JP6528494B2 - ボイラシステム - Google Patents

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本発明は、段階値制御ボイラと連続制御ボイラとが混在するボイラ群を有するボイラシステムに関する。
燃焼率を変更して燃焼可能なボイラを複数有するボイラ群と、要求される負荷に応じてボイラ群の燃焼状態を制御する台数制御装置と、を備えるボイラシステムが提案されている。このようなボイラシステムでは、複数のボイラから生成された蒸気を貯留する蒸気ヘッダを備え、この蒸気ヘッダから負荷機器に蒸気を供給することとしている。
従来、このようなボイラシステムとして、燃焼率を段階的に変更して燃焼可能な段階値制御ボイラが広く用いられていたが、近年では、燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な連続制御ボイラを用いるボイラシステムも普及し始めている。
なお、段階値制御ボイラとは、複数段階の燃焼位置で燃焼するN位置ボイラ(例えば、燃焼停止、低燃焼、高燃焼等の3位置ボイラ)をいい、このような段階値制御ボイラでは、燃焼率が段階的(例えば、50%毎)に変更される。他方、連続制御ボイラとは、例えば、燃焼率を1%刻みで変更可能なボイラをいい、段階値制御ボイラに比べ細かな調整が可能であり、圧力安定性が向上する。
ここで、段階値制御ボイラにより構成されるボイラシステムでは、台数制御装置は、各ボイラの燃焼パターンを予め設定しておき、蒸気ヘッダの蒸気圧力に対応する燃焼パターンで各ボイラを燃焼させることで、ボイラ群の燃焼状態を制御する(特許文献1参照)。
また、連続制御ボイラにより構成されるボイラシステムでは、台数制御装置は、目標圧力を予め設定しておき、蒸気ヘッダの蒸気圧力と目標圧力との偏差に応じた制御量を算出することで、ボイラ群の燃焼状態を制御する(特許文献2参照)。
特開2013−072609号公報 特開2010−048462号公報
特許文献1,2に記載された燃焼制御方法は、ボイラ群が段階値制御ボイラのみ又は連続制御ボイラのみで構成されている状態を想定しているものであり、段階値制御ボイラ及び連続制御ボイラが混在するボイラ群に適用することを想定していなかった。
そこで、本発明は、段階値制御ボイラと連続制御ボイラとが混在するボイラシステムにおいて、それぞれのボイラが持つ優位性を生かした台数制御が可能なボイラシステムを提供することを目的とする。
本発明は、複数の段階的な燃焼位置で燃焼可能な段階値制御ボイラ及び燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な複数の連続制御ボイラを備えるボイラ群と、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、前記複数の連続制御ボイラには、単位時間あたりに変動可能な蒸気量の上限値である最大変動蒸気量、及び燃焼させる前記連続制御ボイラの台数を増加させる基準となる増缶基準蒸気量が設定されており、前記制御部は、要求負荷に応じた要求蒸気量分の蒸気を前記連続制御ボイラから出力するように前記ボイラ群の燃焼状態を制御する出力制御部と、前記連続制御ボイラから出力する蒸気量が前記段階値制御ボイラにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を超える所定蒸気量に達することを条件に、当該燃焼位置に相当する蒸気量の出力を前記連続制御ボイラから前記段階値制御ボイラに切り換える出力切換部と、を備え、前記所定蒸気量は、前記燃焼位置に相当する蒸気量と前記増缶基準蒸気量との和から、前記最大変動蒸気量と予め設定された第1時間との積を減算した値よりも小さい値に設定されるボイラシステムに関する。
また、前記連続制御ボイラには、該連続制御ボイラの最小燃焼状態における蒸気量である最小燃焼蒸気量が設定されており、前記所定蒸気量は、前記燃焼位置に相当する蒸気量と、前記最小燃焼蒸気量と、の和以上となることとしてもよい。
また、前記第1時間は、1台の連続制御ボイラに燃焼指示を出した後の増缶指示のできるまでの起動抑制時間以上の時間であるとしてもよい。
本発明は、複数の段階的な燃焼位置で燃焼可能な段階値制御ボイラ及び燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な連続制御ボイラを備えるボイラ群と、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、前記連続制御ボイラには、単位時間あたりに変動可能な蒸気量の上限値である最大変動蒸気量、及び燃焼させる前記連続制御ボイラの台数を減少させる基準となる減缶基準蒸気量が設定されており、前記制御部は、要求負荷に応じた要求蒸気量分の蒸気を前記連続制御ボイラから出力するように前記ボイラ群の燃焼状態を制御する出力制御部と、前記連続制御ボイラから出力する蒸気量が前記段階値制御ボイラにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を超える所定蒸気量に達することを条件に、当該燃焼位置に相当する蒸気量の出力を前記連続制御ボイラから前記段階値制御ボイラに切り換える出力切換部と、を備え、前記所定蒸気量は、前記燃焼位置に相当する蒸気量と、前記減缶基準蒸気量と、前記最大変動蒸気量に予め設定された第2時間を積算した蒸気量と、の和よりも大きいボイラシステムに関する。
また、前記第2時間は、1台の連続制御ボイラに燃焼指示を出した後の減缶指示のできるまでの抑制時間以上の時間であるとしてもよい。
本発明によれば、連続制御ボイラを負荷追従用に用いる一方で、段階値制御ボイラをベース燃焼用に用いるため、両ボイラが持つ優位性を生かした台数制御が可能になる。
本発明の本実施形態のボイラシステムの概略を示す図である。 上記実施形態のボイラ群の概略を示す図である。 ボイラ群を構成する段階値制御ボイラ及び連続制御ボイラのボイラ特性を示す図である。 台数制御装置の制御部の機能構成を示すブロック図である。 段階値制御ボイラ−連続制御ボイラ間で蒸気量の出力を切り換える場合の動作例を示す図である。 段階値制御ボイラ−連続制御ボイラ間で蒸気量の出力を切り換える場合の動作例を示す図である。 段階値制御ボイラ−連続制御ボイラ間で蒸気量の出力を切り換える場合の動作例を示す図である。 段階値制御ボイラ−連続制御ボイラ間で蒸気量の出力を切り換える場合の動作例を示す図である。 段階値制御ボイラ−連続制御ボイラ間で蒸気量の出力を切り換える場合の動作例を示す図である。 段階値制御ボイラ−連続制御ボイラ間で蒸気量の出力を切り換える場合の動作例を示す図である。 段階値制御ボイラ−連続制御ボイラ間で蒸気量の出力を切り換える場合の動作例を示す図である。 段階値制御ボイラ−連続制御ボイラ間で蒸気量の出力を切り換える場合の動作例を示す図である。
以下、本発明のボイラシステムの好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本実施形態に係るボイラシステム1の全体構成につき、図1を参照しながら説明する。ボイラシステム1は、段階値制御ボイラ20A及び連続制御ボイラ20Bが混在するボイラ群2と、これら複数のボイラ20A、20Bにおいて生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダ6と、この蒸気ヘッダ6の内部の圧力を測定する蒸気圧センサ7と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する制御部4を有する台数制御装置3と、を備える。
ボイラ20A及び20Bは、それぞれ、図1に示すように、燃焼が行われるボイラ本体21A及び21Bと、ボイラ20A及び20Bの燃焼状態を制御するローカル制御部22A及び22Bと、を備える。
ローカル制御部22A及び22Bは、それぞれ、蒸気消費量に応じてボイラ20A及び20Bの燃焼状態を変更させる。具体的には、ローカル制御部22A及び22Bは、信号線16を介して台数制御装置3から送信される制御信号に基づいて、ボイラ20A及び20Bの燃焼状態を制御する。また、ローカル制御部22A及び22Bは、台数制御装置3で用いられる信号を、信号線16を介して台数制御手段に送信する。台数制御装置3で用いられる信号としては、ボイラ20A及び20Bの実際の燃焼状態、及びその他のデータ等が挙げられる。
ボイラ群2は、蒸気使用設備18に供給する蒸気を生成する。
蒸気ヘッダ6は、蒸気管11を介してボイラ群2を構成する複数のボイラ20A及び20Bに接続されている。この蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。
蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で生成された蒸気を集合させて貯留することにより、複数のボイラ20A及び20Bの相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給する。
蒸気圧センサ7は、信号線13を介して、台数制御装置3に電気的に接続されている。蒸気圧センサ7は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(ボイラ群2で発生した蒸気の圧力)(以下、「ヘッダ圧力」ともいう)を測定し、測定した蒸気圧に係る信号(蒸気圧信号)を、信号線13を介して台数制御装置3に送信する。
台数制御装置3は、信号線16を介して、複数のボイラ20A及び20Bと電気的に接続されている。この台数制御装置3は、蒸気圧センサ7により測定される蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力値(以下、「ヘッダ圧力値」ともいう)に基づいて、各ボイラ20A及び20Bの燃焼状態を制御する。
以上のボイラシステム1は、ボイラ群2で発生させた蒸気を、蒸気ヘッダ6を介して、蒸気使用設備18に供給可能とされている。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御装置3は、この蒸気消費量の変動に対応して生じるヘッダ圧力の変動を、蒸気圧センサ7が測定するヘッダ圧力値(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20A及び20Bの燃焼状態を制御する。
具体的には、蒸気使用設備18の需要の増大により蒸気消費量が増加し、蒸気ヘッダ6に供給される出力蒸気量が不足すれば、ヘッダ圧力値が減少する。一方、蒸気使用設備18の需要の低下により蒸気消費量が減少し、蒸気ヘッダ6に供給される出力蒸気量が過剰になれば、ヘッダ圧力値が増加する。台数制御装置3は、ヘッダ圧力値の変動に基づいて、蒸気消費量の変動をモニターする。そして、台数制御装置3は、ヘッダ圧力値に基づき算出した目標蒸気量分の蒸気を生成するように各ボイラ20A及び20Bの燃焼量を制御する。
ここで、図2を参照して、本実施形態のボイラシステム1を構成するボイラ群2について説明する。図2は、本実施形態に係るボイラ群2の概略を示す図である。
本実施形態のボイラ群2は、3台の段階値制御ボイラ20Aと、2台の連続制御ボイラ20Bとからなり、3台の段階値制御ボイラ20Aは段階値制御ボイラ群2Aを構成し、2台の連続制御ボイラは連続制御ボイラ群2Bを構成する。
(段階値制御ボイラ20Aの説明)
段階値制御ボイラ20Aとは、燃焼を選択的にオン/オフしたり、又は炎の大きさを調整すること等により燃焼量を制御して、選択された燃焼位置に応じて燃焼量を段階的に増減可能なボイラである。
本実施形態の段階値制御ボイラ20Aは、各燃焼位置における燃焼量、及び最大燃焼量としての燃焼能力(高燃焼位置における燃焼量)が段階値制御ボイラ20Aのそれぞれで等しく設定され、以下の4段階で燃焼状態(燃焼位置、燃焼率)を制御可能とされており、いわゆる4位置制御されるボイラである。
1)燃焼停止位置(第1燃焼位置:0%)
2)低燃焼位置L(第2燃焼位置:例えば最大燃焼量の5〜35%で設定される、本実施形態では20%)
3)中燃焼位置M(第3燃焼位置:例えば最大燃焼量の40〜70%で設定される、本実施形態では45%)
4)高燃焼位置H(第4燃焼位置:100%(最大燃焼量))。
なお、段階値制御ボイラ群2Aの段階値制御ボイラ20Aとして、4位置制御以外に、燃焼量が燃焼停止位置(第1燃焼位置)、低燃焼位置L(第2燃焼位置)、及び高燃焼位置H(第3燃焼位置)の3段階の燃焼位置に制御可能とされる、いわゆる3位置制御や、また5位置以上としてもよい。また、各段階値制御ボイラ20Aのボイラ容量、燃焼位置の段階数等が、各段階値制御ボイラ20Aのそれぞれで異なることとしてもよい。
段階値制御ボイラ群2Aの各ボイラ20Aには、それぞれ優先順位が設定されている。段階値制御ボイラ20Aに対する優先順位の設定は、任意に行うことができ、本実施形態では、段階値制御ボイラ20Aの燃焼位置毎に優先順位を設定している。具体的には、図2(B)に示すように、1号機ボイラの低燃焼位置Lに優先順位1位を設定し、1号機ボイラの中燃焼位置Mに優先順位2位を設定している。また、優先順位3位は、1号機ボイラの高燃焼位置Hではなく、2号機ボイラの低燃焼位置Lを設定している。なお、図2(B)に示す優先順位の設定は、一例に過ぎない。
台数制御装置3(制御部4)は、優先順位が高い段階値制御ボイラ20A(の燃焼位置)から順に燃焼させ、優先順位が低い段階値制御ボイラ20A(の燃焼位置)から順に燃焼を停止する。
続いて、段階値制御ボイラ20Aのボイラ特性(効率特性)について説明する。図3は、ボイラ群2を構成する段階値制御ボイラ20A及び連続制御ボイラ20Bのボイラ特性を示す図である。
段階値制御ボイラ20Aは、複数の段階的な燃焼位置で燃焼するところ、それぞれの燃焼位置でボイラ効率(段階値制御ボイラ20Aの熱効率)が異なる。図3に示すように、本実施形態の段階値制御ボイラ20Aでは、複数の燃焼位置のうち燃焼させる上で最も燃焼効率の良い燃焼位置(エコ燃焼位置)が中燃焼位置Mに設定されている。
(連続制御ボイラ20Bの説明)
連続制御ボイラ20Bとは、少なくとも、最小燃焼状態S1(例えば、最大燃焼率の20%の燃焼量における燃焼状態)から最大燃焼状態S2の範囲で、燃焼量が連続的に制御可能とされているボイラである。連続制御ボイラ20Bは、例えば、燃料をバーナに供給するバルブや、燃焼用空気を供給するバルブの開度(燃焼比)を制御することにより、燃焼量を調整するようになっている。
また、燃焼量を連続的に制御するとは、ローカル制御部22Bにおける演算や信号がデジタル方式とされて段階的に取り扱われる場合(例えば、連続制御ボイラ20Bの出力(燃焼量)が1%刻みで制御される場合)であっても、事実上連続的に出力を制御可能な場合を含む。
本実施形態では、連続制御ボイラ20Bの燃焼停止状態S0と最小燃焼状態S1との間の燃焼状態の変更は、連続制御ボイラ20B(バーナ)の燃焼をオン/オフすることで制御される。そして、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、燃焼量が連続的に制御可能となっている。
より具体的には、複数の連続制御ボイラ20Bそれぞれには、変動可能な蒸気量の単位である単位蒸気量Uが設定されている。これにより、連続制御ボイラ20Bは、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、単位蒸気量U単位で、蒸気量を変更可能となっている。
単位蒸気量Uは、連続制御ボイラ20Bの最大燃焼状態S2における蒸気量(最大蒸気量)に応じて適宜設定できるが、ボイラシステム1における出力蒸気量の必要蒸気量に対する追従性を向上させる観点から、連続制御ボイラ20Bの最大蒸気量の0.1%〜20%に設定されることが好ましく、1%〜10%に設定されることがより好ましい。
さらに、複数の連続制御ボイラ20Bそれぞれには、単位時間あたりに変動可能な蒸気量の上限値(以下、「最大変動蒸気量」という)が設定されている。なお、最大変動蒸気量は単位蒸気量Uの整数倍である。
また、連続制御ボイラ群2Bに属する複数の連続制御ボイラ20Bには、図2(B)に示すように、それぞれ優先順位が設定されている。なお、本実施形態では、蒸気消費量が増加した場合には、優先順位の高い連続制御ボイラ20Bから順に燃焼率を増加させ、蒸気消費量が減少した場合には、優先順位の低い連続制御ボイラ20Bから順に燃焼率を減少させるものとする。
さらに、連続制御ボイラ群2Bに属する複数の連続制御ボイラ20Bには、それぞれ、燃焼させる連続制御ボイラの台数を増加させる基準となる増缶基準蒸気量が設定されている。
例えば、最初に連続制御ボイラ群2Bに属する複数のボイラ20Bのうち、優先順位の高いボイラ20Bを1台燃焼させていた場合に、蒸気消費量が増加すると、当該ボイラ20Bの燃焼率を増加させるが、当該ボイラ20Bの出力蒸気量が当該ボイラ20Bに設定された増缶基準蒸気量を超えた場合、次に優先順位の高いボイラ20Bを燃焼させることで、蒸気消費量の増加に対応する。
同様に、連続制御ボイラ群2Bに属する複数の連続制御ボイラ20Bには、それぞれ、燃焼させる連続制御ボイラの台数を減少させる基準となる減缶基準蒸気量が設定されている。
例えば、連続制御ボイラ群2Bに属する複数のボイラ20Bが燃焼している場合に、蒸気消費量が減少すると、優先順位の低いボイラ20Bの燃焼率を減少させるが、当該ボイラ20Bの出力蒸気量が当該ボイラ20Bに設定された減缶基準蒸気量を下回った場合、当該ボイラ20Bを燃焼停止(待機)させることで、蒸気消費量の減少に対応する。
続いて、図3を参照して、連続制御ボイラ20Bのボイラ特性(効率特性)について説明する。
連続制御ボイラ20Bは、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲で燃焼率を連続的に変更することができるが、燃焼率によってボイラ効率(連続制御ボイラ20Bの熱効率)が異なる。そこで、ボイラ効率が最も高くなる(例えば、98%)燃焼率をエコ運転ポイントとして設定し、また、ボイラ効率が所定値(例えば、97%)よりも高くなる燃焼率の範囲をエコ運転ゾーンとして設定する。図3を参照すると、連続制御ボイラ20Bのエコ運転ポイントは燃焼率50%であり、エコ運転ゾーンは、燃焼率30%から70%の範囲である。
なお、各連続制御ボイラ20Bのボイラ容量、最小燃焼状態S1の燃焼率、単位蒸気量U、最大変動蒸気量、増缶基準蒸気量、減缶基準蒸気量、エコ運転ポイント、エコ運転ゾーン等が、各連続制御ボイラ20Bのそれぞれで異なることとしてもよい。
次に、台数制御装置3の構成について詳細に説明する。台数制御装置3は、図1に示すように、制御部4と記憶部5とを備える。
制御部4は、信号線16を介して段階値制御ボイラ20A及び連続制御ボイラ20Bに各種の指示を送信したり、各ボイラ20A又は20Bから各種のデータを受信したりして、段階値制御ボイラ20A及び連続制御ボイラ20Bの燃焼状態及び運転台数の制御を実行する。各ボイラ20A又は20Bは、台数制御装置3から燃焼状態の変更指示の信号を受けると、その指示に従って該当するボイラ20A又は20Bの燃焼量を制御する。制御部4の詳細な構成については後述する。
記憶部5は、各ボイラ20A又は20Bに送信された指示に関する情報、各ボイラ20A又は20Bから受信した燃焼状態に関する情報、各ボイラ群2A又は2Bの優先順位に関する情報等を記憶する。
また、各段階値制御ボイラ20Aのボイラ容量、燃焼位置の段階数、後述するエコ燃焼位置等に関する情報を記憶することができる。
同様に、各連続制御ボイラ20Bのボイラ容量、最小燃焼状態S1の燃焼率、単位蒸気量U、最大変動蒸気量、増缶基準蒸気量、減缶基準蒸気量、エコ運転ポイント、エコ運転ゾーン等に関する情報を記憶することができる。
次に、制御部4の構成について、さらに詳細に説明する。本実施形態では、蒸気使用設備18の要求に応じて、初めに連続制御ボイラ20Bを燃焼させる。そして、この連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が段階値制御ボイラ20Aにおいて出力可能な蒸気量になると、段階値制御ボイラ20Aを燃焼させ、当該蒸気量の出力を連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに切り換える。このような制御を実現するため、図4に示すように、制御部4は、出力制御部41と、出力切換部42と、を含んで構成される。
出力制御部41は、要求負荷に対応する要求蒸気量分の蒸気を連続制御ボイラ20Bから出力するようにボイラ群2の燃焼状態を制御する。即ち、出力制御部41は、連続制御ボイラ20Bの燃焼率を連続的に制御することで、ボイラ群2が出力する蒸気量を要求蒸気量に追従させる。
出力切換部42は、出力制御部41の制御により連続制御ボイラ20Bから出力する蒸気量が、段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を超える所定蒸気量に達することを条件に、当該燃焼位置に相当する蒸気量の出力を連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに切り換える。
詳細については後述するが、出力切換部42は、段階値制御ボイラ20Aに設定された優先順位に従い、蒸気量の出力を連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに切り換える。一例として、段階値制御ボイラ20Aの全てが燃焼を停止している場合、優先順位1位の1号機ボイラの低燃焼位置Lが最も優先順位が高い。そのため、出力切換部42は、連続制御ボイラ20Bから出力する蒸気量が、1号機ボイラの低燃焼位置Lに相当する蒸気量を超える所定蒸気量に達することを条件に、蒸気量の出力を連続制御ボイラ20Bから1号機ボイラの低燃焼位置Lに切り換える。
なお、出力切換部42が切り換えを行う所定蒸気量は、任意に設定することができる。この点、本実施形態では所定蒸気量の設定を、ボイラシステム1の安定性、又は連続制御ボイラ20Bの効率的な燃焼の観点から設定することとしている。
即ち、連続制御ボイラ20Bが出力する蒸気量を段階値制御ボイラ20Aに切り換えた場合、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が減少し、連続制御ボイラ20Bの燃焼率が低下する。この燃焼率の低下を前提に、上記観点から所定蒸気量を設定する。
ボイラシステム1の安定性を考慮して所定蒸気量を設定する場合について説明する。
上述のように、連続制御ボイラ20Bといっても燃焼停止状態S0から最小燃焼状態S1までは、オン/オフで段階的に行われる。そのため、切り換えにより低下した燃焼率が最小燃焼状態S1よりも低い場合、連続制御ボイラ20Bの燃焼が停止してしまい、その後の負荷変動によっては連続制御ボイラ20Bの発停が繰り返されてしまう。
そこで、段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量よりも連続制御ボイラ20Bの最小燃焼状態S1で出力される最小蒸気量分多い蒸気量を、所定蒸気量として設定する。これにより、出力切換部42の切り換えにより連続制御ボイラ20Bの燃焼率が低下した場合であっても、連続制御ボイラ20Bの燃焼率は、最小燃焼状態S1までしか低下せず、連続制御ボイラ20Bの燃焼が停止することがない。
(切り換え後における蒸気消費量の急激な増加)
連続制御ボイラ群2Bの燃焼制御においては、連続制御ボイラ群2Bのうち1台の連続制御ボイラ20Bに燃焼指示を出した場合、所定の起動抑制時間(例えば3秒)が経過するまでは、他の燃焼停止状態のボイラ20Bに対して、給蒸を開始するための起蒸指示ができない。
このため、出力切換部42の切り換えにより連続制御ボイラ20Bの燃焼率を減少させた後、例えば蒸気消費量の急激な増加に対応して、当該連続制御ボイラ20Bに対して第1時間(例えば、起動抑制時間以上の時間)連続して、最大変動蒸気量を出力するように燃焼指示した場合に、仮に当該ボイラ20Bの出力蒸気量が当該ボイラ20Bに設定された増缶基準蒸気量を超えたとき、起動抑制時間のために、直ちに優先順位の高い燃焼停止状態のボイラ20Bの給蒸を開始するための起蒸指示ができない。このため、当該燃焼停止状態のボイラ20Bの給蒸を開始させるまで、起動抑制時間に相当するタイムラグを生じる。これにより、その間ヘッダ圧力の低下を招くことになり、ヘッダ圧力が不安定になる。
そこで、所定蒸気量を段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量と連続制御ボイラ20Bの増缶基準蒸気量の和から、連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量と第1時間(例えば、起動抑制時間以上の値)との積を減算した値よりも小さくなるように設定する。
一例としては、所定蒸気量を段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量と連続制御ボイラ20Bの増缶基準蒸気量の和から、連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量と第1時間(例えば、起動抑制時間以上の値)との積を減算した値よりも小さく、かつ段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量よりも連続制御ボイラ20Bの最小燃焼状態S1に相当する最小蒸気量分多いものとする。なお、所定蒸気量を段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量と連続制御ボイラ20Bのエコ運転ゾーンの下限値に相当する蒸気量との和以上となるように設定してもよい。
これにより、出力切換部42による切り換え後に、切り換えの対象となった連続制御ボイラ20Bに対して、仮に第1時間(例えば、起動抑制時間以上の時間)連続して最大変動蒸気量を出力するように燃焼指示される場合であっても、当該連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量は、増缶基準蒸気量に届かない。したがって、蒸気ヘッダ6の内部の圧力の低下を招くことなく、負荷追従が可能となり、ボイラシステム1を安定的に運転することができる。
なお、所定蒸気量を、段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量よりも連続制御ボイラ20Bの最小燃焼状態S1に相当する最小蒸気量分多いものとした場合、出力切換部42の切り換えにより連続制御ボイラ20Bの燃焼率が低下した場合であっても、連続制御ボイラ20Bの燃焼率は、最小燃焼状態S1までしか低下せず、連続制御ボイラ20Bの燃焼が停止することがない。
また、所定蒸気量を段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量と連続制御ボイラ20Bのエコ運転ゾーンの下限値に相当する蒸気量との和以上となるものとした場合、出力切換部42の切り換えにより連続制御ボイラ20Bの燃焼率が低下した場合であっても、連続制御ボイラ20Bの燃焼率は、エコ運転ゾーンの下限値までしか低下せず連続制御ボイラ20Bを効率良く燃焼させることができ、ボイラシステム1を効率的に運転することができる。
(切り換え後における蒸気消費量の急激な減少)
連続制御ボイラ群2Bの燃焼制御においては、連続制御ボイラ群2Bのうち、優先順位の低い1台の連続制御ボイラ20Bの燃焼率を減少させる燃焼指示を出した場合、所定の抑制時間(例えば3秒)が経過するまでは、連続制御ボイラ20Bに対して、燃焼停止指示ができない。
このため、出力切換部42の切り換えにより連続制御ボイラ20Bの燃焼率を減少させた後、さらに第2時間(例えば、抑制時間以上の時間)連続して、最大変動蒸気量を減少するように燃焼指示した場合に、仮に連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量が当該ボイラ20Bに設定された減缶基準蒸気量を下回ったとき、連続制御ボイラ20Bに燃焼指示を出した後の減缶指示のできるまでの抑制時間のために、直ちに連続制御ボイラ20Bを燃焼停止させることができない。このため、連続制御ボイラ20Bの燃焼を停止させるまで、抑制時間に相当するタイムラグを生じる。これにより、その間ヘッダ圧力の上昇を招くことになり、ヘッダ圧力が不安定になる。
そこで、一例として、所定蒸気量を段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量と、減缶基準蒸気量と、最大変動蒸気量と予め設定された第2時間との積と、の和よりも大きくなるように設定する。
これにより、出力切換部42による切り換え後に、切り換えの対象となった連続制御ボイラ20Bに対して、仮に第2時間(例えば、抑制時間以上の時間)連続して最大変動蒸気量を減少するように燃焼指示される場合であっても、連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量は、減缶基準蒸気量に届かない。したがって、ヘッダ圧力の上昇を招くことがない。また、出力切換部42の切り換えにより連続制御ボイラ20Bの燃焼率が低下した場合であっても、連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量は、減缶基準蒸気量に届かず、連続制御ボイラ20Bの燃焼が停止することもない。
次に連続制御ボイラ20Bの効率的な燃焼の観点から所定蒸気量を設定する場合について説明する。
上述のように連続制御ボイラ20Bには、ボイラ効率が高い燃焼率の範囲(エコ運転ゾーン)が設定されている。連続制御ボイラ20Bをこのエコ運転ゾーンで燃焼させ続けることで、連続制御ボイラ20Bを効率的に燃焼させることができる。
そこで、出力切換部42の切り換えにより連続制御ボイラ20Bの燃焼率が低下した場合であっても、連続制御ボイラ20Bの燃焼率がエコ運転ゾーンの範囲内になるように所定蒸気量を設定する。一例としては、段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置よりもエコ運転ゾーンの下限値の燃焼率で出力される蒸気量分多い蒸気量を、所定蒸気量として設定する。これにより、連続制御ボイラ20Bをエコ運転ゾーンの範囲内で燃焼させ続けることができる。
なお、以上のような連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aへの切り換えは、要求負荷が増加する場合に行われる。一方、要求負荷が減少する場合には、出力切換部42は、段階値制御ボイラ20Aから連続制御ボイラ20Bへの切り換えを行う。即ち、出力切換部42は、段階値制御ボイラ20Aが燃焼している状態で、連続制御ボイラ20Bから出力する蒸気量が特定蒸気量に達することを条件に、段階値制御ボイラ20Aが出力する蒸気量を連続制御ボイラ20Bに切り換える。
詳細については後述するが、出力切換部42は、段階値制御ボイラ20Aに設定された優先順位に従い、蒸気量の出力を段階値制御ボイラ20Aから連続制御ボイラ20Bに切り換える。一例として、段階値制御ボイラ20Aの全てが燃焼している場合、優先順位9位の3号機ボイラの高燃焼位置Hが最も優先順位が低い。そのため、出力切換部42は、連続制御ボイラ20Bから出力する蒸気量が特定蒸気量に達することを条件に、3号機ボイラの燃焼位置を高燃焼位置Hから中燃焼位置Mに変更するとともに、3号機ボイラの高燃焼位置Hに対応する蒸気量(高燃焼位置H−中燃焼位置M)の出力を3号機ボイラから連続制御ボイラ20Bに切り換える。
なお、特定蒸気量は、所定蒸気量と同様に任意に設定することができる。本実施形態では、一例として、連続制御ボイラ20Bの最小蒸気量、又は連続制御ボイラ20Bのエコ運転ゾーンの下限値の燃焼率で出力される蒸気量を、特定蒸気量として設定することとしている。
以上、ボイラシステム1の構成について説明した。続いて、ボイラシステム1の動作について説明する。図5は、連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに蒸気量の出力を切り換える場合の動作を示し、図6は、段階値制御ボイラ20Aから連続制御ボイラ20Bに蒸気量の出力を切り換える場合の動作を示す。なお、図5は、所定蒸気量として、段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置よりも連続制御ボイラ20Bの最小蒸気量分多い蒸気量を設定した場合の動作を示し、図6は、特定蒸気量として連続制御ボイラ20Bの最小蒸気量を設定した場合の動作を示す。
また、図5、図6では、説明を簡易にするため、2台の段階値制御ボイラ20A及び1台の連続制御ボイラ20Bの計3台のボイラ20A,20Bによりボイラ群2が構成されるものとし、2台の段階値制御ボイラ20Aには、図中(1)〜(6)の順に優先順位が設定されているものとする。
図5(A1)を参照して、段階値制御ボイラ20Aが燃焼を停止し、連続制御ボイラ20Bが最小燃焼状態S1で燃焼している。このとき、要求負荷が増加すると、出力制御部41は、連続制御ボイラ20Bの燃焼率を増加し、ボイラ群2から出力される蒸気量を要求負荷に追従させる。
その結果、図5(B1)に示すように、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が、連続制御ボイラ20Bの最小蒸気量よりも段階値制御ボイラ20Aの優先順位1位の燃焼位置(低燃焼位置L)において出力される蒸気量(+α)分だけ多い蒸気量(所定蒸気量)まで増加する。なお、+αとは、ボイラシステム1の安定性を確保するための余剰量である。
このように連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が所定蒸気量に達すると、出力切換部42は、連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに蒸気量の出力を切り換える。具体的には、図5(C1)に示すように、燃焼を停止していた段階値制御ボイラ20Aの優先順位1位の低燃焼位置Lが燃焼を開始する一方で、連続制御ボイラ20Bから出力する蒸気量をこの低燃焼位置Lに相当する分だけ減少する。
その後、同様に出力制御部41により、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が、連続制御ボイラ20Bの最小蒸気量よりも段階値制御ボイラ20Aの優先順位2位の燃焼位置(中燃焼位置M)において出力される蒸気量(+α)分だけ多い蒸気量(所定蒸気量)まで増加すると(図5(D1))、出力切換部42は、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量を、優先順位2位の段階値制御ボイラ20A(中燃焼位置M)に切り換える(図5(E1))。
以降も同様に、出力制御部41により、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が、連続制御ボイラ20Bの最小蒸気量よりも段階値制御ボイラ20Aの優先順位3位、4位、5位、6位の燃焼位置において出力される蒸気量(+α)分だけ多い蒸気量(所定蒸気量)まで増加すると、出力切換部42は、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量を、段階値制御ボイラ20Aに切り換える(図5(F1)〜(N1))。
続いて、図6(A2)を参照して、段階値制御ボイラ20Aが優先順位1位から6位まで全て燃焼し、連続制御ボイラ20Bが所定の燃焼率で燃焼している。このとき、要求負荷が減少すると、出力制御部41は、連続制御ボイラ20Bの燃焼率を減少し、ボイラ群2から出力される蒸気量を要求負荷に追従させる。
その結果、図6(B2)に示すように、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が、連続制御ボイラ20Bの最小蒸気量まで減少する。
すると、出力切換部42は、段階値制御ボイラ20Aから連続制御ボイラ20Bに蒸気量の出力を切り換える。具体的には、図6(C2)に示すように、燃焼していた段階値制御ボイラ20Aの優先順位6位の高燃焼位置Hの燃焼を停止する一方で、連続制御ボイラ20Bから出力する蒸気量をこの高燃焼位置Hに相当する分だけ増加する。
その後、同様に出力制御部41により、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が最小蒸気量まで減少すると(図6(D2))、出力切換部42は、優先順位5位の段階値制御ボイラ20A(高燃焼位置H)により出力される蒸気量を、連続制御ボイラ20Bに切り換える(図6(E2))。
以降も同様に、出力制御部41により、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が最小蒸気量まで減少すると、出力切換部42は、優先順位4位、3位、2位、1位の段階値制御ボイラ20Aにより出力される蒸気量を、連続制御ボイラ20Bに切り換える(図6(F2)〜(N2))。
続いて、所定蒸気量として、段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置よりもエコ運転ゾーンの下限値の燃焼率で出力される蒸気量分多い蒸気量を設定した場合の動作、及び、特定蒸気量としてエコ運転ゾーンの下限値の燃焼率で出力される蒸気量を設定した場合の動作を、図7及び図8を参照して説明する。
図7を参照して、(A1)〜(C1)は、図5(A1)〜(C1)と対応しており、所定蒸気量として、段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置よりも連続制御ボイラ20Bの最小蒸気量分多い蒸気量を設定した場合の動作を示す。一方、(A3)〜(C3)は、所定蒸気量として、段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置よりもエコ運転ゾーンの下限値の燃焼率で出力される蒸気量分多い蒸気量を設定した場合の動作を示す。
図7(A1)〜(C1)と図7(A3)〜(C3)とでは、連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに出力される蒸気量を切り換えるタイミングが異なる。即ち、図7(A1)〜(C1)では、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が、段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置よりも最小蒸気量(+α)分多い蒸気量になると、段階値制御ボイラ20Aに蒸気量の出力を切り換えるのに対して、図7(A3)〜(C3)では、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が、段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置よりもエコ運転ゾーンの下限値の燃焼率で出力される蒸気量(+α)分多い蒸気量になると、段階値制御ボイラ20Aに蒸気量の出力を切り換える。
図7(A3)〜(C3)のように蒸気量の出力を切り換えることで、切り換えた後であっても連続制御ボイラ20Bをエコ運転ゾーンの範囲で燃焼させることができ、好適である。
図8を参照して、(A2)〜(C2)は、図6(A2)〜(C2)と対応しており、特定蒸気量として、連続制御ボイラ20Bの最小蒸気量を設定した場合の動作を示す。一方、(A4)〜(C4)は、特定蒸気量として、エコ運転ゾーンの下限値の燃焼率で出力される蒸気量を設定した場合の動作を示す。
なお、図8(A4)〜(C4)では、2台の段階値制御ボイラ20A及び2台の連続制御ボイラ20Bの計4台のボイラ20A,20Bによりボイラ群2が構成されるものとしている。
図8(A2)〜(C2)と図8(A4)〜(C4)とでは、段階値制御ボイラ20Aから連続制御ボイラ20Bに出力される蒸気量を切り換えるタイミングが異なる。即ち、図8(A2)〜(C2)では、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が最小蒸気量まで減少すると、段階値制御ボイラ20Aから連続制御ボイラ20Bに蒸気量の出力を切り換えるのに対して、図8(A4)〜(C4)では、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量がエコ運転ゾーンの下限値の燃焼率で出力される蒸気量まで減少すると、段階値制御ボイラ20Aから連続制御ボイラ20Bに蒸気量の出力を切り換える。
図8(A4)〜(C4)のように蒸気量の出力を切り換えることで、連続制御ボイラ20Bをエコ運転ゾーンの範囲で長時間燃焼させることができ、好適である。
ところで、図8(A2)〜(C2)では連続制御ボイラ20Bが1台であるのに対して、図8(A4)〜(C4)では連続制御ボイラ20Bが2台である。
この点、連続制御ボイラ20Bが1台である場合、段階値制御ボイラ20Aから連続制御ボイラ20Bに出力される蒸気量を切り換えると、当該連続制御ボイラ20Bのみに切り換える蒸気量が割り振られることになる。図8(B2)(C2)を参照して、出力切換部42により、段階値制御ボイラ20Aの優先順位6位の高燃焼位置Hに対応する蒸気量が1台の連続制御ボイラ20Bに切り換えられている。即ち、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量は、優先順位6位の高燃焼位置Hに対応する蒸気量分だけ増加する。
一方、連続制御ボイラ20Bが2台(複数)である場合、段階値制御ボイラ20Aから連続制御ボイラ20Bに出力される蒸気量を切り換えると、2台(複数)の連続制御ボイラ20Bに切り換える蒸気量が割り振られることになる。図8(B4)(C4)を参照して、出力切換部42により、段階値制御ボイラ20Aの優先順位6位の高燃焼位置Hに対応する蒸気量が2台の連続制御ボイラ20Bに切り換えられている。即ち、2台の連続制御ボイラ20Bのそれぞれから出力される蒸気量は、優先順位6位の高燃焼位置Hに対応する蒸気量の半分だけ増加する。
(切り換え後における蒸気消費量の急激な増加)
次に、所定蒸気量として、段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量と連続制御ボイラ20Bの増缶基準蒸気量との和から、連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量と第1時間(例えば、起動抑制時間以上の値)との積を減算した値よりも小さく設定し、かつ段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量よりも連続制御ボイラ20Bの最小燃焼状態S1に相当する最小蒸気量分多くなるように設定した場合の動作を、図9(A´1)〜(F´1)を参照して説明する。
図9(B´1)及び(C´1)に示すように、前述した所定蒸気量になると、段階値制御ボイラ20Aに蒸気量の出力を切り換える。
その後、図9(D´1)〜(F´1)のように、第1時間(例えば、起動抑制時間以上の時間)連続して最大変動蒸気量を出力するように燃焼指示される場合であっても、当該連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量は、増缶基準蒸気量に届かない。したがって、ヘッダ圧力の低下を招くことなく、負荷追従が可能となり、ボイラシステム1を安定的に運転することができる。また、出力切換部42の切り換えにより連続制御ボイラ20Bの燃焼率が低下した場合であっても、連続制御ボイラ20Bの燃焼率は、最小燃焼状態S1までしか低下せず、連続制御ボイラ20Bの燃焼が停止することもない。
また、上記の所定蒸気量を段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量と連続制御ボイラ20Bの増缶基準蒸気量との和から、連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量と第1時間(例えば、起動抑制時間以上の値)との積を減算した値よりも小さく設定し、かつ段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量と連続制御ボイラ20Bのエコ運転ゾーンの下限値に相当する蒸気量分多くなるように設定した場合の動作を、図10(A´2)〜(F´2)を参照して説明する。
図10(B´2)及び(C´2)に示すように、所定蒸気量になると、段階値制御ボイラ20Aに蒸気量の出力を切り換える。
その後、図10(D´2)〜(F´2)のように、第1時間(例えば、起動抑制時間以上の時間)連続して最大変動蒸気量を出力するように燃焼指示される場合であっても、当該連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量は、増缶基準蒸気量に届かない。したがって、ヘッダ圧力の低下を招くことなく、負荷追従が可能となり、ボイラシステム1を安定的に運転することができる。さらに、切り換えた後に、連続制御ボイラ20Bをエコ運転ゾーンの範囲で燃焼させることができる。
(切り換え後における蒸気消費量の急激な減少)
次に、所定蒸気量として、段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量と、減缶基準蒸気量と、連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量と予め設定された第2時間との積と、の和よりも大きくなるように設定した場合の動作を、図11(A´3)〜(F´3)を参照して説明する。
図11(B´3)〜(C´3)に示すように、前述した所定蒸気量になると、段階値制御ボイラ20Aに蒸気量の出力を切り換える。
その後、図11(D´3)〜(F´3)のように、第2時間(例えば、抑制時間以上の時間)連続して最大変動蒸気量を減少するように燃焼指示される場合であっても、当該連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量は、減缶基準蒸気量に届かない。したがって、ヘッダ圧力の上昇を招くことなく、負荷追従が可能となり、ボイラシステム1を安定的に運転することができる。また、出力切換部42の切り換えにより連続制御ボイラ20Bの燃焼率が低下した場合であっても、連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量は、減缶基準蒸気量に届かず、連続制御ボイラ20Bの燃焼が停止することもない。
以上、ボイラシステム1の動作の一例について説明した。ところで、上述のように段階値制御ボイラ20Aには、複数の燃焼位置のうち燃焼させる上で最も燃焼効率の良い燃焼位置(エコ燃焼位置)が存在する。この点、図5〜図11では、段階値制御ボイラ20Aのボイラ効率を考慮していないが、段階値制御ボイラ20Aの効率を考慮し、出力する蒸気量の切り換えを行うこととしてもよい。
図12は、段階値制御ボイラ20Aのボイラ効率を考慮した場合の、ボイラシステム1の動作を示す図である。なお、図12(I1)〜(K1)は、図5(I1)〜(K1)と対応している。また、図12(I5)〜(K5)では、連続制御ボイラ20Bが2台である場合の動作例を示している。上述のように、連続制御ボイラ20Bが2台(複数)である場合、出力切換部42により切り換えられる蒸気量が、連続制御ボイラ20Bの台数で除算した値となる。
図12(I1)を参照して、連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに蒸気量の出力が切り換えられた結果、段階値制御ボイラ20Aは、優先順位4位の中燃焼位置Mで燃焼している。ここで、段階値制御ボイラ20Aの中燃焼位置Mは、エコ燃焼位置であるとする。
段階値制御ボイラ20Aのボイラ効率を考慮しない場合、その後、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が所定蒸気量まで増加すると(図12(J1))、出力切換部42は、連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに出力する蒸気量を切り換える。その結果、図12(K1)に示すように、段階値制御ボイラ20Aは、エコ燃焼位置を外れ、高燃焼位置Hで燃焼することになる。
図12(I5)〜(K5)を参照して、段階値制御ボイラ20Aのボイラ効率を考慮する場合の動作について説明する。図12(I5)において、段階値制御ボイラ20Aは、エコ燃焼位置(中燃焼位置M)で燃焼している。
その後、要求負荷が増加すると、図12(J5)に示すように、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が所定蒸気量まで増加する。なお、図12(J5)では、2台の連続制御ボイラ20Bが存在するため、2台の連続制御ボイラ20Bのそれぞれから出力される蒸気量が、最小蒸気量よりも優先順位5位の高燃焼位置Hに対応する蒸気量の半分だけ多くなったタイミングが、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が所定蒸気量まで増加したタイミングとなる。
段階値制御ボイラ20Aのボイラ効率を考慮しない場合には、出力切換部42は、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が所定蒸気量まで増加したことに応じて、連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに蒸気量の出力を切り換える。一方、段階値制御ボイラ20Aのボイラ効率を考慮する場合には、出力切換部42は、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が所定蒸気量まで増加したとしても、連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに蒸気量の出力を切り換えることがない。その結果、図12(K5)に示すように、連続制御ボイラ20Bから出力される蒸気量が所定蒸気量を超えて増加することになる。
これにより、段階値制御ボイラ20Aを効率良く燃焼させることができる。なお、この場合、連続制御ボイラ20Bの燃焼率が最大燃焼率まで増加する等すると、出力切換部42は、連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに蒸気量の出力を切り換える。
以上説明した本実施形態のボイラシステム1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)本実施形態のボイラシステム1においては、要求負荷が増加すると、出力制御部41は、連続制御ボイラ20Bから出力する蒸気量を増加することで、出力する蒸気量を要求負荷に追従させる。そして、連続制御ボイラ20Bから出力する蒸気量が、段階値制御ボイラ20Aの優先順位が最も高い燃焼位置に対応する蒸気量を超える所定蒸気量に達すると、出力切換部42は、この燃焼位置に対応する蒸気量の出力を、連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに切り換える。
即ち、要求負荷との誤差の調整に燃焼率を連続的に変更可能な連続制御ボイラ20Bを用いる一方で、誤差が段階値制御ボイラ20Aの燃焼位置に相当するほど増加した場合に、この誤差が定常的に生じるものであるとして段階値制御ボイラ20Aに担当させる。これにより、連続制御ボイラ20Bを要求負荷に対する負荷追従用に用いることができる一方で、定常的に必要になる蒸気量に対するベース燃焼用に段階値制御ボイラ20Aを用いることができる。その結果、両ボイラが持つ優位性を生かした台数制御が可能になる。
(2)また、段階値制御ボイラ20Aの燃焼位置に相当する蒸気量よりも連続制御ボイラ20Bが出力可能な最小蒸気量分多い蒸気量を所定蒸気量として設定することで、連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに出力する蒸気量を切り換えたとしても、連続制御ボイラ20Bを燃焼させ続けることができる。即ち、連続制御ボイラ20Bの発停を伴うことなく、出力する蒸気量を切り換えることができ、ボイラシステム1を安定的に運転することができる。
(3)また、段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置よりも連続制御ボイラ20Bのエコ運転ゾーンの下限値に相当する蒸気量分多い蒸気量を所定蒸気量として設定することで、連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに出力する蒸気量を切り換えたとしても、連続制御ボイラ20Bをエコ運転ゾーンの範囲で燃焼させることができる。即ち、連続制御ボイラ20Bを効率良く燃焼させることができ、ボイラシステム1を効率的に運転することができる。
(4)また、所定蒸気量を段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量と増缶基準蒸気量との和から、最大変動蒸気量と第1時間(例えば、起動抑制時間以上の値)との積を、減算した値よりも小さくなるように設定する。これにより、出力切換部42による切り換え後に、切り換えの対象となった連続制御ボイラ20Bに対して、仮に第1時間(例えば、起動抑制時間以上の時間)連続して最大変動蒸気量を出力するように燃焼指示される場合であっても、当該連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量は、増缶基準蒸気量に届かず、したがって、蒸気ヘッダ6の内部の圧力の低下を招くことなく、負荷追従が可能となり、ボイラシステム1を安定的に運転することができる。
(5)さらに、所定蒸気量を段階値制御ボイラ20Aの燃焼位置に相当する蒸気量よりも連続制御ボイラ20Bが出力可能な最小蒸気量分多く設定することで、連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに出力する蒸気量を切り換えたとしても、連続制御ボイラ20Bを燃焼させ続けることができる。即ち、連続制御ボイラ20Bの発停を伴うことなく、出力する蒸気量を切り換えることができ、ボイラシステム1を安定的に運転することができる。
(6)さらに、所定蒸気量を段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量よりも連続制御ボイラ20Bのエコ運転ゾーンの下限値に相当する蒸気量分多く設定することで、連続制御ボイラ20Bから段階値制御ボイラ20Aに出力する蒸気量を切り換えたとしても、連続制御ボイラ20Bをエコ運転ゾーンの範囲で燃焼させることができる。即ち、連続制御ボイラ20Bを効率良く燃焼させることができ、ボイラシステム1を効率的に運転することができる。
(7)また、所定蒸気量を段階値制御ボイラ20Aにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量と、減缶基準蒸気量と、連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量と予め設定された第2時間との積の和よりも大きくなるように設定する。これにより、出力切換部42による切り換え後に、切り換えの対象となった連続制御ボイラ20Bに対して、仮に第2時間(例えば、抑制時間以上の時間)連続して最大変動蒸気量を減少するように燃焼指示される場合であっても、当該連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量は、減缶基準蒸気量に届かない。したがって、蒸気ヘッダ6の内部の圧力の上昇を招くことなく、負荷追従が可能となり、ボイラシステム1を安定的に運転することができる。また、出力切換部42の切り換えにより連続制御ボイラ20Bの燃焼率が低下した場合であっても、連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量は、減缶基準蒸気量を下回らず、連続制御ボイラ20Bの燃焼が停止することがない。
(8)また、段階値制御ボイラ20Aがエコ燃焼位置で燃焼している場合、連続制御ボイラから出力される蒸気量が所定蒸気量に達しても、出力切換部42による切り換えを行わない。これにより、ベース燃焼用の段階値制御ボイラ20Aを効率良く燃焼させ続けることができ、ボイラシステム1を効率的に運転することができる。
以上、本発明のボイラシステム1の好ましい一実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、本発明を、5台のボイラ20A,20Bからなるボイラ群2を備えるボイラシステムに適用したが、これに限らない。即ち、本発明は、1以上の段階値制御ボイラ20Aと、1以上の連続制御ボイラ20Bとが混在するボイラ群2であれば適用可能である。
また、上記実施形態では、連続制御ボイラ20Bのエコ運転ゾーンの下限値に基づいて、所定蒸気量や特定蒸気量を設定することとしている。この点、エコ運転ゾーンの下限値に基づく設定は、切り換え前後において連続制御ボイラ20Bをエコ運転ゾーンの範囲内で燃焼させるためのものであり、当該設定は、下限値に限らずエコ運転ゾーンの範囲内の任意の値に基づいて行うこととしてもよい。
1 ボイラシステム
2 ボイラ群
20A 段階値制御ボイラ
20B 連続制御ボイラ
3 台数制御装置
4 制御部
41 出力制御部
42 出力切換部
5 記憶部

Claims (3)

  1. 複数の段階的な燃焼位置で燃焼可能な段階値制御ボイラ及び燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な複数の連続制御ボイラを備えるボイラ群と、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
    前記複数の連続制御ボイラには、単位時間あたりに変動可能な蒸気量の上限値である最大変動蒸気量、及び燃焼させる前記連続制御ボイラの台数を増加させる基準となる増缶基準蒸気量が設定されており、
    前記制御部は、
    要求負荷に応じた要求蒸気量分の蒸気を前記連続制御ボイラから出力するように前記ボイラ群の燃焼状態を制御する出力制御部と、
    前記連続制御ボイラから出力する蒸気量が前記段階値制御ボイラにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を超える所定蒸気量に達することを条件に、当該燃焼位置に相当する蒸気量の出力を前記連続制御ボイラから前記段階値制御ボイラに切り換える出力切換部と、
    を備え、
    前記所定蒸気量は、前記燃焼位置に相当する蒸気量と前記増缶基準蒸気量との和から、前記最大変動蒸気量と予め設定された、1台の連続制御ボイラに燃焼指示を出した後の増缶指示のできるまでの起動抑制時間以上の時間である第1時間との積を減算した値よりも小さい値に設定されるボイラシステム。
  2. 前記連続制御ボイラには、該連続制御ボイラの最小燃焼状態における蒸気量である最小燃焼蒸気量が設定されており、
    前記所定蒸気量は、前記燃焼位置に相当する蒸気量と、前記最小燃焼蒸気量と、の和以上となる、請求項1に記載のボイラシステム。
  3. 複数の段階的な燃焼位置で燃焼可能な段階値制御ボイラ及び燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な連続制御ボイラを備えるボイラ群と、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
    前記連続制御ボイラには、単位時間あたりに変動可能な蒸気量の上限値である最大変動蒸気量、及び燃焼させる前記連続制御ボイラの台数を減少させる基準となる減缶基準蒸気量が設定されており、
    前記制御部は、
    要求負荷に応じた要求蒸気量分の蒸気を前記連続制御ボイラから出力するように前記ボイラ群の燃焼状態を制御する出力制御部と、
    前記連続制御ボイラから出力する蒸気量が前記段階値制御ボイラにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を超える所定蒸気量に達することを条件に、当該燃焼位置に相当する蒸気量の出力を前記連続制御ボイラから前記段階値制御ボイラに切り換える出力切換部と、
    を備え、
    前記所定蒸気量は、前記燃焼位置に相当する蒸気量と、前記減缶基準蒸気量と、前記最大変動蒸気量に予め設定された、1台の連続制御ボイラに燃焼指示を出した後の減缶指示のできるまでの抑制時間以上の時間である第2時間を積算した蒸気量と、の和よりも大きいボイラシステム。
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