JP6209980B2 - ボイラ及びボイラシステム - Google Patents
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Description
第1実施形態のボイラ1は、水を加熱して蒸気を生成する蒸気ボイラである。このボイラ1は、図1に示すように、缶体10と、缶体10に燃焼用空気を送り込む送風機20と、缶体10と送風機20とを接続し燃焼用空気が流通する給気ダクト30と、給気ダクト30に配置されるダンパ40と、給気ダクト30に燃料ガスを供給する燃料供給装置50と、缶体10から排出される燃焼ガスが流通する排気筒60と、缶体10に水を供給する給水路(図示せず)と、ボイラ1の燃焼状態を制御する制御装置70と、を備える。
ボイラ筐体11は、缶体10の外形を構成し、平面視矩形形状の直方体状に形成される。このボイラ筐体11の長手方向の一端側に位置する第1側面11aには、給気口16が形成され、ボイラ筐体11の長手方向の他端側に位置する第2側面11bには、排気口17が形成される。
下部ヘッダ13は、ボイラ筐体11の下部に配置される。下部ヘッダ13には、複数の水管12の下端部が接続される。
蒸気圧センサ18は、信号線を介して、制御装置70に電気的に接続されている。蒸気圧センサ18は、上部ヘッダ14の内部の蒸気圧力(ボイラ1で発生した蒸気の圧力)を測定し、測定した蒸気圧力に係る信号(蒸気圧信号)を制御装置70に送信する。
送風機20は、ファン及びこのファンを回転させるモータを有する送風機本体21と、ファン(モータ)の回転数を増減させるインバータ22と、を備える。送風機20は、インバータ22に入力される周波数に応じて、ファンが所定の回転数で回転することで、缶体10に燃焼用空気を送り込む。
ダンパ40は、給気ダクト30の内部の燃焼用空気の流路を塞いだ閉状態と、この閉状態から90度回転し、給気ダクト30の内部の燃焼用空気の流路を開放した開状態との間で回転可能に配置される。
ガス供給ライン51は、給気ダクト30におけるダンパ40が配置された位置よりも下流側に接続され、給気ダクト30に燃料ガスを供給する。
調整弁52は、給気ダクト30に供給される燃料ガスの流通量を調整する。
ノズル53は、ガス供給ライン51の先端部に配置され、給気ダクト30に燃料ガスを噴出する。
制御装置70は、制御部及び記憶部を備える装置であり、缶体10への燃焼用空気の供給量及び燃焼ガスの供給量を制御することで、ボイラ1の燃焼状態(燃焼率)を制御し、ボイラ1による蒸気の生成量を調整する。
制御装置70は、ボイラ1が蒸気を供給する負荷機器による蒸気の消費量に応じて、ボイラ1の燃焼率を変更し、蒸気の生成量を調整する。ここで、負荷機器の需要の増大により要求負荷(蒸気消費量)が増加し、上部ヘッダ14に供給される蒸気量(即ち、ボイラ1から発生する蒸気量(以下「出力蒸気量」と呼ぶことがある))が不足すれば、上部ヘッダ14の内部の蒸気圧力が減少することになる。一方、負荷機器の需要の低下により要求負荷(蒸気消費量)が減少し、上部ヘッダ14に供給される蒸気量が過剰になれば、上部ヘッダ14の内部の蒸気圧力が増加することになる。従って、ボイラ1は、蒸気圧センサ18により測定された蒸気圧力の変動に基づいて、要求負荷の変動をモニターすることができる。そして、制御装置70は、予め設定された目標圧力と上部ヘッダ14の蒸気圧力(ヘッダ圧力)とを比較することで、蒸気量の過不足を検知することができる。
そこで、制御装置70では、負荷機器に応じて予め設定された目標圧力とヘッダ圧力との偏差に対して、所定のPIDアルゴリズムに基づくフィードバック制御を行うことで、ヘッダ圧力が目標圧力となるために必要な蒸気量(操作量)を算出し、算出した蒸気量分の蒸気がボイラ1から出力されるようにボイラ1の燃焼状態を制御する。
なお、燃焼率を連続的に変更するとは、燃焼率が0.1%〜2%刻み、好ましくは1%刻みで制御される場合であっても、事実上連続的に変更することに含まれる。
なお、以下においては、燃焼率を20%〜100%の範囲で連続的に変更可能なボイラ1における燃焼状態の制御について説明する。
次いで、比例ゲイン調整部72は、燃焼率算出部71において算出された燃焼率に基いて、比例ゲイン(Kp)を補正する。ここで、比例ゲイン調整部72は、まず、記憶部から設定に基づき算出された比例ゲイン(Kp)を読み出す。
比例ゲイン(Kp)=最大蒸気量/(比例帯×フルスケール圧力)
比例帯×フルスケール圧力=制御幅
具体的には、Xは、以下の式により算出される。
X=(実際蒸気量×9/最大使用蒸気量)+1
また、補正係数(Cp)は、0.1〜1.0までの間の任意の値であり、予め設定しておくものとする。
Kpc=Kp{Log10(X)×(1―Cp)+Cp}
図4は、実際蒸気量と上記式を用いて算出された比例ゲイン(Kpc)との関係を示す図である。
なお、ここでは、最大使用蒸気量を70000kg/h、比例帯を5%、フルスケール圧力を2.0MPa、補正係数(Cp)を0.2として、比例ゲイン(Kp)及び補正後の比例ゲイン(Kpc)の算出を行った。
これにより、高負荷時には、目標圧力とヘッダ圧力との偏差に対して大きな操作量が算出されることになるため、早急な負荷追従を実現でき、圧力安定性が向上する。また、低負荷時には、目標圧力とヘッダ圧力との偏差に対して小さな操作量が算出されることになるため、制御の安定性が向上しハンチング等の発生を防止でき、圧力安定性が向上する。
第2実施形態のボイラシステムによれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。即ち、第2実施形態のボイラシステムでは、台数制御装置がボイラ群の最大使用蒸気量及び実際蒸気量に基いてボイラ群としての燃焼率を算出し、この算出された燃焼率に基いて比例ゲインを調整する。
例えば、上記実施形態ではフィードバック制御についてP制御についてのみ説明し、その他の制御(I制御及びD制御)についての詳細を省略している。この点、フィードバック制御部73が実行するフィードバック制御は、P制御に限らずPI制御やPID制御等であってもよい。
Kpc=Kp{Log10(X)×(1―Cp)+Cp}
即ち、比例ゲイン調整部は、燃焼率の対数を用いた他の式により比例ゲイン(Kpc)を算出してもよい。
70 制御装置
71 燃焼率算出部
72 比例ゲイン調整部
73 フィードバック制御部
Claims (6)
- 燃焼率を変更して燃焼可能なボイラであって、
前記ボイラから出力される蒸気出力のフィードバック制御により前記ボイラの燃焼状態を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記ボイラの燃焼率を算出する燃焼率算出部と、
前記フィードバック制御に用いる比例ゲインを、算出した前記燃焼率の対数に基づき調整する比例ゲイン調整部と、
調整された比例ゲインに基づいて前記フィードバック制御により前記ボイラの燃焼状態を制御するフィードバック制御部と、を備えるボイラ。 - 前記燃焼率算出部は、該ボイラの最大使用蒸気量及び実際蒸気量に基いて前記燃焼率を算出する請求項1に記載のボイラ。
- 前記燃焼率算出部は、前記実際蒸気量を、所定時間の移動平均値として算出する請求項2に記載のボイラ。
- 燃焼率を変更して燃焼可能な複数のボイラからなるボイラ群と、該ボイラ群から出力される蒸気出力のフィードバック制御により前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
前記制御部は、
前記ボイラ群の燃焼率を算出する燃焼率算出部と、
前記フィードバック制御に用いる比例ゲインを、算出した前記燃焼率の対数に基づき調整する比例ゲイン調整部と、
調整された比例ゲインに基づいて前記フィードバック制御により前記ボイラ群の燃焼状態を制御するフィードバック制御部と、を備えるボイラシステム。 - 前記燃焼率算出部は、前記ボイラ群の最大使用蒸気量及び実際蒸気量に基いて前記燃焼率を算出する請求項4に記載のボイラシステム。
- 前記燃焼率算出部は、前記実際蒸気量を、所定時間の移動平均値として算出する請求項5に記載のボイラシステム。
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