JP6314502B2 - ボイラシステム - Google Patents

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Description

本発明は、複数のボイラと、これら複数のボイラの燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムに関する。
従来、複数のボイラと、これら複数のボイラの燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムでは、複数のボイラの燃焼パターンを設定することで、要求される負荷が変動した場合における複数のボイラの燃焼状態を制御している(例えば、特許文献1参照)。
このようなボイラシステムにおいて、複数のボイラの燃焼状態は、複数のボイラで生成された蒸気が集合する蒸気ヘッダにおいて測定される蒸気の圧力(蒸気圧力)により制御される。即ち、要求される負荷が増加した場合には、蒸気の使用量が増加するので、蒸気ヘッダにおいて測定される蒸気圧力は低下する。すると、ボイラシステムは、低下した蒸気圧力に対応して燃焼を開始するように設定された所定のボイラを起動させる。そして、蒸気の生成量が増加して、蒸気ヘッダにおいて測定される蒸気圧力が上昇した場合には、ボイラシステムは、燃焼しているボイラを停止させて蒸気の生成量を減少させる。
特開平11−270801号公報
ところで、ボイラシステムにおいて、要求負荷が小さい状態が継続すると、複数のボイラ全ての燃焼が停止される場合が生じる。全てのボイラの燃焼が停止すると、蒸気ヘッダにおいて測定される蒸気圧力は低下していく。そして、蒸気圧力が所定の閾値を下回ると1台目のボイラに燃焼指示が出される。しかしながら、燃焼停止状態にあったボイラに燃焼指示が出された場合、燃焼指示を受けてから蒸気供給を開始するまでには、一定の時間を必要とする。
即ち、燃焼停止状態にあるボイラに燃焼指示が出された場合、まず、ボイラは、プレパージを行ってボイラの内部に残存する燃料の未燃焼成分を除去する。そして、プレパージが完了した後に、燃料を燃焼させて蒸気の生成を開始する。
そのため、このような場合には、蒸気ヘッダの圧力が更に低下することで、2台目や3台目のボイラにも燃焼指示が出される。このように、要求負荷が小さいにもかかわらず、2台目や3台目のボイラに燃焼指示が出された場合には、安定的な蒸気供給を行うことが困難になってしまう。
従って、本発明は、要求負荷が小さい状態においても安定して蒸気供給が可能なボイラシステムを提供することを目的とする。
本発明は、蒸気を生成する複数のボイラと、該複数のボイラにより生成された蒸気が集合する蒸気ヘッダと、該蒸気ヘッダの内部の蒸気圧力に基いて前記複数のボイラの燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、前記制御部は、前記複数のボイラが全て燃焼停止した状態において、前記蒸気圧力が第1閾値を下回った場合に、1台目のボイラに燃焼指示を出す第1燃焼指示部と、前記1台目のボイラに燃焼指示が出されてから第1の時間の間、該1台目のボイラによる蒸気供給が開始されなかった場合に2台目のボイラに燃焼指示を出す第2燃焼指示部と、前記第2燃焼指示部により前記2台目のボイラに燃焼指示が出された後に前記蒸気圧力が上昇し始めた場合に、該2台目のボイラに対する燃焼指示を取り消す取消指示部とを備えるボイラシステムに関する。
また、本発明は、蒸気を生成する複数のボイラと、該複数のボイラにより生成された蒸気が集合する蒸気ヘッダと、該蒸気ヘッダの内部の蒸気圧力に基いて前記複数のボイラの燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、前記制御部は、前記複数のボイラが全て燃焼停止した状態において、前記蒸気圧力が第1閾値を下回った場合に、1台目のボイラに燃焼指示を出す第1燃焼指示部と、前記1台目のボイラに燃焼指示が出されてから、前記蒸気圧力が所定圧力を下回った場合に、2台目のボイラに燃焼指示を出す第2燃焼指示部と、前記第2燃焼指示部により前記2台目のボイラに燃焼指示が出された後に前記蒸気圧力が上昇し始めた場合に、該2台目のボイラに対する燃焼指示を取り消す取消指示部と、を備えるボイラシステムに関する。
この場合において、前記取消指示部は、前記2台目のボイラに燃焼指示が出された後、第2の時間が経過するまでに前記蒸気圧力が上昇し始めた場合に、該2台目のボイラに対する燃焼指示を取り消すこととしてもよい。
本発明によれば、要求負荷が小さい状態においても安定した蒸気供給を実現することができる。
本発明の一実施形態のボイラシステムの概略を示す図である。 ボイラ群の概略を示す図である。 制御部の構成を示す機能ブロック図である。 蒸気圧力と燃焼指示の取り消しとの関係を示す図である。
以下、本発明のボイラシステムの好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明のボイラシステム1の全体構成につき、図1を参照しながら説明する。ボイラシステム1は、複数(5台)のボイラ20を含むボイラ群2と、これら複数のボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダ6と、この蒸気ヘッダ6の内部の圧力を測定する蒸気圧センサ7と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する制御部4を有する台数制御装置3と、を備える。
ボイラ群2は、蒸気使用設備18に供給する蒸気を生成する。
蒸気ヘッダ6は、蒸気管11を介してボイラ群2を構成する複数のボイラ20に接続されている。この蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。
蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で生成された蒸気を集合させて貯留することにより、複数のボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給する。
蒸気圧センサ7は、信号線13を介して、台数制御装置3に電気的に接続されている。蒸気圧センサ7は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力(ボイラ群2で発生した蒸気の圧力)を測定し、測定した蒸気圧力に係る信号(蒸気圧力信号)を、信号線13を介して台数制御装置3に送信する。
台数制御装置3は、信号線16を介して、複数のボイラ20と電気的に接続されている。この台数制御装置3は、蒸気圧センサ7により測定される蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力に基づいて、各ボイラ20の燃焼状態を制御する。台数制御装置3の詳細については、後述する。
以上のボイラシステム1は、ボイラ群2で発生させた蒸気を、蒸気ヘッダ6を介して、蒸気使用設備18に供給可能とされている。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御装置3は、この蒸気消費量の変動に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼状態を制御する。
具体的には、蒸気使用設備18の需要の増大により要求負荷(蒸気消費量)が増加し、蒸気ヘッダ6に供給される蒸気量(後述の出力蒸気量)が不足すれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が低下することになる。一方、蒸気使用設備18の需要の低下により要求負荷(蒸気消費量)が減少し、蒸気ヘッダ6に供給される蒸気量が過剰になれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が上昇することになる。従って、ボイラシステム1は、蒸気圧センサ7により測定された蒸気圧力の変動に基づいて、要求負荷の変動をモニターすることができる。そして、ボイラシステム1は、蒸気ヘッダ6の蒸気圧力に基づいて、蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)に応じて必要とされる蒸気量である必要蒸気量を算出する。
ここで、本実施形態のボイラシステム1を構成する複数のボイラ20について説明する。図2は、本実施形態に係るボイラ群2の概略を示す図である。
本実施形態のボイラ20は、燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な比例制御ボイラからなる。
比例制御ボイラとは、少なくとも、最小燃焼状態S1(例えば、燃焼率の20%の燃焼状態)から最大燃焼状態S2の範囲で、燃焼率が連続的に制御可能とされているボイラである。比例制御ボイラは、例えば、燃料をバーナに供給するバルブや、燃焼用空気を供給するバルブの開度(燃焼比)を制御することにより、燃焼率を調整するようになっている。
また、燃焼率を連続的に制御するとは、後述のローカル制御部22における演算や信号がデジタル方式とされて段階的に取り扱われる場合(例えば、ボイラ20の出力(燃焼率)が1%刻みで制御される場合)であっても、事実上連続的に出力を制御可能な場合を含む。
本実施形態では、ボイラ20の燃焼停止状態S0と最小燃焼状態S1との間の燃焼状態の変更は、ボイラ20(バーナ)の燃焼をオン/オフすることで制御される。そして、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、燃焼率が連続的に制御可能となっている。
より具体的には、複数のボイラ20それぞれには、変動可能な蒸気量の単位である単位蒸気量Uが設定されている。これにより、ボイラ20は、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、単位蒸気量U単位で、蒸気量を変更可能となっている。
単位蒸気量Uは、ボイラ20の最大燃焼状態S2における蒸気量(最大蒸気量)に応じて適宜設定できるが、ボイラシステム1における出力蒸気量の必要蒸気量に対する追従性を向上させる観点から、ボイラ20の最大蒸気量の0.1%〜20%に設定されることが好ましく、1%〜10%に設定されることがより好ましい。
なお、出力蒸気量とは、ボイラ群2により出力される蒸気量を示し、この出力蒸気量は、複数のボイラ20それぞれから出力される蒸気量の合計値により表される。
また、複数のボイラ20には、それぞれ優先順位が設定されている。優先順位は、燃焼指示や燃焼停止指示を行うボイラ20を選択するために用いられる。優先順位は、例えば整数値を用いて、数値が小さいほど優先順位が高くなるよう設定することができる。図2に示すように、ボイラ20の1号機〜5号機のそれぞれに「1」〜「5」の優先順位が割り当てられている場合、1号機の優先順位が最も高く、5号機の優先順位が最も低い。この優先順位は、通常の場合、後述の制御部4の制御により、所定の時間間隔(例えば、24時間間隔)で変更される。
以上のボイラ20は、図1に示すように、燃焼が行われるボイラ本体21と、ボイラ20の燃焼状態を制御するローカル制御部22と、を備える。
ローカル制御部22は、要求負荷に応じてボイラ20の燃焼状態を変更させる。具体的には、ローカル制御部22は、信号線16を介して台数制御装置3から送信される台数制御信号に基づいて、ボイラ20の燃焼状態を制御する。
また、ローカル制御部22は、台数制御装置3で用いられる信号を、信号線16を介して台数制御装置3に送信する。台数制御装置3で用いられる信号としては、ボイラ20の実際の燃焼状態、及びその他のデータが挙げられる。
次に、台数制御装置3の詳細について説明する。
台数制御装置3は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧力信号に基づいて、要求負荷に応じたボイラ群2の必要燃焼量、及び必要燃焼量に対応する各ボイラ20の燃焼状態を算出し、各ボイラ20(ローカル制御部22)に台数制御信号を送信する。この台数制御装置3は、図1に示すように、記憶部5と、制御部4と、を備える。
記憶部5は、台数制御装置3(制御部4)の制御により各ボイラ20に対して行われた指示の内容や、各ボイラ20から受信した燃焼状態等の情報、複数のボイラ20の優先順位の設定の情報、優先順位の変更(ローテーション)に関する設定の情報等を記憶する。
制御部4は、信号線16を介して各ボイラ20に各種の指示を行ったり、各ボイラ20から各種のデータを受信したりして、5台のボイラ20の燃焼状態や優先順位を制御する。各ボイラ20は、台数制御装置3から燃焼状態の変更指示の信号を受けると、その指示に従って当該ボイラ20を制御する。
ここで、蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)が減少すると、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が上昇するため、制御部4は、ボイラ20の燃焼量を低下し、蒸気ヘッダ6に供給する蒸気量を減少する。このとき、他のボイラ20の燃焼を停止し1台のボイラ20のみを最小燃焼状態S1で燃焼させているにも関わらず蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が上昇するほど要求負荷が小さい状態が継続すると、制御部4は、蒸気ヘッダ6の蒸気圧力の上昇を抑制するために全てのボイラ20の燃焼を停止する。
全てのボイラ20の燃焼が停止すると、その後、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が低下するため、制御部4は、蒸気圧力が所定の閾値を下回ると1台目のボイラ20に燃焼指示を出し、燃焼を開始させる。しかしながら、燃焼停止状態S0にあったボイラ20に燃焼指示が出された場合、燃焼指示を受けてから蒸気供給を開始するまでには一定の時間を必要とするため、この一定の時間の間に蒸気圧力が更に低下すると、制御部4は、2台目や3台目のボイラ20にも燃焼指示を出すことになる。
一方、要求負荷が1台のボイラ20で対応できるほど小さいため、1台目のボイラ20に加え、2台目や3台目のボイラ20を燃焼させることは、蒸気ヘッダ6の圧力安定性の観点から好ましくない。そこで、本実施形態の制御部4は、1台目のボイラ20が蒸気供給可能になるまでに2台目や3台目のボイラ20に出された燃焼指示を、一定の条件の下に取り消すこととしている。
具体的には、図3に示すように、制御部4は、第1燃焼指示部41と、第2燃焼指示部42と、取消指示部43と、を含んで構成される。なお、図3は、制御部4の構成を示す機能ブロック図である。
第1燃焼指示部41は、全てのボイラ20が燃焼停止した状態において、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が第1閾値を下回った場合に、最も優先順位の高いボイラ20(1台目のボイラ20)に燃焼指示を出す。即ち、第1燃焼指示部41は、全てのボイラ20の燃焼を停止したことに伴い、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が低下すると、1台目のボイラ20に対して燃焼指示を出す。
なお、第1閾値は、任意に設定することができるが、燃焼指示を出してから実際に1台目のボイラ20が蒸気供給可能になるまでには時間がかかることから、ボイラシステム1に設定された目標圧力よりも高く設定することが好ましい。
第2燃焼指示部42は、1台目のボイラ20に燃焼指示が出されてから第1の時間の間、該1台目のボイラ20による蒸気供給が開始されなかった場合に、優先順位が次に高いボイラ20(2台目のボイラ20)に燃焼指示を出す。即ち、第2燃焼指示部42は、1台目のボイラ20に燃焼指示を出したにも関わらず、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力の低下が継続している場合に、2台目のボイラ20に対して燃焼指示を出す。
なお、第1の時間は、任意に設定するものとする。また、1台目のボイラ20が蒸気供給を開始したか否かの判定は、任意に行うことができ、一例として、第2燃焼指示部42は、1台目のボイラ20のローカル制御部22からプレパージ等が完了し蒸気供給が可能になった旨の通知を受けることを条件に、1台目のボイラ20が蒸気供給を開始したことを判定することとしてもよく、また、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力の変動に基づいて(即ち、蒸気圧力が上昇することに基づいて)1台目のボイラ20が蒸気供給を開始したことを判定することとしてもよい。
このように、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力の変動に基づいて1台目のボイラ20の蒸気供給開始を判定できるため、第2燃焼指示部42は、時間を見ることなく蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力に基づいて2台目のボイラ20に対して燃焼指示を出すこととしてもよい。即ち、第2燃焼指示部42は、第1の時間が経過したか否かに関わらず、1台目のボイラ20に燃焼指示が出されてから蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が所定圧力よりも低くなると、2台目のボイラ20に対して燃焼指示を出すこととしてもよい。
なお、所定圧力は、任意に設定することができ、一例として、ボイラシステム1に設定された目標圧力よりも低く設定することができる。また、所定圧力は、フィードバック制御により新たなボイラ20に対して燃焼指示を出すことになる圧力値であってもよい。このようなフィードバック制御による圧力値では、圧力の変動態様によって新たなボイラ20に対して燃焼指示を出すことになる圧力が異なることになる。そのため、所定圧力は、予め設定された圧力値(固定)であってもよく、また、所定の演算により算出される圧力値(変動)であってもよい。
取消指示部43は、第2燃焼指示部42により2台目のボイラ20に燃焼指示が出された後に蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が上昇し始めた場合に、2台目のボイラ20に対する燃焼指示を取り消す。即ち、第2燃焼指示部42は、1台目のボイラ20が蒸気供給可能になった場合に、2台目のボイラ20の燃焼が不要であるため、2台目のボイラ20に対する燃焼指示を取り消す。
ここで、取消指示部43は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が上昇し始めるタイミングによっては、2台目のボイラ20に対する燃焼指示を取り消すことなく、2台目のボイラ20の燃焼を継続させることとしてもよい。即ち、取消指示部43は、2台目のボイラ20に燃焼指示が出された後、第2の時間が経過するまでに蒸気圧力が上昇し始めた場合に、2台目のボイラ20に対する燃焼指示を取り消す。なお、第2の時間は、任意に設定することができ、例えば、2台目のボイラ20がプレパージ等に要する時間であってもよく、また、2台目のボイラ20が蒸気供給可能になるのに要する時間であってもよい。これにより、2台目のボイラ20が既に燃焼開始してしまった後や燃焼開始のための準備が終了した後等に、2台目のボイラ20に対する燃焼指示を取り消すことがなく、2台目のボイラ20の発停が徒に繰り返されることを防止できる。
続いて、図4を参照して、取消指示部43による燃焼指示の取り消しの概要を説明する。図4は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力と燃焼指示の取り消しとの関係を示す図である。
なお、図4において、縦軸のヘッダ圧力は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力を示す。また、図4において、第1ボイラとは、1台目のボイラ20を示し、圧力P1は、他のボイラ20が燃焼を停止している状態で1台目のボイラ20の燃焼を停止する待機圧力を示し、圧力P2は、全てのボイラ20が燃焼を停止している状態で1台目のボイラ20の燃焼を開始する起動圧力(第1閾値)を示す。
時間T1において、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が圧力P1(待機圧力)まで上昇している。このとき、1台目のボイラ20のみが燃焼している場合、制御部4は、1台目のボイラ20の燃焼を停止し、待機させる。これにより、全てのボイラ20が燃焼を停止する。
全てのボイラ20の燃焼が停止したため、その後、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が低下する。時間T2では、蒸気圧力が圧力P2(起動圧力)まで低下したため、制御部4(第1燃焼指示部41)は、1台目のボイラ20に対して燃焼指示を出す。この燃焼指示に伴い、1台目のボイラ20は、燃焼を開始する。具体的には、1台目のボイラ20は、プレパージを行ってボイラの内部に残存する燃料の未燃焼成分を除去し、プレパージが完了した後に、燃料を燃焼させて蒸気の生成を開始する。
燃焼指示の後も1台目のボイラ20から蒸気ヘッダ6に蒸気が供給されるまでの間は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が低下し続ける。そして、燃焼指示を行った時間T2から第1の時間が経過した時間T3までに蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が上昇しない場合、制御部4(第2燃焼指示部42)は、2台目のボイラ20に対して燃焼指示を出す。
なお、上述のように燃焼指示を行ってからの時間ではなく、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力に基づいて2台目のボイラ20に対して燃焼指示を出す場合、時間T3は、蒸気圧力が所定圧力まで低下した時間を示す。即ち、制御部4(第2燃焼指示部42)は、蒸気圧力が所定圧力まで低下した時間T3において、2台目のボイラ20に対して燃焼指示を出す。
その後、時間T4において、1台目のボイラ20のプレパージ等が完了し、1台目のボイラ20が燃焼を開始する。これにより、時間T5において、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が上昇し始める。この蒸気圧力の上昇に伴い、時間T6において、制御部4(取消指示部43)は、2台目のボイラ20に対する燃焼指示を取り消す。
以上説明した本実施形態のボイラシステム1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)本実施形態のボイラシステム1においては、制御部4の第1燃焼指示部41は、全てのボイラ20が燃焼停止している状態で、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力が圧力P2(起動圧力)を下回った場合に、最も優先順位の高いボイラ20(1台目のボイラ20)に対して燃焼指示を出し、第2燃焼指示部42は、1台目のボイラ20に対する燃焼指示の後、第1の時間の間、1台目のボイラ20による蒸気供給が開始されなかった場合に、次に優先順位の高いボイラ20(2台目のボイラ20)に対して燃焼指示を出す。そして、制御部4の取消指示部43は、2台目のボイラ20に対する燃焼指示の後に蒸気ヘッダ6の蒸気圧力が上昇し始めた場合に、2台目のボイラ20に対する燃焼指示を取り消す。
これにより、1台目のボイラ20に対する燃焼指示から1台目のボイラ20による蒸気供給が開始されるまでの間(例えば、プレパージ等に要する時間)に、蒸気圧力の低下に伴い2台目のボイラ20に対して燃焼指示が出された場合であっても、1台目のボイラ20の蒸気供給の開始に合わせて2台目のボイラ20に出された燃焼指示を取り消すことができる。その結果、全てのボイラ20が燃焼を停止するほど要求負荷が小さい状態が継続した場合に、本来不要な2台目のボイラ20が燃焼してしまうことを防止でき、1台目のボイラ20のみを燃焼させることで安定的な蒸気供給を行うことができる。
(2)一方、本実施形態のボイラシステム1においては、取消指示部43は、2台目のボイラ20に燃焼指示が出された後、第2の時間が経過するまでに蒸気圧力が上昇し始めた場合に、2台目のボイラ20に対する燃焼指示を取り消す。
これにより、第2の時間が経過した後(例えば、2台目のボイラ20が既に燃焼開始した後)に、2台目のボイラ20に対する燃焼指示を取り消すことがなく、2台目のボイラ20の発停が徒に繰り返されることを防止できる。
以上、本発明のボイラシステム1の好ましい一実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、2台目のボイラ20に対して出された燃焼指示を取り消すこととしているが、これに限られるものではない。即ち、1台目のボイラ20が蒸気供給可能になるまでの間に、3台目以降のボイラ20に対して燃焼指示が出された場合には、3台目以降のボイラ20に対して出された燃焼指示も同様に取り消すことができる。
また、上記実施形態では、複数のボイラ20を比例制御ボイラにより構成することとしているが、ボイラ20は比例制御ボイラに限らず、段階値制御ボイラにより構成することとしてもよい。なお、段階値制御ボイラとは、複数の段階的な燃焼位置を有し、燃焼を選択的にオン/オフしたり、炎の大きさを調整したりすること等により燃焼量を制御して、選択された燃焼位置に応じて燃焼量を段階的に増減可能なボイラである。一例として、複数のボイラ20を、燃焼停止位置、低燃焼位置及び高燃焼位置の3位置を有する3位置ボイラにより、構成することとしてもよい。もちろん、ボイラ20は、3位置に限らず、任意のN位置の燃焼位置を有することとしてもよい。
また、例えば、本実施形態では、本発明を、5台のボイラ20からなるボイラ群2を備えるボイラシステムに適用したが、これに限らない。即ち、本発明を、6台以上のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよく、また、2台のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよい。
1 ボイラシステム
2 ボイラ群
20 ボイラ
3 台数制御装置
4 制御部
41 第1燃焼指示部
42 第2燃焼指示部
43 取消指示部

Claims (3)

  1. 蒸気を生成する複数のボイラと、該複数のボイラにより生成された蒸気が集合する蒸気ヘッダと、該蒸気ヘッダの内部の蒸気圧力に基いて前記複数のボイラの燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
    前記制御部は、
    前記複数のボイラが全て燃焼停止した状態において、前記蒸気圧力が第1閾値を下回った場合に、1台目のボイラに燃焼指示を出す第1燃焼指示部と、
    前記1台目のボイラに燃焼指示が出されてから第1の時間の間、該1台目のボイラによる蒸気供給が開始されなかった場合に2台目のボイラに燃焼指示を出す第2燃焼指示部と、
    前記第2燃焼指示部により前記2台目のボイラに燃焼指示が出された後に前記蒸気圧力が上昇し始めた場合に、該2台目のボイラに対する燃焼指示を取り消す取消指示部と、を備えるボイラシステム。
  2. 蒸気を生成する複数のボイラと、該複数のボイラにより生成された蒸気が集合する蒸気ヘッダと、該蒸気ヘッダの内部の蒸気圧力に基いて前記複数のボイラの燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
    前記制御部は、
    前記複数のボイラが全て燃焼停止した状態において、前記蒸気圧力が第1閾値を下回った場合に、1台目のボイラに燃焼指示を出す第1燃焼指示部と、
    前記1台目のボイラに燃焼指示が出されてから、前記蒸気圧力が所定圧力を下回った場合に、2台目のボイラに燃焼指示を出す第2燃焼指示部と、
    前記第2燃焼指示部により前記2台目のボイラに燃焼指示が出された後に前記蒸気圧力が上昇し始めた場合に、該2台目のボイラに対する燃焼指示を取り消す取消指示部と、を備えるボイラシステム。
  3. 前記取消指示部は、前記2台目のボイラに燃焼指示が出された後、第2の時間が経過するまでに前記蒸気圧力が上昇し始めた場合に、該2台目のボイラに対する燃焼指示を取り消す請求項1又は2に記載のボイラシステム。
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