面の周縁から径方向外方に向かって傾斜する外周面とを備える、項1〜4のいずれかに記載の車室用薬液揮散器。
項7. 前記吸液芯の下端部の少なくとも一部が、前記容器の底面の縁部に当接している、項1〜6のいずれかに記載の車室用薬液揮散器。
項8. 上部に開口を有する容器と、
前記容器に収容された薬液と、
前記容器の開口に差し込まれ、前記薬液を揮散させる吸液芯と、を備え、
前記薬液が、パラフィン系炭化水素を含み、且つ
前記容器が、底面と、当該底面の周縁から上方に延び、少なくとも一部が底面の周縁から径方向外方に向かって傾斜する外周面とを備える、薬液揮散器。
項9. 前記吸液芯の下端部の少なくとも一部が、前記容器の底面の縁部に当接している、項8に記載の薬液揮散器。
本発明の車室用薬液揮散器によれば、揮散させる薬液の溶剤として、パラフィン系炭化水素を使用していながらも、吸液芯の形状を高温下でも安定に保持できるので、夏季(又は冬季のエアコン使用時)の自動車の室内でも不都合を生じさせることなく使用することができる。また、本発明の車室用薬液揮散器によれば、使用後期における薬液の揮散速度が低下し難く、使用終期に容器内での薬液の残留を抑制できるので、使用者にとって車室用薬液揮散器の終期の判断が容易になり、利便性を高めることもできる。
車室用薬液揮散器の一態様についての正面図である。図1において、便宜上、薬液は割愛している。 図1の車室用薬液揮散器の底面図である。 図1のA−A線断面図である。 車室用薬液揮散器の他の一態様を示す断面図である。図4において、便宜上、薬液は割愛している。 車室用薬液揮散器の他の一態様を示す断面図である。図5において、便宜上、薬液は割愛している。 車室用薬液揮散器の他の一態様についての正面図である。図6において、便宜上、薬液は割愛している。 車室用薬液揮散器の他の一態様を示す底面図である。
本発明の車室用薬液揮散器は、上部に開口を有する容器本体と、前記容器本体に収容された薬液と、前記容器の開口に差し込まれ、前記薬液を揮散させる吸液芯とを備え、前記薬液が、パラフィン系炭化水素を含み、且つ前記吸液芯が、ポリエステル及びナイロンよりなる群から選択される少なくとも1種の素材で形成されていることを特徴とする。以下、本発明の車室用薬液揮散器について詳述する。
薬液
本発明の車室用薬液揮散器では、自動車室内の空間に揮散させる揮散液として、パラフィン系炭化水素を含む薬液を使用する。パラフィン系炭化水素は、従来の室内用の薬液揮散器で汎用されているポリオレフィン製の吸液芯に対して、夏季(又は冬季のエアコン使用時)の車室等の高温下では変形を生じさせるが、本発明では、パラフィン系炭化水素を含む薬液を使用しても、後述する特定の素材で形成された吸液芯を組み合わせて使用することによって、高温下で吸液芯の形状を安定に維持することができる。また、本発明では、パラフィン系炭化水素を含む薬液と後述する特定の素材で形成された吸液芯とを組み合わせて使用することによって、使用後期における薬液の揮散速度が低下し難く、使用終期に容器内での薬液の残留を抑制することも可能になる。
薬液に使用されるパラフィン系炭化水素としては、車室内で揮散可能であることを限度として特に制限されないが、車室内での揮散性の観点から、常圧での初留点が70〜280℃、好ましくは80〜270℃、更に好ましくは100〜270℃のものが挙げられる。
また、薬液に使用されるパラフィン系炭化水素の沸点についても、車室内で揮散可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、20℃での蒸気圧が、好ましくは0.01kPa以上であり、より好ましくは0.03kPa以上であり、更に好ましくは0.04kPa以上である。20℃での蒸気圧の上限は3.0kPaであることが好ましい。
パラフィン系炭化水素としては、イソパラフィン系炭化水素又はノルマルパラフィン系炭化水素のいずれであってもよいが、好ましくはイソパラフィン系炭化水素が挙げられる。
イソパラフィン系炭化水素としては、具体的には、炭素数4〜17、好ましくは炭素数4〜16、更に好ましくは炭素数9〜16の形質流動イソパラフィンが挙げられる。
ノルマルパラフィン系炭化水素としては、例えば、炭素数7〜14程度の形質流動ノルマルパラフィンが挙げられる。
これらのパラフィン系炭化水素は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
薬液中のパラフィン系炭化水素の含有量については、例えば10〜90重量%が挙げられる。特に、高温下での吸液芯の変形、及び使用後期に容器内での薬液の残留をより一層効果的に抑制させるという観点から、薬液中のパラフィン系炭化水素の含有量として、好ましくは20〜80重量%、更に好ましくは30〜80重量%が挙げられる。
本発明で使用される薬液には、パラフィン系炭化水素以外に、本発明の車室用薬液揮散器に備えさせる機能、即ち、薬液が車室空間に揮散された際に発揮される所望の機能に応じて、香料、消臭剤成分、殺虫剤成分、防虫剤成分、忌避成剤分、抗菌剤成分等の機能性揮散成分を含むことができる。
このような機能性揮散成分については、車室空間に揮散可能であることを限度として、油性又は水性のいずれであってもよい。本発明の薬液は、香料を含む場合には芳香液として、消臭剤成分を含む場合には消臭液として、香料及び消臭剤成分を含む場合には芳香消臭液として、防虫剤成分を含む場合には防虫液として、抗菌剤成を含む場合には抗菌液として、各々使用される。本発明で使用される薬液として、好ましくは、香料を含む芳香液、香料及び消臭剤成分を含む芳香消臭液が挙げられる。
本発明の薬液に配合される香料については、天然香料、天然香料から分離された単品香料、合成された単品香料、及びこれらの調合香料のいずれであってもよく、従来公知の香料を使用することができる。具体的には、単品香料として、d-リモネン、カリオフィレン、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、ターピノレン、オシメン、γ-ターピネン、α-フェランドレン、p−サイメン、β-カリオフィレン、β-ファルネセン、1,3,5−ウンデカトリエン、ジフェニルメタン等の炭化水素系香料;シス-3-ヘキセノール、リナロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、トランス-2-ヘキセノール、シス-3-ヘキセノール、3-オクタノール、1-オクテン-3-オール、2、6-ジメチル-2-ヘプタノール、9-デセノール、4-メチル-3-デセン-5-オール、10-ウンデセノール、トランス-2-シス-6-ノナジエタノール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ロジノール、ミルセノール、ラバンジュロール、テオラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、ヒドロキシシトロネロール、ジヒドロミルセノール、アロオキシメノール、ターピネオール、α-ターピネオール、ターピネン-4-オール、l-メントール、ボルネオール、イソプレゴール、ノポール、ファルネソール、ネロリドール、セドロール、パチュリアルコール、ベチベロール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-メタノール、4-イソプロピルシクロヘキサノール、4-イソプロピルシクロヘキサンメタノール、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)-エタノール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)-プロパノール、p−t-ブチルシクロヘキサノール、o-t-ブチルシクロヘキサノール、アンブリノール、1-(2-t-ブチルシクロヘキシルオキシ)-2-ブタノール、ペンタメチルシクロヘキシルプロパノール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)-3-ヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエチルアルコール、スチラリルアルコール、アニスアルコール、シンナミックアルコール、フェニルプロピルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルフェニルエチルカルビノール、フェニルエチルメチルエチルカルビノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、チモール、カルバクロール、オルシノールモノメチルエーテル、オイゲノール、イソオイゲノール、プロペニルグアエトール、サンタロール、イソボルニルシクロヘキサノール、サンダロア、バグダノール、サンダルマイソルコア、ブラマノール、エバノール、ポリサントール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール等のアルコール系香料;ジフェニルオキシド、p-クレジルエチルエーテル、dl-ローズオキシド、(ネロールオキサイド、ミロキサイド、1,8-シネオール、ローズオキサイド、リメトール、メントフラン、リナロールオキサイド、ブチルジメチルジヒドロキシピラン、アセトキシアミルテトラヒドロピラン、セドリルメチルエーテル、メトキシシクロドデカン、1-メチル-1-メトキシシクロドデカン、エトキシメチルシクロドデシルエーテル、トリクロデセニルメチルエーテル、ルボフィックス、セドロキサイド、アンブロキサン、グリサルバ、ボワジリス、アニソール、ジメチルハイドロキノン、パラクレジルメチルエーテル、アセトアニソール、アネトール、ジヒドロアネトール、エストラゴール、ジフェニルオキサイド、メチルオイゲノール、フェニルエチルイソアミルエーテル、β-ナフチルメチルエーテル、β-ナフチルイソブチルエーテル)等のエーテル系香料;ヘキサナール、シトラール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、ドデシルアルデヒド、トリデシルアルデヒド、トリメチルヘキシルアルデヒド、メチルオクチルアセチルアルデヒド、メチルノニルアセトアルデヒド、トランス-2-ヘキセナール、シス-4-ヘプテナール、2,6-ノナジエナール、シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、ウンデシレンアルデヒド、トランス-2-ドデセナール、トリメチルウンデセナール、2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、ペリラルデヒド、メトキシジヒドロシトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、2,4-ジメチル-3-氏クロヘキセニルカルボキシアルデヒド、イソシクロシトラール、センテナール、マイラックアルデヒド、リラール、ベルンアルデヒド、デュピカール、マセアール、ボロナール、セトナール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヒドロトロピックアルデヒド、アニスアルデヒド、p-メチルフェニルアセトアルデヒド、クミンアルデヒド、シクラメンアルデヒド、3-(p-t-ブチルフェニル)-プロピルアルデヒド、p-エチル-2,2-ジメチルヒドロシンナムアルデヒド、2-メチル-3-(p-メトキシフェニル)-プロピルアルデヒド、p-t-ブチル-α-メチルヒドロシンナミックアルデヒド、サリチルアルデヒド、ヘリオトロピン、ヘリオナール、バニリン、エチルバニリン、メチルバニリン等のアルデヒド系香料;オクチルアルデヒドグリコールアセタール、アセトアルデヒドエチルシス-3-ヘキセニルアセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、アセトアルデヒドエチルリナリルアセタール、アセトアルデヒドエチルリナリルアセタール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、ヒドラトロピックアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドヒドグリセリルアセタール、アセトアルデヒドエチルフェニルアセタール、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、フェニルプロピルアルデヒドプロピレングリコールアセタール、4,4,6-トリメチル-2-ベンジル-1,3-ジオキサン、2,4,6-トリメチル-2-フェニル-1,3-ジオキサン、2-ブチル-4,4,6-トリメチル-1,3-ジオキサン、テトラヒドロインデノ-m-ジオキシン、ジメチルテトラヒドロインデノ-m-ジオキシン、カラナール等のアセタール系香料;エチルブチレート、スチラリルアセテート、o-t-ブチルシクロへキシルアセテート、蟻酸エチル、蟻酸シス-3-ヘキセニル、蟻酸リナリル、蟻酸シトロネリル、蟻酸ゲラニル、蟻酸ベンジル、蟻酸フェニルエチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、シクロペンチリデン酢酸メチル、酢酸ヘキシル、酢酸シス-3-ヘキセニル、酢酸トランス-3-ヘキセニル、酢酸イソノニル、酢酸シトロネリル、酢酸ラバンジュリル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸ミルセニル、酢酸ターピニル、酢酸メンチル、酢酸メンタニル、酢酸ノピル、酢酸n-ボルニル、酢酸イソボルニル、酢酸p-t-ブチルシクロヘキシル、酢酸o-t-ブチルシクロヘキシル、酢酸トリシクロデセニル、酢酸 2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-メタニル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸スチラリル、酢酸シンナミル、酢酸アニシル、酢酸パラクレジル、酢酸ヘリオトロピル、アセチルオイゲノール、アセチルイソオイゲノール、酢酸グアイル、酢酸セドリル、酢酸ベチベリル、酢酸デカヒドロβナフチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸シロネリル、プロピオン酸シロネリル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸リナリル、プロピオン酸ターピニル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸シンアミル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸トリシクロデセニル、酪酸エチル、2-メチル酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、酪酸ヘキシル、酪酸リナリル、酪酸ゲラニル、酪酸シトロネリル、酪酸ベンジル、イソ酪酸シス-3-ヘキセニル、イソ酪酸シトロネリル、イソ酪酸ゲラニル、イソ酪酸リナリル、イソ酪酸ベンジル、イソ酪酸フェニルエチル、イソ酪酸フェノキシエチル、イソ酪酸トリシクロデセニル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸シトロネリル、イソ吉草酸ゲラニル、イソ吉草酸シンアミル、イソ吉草酸ベンジル、イソ吉草酸フェニルエチル、カプロン酸エチル、カプロン酸アリル、エナント酸エチル、エナント酸アリル、カプリン酸エチル、チグリン酸シトロネリル、オクチンカルンボン酸メチル、2-ペンチロキシグリコール酸アリル、シス-3-ヘキセニルメチルカーボネート、ケト酸エチル、ピルビン酸イソアミル、アセト酸エチル、レブリン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸イソブチル、安息香酸イソアミル、安息香酸ゲラニル、安息香酸リナリル、安息香酸ベンジル、安息香酸フェニルエチル、安息香酸フェニルエチル、ジヒドロキシメチル安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸ゲラニル、フェニル酢酸ベンジル、フェニル酢酸フェニルエチル、フェニル酢酸p-クレジル、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、桂皮酸ベンジル、桂皮酸シンアミル、桂皮酸フェニルエチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸イソブチル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シス-3-ヘキセニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニルエチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、アンスラニル酸エチル、メチルアンスラニル酸メチル、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、メチルフェミルグリシド酸エチル、フェニルグリシド酸エチル、グリコメル、フラクトン、フレイストン、フルテート、ジベスコン、エチル2-メチル-6-ペンチル-4-オキサ-2-シクロヘキセンカーボネート等のエステル系香料;2-オクタノン、δ-ダマスコン、アセトイン、ジアセチル、ミチルアミルケトン、エチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メチルヘプテノン、コアボン、カンファー、カルボン、メントン、d-プレゴン、ピペリトン、フェンチョン、ゲラニルアセトン、セドリルメチルケトン、ヌートカトン、イオノン、α-イオノン、β-イオノン、メチルイオノン、α-n-メチルイオノン、β-n-メチルイオノン、α-イソイオノン、β-イソイオノン、アリルイオノン、イロン、α-イロン、β-イロン、γ-イロン、ダマスコン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、ダイナスコン、α-ダイナスコン、β-ダイナスコン、マルトール、エチルマルトール、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシフランノン、シュガーラクトン、p-t-ブチルシクロヘキサノン、アミルシクロペンタノン、ヘプチルシクロペンタノン、ジヒドロジャスモン、シスージャスモン、フロレックス、プリカトン、4-シクロヘキシル-4-メチル-2-ペンタノン、p-メンテン-6-イルプロパノン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、エトキシビニルテトラシクロヘキサノン、ジヒドロペンタメチルインダノン、イソ・イー・スーパー、トリモフィックス、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、ベンジルアセトン、カローン、ラズベリーケトン、アニシルアセトン、4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-ブタノン、メチルナフチルケトン、4-フェニル-4-メチル-2-ペンタノン、ベンゾフェノン等のケトン系香料;ゲラニル酸、シトロネリル酸、安息香酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸、桂皮酸、2-メチル-2-ペンテノ酸等のカルボン酸系香料;γ-オクタラクトン、γーノナラクトン、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、δ-デカラクトン、クマリン、ジヒドロクマリン、ジャスモラクトン、ジャスミンラクトン等のラクトン系香料;ムスコン、シベトン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、12-ケトシクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノリド、シクロヘキサデセノリド、12-オキサ-16-ヘキサデカノリド、11-ヘキサ-16-ヘキサデカノリド、10-オキサ-16-ヘキサデカノリド、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、ムスクケトン、ムスクキシロール、ムスクアンブレット、ムスクチベテン、ムスクモスケン、6-アセチルヘキサメチルインダン、4-アセチルジメチル-t-ブチルインダン、5-アセチルテトラメチルイソプロプルインダン、6−アセチルヘキサテトラリ
ン、ヘキサメチルヘキサヒドロシクロペンタンベンゾピラン等のムスク系香料;アセチルピロール、インドール、スカトール、インドレン、2-アセチルピリジン、マリティマ、6-メチルキノリン、6-イソプロピルキノリン、イソブチルキノリン、2-アセチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、2-イソプロピル-3-メトキシピラジン、2-イソブチル-3-メトキシピラジン、2-セカンダリーブチル-3-メトキシピラジン、トリメチルピラジン、5-メチル-3-ヘプタンオキシム等の窒素含有香料;ゲラニルニトリル、シトロネリルニトリル、5-フェニル-2,6-ノナジエンニトリル、シナモンニトリル、クミンニトリル、ドデカンニトリル、トリデセン-2-ニトリルと等のニトリル系香料;ジメチルスルフィド、2-メチル-4-プロピル-1,3-オキサチアン、イソオシアン酸アリル、p-メンタン-8-チオール-3-オン、p-メンテン-8-チオール、p-メンチルチオプロピオン酸メチル等の硫黄含有香料等が例示される。また、天然香料としては、チュベローズ油、ムスクチンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリスチンキ、ペパーミント油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、しょう脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、オコチア油、パチュリ油、タイム油、トンカ豆チンキ、テレピン油、ワニラ豆チンキ、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、アニス油、ベイ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、ベチバー油、ベルガモット油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油等が挙げられる。これらの香料は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて調香して使用することもできる。
また、消臭剤成分としては、例えば、ジクロロイソシアヌル酸塩;イネ、松、ヒノキ、笹、柿、茶等の植物の抽出物;脱塩型ベタイン化合物;変性有機酸化合物;アルカノールアミン;安定化二酸化塩素;アルデヒド化合物;グリコールエーテル化合物;フィトンチッド系香料;低級脂肪族アルデヒド系香料等が挙げられる。これらの消臭剤成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
殺虫剤成分としては、例えば、ヒノキチオール、ヒバ油、アリルイソチオシアネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エタノール、プロパノール、1.8―シネオール等が挙げられる。これらの防虫剤成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
防虫剤成分としては、例えば、ピレスロイド系化合物、ナフタレン系化合物、パラジクロロベンゼン系化合物、樟脳等が挙げられる。
忌避成剤分としては、例えば、N,N−ジエチル−m−トルアミド、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、p−メンタン−3,8−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、p−ジクロロベンゼン、ジ−n−ブチルサクシネート、カラン−3,4−ジオール、1−メチルプロピル−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボキシレート、イソチオシアン酸アリル等が挙げられる。さらに、テルペン炭化水素類香料、テルペンアルコール類香料、フェノール類香料、芳香族アルコール類香料、アルデビド類香料、ケトン類香料、カラシ、ワサビ等の植物抽出物や木酢液等が挙げられる。
抗菌剤成分としては、例えば、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムグルコン酸、クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、アリルイソチオシアネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。これらの抗菌剤成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
これらの機能性揮散成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
薬液における前記機能性揮散成分の配合割合については、当該成分の種類に応じて適宜設定されるが、例えば0.05〜50重量%が挙げられる。
本発明で使用される薬液には、前記パラフィン系炭化水素及び機能性揮散成分以外に、本発明の効果を妨げないことを限度として、他の添加剤を含有してもよい。このような他の添加剤としては、例えば、溶剤(パラフィン系炭化水素以外)、界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、水、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、アルキルアルカノールアミド、アルキルポリグルコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等の非イオン性界面活性剤;アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、N-アシルアミノ酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸、リン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;アルキルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;アルキルアミドベタイン、アルキルジメチルアミンオキシド等の両性界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸塩、イソフラボン、α-トコフェロール等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;クエン酸三ナトリウム、クエン酸カリウム等のクエン酸のアルカリ金属塩;エチレンジアミン四酢酸、水酸化ナトリウム、塩基性アミノ酸(アルギニン)、炭酸カルシウムなどのカルシウム塩等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系(2-(3,5-di-tert-pentyl-2-hydroxyphenyl)-2H-benzotriazole)、ベンゾフェノン系(2,2 4,4 tetrahydroxybenzophenone)等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
容器
本発明の車室用薬液揮散器では、前記得薬液を収容するために、上部に開口を有する容器を備える。
容器については、前記薬液を収容でき、車室内に設置可能なものである限り、その形状、素材等については、特に制限されない。
本発明で使用される容器の好適な一態様として、底面と、当該底面の周縁から上方に延びる外周面とを備え、内壁面には、前記底面から前記外周面の少なくとも一部に亘って延びる少なくとも1つの突条又は溝、或いは/並びに前記外周面から前記開口に向かって延びる少なくとも1つの突条又は溝が形成されている容器(以下、「第1の容器」と表記することがある)が挙げられる。
第1の容器において、内壁面に、外周面から底面に亘って、少なくとも1つの突条又は溝を形成することによって、薬液が突条又は溝を伝うことで、底面まで流れ落ち易くなる。その結果、薬液の残量が少なくなっても、底面に薬液を集めることができ、薬液を使い切り易くすることが可能になる。また、薬液の残量が視認し易くなるという効果も得ることができる。
また、第1の容器において、内壁面に、外周面から開口に亘って、少なくとも1つの突条又は溝を形成することによって、容器を逆さに向けると、薬液が外周面から開口へと向かい、このとき、薬液が外周面から突条又は溝を伝って、開口へ流れ易くなる。従って、使用後期に薬液の残量が少なくなっても、開口側に薬液を集めることができ、薬液を使い切り易くすることが可能になる。
以下、第1の容器の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は第1の容器の正面図、図2は第1の容器の底面図、図3は図1のA−A線断面図である。なお、図1及び3では、後述する吸液芯及び取付部材を設置している態様を示している。
図1〜図3に示すように、第1の容器1は、正面視逆三角形状の本体部11と、この本体部11の上端に連結された首部12と、を備えており、これらは一体的に形成されている。本体部11は、底面111、一対の側面112a,112b、前面113、背面114、及び上面115によって囲まれた内部空間を有しており、この内部空間に薬液が収容される。底面111は、平面視矩形状に形成され、左右の縁部(周縁)は凸状に湾曲している。また、一対の側面112は、底面111の左右の縁部1111からそれぞれ斜め上方に向かって互いに離れるように延びている。前面113及び背面114は、底面111の前側及び後側の縁部からそれぞれ上方に向かって延びている。上面115は、一対の側面112、前面113、及び背面114の上端縁をつなぐように概ね水平に延びる矩形状に形成されている。そして、上面115の中央には、上述した首部12が連結されている。なお、上記本体部11と首部12とで、容器本体を構成する。
首部12は、上端に開口121を有する円筒状に形成されており、底面111の直上に配置されている。首部12の外周面において、上面115に近接する位置には、環状の突部13が形成されており、この突部13と上面115との間の隙間に、後述する保持部が配置される。また、首部12の外周面において、突部13よりも上方には、螺旋状の雄ねじ14が形成されている。この雄ねじ14は,図示を省略するキャップの雌ねじが螺合するようになっている。すなわち、首部12には、キャップが取り付けられ、使用時に取り外すようになっている。
本体部11の内壁面は、次のように構成されている。まず、底面111及び一対の側面112には、左右方向に延びる突条(第1突条)16が形成されている。この突条16は、底面111及び側面112の前後方向の中心付近を、一方の側面112aの上下方向の中心付近から、底面111を経て、他方の側面112bの上下方向の中心付近まで延びている。また、この突条16には、溝が形成されており、突条16に沿って延びている。
また、上面115の内壁面にも一対の突条(第2突条)17a,17bが形成されている。各突条17a,17bは、上面115の前後方向の中心付近を通過しており、上面115の左右の端部付近から首部12に向かって延び、首部12の内壁面を開口121の縁部まで上方に向かって延びている。これらの突条17a,17bにも、溝が形成されており、突条17a,17bに沿って延びている。
以上のような第1の容器1の素材については、特に制限されず、樹脂、ガラス等のいずれであってもよいが、好ましくは樹脂が挙げられる。第1の容器1を樹脂で形成する場合、例えば、前後方向の中心付近で分割した状態(形成される突条16,17a,17bも前後方向の中心付近で分割されている)に形成したものを張り合わせたり、また、ブロー法(例えば、インジェクションブロー法、ダイレクトブロー法)により成形した後、底面111及び側面112の内壁面を削ったり、突条を貼り付けたりして容器1を形成することができる。ブロー法のうち、特にダイレクトブロー法により容器1を成形する場合には、筒状のパリソンを用い、2つの成形型でパリソンの上部を挾み、雄ねじ14及び突部13が形成された首部12のみを先に成形し、続いて、成形された首部12よりも下方の部分を2つの成形型で挾み、パリソンに空気を注入しつつ本体部11を成形する。首部12よりも下方の部分を2つの成形型で挟む際、互いの成形型が接する箇所の樹脂材料が盛り上がるようにすることで、突条16、17a、17bを成形することができる。
また、第1の容器1は、内部の薬液が視認できるように透明又は半透明の材料で形成することが好ましい。
図1〜図3に示す態様の第1の容器1では、底面111から側面112に亘って延びる突条16と、上面115から首部12に亘って延びる突条17とを設けているが、これらの突条は、いずれか一方のみに設けられていてもよい。また、これらの突条は、1つだけでなく、複数設けることもできる。突条の長さは、特には限定されず、例えば、底面111全体に亘って設ける必要はなく、底面111と側面112(或いは前面113又は背面114)とが突条16によってつながっていればよい。また、側面112(或いは前面113又は背面114)のいずれかの位置から、首部12の途中、或いは開口121まで突条17が延びていればよい。
第1の容器1の形態は、種々のものが可能であり、図1〜図3に示したものに限定されない。例えば、図1〜図3に示す第1の容器1では、容器の外周面を、一対の側面112、前面113、背面114、及び上面115により構成されていたが、種々の態様が可能である。例えば、上面115を設けず、一対の側面112、前面113、及び背面114から首部12、或いは開口121に直接つながるような形態であってもよい。また、首部12も必ずしも必要ではなく、少なくとも開口121が設けられていればよい。
更に、第1の容器1における外周面は、種々の断面形状が可能であり、図1〜図3に示すような矩形状のほか、円形、楕円形、多角形状など、種々の態様が可能である。そして、この外周面から開口121に亘って、或いは、底面111から外周面に亘って、少なくとも1つの突条が形成されていればよい。
図1〜図3に示す第1の容器1では、溝は、突条の全体に亘って設けられているが、突条の一部のみに設けられてもよい。また、図4に示すように、溝が全く設けられずに突条17のみであっても、図5に示すように、突条を設けずに溝18のみ(第1溝)であってもよい。なお、図4及び5の例では、第1の容器1の底面111に設けられる突条について説明したが、首部12に向かう突条についても同様であり、溝を設けず突条のみにしたり、或いは溝のみ(第2溝)でもよい。
図1〜図3に示す第1の容器1では、底面111は、平面視矩形状に形成されているが、底面111は、いかのなる形状であってもよい。
また、本発明で使用される容器の好適な他の一態様として、底面と、当該底面の周縁から上方に延び、少なくとも一部が底面の周縁から径方向外方に向かって傾斜する外周面とを備える容器(以下、「第2の容器」と表記することがある)が挙げられる。第2の容器によれば、外周面が、底面の周縁から径方向外側に向かって広がる構成を備えることにより、車室用薬液揮散器が斜め向きに設置されても、容器内の薬液を吸液芯に集めることができるので、使用後期に薬液量が少なくなっても、効率的に薬液を揮散させることが可能になる。また、薬液の残量が視認し易くなるという効果も得ることができる。
以下、第2の容器の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図6は第2の容器の正面図である。なお、本発明において、図1のA−A線に対する垂直方向を径方向とする。図6に示すように、第2の容器1は、正面視逆三角形状の本体部11と、この本体部11の上端に連結された首部12と、を備えており、これらは一体的に形成されている。本体部11は、底面111、一対の側面112a,112b、前面113、背面114、及び上面115によって囲まれた内部空間を有しており、この内部空間に薬液が収容される。底面111は、平面視矩形状に形成され、左右の縁部(周縁)は凸状に湾曲している。また、一対の側面112は、底面111の左右の縁部1111からそれぞれ斜め上方に向かって互いに離れるように延びている。前面113及び背面114は、底面111の前側及び後側の縁部からそれぞれ上方に向かって延びている。上面115は、一対の側面112、前面113、及び背面114の上端縁をつなぐように概ね水平に延びる矩形状に形成されている。そして、上面115の中央には、上述した首部12が連結されている。なお、上記本体部11と首部12とで、容器本体を構成する。
図6に示す第2の容器における首部12の構造は、前記第1の容器の場合と同様である。
第2の容器1の素材については、特に制限されず、樹脂、ガラス等のいずれであってもよいが、好ましくは樹脂が挙げられる。第2の容器1を樹脂で形成する場合、第2の容器1は、前記第1の容器1の場合と同様に、ブロー法等によって形成することができる。また、第2の容器1は、内部の薬液が視認できるように透明又は半透明の材料で形成することが好ましい。
第2の容器1の形態は、種々のものが可能であり、図6に示したものに限定されない。例えば、図6に示す第2の容器1では、容器の外周面を、一対の側面112、前面113、背面114、及び上面115により構成されているが、種々の態様が可能である。例えば、上面115を設けず、一対の側面112、前面113、及び背面114から首部12、或いは開口121に直接つながるような形態であってもよい。また、首部12も必ずしも必要ではなく、少なくとも開口121が設けられていればよい。
また、図6に示す第2の容器1では、一対の側面112において、底面114の周縁から径方向外方に向かって傾斜しているが、底面114の周縁から上方に延びる外周面の少なくとも一部が径方向外方に向かって傾斜していればよい。また、外周面において、底面114の周縁から径方向外方に向かう傾斜は、上面115、首部12、又開口121まで設ける必要はなく、底面114の周縁から上方に向かって外周面の途中まで設けられていてもよい。
第2の容器1では、前記第1の容器1のように、内壁に突条又は溝は形成されていなくてもよい。但し、第2の容器1において、前記第1の容器1のように、前記底面から前記外周面の少なくとも一部に亘って延びる少なくとも1つの突条又は溝、或いは/並びに前記外周面から前記開口に向かって延びる少なくとも1つの突条又は溝が形成されていると、より一層効果的に使用後期の薬液の残留を抑制できるので好ましい。
図6に示す第2の容器1では、底面111は、平面視矩形状に形成されているが、底面111は、いかのなる形状であってもよい。また、底面111は、扁平であり、吸液芯を設置した際に、吸液芯の下端部の全面が底面111と当接できる面積を備えていることが好ましい。
前記第1の容器と第2の容器1は、薬液の使用後期の残留を抑制できる構成になっているので、前記薬液の組成や後述する吸液芯の素材に拘わらず、様々な組成の薬液や吸液芯と組み合わせることによって、薬液の使用後期の残留を抑制できる薬液揮散器として使用できる。また、このような第1の容器又は第2の容器1を使用した薬液揮散器は、車室用途に限定されず、トイレや部屋用の薬液揮散器としても使用することができる。なお、このような第1の容器又は第2の容器1を使用した薬液揮散器において、薬液の組成や吸液芯の素材については、通常の薬液揮散器で使用されているものを使用できるが、吸液芯の構造とその下端部の容器の底面における配置部位については、後述する構成を備えていることが望ましい。
吸液芯
本発明の車室用薬液揮散器では、前記容器に収容された前記薬液を吸液して自動車の室内に揮散させるために、吸液芯2を備える。
本発明では、吸液芯2は、ポリエステル及び/又はナイロンを含む素材で形成されたものを使用する。このようにポリエステル及び/又はナイロンを含む素材で形成された吸液芯2を使用することによって、揮散させる薬液にパラフィン系炭化水素を含んでいても、高温下で吸液芯2の変形を抑制し、その形状を安定に維持することが可能になる。
吸液芯2の素材として使用されるポリエステルの種類については、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのポリエステルの中でも、高温下で吸液芯2の変形をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくはポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
また、吸液芯2の素材として使用されるナイロンの種類については、特に制限されないが、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6等が挙げられる。これらのナイロンは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
吸液芯2は、ポリエステル及びナイロンの中から1種を選択して単独で使用してもよく、またこれらの中から2種以上を組み合わせて使用してもよい。
吸液芯2を形成する素材におけるポリエステル及び/又はナイロンの含有量としては、例えば10重量%以上、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%、更に好ましくは70〜100重量%、特に好ましくは80〜100重量%、最も好ましくは90〜100重量%が挙げられる。
吸液芯2は、その構成素材として、ポリエステル及び/又はナイロンを含んでいることを限度として、必要に応じて、ポリエチレン、ポリプリピレン等のポリオレフィン;アクリル;ビニロン;ポリウレタン等の他の樹脂素材を含んでいてもよい。但し、ポリオレフィンは高温下で吸液芯を変形させる要因になるため、本発明で使用される吸液芯2には、ポリオレフィンの含有量が少ないことが好ましく、ポリオレフィンが実質的に含まれていないことが更に好ましい。具体的には、吸液芯2を形成する素材におけるポリオレフィンの含有量としては、通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは0重量%が挙げられる。
吸液芯2は、ポリエステル及び/又はナイロンを含む素材で形成され、容器1内の薬液を吸い上げることができるように成形されていればよい。例えば、繊維状のポリエステル及び/又はナイロンを溶着又は接着させて所定形状に成形したもの、繊維状のポリエステル及び/又はナイロンを編んで所定形状にしたもの、不織布のポリエステル及び/又はナイロンを所定形状にしたもの、ポリエステル及び/又はナイロンをスポンジ状で所定形状に成形したもの等が挙げられる。
吸液芯2の形状については、容器1内の薬液を吸い上げて、容器1外に薬液を揮散できる形状であればよく、具体的には棒状が挙げられる。また、吸液芯2の長さは、容器1の底部111に当接させた際に、吸液芯2の上端部が容器1の開口121から突出した状態になるように設定することが好ましい。
吸液芯2は、前記容器1の開口121から挿入され、その下端部21が容器1の底面111に当接させて設置される。また、吸液芯2の下端部21の少なくとも一部が、容器の底面111の縁部1111に当接していることが好ましい。このように吸液芯2の下端部21の一部を容器の底面111の縁部1111に当接していることにより、使用後期に薬液の残量が少なくなっても、吸液芯2が薬液を吸い上げ易くなり、薬液を使い切り易くすることが可能になる。図2には、吸液芯2の下端部21は、容器1の底面111の左右の縁部1111に当接している態様を示している。また、図7(a)に示すように、吸液芯2の下端部21の径が小さく、一方の縁部1111にのみ当接していてもよいし、図7(b)に示すように、底面111のいずれかの縁部(この例では背面側)に当接していてもよい。
取付部材
本発明の車室用薬液揮散器では、吸液芯2を安定に保持させるために、図1及び3〜6に示すように、容器の開口121部分には、吸液芯2の取付部材5が取り付けられていてもよい。取付部材5は、容器1の首部12の内壁面に圧入される円筒状の取付本体51と、この取付本体51の上縁から径方向外方に延びるフランジ部52とを備えている。そして、取付本体51の内部には、吸液芯2が挿入される。また、フランジ部52は、首部12の開口周縁を上方から覆うように配置される。
また、取付本体51の内壁面には、上下方向に沿って延びる溝(図示省略)が形成されており、吸液芯2が挿入されたときに、この溝によって吸液芯2と取付本体51との間に隙間が形成される。この隙間は、容器1の内部空間と外部とを連通する。これにより、例えば、高温の環境で容器1を用い、容器1の内圧が上昇したとき、容器1内の空気が隙間を通じて外部に排出されるようになっている。一方、このような隙間が設けられていないと、内圧が上昇したとき、吸液芯2を通じて薬液が過剰に押し出されるおそれがある。
固定部及び支持体
本発明の車室用薬液揮散器には、自動車の室内部材に固定して設置するために、前記容器を支持する支持体と、当該自動車の室内の設置部位に取り付けるための固定部を更に備えていてもよい。
使用態様
本発明の車室用薬液揮散器は、自動車の室内に前記薬液を揮散させる目的で、自動車のエアコンやデフロスターの送風口、ダッシュボード上等の室内部材に設置される。
以下に、実施例等を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、以下、ポリエチレンテレフタレートを「PET」と略記することもある。
試験例1
表1に示す素材で形成された吸液芯(円柱状、直径8mm、長さ50mm)、表1に示す溶剤(薬液)、及びスクリュー管(直径24mm、高さ50mm、容量13.5ml)を準備した。なお、吸液芯は、繊維状の各素材を熱成形することにより円柱状に成形することにより作製した。また、2種の樹脂を使用して形成されている吸液芯は、繊維状の各樹脂を所定比率で混合して熱成形することにより円柱状に成形して作製した。
各溶剤4.5gをスクリュー管に充填し、このスクリュー管に吸液芯を差し込んで、80℃で3時間静置した。3時間後の吸液芯の状態を観察し、以下の判定基準に従って、吸液芯の形状安定性を評価した。
<吸液芯の形状安定性の判定基準>
○:吸液芯の形状に変化がない
△:吸液芯の変形が僅かに認められる
×:吸液芯が大きく変形している。
得られた結果を表1に示す。ポリプロピレン及び/又はポリエチレンで形成されている吸液芯では、パラフィン系炭化水素を含浸させると、80℃で3時間静置後に変形が生じていた(比較例1〜9)。なお、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンで形成されている吸液芯は、パラフィン系炭化水素に含浸させることなく、空気中で80℃で3時間静置しても変形は認められなかったことから、比較例1〜9で認められた吸液芯の変形は、パラフィン系炭化水素によってもたらされていることが確認された。これに対して、ナイロン及び/又はポリエチレンテレフタレートで形成されている吸液芯では、パラフィン系炭化水素を含浸させても、80℃で3時間静置後に変形することなく、形状を安定に維持できていた(実施例1〜9)。また、ポリエチレンテレフタレート50重量%とポリエチレン50重量%で形成されている吸液芯でも、パラフィン系炭化水素を含浸させても、80℃で3時間静置後に変形することなく、形状を安定に維持できていた(実施例10〜12)。
Figure 0006502140
試験例2
表2に示す素材で形成された吸液芯(円柱状、直径8mm、長さ50mm)、表2に示す溶剤60重量%及びリモネン40重量%を含む薬液、並びにスクリュー管(直径24mm、高さ50mm、容量13.5ml)を準備した。なお、吸液芯は、繊維状の各素材を熱成形することにより円柱状に成形することにより作製した。また、2種の樹脂を使用して形成されている吸液芯は、繊維状の各樹脂を所定比率で混合して熱成形することにより円柱状に成形して作製した。
各薬液4.5gをスクリュー管に充填し、このスクリュー管に吸液芯を差し込んで、80℃で3時間静置した。3時間後の吸液芯の状態を観察し、試験例1と同様の方法で吸液芯の形状安定性を評価した。
得られた結果を表2に示す。この結果からも、ナイロン及び/又はポリエチレンテレフタレートで形成されている吸液芯は、パラフィン系炭化水素を含む薬液に対しても、高温下で形状を安定に維持できることが確認された。
Figure 0006502140
試験例3
表3に示す素材で形成された吸液芯(円柱状、直径8mm、長さ50mm)、炭素数12〜16のイソパラフィン(商品名「IPソルベント2028」、出光興産株式会社製、炭素数16のイソパラフィンを70重量%以上含有、常圧での初留点213℃、常圧での乾点262℃)(薬液)、及びスクリュー管(直径21mm、高さ45mm、容量9ml)を準備した。なお、吸液芯は、繊維状の各素材を熱成形することにより円柱状に成形することにより作製した。また、2種の樹脂を使用して形成されている吸液芯は、繊維状の各樹脂を所定比率で混合して熱成形することにより円柱状に成形して作製した。
炭素数12〜16のイソパラフィン5gをスクリュー管に充填し、このスクリュー管に吸液芯を差し込んで、80℃で12時間静置した。静置開始から、0.5時間毎にイソパラフィンの残存量を計測した。計測した各時間のイソパラフィンの残存量から、静置開始から1時間後までのイソパラフィンの揮散速度(g/時間;初期揮散速度)と静置9時間後から静置12時間後までのイソパラフィンの揮散速度(g/時間;後期揮散速度)を求め、下記式に従って、後期揮散速度の維持率(%)を算出した。
Figure 0006502140
得られた結果を表3に示す。
ポリエチレンテレフタレートのみ、又はポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンで形成されている吸液芯を使用した場合(実施例16及び17)では、ポリプロピレンのみで形成されている吸液芯を使用した場合(比較例11)に比して後期揮散速度の維持率を高く、使用終期において容器内に薬液が残留し難くなっていた。特に、ポリエチレンテレフタレートのみで形成されている吸液芯を使用した場合(実施例16)では、ポリプロピレンのみで形成されている吸液芯を使用した場合(比較例11)に比して、後期揮散速度の維持率が格段に高くなっていた。
また、「IPソルベント2028」の代わりに、「IPソルベント1016」及び「IPソルベント1620」を使用した以外は実施例16と同様にして、後期揮散速度の維持率を算出したところ、吸液芯の素材として、ポリプロピレン100重量%を使用した場合に比べて、後期揮散速度の維持率を高くすることができたが、それぞれの揮散速度を比較すると「IPソルベント1016」に比べて、「IPソルベント1620」及び「IPソルベント2028」の方が遅く、長時間揮散し続けた。即ち、この結果から、常圧での初留点が80〜270℃程度のパラフィン系炭化水素、或いは炭素数9〜16の形質流動イソパラフィンを採用することによって、揮散性能がより一層向上することが確認された。
Figure 0006502140
試験例4
表4に示す素材で形成された吸液芯(円柱状、直径8mm、長さ50mm)、炭素数4〜9のイソパラフィン(商品名「IPソルベント1016」、出光興産株式会社製、炭素数8のイソパラフィンを80重量%以上含有、常圧での初留点73℃、常圧での乾点140℃)、炭素数8のイソパラフィンを80重量%以上含有)(薬液)、及びスクリュー管(直径21mm、高さ45mm、容量9ml)を準備した。なお、吸液芯は、繊維状の各素材を熱成形することにより円柱状に成形することにより作製した。また、2種の樹脂を使用して形成されている吸液芯は、繊維状の各樹脂を所定比率で混合して熱成形することにより円柱状に成形して作製した。
炭素数4〜9のイソパラフィン5gをスクリュー管に充填し、このスクリュー管に吸液芯を差し込んで、25℃で12時間静置し、試験例3と同様の方法で後期揮散速度の維持率(%)を求めた。
得られた結果を表4に示す。この結果、25℃で静置した場合には、実施例18−19及び比較例12のいずれでも、初期揮散速度の維持率が高かった。この結果から、前記試験例3における比較例11の期揮散速度の維持率の低下は、高温条件で引き起こされていることが確認された。
Figure 0006502140
試験例5
表5に示す容器A及びBに、炭素数12〜16のイソパラフィン(商品名「IPソルベント2028」、出光興産株式会社製、炭素数16のイソパラフィンを70重量%以上含有、常圧での初留点213℃、常圧での乾点262℃)(薬液)5gを充填し、容器Aに吸液芯Aを、容器Bに吸液芯Bを設置し、80℃で36時間静置した。なお、吸液芯A及びBは、双方とも、繊維状のポリエチレンテレフタレート50重量%と繊維状のポリプロピレン50重量%を混合して熱成形することにより円柱状に成形して作製したものである。静置36時間後に容器内に残留するイソパラフィン量を計測した。
得られた結果を表5に示す。この結果から、容器Bを使用した場合でも、静置36時間後のイソパラフィンの残留量は僅かであったが、容器Aを使用した場合には、静置36時間後のイソパラフィンは全く残留していなかった。これは、容器A内のイソパラフィンが表面張力により溝に集まり、突条を伝い吸液芯に集まり易くなっているためであると考えられる。
また、参考として、炭素数12〜16のイソパラフィンに代えて、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを使用して、前記と同様の試験を行ったところ、容器Aを使用した場合では、20℃で36時間静置後には、これらの溶剤は全く残留していなかった。即ち、常温の温度域では、容器Aを使用することによって、薬液の組成や吸液芯の素材に依らず、使用後期の薬液の残留を抑制できることが明らかとなった。
Figure 0006502140
1 :薬剤容器
11 :本体部(容器本体)
111 :底面
112 :側面(外周面)
113 :前面(外周面)
114 :背面(外周面)
115 :上面(外周面)
12 :首部(容器本体)
121 :開口
2 :吸液芯
21 :下端部

Claims (7)

  1. 上部に開口を有する容器と、
    前記容器に収容された薬液と、
    前記容器の開口に差し込まれ、前記薬液を揮散させる吸液芯と、を備え、
    前記薬液が、パラフィン系炭化水素を含み、且つ
    前記吸液芯が、ポリエステル及びナイロンよりなる群から選択される少なくとも1種の素材で形成されている、車室用薬液揮散器。
  2. 前記吸液芯が、ポリオレフィンからなる素材を実質的に含まない、請求項1に記載の車室用薬液揮散器。
  3. パラフィン系炭化水素が、イソパラフィン系炭化水素である、請求項1又は2に記載の車室用薬液揮散器。
  4. 前記薬液が、更に香料を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の車室用薬液揮散器。
  5. 前記容器が、底面と、当該底面の周縁から上方に延びる外周面と、を備え、
    その内壁面には、前記底面から前記外周面の少なくとも一部に亘って延びる少なくとも1つの突条又は溝、或いは/並びに前記外周面から前記開口に向かって延びる少なくとも1つの突条又は溝が形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の車室用薬液揮散器。
  6. 前記容器が、底面と、当該底面の周縁から上方に延び、少なくとも一部が底面の周縁から径方向外方に向かって傾斜する外周面とを備える、請求項1〜4のいずれかに記載の車室用薬液揮散器。
  7. 前記吸液芯の下端部の少なくとも一部が、前記容器の底面の縁部に当接している、請求項1〜6のいずれかに記載の車室用薬液揮散器。
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