JP2016010279A - 車両用送風装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】取付ブラケットに形成された軸挿通穴部から取付ブラケットの他面側への水滴の侵入を防止すると共に、水滴の閉じ込めなどを防止し得るようにする。【解決手段】軸挿通穴部3が設けられた取付ブラケット2と、取付ブラケット2の軸挿通穴部3に貫通配置される出力軸4と、出力軸4における取付ブラケット2の一面側の部分に、出力軸4と一体に回転可能に設置されたロータ5およびファン6と、を有する車両用送風装置1に関する。取付ブラケット2の一面側の、ロータ5とファン6との間の部分に、周方向13に連続する円環状の防水壁31を立設する。円環状の防水壁31の外周側に、防水壁31の外側を取り囲む複数本の防水リブ32を立設する。複数本の防水リブ32は、互いの端部が重複部33を有すると共に、重複部33は、間隙部35を有して離間した状態で重複されるようにする。【選択図】図3

Description

この発明は、車両用送風装置に関するものである。
自動車などの車両には、車室内の温度を調整するために、空調装置が設けられている。この空調装置を構成する空調装置本体(空調ユニットまたはHVACユニット)の内部には、空調用空気を送給するための(車両用)送風装置が設けられている。
この送風装置は、軸挿通穴部が設けられた取付ブラケットと、この取付ブラケットの軸挿通穴部に挿通配置される出力軸と、出力軸における取付ブラケットの一面側の部分に、出力軸と一体に回転可能に設置されたロータおよびファンと、を有するものとされる。取付ブラケットの他面側には、制御基板などが設置される。
上記した車両用送風装置は、制御基板からの制御信号によって(ステータに)回転磁界を発生させることにより、ロータを回転駆動し、出力軸を介してファンを回転させることで、送風を行わせるようになっている。
そして、このような車両用送風装置では、例えば、取付ブラケットの他面側に設置された制御基板などの電子部品類が水滴に弱いので、取付ブラケットに形成された軸挿通穴部から取付ブラケットの他面側への水滴の侵入を防止して制御基板を保護する必要がある。
そこで、例えば、特許文献1では、取付ブラケットの一面側の、ロータとファンとの間の部分に、円環状の防水壁を立設して、円環状の防水壁でロータおよび軸挿通穴部の周囲を取り囲むことにより、空調用空気に含まれる水滴が軸挿通穴部を通って取付ブラケットの他面側へ侵入するのを防止するようにしている。
特開平10−191595号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された車両用送風装置は、防水壁を一重に設けただけの構造となっているので、防水機能がまだ完全ではないという問題があった。
そこで、上記の解決策として、円環状の防水壁の外周側に、更に、円環状の防水壁を設けて、二重の防水壁を形成することで、防水効果をより高められるようにすることなどが考えられる。
しかし、円環状の防水壁を内外二重に設けるようにした場合、二つの防水壁の間へ入ってしまった水滴を排出することができないので、水滴が入ったままの状態が継続されてしまうという問題がある。このように、二つの防水壁の間に水滴が閉じ込められたままの状態になると、例えば、冬季などに、閉じ込められた水滴が凍結するおそれがある。
これに対し、更に、外側に設置した防水壁に対してスリットなどの切込部を設けることにより、二つの防水壁の間へ入った水滴を、切込部を通して外側の防水壁の外側へ排出できるようにすることが考えられる。
しかし、外側の防水壁にスリットを形成すると、これによって、逆に、スリットを通して外側に設けられた防水壁の内側へ水滴が入り込めるようになってしまうため、外側の防水壁による防水効果が低下するという新たな問題が生じることになる。
そこで、本発明は、上記した問題点を解決することを、主な目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、
軸挿通穴部が設けられた取付ブラケットと、
該取付ブラケットの軸挿通穴部に挿通配置される出力軸と、
該出力軸における前記取付ブラケットの一面側の部分に、出力軸と一体に回転可能に設置されたロータおよびファンと、を有する車両用送風装置において、
前記取付ブラケットの一面側の、前記ロータとファンとの間の部分に、周方向に連続する円環状の防水壁を立設し、
更に、該円環状の防水壁の外周側に、防水壁の外側を取り囲む複数本の防水リブを立設し、
該複数本の防水リブは、互いの端部が周方向に対して重複する重複部を有すると共に、該重複部は、半径方向に対し間隙部を有して離間した状態で重複されることを特徴としている。
本発明によれば、上記構成によって、取付ブラケットに形成された軸挿通穴部から取付ブラケットの他面側への水滴の侵入を有効に防止すると共に、水滴の閉じ込めなどを防止することができる。
本実施の形態の実施例にかかる車両用送風装置の全体斜視図である。 図1の縦断面図である。 ファンを外した図1と同様の全体斜視図である。 図3の平面図である。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図4は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
自動車などの車両には、車室内の温度を調整するために、空調装置が設けられている。この空調装置を構成する空調装置本体(空調ユニットまたはHVACユニット)の内部には、空調用空気を送給するための(車両用)送風装置が設けられている。
図1は、この送風装置1を示す全体斜視図である。この送風装置1は、図2の縦断面図に示すように、少なくとも、軸挿通穴部3が設けられた取付ブラケット2と、この取付ブラケット2の軸挿通穴部3に挿通配置される出力軸4と、この出力軸4における取付ブラケット2の一面側(図中上面側)の部分に、出力軸4と一体に回転可能に設置されたロータ5およびファン6と、を有するものとされる。取付ブラケット2の他面側(図中下面側)には、制御基板7などが設置される。
この場合、送風装置1には、ブラシレスモータが使用されている。このブラシレスモータの取付ブラケット2の一面側には、軸挿通穴部3を包囲するように筒状のインシュレータ11が、ネジなどの固定部材12を用いて立設状態で固定されている。このインシュレータ11の立設方向の中間部には、周方向13に複数のティース部14を有するステータコア15が取付けられ、このステータコア15の各ティース部14には、ステータコイル16(電磁石)がそれぞれ巻き付けられている。そして、これらのインシュレータ11、ステータコア15、ステータコイル16などによってステータ17(固定子)が構成されている。
また、インシュレータ11の立設方向の両端部には、それぞれ軸受18が取付けられており、この軸受18を介して上記した出力軸4が回転可能に軸支されている。
そして、出力軸4のインシュレータ11から突出した部分には、端壁部21aや周壁部21bを有する有底円筒状のヨーク21が、ステータ17の外周を覆うように、出力軸4と一体的に回転可能に取付けられている。このヨーク21の周壁部21bの内面には、上記ステータコイル16と間隔を有して対向するように複数のマグネット23(この場合には永久磁石)が取付けられている。そして、これらの出力軸4、ヨーク21、マグネット23などによって上記したロータ5(回転子)が形成されている。このように、ステータ17の外周側にロータ5が位置することによってブラシレスモータは、アウターロータ型のものとされている。
更に、上記したファン6は、出力軸4のロータ5から突出した部分に、ロータ5の外周を覆うように取付けられている。このファン6には、複数枚の羽根を周方向13に並べて成るシロッコファンなどが使用されている。
また、制御基板7は、取付ブラケット2の他面側に取付けられた保護ケース25の内部に収容設置されている。但し、制御基板7の設置位置は、取付ブラケット2の他面側に限るものではない。
以上のような基本的な構成に対し、この実施例では、以下のような構成を備えるようにしている。
(1)図3の斜視図、図4の平面図に示すように(図2も併せて参照)、上記取付ブラケット2の一面側の、上記ロータ5とファン6との間の部分に、周方向13に連続する円環状の防水壁31を立設する。
更に、この円環状の防水壁31の外周側に、防水壁31の外側を取り囲む複数本の防水リブ32を立設する。
この複数本の防水リブ32は、互いの端部が周方向13に対して重複する重複部33を有するものとされる。また、この重複部33は、半径方向に対し間隙部35を有して離間した状態で重複される。
ここで、複数本の防水リブ32は、取付ブラケット2の一面側における、ファン6の下部に、円環状の防水壁31から所要距離離して設けられる。この場合、防水壁31と防水リブ32とは、内側の防水壁31が外側の防水リブ32よりも高くなるように形成されている。この防水リブ32は、周方向13にほぼ等しい長さで3本設けられているが、2本以上であれば、何本設けても良い。重複部33は、周方向13に対し、10°〜30°程度の角度を有して重複されるようになっているが、重複角度については、上記範囲以上としても良い。
(2)上記複数本の防水リブ32が、上記ファン6の回転方向に対して外周側へ広がるスクロール形状となるように設置される。
ここで、ファン6の回転方向は、周方向13における図中反時計回りの方向となっているが、時計回りであっても良い。ファン6の回転方向に対して外周側へ広がるとは、防水リブ32が、回転方向へ進むに従って外側へ向かうように延びることである。取付ブラケット2の一面側は、平らな面とされているが、少なくとも、防水壁31と防水リブ32との間の部分に対して、排水用の勾配部45を設けるようにしても良い。この排水用の勾配部45は、例えば、軸挿通穴部3の中心から遠ざかるに従って、高さレベルが低くなって行く、下り勾配のものとされる。または、ファン6の回転方向へ進むに従い、間隙部35へ向かって下り勾配となるようなものとされる。
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
車両用送風装置1は、制御基板7からの制御信号によって(ステータ17に)回転磁界を発生させることで、ロータ5を回転駆動し、出力軸4を介してファン6を回転させるようになっている。このファン6の回転により送風を行うことができる。
そして、このような車両用送風装置1では、例えば、取付ブラケット2の他面側に設置された制御基板7などの電子部品類が、水滴に対して弱いので、外部(即ち、取付ブラケット2の一面側から)の水滴が取付ブラケット2に形成された軸挿通穴部3から取付ブラケット2の他面側へ侵入するのを防止して、制御基板7を保護する必要がある。
(1)そこで、取付ブラケット2の一面側の、ロータ5とファン6との間の部分に、周方向13に連続する円環状の防水壁31を(一体的に)立設した。これにより、円環状の防水壁31がロータ5および軸挿通穴部3を取り囲むことで、外部の水滴が防水壁31を乗り越え難くなるようにして、水滴が軸挿通穴部3を通って取付ブラケット2の他面側へ侵入するのを抑制し、防止することができる。よって、取付ブラケット2の他面側に設けられた制御基板7などを保護することができる。
そして、円環状の防水壁31の外周側に、更に複数本の防水リブ32を立設して、防水壁31の外側を取り囲ませるようにした。これにより、二重の防水構造が得られることになるので、取付ブラケット2の他面側への水滴の侵入がより有効に防止されるようになり、防水性をより高めることができる。
この際、複数本の防水リブ32の端部を、間隙部35を有して重複される重複部33とした。これにより、互いの端部が周方向13については重複されると共に、半径方向については離間した状態で重複されることになるので、仮に、外側の防水リブ32と、内側の防水壁31との間に水滴が侵入した場合でも、侵入した水滴を、ファン6の停止時などに、防水リブ32の端部における重複部33間の間隙部35を通して防水リブ32の外側へ逃す(排水させる)ことが可能となる。しかも、上記間隙部35は、防水リブ32の端部における互いに重複された重複部33の間に形成されるので、防水リブ32による防水効果が低下するのを抑制することができる。また、例えば、冬季などに、防水壁31と防水リブ32との間の部分で水滴が凍結するような不具合も防止できる。
このように、高い防水性と排水性とを両立させることができるので、防水限界を引き下げることが可能となり、その分、防水壁31や防水リブ32の高さを低くすることが可能となる。
(2)更に、複数本の防水リブ32を、軸挿通穴部3の中心に対して半径方向で且つ周方向13へ向けて延びるスクロール形状(放射渦形状)となるように設置した。しかも、複数本の防水リブ32を、ファン6の回転方向に対して外周側へ広がるスクロール形状にした。これにより、ファン6の回転によって生じる風が、スクロール形状をした防水リブ32に沿って外周側へ広がるように案内されることになる。そして、この外周側へ広がる風の流れによって、スクロール形状をした防水リブ32の内側から外側へ向かう負圧吸引作用が発生されることとなる。その結果、ファン6の回転によって生じる風、および、この風に同伴された水滴が、負圧吸引作用に逆らってスクロール形状の防水リブ32の内側へ侵入するようなことを防止することができる。また、外側の防水リブ32と内側の防水壁31との間に侵入した水滴を、上記した負圧吸引作用を利用して強制的に防水リブ32の外側へ排出させることができる。或いは、外側の防水リブ32と内側の防水壁31との間に侵入した水滴が内側の防水壁31を越えないように負圧吸引作用で外側へ引き寄せることができる。このように、二重の防水構造に加えて、ファン6の回転による風の流れを有効活用することで、防水性を更に高めることができる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものである。よって、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例がこの発明のものとして開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
1 (車両用)送風装置
2 取付ブラケット
3 軸挿通穴部
4 出力軸
5 ロータ
6 ファン
7 制御基板
31 防水壁
32 防水リブ
33 重複部
35 間隙部

Claims (2)

  1. 軸挿通穴部が設けられた取付ブラケットと、
    該取付ブラケットの軸挿通穴部に挿通配置される出力軸と、
    該出力軸における前記取付ブラケットの一面側の部分に、出力軸と一体に回転可能に設置されたロータおよびファンと、を有する車両用送風装置において、
    前記取付ブラケットの一面側の、前記ロータとファンとの間の部分に、周方向に連続する円環状の防水壁を立設し、
    更に、該円環状の防水壁の外周側に、防水壁の外側を取り囲む複数本の防水リブを立設し、
    該複数本の防水リブは、互いの端部が周方向に対して重複する重複部を有すると共に、該重複部は、半径方向に対し間隙部を有して離間した状態で重複されることを特徴とする車両用送風装置。
  2. 請求項1に記載の車両用送風装置であって、
    前記複数本の防水リブが、前記ファンの回転方向に対して外周側へ広がるスクロール形状となるように設置されたことを特徴とする車両用送風装置。
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Cited By (6)

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DE102016203892A1 (de) * 2016-03-09 2017-09-14 Mahle International Gmbh Gebläseanordnung
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