JP7272182B2 - ボイラシステム - Google Patents

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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Description

本発明は、少なくとも2系統のボイラ群を備えるボイラシステムに関する。
同じ蒸気ライン(同じ蒸気ヘッダ)に2系統のボイラ群を設置して、蒸気ヘッダの内部の蒸気圧力値(以下「ヘッダ圧力値」ともいう)が、同じ目標圧力値と一致するように、それぞれの系統のボイラ群を、個別にPI制御(又はPID制御方式)により台数制御する系統別の制御部を備えるボイラシステムが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
このようなボイラシステムにおいては、例えば、先に1つの系統のボイラ群を立ち上げて、蒸気負荷が安定した後、他の系統のボイラ群を立ち上げた場合、最初に立ち上げた系統のボイラ群の燃焼率が高く、後から立ち上げた系統のボイラ群の燃焼率が低くなる状態が継続する。その後、仮に蒸気負荷の増減が生じたとしても、このような燃焼率の乖離した状態は解消されない。
ボイラが10台設置され、5台/5台で2系統制御を行うボイラシステムを例として具体的に説明する。仮に、必要蒸気量(燃焼負荷)を4台のボイラがそれぞれ100%燃焼する場合の燃焼量400%に相当するとした場合、先に第1系統のみを立ち上げると、5台のボイラがそれぞれ80%燃焼で安定する。その状態で、第2系統を立ち上げた場合、既にヘッダ圧力値が目標圧力値と一致していることから、新たにボイラ燃焼量を増加させる動作が働かない。ただし、第2系統の制御部が、最低でも1台20%を燃焼させるように設定されている場合、最終的には、第1系統は5台のボイラがそれぞれ76%燃焼し、第2系統は、1台のボイラが20%燃焼で安定する。
そうすると、その後、蒸気負荷の増減が生じたとしても、第1系統のボイラ群の燃焼率と第2系統のボイラ群の燃焼率との乖離した状態は解消されない。
https://www.miuraz.co.jp/product/boiler/bp.html
このため、例えば、1つの系統のボイラ群しか燃焼していない場合、又は別の系統のボイラ群が例えば1台のみ台数制御対象で最小の燃焼量で燃焼している場合、急激な負荷変動が発生すると追従できない可能性がある。
また、系統によって、ボイラの燃焼率が大きく異なると、ボイラ寿命を均一化することが困難となる。
本発明は、少なくとも2系統のボイラ群を備えるボイラシステムにおいて、仮に1つの系統のボイラ群の燃焼率が、別の系統のボイラ群の燃焼率よりも高い状態で安定している場合であっても、燃焼率の高い系統から燃焼率の低い系統に、所定の燃焼量を移動することで、ボイラシステム全体の燃焼量を変化させずに、各系統の燃焼率を平準化することを可能とするボイラシステムを提供することを目的とする。
(1) 本発明は、1つ以上のボイラからなるボイラ群を、少なくとも2系統備え、各系統のボイラ群により生成された蒸気が集合する蒸気ヘッダと、前記蒸気ヘッダの内部の蒸気圧力値であるヘッダ圧力値を測定する蒸気圧測定手段と、前記各系統のボイラ群ごとに設けられる制御部であって、前記ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値と一致するように、制御周期nにおける各系統のボイラ群の燃焼制御に係る操作量となる必要蒸気量MVを速度形PI制御又は速度形PID制御方式により算出し、各系統のボイラ群の燃焼状態をそれぞれ制御する前記各系統のボイラ群に対応する制御部と、前記各系統のボイラ群を対象として、当該ボイラ群の燃焼制御に係る操作量を補正する平均燃焼率補正制御
部と、を備えるボイラシステムであって、前記平均燃焼率補正制御部は、前記制御部に対して、制御周期nにおける、当該制御部における前回の操作量MVn-1と、当該制御部により台数制御されるボイラの識別情報又は当該制御部により台数制御されるボイラの出力可能な最大蒸気量と、を取得する操作量取得部と、前記制御部に対して、当該制御部における前回の操作量MVn-1を当該制御部における台数制御されるボイラのそれぞれの最大出力可能蒸気量を合計した値である台数制御可能ボイラの最大蒸気量合計値により除算して、制御周期nにおける当該制御部の平均燃焼率を算出する平均燃焼率算出部と、前記制御部に対して、当該制御部における前回の操作量MVn-1から予め設定された単位補正量を減算した値を当該制御部における台数制御可能ボイラの最大蒸気量合計値により除算した値であるマイナス補正平均燃焼率を算出するマイナス補正平均燃焼率算出部と、前記制御部に対して、当該制御部における前回の操作量MVn-1から前記単位補正量を加算した値を当該制御部における台数制御可能ボイラの最大蒸気量合計値により除算した値であるプラス補正平均燃焼率を算出するプラス補正平均燃焼率算出部と、指定された任意の制御周期nにおいて、前記平均燃焼率の最も大きい制御部である第1の制御部と、前記平均燃焼率の最も小さい制御部である第2の制御部について、前記第1の制御部の平均燃焼率と、前記第2の制御部の平均燃焼率との偏差である平均燃焼率偏差、及び前記第1の制御部のマイナス補正平均燃焼率と、前記第2の制御部のプラス補正平均燃焼率との偏差である補正平均燃焼率偏差に関して、予め設定された乖離条件が成立するか否かを判定する平均燃焼率判定部と、前記平均燃焼率判定部により、前記乖離条件が成立すると判定されたとき、前記第1の制御部における操作量から前記第2の制御部における操作量に前記単位補正量を移動させる操作量補正部と、を備える、ボイラシステムに関する。
(2) 前記乖離条件は、前記制御周期nにおいて、前記第1の制御部と、前記第2の制御部と、の間の前記平均燃焼率偏差、及び前記補正平均燃焼率偏差がともに正の値となる条件であり、前記操作量補正部は、前記第1の制御部における制御周期nの前回操作量MV n-1を、前記操作量MV n-1から前記単位補正量を減算した値に補正するとともに、前記第2の制御部における制御周期nの前回操作量MV n-1を、前記操作量MV n-1に前記単位補正量を加算した値に補正することで、制御周期nにおいて、前記第1の制御部の操作量MV から前記単位補正量を前記第2の制御部の操作量MV に移動させるようにしてもよい。
(3) 前記乖離条件は、前記第1の制御部と、前記第2の制御部について、予め設定される判定カウンタ値L(L≧1)に対して、前記制御周期nから制御周期n+Lまでの各制御周期n+i(0≦i≦L)において、前記第1の制御部と、前記第2の制御部と、の間の前記平均燃焼率偏差、及び前記補正平均燃焼率偏差がともに正の値となる条件であり、前記操作量補正部は、前記第1の制御部における制御周期n+Lの前回の操作量MV n+L-1を、前記操作量MV n+L-1から前記単位補正量を減算した値に補正するとともに、前記第2の制御部における制御周期n+Lの前回の操作量MV n+L-1を、前記操作量MV n+L-1に前記単位補正量を加算した値に補正することで、制御周期n+Lにおいて、前記第1の制御部の操作量MV n+Lから前記単位補正量を前記第2の制御部の操作量MV n+Lに移動させるようにしてもよい。
(4) 前記ボイラシステムは、2系統のボイラ群を備えるようにしてもよい。
(5) 前記ボイラシステムにおいて、前記制御部及び前記平均燃焼率補正制御部は、1つの制御装置に含まれるようにしてもよい。
(6) 前記平均燃焼率補正制御部は、さらに、前記ボイラ群に係る系統全体において蒸気量出力が行えないとき、操作量に係る補正処理を行わないようにしてもよい。
本発明によれば、少なくとも2系統のボイラ群を備えるボイラシステムにおいて、仮に1つの系統のボイラ群の燃焼率が、別の系統のボイラ群の燃焼率よりも高い状態で安定している場合であっても、燃焼率の高い系統から燃焼率の低い系統に、所定の燃焼量を移動することで、ボイラシステム全体の燃焼量を変化させずに、各系統の燃焼率を平準化することを可能とするボイラシステムを提供することができる。
一実施形態に係るボイラシステムの構成を示すブロック図である。 一実施形態に係るボイラ群の概略を示す図である。 一実施形態に係る制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 一実施形態に係るボイラシステムにおいて制御周期ごとに実行される操作量補正制御に係る処理フローを示す図である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るボイラシステム1について説明する。図1は、ボイラシステム1の概略を示す図である。以下の実施形態では、2系統のボイラ群を備えるボイラシステムについて説明するが、3系統以上のボイラ群を備えるボイラシステムについても、同じように適用できる。また、各系統のボイラ群は、複数のボイラを含む場合について説明するが、各系統のボイラ群は、1台のボイラからなる場合についても同じように適用できる。
ボイラシステム1は、1つの系統のボイラ群としての第1ボイラ群2Aともう1つの系統のボイラ群としての第2ボイラ群2Bとからなるボイラ群2を備える。第1ボイラ群2A及び第2ボイラ群2Bは、それぞれ複数の連続制御ボイラ20A及び複数の連続制御ボイラ20Bを含む。
ボイラシステム1は、第1ボイラ群2A及び第2ボイラ群2Bにおいて生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダ6と、この蒸気ヘッダ6の内部の圧力(以下「ヘッダ圧力」ともいう)を測定する蒸気圧センサ7と、第1ボイラ群2Aの燃焼状態を制御する、各系統のボイラ群に対応する制御部としての第1系統制御部4Aと、第2ボイラ群2Bの燃焼状態を制御する、各系統のボイラ群に対応する制御部としての第2系統制御部4Bと、平均燃焼率補正制御部30と、を備える。なお、蒸気圧センサ7により測定された蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力値を以下、「ヘッダ圧力値PV」ともいう。
平均燃焼率補正制御部30は、後述するように、第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bの燃焼制御状態をそれぞれ監視するとともに、第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bにおけるそれぞれの燃焼制御に係る操作量を補正する。そうすることで、平均燃焼率補正制御部30は、複数の系統のボイラ群を備えるボイラシステム1において、仮に1つの系統のボイラ群の燃焼率が、別の系統のボイラ群の燃焼率よりも高い状態で安定している場合であっても、燃焼率の高い系統のボイラ群から燃焼率の低い系統のボイラ群に、所定の燃焼量を移動することで、ボイラシステム1全体の燃焼量を変化させずに、各系統のボイラ群の燃焼率を平準化する。
なお、ボイラシステム1は、第1系統制御部4Aと、第2系統制御部4Bと、平均燃焼率補正制御部30と、を含む制御装置としての台数制御装置3を備えるようにしてもよい。
以下、ボイラシステム1について説明する。まず、平均燃焼率補正制御部30を説明する前に、各系統のボイラ群と各系統のボイラ群の制御部について説明する。
連続制御ボイラ20A及び20Bは、それぞれ、図1に示すように、燃焼が行われるボイラ本体21A及び21Bと、連続制御ボイラ20A及び20Bの燃焼状態を制御するローカル制御部22A及び22Bと、を備える。
ボイラ群2は、蒸気使用設備18に供給する蒸気を生成する。
蒸気ヘッダ6は、蒸気管11を介してボイラ群2を構成する複数の連続制御ボイラ20A及び20Bに接続されている。この蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。
蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で生成された蒸気を集合させて貯留することにより、複数の連続制御ボイラ20A及び20Bの相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給する。
蒸気圧センサ7は、信号線13を介して、それぞれ第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bに電気的に接続されている。蒸気圧センサ7は、ヘッダ圧力を測定し、測定したヘッダ圧力値PVに係る信号(蒸気圧信号)を、信号線13を介して、それぞれ第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bに送信する。
第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bは、信号線16A及び16Bを介して、それぞれ複数の連続制御ボイラ20A及び20Bと電気的に接続されている。第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bは、蒸気圧センサ7により測定されるヘッダ圧力値PVに基づいて、それぞれ連続制御ボイラ20A及び20Bの燃焼状態を制御する。
以上のボイラシステム1は、第1ボイラ群2A及び第2ボイラ群2Bで発生させた蒸気を、蒸気ヘッダ6を介して、蒸気使用設備18に供給可能とされている。
具体的には、蒸気使用設備18の需要の増大により要求負荷(蒸気消費量)が増加し、蒸気ヘッダ6に供給される蒸気量が不足すれば、ヘッダ圧力が減少することになる。一方、蒸気使用設備18の需要の低下により要求負荷(蒸気消費量)が減少し、蒸気ヘッダ6に供給される蒸気量が過剰になれば、ヘッダ圧力が増加することになる。従って、ボイラシステム1は、蒸気圧センサ7により測定されたヘッダ圧力値PVの変動に基づいて、要求負荷の変動をモニターすることができる。そして、ボイラシステム1は、ヘッダ圧力値PVに基づいて、蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)に応じて必要とされる蒸気量である必要蒸気量MVを算出する。
ここで、第1実施形態のボイラシステム1を構成する複数のボイラ20A及び20Bについて説明する。図2は、第1実施形態に係るボイラ群2の概略を示す図である。
第1実施形態のボイラ20A及び20Bは、負荷率を連続的に変更して燃焼可能な連続制御ボイラからなる。
連続制御ボイラとは、少なくとも、最小燃焼状態S1(例えば、最大燃焼量の20%の燃焼量における燃焼状態)から最大燃焼状態S2の範囲で、燃焼量が連続的に制御可能とされているボイラである。連続制御ボイラは、例えば、燃料をバーナに供給するバルブや、燃焼用空気を供給するバルブの開度(燃焼比)を制御することにより、燃焼量を調整するようになっている。
また、燃焼量を連続的に制御するとは、ローカル制御部22A及び22Bにおける演算や信号がデジタル方式とされて段階的に取り扱われる場合(例えば、ボイラ20A及び20Bの出力(燃焼量)が1%刻みで制御される場合)であっても、事実上連続的に出力を制御可能な場合を含む。
第1実施形態におけるボイラ20A及び20Bにおける、燃焼停止状態S0と最小燃焼状態S1との間の燃焼状態の変更については、それぞれボイラ20A及び20B(バーナ)の燃焼をオン/オフすることで制御される。そして、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、燃焼量が連続的に制御可能となっている。
より具体的には、複数のボイラ20A及び20Bそれぞれには、変動可能な蒸気量の単位である単位蒸気量Uが設定されている。これにより、ボイラ20A及び20Bは、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、単位蒸気量U単位で、蒸気量を変更可能となっている。
単位蒸気量Uは、ボイラ20A及び20Bの最大燃焼状態S2における蒸気量(最大蒸気量)に応じて適宜設定できるが、ボイラシステム1における出力蒸気量の必要蒸気量に対する追従性を向上させる観点から、ボイラ20の最大蒸気量の0.1%~20%に設定されることが好ましく、1%~10%に設定されることがより好ましい。
尚、出力蒸気量とは、第1ボイラ群2A及び第2ボイラ群2Bにより出力される蒸気量を示し、この出力蒸気量は、複数のボイラ20A及び20Bそれぞれから出力される蒸気量の合計値により表される。
複数のボイラ20A及び20Bには、それぞれ優先順位が設定されている。優先順位は、第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bが、それぞれ、燃焼指示や燃焼停止指示を行うボイラ20A及び20Bを選択するために用いられる。優先順位は、例えば整数値を用いて、数値が小さいほど優先順位が高くなるよう設定することができる。
図2に示すように、例えば、第1ボイラ群2Aのボイラ20Aの1号機~5号機のそれぞれに「1」~「5」の優先順位が割り当てられている場合、1号機の優先順位が最も高く、5号機の優先順位が最も低い。この優先順位は、通常の場合、後述の第1系統制御部4Aの制御により、所定の時間間隔(例えば、24時間間隔)で変更される。
同様に、第2ボイラ群2Bのボイラ20Bの4号機及び5号機のそれぞれに「1」及び「5」の優先順位が割り当てられている場合、4号機の優先順位が最も高く、5号機の優先順位が最も低い。この優先順位は、通常の場合、後述の第2系統制御部4Bの制御により、所定の時間間隔(例えば、24時間間隔)で変更される。
前述したように、連続制御ボイラ20A及び20Bは、それぞれ、燃焼が行われるボイラ本体21A及び21Bと、ボイラ20A及び20Bの燃焼状態を制御するローカル制御部22A及び22Bと、を備える。
ローカル制御部22A及び22Bは、それぞれ蒸気消費量に応じてボイラ20A及び20Bの燃焼状態を変更させる。具体的には、ローカル制御部22A及び22Bは、それぞれ信号線16A及び16Bを介して第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bから送信される制御信号又は運転者の手動操作により入力された制御信号に基づいて、ボイラ20A及び20Bの燃焼状態を制御する。また、ローカル制御部22A及び22Bは、それぞれ第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bで用いられる信号を、信号線16A及び16Bを介してそれぞれ第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bに送信する。第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bで用いられる信号としては、ボイラ20A及び20Bの実際の燃焼状態、及びその他のデータ等が挙げられる。
以上のように構成されたボイラシステム1では、第1ボイラ群2A及び第2ボイラ群2Bで発生させた蒸気が、蒸気ヘッダ6を介して蒸気使用設備18に供給される。
次に、第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bについて説明する。
第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bは、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号に基づいて、要求負荷に応じた各ボイラ20A及び20Bの燃焼状態をそれぞれ独立に算出し、各ボイラ20A及び20B(ローカル制御部22A及び22B)にそれぞれ独立に第1制御信号及び第2制御信号を送信する。この第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bは、図1に示すように、それぞれ第1制御部41Aと第1記憶部42A、及び第2制御部41Bと第2記憶部42Bとを備え、それぞれ信号線16A及び16Bを介して各ボイラ20A及び20Bに電気的に接続されている。
第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bは、それぞれ信号線16A及び16Bを介してボイラ20A及び20Bに各種の指示を送信したり、それぞれ各ボイラ20A及び20Bから各種のデータを受信したりして、それぞれボイラ20A及び20Bの燃焼状態及び運転台数の制御を実行する。各ボイラ20A及び20Bは、それぞれ第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bから燃焼状態の変更指示の信号を受けると、その指示に従って該当するボイラ20A及び20Bの燃焼量を制御する。なお、第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bは、それぞれ信号線16A及び16Bを介してそれぞれボイラ20A及び20Bの燃焼状態に関する情報を受信する。
第1記憶部42Aは、第1系統制御部4Aの制御により、ボイラ20Aに対して行われた指示の内容や、各ボイラ20Aからそれぞれ受信した燃焼状態等の情報、各ボイラ20Aの単位蒸気量Uの設定に関する情報、複数のボイラ20Aの優先順位の設定に関する情報、優先順位の変更(ローテーション)に関する設定の情報等を、それぞれ記憶する。
また、第1記憶部42Aには、蒸気圧センサ7により測定されるヘッダ圧力値PVに係る設定条件として、第1ボイラ群2Aの燃焼制御に係る目標圧力値P1を予め設定することができる。
第2記憶部42Bは、第1記憶部42Aと同様に、第2系統制御部4Bの制御により、ボイラ20Bに対して行われた指示の内容や、各ボイラ20Bからそれぞれ受信した燃焼状態等の情報、各ボイラ20Bの単位蒸気量Uの設定に関する情報、複数のボイラ20Bの優先順位の設定に関する情報、優先順位の変更(ローテーション)に関する設定の情報等を、それぞれ記憶する。
また、第2記憶部42Bには、蒸気圧センサ7により測定されるヘッダ圧力値PVに係る設定条件として、第2ボイラ群2Bの燃焼制御に係る目標圧力値P1を予め設定することができる。
このように、第1ボイラ群2Aの燃焼制御に係る目標圧力値と第2ボイラ群2Bの燃焼制御に係る目標圧力値とは、同じ値P1が設定される。
次に第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bにおける燃焼制御に係る詳細な構成について説明する。第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bにおける燃焼制御に係る構成は、基本的に同じであることから、第1系統制御部4Aについて説明する。
なお、第2系統制御部4Bについては、以下の説明において、第1系統制御部4Aを第2系統制御部4Bに読み替える等により説明される。図3は、台数制御装置3の機能ブロック図である。
図3を参照すると、第1系統制御部4Aは、第1ボイラ群2Aから発生した蒸気の圧力値(ヘッダ圧力値)が、予め設定された目標圧力値P1となるような制御量を算出し、この制御量に基づいて第1ボイラ群2Aを構成するボイラ20Aの燃焼量を制御する。
具体的には、第1系統制御部4Aの第1制御部41Aは、必要蒸気量算出部411Aと、出力制御部412Aと、を含んで構成される。
すなわち、第1系統制御部4Aは、ヘッダ圧力値PVと予め第1記憶部42Aに設定された第1ボイラ群2Aの目標圧力値P1との偏差に対して、所定のPIアルゴリズム又はPIDアルゴリズムに基づくフィードバック制御を行うことで、ヘッダ圧力値PVが目標圧力値P1となるために必要な蒸気量MV を算出し、算出した蒸気量MV を発生するように第1ボイラ群2Aを構成するボイラ20Aを制御する。
ここで、第1系統制御部4AのPIDアルゴリズムに基づくフィードバック制御について簡単に説明する。
第1系統制御部4A(具体的には、必要蒸気量算出部411A)は、蒸気圧センサ7で測定されたヘッダ圧力値PV(フィードバック値)と予め設定された目標圧力値P1(設定値)との偏差がゼロとなるように、現時点の必要蒸気量MV を、以下に示す速度形PIDアルゴリズムにより算出する。なお、速度形PIアルゴリズムについては、速度形PIDアルゴリズムにおいて、D制御出力(変化分)を省略したものであり、その説明は省略する。
第1系統制御部4A(必要蒸気量算出部411A)は、複数のボイラ20Aから発生させるべき現時点の必要蒸気量MV を、下記の速度形演算式(式1)により算出する。
MV =MV n-1+ΔMV ・・・・・・・・・・(式1)
(式1)において、MV :現時点の必要蒸気量(今回必要蒸気量)、MV n-1:前回の制御周期時点の必要蒸気量(前回必要蒸気量)、ΔMV :前回n-1から今回nまでの必要蒸気量変化分である。ここで、添字nは、繰り返し演算の演算回数(n回目:n=1,2,…,Nの正の整数値)を示す。
速度形演算は、制御周期ごとに前回n-1から今回nまでの必要蒸気量変化分ΔMV のみを計算し、これに前回必要蒸気量MV n-1を加算して、今回必要蒸気量MV を計算する方法である。
これに対して、制御周期ごとに今回必要蒸気量MV を直接計算するPID制御アルゴリズムは、位置形演算と言う。
前回n-1から今回nまでの必要蒸気量変化分ΔMV は、下記の(式2)により算出される。
ΔMV =ΔP+ΔI+ΔD ・・・・・・・(式2)
(式2)において、ΔP:P制御出力(変化分)、ΔI:I制御出力(変化分)、
ΔD:D制御出力(変化分)であり、それぞれ下記の(式3)~(式5)により求められる。
ΔP =K ×(e-en-1) ・・・・・・・・・(式3)
ΔI =K ×(Δt/T)×e ・・・・・・・(式4)
ΔD =K ×(T/Δt)×(e-2en-1+en-2) ・・・(式5)
(式3)~(式5)において、Δt:制御周期、K :比例ゲイン、T:積分時間、T:微分時間、e:現時点nの偏差量、en-1:前回n-1の制御周期時点の偏差量、en-2:前々回n-2の制御周期時点の偏差量である。
現時点の偏差量eは、目標圧力値P1と、蒸気圧センサ7で測定されたヘッダ圧力値PVとの差であって、下記の(式6)により求められる。
=P1-PV ・・・・・・・・・・・・・・(式6)
第1系統制御部4A(必要蒸気量算出部411A)は、(式3)、(式4)、(式5)で算出された各出力(変化分)を、(式2)に従って合計することにより、前回n-1から今回nまでの必要蒸気量変化分ΔMV を算出する。
そして、第1系統制御部4A(必要蒸気量算出部411A)は、(式1)のように、前回必要蒸気量MV n-1に必要蒸気量変化分ΔMV を加算して、今回必要蒸気量MV を計算することができる。
こうすることで、第1系統制御部4A(必要蒸気量算出部411A)は、ヘッダ圧力値PVが目標圧力値P1となるために必要な蒸気量を算出し、算出した蒸気量を発生するように第1ボイラ群2Aを構成するボイラ20Aを制御する。
第1系統制御部4A(具体的には出力制御部412A)は、必要蒸気量算出部411Aにより算出された必要蒸気量MV を出力するように制御する。
以上、連続制御ボイラ20Aからなる第1ボイラ群2Aを制御する第1系統制御部4Aについて説明した。
第2系統制御部4Bについても、前述したように、第1系統制御部4A、第1制御部41A、必要蒸気量算出部411A、及び出力制御部412Aを、それぞれ第2系統制御部4B、第2制御部41B、必要蒸気量算出部411B、及び出力制御部412Bに読み替える。また、今回必要蒸気量MV 、前回必要蒸気量MV n-1、及び前回n-1から今回nまでの必要蒸気量変化分ΔMV を、それぞれMV 、MV n-1、及びΔMV に読み替えるとともに、比例ゲインK をK に読み替えることで説明される。
次に、平均燃焼率補正制御部30の詳細について説明する。図3に示すように、平均燃焼率補正制御部30は、操作量取得部31と、平均燃焼率算出部32と、マイナス補正平均燃焼率算出部33と、プラス補正平均燃焼率算出部34と、平均燃焼率判定部35と、操作量補正部36と、を備える。
<操作量取得部31>
操作量取得部31は、制御周期nごとに、第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bにおける燃焼制御に係る前回の操作量を取得する。具体的には、操作量取得部31は、第1系統制御部4Aから、前回の制御周期n-1における、第1系統制御部4Aにおける操作量としての必要蒸気量MVn-1と、前回の制御周期n-1における、第1系統制御部4Aにより台数制御可能なボイラの識別情報と、を取得する。なお、第1系統制御部4Aの系統の第1ボイラ群2Aに含まれるそれぞれの連続制御ボイラ20Aの出力可能な最大蒸気量は予め取得しているものとする。
また、操作量取得部31は、第2系統制御部4Bから、前回の制御周期n-1における、第2系統制御部4Bにおける操作量としての必要蒸気量MVn-1と、前回の制御周期n-1における、第2系統制御部4Bにより台数制御可能なボイラの識別情報と、を取得する。なお、第2系統制御部4Bの系統の第2ボイラ群2Bに含まれるそれぞれの連続制御ボイラ20Bの出力可能な最大蒸気量は予め取得しているものとする。
ここで、台数制御可能なボイラとは、例えば予備ボイラ、運転OFFボイラ、通信不良ボイラ、手動運転ボイラ等を除く、第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bにより、それぞれ燃焼制御されるボイラを意味する。
操作量取得部31は、取得した第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bにおける燃焼制御に係る操作量を制御周期nに対応づけて記憶する。
以上、操作量取得部31について説明したが、これに限られない。操作量取得部31は、第1系統制御部4Aにより台数制御可能なボイラの出力可能な最大蒸気量と、第2系統制御部4Bにより台数制御可能なボイラの出力可能な最大蒸気量と、を取得するようにしてもよい。
<平均燃焼率算出部32>
平均燃焼率算出部32は、制御周期nにおいて、第1系統制御部4Aにより台数制御可能なボイラの最大蒸気量の合計値(以下、「第1系統制御部4Aの最大出力蒸気量合計値」という)を算出する。平均燃焼率算出部32は、第1系統制御部4Aにより台数制御可能なボイラの識別情報に基づいて、第1系統制御部4Aの最大出力蒸気量合計値を算出することができる。なお、第1系統制御部4Aの系統の第1ボイラ群2Aに含まれるそれぞれの連続制御ボイラ20Aの出力可能な最大蒸気量は予め取得しているものとする。また、操作量取得部31が、第1系統制御部4Aにより台数制御可能なボイラの出力可能な最大蒸気量を取得する場合、これらを合計することで、第1系統制御部4Aの最大出力蒸気量合計値を算出するようにしてもよい。
平均燃焼率算出部32は、第1系統制御部4Aにおける前回の操作量MV n-1を第1系統制御部4Aの最大出力蒸気量合計値により除算することで、制御周期nにおける第1系統制御部4Aの平均燃焼率Av_R を算出する。具体的には、式7で表される。
第1系統制御部4Aの平均燃焼率Av_R
= 前回の操作量MV n-1/第1系統制御部4Aの最大出力蒸気量合計値
(式7)
同様に、平均燃焼率算出部32は、制御周期nにおいて、第2系統制御部4Bにより台数制御可能なボイラの最大蒸気量の合計値(以下、「第2系統制御部4Bの最大出力蒸気量合計値」という)を算出する。平均燃焼率算出部32は、第2系統制御部4Bにおける前回の操作量MV n-1を第2系統制御部4Bの最大出力蒸気量合計値により除算することで、制御周期nにおける第1系統制御部4Aの平均燃焼率Av_R を算出する。具体的には、式8で表される。
第2系統制御部4Bの平均燃焼率Av_R
= 前回の操作量MV n-1/第2系統制御部4Bの最大出力蒸気量合計値
(式8)
以上、制御周期nにおける平均燃焼率について説明した。ここで、平均燃焼率を算出する際の除算における被除数が、前回の操作量MVn-1であることに本件の特徴があるといえる。
次に、マイナス補正平均燃焼率算出部33とプラス補正平均燃焼率算出部34について説明する前に、平均燃焼率の最も大きい系統と平均燃焼率の最も小さい系統について説明する。
制御周期nにおいて、平均燃焼率の最も大きい系統とは、平均燃焼率算出部32により算出されるそれぞれの系統i(第1実施形態の場合、i=1又は2)の平均燃焼率Av_R を比較して、この値が最も大きい値となる系統iを制御周期nにおける平均燃焼率の最も大きい系統という。逆に、平均燃焼率Av_R が最も小さい値となる系統iを制御周期nにおける平均燃焼率の最も小さな系統という。
平均燃焼率算出部32は、制御周期nにおける、それぞれの系統(第1実施形態の場合、i=1又は2)の平均燃焼率Av_R から、平均燃焼率の最も大きい系統及び平均燃焼率の最も小さい系統を特定することができる。
なお、制御周期nにおける、平均燃焼率の最も大きい系統及び平均燃焼率の最も小さい系統について、後述する平均燃焼率判定部35により特定するようにしてもよい。
<マイナス補正平均燃焼率算出部33>
マイナス補正平均燃焼率算出部33は、制御周期nにおいて平均燃焼率の最も大きい系統における前回の操作量MV n-1から、予め設定された単位補正量Uadを減算した値を、当該平均燃焼率の最も大きい系統の最大出力蒸気量合計値により除算した値であるマイナス補正平均燃焼率を算出する。
具体的には、制御周期nにおいて、例えば第1系統制御部4Aが平均燃焼率の最も大きい系統である場合、マイナス補正平均燃焼率算出部33は、制御周期nにおいて、第1系統制御部4Aにおける前回の操作量MV n-1から予め設定された単位補正量Uadを減算した値を、第1系統制御部4Aの最大出力蒸気量合計値により除算した値であるマイナス補正平均燃焼率 minusAv_R を算出する。具体的には、式9で表される。
第1系統制御部4Aのマイナス補正平均燃焼率minusAv_R
= (MV n-1-単位補正量Uad)/第1系統制御部4Aの最大出力蒸気量合計値
(式9)
ここで、単位補正量Uadは、例えば単位蒸気量Uを適用してもよい。また、ボイラ1台あたりの最大燃焼量の1%相当の操作量としてもよい。
同様に、制御周期nにおいて、例えば第2系統制御部4Bが平均燃焼率の最も大きい系統である場合、マイナス補正平均燃焼率算出部33は、制御周期nにおいて、第2系統制御部4Bにおける前回の操作量MV n-1から予め設定された単位補正量Uadを減算した値を、第2系統制御部4Bの最大出力蒸気量合計値により除算した値であるマイナス補正平均燃焼率minusAv_R を算出する。具体的には、式10で表される。
第2系統制御部4Bのマイナス補正平均燃焼率minusAv_R
= (MV n-1-単位補正量Uad)/第2系統制御部4Bの最大出力蒸気量合計値
(式10)
<プラス補正平均燃焼率算出部34>
プラス補正平均燃焼率算出部34は、マイナス補正算出部313とは逆に、制御周期nにおいて平均燃焼率の最も小さい系統における前回の操作量MV n-1に、予め設定された単位補正量Uadを加算した値を、当該平均燃焼率の最も小さい系統の最大出力蒸気量合計値により除算した値であるプラス補正平均燃焼率を算出する。
具体的には、制御周期nにおいて、例えば第1系統制御部4Aが平均燃焼率の最も小さい系統である場合、プラス補正平均燃焼率算出部34は、制御周期nにおいて、第1系統制御部4Aにおける前回の操作量MV n-1から予め設定された単位補正量Uadを加算した値を、第1系統制御部4Aの最大出力蒸気量合計値により除算した値であるプラス補正平均燃焼率 plusAv_R を算出する。具体的には、式11で表される。
第1系統制御部4Aのプラス補正平均燃焼率plusAv_R
= (MV n-1+単位補正量Uad)/第1系統制御部4Aの最大出力蒸気量合計値
(式11)
同様に、制御周期nにおいて、例えば第2系統制御部4Bが平均燃焼率の最も小さい系統である場合、プラス補正平均燃焼率算出部34は、制御周期nにおいて、第2系統制御部4Bにおける前回の操作量MV n-1から予め設定された単位補正量Uadを加算した値を、第2系統制御部4Bの最大出力蒸気量合計値により除算した値であるプラス補正平均燃焼率plusAv_R を算出する。具体的には、式12で表される。
第2系統制御部4Bのプラス補正平均燃焼率plusAv_R
= (MV n-1+単位補正量Uad)/第2系統制御部4Bの最大出力蒸気量合計値
(式12)
<平均燃焼率判定部35>
平均燃焼率判定部35は、制御周期nにおける平均燃焼率の最も大きい系統の平均燃焼率と平均燃焼率の最も小さい系統の平均燃焼率との偏差(簡単のため、「平均燃焼率の偏差」という)と、平均燃焼率の最も大きい系統のマイナス補正平均燃焼率と平均燃焼率の最も小さい系統のプラス補正平均燃焼率との偏差(簡単のため、「補正後の平均燃焼率の偏差」という)に関して、予め設定された乖離条件が成立するか否かを判定する。なお、平均燃焼率判定部35は、平均燃焼率が同じ場合は、乖離なしと判定する。
<乖離条件>
ここで、乖離条件をいくつか例示する。
制御周期nにおける平均燃焼率の偏差と補正後の平均燃焼率の偏差とが、ともに正の値となる条件を乖離条件(「制御周期毎の乖離条件」という)としてもよい。
また、予め判定用の閾値L(L≧1)を設定して、制御周期nから制御周期n+Lまでの各制御周期n+i(0≦i≦L)において、平均燃焼率の偏差と補正後の平均燃焼率の偏差とが、ともに正の値となる条件を乖離条件(「所定期間の乖離条件」という)としてもよい。
ここで、制御周期nから制御周期n+Lまでの期間として、例えば10秒となるように、閾値Lを設定してもよい。この場合、平均燃焼率の偏差と補正後の平均燃焼率の偏差とが10秒間、ともに正の値を維持する状態を表す。
<操作量補正部36>
操作量補正部36は、平均燃焼率判定部35により、乖離条件が成立すると判定されたとき、平均燃焼率の最も大きい系統制御部から平均燃焼率の最も小さい系統制御部に単位補正量Uadを移動させる。
具体的には、例えば、乖離条件として、制御周期毎の乖離条件を適用した場合、制御周期nにおいて、平均燃焼率の最も大きい系統制御部を第1系統制御部4A、平均燃焼率の最も小さい系統制御部を第2系統制御部4Bとした場合、第1系統制御部4Aにおける制御周期nの前回操作量MV n-1を、操作量MV n-1から単位補正量Uadを減算した値に補正するとともに、第2系統制御部4Bにおける制御周期nの前回操作量MV n-1を、操作量MV n-1に単位補正量Uadを加算した値に補正する。なお、第1系統制御部4Aにおける、前回n-1から今回nまでの必要蒸気量変化分ΔMV 及び第2系統制御部4BにおけるΔMV については補正しない。
そうすることで、制御周期nにおいて、前記第1の制御部の操作量MV から単位補正量Uadを第2系統制御部4Bの操作量MV に移動させることができる。また、この補正により、ボイラシステム1全体の操作量(MV +MV )は不変である。また、フィードバック制御に係る偏差については、何ら補正しないことから、次回制御周期n+1以降におけるフィードバック制御に係る偏差の算出に影響を与えないことから、次回以降の制御周期におけるフィードバック制御は、依然として整合性をとることができる。
これにより、平均燃焼率補正制御部30は、1つの系統のボイラ群の燃焼率が、別の系統のボイラ群の燃焼率よりも高い状態で、かつ燃焼率の高いボイラ群のマイナス補正平均燃焼率が、別の系統のボイラ群のプラス補正平均燃焼率よりも高い状態である場合に、系統間で操作量を補正することができる。
乖離条件として、所定期間(制御周期nから制御周期n+Lまで)の乖離条件を適用した場合、制御周期n+Lにおいて、平均燃焼率の最も大きい系統制御部を第1系統制御部4A、平均燃焼率の最も小さい系統制御部を第2系統制御部4Bとした場合、第1系統制御部4Aにおける制御周期n+Lの前回操作量MV n+L-1を、操作量MV n+L-1から単位補正量Uadを減算した値に補正するとともに、第2系統制御部4Bにおける制御周期n+Lの前回操作量MV n+L-1を、操作量MV n+L-1に単位補正量Uadを加算した値に補正する。なお、第1系統制御部4Aにおける、前回n+L-1から今回n+Lまでの必要蒸気量変化分ΔMV n+L及び第2系統制御部4BにおけるΔMV n+Lについては補正しない。
そうすることで、制御周期n+Lにおいて、第1系統制御部4Aの操作量MV n+Lから単位補正量Uadを第2系統制御部4Bの操作量MV n+Lに移動させることができる。また、この補正により、ボイラシステム1全体の操作量(MV n+L+MV n+L)は不変である。また、フィードバック制御に係る偏差については、何ら補正しないことから、次回制御周期n+L+1以降におけるフィードバック制御に係る偏差の算出に影響を与えないことから、次回以降の制御周期におけるフィードバック制御は、依然として整合性をとることができる。
以上のように、乖離条件が成立する場合、異なる系統ボイラ群の間で単位補正量Uadを移動させる補正を繰り返すことで、各系統のボイラ群の平均燃焼率を平準化することができる。
以上のように、乖離条件(特に所定期間の乖離条件)が成立している場合、仮に1つの系統のボイラ群の燃焼率が、別の系統のボイラ群の燃焼率よりも高い状態で安定している場合であっても、平均燃焼率補正制御部30により、燃焼率の高い系統から燃焼率の低い系統に、所定の操作量を移動することで、ボイラシステム全体の操作量を変化させずに、各系統の燃焼率を平準化することが可能となる。
その結果、仮に、1つの系統のボイラ群を先に立ち上げて蒸気負荷が安定した後、他の系統のボイラ群を立ち上げた場合であっても、ボイラシステム全体の操作量を変化させずに、各系統の平均燃焼率を平準化することで、各系統で燃焼台数をある程度均等に確保することができる。これにより、急に発生する負荷増減に対しても、それぞれの系統で追従することができ、全系統の制御が安定する。
また、蒸気負荷が比較的高く、例えば、各系統に属するボイラ群が全て燃焼している状態においては、各系統のボイラ燃焼率を同じとすることができることから、各系統に属するボイラの寿命を均一化することができる。
なお、単位補正量Uadについては、動的に変更できるようにしてもよい。変更された場合、乖離条件の判定は、単位補正量Uadが変更された以降の制御周期に対して適用する。
<平均燃焼率補正制御部30による補正処理の停止について>
また、ボイラシステム1の燃焼状態が以下のような特別な条件を満たす場合、平均燃焼率補正制御部30は、補正処理を行わないようにすることが好ましい。
具体的には、いずれかの系統のボイラ群において、例えば障害発生(例えば、センサ故障、通信不良等)により台数制御が停止され、全台手動運転の場合、全台運転スイッチがオフとなった場合、燃焼中ボイラが0台の場合等により台数制御が制限されている場合は、平均燃焼率補正制御部30は、補正処理を行わないように例えば、平均燃焼率補正制御部30の制御を停止させることができる。
また、系統全体において、蒸気量出力が行えない場合、例えば給蒸可能ボイラが存在しない場合、ヘッダ圧力値が制御上限圧力を超過している場合、平均燃焼率補正制御部30の制御を停止させることができる。
また、いずれかの系統のボイラ群に属するボイラが全て例えば97%燃焼のような場合、同系統のボイラ群に対して増加側の操作量補正を行わないように、操作量の移動先の燃焼状態による制限を設けることができる。
逆に、いずれかの系統のボイラ群に属するボイラが1台のみ例えば20%燃焼している場合、同系統のボイラ群に対して減少側の操作量補正を行わないように、操作量の移動元の燃焼状態による制限を設けることができる。
次に、各系統の燃焼台数及びボイラ燃焼率の平準化について説明する。
<台数制御の設定変更又は運転オフによる平準化>
平均燃焼率補正制御は、前述したように各系統のボイラ群における平均燃焼率を平準化するものである。ここで、制御周期nにおける平均燃焼率は、ボイラ群の前回n-1における操作量(必要蒸気量)MVn-1を、今回nにおける台数制御可能ボイラの最大蒸気量合計値で除算したものである。
このため、各系統のボイラ群に含まれる台数制御可能ボイラが例えば全て燃焼している場合であって、燃焼ボイラ(=台数制御可能ボイラ)の台数が異なる場合、平均燃焼率を同じになるように平準化された場合、ボイラ燃焼率は同じ値になるものの、燃焼台数にずれが生じる。このような場合、燃焼ボイラの台数を同じ台数にしたいとき、例えば、燃焼ボイラの台数が多いほうの系列のボイラ群から、台数制御可能台数が同じ台数になるように、運転オフボイラを選択すればよい。又は、台数制御の設定を変更することで、台数制御実施台数を減少させて予備ボイラを設けるようにしてもよい。そうすることで、各系統の燃焼台数が同じになり、ボイラ燃焼率がほぼ同じになる。
また、各系統の平均燃焼率が同じ値であっても、例えば、1つの系統のボイラ群は、燃焼制御可能な台数(例えば5台)が全て燃焼している状態であるのに対して、他方の系統のボイラ群は、燃焼制御可能な台数(例えば5台)の内、燃焼していないボイラ(例えば1台)を含むような場合であって、台数制御可能ボイラ(いずれの系統の5台)の最大蒸気量合計値が同じ値となるとき、1つの系統のボイラ群の燃焼ボイラの燃焼率は、他方の系統のボイラ群の燃焼ボイラの燃焼率よりも低くなることが発生する。
このような場合においても、燃焼ボイラの燃焼率のずれを解消するために、上述した運用を適用することで、各系統の燃焼台数を同じにして、燃焼ボイラの燃焼率のずれを解消することができる。
<優先順位による制御ボイラの入れ替えによる平準化>
蒸気負荷が低い状態で、全台のボイラが燃焼していない場合、各系統のボイラ燃焼率がずれる状態が発生する可能性がある。例えば、燃焼中ボイラの燃焼率が第1の所定値を上回ると燃焼台数を1台増加、また燃焼中ボイラの燃焼率が第2の所定値を下回ると、燃焼台数を1台減少する増台/減台判断条件がある。
このような増台/減台判断条件により、例えば、各系統の台数制御可能台数がともに5台であって、全体燃焼率(操作量)が200%であったとしても、蒸気負荷の変動によっては、片方の系統は5台×40%燃焼、他方の系統は4台×50%燃焼と、燃焼台数及びボイラ燃焼率が異なる場合がある。また、蒸気負荷変動以外にも、例えば、燃焼中ボイラを運転オフにしたり、手動運転で燃焼しているボイラを自動運転に切換えたりした場合においても、燃焼台数及びボイラ燃焼率が異なる可能性がある。
このような場合、前述したように、各系統の全体燃焼率(操作量)が200%であったとしても、片方の系統は5台×40%燃焼、他方の系統は4台×50%燃焼で安定する場合がある。このような場合、平均燃焼率は、ともに、200%を台数制御可能ボイラ(5台)の最大出力蒸気量合計値で除算したものであることから、平均燃焼率は一致すると判定され、操作量の補正機能は実行されないこととなる。
そうすると、ボイラ燃焼率のずれが解消されない状態が継続する可能性が高くなる。
このような場合、例えば、1日1回のローテーション実施を行うことで、ボイラ優先順位を変更させた場合、例えば、優先順位の繰り上がった待機ボイラが強制的に燃焼を開始するため、待機ボイラが燃焼することで、燃焼台数が同じになるケースが発生する。このように、優先順位の変更が行われることで、各系統の燃焼台数が同じになり、ボイラ燃焼率がほぼ同じになる。
以上、ボイラシステム1の一実施形態を、ボイラシステム1の構成に基づいて説明した。次に、第1実施形態に係る平均燃焼率補正制御を実施した場合の動作を説明する。
ここで、図4は、制御周期ごとに実行される操作量補正制御に係る処理フローを示す図である。具体的には、ステップS1は、制御周期ごとに実行開始される。なお、スタート時は、カウンタは0に初期設定されている。
図4を参照すると、ステップS1において、平均燃焼率算出部32は、操作量取得部31により取得した第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bにおける操作量等に基づいて、第1系統制御部4A及び第2系統制御部4Bの平均燃焼率を算出し、平均燃焼率の最も大きい系統及び平均燃焼率の最も小さい系統を特定する。
ステップS2において、平均燃焼率判定部35は、2系統間の平均燃焼率の偏差(すなわち、平均燃焼率の最も大きい系統の平均燃焼率と平均燃焼率の最も小さい系統の平均燃焼率との偏差)を算出する。
ステップS3において、マイナス補正平均燃焼率算出部33及びプラス補正平均燃焼率算出部34は、2系統のマイナス補正平均燃焼率(すなわち、平均燃焼率の最も大きい系統のマイナス補正平均燃焼率)及びプラス補正平均燃焼率(すなわち、平均燃焼率の最も小さい系統のプラス補正平均燃焼率)を算出する。
ステップS4において、平均燃焼率判定部35は、2系統間の補正後の平均燃焼率の偏差(すなわち、マイナス補正平均燃焼率とプラス補正平均燃焼率との偏差)を算出する。
ステップS5において、平均燃焼率判定部35は、2系統間の平均燃焼率の偏差及び補正後の平均燃焼率の偏差がともに同じ正の値であるか判定する。同じ正の値の場合(Yesの場合)ステップS6に移る。同じ正の値でない場合(Noの場合)ステップS8に移る。
ステップS6において、タイマが所定の閾値L以上となったか否か判定する。閾値L以上になった場合(Yesの場合)ステップS7に移る。閾値L未満の場合(Noの場合)ステップS9に移る。
ステップS7において、操作量補正部36は、2系統間で単位補正量を移動させる。
ステップS8において、平均燃焼率判定部35は、タイマを0にリセットする。その後、ステップS1に移る。
ステップS9において、平均燃焼率判定部35は、タイマに1を加算する。その後、ステップS1に移る。
以上により、2系統間の平均燃焼率の平準化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
<3以上の系統のボイラ群を備えるボイラシステム>
第1実施形態では、2系統のボイラ群を備えるボイラシステムについて説明したが、3以上の系統のボイラ群及び各系統に対応する系統制御部を備えるボイラシステムについても同様に、以下のように、平均燃焼率補正制御部の構成を適用することができる。
具体的には、制御周期nにおいて、各系統のボイラ群について、それぞれ平均燃焼率を算出するとともに、それらの系統のうち、平均燃焼率の最も大きい系統と平均燃焼率の最も小さい系統を特定する。次に、それらの系統のうち、平均燃焼率の最も大きい系統と平均燃焼率の最も小さい系統について、それぞれ平均燃焼率の最も大きい系統のマイナス補正平均燃焼率及び平均燃焼率の最も小さな系統のプラス補正平均燃焼率を算出する。平均燃焼率判定部35は、制御周期nにおける平均燃焼率の最も大きい系統の平均燃焼率と平均燃焼率の最も小さい系統の平均燃焼率との偏差(平均燃焼率の偏差)と、平均燃焼率の最も大きい系統のマイナス補正平均燃焼率と平均燃焼率の最も小さい系統のプラス補正平均燃焼率との偏差(補正後の平均燃焼率の偏差)に関して、予め設定された乖離条件が成立するか否かを判定する。
そうすることで、操作量補正部36は、平均燃焼率判定部35により、乖離条件が成立すると判定されたとき、平均燃焼率の最も大きい系統制御部から平均燃焼率の最も小さい系統制御部に単位補正量Uadを移動させることができる。
以上のように、平均燃焼率の最も大きい系統制御部と平均燃焼率の最も小さい系統制御部との間で乖離条件が成立する場合、平均燃焼率の最も大きい系統制御部から平均燃焼率の最も小さい系統制御部に単位補正量Uadを移動させる補正を繰り返すことで、各系統のボイラ群の平均燃焼率を平準化することができる。
<第1系統制御部と第2系統制御部の別装置化>
第1実施形態では、第1系統制御部4Aと第2系統制御部4Bとが同じ制御装置に含まれる構成について説明したが、これに限られない。例えば、第1系統制御部4A、第2系統制御部4B、及び平均燃焼率補正制御部30における制御周期の同期をとることで、別装置化してもよい。また、別装置化において、各系統制御部が同じ蒸気ヘッダのヘッダ圧力値を用いることを前提とする場合、各系統制御部で異なる蒸気圧センサにより測定されるヘッダ圧力値を用いるようにしてもよい。
なお、別装置化は、3つ以上の系統制御部を備える場合においても、同様にそれぞれの系統制御部を別装置化することができる。
1 ボイラシステム
2 ボイラ群
2A 第1ボイラ群
2B 第2ボイラ群
20A、20B 連続制御ボイラ
21A、21B ボイラ本体
22A、22B ローカル制御部
3 台数制御装置
30 平均燃焼率補正制御部
31 操作量取得部
32 平均燃焼率算出部
33 マイナス補正平均燃焼率算出部
34 プラス補正平均燃焼率算出部
35 平均燃焼率判定部
36 操作量補正部
4A 第1系統制御部
4B 第2系統制御部
411A、411B 必要蒸気量算出部
412A、412B 出力制御部
6 蒸気ヘッダ
7 蒸気圧センサ
11、12 蒸気管
13 信号線
16A、16B 信号線
18 蒸気使用設備

Claims (6)

  1. 1つ以上のボイラからなるボイラ群を、少なくとも2系統備え、
    各系統のボイラ群により生成された蒸気が集合する蒸気ヘッダと、
    前記蒸気ヘッダの内部の蒸気圧力値であるヘッダ圧力値を測定する蒸気圧測定手段と、
    前記各系統のボイラ群ごとに設けられる制御部であって、前記ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値と一致するように、制御周期nにおける各系統のボイラ群の燃焼制御に係る操作量となる必要蒸気量MVnを速度形PI制御又は速度形PID制御方式により算出し、各系統のボイラ群の燃焼状態をそれぞれ制御する前記各系統のボイラ群に対応する制御部と、
    前記各系統のボイラ群ごとに設けられる各制御部を対象として、前記各系統のボイラ群ごとの燃焼制御に係る操作量を補正する平均燃焼率補正制御部と、
    を備えるボイラシステムであって、
    前記平均燃焼率補正制御部は、
    前記各系統のボイラ群ごとに設けられる各制御部から、制御周期nにおける、当該制御部における前回の操作量MVn-1と、当該制御部により台数制御されるボイラの識別情報又は当該制御部により台数制御されるボイラの出力可能な最大蒸気量と、を取得する操作量取得部と、
    前記各系統のボイラ群ごとに設けられる各制御部に対して、当該制御部における前回の操作量MVn-1を、当該制御部における、台数制御可能なボイラのそれぞれの最大出力可能蒸気量を合計した値である台数制御可能ボイラの最大蒸気量合計値により除算して、制御周期nにおける前記制御部ごとに平均燃焼率を算出する平均燃焼率算出部と、
    前記各系統のボイラ群ごとに設けられる各制御部に対して、当該制御部における前回の操作量MVn-1から予め設定された各系統のボイラ群に共通の値である単位補正量を減算した値を当該制御部における台数制御可能ボイラの最大蒸気量合計値により除算した値であるマイナス補正平均燃焼率を前記制御部ごとに算出するマイナス補正平均燃焼率算出部と、
    前記各系統のボイラ群ごとに設けられる各制御部に対して、当該制御部における前回の操作量MVn-1から前記単位補正量を加算した値を当該制御部における台数制御可能ボイラの最大蒸気量合計値により除算した値であるプラス補正平均燃焼率を前記制御部ごとに算出するプラス補正平均燃焼率算出部と、
    指定された任意の制御周期nにおいて、前記各系統のボイラ群ごとに設けられる各制御部のうち前記平均燃焼率の最も大きい制御部である第1の制御部と、前記各系統のボイラ群ごとに設けられる各制御部のうち前記平均燃焼率の最も小さい制御部である第2の制御部と、を特定し
    前記第1の制御部の平均燃焼率と、前記第2の制御部の平均燃焼率との偏差である平均燃焼率偏差、及び前記第1の制御部のマイナス補正平均燃焼率と、前記第2の制御部のプラス補正平均燃焼率との偏差である補正平均燃焼率偏差に関して、予め設定された乖離条件が成立するか否かを判定する平均燃焼率判定部と、
    前記平均燃焼率判定部により、制御周期nにおいて前記乖離条件が成立すると判定されたとき、前記第1の制御部における前回の操作量MV n-1 を前回の操作量MV n-1 から前記単位補正量を減算した値に補正するとともに前記第2の制御部における前回の操作量MV n-1 を前回の操作量MV n-1 に前記単位補正量を加算した値に補正することで、制御周期nにおいて、前記第1の制御部の操作量MV から前記第2の制御部の操作量MV に前記単位補正量を移動させる操作量補正部と、
    を備える、ボイラシステム。
  2. 前記乖離条件は、
    前記制御周期nにおいて、前記第1の制御部と、前記第2の制御部と、の間の前記平均燃焼率偏差、及び前記補正平均燃焼率偏差がともに正の値となる条件であり、
    前記操作量補正部は、
    前記第1の制御部における制御周期nの前回操作量MV n-1を、前記操作量MV n-1から前記単位補正量を減算した値に補正するとともに、前記第2の制御部における制御周期nの前回操作量MV n-1を、前記操作量MV n-1に前記単位補正量を加算した値に補正することで、制御周期nにおいて、前記第1の制御部の操作量MV から前記単位補正量を前記第2の制御部の操作量MV に移動させる、請求項1に記載のボイラシステム。
  3. 前記乖離条件は、
    前記第1の制御部と、前記第2の制御部について、
    予め設定される判定カウンタ値L(L≧1)に対して、
    前記制御周期nから制御周期n+Lまでの各制御周期n+i(0≦i≦L)において、前記第1の制御部と、前記第2の制御部と、の間の前記平均燃焼率偏差、及び前記補正平均燃焼率偏差がともに正の値となる条件であり、
    前記操作量補正部は、
    制御周期n+Lにおいて、前記第1の制御部における制御周期n+Lの前回の操作量MV n+L-1を、前記操作量MV n+L-1から前記単位補正量を減算した値に補正するとともに、前記第2の制御部における制御周期n+Lの前回の操作量MV n+L-1を、前記操作量MV n+L-1に前記単位補正量を加算した値に補正することで、制御周期n+Lにおいて、前記第1の制御部の操作量MV n+Lから前記単位補正量を前記第2の制御部の操作量MV n+Lに移動させる、請求項1に記載のボイラシステム。
  4. 2系統のボイラ群を備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のボイラシステム。
  5. 前記制御部及び前記平均燃焼率補正制御部は、1つの制御装置に含まれる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のボイラシステム。
  6. 前記平均燃焼率補正制御部は、さらに、
    前記ボイラ群に係る系統全体において蒸気量出力が行えないとき、操作量に係る補正処理を行わない、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のボイラシステム。
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