JP6488826B2 - 外乱防止カバー - Google Patents

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Description

本発明は、外乱防止カバーに関する。
従来、磁気センサを用いてモータの回転角度を検出することが知られている。例えば特許文献1では、2組の導線が設けられることを前提とし、対応する相が磁気センサに対して点対称となるように配置し、導線に流れる電流による漏れ磁束をキャンセルすることで角度検出精度を向上させている。
特開2012−39737号公報
特許文献1では、導線に流れる電流による磁束漏れの影響はキャンセルすることができるものの、装置外部からの磁界の影響については考慮されていない。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁界等の外乱の影響から保護部材を保護する外乱防止カバーを提供することにある。
本発明の外乱防止カバーは、車両の車室外に搭載される保護部材と地面との間に設けられ、鉛直方向に傾斜して形成される本体部を備える。本体部の鉛直方向における最下部には、異物排出部が形成される。また、保護部材の鉛直方向上側の少なくとも一部は、本体部から露出している。保護部材は、モータと、モータの駆動を制御する制御部と、磁界の変化を検出するセンサ部と、モータケースと、を備え、ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置に適用される駆動装置である。駆動装置は、モータと制御部とが一体に形成される機電一体型であって、軸方向がラック軸と略平行となるようにラック軸に沿って配置される。センサ部は、モータのシャフトと一体となって回転するマグネット、および、マグネットの回転磁界を検出するセンサ素子を有し、マグネットは制御部寄り、センサ素子は制御部に設けられる
体部は、前方壁部、後方壁部および下方壁部を連続して有し、駆動装置を覆い、最下部となる曲げ部に開口部を有する。下方壁部は、車両の前後方向に傾斜している。異物排出部は、開口部であって、本体部において、センサ部を地面の方向に投影した領域をセンサ部投影領域とすると、開口部は、センサ部投影領域とは異なる箇所に形成される。本体部は非磁性体で形成され、本体部の内面には、センサ部投影領域を覆う磁性体が設けられる。前方壁部および後方壁部は、鉛直方向におけるセンサ部の位置より上に延伸されている。
これにより、外乱対象物側からの磁界、熱、異物等から保護部材を保護することができる。また、外乱防止カバーを保護部材とは別体とすることで、外乱対象物からの影響(磁界、熱、異物等)から保護部材自身にて内部を保護する場合と比較し、保護部材の構成を簡素化することができる。
また、鉛直方向に傾斜して形成される本体部の最下部に異物排出部を形成することで、本体部の保護部材側に異物が侵入したとしても、本体部の外部へ異物を適切に排出することができる。
さらにまた、保護部材の鉛直方向上側の少なくとも一部が本体部から露出している。すなわち、外乱防止カバーは、鉛直方向上側および下側にて、少なくとも一部が開放されている、といえる。これにより、外乱防止カバーの保護部材側における通気経路が確保されるので、外乱防止カバーの保護部材側の昇温を抑制することができる。
本発明の第1実施形態の外乱防止カバーを示す断面図である。 本発明の第1実施形態の外乱防止カバーを鉛直方向下側から見た平面図である。 図2のIII方向の矢視図である。 本発明の第2実施形態による外乱防止カバーを示す側面図である。 本発明の第3実施形態による外乱防止カバーを示す側面図である。 図5のVI方向の矢視図である。 本発明の第4実施形態による外乱防止カバーを示す側面図である。 図7のVIII方向の矢視図である。 本発明の第5実施形態による外乱防止カバーを示す側面図である。 本発明の第6実施形態による外乱防止カバーを示す側面図である。 本発明の第7実施形態による外乱防止カバーを示す図12のXI−XI線断面図である。 図11のXII−XII線断面図である。 本発明の第8実施形態による外乱防止カバーを示す側面図である。 図13のXIV−XIV線断面図である。 本発明の第9実施形態による外乱防止カバーを示す側面図である。 本発明の第10実施形態〜第12実施形態を示す側面図である。
以下、本発明による外乱防止カバーを図面に基づいて説明する。以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による外乱防止カバーを図1〜図3に示す。図1〜図3は、いずれも模式的な図であって、実際の縮尺等とは必ずしも一致しない。後述の実施形態に係る図についても同様である。
外乱防止カバー10は、保護部材としての駆動装置80を外乱から保護するものである。駆動装置80は、車両100に搭載され、運転者によるステアリング操作を補助するための電動パワーステアリング装置79に適用される。
電動パワーステアリング装置79を備えるステアリングシステム90の構成を図1に示す。図1は、図2のI−I線断面に対応する。ステアリングシステム90は、操舵部材である図示しないハンドル(ステアリングホイール)、ステアリングシャフト91、ピニオンギア92、ラック軸93、車輪95、および、電動パワーステアリング装置79等から構成される。
ステアリングシャフト91は、ハンドルと接続される。ステアリングシャフト91のハンドルと反対側の端部には、ピニオンギア92が設けられる。ピニオンギア92は、ラック軸93に噛み合っている。ラック軸93の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪95が連結される。
運転者がハンドルを回転させると、ハンドルに接続されたステアリングシャフト91が回転する。ステアリングシャフト91の回転運動は、ピニオンギア92によってラック軸93の直線運動に変換され、ラック軸93の変位量に応じた角度に一対の車輪95が操舵される。
電動パワーステアリング装置79は、モータ81および制御部82等を備える駆動装置80、および、モータ81の回転を減速してラック軸93に伝える減速機88等を備える。すなわち、本実施形態の電動パワーステアリング装置79は、ラックアシスト型であって、駆動装置80は、車両100の車室外であるエンジンルーム内であって、地面Gに近い箇所に配置される。本実施形態では、駆動装置80は、軸方向がラック軸93と略平行となるように配置される。換言すると、駆動装置80は、軸方向が車両100の進行方向と略垂直となるように配置される。なお、駆動装置80が搭載される向きや搭載箇所等は、図1の例とは異なっていてもよい。
モータ81は、いずれも図示しないステータ、ロータ、および、シャフト等を有する。シャフトの制御部82側の端部には、シャフトと一体となって回転するマグネット851が設けられる。シャフトの制御部82と反対側の端部は、モータケースから露出し、出力端87が設けられる。出力端87および減速機88には、ベルト89が巻きかけられる。これにより、モータ81の回転が減速機88に伝達される。出力端87、減速機88、および、ベルト89は、ギアボックス86に収容される。
制御部82は、モータ81の軸方向の一側に略同軸に設けられる。制御部82は、モータ81の回転を検出する回転角センサ855、モータ81の駆動制御に係る各種演算を行う図示しない演算部、および、バッテリや各種センサ等との接続に用いられるコネクタ83等を有する。回転角センサ855は、マグネット851と対向する箇所に設けられる。本実施形態では、回転角センサ855が「センサ素子」に対応し、マグネット851および回転角センサ855がセンサ部85を構成する。
外乱防止カバー10は、駆動装置80の鉛直方向下側であって、駆動装置80と地面Gとの間に設けられる。本実施形態では、地面Gが「外乱対象物」に対応する。外乱防止カバー10は、車両100のシャーシ等に設けられるカバー支持部材70に、ねじ等の固定部材75により固定される。
外乱防止カバー10の本体部11は、鉄等の磁性材により略平板状に形成される。駆動装置80の鉛直方向上側(すなわち地面Gと反対側)の全体は、本体部11から露出している。本体部11は、鉛直方向に傾斜して形成される(図3参照)。本体部11の鉛直方向下側の最下部13には、異物排出部としての下側開口部15が形成される。下側開口部15は、駆動装置80を鉛直方向下側に投影した領域、特に、センサ部85を投影したセンサ部投影領域Rsとは重複しない箇所に形成される(図2参照、センサ部投影領域Rsは図2中では不図示)。本実施形態では、下側開口部15は、4つ形成される。
本実施形態では、外乱防止カバー10は、駆動装置80と地面Gとの間に設けられる。これにより、走行中の飛び石等が駆動装置80に衝突するのを防ぐことができ、飛び石等にて駆動装置80の筐体表面が傷つくことによる腐食を防ぐことができる。また、地面Gからの放射熱による駆動装置80の温度上昇を抑制することができる。
本体部11は、鉛直方向に傾斜して形成され、最下部13に下側開口部15が形成されるので、本体部11の鉛直方向上側に侵入した異物(液体、固体)を下側開口部15から排出することができる。これにより、外乱防止カバー10の駆動装置80側に異物が溜まることによる影響を防ぐことができる。ここで、下側開口部15は、駆動装置80よりも車両後方側に形成される方が、通気面で好ましい。
さらにまた、外乱防止カバー10は磁性材により形成されているため、地面Gからの磁界の影響を低減することができる。地面Gからの磁界の影響としては、例えば非接触充電が例示される。
上述の飛び石等の異物、外部からの熱や磁界等の外乱の影響を低減する構成を、駆動装置80自身にて実現する場合、製品重量が増大したり、設計の難易度やコストが高まったりする虞がある。また、例えば駆動装置80をコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置に適用する場合のように、車室内に搭載される場合、上述のような外乱の影響を低減する構成は不要であるため、過大設計となる虞がある。
そこで本実施形態では、外乱防止カバー10を駆動装置80とは別途に設けることにより、駆動装置80を簡素化し、駆動装置80の汎用性を高めている。
以上詳述したように、本実施形態の外乱防止カバー10は、車両100の車室外であるエンジンルームに搭載される駆動装置80と地面Gとの間に設けられ、鉛直方向に傾斜して形成される本体部11を備える。本体部11の鉛直方向における最下部13には、下側開口部15が形成される。また、駆動装置80の地面Gと反対側の少なくとも一部は、本体部11から露出する。
これにより、外乱対象物側からの磁界、熱、異物等から駆動装置80を保護することができる。また、外乱防止カバー10を駆動装置80とは別体とすることで、外乱対象物からの影響(磁界、熱、異物等)から駆動装置80自身にて内部を保護する場合と比較し、駆動装置80の構成を簡素化することができる。
また、鉛直方向に傾斜して形成される本体部11の最下部13に下側開口部15を形成することで、本体部11の駆動装置80側に異物が侵入したとしても、本体部11の外部へ異物を適切に排出することができる。
さらにまた、駆動装置80の鉛直方向上側の少なくとも一部が本体部11から露出している。すなわち、外乱防止カバー10は、鉛直方向上側および下側にて、少なくとも一部が開放されているといえる。これにより、外乱防止カバー10の駆動装置80側における通気経路が確保されるので、外乱防止カバー10の駆動装置80側の昇温を抑制することができる。
駆動装置80は、磁界の変化を検出するセンサ部85を有する。
駆動装置80は、モータ81と、モータ81の駆動を制御する制御部82とを備える。センサ部85は、モータ81のシャフトと一体となって回転するマグネット851、および、マグネット851の回転磁界を検出する回転角センサ855を有する。
本体部11は、磁性体で形成される。
これにより、駆動装置80に対する地面G側からの磁界の影響を低減することができ、センサ部85における磁界の検出精度の悪化を抑制することができる。
下側開口部15は、センサ部85を地面Gの方向に投影したセンサ部投影領域Rsと重複しない箇所に形成される。センサ部85に対する外乱対象物側からの影響(特に磁界の影響)を低減することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図4に示す。以降の実施形態においては、駆動装置80および外乱防止カバーを中心に説明する。
本実施形態の外乱防止カバー20の本体部21は、前方壁部211、後方壁部212、および、下方壁部215から構成され、鉛直方向上側が開放され、駆動装置80の地面Gと反対側は本体部21から露出している。前方壁部211は、駆動装置80に対して車両前方側に設けられ、後方壁部212は、駆動装置80に対して車両後方側に設けられる。
下方壁部215は、鉛直方向に傾斜して形成され、最下部216には、異物排出部としての下側開口部22が形成される。本実施形態では、略矩形に形成される下側開口部22は、外縁の3辺が切り離されて鉛直方向下側に折り曲げられることにより形成される。図4は、側面図であって、下側開口部22は直接的には見えないが、説明のため、下側開口部22が形成される箇所を破線で示す。後述の図5等においても同様とする。
矢印Y1で示すように、下側開口部22からは、本体部21の駆動装置80側に侵入した異物が排出される。
本実施形態では、下側開口部22は、センサ部85を鉛直方向下側に投影したセンサ部投影領域Rsとは重複しない箇所であって、センサ部投影領域Rsよりも車両後方側に形成される。
このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図5および図6に示す。
本実施形態の外乱防止カバー30の本体部31は、前方壁部311、後方壁部312、および、下方壁部315から構成され、鉛直方向上側が開放され、駆動装置80の地面Gと反対側は本体部31から露出している。前方壁部311および後方壁部312は、第2実施形態の前方壁部211および後方壁部212と略同様である。
下方壁部315は、車両100の最後方側が最下部316となるように、鉛直方向に傾斜して形成される。最下部316には、異物排出部としての下側開口部32が形成される。本実施形態では、後方壁部312の最下部316側が切り欠かれることで、下側開口部32が形成される。図6に示すように、本実施形態では、下側開口部32は、3つ形成される。
図5に示すように、下側開口部32は、センサ部投影領域Rsよりも車両後方側であって、センサ部投影領域Rsとは重複しない箇所に形成される。
このように構成しても上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態を図7および図8に示す。
本実施形態の外乱防止カバー35の本体部36は、前方壁部361、後方壁部362、および、下方壁部365から構成され、鉛直方向上側が開放され、駆動装置80の地面Gと反対側は本体部36から露出している。前方壁部361および下方壁部365は、第3実施形態の前方壁部311および下方壁部315と略同様である。車両100の最後方側の最下部366には、第3実施形態の下側開口部32と同様の下側開口部37が形成される。
また、後方壁部362には、下側開口部37よりも鉛直方向上側に、通気口38が形成される。図8に示すように、本実施形態では、後方壁部362には、2つの下側開口部37および4つの通気口38の、計6つの孔部が形成される。なお、下側開口部37は、異物排出部に加え、通気口としても機能する。
後方壁部362に下側開口部37および通気口38を形成することで、矢印Y2で示すように、外乱防止カバー35の駆動装置80側において、車両前方側から後方側へ、風が流れやすくなる。これにより、駆動装置80の放熱性を高めることができる。
また、外乱防止カバー35の形状等によって、外乱防止カバー35の駆動装置80側の風の流れが悪い場合には、前方壁部361にも通気口を形成してもよい。
本実施形態では、本体部36の車両100の後方側には、通気口38が形成される。これにより車両100の走行に伴って、本体部36の駆動装置80側にて気流が生じやすくなるので、本体部36の駆動装置80側の昇温を抑制することができる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態を図9に示す。
本実施形態の外乱防止カバー40の本体部41は、前方壁部411、および、下方壁部415から構成され、鉛直方向上側が開放され、駆動装置80の地面Gと反対側は本体部41から露出している。本実施形態の前方壁部411および下方壁部415は、第3実施形態の前方壁部311および下方壁部315と略同等であり、後方壁部が省略されている。すなわち、最下部416である下方壁部415の後方端部417が開放されている。本実施形態では、後方端部417が、「異物排出部」として機能し、外乱防止カバー40の駆動装置80側に侵入した異物は、後方端部417から外部へ排出される。
このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態を図10に示す。
本実施形態の外乱防止カバー45の本体部46は、後方壁部462、および、下方壁部465から構成され、鉛直方向上側が開放され、駆動装置80の地面Gと反対側は本体部46から露出している。後方壁部462は、駆動装置80に対して車両後方側に設けられる。
下方壁部465は、前方端部467が最下部466となるように、鉛直方向に傾斜して形成される。本実施形態では、前方壁部が省略されており、下方壁部465の前方端部467が開放されている。本実施形態では、前方端部467が、「異物排出部」として機能する。
本実施形態では、本体部46は、樹脂等の非磁性材で形成される。また、本体部46には、センサ部85を地面G方向に投影したセンサ部投影領域Rsを覆う磁性体シール49が設けられる。
これにより、センサ部85に対する地面G側からの磁界の影響を低減可能であり、かつ、本体部46自体の素材選定の自由度が高まる。例えば、本体部46を比較的軽量である樹脂等を用いることで、外乱防止カバー45の軽量化が可能である。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態を図11および図12に示す。なお、図11は、図12のXI−XI線の断面を示す図であり、駆動装置80については、煩雑になることを避けるため、断面のハッチングを省略した。また、図12については、外乱防止カバー50の断面のハッチングを省略した。
本実施形態の外乱防止カバー50の本体部51は、磁気遮蔽部52および周縁部53から構成される。磁気遮蔽部52は、鉄等の磁性材で形成される。周縁部53は、どのような材質のもので形成されてもよく、例えば非磁性の樹脂により形成される。磁気遮蔽部52と周縁部53とは、例えばインサート成形等により一体に形成される。
本体部51は、磁気遮蔽部52が、センサ部85を鉛直方向下側に投影したセンサ部投影領域Rsを覆うように配置される。これにより、センサ部85における鉛直方向下側からの磁界の影響を低減することができる。
図12に示すように、本体部51は、車両後方側の端部である後方端部517が最下部516となるように、鉛直方向に傾斜して設けられる。本実施形態では、後方端部517が「異物排出部」として機能する。また、本体部51は、鉛直方向上側が開放され、駆動装置80の地面Gと反対側は本体部51から露出している。
本実施形態では、磁気遮蔽部52が磁性材で形成され、磁気遮蔽部52の外側に形成される周縁部53は磁気遮蔽部52とは異なる材料で形成される。これにより、センサ部85に対する地面G側からの磁界の影響を低減可能であり、かつ、周縁部53の素材選定の自由度が高まる。例えば、周縁部53を比較的軽量である樹脂等を用いることで、外乱防止カバー50の軽量化が可能である。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態を図13および図14に示す。
本実施形態の外乱防止カバー55の本体部56は、磁性材で形成される。本体部56は、車両後方側の端部である後方端部567が最下部566となるように、鉛直方向に傾斜して設けられる。本実施形態では、後方端部567が「異物排出部」として機能する。また、本体部56は、鉛直方向上側が開放され、駆動装置80の地面Gと反対側は本体部56から露出している。
ここで、センサ部85の地面Gと反対側の端部と地面Gとの距離をrとする。本体部56は、センサ部85の中心から地面Gに向かう垂線と地面Gとの交点を中心cとする半径rの仮想半球Bを、駆動装置80側と地面G側とに分割する。すなわち、本体部56は、その外縁が仮想半球Bよりも外側となるように設けられる。
これにより、センサ部85において、垂直方向以外の方向からの磁界の影響を低減することができる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態を図15に示す。図15は、第8実施形態の図14に対応する図である。
本実施形態の外乱防止カバー60の本体部61は、前方壁部611、後方壁部613、および、下方壁部615から構成され、鉛直方向上側が開放され、駆動装置80の地面Gと反対側は本体部61から露出している。前方壁部611は、駆動装置80に対して車両前方側に設けられ、後方壁部613は、駆動装置80に対して車両後方側に設けられる。下方壁部615は、車両100の最後方側が最下部616となるように、鉛直方向に傾斜して形成される。なお、本体部61には、第3実施形態と同様の下側開口部が設けられるが、図15においては記載を省略した。
本実施形態では、前方壁部611の外乱対象物である地面Gと反対側の端部である上端部612および後方壁部613の反対側の端部である上端部614が、仮想半球Bよりも地面Gと反対側となるように設けられる。このように構成しても、外乱防止カバー60は、仮想半球Bを、駆動装置80側と地面G側とに分割可能である。これにより、第8実施形態と同様、センサ部85において、垂直方向以外の方向からの磁界の影響を低減することができる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第10実施形態〜第12実施形態)
本発明の第10実施形態〜第12実施形態を図16に示す。
上記実施形態では、外乱対象物が地面Gである場合を説明したが、第10実施形態〜第12実施形態では、外乱対象物が高温部材69である場合を説明する。高温部材69は、一時的にでも駆動装置80よりも高温になる部材であって、エンジンや排気管等が例示される。
図16(a)に示すように、第10実施形態の外乱防止カバー65の本体部651は、地面Gに対して略垂直に設けられる。また、駆動装置80の鉛直方向上側は、本体部651から露出している。
ここで、異物排出部の機能について補足しておく。本体部651が地面Gに対して水平に設けられる場合、本体部651と駆動装置80との間の異物を排出できない虞があるが、地面Gと水平以外の状態にて本体部651が配置され、最下部が開放されていれば、異物を排出可能である。この意味で、地面Gに対して略垂直である状態についても、「鉛直方向に傾斜して形成される」の概念に含まれるものとする。
また本実施形態のように、本体部651が地面Gに対して略垂直に配置されている場合、外乱防止カバー65の駆動装置80側に異物が溜まることは想定しにくいが、本体部651の下端部652を「異物排出部」とみなす。
本実施形態の外乱防止カバー65の本体部651は、駆動装置80と高温部材69との間に設けられる。ここで、高温部材69の外縁と、駆動装置80の外縁とを結んで規定される領域を、高温放射領域Re1とする。本実施形態の本体部651は、高温放射領域Re1を、駆動装置80側と高温部材69側とに分割する。すなわち、本体部651は、その外縁が高温放射領域Re1よりも外側となるように設けられる。
外乱防止カバー65は、高温部材69からの放熱により晒される温度に耐えうる耐熱材料で形成される。第11実施形態および第12実施形態についても同様である。
図16(b)に示すように、第11実施形態の外乱防止カバー66の本体部661は、鉛直方向に傾斜して設けられ、下端部662が「異物排出部」として機能する。また、駆動装置80の鉛直方向上側は、本体部661から露出している。
本実施形態では、高温部材69は、駆動装置80の鉛直方向上側に設けられる。また、本体部661は、高温放射領域Re2を、駆動装置80側と高温部材69側とに分割するように設けられる。
高温放射領域Re1、Re2を、外乱防止カバー65、66により、駆動装置80側と高温部材69側とに分割することで、高温部材69の熱による駆動装置80の昇温を抑制することができる。
図16(c)に示す第12実施形態は、第10実施形態の変形例である。本実施形態の外乱防止カバー67の本体部671は、地面Gに対して略垂直に設けられ、下端部672を「異物排出部」とみなす。また、駆動装置80の鉛直方向上側は、本体部671から露出している。
本体部671は、駆動装置80と高温部材69との間に設けられ、高温放射領域Re1の一部を遮蔽する。すなわち、本体部671は、その外縁が高温放射領域Re1の内側である。本実施形態のように、外乱防止カバー67が、高温放射領域Re1の一部を遮蔽するようにしても、高温部材69の熱による駆動装置80の昇温を抑制することができる。
第10実施形態〜第12実施形態では、外乱対象物は、駆動装置80よりも高温となる高温部材69である。
第10実施形態および第11実施形態では、本体部651、661は、高温部材69の外縁と駆動装置80の外縁とを結ぶ高温放射領域Re1を、駆動装置80側と高温部材69側とに分割する。
これにより、高温部材69の熱による駆動装置80の昇温を抑制することができる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(ア)外乱防止カバー
上記実施形態では、第1実施形態〜第5実施形態、および、第8実施形態および第9実施形態において、外乱防止カバーは、磁性材により形成される。他の実施形態では、第6実施形態、第7実施形態、および、第10実施形態〜第12実施形態の外乱防止カバーを磁性材により形成してもよい。
また、第6実施形態では、本体部を非磁性材で形成し、磁性体シールを設ける。他の実施形態では、第6実施形態以外の外乱防止カバーの本体部を非磁性材で形成し、磁性体シールを設けてもよい。
さらにまた、第7実施形態では、磁性体で形成される磁気遮蔽部を、周縁部とは異なる材料で形成する。他の実施形態では、第7実施形態以外の外乱防止カバーにおいて、磁気遮蔽部および周縁部を設けるようにしてもよい。
なお、外乱防止カバーを保護部材の鉛直方向下側に設ける場合であって、地面からの磁界の外乱を考慮しなくてもよく、例えば飛び石等の物理的な衝撃から保護部材を保護可能であればよい場合、外乱防止カバーは、磁性体シール等を設けることなく、全体を非磁性材で形成してもよい。
また、第10実施形態〜第12実施形態では、外乱防止カバーは耐熱材料により形成される。他の実施形態では、第1実施形態〜第9実施形態の外乱防止カバーを、耐熱性も備える素材で形成してもよい。
上記実施形態では、外乱防止カバーは、保護部材の鉛直方向上側の全体が開放されるように形成される。他の実施形態では、外乱保護カバーは、保護部材の鉛直方向上側において、通気可能な程度に開放されていればよい。例えば、外乱防止カバーは、鉛直方向上側においても保護部材を覆って形成され、第4実施形態で説明した通気口と同様の開口が鉛直方向上側の面に形成されるようにしてもよい。
下側開口部は、第1実施形態で4つ、第3実施形態で3つ、第4実施形態で2つ形成される。他の実施形態では、下側開口部は1つでもよいし、5つ以上形成してもよい。
上記実施形態では、外乱防止カバーは、カバー支持部材にねじ止めされる。他の実施形態では、外乱防止カバーを、カバー支持部材にねじ止め以外の方法で固定してもよい。
(イ)保護部材
上記実施形態では、保護部材は、モータと制御部とが一体に形成される機電一体型の駆動装置である。他の実施形態では、保護部材は、駆動装置に限らず、例えば、モータのみであってもよいし、制御部のみであってもよい。また、保護部材は、モータおよび駆動装置を備える駆動装置に限らず、外乱からの保護を要するどのようなものであってもよい。
また、上記実施形態では、保護部材である駆動装置は、電動パワーステアリング装置に適用される。他の実施形態では、保護部材は、電動パワーステアリング装置以外の装置に適用されていてもよい。
(ウ)外乱対象物
第1実施形態〜第9実施形態では、外乱対象物を地面とする。他の実施形態では、外乱対象物を磁束漏れを生じる装置等としてもよい。
上記実施形態では、1つの保護部材に対し、外乱対象物が1つ(地面または高温部材)である。他の実施形態では、例えば、第2実施形態の前方壁部側または後方壁部側に高温部材が配置される場合のように、1つの外乱保護カバーにより、複数の外乱対象物からの外乱(磁界、熱、異物等)から保護部材を保護するようにしてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10、20、30、35、40、45、50、55、60、65〜67・・・外乱防止カバー
11、21、31、36、41、46、51、56、61・・・本体部
651、661、671・・・本体部
15、22、32、37・・・下側開口部(異物排出部)
417、517、567・・・後方端部(異物排出部)
467・・・前方端部(異物排出部)
652、662、672・・・下端部(異物排出部)
69・・・高温部材(外乱対象物)
80・・・駆動装置(保護部材)
G・・・地面(外乱対象物)

Claims (4)

  1. 車両(100)の車室外に搭載される保護部材(80)と地面(G)との間に設けられ、鉛直方向に傾斜して形成される本体部を備え、
    前記本体部の鉛直方向における最下部には、異物排出部が形成され、
    前記保護部材の鉛直方向上側の少なくとも一部は、前記本体部から露出しており、
    前記保護部材は、モータ(81)と、前記モータの駆動を制御する制御部(82)と、磁界の変化を検出するセンサ部(85)と、モータケースと、を備え、ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置(79)に適用される駆動装置(80)であって、
    当該駆動装置は、前記モータと前記制御部とが一体に形成される機電一体型であって、軸方向がラック軸と略平行となるようにラック軸に沿って配置され、
    前記センサ部は、前記モータのシャフトと一体となって回転するマグネット(851)、および、前記マグネットの回転磁界を検出するセンサ素子(855)を有し、前記マグネットは前記制御部寄り、前記センサ素子は前記制御部に設けられ、
    前記本体部は、前方壁部(211)、後方壁部(212)および下方壁部(215)を連続して有し、前記駆動装置を覆い、最下部となる曲げ部に開口部を有し、
    前記下方壁部は、車両の前後方向に傾斜しており、
    前記異物排出部は、前記開口部であって、
    前記本体部において、前記センサ部を地面の方向に投影した領域をセンサ部投影領域とすると、前記開口部は、前記センサ部投影領域とは異なる箇所に形成され
    前記本体部は非磁性体で形成され、前記本体部の内面には、前記センサ部投影領域を覆う磁性体が設けられ、
    前記前方壁部および前記後方壁部は、鉛直方向における前記センサ部の位置より上に延伸されていることを特徴とする外乱防止カバー。
  2. 前記センサ部の地面と反対側の端部と地面との距離をrとすると、
    前記本体部は、前記センサ部の中心から地面に向かう垂線と地面との交点を中心とする半径rの仮想半球を、前記保護部材側と地面側とに分割することを特徴とする請求項に記載の外乱防止カバー。
  3. 前記本体部の前記車両の後方側には、通気口(38)が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の外乱防止カバー。
  4. 前記通気口は、前記後方壁部の、前記異物排出部である前記開口部よりも鉛直方向上側に、前記異物排出部とは別途に設けられる請求項3に記載の外乱防止カバー。
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