JP6330417B2 - ボイラシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ボイラシステムに関する。
従来、複数のボイラを燃焼させて蒸気を発生させるボイラシステムとして、ボイラの燃焼量を連続的に増減させて蒸気の発生量を制御する、いわゆる比例制御方式のボイラシステムが提案されている。
そして、このようなボイラシステムにおいては、給蒸中のボイラ(以下、「給蒸ボイラ」ともいう)の負荷が均一になるように、燃焼量を増加させる場合には各ボイラの燃焼率が最も低いボイラを優先的に燃焼量を増加させ、また燃焼量を減少させる場合には各ボイラの燃焼率が最も高いボイラを優先的に燃焼量を減少させる制御を行うことがなされている。そうすることで、最終的に給蒸中のボイラの燃焼率がそれぞれほぼ同じとなる。
例えば、特許文献1には、ボイラを、台数増加負荷ゾーン(例えば燃焼率80%以上)、最適運転負荷ゾーン(例えば燃焼率50%〜80%)及び台数減少負荷ゾーン(例えば燃焼率50%未満)の3つの負荷ゾーンに区分し、ボイラが台数増加負荷ゾーンで燃焼している場合に燃焼させるボイラの台数を増加させ、ボイラが台数減少負荷ゾーンで燃焼している場合に燃焼させるボイラの台数を減少させる比例制御ボイラの制御方法が提案されている。そして、この特許文献1で提案された比例制御ボイラの制御方法では、燃焼させるボイラの台数の増減を行った後には、燃焼しているすべてのボイラを均等な燃焼率で運転させている。
特開平11−132405号公報
ところで、燃焼させるボイラの台数を増加させる場合、台数制御装置(制御部)は、複数のボイラのうち給蒸していないボイラに対して、給蒸開始のための起蒸指示を行う。
ここで、給蒸していないボイラとして、燃焼停止状態のボイラ及び連続パイロット燃焼状態(種火の状態)のボイラが挙げられる。燃焼停止状態のボイラは、給蒸開始のための起蒸指示を受けた場合、プレパージを行ってボイラの内部に残存する燃料の未燃焼成分を除去し、プレパージが完了した後に、燃料を燃焼させて蒸気の生成を開始する。これに対して、連続パイロット燃焼状態(種火の状態)のボイラは、給蒸開始のための起蒸指示を受けた場合、プレパージすることなく、燃焼開始させて蒸気の生成を開始する。
いずれにしても、給蒸開始のための起蒸指示を受けたボイラ(以下「増缶ボイラ」ともいう)は通常、最少燃焼率、例えば20%で燃焼を開始する。このため、台数制御装置(制御部)は、燃焼量を増加させる場合に、給蒸中のボイラの負荷が均一になるように各ボイラの燃焼率が最も低いボイラの燃焼量を優先的に増加させるという従来の制御を実行すると、ボイラ群のなかに給蒸を開始したボイラが存在する場合には、当該ボイラのみ極端に燃焼率が低い状態となるため、当該ボイラに集中して燃焼量を増加させることになる。
特許文献1で提案された手法においても、運転している各ボイラが均等に負荷を受け持つように、各ボイラの最適運転負荷域でボイラ台数を制御する。そのため、給蒸を開始したボイラが存在している場合には、給蒸を開始したボイラに集中して燃焼量を増加させることになる。
しかしながら、起蒸指示を受けたボイラ(増缶ボイラ)は、燃料を燃焼させてから実際に蒸気を生成するまでに遅延時間があるため、増缶ボイラがまだ給蒸していない状態であるにも関わらず、制御部は、増缶ボイラが給蒸を開始していると誤判断するおそれがある。また、ボイラの特性や設備的な問題で、増缶ボイラは、給蒸開始直後は、出力蒸気量増加が安定しないことがあるため、例えば当該ボイラの単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値である最大増加蒸気量が指示されたにも関わらず、当該ボイラの実際の出力蒸気量が指示蒸気量より過小となるおそれがある。その結果、給蒸を開始した当該増缶ボイラの出力蒸気量不足により、ボイラシステムが圧力低下に至るおそれがある。
したがって、台数制御装置(制御部)が、出力蒸気量を増加させる場合に、給蒸中のボイラの負荷が均一になるように各ボイラの燃焼率が最も低いボイラの出力蒸気量を優先的に増加させるという従来の制御を実行すると、台数制御装置(制御部)が給蒸を開始したボイラに対して給蒸開始直後に当該ボイラの単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値である最大増加蒸気量を指示することになり、その結果、当該給蒸を開始したボイラの出力蒸気量不足により、ボイラシステムが圧力低下に至るという問題点がある。
本発明は、複数のボイラのうち給蒸していないボイラに対して、起蒸指示部により給蒸開始のための起蒸指示がなされた場合、前記ボイラが給蒸を開始したか否かを判定する第1判定部と、前記ボイラが第1判定部により給蒸を開始したと判定されてから、第1時間が経過したか否かを判定する第2判定部と、を備える。そうすることで、台数制御装置(制御部)は、給蒸開始直後のボイラの燃焼量増加を適切に制御し、そうすることで、ボイラシステムの圧力低下を抑制し、圧力安定性を維持できるボイラシステムを提供することを目的とする。
本発明は、燃焼率を変更して燃焼可能な複数のボイラからなり、負荷機器に蒸気を供給するボイラ群と、負荷機器からの要求負荷に応じた目標蒸気量の蒸気を生成するために、前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、前記制御部は、要求負荷に応じて、複数の前記ボイラのうち給蒸していないボイラに対して、給蒸開始のための起蒸指示を行う起蒸指示部と、前記起蒸指示部により起蒸指示された前記ボイラが給蒸を開始したか否かを判定する第1判定部と、前記第1判定部により、前記起蒸指示された前記ボイラが給蒸を開始したと判定されてから第1時間が経過したか否かを判定する第2判定部と、複数の前記ボイラのうち蒸気を供給しているボイラである給蒸ボイラの出力蒸気量を要求負荷に応じて変更することで、要求負荷に応じた目標蒸気量の蒸気を出力するための制御を行う出力制御部と、を備えるボイラシステムに関する。
前記出力制御部は、前記第1判定部により給蒸を開始したと判定された給蒸開始ボイラの単位時間あたりの出力蒸気量の増加量を、前記第2判定部により前記第1時間を経過したと判定されるまでの間、当該ボイラの単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値として予め設定される最大増加蒸気量未満に抑制することが好ましい。
前記第2判定部により前記第1時間を経過したと判定されるまでの間、前記第1判定部により給蒸を開始したと判定された給蒸開始ボイラの単位時間あたりの出力蒸気量の増加量は、予め設定される第1増加量以下であることが好ましい。
前記第1増加量は前記給蒸開始ボイラの単位蒸気量とすることができる。
また、前記第1増加量は前記給蒸開始ボイラの最大蒸気量の1%以下とすることができる。
また、前記第1増加量はゼロとすることができる。
本発明のボイラシステムによれば、給蒸していないボイラが、起蒸指示部により給蒸開始のための起蒸指示をされた場合に、当該ボイラが給蒸を開始したか否かを第1判定部により判定し、当該ボイラが給蒸を開始したと第1判定部により判定されてから第1時間が経過したか否かを第2判定部により判定することで、台数制御装置(制御部)は、給蒸開始直後のボイラの燃焼量増加を適切に制御することができる。このため、ボイラ群の系統全体における指示蒸気量と出力蒸気量のずれを最小限に留め、ボイラシステムの圧力低下を抑制し、圧力安定性を維持できる。
本発明の一実施形態に係るボイラシステムの概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係るボイラ群の概略を示す図である。 制御部の構成を示す機能ブロック図である。 ボイラシステムの動作を示すフローチャートである。 ボイラ群の燃焼状態の一例を示す図である。
以下、本発明のボイラシステムの好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明のボイラシステム1の全体構成につき、図1を参照しながら説明する。ボイラシステム1は、複数(5台)のボイラ20を含むボイラ群2と、これら複数のボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダ6と、この蒸気ヘッダ6の内部の圧力を測定する蒸気圧センサ7と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する制御部4を有する台数制御装置3と、を備える。
ボイラ群2は、蒸気使用設備18に供給する蒸気を生成する。
蒸気ヘッダ6は、蒸気管11を介してボイラ群2を構成する複数のボイラ20に接続されている。この蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。
蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で生成された蒸気を集合させて貯留することにより、複数のボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給する。
蒸気圧センサ7は、信号線13を介して、台数制御装置3に電気的に接続されている。蒸気圧センサ7は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(ボイラ群2で発生した蒸気の圧力)を測定し、測定した蒸気圧に係る信号(蒸気圧信号)を、信号線13を介して台数制御装置3に送信する。
台数制御装置3は、信号線16を介して、複数のボイラ20と電気的に接続されている。この台数制御装置3は、蒸気圧センサ7により測定される蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧に基づいて、各ボイラ20の燃焼状態を制御する。台数制御装置3の詳細については、後述する。
以上のボイラシステム1は、ボイラ群2で発生させた蒸気を、蒸気ヘッダ6を介して、蒸気使用設備18に供給可能とされている。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御装置3は、この蒸気消費量の変動に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼状態を制御する。
具体的には、蒸気使用設備18の需要の増大により要求負荷(蒸気消費量)が増加し、蒸気ヘッダ6に供給される蒸気量(後述の出力蒸気量)が不足すれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が減少することになる。一方、蒸気使用設備18の需要の低下により要求負荷(蒸気消費量)が減少し、蒸気ヘッダ6に供給される蒸気量が過剰になれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が増加することになる。従って、ボイラシステム1は、蒸気圧センサ7により測定された蒸気圧の変動に基づいて、要求負荷の変動をモニターすることができる。そして、ボイラシステム1は、蒸気ヘッダ6の蒸気圧に基づいて、蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)に応じて必要とされる蒸気量である必要蒸気量を算出する。
ここで、本実施形態のボイラシステム1を構成する複数のボイラ20について説明する。図2は、本実施形態に係るボイラ群2の概略を示す図である。
本実施形態のボイラ20は、燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な比例制御ボイラからなる。
比例制御ボイラとは、少なくとも、最小燃焼状態S1(例えば、燃焼率20%の燃焼状態)から最大燃焼状態S2の範囲で、燃焼率が連続的に制御可能とされているボイラである。比例制御ボイラは、例えば、燃料をバーナに供給するバルブや、燃焼用空気を供給するバルブの開度(燃焼比)を制御することにより、燃焼率を調整するようになっている。
また、燃焼率を連続的に制御するとは、後述のローカル制御部22における演算や信号がデジタル方式とされて段階的に取り扱われる場合(例えば、ボイラ20の出力(燃焼率)が1%刻みで制御される場合)であっても、事実上連続的に出力を制御可能な場合を含む。
本実施形態では、ボイラ20の燃焼停止状態S0と最小燃焼状態S1との間の燃焼状態の変更は、ボイラ20(バーナ)の燃焼をオン/オフすることで制御される。そして、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、燃焼率が連続的に制御可能となっている。
より具体的には、複数のボイラ20それぞれには、変動可能な蒸気量の単位である単位蒸気量Uが設定されている。これにより、ボイラ20は、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、単位蒸気量U単位で、蒸気量を変更可能となっている。
単位蒸気量Uは、ボイラ20の最大燃焼状態S2における蒸気量(最大蒸気量)に応じて適宜設定できるが、ボイラシステム1における出力蒸気量の必要蒸気量に対する追従性を向上させる観点から、ボイラ20の最大蒸気量の0.1%〜20%に設定されることが好ましく、1%〜10%に設定されることがより好ましい。
なお、出力蒸気量とは、ボイラ群2により出力される蒸気量を示し、この出力蒸気量は、複数のボイラ20それぞれから出力される蒸気量の合計値により表される。
複数のボイラ20それぞれには、単位時間あたりに変動可能な蒸気量の上限値である最大変動蒸気量が設定されている。本実施形態では、最大変動蒸気量は、1秒間で変動させられる蒸気量の上限値として設定される。また、この最大変動蒸気量は、単位蒸気量Uの整数倍(例えば、単位蒸気量×1)に対応する値に設定される。
最大変動蒸気量として、単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値である最大増加蒸気量と、単位時間あたりに減少可能な蒸気量の上限値である最大減少蒸気量と、がそれぞれ設定される。
なお、最大変動蒸気量の設定として、単位蒸気量Uの整数倍(例えば、単位蒸気量×1)に対応する値に替えて、ボイラ20の最大蒸気量に対する割合(例えば、百分率による割合)を用いてもよい。また、ボイラ20の最大変動蒸気量を出力する燃焼率を設定してもよい。
また、複数のボイラ20には、それぞれ優先順位が設定されている。優先順位は、燃焼指示や燃焼停止指示等を行うボイラ20を選択するために用いられる。優先順位は、例えば整数値を用いて、数値が小さいほど優先順位が高くなるよう設定することができる。図2に示すように、ボイラ20の1号機〜5号機のそれぞれに「1」〜「5」の優先順位が割り当てられている場合、1号機の優先順位が最も高く、5号機の優先順位が最も低い。この優先順位は、通常の場合、後述の制御部4の制御により、所定の時間間隔(例えば、24時間間隔)で変更される。
また、ボイラ群2には、給蒸ボイラの台数を決定するための基準閾値が設定されている。本実施形態では、基準閾値として基準蒸気量を用いることとしている。
例えば、必要蒸気量が所定の基準蒸気量に達する(以上又はより大きくなる)と、給蒸していない(燃焼停止状態又は連続パイロット燃焼状態の)ボイラ20の燃焼を開始し、ボイラ20の台数が増加する。
また、必要蒸気量が予め設定された基準蒸気量に達する(以下になる又はより小さくなる)と給蒸ボイラ20のうちの1のボイラ20を燃焼停止状態又は連続パイロット燃焼状態にする。
これら所定の基準蒸気量は、任意に設定することができ、また、給蒸ボイラの台数を決定するための基準閾値として、基準蒸気量以外の任意の情報を用いることとしてもよい。
例えば、基準閾値は、給蒸ボイラ20の燃焼率であってもよい。
燃焼率を用いる場合、給蒸ボイラ20の燃焼率が所定の基準閾値(例えば、給蒸ボイラ20が1台の場合は50%、2台の場合は100%、3台の場合は150%等)に達すると、給蒸していないボイラ20が燃焼を開始し給蒸ボイラ20の台数を増加する。
逆に、給蒸ボイラ20の燃焼率が所定の基準閾値(例えば、燃焼状態にあるボイラ20が2台の場合は50%、3台の場合は100%、4台の場合は150%等)に達すると、給蒸ボイラ20を燃焼停止状態又は連続パイロット燃焼状態にし、給蒸ボイラ20の台数を減少する。
以上のボイラ20は、図1に示すように、燃焼が行われるボイラ本体21と、ボイラ20の燃焼状態を制御するローカル制御部22と、を備える。
ローカル制御部22は、要求負荷に応じてボイラ20の燃焼状態を変更させる。具体的には、ローカル制御部22は、信号線16を介して台数制御装置3から送信される台数制御信号に基づいて、ボイラ20の燃焼状態を制御する。
また、ローカル制御部22は、台数制御装置3で用いられる信号を、信号線16を介して台数制御装置3に送信する。台数制御装置3で用いられる信号としては、ボイラ20の実際の燃焼状態、及びその他のデータが挙げられる。
次に、台数制御装置3の詳細について説明する。
台数制御装置3は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号に基づいて、要求負荷に応じたボイラ群2の必要蒸気量、及び必要蒸気量に対応する各ボイラ20の燃焼状態を算出し、各ボイラ20(ローカル制御部22)に台数制御信号を送信する。この台数制御装置3は、図1に示すように、記憶部5と、制御部4と、を備える。
記憶部5は、台数制御装置3(制御部4)の制御により各ボイラ20に対して行われた指示の内容や、各ボイラ20から受信した燃焼状態等の情報、複数のボイラ20の燃焼パターンの設定条件等の情報、給蒸ボイラの台数を決定するための基準閾値に関する設定の情報、各ボイラ20の単位蒸気量Uについての情報、各ボイラ20の最大変動蒸気量についての情報、複数のボイラ20の優先順位の設定の情報、優先順位の変更(ローテーション)に関する設定の情報等を記憶する。なお、単位蒸気量U、最大変動蒸気量(最大増加蒸気量及び最大減少蒸気量)の値は、各ボイラ毎に異なってもよい。
また、後述するように、記憶部5は、各ボイラ20の給蒸開始直後の単位時間あたりに増加可能な蒸気量に関する設定情報(第1時間及び第1増加量等)を記憶する。例えば、第1増加量は各ボイラ20の単位蒸気量Uの整数倍(例えば、単位蒸気量U×2)としてもよい。特に第1増加量は各ボイラ20の単位蒸気量Uとしてもよい。また、第1増加量は各ボイラ20の最大蒸気量の1%以下としてもよい。また、第1増加量をゼロ、すなわち、出力蒸気量を増加させないように設定してもよい。
制御部4は、信号線16を介して各ボイラ20に各種の指示を行ったり、各ボイラ20から各種のデータを受信したりして、複数のボイラ20の燃焼状態や優先順位を制御する。各ボイラ20は、台数制御装置3から燃焼状態の変更指示の信号を受けると、その指示に従って当該ボイラ20を制御する。
ここで、蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)が増大し必要蒸気量が予め設定された所定の基準蒸気量に達すると、制御部4は、燃焼停止状態S0又は連続パイロット燃焼状態にあるボイラ20の燃焼を開始し、給蒸ボイラ20の台数を増加する。
ボイラの特性や設備的な問題で、給蒸を開始したボイラは、給蒸開始直後、出力蒸気量増加が安定しないことが発生することもあるため、例えば当該ボイラの単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値である最大増加蒸気量を指示されたにも関わらず、当該ボイラの実際の出力蒸気量が指示蒸気量より過小となることがある。
そこで、制御部4は、給蒸を開始したボイラが存在する場合には、当該ボイラが給蒸を開始してから第1時間を経過したと判定されるまでの間、当該ボイラの単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値である最大増加蒸気量に換えて第1増加量を用いることで、当該ボイラの単位時間あたりの出力蒸気量増加を抑制し、給蒸を開始したボイラ以外の他の給蒸ボイラに残りの出力蒸気量増加を分担させる。なお、「当該ボイラが給蒸を開始してから第1時間を経過したと判定されるまでの間」は、「当該ボイラが給蒸を開始して台数制御に組み込まれてから第1時間を経過したと判定されるまでの間」としてもよい。
以上の機能を実現するために、制御部4は、蒸気量算出部41と、起蒸指示部42と、第1判定部43と、第2判定部44と、出力制御部45と、を備える。
蒸気量算出部41は、蒸気ヘッダ6の蒸気圧に基づいて、要求負荷に応じた必要蒸気量を算出する。
起蒸指示部42は、蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)が増大し、予め設定された基準閾値に達する(以上又はより大きくなる)と、燃焼停止状態S0又は連続パイロット燃焼状態にあるボイラ20に対して蒸気供給(給蒸)を開始するための起蒸指示を行う。
ここで、燃焼停止状態S0にあるボイラ20に対する起蒸指示は、例えば、パイロットバーナを点火すると共に送風機を運転させてボイラ20の内部に滞留した可燃成分を除去するパイロット運転指示と、メインバーナによる燃焼指示を含む。また、連続パイロット燃焼状態にあるボイラ20に対する起蒸指示は、メインバーナによる燃焼指示を含む。
制御部4は、起蒸指示を受けたボイラ(増缶ボイラ)20に関して、起蒸指示が出された旨の情報を記憶部5に記憶する。
なお、起蒸指示部42が起蒸指示を行った後、制御部4は増缶ボイラ20から発生する蒸気の圧力が上がり始めるまで、増缶ボイラ20を最大燃焼率(100%)で燃焼させてもよい。ここで、発生する蒸気の圧力が上がり始めるまでとは、例えば、増缶ボイラ20から発生する蒸気の蒸気圧力が所定圧力に上昇するまでであってもよく、また、ボイラ20の水管温度が所定温度を超えるまでであってもよく、また、最大燃焼率での燃焼を開始してから所定時間を経過するまでであってもよい。こうすることにより、増缶ボイラ20の缶水を早急に沸騰させることができ、増缶ボイラ20が蒸気を発生するまでにかかる時間を低減することができる。
そして、制御部4は、増缶ボイラ20から発生する蒸気の圧力が上がり始めた後、第1判定部43により当該ボイラ20が給蒸を開始すると判定されるまで、最小燃焼率(20%)で、当該ボイラ20を燃焼させてもよい。
第1判定部43は、増缶ボイラ20が給蒸を開始したかどうかを判定する。ここで、給蒸開始の判定は増缶ボイラ20から発生する蒸気圧力に基づいて行うことができる。一例として、第1判定部43は、ボイラ20から発生する蒸気圧力が、蒸気ヘッダ6の蒸気圧力よりも蒸気管11の圧力損失分高くなると、増缶ボイラ20が給蒸を開始したと判定することができる。なお、第1判定部43は、増缶ボイラ20から発生する蒸気圧力が、蒸気ヘッダ6の蒸気圧力よりも蒸気管11の圧力損失分高くなるとともに、計時部(図示せず)により、バーナが着火してから所定時間が経過したことを計測することで、増缶ボイラ20が給蒸を開始したと判定してもよい。
また、このような給蒸開始の判定は、台数制御装置3の制御部4ではなく、増缶ボイラ20のローカル制御部22により行うこととしてもよい。ローカル制御部22が給蒸開始の判定を行う場合、ローカル制御部22から所定の通知を受けることで、制御部4(第1判定部43)が増缶ボイラ20の給蒸開始を判断する。すなわち、増缶ボイラ20が給蒸開始となったことをローカル制御部22が判断すると、ローカル制御部22が給蒸開始の旨を台数制御装置3に通知することで、制御部4(第1判定部43)が増缶ボイラ20の給蒸開始の判断を行う。
この際、制御部4は、増缶ボイラ20の単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値を予め設定されている最大増加蒸気量に換えて第1増加量に補正してもよい。こうすることで、増缶ボイラ20が給蒸を開始してから第1時間を経過するまでの間(又は、増缶ボイラ20が給蒸を開始して台数制御に組み込まれてから第1時間を経過するまでの間)増缶ボイラ20の単位時間あたりの出力蒸気量増加を抑制し、そうすることで増缶ボイラ20以外の他の給蒸ボイラに残りの出力蒸気量増加を分担させることができる。
第2判定部44は、第1判定部43によりボイラ20が給蒸を開始したと判定されてから(又は、第1判定部43によりボイラ20が給蒸を開始したと判定され出力制御部45により台数制御に組み込まれてから)、さらに第1時間、例えば20秒間経過したかを、計時部により判定する。そして、第1時間の経過後、制御部4は、増缶ボイラ20の単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値を第1増加量から元の最大増加蒸気量に戻す。こうすることで、第1時間の経過後、台数制御装置3(制御部4)は、増缶ボイラ20に対して、他の給蒸ボイラと同様に、予め設定された最大増加蒸気量の増加を指示することができるようになる。なお、第1時間はボイラの特性等に応じて適宜設定することができる。
出力制御部45は、第2判定部44により第1時間、例えば20秒間を経過したと判定されるまでの間、仮に、蒸気使用設備18の需要の増大により要求負荷(蒸気消費量)が増加した場合、増缶ボイラ20へ指示する出力蒸気量増加分が第1増加量を超えないように抑制する。その結果、必要蒸気量と出力蒸気量との偏差量から増缶ボイラ20に指示した出力蒸気量増加分を差し引いた偏差残量を増缶ボイラ20以外の他の給蒸ボイラ20に分担させるように制御することとなる。
前述したように、第1増加量は例えば、増缶ボイラ20の単位蒸気量Uの整数倍(例えば、単位蒸気量U×2)としてもよい。第1増加量は例えば、増缶ボイラ20の単位蒸気量Uとしてもよい。また、第1増加量は増缶ボイラ20の最大蒸気量の1%以下としてもよい。また、第1増加量をゼロ、すなわち、出力制御部45は、増缶ボイラ20の出力蒸気量の増加量を、第2判定部44により第1時間を経過したと判定するまでの間、ゼロとしてもよい。
その後、第2判定部44により、第1時間、例えば20秒間を経過したと判定されると、前述したように、増缶ボイラ20の単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値は第1増加量から元の最大増加蒸気量に戻される。こうすることで、出力制御部45は、増缶ボイラ20を含む複数の前記給蒸ボイラ20の出力蒸気量を要求負荷に応じて連続的に変更することで、要求負荷に応じた目標蒸気量の蒸気を出力するための制御を行うこととなる。
本実施形態では、以上の制御を所定の単位時間間隔で(例えば、1秒間毎に)実施している。
以上のような構成の制御部4によれば、給蒸を開始したボイラが存在する場合においても、蒸気使用設備18の需要の増大により、出力蒸気量を増加させる際に、給蒸を開始してから第1時間が経過するまで、当該ボイラ以外の他の給蒸ボイラに出力蒸気量増加を分担させることができ、制御部4による指示蒸気量とボイラ群の出力蒸気量のずれを最小限に留めることで、ボイラシステム1の圧力低下を抑制し、圧力安定性を維持することができる。
次に、本実施形態のボイラシステム1において、蒸気使用設備18の需要の増大により要求負荷(蒸気消費量)が増加した場合の動作について、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態のボイラシステム1の燃焼停止状態S0にあるボイラ20が起蒸指示を受けてから、給蒸を開始し、給蒸開始後第1時間を経過するまでの期間における動作を示すフローチャートである。
ステップST1において、蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)が増大し、予め設定された基準閾値に達する(以上又はより大きくなる)と、起蒸指示部42は、燃焼停止状態S0又は連続パイロット燃焼状態にあるボイラ20に対して起蒸指示を行う。
ステップST2において、出力制御部45は、起蒸指示を受けたボイラ(増缶ボイラ)20が給蒸を開始するまでの間は、給蒸ボイラによるバックアップ制御を行う。
ステップST3において、第1判定部43は、増缶ボイラ20が給蒸を開始したかどうかを判定する。増缶ボイラ20が給蒸を開始したと判定した場合(Yes)、ステップST4に進む。増缶ボイラ20が給蒸を開始していないと判定した場合(No)、ステップST2に戻る。
ステップST4において、制御部4は、増缶ボイラ20の単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値を最大増加蒸気量に換えて第1増加量に補正し、出力制御部45は、当該ボイラ20を台数制御に組み込む。なお、給蒸可能になった増缶ボイラ20の出力蒸気量分、他の給蒸ボイラ20の出力蒸気量を減少させる。
ステップST5において、出力制御部45は、要求負荷が増大した場合、増缶ボイラ20の単位時間あたりの出力蒸気量増加量が第1増加量を超えないように抑制して、他の給蒸ボイラに出力蒸気量増加を分担するように制御する。(なお、要求負荷が減少した場合は、他の給蒸ボイラの出力蒸気量を減少するように制御する。)
ステップST6において、第2判定部44は、増缶ボイラ20が給蒸を開始して台数制御に組み込まれてから、第1時間(例えば20秒間)が経過したかどうかを判定する。増缶ボイラ20が給蒸を開始して台数制御に組み込まれてから、第1時間(例えば20秒間)が経過したと判定した場合(Yes)、ステップST7に進む。第1時間(例えば20秒間)が経過していないと判定した場合(No)、ステップST5に戻る。
ステップST7において、制御部4は、増缶ボイラ20の単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値を第1増加量から元の最大増加蒸気量に戻す。こうすることで、第1時間の経過後、台数制御装置(制御部)は、増缶ボイラ20に対して、他の給蒸ボイラと同様に、予め設定された最大増加蒸気量の増加を指示することができるようになる。
次に、本実施形態のボイラシステム1の動作の具体例につき、図5を参照しながら説明する。ここでは、図5に示すように、ボイラシステム1は、5台のボイラ20からなるボイラ群2を有し、それぞれのボイラ20の単位蒸気量Uは、図5に示す一目盛分に設定されている。それぞれのボイラ20の最大増加蒸気量は単位蒸気量U×7である。また、ボイラ20の1号機〜5号機のそれぞれには、「1」〜「5」の優先順位が割り当てられている。なお、ここでは、1号機ボイラ20〜5号機ボイラ20の単位蒸気量Uは、すべて同一であるとする。また、第1増加量として単位蒸気量Uが設定されているとする。
蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)が増大し必要蒸気量が増加基準蒸気量に達すると、起蒸指示部41は、燃焼停止状態S0のボイラ20に対して起蒸指示を行う。図5(1)では、起蒸指示部41は、燃焼停止状態S0の3号機ボイラ〜5号機ボイラのうち、3号機ボイラに対して起蒸指示を行っている。なお、3号機ボイラを燃焼停止状態S0と仮定したが、連続パイロット燃焼状態と仮定してもよい。
起蒸指示に基づき3号機ボイラが燃焼を開始すると、第1判定部43は、3号機ボイラから発生する蒸気の蒸気圧力に基づいて3号機ボイラが給蒸を開始したか否かを判定する。図5(2)では、3号機ボイラが未だ給蒸を開始していないものとする。
起蒸指示を行った3号機ボイラが給蒸を開始していない場合、出力制御部45は、3号機ボイラから発生させる予定の蒸気を既に燃焼状態にある1号機ボイラ及び2号機ボイラから代わりに発生させるよう、1号機ボイラ及び2号機ボイラの燃焼率を上昇させる。また、出力制御部45は、3号機ボイラが給蒸を開始するまでの間、蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)の変動に応じて1号機ボイラ及び2号機ボイラの燃焼率を連続的に変更する。
その後、3号機ボイラが給蒸を開始すると、1号機ボイラ、2号機ボイラ及び3号機ボイラから発生した蒸気がボイラ群2から発生することになる。このとき、3号機ボイラの代わりに1号機ボイラ及び2号機ボイラから発生させていた蒸気が過剰になるため、出力制御部43は、図5(3)に示すように、3号機ボイラから発生する蒸気量分だけ1号機ボイラ及び2号機ボイラから発生する蒸気量を減少させる。すなわち、給蒸開始になった3号機ボイラの燃焼率分、1号機ボイラ及び2号機ボイラの燃焼率を減少させる。
3号機ボイラが給蒸を開始して台数制御に組み込まれてから、第1時間が経過するまでの状態(図5(3)の状態)において、単位時間(例えば1秒)毎に、単位蒸気量Uの7倍の偏差量に相当する必要蒸気量の増加があった場合(要求負荷が増加した場合)におけるボイラシステム1の動作につき説明する。
初めの1秒間におけるボイラシステム1の動作につき説明する。なお、図5(4)は、図5(3)に示す状態から1秒が経過した場合のボイラ群2の燃焼状態を示す図である。
制御部4は、3台のボイラ20を、燃焼率の低い順に選択する。尚、図5(3)に示す状態では、1号機ボイラ20と2号機ボイラ20の燃焼率が等しいため、制御部4は、優先順位に基づいて、3号機ボイラ20、1号機ボイラ20、2号機ボイラ20の順を選択する。
出力制御部45は、3号機ボイラ20が給蒸を開始してから、第1時間が経過していないことから、3号機ボイラ20の単位時間あたりの出力蒸気量増加量が第1増加量(単位蒸気量U)を超えないように抑えて、必要蒸気量と出力蒸気量との偏差量(単位蒸気量U×7)から3号機ボイラ20に指示した出力蒸気量増加分(単位蒸気量U)を差し引いた偏差残量(単位蒸気量U×6)を1号機ボイラ20と2号機ボイラ20に分担させるように制御する。
出力制御部45は、一例として、単位蒸気量U×3をそれぞれ1号機ボイラ20と2号機ボイラ20に分担させるように制御する。
その結果、出力制御部45は、図5(4)に示すように、3号機ボイラ20、1号機ボイラ20、及び2号機ボイラ20の蒸気量を、それぞれ、単位蒸気量U分、単位蒸気量U×3、及び単位蒸気量U×3増加させる。
以上説明した本実施形態のボイラシステム1によれば、以下のような効果を奏する。
燃焼させるボイラの台数を増加させる場合、台数制御装置3は、複数のボイラのうち給蒸していないボイラ20に対して、給蒸開始のための起蒸指示を行う。その結果、前記起蒸指示を受けたボイラ20は通常、最少燃焼率、例えば20%で燃焼を開始する。
しかしながら、起蒸指示を受けたボイラ20は、給蒸開始直後は、出力蒸気量増加が安定しないことがあるため、例えば当該ボイラ20の単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値である最大増加蒸気量が指示されたにも関わらず、当該ボイラ20の実際の出力蒸気量が指示蒸気量より過小となるおそれがある。
すなわち、台数制御装置3が、出力蒸気量を増加させる場合に、給蒸中のボイラ20の負荷が均一になるように各ボイラの燃焼率が最も低いボイラ20の出力蒸気量を優先的に増加させるという従来の制御を実行すると、当該給蒸を開始したボイラの出力蒸気量不足により、ボイラシステムが圧力低下に至るおそれがある。
そこで、蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)が増大し、予め設定された基準閾値に達する(以上又はより大きくなる)と、起蒸指示部42は、燃焼停止状態S0又は連続パイロット燃焼状態にあるボイラ20に対して起蒸指示を行い、出力制御部45は、第1判定部43により給蒸を開始したと判定された給蒸開始ボイラ20の単位時間あたりの出力蒸気量の増加量を、第2判定部44により第1時間を経過したと判定されるまでの間、当該ボイラの単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値として予め設定される最大増加蒸気量未満に抑制して、他の給蒸ボイラに出力蒸気量増加を分担するように制御する。
なお、第1判定部46により給蒸を開始したと判定された給蒸開始ボイラ20の出力蒸気量の増加量は、第2判定部44により第1時間を経過したと判定されるまでの間、予め設定される第1増加量以下としてもよい。
その際、第1増加量として、例えば給蒸開始ボイラ20の単位蒸気量、給蒸開始ボイラ20の最大蒸気量の1%以下、又はゼロとすることができる。
これにより、起蒸指示を受けたボイラ20が、給蒸開始直後に、出力蒸気量増加が安定せず、例えば当該ボイラ20の単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値である最大増加蒸気量が指示されたにも関わらず、当該ボイラ20の実際の出力蒸気量が指示蒸気量より過小となるおそれがある場合においても、当該ボイラ20が給蒸を開始してから第1時間を経過したと判定されるまでの間、当該ボイラの単位時間あたりの出力蒸気量増加を抑制して、当該ボイラ以外の他のボイラに出力蒸気量増加を分担させることができる。このため、ボイラ群の系統全体における指示蒸気量と出力蒸気量のずれを最小限に留めることで、圧力低下を抑制することができ、圧力安定性を維持できる。
以上、本発明のボイラシステム1の好ましい一実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、本発明を、5台のボイラ20からなるボイラ群2を備えるボイラシステムに適用したが、これに限らない。すなわち、本発明を、6台以上のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよく、また、4台以下のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよい。
また、本実施形態では、ボイラ20を、燃焼停止状態S0と最小燃焼状態S1との間の燃焼状態の変更をボイラ20の燃焼をオン/オフすることで制御し、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては出力蒸気量を連続的に制御可能な比例制御ボイラ20により構成したが、これに限らない。すなわち、ボイラを、燃焼停止状態から最大燃焼状態の範囲すべてにおいて、出力蒸気量を連続的に制御可能な比例制御ボイラにより構成してもよい。
また、本実施形態では、ボイラ群2を、単位蒸気量Uの等しい複数のボイラ20により構成したが、これに限らない。すなわち、ボイラ群を、単位蒸気量の異なる複数のボイラにより構成してもよい。
1 ボイラシステム
2 ボイラ群
4 制御部
20 ボイラ
41 蒸気量算出部
42 起蒸指示部
43 第1判定部
44 第2判定部
45 出力制御部

Claims (6)

  1. 燃焼率を変更して燃焼可能な複数のボイラからなり、負荷機器に蒸気を供給するボイラ群と、
    負荷機器からの要求負荷に応じた目標蒸気量の蒸気を生成するために、前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、
    を備えるボイラシステムであって、
    前記制御部は、
    要求負荷に応じて、複数の前記ボイラのうち、燃焼停止状態のボイラ及び連続パイロット燃焼状態のボイラである給蒸していないボイラに対して、燃料を燃焼させて蒸気を生成させて生成した蒸気の供給を開始させる給蒸開始のための起蒸指示を行う起蒸指示部と、
    前記起蒸指示部により起蒸指示された前記ボイラが燃料を燃焼させて蒸気を生成させて生成した蒸気を供給する給蒸を開始したか否かを判定する第1判定部と、
    前記第1判定部により、前記起蒸指示された前記ボイラが給蒸を開始したと判定されてから予め設定される第1時間が経過したか否かを判定する第2判定部と、
    複数の前記ボイラのうち蒸気を供給しているボイラである給蒸ボイラの出力蒸気量を要求負荷に応じて変更することで、要求負荷に応じた目標蒸気量の蒸気を出力するための制御を行う出力制御部と、を備え、
    前記出力制御部は、前記起蒸指示された前記ボイラが給蒸を開始したと判定されてから前記第1時間が経過するまでの間、前記ボイラの単位時間当たりの出力蒸気量増加を抑制する、ボイラシステム。
  2. 前記出力制御部は、前記第1判定部により給蒸を開始したと判定された給蒸開始ボイラの単位時間あたりの出力蒸気量の増加量を、前記第2判定部により前記第1時間を経過したと判定されるまでの間、当該ボイラの単位時間あたりに増加可能な蒸気量の上限値として予め設定される最大増加蒸気量未満に抑制する請求項1に記載のボイラシステム。
  3. 前記第2判定部により前記第1時間を経過したと判定されるまでの間、前記第1判定部により給蒸を開始したと判定された給蒸開始ボイラの単位時間あたりの出力蒸気量の増加量は、予め設定される第1増加量以下である請求項2に記載のボイラシステム。
  4. 前記第1増加量は前記給蒸開始ボイラの単位蒸気量である請求項3に記載のボイラシステム。
  5. 前記第1増加量は前記給蒸開始ボイラの最大蒸気量の1%以下である請求項3に記載のボイラシステム。
  6. 前記第1増加量はゼロである請求項5に記載のボイラシステム。
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