JP3125097B2 - 流量計の絞り比選定方法 - Google Patents
流量計の絞り比選定方法Info
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Description
種々のプラントに用いられる流量計に関し、流路に生ず
る圧力変化を測定することにより流量を算出する、差圧
式流量計の絞り比の選定方法に関するものである。
方法として、流路に絞り手段を施して、その前後流域に
圧力差をつくり、この差圧を測定することによって流量
を算出するものがある。その差圧を生じさせる絞り機構
としては、オリフィス板、ベンチュリ板、フローノズル
等がある。
機構による一般的な流量計について説明する。すなわ
ち、オリフィス板2によって仕切った流路を有する配管
において、流体が絞り部3を通過するときに速度は増
し、下流側圧力P2は上流側圧力P1よりも減少する。
5が差圧として検知する。受圧部5は、差圧を電気信号
に変換する基本部分であり、採用する原理によりその構
造は異なるが、一般にはダイヤフラムで受けこれに生じ
た変位を伝送部6へ伝えるか、受圧部本体内の封入液を
介して差圧を伝送部6へ伝える構造を有する。この場
合、流量Qは、次の式で表される。 Q=k*√(P1−P2) ・・・・・(1) ここで、P1は上流側圧力、P2は下流側圧力、(P1
−P2)は差圧、kは管径や流体の密度等により定めら
れる定数である。なお、kは(2)式により与えられ
る。 k=Amαε√(2g/ρ1) ・・・・・(2) ここで、Aは配管の呼び径の断面積、mは絞り面積比、
αは流量係数、εは膨張係数、gは重力加速度、ρ1は
流体密度である。
れに穿設する絞り部の大きさを求めるために、従来は以
下のような手順を踏んで行っている。まず、配管の呼び
径は、一般的にプラントの設計の段階で、プラントの建
設条件、期待するプラントの性能及び費用等により、必
然的に定められるものである。さらに、計測する対象及
び場所等が決まると、プラントの性能及び場所等が決ま
ると、次に絞り機能の種類(例えば、オリフィス板、ベ
ンチュリ管、フローノズル等)を選定することになる。
(2)式を用いて手計算を行ない決定するか、あるい
は、その手計算に替えて簡易的なプログラムをパソコン
等に実行させて、決定していた。第5図は、従来のプロ
グラムのフローチャートである。従来の技術において
は、CRT等の画面上に入力するパラメータ名を表示
し、手順に従って、一連のパラメータを順次入力するも
のである。全てのパラメータの入力が終了すると絞り比
の計算を行い、結果としてその値が画面上に表示され
る。このような方法で、配管の絞り比を算出していた。
おいては、流量計が設置される周囲環境や計測する流体
の状態は常に一定ではなく、変動するのが通常である。
このため、上記従来の方法にて決定した絞り比を用いた
のでは、流量計により計測した流量値と真の流量値間
で、誤差が発生する場合があり、精度高く流量値を得る
という流量計の本来の役割を実現できず、さらに、プラ
ントの運転効率を悪化させ、製品品質が低下するという
問題が生じる可能性があった。
により変動する可能性があり、流体温度は流体が配管内
部を流れるとはいえ周囲温度等により変化するものであ
り、必ずしも一定であるとは限らず、流体の圧力も同様
である。また、流体密度は、流体の温度と圧力により変
化し、配管径及び絞り部は、加工によって誤差がある。
一方、差圧発信器には、それ自体のもつ基準精度と、周
囲温度、接液温度、信号変換により生じる付加精度が存
在する。
に考慮すべきパラメータは多数存在するため、必ずしも
精度高い流量値を得るための絞り比を決定することがで
きないという問題が生じていた。また、従来の技術のプ
ログラムにおいては、パラメータの変動要因を考慮する
ために、パラメータの入力を再度行う必要があり、変動
するパラメータが複数ある場合には、非常な手間がかか
っていた。そこで、本発明は、実際のプラントの運転状
態を加味し、流量計が設置される環境や計測する流体の
状態の変動、差圧発信器の精度を考慮して、精度高い流
量値を得ることが可能な絞り比を決定する方法を提供
し、さらには上記のようにパラメータを再入力する手間
を省き、絞り比を算出することにある。
めに、本発明に係る配管の絞り比決定方法は、絞り機構
を用いた差圧式流量計において、温度等の変動範囲や誤
差等の幅をもたせたパラメータを入力することによって
差圧と流量の関係について計算し、さらに、計測を希望
する流量の範囲と差圧発信器の使用する差圧の範囲を設
定することによって、差圧と流量の関係特性がそれらの
範囲内になるように配管の絞り比を計算することを特徴
とする。
によれば、実際のプラント運転を加味し、流量計が設置
される環境や計測する流体の仕様のばらつきをも含めた
パラメータを入力し、さらに周囲環境や流体の状態の変
動要因に相当するパラメータも計算要素に含めるため、
そのプラント運転に適合した配管の絞り比を決定するこ
とができる。
第1図は、この発明によって得られる絞り比0.55か
ら0.72及びグラフである。この絞り比及びグラフが
どのような手順の下で算出されたのかについては、第2
図のフローチャートを用いて説明する。
動作を説明するためのフローチャートである。ステップ
S1において、CRTの画面表示の消去や入力パラメー
タ及び内部処理で用いるデータが初期化された後、ステ
ップS2の流体を選択する画面が表示され、液体、気体
または蒸気を選択する。次に、ステップS3及びステッ
プS4では流量の単位を選択する。この場合、第3図に
示すように、量となる単位を「l」「kl」等の項目か
ら、また、時間となる単位を「sec」「min」等の
項目から各々選択することができる。この単位の選択
は、単位の要素である量と時間を各々独立して選択する
ことができるので、容易に希望する単位を指定すること
ができるとともに、入力ミスをした場合であっても、容
易に正しい量または時間の単位を指定して修正すること
ができる。
いては、計測する基準流量と流体の温度を入力する。こ
のとき、プラントの特性や周囲環境から想定される温度
の変動範囲を入力する。これにより、変動範囲を考慮し
た計算を行い、より適切な絞り比を決定することがで
き、また、パラメータを再度入力する手間を省くことが
できる。ステップS7からS10は、ステップS2によ
って選択した流体の種類に応じて、密度等を入力する処
理を行うものである。ステップS11からS13は、圧
力形態、単位を選択し、常用圧力を入力する処理を行
う。このとき、プラントの特性や周囲環境から想定され
る圧力の変動範囲を入力する。ここにも、前記と同様の
利点がある。
を確定する処理である。流体が水の場合は、ステップS
15、S18、S19に示すように自動計算する。その
他の流体の場合は、粘度を入力する。ステップS20及
びS21は、配管の径サイズ及び絞り比誤差を入力する
処理である。ステップS20においては、配管サイズの
誤差である使用状態における上流側管径の不確かさの値
(誤差)も入力する。ここにも前記と同様の利点があ
る。
する。本実施例においては、楕円、マイクロスロート、
インテグラルオリフィス、オリフィスに限っているが、
差圧を利用して流量を測定するベンチュリーやノズル等
の種々のしぼり機構にも適用がある。ステップS23か
らS26は、ステップS1からS21までに入力または
自動計算したパラメータから、差圧、流量及び絞り比を
演算する処理部分である。これらの演算した結果は、ス
テップS27の表示処理によって、グラフによって表さ
れ、必要なデータも表示される。
発信器の誤差要因の入力処理である。差圧発信器の誤差
要因は、ステップ29の基準状態における基準精度とス
テップS30及びS31の付加精度がある。本実施例に
おいては、付加精度として周囲温度と接液温度を取り扱
っているが、他にリニア開平演算精度等がある。これに
より、変動範囲を考慮した計算を行い、より適切な絞り
比を決定することができ、また、パラメータを再度入力
する手間を省くことができる。パラメータを入力する
と、再度ステップS27のグラフ表示を行う。
適な絞り比の自動計算処理である。ステップS33にお
いて、流量を計測するために想定され希望する差圧の範
囲を入力する。ステップS34では、プラントの運転状
態等により変動し得る流量の範囲を入力する。ステップ
S35及びS36の処理によって、枠を表示し、絞り比
を計算し表示する。
ップ27の特性グラフである。曲線11は、流体温度等
の変動がない場合、いわゆる変動要因がゼロの場合の特
性であり、曲線12及び曲線13は当該変動要因を考慮
して計算した場合の特性である。特性グラフからわかる
ように、曲線11を包含する曲線12と曲線13の範囲
内の領域が、変動要因によって変動し得る特性の範囲を
示している。一方、本グラフは、絞り比0.6における
流量と差圧の関係が示されており、他の絞り比の特性を
グラフに表すためには、14の矢印部の操作を行う。例
えば、上矢印を操作すると、絞り比が加算され、それに
連動して計算処理が実行されるので、その絞り比におけ
るグラフ、つまり曲線11、12、13が更新され再表
示される。枠16は、ステップS33及びS34にて入
力したデータの範囲を示すものである。15は、ステッ
プ36にて計算した結果であり、この場合の最適な絞り
比は0.55から0.72の範囲内であることを意味し
ている。
以下の方法にて算出される。曲線11、12、13は、
絞り比が増加すると、よりなだらかな曲線となる。つま
り、枠16の左側縦直線と曲線13の交点であるP4
は、差圧範囲及び流量範囲の最小値P2に近づく。逆
に、絞り比が減少すると、より険しい曲線となり、枠1
6の右側縦直線と曲線12の交点であるP3は、差圧範
囲及び流量範囲の最大値P1に近づく。したがって、ス
テップS36にて算出される絞り比の範囲15は、P1
とP3が交わるポイントの絞り比を最小値とし、P2と
P4が交わるポイントの絞り比を最大値としている。こ
の場合の絞り比は、実際のプラント運転における状態変
化や流体の状態変化、差圧発信器の精度を考慮して計算
しているので、絞り比βの絞り機構を使用することによ
り、プラントの安定した運転を実現することができる。
また、ステップS37、S38は、印刷のための処理で
あり、ステップS39は、別の絞り機構を選択するため
の処理である。
絞り比決定方法は、実際のプラント運転において、流体
温度や圧力等の変動する要因及び差圧発信器の基準精度
及び付加精度等を考慮しているので、精度高い流量値を
得ることが可能な絞り比を決定することができ、安定し
たかつ信頼性の高いプラントの運転を実現することがで
きる。また、本絞り比決定方法では、変動する温度等の
パラメータを再度入力する必要はないため、入力操作の
手間を省くことができるという利点がある。なお、本発
明はコンピュ─タのみならず、手計算や電卓を用いた場
合、さらには簡易な専用機を用いた場合にも適用があ
る。
般的な説明図。
チャート。
の範囲枠
Claims (2)
- 【請求項1】絞り機構を用いた差圧式流量計において、
流体仕様のパラメータを入力する第1のステップと、流
量計の絞り機構の種別を入力する第2のステップと、配
管の径サイズを入力する第3のステップと、周囲環境や
流体の状態の変動要因に相当するパラメータを入力する
第4のステップと、前記第1のステップから第4のステ
ップにより、差圧と流量の関係を計算する第5のステッ
プと、計測を希望する流量の範囲と差圧発信器の使用す
る差圧の範囲を設定する第6のステップと、前記第6の
ステップにより、設定した流量及び差圧の範囲内となる
ように配管の絞り比を計算する第7のステップから成る
配管の絞り比決定方法。 - 【請求項2】請求項1の配管の絞り比決定方法を、コン
ピュータに実行させるプログラムとして記録させたコン
ピュータ読み取り可能な記録媒体。
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---|---|---|---|
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JPH11190645A JPH11190645A (ja) | 1999-07-13 |
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JP09367551A Expired - Fee Related JP3125097B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 流量計の絞り比選定方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005031278A1 (ja) * | 2003-09-29 | 2005-04-07 | Nozzle Network Co., Ltd. | グラフ作成プログラム |
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1997
- 1997-12-26 JP JP09367551A patent/JP3125097B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2005031278A1 (ja) * | 2003-09-29 | 2005-04-07 | Nozzle Network Co., Ltd. | グラフ作成プログラム |
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