JP6341073B2 - ボイラシステム - Google Patents

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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Description

本発明は、蒸気集合部(以下、「蒸気ヘッダ」ともいう)の内部の蒸気圧が設定圧力範囲に収まるように、制御対象のボイラの燃焼量を制御する台数制御手段を備えるボイラシステムに関する。
複数のボイラからなるボイラ群により構成されるボイラシステムでは、ボイラ群において生成された蒸気を蒸気ヘッダに集合し、この蒸気ヘッダから負荷機器に対して蒸気を供給する。このようなボイラシステムでは、蒸気ヘッダ内の蒸気の圧力(蒸気圧)が設定圧力範囲に収まるように、制御対象のボイラの燃焼量を制御することとしている。このようなボイラシステムでは、蒸気ヘッダの蒸気圧力(以下、「ヘッダ圧力」又は「蒸気ヘッダ圧力」ともいう)が蒸気消費量の変動にかかわらず、設定圧力範囲に収まるように、蒸気消費量の変動に応じてボイラの燃焼量が制御される。
このようなボイラシステムにおいては、その圧力位置によって必要蒸気量が一意的に定まる、いわゆる比例分配制御方式を採用している(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−208817号公報
ところで、比例分配制御方式による蒸気量の制御では、圧力安定性を重要視する観点から、予め、設定圧力範囲の上限圧力値以上の値である比例分配設定圧力(以下「制御上限圧力」ともいう)を設けておき、ヘッダ圧力が比例分配設定圧力を超えた場合に、全てのボイラを燃焼停止状態(以下、「全台待機」ともいう)とする台数制御を行うことがある。このような場合、ヘッダ圧力が不安定となり、ハンチングを引き起こす場合がある。
また、複数のボイラを備えるボイラシステムでは、ボイラを台数制御対象外のボイラ(以下、「手動運転ボイラ」ともいう)として運転員の手動により燃焼量を制御する場合がある。これに対して、台数制御対象となるボイラを、「自動運転ボイラ」という。
なお、ボイラが手動運転になる要因としては、例えば、台数制御装置とボイラとの間で通信不良が発生し、台数制御装置からボイラに対する台数制御信号が不通になった場合、台数制御装置に障害が発生し、台数制御装置が正常に動作できなくなった場合、ヘッダ圧力が下がり過ぎて、バックアップ用に設けられた圧力スイッチが働き、全台のボイラに手動運転指令が出る場合、及びヘッダ圧力を測定する蒸気圧センサに障害が発生し、全台のボイラに手動運転指令が出る場合等が挙げられる。
ボイラ群を手動運転している状態では、ヘッダ圧力は制御部に設定された目標圧力よりも高い圧力で安定することが知られている。
これは、ボイラ燃焼中は配管内において圧損が発生することにより、ヘッダ圧力がボイラ圧力よりも低くなるため、手動運転ボイラのボイラ圧力設定において、ボイラ圧力を実際の圧損以上に高めに設定する傾向があることによる。このような場合、全台のボイラを手動運転している状態では、ヘッダ圧力が目標圧力よりも高めに推移することとなる。
この状態で、ボイラ群が手動運転から自動運転に復帰した場合の動作について、図6を参照して説明する。図6に示すように、ボイラ群が手動運転から自動運転に復帰した時点(t1)のヘッダ圧力値が、制御上限圧力値を超えている場合、即時に全台待機となる。全台待機によりヘッダ圧力が急激に低下する。その後、ヘッダ圧力値が設定圧力範囲の上限値を下回ると(t2)、ボイラに対して燃焼指示がなされる。しかしながら、一旦待機状態となったボイラが給蒸を開始するまでの遅延(T)があるため、ヘッダ圧力が設定圧力範囲の下限値を下回り、圧力安定性が低下してしまうおそれがあった。
従来のボイラシステムにおいては、ボイラ群を手動運転している状態で、ボイラ群を自動運転に復帰した場合を想定した特別な対策はなされていなかった。
本発明は、ボイラ群を手動運転している状態で、ボイラ群を自動運転に復帰した場合に、自動運転復帰直後にヘッダ圧力が設定圧力範囲の下限値を下回ることなく、設定圧力範囲に収まるように収束させて、圧力の安定性を向上できるボイラシステムを提供することを目的とする。
本発明は、複数のボイラからなり、負荷機器に蒸気を供給するボイラ群と、前記ボイラ群により生成された蒸気が集合する蒸気ヘッダと、ヘッダの内部の蒸気圧であるヘッダ圧力値を測定する蒸気圧測定手段と、要求負荷に応じて前記蒸気圧測定手段により測定される蒸気圧力値が、予め設定された設定圧力範囲に収まるように前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、前記制御部は、前記設定圧力範囲の上限圧力値以上の値である制御上限圧力値を予め設定し、前記蒸気圧測定手段により測定される前記ヘッダ圧力値が前記制御上限圧力値を超える場合、燃焼しているすべての前記ボイラの燃焼を停止する全台待機部と、前記ボイラ群を前記制御部の制御対象外である手動運転状態から、前記制御部の制御に復旧し、自動運転状態に切り換える制御対象切換部と、前記制御対象切換部により前記ボイラ群が前記手動運転状態から前記自動運転状態に切り換えられた場合、前記全台待機部の機能をキャンセルする全台待機機能制御部と、制御周期毎に、前記ヘッダ圧力値と前記設定圧力範囲の上限圧力値との差分である圧力偏差に基づいて、必要蒸気量MVを算出する必要蒸気量算出部と、前記制御対象切換部により前記ボイラ群が前記手動運転状態から前記自動運転状態に切り換えられ、当該切り換え時点における前記ヘッダ圧力値が前記制御上限圧力値を超えている場合、初回(n=1)の制御周期における必要蒸気量MVとして、前記切り換え時点直後の燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値である、補正必要蒸気量MV´を設定する、最初の補正必要蒸気量設定部と、前記最初の補正必要蒸気量設定部により設定された初回(n=1)の制御周期における補正必要蒸気量MV´を起点として、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、今回必要蒸気量MVとして、前回補正必要蒸気量MVn−1´の値よりも減少させた値である今回補正必要蒸気量MV´を算出する補正必要蒸気量算出部と、前記制御対象切換部により前記ボイラ群が前記手動運転状態から前記自動運転状態に切り換えられ、当該切り換え時点における前記ヘッダ圧力値が前記制御上限圧力値を超えている場合、前記最初の補正必要蒸気量設定部により設定された最初の補正必要蒸気量MV´を発生させて、その後、制御周期毎に、前記補正必要蒸気量算出部により算出された今回補正必要蒸気量MV´を発生させるように前記複数のボイラの燃焼状態を制御するように前記複数のボイラの燃焼状態を制御する出力制御部と、を備える、ボイラシステムに関する。
また、前記全台待機機能制御部は、前記全台待機部の機能のキャンセルを開始してから第1時間経過するまで、前記ヘッダ圧力値が上昇し続けている場合、前記全台待機部の機能のキャンセルを終了し、当該全台待機部の機能を有効にすることができる。
また、前記補正必要蒸気量算出部は、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、今回補正必要蒸気量MV´を、補正された前回必要蒸気量MVn−1´から予め設定した第1必要蒸気量変化分を減算して算出することができる。
また、前記出力制御部は、前記全台待機部の機能のキャンセルを開始してから第2時間を経過した場合、又は前記補正必要蒸気量算出部により算出した今回補正必要蒸気量MV´が、前記必要蒸気量算出部により算出した今回必要蒸気量MV以下の値となった場合、前記必要蒸気量算出部により算出された今回必要蒸気量MVを発生させるように前記複数のボイラの燃焼状態を制御することができる。
本発明によれば、ボイラ群を手動運転している状態で、ボイラ群を自動運転に切り替わった直後の全台待機を回避することができるため、自動運転復帰直後のヘッダ圧力の安定性が向上するボイラシステムを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るボイラシステム1の概略を示す図である。 ボイラ群の概略を示す図である。 制御部4の構成を示す機能ブロック図である。 第1実施形態に係るボイラシステム1の動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るボイラシステム1の動作を示すフローチャートである。 従来の台数制御を実施した場合における、手動運転ボイラ全台を自動運転に切り換えた場合のヘッダ圧力の推移を示す図である。 第1実施形態に係る台数制御を実施した場合における、手動運転ボイラ全台を自動運転に切り換えた場合のヘッダ圧力の推移を示す図である。 第1実施形態に係る台数制御を実施した場合における、手動運転ボイラ全台を自動運転に切り換えた場合のヘッダ圧力の推移を示す図である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るボイラシステム1について説明する。図1は、ボイラシステム1の概略を示す図である。
図1に示すように、ボイラシステム1は、複数(5台)のボイラ20を含むボイラ群2と、ボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気集合部としての蒸気ヘッダ6と、蒸気圧測定手段としての蒸気圧センサ7と、台数制御装置3と、を備える。
ボイラ群2は、負荷機器としての蒸気使用設備18に供給する蒸気を生成する。
蒸気ヘッダ6の上流側は、蒸気管11を介してボイラ群2(各ボイラ20)に接続されている。蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で発生させた蒸気を集合させて貯留することにより各ボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給するようになっている。
蒸気圧センサ7は、信号線13を介して、台数制御装置3に電気的に接続されている。蒸気圧センサ7は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(ボイラ群2で発生した蒸気の圧力)を測定し、測定した蒸気圧に係る信号(蒸気圧信号)を、信号線13を介して台数制御装置3に送信する。
ボイラシステム1は、ボイラ群2で発生させた蒸気を、蒸気ヘッダ6を介して、蒸気によって運転される蒸気使用設備18に供給可能とされている。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御時においては、この蒸気消費量に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼量を制御する。
蒸気使用設備18の需要の増大により要求負荷が増加し、供給蒸気量が不足すれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が減少することになる。一方、蒸気使用設備18の需要の低下により要求負荷が減少し、供給蒸気量が過剰になれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が増加することになる。このため、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号により要求負荷の変動をモニターすることができる。ボイラシステム1は、この蒸気圧に基づいて蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)に応じた目標蒸気量を算出するようになっている。
台数制御装置3は、制御部4と記憶部5とを備える。台数制御装置3は、ボイラ群2の燃焼制御に関して、例えば、記憶部5に記憶される設定条件(ボイラの優先順位等)を変更することができる。なお、設定条件の設定及び変更は、その全部又は一部を手動で行ってもよく、あるいは、その全部又は一部を自動で行ってもよい。
ボイラ20は、複数の段階的な燃焼位置を有する段階値制御ボイラ又は連続制御ボイラである。段階値制御ボイラとは、燃焼を選択的にオン/オフしたり、炎の大きさを調整すること等により燃焼量を制御して、選択された燃焼位置に応じて燃焼量を段階的に増減可能なボイラである。図2に示すように、ボイラ20を段階値制御ボイラとした場合、4位置(燃焼停止位置、低燃焼位置、中燃焼位置及び高燃焼位置)制御ボイラとしている。
なお、段階値制御ボイラは、4位置制御に限定されない。ボイラ20は、Nを任意の整数として、N位置制御すなわち、段階値制御ボイラの燃焼量を、燃焼停止状態を含めてN位置に段階的に制御可能なボイラ20とすることができる。例えば、燃焼位置の個数は、2位置(つまり、オン/オフのみ)、3位置(燃焼停止位置、低燃焼位置、及び高燃焼位置)、又は5位置以上でもよい。
なお、5台のボイラ20を段階値制御ボイラとした場合、各ボイラ20においては、それぞれ、各燃焼位置における燃焼量及び燃焼能力(高燃焼状態における燃焼量)は、等しく設定されていてもよく、あるいは、異なって設定されていてもよい。
また、ボイラ20を段階値制御ボイラに換えて、連続制御ボイラとすることもできる。ここで、連続制御ボイラとは、燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な連続制御ボイラである。例えば、少なくとも、最小燃焼状態S1(例えば、最大燃焼率の20%の燃焼量における燃焼状態)から最大燃焼状態S2の範囲で、燃焼量が連続的に制御可能とされているボイラである。連続制御ボイラは、例えば、燃料をバーナに供給するバルブや、燃焼用空気を供給するバルブの開度(燃焼比)を制御することにより、燃焼量を調整するようになっている。
連続制御ボイラは、連続制御ボイラの燃焼停止状態S0と最小燃焼状態S1との間の燃焼状態の変更については、連続制御ボイラ(バーナ)の燃焼をオン/オフすることで制御される。そして、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、燃焼量が連続的に制御可能となっている。
なお、燃焼量を連続的に制御するとは、後述のローカル制御部における演算や信号がデジタル方式とされて段階的に取り扱われる場合(例えば、連続制御ボイラの出力(燃焼量)が1%刻みで制御される場合)であっても、事実上連続的に出力を制御可能な場合を含む。
複数のボイラ20には、それぞれ優先順位が設定されている。優先順位は、燃焼指示や燃焼停止指示等を行うボイラ20を選択するために用いられる。優先順位は、例えば整数値を用いて、数値が小さいほど優先順位が高くなるよう設定することができる。図2に示すように、ボイラ20の1号機〜5号機のそれぞれに「1」〜「5」の優先順位が割り当てられている場合、1号機の優先順位が最も高く、5号機の優先順位が最も低い。この優先順位は、通常の場合、後述の制御部4の制御により、所定の時間間隔(例えば、24時間間隔)で変更される。
複数のボイラ20のそれぞれは、信号線16を介して台数制御装置3と電気的に接続され、台数制御装置3の制御により燃焼位置(燃焼状態)が制御される。また、複数のボイラ20のそれぞれは、運転者の操作により又は自動的に台数制御装置3の制御から切り離された場合、運転者の手動制御により燃焼位置(燃焼状態)が制御される。
以上説明したボイラ20は、図1に示すように、燃焼が行われるボイラ本体21と、ボイラ20の燃焼位置(燃焼状態)を制御するローカル制御部22と、各ボイラ20の内部の蒸気圧を測定するローカル蒸気圧測定部(図示せず)と、を有する。
ローカル制御部22は、各ボイラ20を制御し、要求負荷に応じて燃焼位置(燃焼状態)を変更させることが可能とされている。ローカル制御部22は、台数制御時には、制御部4による台数制御信号に基づいて各ボイラ20を制御し、一方、ローカル制御時には、ボイラ20を直接制御する。
ローカル蒸気圧測定部は、例えば、蒸気圧センサ及び蒸気圧スイッチから、又は蒸気圧スイッチのみから構成され、各ボイラ20の内部の蒸気圧を測定する。ローカル蒸気圧測定部は、各ボイラ20のローカル制御を行う際に用いられる蒸気圧を測定する。
以上のように構成されたボイラシステム1では、ボイラ群2で発生させた蒸気が、蒸気ヘッダ6を介して蒸気使用設備18に供給される。
次に、台数制御装置3の詳細について説明する。
台数制御装置3は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧力信号に基づいて、要求負荷に応じたボイラ群2の必要燃焼量、及び必要燃焼量に対応する各ボイラ20の燃焼状態を算出し、各ボイラ20(ローカル制御部22)に台数制御信号を送信する。この台数制御装置3は、図1に示すように、制御部4と、記憶部5と、を備える。
制御部4は、信号線16を介して各ボイラ20に各種の指示を行ったり、各ボイラ20から各種のデータを受信したりして、各ボイラ20の燃焼状態や優先順位を制御する。各ボイラ20は、制御部4から燃焼状態の変更指示の信号を受けると、その指示に従って当該ボイラ20を制御する。
制御部4の詳細な構成については後述する。
記憶部5は、制御部4の制御により各ボイラ20に対して行われた指示の内容や、各ボイラ20から受信した燃焼状態等の情報、複数のボイラ20の優先順位の設定の情報、優先順位の変更(ローテーション)に関する設定の情報等を記憶する。こうすることで、記憶部5は、各ボイラ20から出力される出力蒸気量、及び各ボイラ20それぞれから出力される出力蒸気量の合計値を記憶する。
また、記憶部5は、蒸気圧センサ7により測定される蒸気圧に係る設定条件として、設定圧力範囲を記憶する。また、記憶部5は、設定圧力範囲の上限圧力値以上の値である比例分配設定圧力(制御上限圧力値)を記憶する。
また、記憶部5は、後述する全台待機部41の機能のキャンセル終了に係る設定条件として、第1時間及び第2時間を記憶する。
次に制御部4の詳細な構成について説明する。図3は、制御部4の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御部4は、全台待機部41と、制御対象切換部42と、全台待機機能制御部43と、必要蒸気量算出部44と、最初の補正必要蒸気量設定部45と、補正必要蒸気量算出部46と、出力制御部47と、を含んで構成される。
[全台待機部41]
全台待機部41は、蒸気圧センサ7により測定されるヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超える場合、燃焼しているすべてのボイラ20の燃焼を停止する。
また、全台待機部41は、ヘッダ圧力が制御上限圧力値を超える値から下降している場合において、設定圧力範囲の上限圧力値以上であるときは、依然としてすべてのボイラ20の燃焼を停止したままとすることができる。
すなわち、全台待機部41は、後述する全台待機機能制御部43により、その機能のキャンセルが終了され、その機能を有効にされた場合に、蒸気圧センサ7により測定されるヘッダ圧力値が、設定圧力範囲の上限圧力値以上であるときは、すべてのボイラ20の燃焼を停止したままとすることができる。
[制御対象切換部42]
制御対象切換部42は、例えば、運転員の指示又は外部入力信号に基づいて、ボイラ群2を制御部4の制御対象外である手動運転状態から、制御部4の制御による自動運転状態に切り換える。
[全台待機機能制御部43]
全台待機機能制御部43は、制御対象切換部42によりボイラ群2が手動運転状態から自動運転状態に切り換えられた場合に、ヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えているときに、全台待機部41の機能をキャンセルする。
なお、全台待機機能制御部43は、制御対象切換部42によりボイラ群2が手動運転状態から自動運転状態に切り換えられた場合において、全台待機部41の機能をキャンセルするようにしてもよい。
そうすることで、ボイラ群2を手動運転している状態で、ボイラ群2が手動運転から自動運転に切り替わった直後の全台待機を回避することができる。
全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから予め設定された第1時間(例えば5秒)経過するまでの間、ヘッダ圧力値が上昇し続けている場合、全台待機部41の機能のキャンセルを終了し、全台待機部41の機能を有効にすることが好ましい。
より具体的には、例えば1秒毎にヘッダ圧力値の変化値を算出し、1秒ごとのヘッダ圧力値の変化値が第1時間(例えば5秒間)増加している場合、ヘッダ圧力値が上昇し続けていると判断し、全台待機部41の機能を有効にする。
そうすることで、ヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えて上昇し続けている場合に、全台待機部41の機能が有効となり、燃焼しているすべてのボイラ20の燃焼が停止され、ヘッダ圧力を減少させることができる。
なお、第1時間は5秒に限定されない。必要に応じて、適宜、設定することができる。
また、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間(以下「補正時間」ともいう)を経過した場合、全台待機部41の機能のキャンセルを終了し、全台待機部41の機能を有効にする。
こうすることで、仮に、第2時間を経過しても、ヘッダ圧力値が設定圧力範囲の上限圧力値以上となる場合には、全台待機部41の機能が有効となり、全台待機部41は、燃焼しているすべてのボイラ20の燃焼を停止することができる。
また、全台待機機能制御部43は、後述する補正必要蒸気量算出部46により算出した今回補正必要蒸気量MV´が、後述する必要蒸気量算出部44により算出した今回必要蒸気量MV以下の値となった場合、全台待機部41の機能のキャンセルを終了し、全台待機部41の機能を有効にすることができる。
[必要蒸気量算出部44]
必要蒸気量算出部44は、制御周期毎に、ヘッダ圧力値と設定圧力範囲の上限圧力値との差分である圧力偏差に基づいて、必要蒸気量MVを算出する。ここで、添字nは、制御周期毎に行われる繰り返し演算の演算回数(n回目:n=1,2,…,Nの正の整数値)を示す。
より具体的には、必要蒸気量算出部44は、制御周期毎に、ヘッダ圧力値PVの圧力偏差PD1(設定圧力範囲の上限圧力値Pmaxとヘッダ圧力値PVとの差分)を、設定圧力範囲の上限圧力値と下限圧力値との差分である制御幅Pで除算した比率PR1に基づいて、要求負荷に応じたボイラで発生すべき蒸気量(以下、「必要蒸気量MV」ともいう)を式1により算出する。

必要蒸気量MV=最大蒸気量JG×PR1 ・・・ (式1)

ここで、最大蒸気量JGとは、ボイラ群2を構成するボイラ20それぞれに予め設定された最大燃焼状態における蒸気量(最大蒸気量)の合計である。
[最初の補正必要蒸気量設定部45]
最初の補正必要蒸気量設定部45は、制御対象切換部42によりボイラ群2が手動運転状態から自動運転状態に切り換えられ、当該切り換え時点におけるヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えている場合、初回(n=1)の制御周期における必要蒸気量MVとして、切り換え時点直後の燃焼しているすべてのボイラ20により出力されている出力蒸気量の合計値である、補正必要蒸気量MV´を設定する。
[補正必要蒸気量算出部46]
補正必要蒸気量算出部46は、最初の補正必要蒸気量設定部45により設定された初回(n=1)の制御周期における補正必要蒸気量MV´を起点として、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、今回必要蒸気量MVとして、前回補正必要蒸気量MVn−1´の値よりも減少させた値である今回補正必要蒸気量MV´を算出する。
例えば、補正必要蒸気量算出部46は、式2に従って、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、今回補正必要蒸気量MV´を、補正された前回必要蒸気量MVn−1´から予め設定した第1必要蒸気量変化分ΔMVを減算して算出することができる。

MV´=MVn−1´−ΔMV ・・・ (式2)
なお、補正必要蒸気量算出部46は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間(補正時間T)を経過した場合、又は補正必要蒸気量算出部46により算出した今回補正必要蒸気量MV´が、必要蒸気量算出部44により算出した今回必要蒸気量MV以下の値となった場合に、その補正を終了する。
[出力制御部47]
出力制御部47について、最初に、通常時の制御機能(以下、「通常制御」ともいう)について説明する。
<通常制御>
通常時において、出力制御部47は、制御周期毎に必要蒸気量算出部44により算出された必要蒸気量MVと制御周期毎に算出した出力蒸気量JTとの偏差量及びヘッダ圧力値の変動状態に基づいて、それぞれのボイラ20の燃焼状態を制御する。
具体的には、例えば、次のように行われる。
出力制御部47は、今回制御周期に測定したヘッダ圧力値を前回制御周期に測定したヘッダ圧力値と比較して、今回制御周期のヘッダ圧力値が上昇しているか、下降しているか、を判断する。
[ヘッダ圧力が下降している場合]
今回制御周期のヘッダ圧力が前回制御周期に測定したヘッダ圧力値と比較して下降している場合であって、
今回必要蒸気量MV>今回出力蒸気量JT
を満たす場合、出力制御部47は、燃焼量不足と判断して、差分蒸気量(今回必要蒸気量MV−今回出力蒸気量JT)の蒸気量に該当する燃焼量を増加させるように、燃焼位置又は燃焼率を変更する。
なお、ボイラ20が段階値制御ボイラの場合、出力制御部47は、蒸気量の増加分が(今回必要蒸気量MV−今回出力蒸気量JT)に最も近く、変更後に、必要蒸気量MV≦出力蒸気量JTを満足するそれぞれのボイラ20の燃焼位置を選択する。
出力制御部47は、差分蒸気量に最も近い燃焼位置を優先的に選択するものとし、該当する燃焼位置が複数ある場合には、予め設定された優先順位に基づいて選択することができる。
なお、今回制御周期のヘッダ圧力が前回制御周期に測定したヘッダ圧力値と比較して下降している場合であって、
今回必要蒸気量MV≦今回出力蒸気量JT
を満たす場合は、出力制御部45は、現状の燃焼状態を維持することができる。
[ヘッダ圧力が上昇している場合]
今回制御周期のヘッダ圧力が前回制御周期に測定したヘッダ圧力値と比較して上昇している場合であって、
今回必要蒸気量MV<今回出力蒸気量JT
を満たす場合、出力制御部47は、燃焼量過剰と判断して、(今回出力蒸気量JT−今回必要蒸気量MV)の蒸気量に該当する燃焼量を減少させるように、燃焼位置又は燃焼率を変更する。
なお、ボイラ20が段階値制御ボイラの場合、出力制御部47は、蒸気量の減少分が(今回出力蒸気量JT−今回必要蒸気量MV)に最も近く、変更後に、必要蒸気量MV≧出力蒸気量JTを満足するように、それぞれのボイラ20の燃焼位置を選択する。
この際、出力制御部47は、差分蒸気量に最も近い燃焼位置を優先的に選択するものとし、該当する燃焼位置が複数ある場合には、予め設定された優先順位に基づいて選択することができる。
なお、ヘッダ圧力が前回制御周期に測定したヘッダ圧力値と比較して上昇している場合であって、
今回必要蒸気量MV≧今回出力蒸気量JT
を満たす場合は、出力制御部47は、現状の燃焼状態を継続することができる。
次に、制御対象切換部42によりボイラ群2が手動運転状態から自動運転状態に切り換えられ、当該切り換え時点におけるヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えている場合における、出力制御部47の処理内容について説明する。
出力制御部47は、制御対象切換部42によりボイラ群2が手動運転状態から自動運転状態に切り換えられ、当該切り換え時点におけるヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えている場合、最初の補正必要蒸気量設定部45により設定された最初の補正必要蒸気量MV´を発生させて、その後、制御周期毎に、補正必要蒸気量算出部46により算出された今回補正必要蒸気量MV´を発生させるように複数のボイラ20の燃焼状態を制御する。
具体的には、例えば、次のように行われる。
出力制御部47は、手動から自動に切り換えた後の初回(n=1)の制御周期において、最初の補正必要蒸気量設定部45により補正された最初の補正必要蒸気量MV´(すなわち、実際蒸気量)を発生させるように制御する。
こうすることで、初回(n=1)の制御周期において、
今回必要蒸気量MV=今回出力蒸気量JT
を満たし、出力制御部47は、現状の燃焼状態を継続する。
次に、出力制御部47は、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、補正必要蒸気量算出部46により算出された今回補正必要蒸気量MV´を発生させるように複数のボイラ20の燃焼状態を制御する。
具体的には、制御周期毎に、出力制御部45は、蒸気量の減少分が(今回出力蒸気量JT−今回必要蒸気量MV)の蒸気量に該当する燃焼量を減少させるように、燃焼状態を変更する。
なお、ボイラ20が段階値制御ボイラの場合、出力制御部47は、差分蒸気量に最も近い燃焼位置を優先的に選択するものとし、該当する燃焼位置が複数ある場合には、予め設定された優先順位に基づいて選択することができる。
出力制御部47は、補正必要蒸気量算出部46が補正を終了した以降の制御周期において、必要蒸気量算出部44により算出される本来の必要蒸気量MVを発生させるように複数のボイラ20の燃焼状態を制御する。
次に、ボイラシステム1が、手動運転から自動運転に復帰した場合の動作について、図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5は、ボイラシステム1が、手動運転から自動運転に復帰した場合の制御の流れを示すフローチャートである。
ステップST1において、制御対象切換部42は、例えば、運転員の指示又は外部入力信号に基づいて、ボイラ群2を手動運転状態から、制御部4の制御に復旧し、自動運転状態に切り換える。
ステップST2において、全台待機機能制御部43は、ヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えているか否かを判定する。ヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えている場合(Yes)、ステップST3に移る。ヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えていない場合(No)、ステップST15に移る。
ステップST3において、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能をキャンセルする。
ステップST4において、最初の補正必要蒸気量設定部45は、補正必要蒸気量MV´を取得する。具体的には、最初の補正必要蒸気量設定部45は、切り換え時点直後の燃焼しているすべてのボイラ20により出力されている出力蒸気量の合計値を取得し、この合計値を補正必要蒸気量MV´として扱う。
ステップST5において、最初の補正必要蒸気量設定部45は、初回(n=1)の制御周期における必要蒸気量MVとして、ステップST4で取得した補正必要蒸気量MV´を設定する。
ステップST6において、出力制御部42は、ステップST5で設定された必要蒸気量MVに基づいてボイラ20の燃焼状態(燃焼量)を制御する。
ステップST7において、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第1時間(例えば5秒)経過しているか否かを判定する。第1時間経過している場合(Yes)、ST10に移る。第1時間経過していない場合(No)、ST8に移る。
ステップST8において、補正必要蒸気量算出部46は、次回以降(n≧2)の制御周期毎に今回補正必要蒸気量MV´を算出する。
ステップST9において、出力制御部47は、ステップST8で算出された今回補正必要蒸気量MV´に基づいてボイラ20の燃焼状態(燃焼量)を制御する。
その後、ステップST7に移る。
ステップST10において、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第1時間の間、ヘッダ圧力値が上昇し続けていたか否か、判定する。第1時間の間、ヘッダ圧力値が上昇し続けていた場合(Yes)、ステップST14に移る。第1時間の間、ヘッダ圧力値が上昇し続けていない場合(No)、ステップST11に移る。
ステップST11において、全台待機機能制御部43は、補正必要蒸気量算出部46により算出した今回補正必要蒸気量MV´が、必要蒸気量算出部44により算出した今回必要蒸気量MV以下の値となっているか否かを判定する。今回補正必要蒸気量MV´が、今回必要蒸気量MV以下の値となっている場合(Yes)、ST14に移る。今回補正必要蒸気量MV´が、今回必要蒸気量MV以下の値となっていない場合(No)、ST12に移る。
ステップST12において、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間を経過しているか否かを判定する。第2時間経過している場合(Yes)、ST14に移る。第2時間経過していない場合(No)、ST13に移る。
ステップST13において、出力制御部47は、補正必要蒸気量算出部46が算出した今回補正必要蒸気量MV´に基づいてボイラ20の燃焼状態(燃焼量)を制御する。
その後、ステップST11に移る。
ステップST14において、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを終了し、全台待機部41の機能を有効にする。それと同時に、補正必要蒸気量算出部46は、補正を終了する。
ステップST15以降において、制御部4は通常時の燃焼制御を行う。
より具体的には、ステップ15において、ヘッダ圧力値が仮に依然として設定圧力範囲の上限圧力値を超えている場合、全台待機部41は、即時に全台待機指示を出力する。
その後、ヘッダ圧力値が設定圧力範囲の上限圧力値を下回る時点において、ボイラに対して燃焼指示が出され、必要蒸気量算出部44は、今回必要蒸気量MVを算出し、出力制御部47は、必要蒸気量算出部44が算出した今回必要蒸気量MVに基づいてボイラ20の燃焼状態(燃焼量)を制御する。
また、ステップ15において、ヘッダ圧力値が設定圧力範囲内に収まっている場合には、必要蒸気量算出部44は、今回必要蒸気量MVを算出し、出力制御部47は、必要蒸気量算出部44が算出した今回必要蒸気量MVに基づいてボイラ20の燃焼状態(燃焼量)を制御する。
次に、図6、図7、及び図8を参照して、手動運転から自動運転に切り換わった直後に従来どおり、全台待機部41の機能が有効とされる場合と比較しながら、第1実施形態に係る台数制御を実施した場合の動作を説明する。
ここで、図6は、従来の台数制御を実施した場合における、全台の手動運転ボイラを自動運転に切り換えた場合のヘッダ圧力の推移を示す図である。これに対して、図7及び図8は、本発明の第1実施形態に係る台数制御を実施した場合における、全台の手動運転ボイラを自動運転に切り換えた場合のヘッダ圧力の推移を示す図である。
<従来例>
前述したとおり、従来の台数制御を実施した場合、図6に示すように、ボイラ群が手動運転から自動運転に復帰した時点(t1)のヘッダ圧力値が、全台待機となる制限上限圧力値を超えていた場合、全台待機部41は、即時に全台待機指示を出力する。
そうすることで、ボイラ群2は、全台待機となり、ヘッダ圧力が急激に低下する。
その後、ヘッダ圧力値が設定圧力範囲の上限値を下回ると(t2)、ボイラに対して燃焼指示がなされる。
しかしながら、一旦待機状態となったボイラが給蒸を開始するまでの遅延(T)があるため、後の時点t3(=t2+T)において、ヘッダ圧力は設定圧力範囲の下限値を下回る。
このように、従来の台数制御を実施した場合、圧力安定性が低下してしまう事象が発生する。
<キャンセル時間経過まで、全台待機部41の機能をキャンセルする場合>
これに対して、第1実施形態に係る台数制御を実施した場合、図7に示すように、ボイラ群2が手動運転から自動運転に復帰した時点(t1)のヘッダ圧力値が、全台待機となる制限上限圧力値を超えているときは、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能をキャンセルする。
最初の補正必要蒸気量設定部45は、初回(n=1)の制御周期における必要蒸気量MVとして、切り換え時点直後の燃焼しているすべてのボイラ20により出力されている出力蒸気量の合計値である、補正必要蒸気量MV´を設定する。
その後、補正必要蒸気量設定部46は、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、今回補正必要蒸気量MV´を、補正された前回必要蒸気量MVn−1´から、例えば予め設定した第1必要蒸気量変化分ΔMVを減算して算出する。
そうすることで、補正必要蒸気量算出部46は、必要蒸気量を、切り換え時点直後の燃焼しているすべてのボイラ20により出力されている出力蒸気量の合計値(MV´)から始めて、その値を減少させるように算出し、出力制御部47は、出力蒸気量を減少させるように動作する。
その後、図7に示すように、蒸気ヘッダ圧力が設定圧力範囲の上限値を下回ると(t2)、必要蒸気量算出部44は、正の値をとる必要蒸気量MVを算出するようになるが、この時点では、依然として、出力制御部47は、補正必要蒸気量算出部46により算出された補正必要蒸気量MV´に基づいて、ボイラ20の燃焼状態を制御する。
その後、図7に示すように、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから補正時間Tを経過した時点(t3)において、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを終了するとともに、補正必要蒸気量算出部46は補正を終了する。
そして、t3以降、出力制御部47は、必要蒸気量算出部44により算出された必要蒸気量MVに基づいて、ボイラ20の燃焼状態を制御する通常制御に戻る。
こうすることで、手動運転から自動運転に復帰した直後の全台待機を回避するとともに、自動運転復帰後に蒸気ヘッダ圧力を設定圧力範囲の下限値を下回ることなく、設定圧力範囲に収まるように収束させて、圧力の安定性を向上することができる。
<補正時間経過までに、補正必要蒸気量MV´が必要蒸気量MVを下回る場合>
第1実施形態に係る制御を実施した場合において、補正時間経過までに、補正必要蒸気量MV´が必要蒸気量MVを下回るときについて、図8を参照して説明する。
図8に示すように、ボイラ群2が手動運転から自動運転に復帰した時点(t1)のヘッダ圧力値が、全台待機となる制限上限圧力値を超えていた場合、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能をキャンセルする。
最初の補正必要蒸気量設定部45は、初回(n=1)の制御周期における必要蒸気量MVとして、切り換え時点直後の燃焼しているすべてのボイラ20により出力されている出力蒸気量の合計値である、補正必要蒸気量MV´を設定する。
その後、補正必要蒸気量設定部46は、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、今回補正必要蒸気量MV´を、補正された前回必要蒸気量MVn−1´から、例えば予め設定した第1必要蒸気量変化分ΔMVを減算して算出する。
そうすることで、補正必要蒸気量算出部46は、必要蒸気量を、切り換え時点直後の燃焼しているすべてのボイラ20により出力されている出力蒸気量の合計値(MV´)から始めて、その値を減少させるように算出し、出力制御部47は、出力蒸気量を減少させるように動作する。
その後、図8に示すように、蒸気ヘッダ圧力が設定圧力範囲の上限値を下回ると(t2)、必要蒸気量算出部44は、正の値をとる必要蒸気量MVを算出するようになるが、この時点では、依然として、出力制御部47は、補正必要蒸気量算出部46により算出された補正必要蒸気量MV´に基づいて、ボイラ20の燃焼状態を制御する。
その後、図8に示すように、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから補正時間Tを経過する前に、補正必要蒸気量MV´が必要蒸気量MV以下の値となる時点(t3)において、全台待機部41の機能のキャンセルを終了するとともに、補正必要蒸気量算出部46は補正を終了する。
そして、t3以降、出力制御部47は、必要蒸気量算出部44により算出された必要蒸気量MVに基づいて、ボイラ20の燃焼状態を制御する通常制御に戻る。
こうすることで、手動運転から自動運転に復帰した直後の全台待機を回避するとともに、蒸気ヘッダ圧力を設定圧力範囲の下限値を下回ることなく、設定圧力範囲に収まるように収束させて、圧力の安定性を向上することができる。
第1実施形態のボイラシステム1によれば、例えば、次の効果が奏される。
第1実施形態のボイラシステム1においては、ボイラ群2が手動運転から自動運転に復帰した場合、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能をキャンセルする。その際、最初の補正必要蒸気量設定部45は、今回必要蒸気量MVの値を、切り換え時点直後の燃焼しているすべてのボイラ20により出力されている出力蒸気量の合計値により置き換える。
補正必要蒸気量算出部46は、必要蒸気量を、切り換え時点直後の燃焼しているすべてのボイラ20により出力されている出力蒸気量の合計値から始めて、その値を減少させるように算出し、出力制御部47は、出力蒸気量を減少させるように補正する。
その後、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから補正時間Tを経過した時点又は、補正必要蒸気量MV´が必要蒸気量MV以下の値となる時点において、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを終了するとともに、補正必要蒸気量算出部46は補正を終了する。
その後、出力制御部47は、必要蒸気量算出部44により算出された必要蒸気量MVに基づいて、ボイラ20の燃焼状態を制御する通常制御に戻る。
そのため、第1実施形態によれば、手動運転から自動運転に切り換わった直後の全台待機を回避するとともに、蒸気ヘッダ圧力を設定圧力範囲の下限値を下回ることなく、設定圧力範囲に収まるように収束させて、圧力の安定性を向上することができる。
なお、第1実施形態のボイラシステム1においては、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第1時間(例えば5秒間)の間、ヘッダ圧力値が上昇し続けていた場合、全台待機部41の機能のキャンセルを終了する。
そのため、第1実施形態によれば、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第1時間の間、ヘッダ圧力値が上昇し続けていた場合、全台待機とすることができ、ヘッダ圧力を速やかに減少させることができる。
第1実施形態のボイラシステム1においては、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間(キャンセル時間T)を経過した時点において、全台待機部41の機能のキャンセルを終了する。
そのため、第1実施形態によれば、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間経過後においても、仮にヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えていた場合、全台待機とすることができ、ヘッダ圧力を速やかに減少させることができる。
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した第1実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、第1実施形態では、ボイラ20を段階値制御ボイラとした場合、複数のボイラ20を燃焼停止位置、低燃焼位置、中燃焼位置、及び高燃焼位置の4位置を有する4位置ボイラにより、構成するとしたが、ボイラ20は、4位置に限らず、任意のN位置の燃焼位置を有することとしてもよい。
また、ボイラ20を段階値制御ボイラに換えて連続制御ボイラとすることができる。
また、例えば、第1実施形態では、本発明を、5台のボイラ20からなるボイラ群2を備えるボイラシステムに適用したが、これに限らない。すなわち、本発明を、6台以上のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよく、また、2台のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよい。
また、第1実施形態のフローチャートでは、全台待機機能制御部43は、ステップST11において補正必要蒸気量MV´が必要蒸気量MV以下の値となっているか否かを判定し、ステップST12において、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間を経過しているか否かを判定したが、この処理順番を入れ替えてもよい。すなわち、全台待機機能制御部43は、ステップST11において、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間を経過しているか否かを判定し、ステップST12において、補正必要蒸気量MV´が必要蒸気量MV以下の値となっているか否かを判定するようにしてもよい。
1 ボイラシステム
2 ボイラ群
3 台数制御装置
4 制御部
5 記憶部
6 蒸気ヘッダ(蒸気集合部)
7 蒸気圧センサ(蒸気圧測定手段)
18 蒸気使用設備(負荷機器)
20 ボイラ
41 全台待機部
42 制御対象切換部
43 全台待機機能制御部
44 必要蒸気量算出部
45 最初の補正必要蒸気量設定部
46 補正必要蒸気量算出部
47 出力制御部

Claims (4)

  1. 複数のボイラからなり、負荷機器に蒸気を供給するボイラ群と、
    前記ボイラ群により生成された蒸気が集合する蒸気ヘッダと、
    前記蒸気ヘッダの内部の蒸気圧であるヘッダ圧力値を測定する蒸気圧測定手段と、
    要求負荷に応じて前記蒸気圧測定手段により測定される蒸気圧力値が、予め設定された設定圧力範囲に収まるように前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、
    を備えるボイラシステムであって、
    前記制御部は、
    前記設定圧力範囲の上限圧力値以上の値である制御上限圧力値を予め設定し、前記蒸気圧測定手段により測定される前記ヘッダ圧力値が前記制御上限圧力値を超える場合、燃焼しているすべての前記ボイラの燃焼を停止する全台待機部と、
    前記ボイラ群を前記制御部の制御対象外である手動運転状態から、前記制御部の制御に復旧し、自動運転状態に切り換える制御対象切換部と、
    前記制御対象切換部により前記ボイラ群が前記手動運転状態から前記自動運転状態に切り換えられた場合、前記全台待機部の機能をキャンセルする全台待機機能制御部と、
    制御周期毎に、前記ヘッダ圧力値と前記設定圧力範囲の上限圧力値との差分である圧力偏差に基づいて、必要蒸気量MVを算出する必要蒸気量算出部と、
    前記制御対象切換部により前記ボイラ群が前記手動運転状態から前記自動運転状態に切り換えられ、当該切り換え時点における前記ヘッダ圧力値が前記制御上限圧力値を超えている場合、初回(n=1)の制御周期における必要蒸気量MVとして、前記切り換え時点直後の燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値である、補正必要蒸気量MV´を設定する、最初の補正必要蒸気量設定部と、
    前記最初の補正必要蒸気量設定部により設定された初回(n=1)の制御周期における補正必要蒸気量MV´を起点として、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、今回必要蒸気量MVとして、前回補正必要蒸気量MVn−1´の値よりも減少させた値である今回補正必要蒸気量MV´を算出する補正必要蒸気量算出部と、
    前記制御対象切換部により前記ボイラ群が前記手動運転状態から前記自動運転状態に切り換えられ、当該切り換え時点における前記ヘッダ圧力値が前記制御上限圧力値を超えている場合、前記最初の補正必要蒸気量設定部により設定された最初の補正必要蒸気量MV´を発生させて、その後、制御周期毎に、前記補正必要蒸気量算出部により算出された今回補正必要蒸気量MV´を発生させるように前記複数のボイラの燃焼状態を制御するように前記複数のボイラの燃焼状態を制御する出力制御部と、
    を備える、ボイラシステム。
  2. 前記全台待機機能制御部は、前記全台待機部の機能のキャンセルを開始してから第1時間経過するまで、前記ヘッダ圧力値が上昇し続けている場合、前記全台待機部の機能のキャンセルを終了し、当該全台待機部の機能を有効にする、請求項1に記載のボイラシステム。
  3. 前記補正必要蒸気量算出部は、次回以降(n≧2)の制御周期毎に、今回補正必要蒸気量MV´を、補正された前回必要蒸気量MVn−1´から予め設定した第1必要蒸気量変化分を減算して算出する、請求項1又は請求項2に記載のボイラシステム。
  4. 前記出力制御部は、前記全台待機部の機能のキャンセルを開始してから第2時間を経過した場合、又は前記補正必要蒸気量算出部により算出した今回補正必要蒸気量MV´が、前記必要蒸気量算出部により算出した今回必要蒸気量MV以下の値となった場合、前記必要蒸気量算出部により算出された今回必要蒸気量MVを発生させるように前記複数のボイラの燃焼状態を制御する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のボイラシステム。
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