JP6044314B2 - ボイラシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ボイラシステムに関する。より詳しくは、燃焼状態の制御を比例制御で行うボイラシステムに関する。
従来、複数のボイラを燃焼させて蒸気を発生させるボイラシステムとして、ボイラの燃焼量を連続的に増減させて蒸気の発生量を制御する、いわゆる比例制御方式のボイラシステムが提案されている。
例えば、特許文献1には、ボイラを、台数増加負荷ゾーン、最適運転負荷ゾーン及び台数減少負荷ゾーンの3つの負荷ゾーンに区分し、ボイラが台数増加負荷ゾーンで燃焼している場合に燃焼させるボイラの台数を増加させ、ボイラが台数減少負荷ゾーンで燃焼している場合に燃焼させるボイラの台数を減少させることで、ボイラ効率(ボイラによる熱の利用効率)を向上させる比例制御ボイラの制御方法が提案されている。そして、この特許文献1で提案された比例制御ボイラの制御方法では、燃焼させるボイラの台数の増減を行った後には、燃焼している全てのボイラを均等な負荷率で運転させている。
特開平11−132405号公報
特許文献1で提案された手法では、燃焼している全てのボイラを均等な負荷率(燃焼状態)で運転させるため、要求される負荷が変動するたびに、全てのボイラの燃焼状態を変更させることとなる。そのため、この手法では、複数台のボイラの燃焼状態が頻繁に変更されることとなり、ボイラシステムにより出力される蒸気量の安定性が低下してしまう場合があり、また、頻繁な変更に伴い機器寿命が短縮化してしまうおそれがある。
従って、本発明は、ボイラ効率を高く保ちつつ、出力される蒸気量の安定性を高められるボイラシステムを提供することを目的とする。
本発明は、負荷率を連続的に変動して燃焼可能な複数のボイラを備えるボイラ群と、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、前記制御部は、前記複数のボイラに対して定常運転ポイントを設定する定常負荷率設定部と、前記複数のボイラに対して前記定常運転ポイントを含む負荷率の範囲である変動範囲を設定する変動範囲設定部と、燃焼状態にあるボイラのうちの1台を、要求負荷の変動に応じて前記変動範囲内で負荷率を変動して燃焼させる調整運転ボイラに設定し、該調整運転ボイラ以外のボイラを要求負荷の変動にかかわらず固定的な負荷率で燃焼させる定常運転ボイラに設定するボイラ設定部と、前記調整運転ボイラの負荷率が第1負荷率に達した場合に、燃焼させるボイラの台数を1台増加させるボイラ台数制御部と、を備えるボイラシステムに関する。
また、前記ボイラ台数制御部は、前記調整運転ボイラの負荷率が前記変動範囲の上限に達した場合に、燃焼させるボイラの台数を1台増加させ、前記ボイラ設定部は、前記ボイラ台数制御部により燃焼させるボイラの台数が増加された場合、新たに燃焼を開始したボイラを前記調整運転ボイラに設定し、前記制御部は、前記調整運転ボイラ以外の前記定常運転ボイラを前記定常運転ポイントに対応する負荷率で燃焼させることが好ましい。
また、前記ボイラ台数制御部は、前記調整運転ボイラの負荷率が前記変動範囲の下限の2倍に達した場合に、燃焼させるボイラの台数を1台増加させ、前記制御部は、前記ボイラ台数制御部により燃焼させるボイラの台数が増加された場合、前記調整運転ボイラ及び新たに燃焼を開始したボイラを前記変動範囲の下限で燃焼させ、前記ボイラ設定部は、前記変動範囲の下限で燃焼する前記調整運転ボイラ及び前記新たに燃焼を開始したボイラのうちのいずれかを新たな調整運転ボイラとして設定することが好ましい。
また、前記ボイラ設定部は、前記新たな調整運転ボイラの負荷率が前記定常運転ポイントに対応する負荷率に達すると、前記変動範囲の下限で燃焼するボイラを調整運転ボイラとして設定することが好ましい。
また、前記定常負荷率設定部は、全てのボイラが燃焼している状態で全てのボイラの負荷率が前記定常運転ポイントに対応する負荷率に到達した場合、前記定常運転ポイントを上方にシフトし、前記制御部は、前記定常運転ボイラをシフト前の前記定常運転ポイントに対応する負荷率で燃焼させたまま、前記調整運転ボイラをシフト後の前記定常運転ポイントまで上昇させることで、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御することが好ましい。
また、前記ボイラ設定部は、全てのボイラが燃焼している状態で前記調整運転ボイラの負荷率がシフト後の前記定常運転ポイントまで達した場合に、該調整運転ボイラ以外のボイラのうちのいずれかを調整運転ボイラに設定することが好ましい。
また、前記複数のボイラにおける単位時間あたりの負荷率の最大変動量(Vmax)を記憶する記憶部を更に備え、前記制御部は、要求負荷の変動に基づいて、単位時間後の前記ボイラ群の負荷率を算出する変動負荷率算出部と、前記変動負荷率算出部が算出した単位時間後のボイラ群の負荷率と、現在のボイラ群の負荷率とから、要求負荷の変動に対応して必要とされる前記ボイラ群の単位時間あたりの負荷率の変化率(V(t))を算出する変化率算出部と、を更に備え、前記ボイラ設定部は、前記変化率算出部により算出された変化率と、前記記憶部に記憶された最大変動量との比(R(t)=V(t)/Vmax)が、下記式1又は式2に示す関係を満たした場合、|n|台のボイラを前記調整運転ボイラに設定することが好ましい。
式1:n−1<R(t)≦n(nは、1以上の整数値)
式2:n≦R(t)<n+1(nは、−1以下の整数値)
また、前記記憶部は、前記複数のボイラにおける単位時間あたりの負荷率の最大変動量として、該負荷率が上昇する場合の最大変動量、及び該負荷率が低下する場合の最大変動量を記憶することが好ましい。
本発明によれば、ボイラ効率を高く保ちつつ、出力される蒸気量の安定性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係るボイラシステムの全体構成を示す図である。 上記実施形態に係るボイラ群の概略を示す図である。 上記実施形態に係る台数制御装置の機能構成を示すブロック図である。 上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 別実施形態に係る台数制御装置の機能構成を示すブロック図である。 ボイラ群全体の負荷率と調整ボイラの台数との関係を示す図である。
以下、本発明のボイラシステムの好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明のボイラシステム1の全体構成につき、図1を参照しながら説明する。
ボイラシステム1は、複数(5台)のボイラ20を含むボイラ群2と、これら複数のボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダ6と、この蒸気ヘッダ6の内部の圧力を測定する蒸気圧センサ7と、ボイラ群2の燃焼状態(負荷率)を制御する制御部4を有する台数制御装置3と、を備える。
ボイラ群2は、負荷機器としての蒸気使用設備18に供給する蒸気を生成する。
蒸気ヘッダ6は、蒸気管11を介してボイラ群2を構成する複数のボイラ20に接続されている。この蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。
蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で生成された蒸気を集合させて貯留することにより、複数のボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給する。
蒸気圧センサ7は、信号線13を介して、台数制御装置3に電気的に接続されている。蒸気圧センサ7は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(ボイラ群2で発生した蒸気の圧力)を測定し、測定した蒸気圧に係る信号(蒸気圧信号)を、信号線13を介して台数制御装置3に送信する。
台数制御装置3は、信号線16を介して、複数のボイラ20と電気的に接続されている。この台数制御装置3は、蒸気圧センサ7により測定される蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧に基づいて、各ボイラ20の燃焼状態を制御する。台数制御装置3の詳細については、後述する。
以上のボイラシステム1は、ボイラ群2で発生させた蒸気を、蒸気ヘッダ6を介して、蒸気使用設備18に供給可能とされている。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御装置3は、この蒸気消費量の変動に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼量(負荷率)を制御する。
具体的には、蒸気使用設備18の需要の増大により要求負荷(蒸気消費量)が増加し、蒸気ヘッダ6に供給される蒸気量(後述の出力蒸気量)が不足すれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が減少することになる。一方、蒸気使用設備18の需要の低下により要求負荷(蒸気消費量)が減少し、蒸気ヘッダ6に供給される蒸気量が過剰になれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が増加することになる。従って、ボイラシステム1は、蒸気圧センサ7により測定された蒸気圧の変動に基づいて、要求負荷の変動をモニターすることができる。そして、ボイラシステム1は、蒸気ヘッダ6の蒸気圧に基づいて、蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)に応じて必要とされる蒸気量である必要蒸気量を算出する。
ここで、本実施形態のボイラシステム1を構成する複数のボイラ20について説明する。図2は、本実施形態に係るボイラ群2の概略を示す図である。
本実施形態のボイラ20は、燃焼量(負荷率)を連続的に変動して燃焼可能な比例制御ボイラからなる。
比例制御ボイラとは、少なくとも、最小燃焼状態S1(例えば、最大燃焼量の20%の燃焼量における燃焼状態)から最大燃焼状態S2の範囲で、燃焼量が連続的に制御可能とされているボイラである。比例制御ボイラは、例えば、燃料をバーナに供給するバルブや、燃焼用空気を供給するバルブの開度(燃焼比)を制御することにより、燃焼量を調整するようになっている。
また、燃焼量を連続的に制御するとは、後述のローカル制御部22における演算や信号がデジタル方式とされて段階的に取り扱われる場合(例えば、ボイラ20の出力(燃焼量)が1%刻みで制御される場合)であっても、事実上連続的に出力を制御可能な場合を含む。
本実施形態では、ボイラ20の燃焼停止状態S0と最小燃焼状態S1との間の燃焼状態の変更は、ボイラ20(バーナ)の燃焼をオン/オフすることで制御される。そして、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、燃焼量が連続的に制御可能となっている。
より具体的には、複数のボイラ20それぞれには、変動可能な蒸気量の単位である単位蒸気量Uが設定されている。これにより、ボイラ20は、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、単位蒸気量U単位で、蒸気量を変動可能となっている。なお、以下では、ボイラ20の最小燃焼状態S1における蒸気量を最小蒸気量と呼び、ボイラ20の最大燃焼状態S2における蒸気量を最大蒸気量と呼ぶ。
単位蒸気量Uは、最大蒸気量に応じて適宜設定できるが、ボイラシステム1における出力蒸気量の必要蒸気量に対する追従性を向上させる観点から、ボイラ20の最大蒸気量の0.1%〜20%に設定されることが好ましく、1%〜10%に設定されることがより好ましい。
尚、出力蒸気量とは、ボイラ群2により出力される蒸気量を示し、この出力蒸気量は、複数のボイラ20それぞれから出力される蒸気量の合計値により表される。
また、複数のボイラ20には、それぞれ優先順位が設定されている。優先順位は、燃焼指示や燃焼停止指示を行うボイラ20を選択するために用いられる。優先順位は、例えば整数値を用いて、数値が小さいほど優先順位が高くなるよう設定することができる。図2に示すように、ボイラ20の1号機ボイラから5号機ボイラのそれぞれに「1」〜「5」の優先順位が割り当てられている場合、1号機ボイラの優先順位が最も高く、5号機ボイラの優先順位が最も低い。この優先順位は、通常の場合、後述の制御部4の制御により、所定の時間間隔(例えば、24時間間隔)で変更される。
次に、本実施形態のボイラシステム1による複数のボイラ20の燃焼状態の制御の詳細について説明する。
台数制御装置3は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号に基づいて、要求負荷に応じたボイラ群2の必要燃焼量、及び必要燃焼量に対応する各ボイラ20の燃焼状態を算出し、各ボイラ20(後述のローカル制御部22)に台数制御信号を送信する。この台数制御装置3は、図1に示すように、記憶部5と、制御部4と、を備える。
記憶部5は、台数制御装置3(制御部4)の制御により各ボイラ20に対して行われた指示の内容や、各ボイラ20から受信した燃焼状態等の情報、複数のボイラ20の優先順位の設定の情報、優先順位の変更(ローテーション)に関する設定の情報、複数のボイラ20の後述する定常運転ポイントに関する設定の情報、複数のボイラ20の後述する変動範囲に関する設定の情報等を記憶する。
制御部4は、信号線16を介して各ボイラ20に各種の指示を行ったり、各ボイラ20から各種のデータを受信したりして、5台のボイラ20の燃焼状態や優先順位を制御する。各ボイラ20は、台数制御装置3から燃焼状態の変更指示の信号を受けると、その指示に従って当該ボイラ20を制御する。
ボイラ20は、図1に示すように、燃焼が行われるボイラ本体21と、ボイラ20の燃焼状態を制御するローカル制御部22と、を備える。
ローカル制御部22は、要求負荷に応じてボイラ20の燃焼状態を変更させる。具体的には、ローカル制御部22は、信号線16を介して台数制御装置3から送信される台数制御信号に基づいて、ボイラ20の燃焼量を制御し負荷率を変動させることで、燃焼状態を変更する。
また、ローカル制御部22は、台数制御装置3で用いられる信号を、信号線16を介して台数制御装置3に送信する。台数制御装置3で用いられる信号としては、ボイラ20の実際の燃焼状態、及びその他のデータが挙げられる。
図3は、制御部4の構成を示す機能ブロック図である。制御部4は、定常負荷率設定部41と、変動範囲設定部42と、ボイラ設定部43と、ボイラ台数制御部44と、必要蒸気量算出部45と、出力蒸気量算出部46と、偏差算出部47と、判定部48と、出力制御部49と、を備える。
詳しくは後述するが、本実施形態では、複数のボイラ20のうちの1のボイラ20のみを要求負荷に応じて負荷率を変動させて燃焼させ、他のボイラ20を負荷率を変動させることなく固定的な負荷率で燃焼させる。以下、負荷率を変動させて燃焼するボイラ20を調整運転ボイラと呼び、固定的な負荷率で燃焼するボイラ20を定常運転ボイラと呼ぶ。
定常負荷率設定部41は、複数のボイラ20に対して定常運転ポイントを設定する。ここで、定常運転ポイントとは、定常運転ボイラが燃焼する固定的な負荷率のうちの1の負荷率を示す。なお、負荷率を固定して燃焼させる場合、ボイラ効率の良い負荷率で燃焼させることが好ましいため、定常運転ポイントは、ボイラ20が効率良く燃焼可能な負荷率であることが好ましい。本実施形態では、初めに、最も運転効率の良い負荷率(例えば、50%)を定常運転ポイントとして設定する。具体的には、定常負荷率設定部41は、記憶部5に記憶された定常運転ポイントの初期値を読み出し、ボイラ20に対して定常運転ポイントを設定する。
また、定常負荷率設定部41は、全てのボイラ20が燃焼している状態で全てのボイラ20の負荷率が設定した定常運転ポイントに到達した場合、設定した定常運転ポイントを上方にシフトする。例えば、ボイラ群2を構成する5台のボイラ20の負荷率が50%に到達すると、定常負荷率設定部41は、定常運転ポイントを負荷率50%から80%にシフトする。
変動範囲設定部42は、複数のボイラ20に対して、定常運転ポイントを含む負荷率の範囲である変動範囲を設定する。ここで、変動範囲とは、調整運転ボイラが燃焼する負荷率の範囲を示し適宜設定可能である。なお、ボイラシステム1全体における効率を高めるため、変動範囲はボイラ効率が第1閾値(例えば、97%)よりも高くなる負荷率の範囲であることが好ましく、また、調整運転ボイラの負荷率と定常運転ボイラの負荷率との平準化の観点から、変動範囲は定常運転ポイントの周辺の負荷率であることが好ましい。そこで、本実施形態では、定常運転ポイントが負荷率50%である場合には、負荷率30%〜80%の範囲を変動範囲として設定することにしている。なお、変動範囲設定部42による変動範囲の設定も、記憶部5に記憶された変動範囲の初期値を読み出すことで行われる。
ボイラ設定部43は、燃焼状態にあるボイラ20のうちの1台を調整運転ボイラに設定し、その他のボイラ20を定常運転ボイラに設定する。
ボイラ台数制御部44は、調整運転ボイラの負荷率が第1負荷率に達した場合に、燃焼させるボイラ20の台数を1台増加させる。
なお、ボイラ設定部43による調整運転ボイラ/定常運転ボイラの設定、及びボイラ台数制御部44による燃焼させるボイラ20の増加の詳細については、図4〜図9で後述する。
必要蒸気量算出部45は、蒸気ヘッダ6の蒸気圧に基づいて、要求負荷に応じた必要蒸気量を算出する。
出力蒸気量算出部46は、ローカル制御部22から送信される各ボイラ20の燃焼状態に基づいて、ボイラ群2により出力される蒸気量である出力蒸気量を算出する。
偏差算出部47は、必要蒸気量と出力蒸気量との偏差量を算出する。
また、偏差算出部47は、後述の出力制御部49により、調整運転ボイラの蒸気量が変動された場合には、必要蒸気量と、蒸気量変動後のボイラ群2の出力蒸気量と、の偏差量を算出する。
判定部48は、偏差算出部47により算出された偏差量が調整運転ボイラに設定された単位蒸気量U以上であるかを判定する。
出力制御部49は、判定部48により偏差量が単位蒸気量U以上であると判定された場合に、調整運転ボイラの蒸気量を変動させる。具体的には、出力制御部49は、必要蒸気量が出力蒸気量よりも大きい場合、調整運転ボイラの蒸気量を単位蒸気量U分増加させる。また、出力制御部49は、必要蒸気量が出力蒸気量よりも小さい場合、調整運転ボイラの蒸気量を単位蒸気量U分減少させる。
以上、本実施形態のボイラシステム1の構成について説明した。続いて、本実施形態のボイラシステム1によるボイラ20の燃焼状態の制御方法の詳細について、図4〜図10を参照して説明する。
図4〜図7は、制御方法のパターン1の動作を示し、調整運転ボイラの負荷率が変動範囲の上限に達することを条件に燃焼させるボイラ20を増加することを特徴とする。図8〜図10は、制御方法のパターン2の動作を示し、調整運転ボイラの負荷率が変動範囲の下限の2倍に達することを条件に燃焼させるボイラ20を増加することを特徴とする。
初めに、図4〜図7を参照して、パターン1の動作について説明する。
図4(1)を参照して、1号機ボイラから5号機ボイラのうち、1号機ボイラのみが燃焼し、その他のボイラ20が燃焼を停止している。このとき、燃焼しているボイラ20が1号機ボイラのみであるため、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、1号機ボイラを調整運転ボイラとして設定する。即ち、1号機ボイラの負荷率を変動範囲内で変動させることで、要求負荷の変動に対してボイラ群2の出力蒸気量を追従させる。
その結果、図4(2)に示すように、1号機ボイラの負荷率が変動範囲(30%〜80%)の上限(80%)まで上昇すると、台数制御装置3の制御部4(ボイラ台数制御部44)は、燃焼させるボイラ20を1台増加する。具体的には、制御部4は、停止中のボイラ20のうち最も優先順位の高いボイラ20(図中、2号機ボイラ)の燃焼を開始する。このようにパターン1の動作では、変動範囲の上限(80%)を第1負荷率として用いている。
このとき、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、既に燃焼していた1号機ボイラを定常運転ボイラとして設定し、その後は、負荷率を変動させることなく定常運転ポイントに対応する負荷率(50%)で燃焼させる。一方、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、燃焼を開始した2号機ボイラを調整運転ボイラとして設定する。
なお、2号機ボイラの燃焼開始前に変動範囲の上限(80%)で燃焼していた1号機ボイラの負荷率が、2号機ボイラの燃焼開始時には定常運転ポイント(50%)になっていることから、図4(3)に示すように、燃焼を開始する2号機ボイラは、その差分である30%の負荷率で燃焼を開始することになる。
その後、2号機ボイラは、負荷率を変動範囲内で変動させることで、要求負荷の変動に対してボイラ群2の出力蒸気量を追従させる。
その結果、図5(4)に示すように、2号機ボイラの負荷率が変動範囲(30%〜80%)の上限(80%)まで上昇すると、台数制御装置3の制御部4(ボイラ台数制御部44)は、優先順位に基づき燃焼させるボイラ20を1台増加する(図5(4)では、3号機ボイラを増加している)。
このとき、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、既に燃焼していた1号機ボイラ及び2号機ボイラを定常運転ボイラとして設定し、その後は、負荷率を変動させることなく定常運転ポイントに対応する負荷率で燃焼させる。一方、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、燃焼を開始した3号機ボイラを調整運転ボイラとして設定する。なお、変動範囲の上限(80%)で燃焼していた2号機ボイラの負荷率が、定常運転ポイント(50%)になっていることから、図5(5)に示すように、3号機ボイラは、その差分である30%の負荷率で燃焼を開始することになる。
その後、要求負荷が増加すると、4号機ボイラ及び5号機ボイラも同様に順次燃焼を開始する。なお、図5では、3号機ボイラの次に4号機ボイラが燃焼を開始し、次に5号機ボイラが燃焼を開始したものとする。
その結果、図5(6)に示すように、全てのボイラ20が燃焼している状態で、1号機ボイラ〜4号機ボイラの4台が定常運転ボイラとして設定され、定常運転ポイントに対応する負荷率で運転し、5号機ボイラが調整運転ボイラとして設定され、負荷率を変動して燃焼することになる。
その後、5号機ボイラの負荷率が上昇すると、図6(7)に示すように、全てのボイラ20が燃焼している状態で、1号機ボイラ〜5号機ボイラの負荷率が全て定常運転ポイント(50%)に到達することになる。すると、台数制御装置3の制御部4(定常負荷率設定部41)は、定常運転ポイントを50%から上方にシフトする。
なお、定常運転ボイラは、定常運転ポイントに対応する負荷率で燃焼することになることから、シフト後の定常運転ポイントもボイラ効率が高いことが好ましい。また、定常運転ポイントの変動(シフト)を頻繁に行うと固定的な負荷率で燃焼する定常運転の利点が減少することから、シフトする量を細かくしすぎるのは好ましくない。そこで、本実施形態では、ボイラ効率が第1閾値を超えるとして予め設定された変動範囲の上限値まで定常運転ポイントをシフトすることとしている。具体的には、台数制御装置3の制御部4(定常負荷率設定部41)は、定常運転ポイントを50%から80%にシフトする。
このとき、台数制御装置3の制御部4(出力制御部49)は、定常運転ボイラ(1号機ボイラ〜4号機ボイラ)をシフト前の定常運転ポイント(50%)で燃焼させたまま、調整運転ボイラ(5号機ボイラ)をシフト後の定常運転ポイント(80%)まで上昇させることで、要求負荷に対してボイラ群2の出力蒸気量を追従させる。
その結果、図6(8)に示すように、5号機ボイラの負荷率がシフト後の定常運転ポイントまで上昇すると、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、5号機ボイラを定常運転ボイラとして設定するとともに、1号機ボイラ〜4号機ボイラのうちの1台を調整運転ボイラとして設定する。図6(8)では、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、1号機ボイラを新たな調整運転ボイラとして設定し、2号機ボイラ〜5号機ボイラを定常運転ボイラとして設定している。これにより、2号機ボイラ〜4号機ボイラはシフト前の定常運転ポイント(50%)で燃焼し、5号機ボイラはシフト後の定常運転ポイント(80%)で燃焼し、1号機ボイラは変動範囲内で負荷率を変動して燃焼する。
その後、調整運転ボイラとして設定された1号機ボイラの負荷率がシフト後の定常運転ポイントまで上昇すると、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、1号機ボイラを定常運転ボイラとして設定し、シフト前の定常運転ポイントで燃焼している2号機ボイラ〜4号機ボイラのうちの1台を調整運転ボイラとして設定することを順次繰り返す。
図7では、1号機ボイラの次に2号機ボイラが調整運転ボイラとして設定され、2号機ボイラの次に3号機ボイラが調整運転ボイラとして設定され、3号機ボイラの次に4号機ボイラが調整運転ボイラとして設定されている。その結果、図7(9)では、定常運転ボイラとして設定された1号機ボイラ〜3号機ボイラ及び5号機ボイラがシフト後の定常運転ポイント(80%)で燃焼し、調整運転ボイラとして設定された4号機ボイラが変動範囲内で負荷率を変動して燃焼している。
その後、4号機ボイラの負荷率が上昇すると、図7(10)に示すように、全てのボイラ20の負荷率がシフト後の定常運転ポイントに到達することになる。すると、台数制御装置3の制御部4(定常負荷率設定部41、変動範囲設定部42)は、定常運転ポイントを80%から100%にシフトし、また、変動範囲の上限を80%から100%に広げる。そして、台数制御装置3の制御部4(出力制御部49)は、定常運転ボイラ(1号機ボイラ〜3号機ボイラ及び5号機ボイラ)をシフト前の定常運転ポイント(80%)で燃焼させたまま、調整運転ボイラ(4号機ボイラ)をシフト後の定常運転ポイント(100%)まで上昇させることで、要求負荷に対してボイラ群2の出力蒸気量を追従させる。
以降同様に、調整運転ボイラの負荷率がシフト後の定常運転ポイントまで上昇すると、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、定常運転ボイラのうちの1台を新たな調整運転ボイラとして設定することを繰り返す。その結果、図7(11)に示すように1号機ボイラ〜5号機ボイラの負荷率が全てシフト後の定常運転ポイントに到達することになる。
続いて、図8〜図10を参照して、パターン2の動作について説明する。
図8(1)を参照して、1号機ボイラから5号機ボイラのうち、1号機ボイラのみが燃焼し、その他のボイラ20が燃焼を停止している。このとき、燃焼しているボイラ20が1号機ボイラのみであるため、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、1号機ボイラを調整運転ボイラとして設定する。即ち、1号機ボイラの負荷率を変動範囲内で変動させることで、要求負荷の変動に対してボイラ群2の出力蒸気量を追従させる。
その結果、図8(2)に示すように、1号機ボイラの負荷率が変動範囲(30%〜80%)の下限の2倍(60%=30%×2)まで上昇すると、台数制御装置3の制御部4(ボイラ台数制御部44)は、優先順位に基づいて燃焼させるボイラ20を1台増加する(図8では、2号機ボイラを追加している)。このようにパターン2の動作では、変動範囲の下限の2倍を第1負荷率として用いている。
このとき、図8(3)に示すように、台数制御装置3の制御部4(出力制御部49)は、既に燃焼していた1号機ボイラ及び新たに燃焼を開始した2号機ボイラを変動範囲の下限の負荷率(30%)で燃焼させる。なお、変動範囲は、ボイラ効率が第1閾値を超える範囲であるため、パターン2の動作では、燃焼させるボイラ20を1台増加した後に、燃焼する全てのボイラ20を効率良く燃焼させることができる。
また、燃焼するボイラ20を増加すると、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、変動範囲の下限の負荷率で燃焼する1号機ボイラ及び2号機ボイラのうちのいずれかを調整運転ボイラとして設定し、他方を定常運転ボイラとして設定する。そして、台数制御装置3の制御部4(出力制御部49)は、調整運転ボイラの負荷率を変動範囲内で変動させる一方で、定常運転ボイラの負荷率を変動範囲の下限に固定して燃焼させる。なお、図8(3)では、1号機ボイラが調整運転ボイラとして設定され、2号機ボイラが定常運転ボイラとして設定されている。
その後、要求負荷の変動に応じて1号機ボイラの負荷率が変動すると、図9(4)に示すように、1号機ボイラの負荷率が最も運転効率の良い定常運転ポイント(50%)まで上昇することになる。すると、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、定常運転ポイントに達した1号機ボイラを定常運転ボイラに設定し、定常運転ポイントに対応する負荷率で燃焼させる。一方で、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、変動範囲の下限の負荷率で燃焼する2号機ボイラを調整運転ボイラとして設定し、変動範囲内で負荷率を変動させて燃焼させる。
その結果、図9(5)に示すように、2号機ボイラの負荷率が変動範囲の下限の2倍(60%=30%×2)まで上昇すると、台数制御装置3の制御部4(ボイラ台数制御部44)は、優先順位に基づいて燃焼させるボイラ20を1台増加する(図9では、3号機ボイラを追加している)。
このとき、図9(6)に示すように、台数制御装置3の制御部4(出力制御部49)は、1号機ボイラを定常運転ポイントに対応する負荷率で燃焼させたまま、既に燃焼していた2号機ボイラ及び新たに燃焼を開始した3号機ボイラを変動範囲の下限の負荷率(30%)で燃焼させる。
また、燃焼するボイラ20を増加すると、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、変動範囲の下限の負荷率で燃焼する2号機ボイラ及び3号機ボイラのうちのいずれかを調整運転ボイラとして設定し、他方を定常運転ボイラとして設定する。なお、図9(6)では、2号機ボイラが調整運転ボイラとして設定され、3号機ボイラが定常運転ボイラとして設定されている。
その後、要求負荷の変動に応じて2号機ボイラの負荷率が変動すると、図10(7)に示すように、2号機ボイラの負荷率が最も運転効率の良い定常運転ポイントまで上昇することになる。すると、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、定常運転ポイントに達した2号機ボイラを定常運転ボイラに設定し、定常運転ポイントに対応する負荷率で燃焼させる。一方で、台数制御装置3の制御部4(ボイラ設定部43)は、変動範囲の下限の負荷率で燃焼する3号機ボイラを調整運転ボイラとして設定し、変動範囲内で負荷率を変動させて燃焼させる。
このように、パターン2の動作では、調整運転ボイラの負荷率が変動範囲の下限の2倍まで上昇することを条件に燃焼するボイラ20を増加することを繰り返す。そして、このような動作を繰り返すと、図10(8)に示すように、全てのボイラ20が燃焼している状態で、1号機ボイラ〜5号機ボイラの負荷率が全て定常運転ポイント(50%)に到達することになる。
この図10(8)以降の動作は、パターン1の動作と同様であり、台数制御装置3の制御部4(定常負荷率設定部41)は、定常運転ポイントを50%から80%にシフトする。また、その後、全てのボイラ20の負荷率がシフト後の定常運転ポイントに到達すると、図10(9)に示すように、台数制御装置3の制御部4(定常負荷率設定部41)は、定常運転ポイントを80%から100%にシフトする。
以上のようなパターン1及びパターン2の動作では、燃焼しているボイラ20のうちの1台を調整運転ボイラとして設定し、他のボイラ20を定常運転ボイラとして設定する。そして、定常運転ボイラの負荷率を固定する一方で、調整運転ボイラの負荷率を変動させることで要求負荷の変動に対応させることとしている。これにより、要求負荷の変動に対して全てのボイラ20の負荷率を変動させる必要がないため、ボイラシステム1全体における蒸気量の安定性を維持することができ、更には、頻繁な負荷率変動に伴う機器損傷を抑制することができ機器寿命の長期化をはかることができる。
また、パターン1及びパターン2の動作では、定常運転ボイラの負荷率をボイラ効率が最も良い定常運転ポイントに固定するとともに、調整運転ボイラの負荷率の変動をボイラ効率が第1閾値よりも高くなる変動範囲内に限定しているため、ボイラシステム1全体におけるシステム効率を高めることができる。
なお、定常運転ボイラの固定的な負荷率は、ボイラ効率が最も良い負荷率(50%)から上方にシフトすることになるが、シフト後の定常運転ポイントも変動範囲内に存在するため、シフトした後もボイラシステム1全体におけるシステム効率を高く維持することができる。特に、シフト後の定常運転ポイントを変動範囲の上限に設定することで、定常運転ポイントをシフトする頻度を抑えることができ、定常運転の利点を損なうことがない。
また、パターン1の動作では、燃焼するボイラ20を増加する際に、既に燃焼していたボイラ20を定常運転ポイントで燃焼する。これにより、既に燃焼していたボイラ20を最も効率よく燃焼させることができるため、蒸気量の安定性を高めることができる。
一方、パターン2の動作では、調整運転ボイラの負荷率が変動範囲の下限の2倍になることを条件に燃焼するボイラ20を増加することとしているため、ボイラ20を増加した後に、既に燃焼していたボイラ20及び増加したボイラ20の双方を、ボイラ効率の良い変動範囲内(下限)で燃焼することができる。これにより、燃焼するボイラ20を増加した場合に全てのボイラ20を効率良く燃焼することができ、ボイラシステム1全体における効率を高めることができる。
以上説明したボイラシステム1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)制御部4を、複数のボイラ20に対して定常運転ポイントを設定する定常負荷率設定部41と、複数のボイラ20に対して定常運転ポイントを含む負荷率の範囲である変動範囲を設定する変動範囲設定部42と、燃焼状態にあるボイラのうちの1台を、要求負荷の変動に応じて変動範囲内で負荷率を変動して燃焼させる調整運転ボイラに設定し、該調整運転ボイラ以外のボイラを要求負荷の変動にかかわらず固定的な負荷率で燃焼させる定常運転ボイラに設定するボイラ設定部43と、調整運転ボイラの負荷率が第1負荷率に達した場合に、燃焼させるボイラの台数を1台増加させるボイラ台数制御部44と、を含んで構成した。これにより、要求負荷の変動に対して負荷率を変動するボイラ20を調整運転ボイラに限定することができるため、要求負荷の変動に対して全てのボイラ20の負荷率を変動させる必要がなく、ボイラシステム1全体における蒸気量の安定性を維持することができる。また、負荷率の頻繁な変動に伴う機器損傷を抑制することができ機器寿命の長期化をはかることができる。
(2)燃焼させるボイラ20の台数を増加させる第1負荷率を変動範囲の上限に設定するとともに、燃焼させるボイラ20の台数を増加した場合、新たに燃焼を開始したボイラ20を調整運転ボイラに設定する一方で、その他のボイラ20(定常運転ボイラ)を定常運転ポイントに対応する負荷率で燃焼させる構成とした。これにより、燃焼させるボイラ20が増加した際に既に燃焼していたボイラ20を固定的な負荷率で燃焼させることができ、蒸気量の安定性を高めることができる。
(3)燃焼させるボイラ20の台数を増加させる第1負荷率を変動範囲の下限の2倍に設定するとともに、燃焼させるボイラ20の台数を増加した場合、増加前の調整運転ボイラ及び新たに燃焼を開始したボイラを変動範囲の下限で燃焼させ、これら変動範囲の下限で燃焼するボイラ20のうちのいずれかを調整運転ボイラとして設定する構成とした。これにより、燃焼させるボイラ20が増加した際に全てのボイラ20を効率良く燃焼することができ、ボイラシステム1全体における効率を高めることができる。
(4)調整運転ボイラの負荷率が変動範囲の下限から定常運転ポイントに対応する負荷率に上昇すると、変動範囲の下限で燃焼するもう一方のボイラ20を調整運転ボイラとして設定する構成とした。これにより、一方のボイラ20を最も効率のよい定常運転ポイントで燃焼させることができ、ボイラシステム1全体における効率を高めることができる。
(5)全てのボイラ20が燃焼している状態で全てのボイラ20の負荷率が定常運転ポイントに対応する負荷率に到達した場合、定常運転ポイントを上方にシフトし、定常運転ボイラをシフト前の定常運転ポイントに対応する負荷率で燃焼させたまま、調整運転ボイラをシフト後の定常運転ポイントまで上昇させる構成とした。
(6)また、全てのボイラ20が燃焼している状態で調整運転ボイラの負荷率がシフト後の定常運転ポイントまで達した場合に、該調整運転ボイラ以外のボイラ20のうちのいずれかを調整運転ボイラに設定する構成とした。
これにより、当初設定した定常運転ポイント及び変動範囲が要求負荷の変動に対して適切でなくなった場合であっても、要求負荷の変動に対して追従することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るボイラシステム1を図11及び図12を参照して説明する。
バーナの燃焼により蒸気を生成するボイラ20では、負荷率の変動指示に対して実際の負荷率の変動が所定の応答時間分遅れてしまう。ここで、第1実施形態に係るボイラシステム1では、要求負荷の変動に対して1台の調整運転ボイラの負荷率を変動することとしているが、要求負荷が急激に変動した場合には、必ずしも1台では対応しきれないことがある。そこで、第2実施形態に係るボイラシステム1では、要求負荷の変動に応じて調整運転ボイラの台数を異ならせることとしている。即ち、第2実施形態に係るボイラシステム1では、要求負荷の変動量が調整運転ボイラの応答速度を超える場合には、2台以上のボイラ20を調整運転ボイラとして設定し、要求負荷の変動に対して対応する。以下、具体的に説明する。
図11は、第2実施形態に係るボイラシステム1の台数制御装置3の構成を示す機能ブロック図である。
第2実施形態に係る台数制御装置3の記憶部5は、ボイラ20毎の応答速度を記憶する。即ち、記憶部5は、複数のボイラ20のそれぞれについて、単位時間当たりの負荷率の最大変動量(Vmax)を記憶する。なお、負荷率の変動には、負荷率が上昇する場合と負荷率が低下する場合とが含まれるため、記憶部5は、負荷率が上昇する場合の最大変動量及び負荷率が低下する場合の最大変動量を記憶することが好ましい。
また、第2実施形態に係る台数制御装置3の制御部4は、第1実施形態に係る台数制御装置3の備える構成に加え、変動負荷率算出部401と変化率算出部402とを更に備える。
変動負荷率算出部401は、要求負荷の変動に基づいて、単位時間(Δt)後のボイラ群2の負荷率(Q(t+Δt))を算出する。即ち、変動負荷率算出部401は、必要蒸気量と出力蒸気量との偏差量に基づいて、単位時間後のボイラ群2の負荷率(Q(t+Δt))を算出する。なお、単位時間後のボイラ群2の負荷率の算出は、所定の制御関数に基づき算出することができる。
変化率算出部402は、単位時間後のボイラ群2の負荷率(Q(t+Δt))と、現在のボイラ群2の負荷率(Q(t))とから、要求負荷の変動に対応して必要とされるボイラ群2の単位時間あたりの負荷率の変化率(V(t))を算出する。変化率(V(t))の算出は、任意の方法により行うことができ、最も簡易には、「{Q(t+Δt)−Q(t)}/Δt」により算出することができる。
ボイラ設定部43は、調整運転ボイラとして設定されているボイラ20の最大変動量(Vmax)と、要求負荷の変動に応じて必要となる変化率(V(t))と、を比較し、調整運転ボイラの台数を決定する。即ち、ボイラ設定部43は、変化率算出部により算出された変化率と、現在の調整運転ボイラの最大変動量との比(R(t)=V(t)/Vmax)が、下記式1又は式2に示す関係を満たす台数(|n|)を調整運転ボイラの台数として決定する。
n−1<R(t)≦n(nは、1以上の整数値)・・・式1
n≦R(t)<n+1(nは、−1以下の整数値)・・・式2
そして、ボイラ設定部43は、決定した台数分のボイラ20を調整運転ボイラとして設定する。即ち、ボイラ設定部43は、既に調整運転ボイラとして設定されているボイラ20に加え、定常運転ボイラとして設定されたボイラ20の中の所定数を調整運転ボイラとして設定する。
続いて、図12を参照して、ボイラ設定部43による調整運転ボイラの台数決定の詳細について説明する。図12は、ボイラ群2全体の負荷率(Q)と調整運転ボイラの台数(n)との関係を示すグラフである。
図12に示すように、比(R(t))が0より大きく1以下である場合には調整運転ボイラは1台となり、1より大きく2以下である場合には調整運転ボイラは2台となる。また、比(R(t))が−1以上0未満である場合には調整運転ボイラは1台となり、−2以上−1未満である場合には調整運転ボイラは2台となる。もちろん、比(R(t))が2より大きく3以下である場合には調整運転ボイラは3台となるが同様であるので以下省略する。
以上説明した第2実施形態に係るボイラシステム1によれば、以下のような効果を奏する。
(7)記憶部5に、複数のボイラ20における単位時間あたりの負荷率の最大変動量(Vmax)を記憶するとともに、制御部4を、要求負荷の変動に基づいて、単位時間後のボイラ群2の負荷率を算出する変動負荷率算出部401と、算出した単位時間後のボイラ群2の負荷率と、現在のボイラ群2の負荷率とから、要求負荷の変動に対応して必要とされるボイラ群2の単位時間あたりの負荷率の変化率(V(t))を算出する変化率算出部402と、を含んで構成した。そして、ボイラ設定部43に、算出された変化率と最大変動量との比(R(t)=V(t)/Vmax)に基づき決定された台数分のボイラ20を調整運転ボイラとして設定させる構成とした。これにより、第2実施形態のボイラシステム1では、要求負荷の変動量に応じて調整運転ボイラの設定台数を変更するため、1台の調整運転ボイラだけでは追従が遅れてしまう場合であっても、適切に要求負荷の変動に対して追従することができる。
(8)記憶部5に、負荷率が上昇する場合の最大変動量及び負荷率が低下する場合の最大変動量を記憶する構成とした。これにより、要求負荷の急激な増加だけでなく、要求負荷の急激な減少に対しても適切に追従することができる。
以上、本発明のボイラシステム1の好ましい各実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明を、3台の又は5台のボイラ20からなるボイラ群2を備えるボイラシステムに適用したが、これに限らない。即ち、本発明を、6台以上のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよく、また、2台のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよい。
また、本実施形態では、複数のボイラ20それぞれから出力される蒸気量の合計値をボイラ群2の出力蒸気量としたが、これに限らない。即ち、台数制御装置3(制御部4)から複数のボイラ20に送信される燃焼指示信号から算出される蒸気量である指示蒸気量の合計値をボイラ群2の出力蒸気量として扱ってもよい。
1 ボイラシステム
2 ボイラ群
20 ボイラ
4 制御部
41 定常負荷率設定部
42 変動範囲設定部
43 ボイラ設定部
44 ボイラ台数制御部

Claims (7)

  1. 負荷率を連続的に変動して燃焼可能な複数のボイラを備えるボイラ群と、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
    前記制御部は、
    前記複数のボイラに対して定常運転ポイントを設定する定常負荷率設定部と、
    前記複数のボイラに対して前記定常運転ポイントを含む負荷率の範囲である変動範囲を設定する変動範囲設定部と、
    燃焼状態にあるボイラのうちの1台を、要求負荷の変動に応じて前記変動範囲内で負荷率を変動して燃焼させる調整運転ボイラに設定し、該調整運転ボイラ以外のボイラを要求負荷の変動にかかわらず固定的な負荷率で燃焼させる定常運転ボイラに設定するボイラ設定部と、
    前記調整運転ボイラの負荷率が第1負荷率に達した場合に、燃焼させるボイラの台数を1台増加させるボイラ台数制御部と、を備え
    前記定常負荷率設定部は、全てのボイラが燃焼している状態で全てのボイラの負荷率が前記定常運転ポイントに対応する負荷率に到達した場合、前記定常運転ポイントを上方にシフトし、
    前記制御部は、前記定常運転ボイラをシフト前の前記定常運転ポイントに対応する負荷率で燃焼させたまま、前記調整運転ボイラをシフト後の前記定常運転ポイントまで上昇させることで、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御するボイラシステム。
  2. 前記ボイラ台数制御部は、前記調整運転ボイラの負荷率が前記変動範囲の上限に達した場合に、燃焼させるボイラの台数を1台増加させ、
    前記ボイラ設定部は、前記ボイラ台数制御部により燃焼させるボイラの台数が増加された場合、新たに燃焼を開始したボイラを前記調整運転ボイラに設定し、
    前記制御部は、前記調整運転ボイラ以外の前記定常運転ボイラを前記定常運転ポイントに対応する負荷率で燃焼させる、請求項1に記載のボイラシステム。
  3. 前記ボイラ台数制御部は、前記調整運転ボイラの負荷率が前記変動範囲の下限の2倍に達した場合に、燃焼させるボイラの台数を1台増加させ、
    前記制御部は、前記ボイラ台数制御部により燃焼させるボイラの台数が増加された場合、前記調整運転ボイラ及び新たに燃焼を開始したボイラを前記変動範囲の下限で燃焼させ、
    前記ボイラ設定部は、前記変動範囲の下限で燃焼する前記調整運転ボイラ及び前記新たに燃焼を開始したボイラのうちのいずれかを新たな調整運転ボイラとして設定する、請求項1に記載のボイラシステム。
  4. 前記ボイラ設定部は、前記新たな調整運転ボイラの負荷率が前記定常運転ポイントに対応する負荷率に達すると、前記変動範囲の下限で燃焼するボイラを調整運転ボイラとして設定する、請求項3に記載のボイラシステム。
  5. 前記ボイラ設定部は、全てのボイラが燃焼している状態で前記調整運転ボイラの負荷率がシフト後の前記定常運転ポイントまで達した場合に、該調整運転ボイラ以外のボイラのうちのいずれかを調整運転ボイラに設定する、請求項に記載のボイラシステム。
  6. 前記複数のボイラにおける単位時間あたりの負荷率の最大変動量(Vmax)を記憶する記憶部を更に備え、
    前記制御部は、
    要求負荷の変動に基づいて、単位時間後の前記ボイラ群の負荷率を算出する変動負荷率算出部と、
    前記変動負荷率算出部が算出した単位時間後のボイラ群の負荷率と、現在のボイラ群の負荷率とから、要求負荷の変動に対応して必要とされる前記ボイラ群の単位時間あたりの負荷率の変化率(V(t))を算出する変化率算出部と、を更に備え、
    前記ボイラ設定部は、前記変化率算出部により算出された変化率と、前記記憶部に記憶された最大変動量との比(R(t)=V(t)/Vmax)が、下記式1又は式2に示す関係を満たした場合、|n|台のボイラを前記調整運転ボイラに設定する請求項1〜のいずれかに記載のボイラシステム。
    式1:n−1<R(t)≦n(nは、1以上の整数値)
    式2:n≦R(t)<n+1(nは、−1以下の整数値)
  7. 前記記憶部は、前記複数のボイラにおける単位時間あたりの負荷率の最大変動量として、該負荷率が上昇する場合の最大変動量、及び該負荷率が低下する場合の最大変動量を記憶する請求項に記載のボイラシステム。
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