JP2014044037A - ボイラシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のボイラ20を備えるボイラ群2と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する制御部4と、を備えるボイラシステム1であって、複数のボイラ20には単位蒸発量Uが設定されており、制御部4は、必要蒸発量と出力蒸発量との偏差量を算出する偏差算出部43と、必要蒸発量が出力蒸発量よりも大きい場合に負荷率の低いボイラ20を選択し、必要蒸発量が出力蒸発量よりも小さい場合に負荷率の高いボイラ20を選択するボイラ選択部44と、必要蒸発量が出力蒸発量よりも大きいと選択されたボイラ20の蒸発量を単位蒸発量U分増加させ、必要蒸発量が出力蒸発量よりも小さいと選択されたボイラ20の蒸発量を単位蒸発量U分減少させる出力制御部46と、を備える。
【選択図】図3
Description
例えば、特許文献1には、燃焼している複数のボイラを均等な負荷率で運転させ、また、燃焼しているボイラの台数が変動が生じた場合には、変動後に燃焼しているすべてのボイラを均等な負荷率で運転させる比例制御ボイラの制御方法が提案されている。
まず、本発明のボイラシステム1の全体構成につき、図1を参照しながら説明する。
ボイラシステム1は、複数(5台)のボイラ20を含むボイラ群2と、これら複数のボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダ6と、この蒸気ヘッダ6の内部の圧力を測定する蒸気圧センサ7と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する制御部4を有する台数制御装置3と、を備える。
蒸気ヘッダ6は、蒸気管11を介してボイラ群2を構成する複数のボイラ20に接続されている。この蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。
蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で生成された蒸気を集合させて貯留することにより、複数のボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給する。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御装置3は、この蒸気消費量の変動に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼量を制御する。
本実施形態のボイラ20は、負荷率を連続的に変更して燃焼可能な比例制御ボイラからなる。
比例制御ボイラとは、少なくとも、最小燃焼状態S1(例えば、最大燃焼量の20%の燃焼量における燃焼状態)から最大燃焼状態S2の範囲で、燃焼量が連続的に制御可能とされているボイラである。比例制御ボイラは、例えば、燃料をバーナに供給するバルブや、燃焼用空気を供給するバルブの開度(燃焼比)を制御することにより、燃焼量を調整するようになっている。
より具体的には、複数のボイラ20それぞれには、変動可能な蒸発量の単位である単位蒸発量Uが設定されている。これにより、ボイラ20は、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、単位蒸発量U単位で、蒸発量を変更可能となっている。
尚、出力蒸発量とは、ボイラ群2により出力される蒸発量を示し、この出力蒸発量は、複数のボイラ20それぞれから出力される蒸発量の合計値により表される。
台数制御装置3は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号に基づいて、要求負荷に応じたボイラ群2の必要燃焼量、及び必要燃焼量に対応する各ボイラ20の燃焼状態を算出し、各ボイラ20(後述のローカル制御部22)に台数制御信号を送信する。この台数制御装置3は、図1に示すように、記憶部5と、制御部4と、を備える。
ローカル制御部22は、要求負荷に応じてボイラ20の燃焼状態を変更させる。具体的には、ローカル制御部22は、信号線16を介して台数制御装置3から送信される台数制御信号に基づいて、ボイラ20の燃焼状態を制御する。
また、ローカル制御部22は、台数制御装置3で用いられる信号を、信号線16を介して台数制御装置3に送信する。台数制御装置3で用いられる信号としては、ボイラ20の実際の燃焼状態、及びその他のデータが挙げられる。
必要蒸発量算出部41は、蒸気ヘッダ6の蒸気圧に基づいて、要求負荷に応じた必要蒸発量を算出する。
出力蒸発量算出部42は、ローカル制御部22から送信される各ボイラ20の燃焼状態に基いて、ボイラ群2により出力される蒸発量である出力蒸発量を算出する。
また、偏差算出部43は、後述の出力制御部46により、選択されたボイラ20の蒸発量が変更された場合には、必要蒸発量と、蒸発量変更後のボイラ群2の出力蒸発量と、の偏差量を算出する。
具体的には、ボイラ選択部44は、必要蒸発量が出力蒸発量よりも大きい場合、複数のボイラ20のうち負荷率の低いボイラ20を選択し、必要蒸発量が出力蒸発量よりも小さい場合、複数のボイラ20のうち負荷率の高いボイラ20を選択する。
また、ボイラ選択部44は、複数のボイラ20の負荷率が等しい場合、必要蒸発量が出力蒸発量よりも大きいと最も優先順位の高いボイラ20を選択し、必要蒸発量が出力蒸発量よりも小さいと最も優先順位の低いボイラ20を選択する。
出力制御部46は、判定部45により偏差量が単位蒸発量U以上であると判定された場合に、ボイラ選択部44により選択されたボイラ20の蒸発量を変更させる。具体的には、出力制御部46は、必要蒸発量が出力蒸発量よりも大きい場合、ボイラ選択部44により選択されたボイラの蒸発量を単位蒸発量U分増加させる。また、出力制御部46は、必要蒸発量が出力蒸発量よりも小さい場合、ボイラ選択部44により選択されたボイラの蒸発量を単位蒸発量U分減少させる。
図4は、本実施形態のボイラシステム1の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップST1において、偏差算出部43は、必要蒸発量と出力蒸発量との偏差量を算出し、処理はステップST2に進む。
図5に示すように、出力蒸発量が4800kg/hである状態において、必要蒸発量が5150kg/hに増加した場合、まず、偏差算出部43は、必要蒸発量と出力蒸発量の偏差量(350kg/h)を算出する(図4のステップST1参照)。
ここで、ボイラ選択部44により複数台のボイラ20が選択されたので、ボイラ選択部44は、図6に示すように、選択された4号機ボイラ20及び5号機ボイラ20のうち、優先順位の高い4号機ボイラ20を選択する(図4のステップST5参照)。
次いで、判定部45は、偏差量(350kg/h)が単位蒸発量U(100kg/h)以上であるかを判定する(図4のステップST6参照)。ここでは、偏差量は、単位蒸発量U以上であるので、出力制御部46は、図7に示すように、4号機ボイラ20の蒸発量を単位蒸発量U分(100kg/h)増加させる(図4のステップST7参照)。
次いで、ボイラ選択部44は、蒸発量を変更させるボイラ20を選択する。具体的には、ボイラ選択部44は、図7に示すように、5台のボイラ20のうち最も負荷率の低いボイラ20である5号機ボイラ20を選択する。
次いで、ボイラ選択部44は、負荷率の低いボイラ20を選択する。ここでは、1〜5号機のボイラ20の負荷率は、いずれも等しいため、ボイラ選択部44は、最も優先順位の高い1号機ボイラ20を選択する(図8参照)。
次いで、判定部45は、偏差量(150kg/h)が単位蒸発量U(100kg/h)以上であるかを判定する。ここでは、偏差量は、単位蒸発量U以上であるので、出力制御部46は、図9に示すように、1号機ボイラ20の蒸発量を単位蒸発量U分(100kg/h)増加させる。
次いで、ボイラ選択部44は、負荷率の低いボイラ20を選択する。ここでは、2〜5号機のボイラ20の負荷率が低く、かつ、負荷率がいずれも等しいため、ボイラ選択部44は、4台のうち最も優先順位の高い2号機ボイラ20を選択する(図9参照)。
この場合、判定部45は、偏差量(50kg/h)が単位蒸発量U(100kg/h)以上でないと判定するため、出力制御部46は、2号機ボイラ20の蒸発量は変動させず、出力蒸発量増加に係る制御を終了する(図4のステップST6参照)。
図10に示すように、出力蒸発量が5100kg/hである状態において、必要蒸発量が4850kg/hに減少した場合、まず、偏差算出部43は、必要蒸発量と出力蒸発量の偏差量(250kg/h)を算出する(図4のステップST1参照)。
この場合、ボイラ選択部44に選択されたボイラ20は1台であるため(図4のステップST9参照)、次いで、判定部45は、偏差量(250kg/h)が単位蒸発量U(100kg/h)以上であるかを判定する(図4のステップST11参照)。ここでは、偏差量は、単位蒸発量U以上であるので、出力制御部46は、図11に示すように、1号機ボイラ20の蒸発量を単位蒸発量U分(100kg/h)減少させる(図4のステップST12参照)。
次いで、ボイラ選択部44は、蒸発量を変更させるボイラ20を選択する。ここでは、図11に示すように、1〜5号機のボイラ20の負荷率は、いずれも等しいため、ボイラ選択部44は、最も優先順位の低い5号機ボイラ20を選択する(図4のステップST8〜ステップST10参照)参照)。
次いで、ボイラ選択部44は、蒸発量を変更させるボイラ20を選択する。ここでは、1〜4号機のボイラ20の負荷率が高く、かつ、負荷率がいずれも等しいため、ボイラ選択部44は、4台のうち最も優先順位の低い4号機ボイラ20を選択する。
この場合、判定部45は、偏差量(50kg/h)が単位蒸発量U(100kg/h)以上でないと判定するため、出力制御部46は、4号機ボイラ20の蒸発量は変動させず、出力蒸発量減少に係る制御を終了する(図4のステップST11参照)。
また、ボイラ選択部44は、偏差量及び単位蒸発量Uに基いて、蒸発量を変更するボイラ20の台数を決定した後、複数のボイラ20の負荷率及び優先順位に基いて、蒸発量を変更するボイラ20を選択してもよい。
第2実施形態のボイラシステム1は、最大蒸発量及び単位蒸発量Uの異なる複数のボイラ20によりボイラ群2が構成されている点で、第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、ボイラ群2は、例えば、最大蒸発量が2000kg/hで単位蒸発量が100kg/hの1号機ボイラ20、最大蒸発量が2500kg/hで単位蒸発量が250kg/hの2号機ボイラ20、及び最大蒸発量が3000kg/で単位蒸発量が150kg/hの3号機ボイラ20の3台のボイラにより構成される。即ち、第2実施形態では、単位蒸発量Uは、複数のボイラ20それぞれに個別に設定される。
また、ボイラ20の1号機〜3号機のそれぞれには、「1」〜「3」の優先順位が割り当てられている。
図13に示すように、1号機ボイラ20〜3号機ボイラ20それぞれの蒸発量が1000kg/hであり、ボイラ群2の出力蒸発量が3000kg/hの状態において、必要蒸発量が3750kg/hに増加した場合、まず、偏差算出部43は、必要蒸発量と出力蒸発量の偏差量(750kg/h)を算出する。
次いで、判定部45は、偏差量(750kg/h)が3号機ボイラ20の単位蒸発量U(150kg/h)以上であるかを判定する。ここでは、偏差量は、3号機ボイラ20の単位蒸発量U以上であるので、出力制御部46は、図14に示すように、3号機ボイラ20の蒸発量を単位蒸発量U分(150kg/h)増加させる。
次いで、ボイラ選択部44は、蒸発量を変更させるボイラ20を選択する。具体的には、ボイラ選択部44は、図14に示すように、3台のボイラ20のうち最も負荷率の低いボイラ20である3号機ボイラ20を再度選択する。
次いで、ボイラ選択部44は、蒸発量を変更させるボイラ20を選択する。ここでは、ボイラ選択部44は、図15に示すように、3台のボイラ20のうち最も負荷率の低いボイラ20である2号機ボイラ20を選択する。
次いで、ボイラ選択部44は、蒸発量を変更させるボイラ20を選択する。ここでは、3台のボイラ20のうち、最も負荷率の低いボイラ20である3号機ボイラ20を選択する。
次いで、ボイラ選択部44は、蒸発量を変更させるボイラ20を選択する。ここでは、ボイラ選択部44は、図17に示すように、3台のボイラ20のうち最も負荷率の低いボイラ20である3号機ボイラ20を選択する。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、本発明を、3台の又は5台のボイラ20からなるボイラ群2を備えるボイラシステムに適用したが、これに限らない。即ち、本発明を、6台以上のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよく、また、2台のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよい。
2 ボイラ群
4 制御部
20 ボイラ
44 ボイラ選択部
45 判定部
46 出力制御部
U 単位蒸発量
Claims (6)
- 負荷率を連続的に変更して燃焼可能な複数のボイラを備えるボイラ群と、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
複数の前記ボイラには、変動可能な蒸発量の単位である単位蒸発量が設定されており、
前記制御部は、
前記要求負荷に応じて必要とされる必要蒸発量と、前記ボイラ群により出力される出力蒸発量との偏差量を算出する偏差算出部と、
前記必要蒸発量が前記出力蒸発量よりも大きい場合に前記複数のボイラのうち負荷率の低いボイラを選択し、前記必要蒸発量が前記出力蒸発量よりも小さい場合に前記複数のボイラのうち負荷率の高いボイラを選択するボイラ選択部と、
前記必要蒸発量が前記出力蒸発量よりも大きいと前記ボイラ選択部により選択されたボイラの蒸発量を前記単位蒸発量分増加させ、前記必要蒸発量が前記出力蒸発量よりも小さいと前記ボイラ選択部により選択されたボイラの蒸発量を前記単位蒸発量分減少させる出力制御部と、を備えるボイラシステム。 - 前記制御部は、
前記偏差算出部により算出された前記偏差量が前記単位蒸発量以上であるかを判定する判定部を更に備え、
前記出力制御部は、前記判定部により前記偏差量が前記単位蒸発量以上であると判定された場合に、前記ボイラ選択部により選択されたボイラの蒸発量を変更させる請求項1に記載のボイラシステム。 - 前記偏差算出部は、前記出力制御部により前記選択されたボイラの蒸発量が変更された場合、前記必要蒸発量と蒸発量変更後の前記ボイラ群の出力蒸発量との偏差量を算出する請求項1又は2に記載のボイラシステム。
- 前記複数のボイラには、優先順位が設定されており、
前記ボイラ選択部は、前記複数のボイラの負荷率が等しい場合、
前記必要蒸発量が前記出力蒸発量よりも大きいと、最も優先順位の高いボイラを選択し、
前記必要蒸発量が前記出力蒸発量よりも小さいと、最も優先順位の低いボイラを選択する請求項1〜3のいずれかに記載のボイラシステム。 - 前記単位蒸発量は、前記複数のボイラそれぞれに対して個別に設定され、
前記判定部は、前記偏差量が前記ボイラ選択部により選択されたボイラの単位蒸発量以上であるかを判定する請求項2〜4のいずれかに記載のボイラシステム。 - 前記単位蒸発量は、前記ボイラの最大蒸発量の0.1%〜20%に設定される請求項1〜5のいずれかに記載のボイラシステム。
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