JP6221351B2 - ボイラ - Google Patents
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Description
本実施形態のボイラ1は、水を加熱して蒸気を生成する蒸気ボイラである。このボイラ1は、図1に示すように、缶体10と、缶体10に燃焼用空気を送り込む送風機20と、缶体10と送風機20とを接続し燃焼用空気が流通する給気ダクト30と、給気ダクト30に配置されるダンパ40と、給気ダクト30に燃料ガスを供給する燃料供給装置50と、缶体10から排出される燃焼ガスが流通する排気筒60と、缶体10に水を供給する給水路(図示せず)と、ボイラ1の燃焼状態を制御する制御装置70と、上部ヘッダ14内の蒸気圧を検出する蒸気圧センサ80と、給気ダクト30内における圧力損失部31(後述)の上流側の風圧を検出する風圧センサ90と、給気ダクト30内における圧力損失部31の下流側の風圧を検出する風圧センサ100と、を備える。
ボイラ筐体11は、缶体10の外形を構成し、平面視矩形形状の直方体状に形成される。このボイラ筐体11の長手方向の一端側に位置する第1側面11aには、給気口16が形成され、ボイラ筐体11の長手方向の他端側に位置する第2側面11bには、排気口17が形成される。
下部ヘッダ13は、ボイラ筐体11の下部に配置される。下部ヘッダ13には、複数の水管12の下端部が接続される。
バーナ15は、給気口16に配置される。
ダンパ40は、給気ダクト30の内部の燃焼用空気の流路を塞いだ閉状態と、この閉状態から90度回転し、給気ダクト30の内部の燃焼用空気の流路を開放した開状態との間で回転可能に配置される。
ガス供給ライン51は、給気ダクト30におけるダンパ40が配置された位置よりも下流側に接続され、給気ダクト30に燃料ガスを供給する。
調整弁52は、給気ダクト30に供給される燃料ガスの流通量を調整する。
ノズル53は、ガス供給ライン51の先端部に配置され、給気ダクト30に燃料ガスを噴出する。
制御装置70は、缶体10への燃焼用空気の供給量及び燃料ガスの供給量を制御することで、ボイラ1の燃焼状態(燃焼率)を制御し、ボイラ1による蒸気の生成量を調整する。
蒸気圧センサ80は、上部ヘッダ14内の蒸気圧を検出し、検出結果を制御装置70に出力する。
風圧センサ90は、給気ダクト30内におけるダンパ40の下流かつ圧力損失部31の上流位置の風圧を検出し、検出結果を制御装置70に出力する。
風圧センサ100は、給気ダクト30内における圧力損失部31の下流位置の風圧を検出し、検出結果を制御装置70に出力する。
本実施形態では、ボイラ1は、燃焼率を連続的に変更可能な比例制御ボイラにより構成される。比例制御ボイラとは、少なくとも、最小燃焼状態(例えば、最大燃焼量の20%の燃焼率における燃焼状態)から最大燃焼状態の範囲で、燃焼率が連続的に制御可能とされているボイラである。
尚、以下においては、燃焼率を20%〜100%の範囲で連続的に変更可能なボイラ1における燃焼状態の制御について説明する。
燃料ガスの供給に関しては、燃焼用空気の供給量に応じて、制御部71により調整弁52の開度を調整することで、連続的な供給量の変更が可能となっている。
具体的には、制御部71は、蒸気圧センサ80によって検出された上部ヘッダ14内の蒸気圧を取得し、この蒸気圧を目標負荷に制御するために必要な燃焼用空気の量を算出する。また、制御部71は、算出した燃焼用空気の量に基づいて、インバータ22に入力する周波数を増減させることで、送風機20のファンの回転速度を増減させ、又はダンパ40の開度を制御することで、給気ダクト30に送り込む燃焼用空気の量を制御する。
即ち、差圧検出部71aは、給気ダクト30内における圧力損失部31の上流側及び下流側に設置された風圧センサ90,100の検出結果を取得し、これらの差分(燃焼用空気の圧力差)を検出する。
閾値設定部71bは、記憶部72に記憶されている燃焼率−圧力差特性を参照し、ボイラ1の現在の燃焼率に対する圧力差の標準値を算出する。そして、閾値設定部71bは、算出した圧力差の標準値から、許容範囲の上限値及び下限値(例えば圧力差の標準値から±20%の値)を閾値として設定する。
制御部71は、差圧検出部71aによって検出された燃焼用空気の圧力差が、燃焼率に対する標準値から許容範囲内(即ち、閾値として設定した下限値以上かつ上限値以下)であるか否かを判定する。制御部71は、給気ダクト30内における燃焼用空気の圧力差が許容範囲を超えていると判定した場合、燃料の供給及び燃焼用空気の供給を停止し、ボイラ1を安全停止させる。
図2に示す特性は、種々の燃焼率の場合に、給気ダクト30内における燃焼用空気の圧力差として適切とみなすことができる値(標準値)を示している。なお、図2においては、燃焼率−圧力差特性として、圧力差の標準値を2次曲線(燃焼率の2次関数)で表した特性A(図2中の実線)と、圧力差の標準値を直線(燃焼率の1次関数)で表した特性B(図2中の破線)とが示されている。特性Bは、特性Aとして示す圧力差の標準値の平方根として算出することができる。
本実施形態では、種々の燃焼率が設定された場合に、閾値設定部71bが図2の特性Aを参照して、燃焼用空気の圧力差の標準値に基づく許容範囲を設定する。この許容範囲は、標準値を基準とする一定範囲(例えば±20%)に設定した場合、2次関数からなる上限値及び下限値を有する範囲として表される。そして、制御部71は、給気ダクト30内における燃焼用空気の圧力差が、図2の特性Aを基に設定した許容範囲を超えている(即ち、燃焼用空気の圧力差が上限値よりも大きい又は下限値よりも小さい)と判定した場合、ボイラ1を安全停止させる。
したがって、ボイラ1によれば、燃焼率が連続的に変更される場合に、給気ダクト30内における燃焼用空気の圧力差(即ち、燃焼用空気の実際の供給量)について、より適切な許容範囲を設定することが可能となる。
例えば、本実施形態では、記憶部72に特性A又は特性Bとして連続的な関数を記憶しておき、この関数を参照して、燃焼率に対する燃焼用空気の圧力差の閾値を設定することとしたが、これに限られない。
即ち、特性A又は特性Bを基に燃焼用空気の圧力差の代表値を予め算出して記憶部72に記憶しておき、この代表値を基に、燃焼用空気の圧力差の閾値を設定しても良い。例えば、記憶部72に記憶されている代表値のうち、ボイラ1の現在の燃焼率に最も近い燃焼率に対応する代表値を用いて閾値を設定することができる。また、代表値が記憶されている燃焼率のうち、ボイラ1の現在の燃焼率を挟む上側及び下側の燃焼率を選択し、これらの燃焼率の代表値から補間(例えば線形補間等)した標準値を用いて、ボイラ1の燃焼率に対応する閾値を設定することができる。
これにより、燃焼率に対する燃焼用空気の圧力差の閾値を速やかに設定することが可能となる。
なお、このように燃焼用空気の圧力差の代表値を記憶しておく場合、代表値を記憶する燃焼率として選択される値の間隔は、ボイラ1に要求される制御の精度に対応して定めることができる。
即ち、特性Aに対して1次又は0次の補正項を加えたり、特性Bに対して0次の補正項を加えたりすることができる。
これにより、燃焼率に対する燃焼用空気の圧力差の標準値をより正確に定義することができるため、燃焼率が連続的に変更される場合に、燃焼用空気の供給量の許容範囲を更に適切に設定することが可能となる。
30 給気ダクト
31 圧力損失部
71a 差圧検出部
71b 閾値設定部
71 制御部
Claims (3)
- 燃焼率に応じた燃焼用空気の供給を行うボイラであって、
前記燃焼用空気を供給するダクトと、
前記ダクトに設けられた圧力損失部と、
前記圧力損失部の上流位置及び下流位置における前記燃焼用空気の圧力差を検出する差圧検出部と、
前記燃焼率に対する前記燃焼用空気の圧力差の関係を2次曲線として表した特性曲線に基づいて、前記燃焼率に対応する前記燃焼用空気の圧力差の上限値及び下限値の少なくともいずれかを設定する閾値設定部と、
前記差圧検出部によって検出された前記燃焼用空気の圧力差が、前記閾値設定部によって設定された前記上限値及び下限値の少なくともいずれかを超えた場合に、燃焼を抑制するための制御を実行する制御部と、を備えるボイラ。 - 前記閾値設定部は、前記燃焼率に対する前記燃焼用空気の圧力差の関係を表す2次曲線の値に対して、前記上限値及び下限値の少なくともいずれかを設定する請求項1に記載のボイラ。
- 前記閾値設定部は、前記燃焼率と前記燃焼用空気の圧力差との関係を表す2次曲線の値の平方根に対して、前記上限値及び下限値の少なくともいずれかを設定する請求項1に記載のボイラ。
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