JP6314502B2 - ボイラシステム - Google Patents
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Description
即ち、燃焼停止状態にあるボイラに燃焼指示が出された場合、まず、ボイラは、プレパージを行ってボイラの内部に残存する燃料の未燃焼成分を除去する。そして、プレパージが完了した後に、燃料を燃焼させて蒸気の生成を開始する。
まず、本発明のボイラシステム1の全体構成につき、図1を参照しながら説明する。ボイラシステム1は、複数(5台)のボイラ20を含むボイラ群2と、これら複数のボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダ6と、この蒸気ヘッダ6の内部の圧力を測定する蒸気圧センサ7と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する制御部4を有する台数制御装置3と、を備える。
蒸気ヘッダ6は、蒸気管11を介してボイラ群2を構成する複数のボイラ20に接続されている。この蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。
蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で生成された蒸気を集合させて貯留することにより、複数のボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給する。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御装置3は、この蒸気消費量の変動に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼状態を制御する。
本実施形態のボイラ20は、燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な比例制御ボイラからなる。
比例制御ボイラとは、少なくとも、最小燃焼状態S1(例えば、燃焼率の20%の燃焼状態)から最大燃焼状態S2の範囲で、燃焼率が連続的に制御可能とされているボイラである。比例制御ボイラは、例えば、燃料をバーナに供給するバルブや、燃焼用空気を供給するバルブの開度(燃焼比)を制御することにより、燃焼率を調整するようになっている。
より具体的には、複数のボイラ20それぞれには、変動可能な蒸気量の単位である単位蒸気量Uが設定されている。これにより、ボイラ20は、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、単位蒸気量U単位で、蒸気量を変更可能となっている。
なお、出力蒸気量とは、ボイラ群2により出力される蒸気量を示し、この出力蒸気量は、複数のボイラ20それぞれから出力される蒸気量の合計値により表される。
ローカル制御部22は、要求負荷に応じてボイラ20の燃焼状態を変更させる。具体的には、ローカル制御部22は、信号線16を介して台数制御装置3から送信される台数制御信号に基づいて、ボイラ20の燃焼状態を制御する。
また、ローカル制御部22は、台数制御装置3で用いられる信号を、信号線16を介して台数制御装置3に送信する。台数制御装置3で用いられる信号としては、ボイラ20の実際の燃焼状態、及びその他のデータが挙げられる。
台数制御装置3は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧力信号に基づいて、要求負荷に応じたボイラ群2の必要燃焼量、及び必要燃焼量に対応する各ボイラ20の燃焼状態を算出し、各ボイラ20(ローカル制御部22)に台数制御信号を送信する。この台数制御装置3は、図1に示すように、記憶部5と、制御部4と、を備える。
具体的には、図3に示すように、制御部4は、第1燃焼指示部41と、第2燃焼指示部42と、取消指示部43と、を含んで構成される。なお、図3は、制御部4の構成を示す機能ブロック図である。
なお、第1閾値は、任意に設定することができるが、燃焼指示を出してから実際に1台目のボイラ20が蒸気供給可能になるまでには時間がかかることから、ボイラシステム1に設定された目標圧力よりも高く設定することが好ましい。
なお、第1の時間は、任意に設定するものとする。また、1台目のボイラ20が蒸気供給を開始したか否かの判定は、任意に行うことができ、一例として、第2燃焼指示部42は、1台目のボイラ20のローカル制御部22からプレパージ等が完了し蒸気供給が可能になった旨の通知を受けることを条件に、1台目のボイラ20が蒸気供給を開始したことを判定することとしてもよく、また、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力の変動に基づいて(即ち、蒸気圧力が上昇することに基づいて)1台目のボイラ20が蒸気供給を開始したことを判定することとしてもよい。
なお、所定圧力は、任意に設定することができ、一例として、ボイラシステム1に設定された目標圧力よりも低く設定することができる。また、所定圧力は、フィードバック制御により新たなボイラ20に対して燃焼指示を出すことになる圧力値であってもよい。このようなフィードバック制御による圧力値では、圧力の変動態様によって新たなボイラ20に対して燃焼指示を出すことになる圧力が異なることになる。そのため、所定圧力は、予め設定された圧力値(固定)であってもよく、また、所定の演算により算出される圧力値(変動)であってもよい。
ここで、取消指示部43は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が上昇し始めるタイミングによっては、2台目のボイラ20に対する燃焼指示を取り消すことなく、2台目のボイラ20の燃焼を継続させることとしてもよい。即ち、取消指示部43は、2台目のボイラ20に燃焼指示が出された後、第2の時間が経過するまでに蒸気圧力が上昇し始めた場合に、2台目のボイラ20に対する燃焼指示を取り消す。なお、第2の時間は、任意に設定することができ、例えば、2台目のボイラ20がプレパージ等に要する時間であってもよく、また、2台目のボイラ20が蒸気供給可能になるのに要する時間であってもよい。これにより、2台目のボイラ20が既に燃焼開始してしまった後や燃焼開始のための準備が終了した後等に、2台目のボイラ20に対する燃焼指示を取り消すことがなく、2台目のボイラ20の発停が徒に繰り返されることを防止できる。
なお、図4において、縦軸のヘッダ圧力は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力を示す。また、図4において、第1ボイラとは、1台目のボイラ20を示し、圧力P1は、他のボイラ20が燃焼を停止している状態で1台目のボイラ20の燃焼を停止する待機圧力を示し、圧力P2は、全てのボイラ20が燃焼を停止している状態で1台目のボイラ20の燃焼を開始する起動圧力(第1閾値)を示す。
なお、上述のように燃焼指示を行ってからの時間ではなく、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力に基づいて2台目のボイラ20に対して燃焼指示を出す場合、時間T3は、蒸気圧力が所定圧力まで低下した時間を示す。即ち、制御部4(第2燃焼指示部42)は、蒸気圧力が所定圧力まで低下した時間T3において、2台目のボイラ20に対して燃焼指示を出す。
これにより、1台目のボイラ20に対する燃焼指示から1台目のボイラ20による蒸気供給が開始されるまでの間(例えば、プレパージ等に要する時間)に、蒸気圧力の低下に伴い2台目のボイラ20に対して燃焼指示が出された場合であっても、1台目のボイラ20の蒸気供給の開始に合わせて2台目のボイラ20に出された燃焼指示を取り消すことができる。その結果、全てのボイラ20が燃焼を停止するほど要求負荷が小さい状態が継続した場合に、本来不要な2台目のボイラ20が燃焼してしまうことを防止でき、1台目のボイラ20のみを燃焼させることで安定的な蒸気供給を行うことができる。
これにより、第2の時間が経過した後(例えば、2台目のボイラ20が既に燃焼開始した後)に、2台目のボイラ20に対する燃焼指示を取り消すことがなく、2台目のボイラ20の発停が徒に繰り返されることを防止できる。
例えば、上記実施形態では、2台目のボイラ20に対して出された燃焼指示を取り消すこととしているが、これに限られるものではない。即ち、1台目のボイラ20が蒸気供給可能になるまでの間に、3台目以降のボイラ20に対して燃焼指示が出された場合には、3台目以降のボイラ20に対して出された燃焼指示も同様に取り消すことができる。
2 ボイラ群
20 ボイラ
3 台数制御装置
4 制御部
41 第1燃焼指示部
42 第2燃焼指示部
43 取消指示部
Claims (3)
- 蒸気を生成する複数のボイラと、該複数のボイラにより生成された蒸気が集合する蒸気ヘッダと、該蒸気ヘッダの内部の蒸気圧力に基いて前記複数のボイラの燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
前記制御部は、
前記複数のボイラが全て燃焼停止した状態において、前記蒸気圧力が第1閾値を下回った場合に、1台目のボイラに燃焼指示を出す第1燃焼指示部と、
前記1台目のボイラに燃焼指示が出されてから第1の時間の間、該1台目のボイラによる蒸気供給が開始されなかった場合に2台目のボイラに燃焼指示を出す第2燃焼指示部と、
前記第2燃焼指示部により前記2台目のボイラに燃焼指示が出された後に前記蒸気圧力が上昇し始めた場合に、該2台目のボイラに対する燃焼指示を取り消す取消指示部と、を備えるボイラシステム。 - 蒸気を生成する複数のボイラと、該複数のボイラにより生成された蒸気が集合する蒸気ヘッダと、該蒸気ヘッダの内部の蒸気圧力に基いて前記複数のボイラの燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
前記制御部は、
前記複数のボイラが全て燃焼停止した状態において、前記蒸気圧力が第1閾値を下回った場合に、1台目のボイラに燃焼指示を出す第1燃焼指示部と、
前記1台目のボイラに燃焼指示が出されてから、前記蒸気圧力が所定圧力を下回った場合に、2台目のボイラに燃焼指示を出す第2燃焼指示部と、
前記第2燃焼指示部により前記2台目のボイラに燃焼指示が出された後に前記蒸気圧力が上昇し始めた場合に、該2台目のボイラに対する燃焼指示を取り消す取消指示部と、を備えるボイラシステム。 - 前記取消指示部は、前記2台目のボイラに燃焼指示が出された後、第2の時間が経過するまでに前記蒸気圧力が上昇し始めた場合に、該2台目のボイラに対する燃焼指示を取り消す請求項1又は2に記載のボイラシステム。
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