JP6485186B2 - ボイラシステム - Google Patents
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Description
このようなボイラシステムにおいては、その圧力位置によって必要蒸気量が一意的に定まる、いわゆる比例分配制御方式を採用している(例えば、特許文献1参照)。
その後、実際の出力蒸気量が増加し始めて、ヘッダ圧力が上昇に転じた時点(時刻T6)においても、実際の出力蒸気量<必要蒸気量となるため、それ以降も実際の出力蒸気量を増加し続ける。
ボイラシステムは、時刻T7〜T8において再度全てのボイラが全台待機となり、ヘッダ圧力が急下降する事態となる。その結果、図8に示すように、ボイラシステムは、オーバーシュートとアンダーシュートを繰り返し、ヘッダ圧力が上下に変動するハンチング現象が発生し、継続することになる。
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るボイラシステム1について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るボイラシステム1の概略を示す図である。
図1に示すように、ボイラシステム1は、複数(5台)のボイラ20を含むボイラ群2と、ボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気集合部としての蒸気ヘッダ6と、蒸気圧測定手段としての蒸気圧センサ7と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する制御部4を有する台数制御装置3と、を備える。
ボイラ群2は、負荷機器としての蒸気使用設備18に供給する蒸気を生成する。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御時においては、この蒸気消費量に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧の変動を、蒸気圧センサ7が測定するヘッダ圧力値(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼量を制御する。
第1実施形態のボイラ20は、選択された燃焼位置に応じて燃焼量を段階的に増減可能な段階値制御ボイラからなる。
段階値制御ボイラとは、燃焼を選択的にオン/オフしたり、炎の大きさを調整すること等により燃焼量を制御して、選択された燃焼位置に応じて燃焼量を段階的に増減可能なボイラである。図2に示すように、ボイラ20は、4位置(燃焼停止位置、低燃焼位置、中燃焼位置及び高燃焼位置)制御ボイラとしている。
台数制御装置3は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧力信号に基づいて、要求負荷に応じたボイラ群2の必要燃焼量、及び必要燃焼量に対応する各ボイラ20の燃焼状態を算出し、各ボイラ20(ローカル制御部22)に台数制御信号を送信する。この台数制御装置3は、図1に示すように、制御部4と、記憶部5と、を備える。
また、記憶部5は、後述する補正必要蒸気量算出に係る設定条件として、第1補正時間(T)又は補正回数最大値(N)を記憶することができる。
次に、制御部4の詳細な構成について説明する。図3に示すように、制御部4は、必要蒸気量算出部41と、第1検出部42と、最初の補正必要量算出部43と、補正必要量算出部44と、出力制御部45と、を含んで構成される。
必要蒸気量算出部41は、制御周期毎に、ヘッダ圧力値と設定圧力範囲の上限圧力値との差分である圧力偏差に基づいて、必要蒸気量MVnを算出する。ここで、添字nは、制御周期毎に行われる繰り返し演算の演算回数(n回目:n=1,2,…の正の整数値)を示す。
より具体的には、必要蒸気量算出部41は、制御周期毎に、ヘッダ圧力値PVの圧力偏差PD1(設定圧力範囲の上限圧力値Pmaxとヘッダ圧力値PVとの差分)を、設定圧力範囲の上限圧力値と下限圧力値との差分である制御幅P1で除算した比率PR1に基づいて、要求負荷に応じたボイラで発生すべき蒸気量(以下、「必要蒸気量MVn」ともいう)を式1により算出する。
必要蒸気量MVn=最大蒸気量JG×PR1 ・・・(式1)
ここで、最大蒸気量JGとは、ボイラ群2を構成するボイラ20それぞれに予め設定された最大燃焼状態(高燃焼位置)における蒸気量(最大蒸気量)の合計である。
第1検出部42は、ヘッダ圧力値PVに所定の条件を満たす下降が発生し、その後前記ヘッダ圧力値PVが下降から上昇に転じたことを検出する(以下、検出された状態を「第1状態」ともいう)。
ここで、所定の条件とは、例えばヘッダ圧力値PVがオーバーシュートしたことに起因してヘッダ圧力値PVが下降すること、又はヘッダ圧力値PVが下降してアンダーシュートすることを含んでもよい。
さらに、所定の条件とは、例えばヘッダ圧力値PVが制御上限圧力値を超えること、又はヘッダ圧力値PVが制限下限圧力値(通常制御であれば到達しない下限圧力)を下回ることを含んでもよい。
さらに、所定の条件とは、ヘッダ圧力値PVが該制御上限圧力値を超えた場合に、全てのボイラ20を全台待機とすることを含んでもよい。
最初の補正必要蒸気量設定部43は、第1検出部42により第1検出状態(ヘッダ圧力値PVの下降から上昇に転じたこと)が検出された場合、今回必要蒸気量MVnの初回(n=1)の算出処理において、当該検出時点又は初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべてのボイラ20により出力されている出力蒸気量の合計値となる最初の補正必要蒸気量MVn´を今回必要蒸気量MVnとして設定する。
補正必要蒸気量算出部44は、最初の補正必要蒸気量設定部43により設定された初回(n=1)の制御周期における補正必要蒸気量MVn´を起点として、第1補正時間Tの経過前まで、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、前回補正必要蒸気量MVn−1´を増加させて(例えば、前回補正必要蒸気量MVn−1´に今回補正必要蒸気量変化分ΔMVn´を加算して)、今回補正必要蒸気量MVn´を算出して、今回の必要蒸気量MVnとして設定する。
そして、補正必要蒸気量算出部44は、第1補正時間Tの経過後に、今回補正必要蒸気量MVn´が必要蒸気量算出部41により算出される今回必要蒸気量MVnに収束するように、今回補正必要蒸気量MVn´を算出する。
まず、補正必要蒸気量算出部44は、整数Nmax(以下「補正回数最大値」ともいう)を式2に示すように、第1補正時間Tを制御周期Δtで除算して算出する。
Nmax = T/Δt (式2)
ΔMVn´=(MVn−MVn−1´)/(Nmax−N+1) (式3)
式3において、MVn:現時点の必要蒸気量(今回必要蒸気量)、MVn−1´:前回の制御周期時点の補正必要蒸気量、ΔMVn´:今回補正必要蒸気量変化分である。ここで、添字nは、繰り返し演算の演算回数(n回目:n=1,2,…,Nの正の整数値)を示す。また、補正回数Nは、補正実施毎に1を加算する。
MVn´=MVn−1´+ΔMVn´ (式4)
なお、式3、式4は一例であって、補正必要蒸気量算出部44の補正必要蒸気量の算出方法については、これに限定されない。
出力制御部45について、最初に、通常時の制御機能(以下、「通常制御」ともいう)について説明する。
<通常制御>
通常時において、出力制御部45は、制御周期毎に必要蒸気量算出部41により算出された必要蒸気量MVnと、制御周期毎に算出した、ボイラ群2の燃焼しているすべてのボイラ20により出力されている出力蒸気量の合計値である出力蒸気量JTとの偏差量(今回必要蒸気量MVn−出力蒸気量JT)及びヘッダ圧力値PVの変動状態に基づいて、それぞれのボイラ20の燃焼位置を選択することで、燃焼状態を制御する。
具体的には、例えば、次のように行うことができる。
今回制御周期のヘッダ圧力が前回制御周期に測定したヘッダ圧力値と比較して下降している場合であって、
今回必要蒸気量MVn>出力蒸気量JT
を満たす場合、出力制御部45は、燃焼量不足と判断して、差分蒸気量(今回必要蒸気量MVn−出力蒸気量JT)の蒸気量に該当する燃焼量を増加させるように、燃焼位置を変更する。
出力制御部45は、差分蒸気量に最も近い燃焼位置を優先的に選択するものとし、該当する燃焼位置が複数ある場合には、予め設定された優先順位に基づいて選択することができる。
なお、今回制御周期のヘッダ圧力が前回制御周期に測定したヘッダ圧力値と比較して下降している場合であって、
今回必要蒸気量MVn≦出力蒸気量JT
を満たす場合は、出力制御部45は、現状の燃焼状態を維持することができる。
今回制御周期のヘッダ圧力が前回制御周期に測定したヘッダ圧力値と比較して上昇している場合であって、
今回必要蒸気量MVn<出力蒸気量JT
を満たす場合、出力制御部45は、燃焼量過剰と判断して、(出力蒸気量JT−今回必要蒸気量MVn)の蒸気量に該当する燃焼量を減少させるように、燃焼位置を変更する。
この際、出力制御部45は、差分蒸気量に最も近い燃焼位置を優先的に選択するものとし、該当する燃焼位置が複数ある場合には、予め設定された優先順位に基づいて選択することができる。
なお、ヘッダ圧力が前回制御周期に測定したヘッダ圧力値と比較して上昇している場合であって、
今回必要蒸気量MVn≧出力蒸気量JT
を満たす場合は、出力制御部45は、現状の燃焼状態を継続することができる。
次に、第1検出部42により、第1検出状態(ヘッダ圧力値PVに所定の条件を満たす下降が発生し、その後、ヘッダ圧力値PVが下降から上昇に転じたこと)を検出した場合の出力制御部45の処理について説明する。
出力制御部45は、第1検出部42により第1検出状態が検出された場合、今回必要蒸気量MVnの初回(n=1)の算出処理において、最初の補正必要蒸気量設定部43により設定された初回(n=1)の制御周期における補正必要蒸気量MVn´を発生させるように複数のボイラ20の燃焼状態を制御する。
その後、第1補正時間Tの経過前まで(すなわち、N≦Nmaxまで)、出力制御部45は、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、補正必要蒸気量算出部44により算出された今回補正必要蒸気量MVn´を発生させるように複数のボイラ20の燃焼状態を制御する。
そして、出力制御部45は、第1補正時間Tの経過後は、必要蒸気量算出部41により算出された今回必要蒸気量MVnを発生させるように複数のボイラ20の燃焼状態を制御する。
具体的には、例えば、次のように行われる。
こうすることで、第1検出部42により第1検出状態が検出された後の初回(n=1)の制御周期において、
今回必要蒸気量MVn´ = 出力蒸気量JT
を満たし、出力制御部45は、現状の燃焼状態を継続する。
具体的には、次回以降(n≧2)の制御周期において、出力制御部45は、蒸気量の増加分が(今回補正必要蒸気量MVn´− 出力蒸気量JT)に最も近く、出力蒸気量の変更後に、条件(今回補正必要蒸気量MVn´ ≧ 今回出力蒸気量JTn )を満足するように、それぞれのボイラ20の燃焼位置を選択する。
この際、出力制御部45は、差分蒸気量に最も近い燃焼位置を優先的に選択するものとし、該当する燃焼位置が複数ある場合には、予め設定された優先順位に基づいて選択することができる。
こうすることで、ヘッダ圧力値の下降が所定の条件を満たす急激な下降である場合、ヘッダ圧力値を速やかに設定圧力範囲内に収束させることで、ハンチング現象を未然に防止し、ハンチング現象が発生した場合には、ハンチング現象を速やかに収束させることができる。
例えば、予め、補正回数最大値となる整数Nmaxを設定して、制御周期時間Δtに整数Nmaxを乗算することで、第1補正時間Tを算出してもよい。
今回補正必要蒸気量MVn´ ≧ 今回必要蒸気量MVn (条件1)
この場合、補正必要蒸気量算出部44の補正を終了した以降、出力制御部45は、制御周期において必要蒸気量算出部41により算出される本来の必要蒸気量MVnを発生させるように複数のボイラ20の燃焼状態を制御する。
ステップST1において、制御部4は、補正回数Nの初期設定、第1検出フラグデータのリセット、第1補正時間T及び補正回数最大値Nmax等の初期設定をする。ここで、第1検出フラグデータは、レジスタ、ビットメモリ等を適宜用い、第1検出部42が、第1状態を判定した場合に、セットされる。
ステップST2において、必要蒸気量算出部41は、制御周期毎において、蒸気圧センサ7から送信された蒸気圧信号に基づいて、ヘッダ圧力値PVを取得する。
補正回数Nが補正回数最大値Nmax未満の場合(Yes)、ステップST9に移る。補正回数Nが補正回数最大値Nmax以上の場合(No)、ステップST10に移る。
その後、ステップS11に移る。
その後、ステップST2に戻る。
今回補正必要蒸気量MVn´ ≧ 今回必要蒸気量MVn (条件1)
なお、上述したフローチャートは、一例であって、これに限定されるものではない。
その後、出力蒸気量が増加し始めて、ヘッダ圧力値が上昇に転じた時点(時刻T6)において、第1検出部42は、第1状態(ヘッダ圧力値PVに所定の条件を満たす下降が発生した後にヘッダ圧力値PVが下降から上昇に転じた事象が発生したこと)を検出する。
その後、補正必要蒸気量算出部44は、最初の補正必要蒸気量設定部43により設定された初回(n=1)の制御周期における補正必要蒸気量MVn´を起点として、第1補正時間Tの経過前(時刻TN)まで、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、前回補正必要蒸気量MVn−1´を増加させて(例えば、前回補正必要蒸気量MVn−1´に今回補正必要蒸気量変化分ΔMVn´を加算して)、今回補正必要蒸気量MVn´を算出して、今回の必要蒸気量MVnとして設定する。
第1補正時間Tの経過後(時刻TN)に、補正必要蒸気量算出部44により算出される今回補正必要蒸気量MVn´が必要蒸気量算出部41により算出される今回必要蒸気量MVnに合致することで、補正必要蒸気量算出部44は、補正を終了する。
こうすることで、ボイラシステム1は、図6に示すように、T6以降において、ヘッダ圧力値PVがオーバーシュートすることなく、実際の出力蒸気量は、蒸気消費量(要求負荷)の変動に速やかに追従することになる。そして、ヘッダ圧力値PVは、設定圧力範囲に収まる。
その後、補正必要蒸気量算出部44は、最初の補正必要蒸気量設定部43により設定された初回(n=1)の制御周期における補正必要蒸気量MVn´を起点として、第1補正時間Tの経過前(時刻TN)まで、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、前回補正必要蒸気量MVn−1´を増加させて(例えば、前回補正必要蒸気量MVn−1´に今回補正必要蒸気量変化分ΔMVn´を加算して)、今回補正必要蒸気量MVn´を算出して、今回の必要蒸気量MVnとして設定することができる。
そうすることで、出力制御部42は、それ以降、指示蒸気量とボイラ20の出力蒸気量との遅延をなくすることができる。その結果、ボイラシステム1において出力蒸気量は、蒸気消費量(要求負荷)の変動に速やかに追従することができる。
また、ヘッダ圧力値PVが制限下限圧力値(通常制御であれば到達しない下限圧力)を下回る場合においても、第1実施形態に係るボイラシステム1は、上記と同様の動作を行うことで同様の効果が得られる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様な構成については詳細な説明を省略する。第2実施形態において、特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様な効果が奏される。
MVn´=MVn−1´+ΔMV (式5)
補正必要蒸気量MVn´ ≧ 必要蒸気量MVn (条件1)
ステップST2において、必要蒸気量算出部41は、制御周期毎において、蒸気圧センサ7から送信された蒸気圧信号に基づいて、ヘッダ圧力値PVを取得する。
その後、ステップS12に移る。
その後、ステップST2に戻る。
これにより、第1実施形態に係る比例分配制御方式を用いるボイラシステム1は、ヘッダ圧力値PVが下降から上昇に転じた時点以降で、比例分配制御方式により算出される必要蒸気量とボイラ20の実際の出力蒸気量との遅延をなくすることができ、ボイラシステム1の出力蒸気量は、蒸気消費量(要求負荷)の変動に速やかに追従することができる。その結果、ボイラシステム1の圧力安定性を向上させることができる。
これにより、第2実施形態に係る比例分配制御方式を用いるボイラシステム1は、ヘッダ圧力値PVが下降から上昇に転じた時点以降で、比例分配制御方式により算出される必要蒸気量とボイラ20の実際の出力蒸気量との遅延をなくすることができ、ボイラシステム1の出力蒸気量は、蒸気消費量(要求負荷)の変動に速やかに追従することができる。その結果、ボイラシステム1の圧力安定性を向上させることができる。
これにより、第1実施形態及び第2実施形態に係る比例分配制御方式を用いるボイラシステム1においては、ヘッダ圧力値PVが下降から上昇に転じた時点以降で、比例分配制御方式により算出される必要蒸気量とボイラ20の実際の出力蒸気量との遅延をなくすることができ、ボイラシステム1の出力蒸気量は、蒸気消費量(要求負荷)の変動に速やかに追従することができる。その結果、ボイラシステム1の圧力安定性を向上させることができる。
これにより、第1実施形態及び第2実施形態に係る比例分配制御方式を用いるボイラシステム1においては、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力値が下降から上昇に転じた時点でボイラ群2の実際の出力蒸気量が必要蒸気量に追いついていないことに起因する、ハンチング現象の発生を防止できる。その結果、ボイラシステム1の圧力安定性を向上させることができる。
これにより、第1実施形態及び第2実施形態に係る比例分配制御方式を用いるボイラシステム1においては、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力値が下降から上昇に転じた時点でボイラ群2の実際の出力蒸気量が必要蒸気量に追いついていないことに起因する、ハンチング現象の発生とその継続を防止できる。その結果、ボイラシステム1の圧力安定性を向上させることができる。
より具体的には、第1実施形態と同様に、必要蒸気量算出部41による今回必要蒸気量MVnは、式1に基づいて算出される。また、最初の補正必要蒸気量算出部43による、初回(n=1)の制御周期における補正必要蒸気量MVn´の算出処理、及び補正必要蒸気量算出部44による、次回以降(n≧2)の制御周期毎の今回補正必要蒸気量MVn´の算出処理についても、第1実施形態と同様に、算出される。
そして、出力制御部45は、必要蒸気量算出部41、最初の補正必要蒸気量算出部43、又は補正必要蒸気量算出部44により設定されている今回必要蒸気量MVnに基づいて、ボイラの燃焼率を連続的に制御することにより、今回必要蒸気量MVnを出力するように制御することができる。
2 ボイラ群
3 台数制御装置
4 制御部
5 記憶部
6 蒸気ヘッダ
7 蒸気圧センサ
18 蒸気使用設備
20 ボイラ
41 必要蒸気量算出部
42 第1検出部
43 最初の補正必要量算出部
44 補正必要量算出部
45 出力制御部
Claims (7)
- 複数台のボイラからなるボイラ群と、
前記ボイラ群において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダと、
前記蒸気ヘッダの内部の蒸気圧であるヘッダ圧力値を測定する蒸気圧力測定手段と、
予め、設定圧力範囲と前記設定圧力範囲の上限圧力値と下限圧力値との差分である制御幅が設定され、要求負荷に応じて前記蒸気圧力測定手段により測定される前記ヘッダ圧力値が、前記設定圧力範囲に収まるように前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、
を備えるボイラシステムであって、
前記制御部は、
制御周期毎に、前記ヘッダ圧力値と前記設定圧力範囲の上限圧力値との差分である圧力偏差に基づいて、今回必要蒸気量MVnを算出する必要蒸気量算出部と、
前記ヘッダ圧力値に所定の条件を満たす下降が発生し、その後前記ヘッダ圧力値が下降から上昇に転じた第1状態を検出する第1検出部と、
前記第1検出部により前記第1状態が検出された場合、今回必要蒸気量MVnの初回(n=1)の算出処理において、前記第1状態の検出時点又は初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべてのボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値となる最初の補正必要蒸気量MVn´を今回必要蒸気量MVnとして設定する、最初の補正必要蒸気量設定部と、
前記最初の補正必要蒸気量設定部により設定された初回(n=1)の制御周期における補正必要蒸気量MVn´を起点として、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、前回補正必要蒸気量MVn−1´を増加させて、今回補正必要蒸気量MVn´を算出して、今回必要蒸気量MVnとして設定し、予め設定された第1補正時間の経過後に、今回補正必要蒸気量MVn´が前記必要蒸気量算出部により算出される今回必要蒸気量MVnに収束するように、今回補正必要蒸気量MVn´を算出し、前記第1補正時間の経過後に、今回補正必要蒸気量MVn´の算出を終了する補正必要蒸気量算出部と、
前記第1検出部により前記第1状態が検出された場合、前記最初の補正必要蒸気量設定部により設定された初回(n=1)の制御周期における補正必要蒸気量MVn´を発生させて、前記第1補正時間Tの経過前まで、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、前記補正必要蒸気量算出部により算出された今回補正必要蒸気量MVn´を発生させるように前記複数台のボイラの燃焼状態を制御し、
前記第1補正時間の経過後、前記必要蒸気量算出部により算出された今回必要蒸気量MVnを発生させるように前記複数台のボイラの燃焼状態を制御する出力制御部と、
を備えるボイラシステム。 - 前記補正必要蒸気量算出部は、さらに、
前記次回以降(n≧2)の制御周期において算出した今回補正必要蒸気量MVn´が前記必要蒸気量算出部により算出した今回必要蒸気量MVn以上となる場合、今回補正必要蒸気量MVn´の算出を終了し、
前記出力制御部は、さらに、
前記第1補正時間の経過前の次回以降(n≧2)の制御周期において、前記補正必要蒸気量算出部により算出された今回補正必要蒸気量MVn´が今回必要蒸気量MVn以上となる場合、前記必要蒸気量算出部により算出された今回必要蒸気量MVnを発生させるように前記複数台のボイラの燃焼状態を制御する、請求項1に記載のボイラシステム。 - 前記補正必要蒸気量算出部は、
前記第1補正時間を制御周期で除算することにより、補正回数最大値Nmaxを算出し、
前記最初の補正必要蒸気量設定部により初回(n=1)の制御周期における補正必要蒸気量MVn´の算出処理を、補正回数1としてカウントし、
前記第1補正時間の経過前まで次回以降(n≧2)の制御周期毎に、前回の補正回数に1を加算した今回の補正回数Nと、補正回数最大値Nmaxから前回の補正回数(N−1)を減算した残り補正回数(Nmax−N+1)と、を算出し、
前記必要蒸気量算出部により算出した今回必要蒸気量MVnと前記補正必要蒸気量算出部により算出した前回補正必要蒸気量MV(n−1)´との差分を、前記残り補正回数(Nmax−N+1)で除算して今回補正必要蒸気量変化分ΔMVnを算出し、
前回補正必要蒸気量MV(n−1)´に今回補正必要蒸気量変化分ΔMVnを加算して、今回補正必要蒸気量MVn´を算出する、
請求項1又は請求項2に記載のボイラシステム。 - 段階的な燃焼位置で燃焼可能な、複数台のボイラからなるボイラ群と、
前記ボイラ群において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダと、
前記蒸気ヘッダの内部の蒸気圧であるヘッダ圧力値を測定する蒸気圧力測定手段と、
予め、設定圧力範囲と前記設定圧力範囲の上限圧力値と下限圧力値との差分である制御幅が設定され、要求負荷に応じて前記蒸気圧力測定手段により測定される前記ヘッダ圧力値が、前記設定圧力範囲に収まるように前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、
を備えるボイラシステムであって、
前記制御部は、
制御周期毎に、前記ヘッダ圧力値と前記設定圧力範囲の上限圧力値との差分である圧力偏差に基づいて、今回必要蒸気量MVnを算出する必要蒸気量算出部と、
前記ヘッダ圧力値に所定の条件を満たす下降が発生し、その後前記ヘッダ圧力値が下降から上昇に転じた第1状態を検出する第1検出部と、
前記第1検出部により前記第1状態が検出された場合、今回必要蒸気量MVnの初回(n=1)の算出処理において、前記第1状態の検出時点又は初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべてのボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値となる最初の補正必要蒸気量MVn´を今回必要蒸気量MVnとして設定する、最初の補正必要蒸気量設定部と、
前記最初の補正必要蒸気量設定部により設定された初回(n=1)の制御周期における補正必要蒸気量MVn´を起点として、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、第1の必要蒸気量変化分を増加側に加算して、今回補正必要蒸気量MVn´を算出して、今回必要蒸気量MVnとして設定し、今回補正必要蒸気量MVn´が前記必要蒸気量算出部により算出した今回必要蒸気量MVn以上となる場合、今回補正必要蒸気量MVn´の算出を終了する補正必要蒸気量算出部と、
前記第1検出部により前記第1状態が検出された場合、前記最初の補正必要蒸気量設定部により設定された初回(n=1)の制御周期における補正必要蒸気量MVn´を発生させて、
次回以降(n≧2)の制御周期毎に前記補正必要蒸気量算出部により算出された今回補正必要蒸気量MVn´が、前記必要蒸気量算出部により算出した今回必要蒸気量MVn以下の場合、今回補正必要蒸気量MVn´を発生させるように前記複数台のボイラの燃焼状態を制御し、
前記補正必要蒸気量算出部により算出した今回補正必要蒸気量MVn´が、前記必要蒸気量算出部により算出した今回必要蒸気量MVn以上となる場合、前記必要蒸気量算出部により算出された今回必要蒸気量MVnを発生させるように前記複数台のボイラの燃焼状態を制御する出力制御部と、
を備えるボイラシステム。 - 前記所定の条件は、前記ヘッダ圧力値がオーバーシュートしたことに起因して前記ヘッダ圧力値が下降すること、又は前記ヘッダ圧力値が下降してアンダーシュートすることを含む、請求項1乃至請求項4に記載のボイラシステム。
- 前記所定の条件は、前記ヘッダ圧力値が予め設定された制御上限圧力値を超えること、又は前記ヘッダ圧力値が予め設定された制御下限圧力値を下回ることを含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のボイラシステム。
- 前記所定の条件は、前記ヘッダ圧力値が前記制御上限圧力値を超えた場合に、前記複数台のボイラを全台待機とすることを含む、請求項6に記載のボイラシステム。
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