JP6341072B2 - ボイラシステム - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気集合部(以下、「蒸気ヘッダ」ともいう)の内部の蒸気圧が目標圧力値と一致するように、制御対象のボイラの燃焼量を制御するボイラシステムに関する。
複数台のボイラからなるボイラ群により構成されるボイラシステムでは、ボイラ群において生成された蒸気を蒸気ヘッダに集合し、この蒸気ヘッダから負荷機器に対して蒸気を供給する。このようなボイラシステムでは、蒸気ヘッダ内の蒸気の圧力(蒸気圧)が目標圧力値に一致するように制御対象のボイラの燃焼量を制御することとしている。このようなボイラシステムでは、蒸気ヘッダの蒸気圧力(以下、「ヘッダ圧力」ともいう)が蒸気消費量の変動にかかわらず目標圧力となるように、蒸気消費量の変動に応じてボイラの燃焼量が制御される。
従来、蒸気消費量の変動に対してヘッダ圧力を目標圧力に保つため、ボイラで発生すべ
き蒸気量をPIアルゴリズム又はPIDアルゴリズムにより制御(以下、「PI又はPID制御」ともいう)する手法を用いたボイラシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−73105号公報
ところで、PIDアルゴリズムによる蒸気量の制御では、圧力安定性を重要視する観点から、予め制御上限圧力を設けておき、ヘッダ圧力値が制御上限圧力を超えた場合に、すべてのボイラを燃焼停止状態(以下、「全台待機」ともいう)とする台数制御を行うことがある。
また、複数のボイラを備えるボイラシステムでは、ボイラを台数制御対象外のボイラ(以下、「手動運転ボイラ」ともいう)として運転員の手動により燃焼量を制御する場合がある。これに対して、台数制御対象となるボイラを、「自動運転ボイラ」という。
なお、ボイラが手動運転になる要因としては、例えば、台数制御装置とボイラとの間で通信不良が発生し、台数制御装置からボイラに対する台数制御信号が不通になった場合、台数制御装置に障害が発生し、台数制御装置が正常に動作できなくなった場合、ヘッダ圧力が下がり過ぎて、バックアップ用に設けられた圧力スイッチが働き、全台のボイラに手動運転指令が出る場合、及びヘッダ圧力を測定する蒸気圧センサに障害が発生し、全台のボイラに手動運転指令が出る場合等が挙げられる。
ボイラ群を手動運転している状態では、ヘッダ圧力は制御部に設定された目標圧力よりも高い圧力で安定することが知られている。
これは、ボイラ燃焼中は配管内において圧損が発生することにより、ヘッダ圧力がボイラ圧力よりも低くなるため、手動運転ボイラのボイラ圧力設定において、ボイラ圧力を実際の圧損以上に高めに設定する傾向があることによる。このような場合、全台のボイラを手動運転している状態では、ヘッダ圧力が目標圧力よりも高めに推移することとなる。
この状態で、ボイラ群が手動運転から自動運転に復帰した場合の動作について、図6を参照して説明する。図6に示すように、ボイラ群が手動運転から自動運転に復帰した時点(t1)のヘッダ圧力値が、制御上限圧力値を超えている場合、即時に全台待機となる。全台待機によりヘッダ圧力が急激に低下する。その後、ヘッダ圧力値が制御上限圧力よりも制御上限圧力ディファレンシャル分下回ると(t2)、ボイラに対して燃焼指示がなされる。しかしながら、一旦待機状態となったボイラが給蒸を開始するまでの遅延(T)があるため、ヘッダ圧力が目標圧力を大幅に下回り、圧力安定性が低下してしまうおそれがあった。
従来のボイラシステムにおいては、ボイラ群を手動運転している状態で、ボイラ群を自動運転に復帰した場合を想定した特別な対策はなされていなかった。
本発明は、ボイラ群を手動運転している状態で、ボイラ群を自動運転に復帰した場合に、自動運転復帰直後にヘッダ圧力が目標圧力を大幅に下回ることなく、目標圧力に収束させて、圧力の安定性を向上できるボイラシステムを提供することを目的とする。
本発明は、燃焼率を変更して燃焼可能な複数のボイラからなり、負荷機器に蒸気を供給するボイラ群と、前記ボイラ群により生成された蒸気が集合する蒸気ヘッダと、前記蒸気ヘッダの内部の蒸気圧であるヘッダ圧力値を測定する蒸気圧測定手段と、前記蒸気圧測定手段により測定される前記ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値と一致するように、前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、前記制御部は、前記目標圧力値より大きな値である制御上限圧力値を予め設定し、前記蒸気圧測定手段により測定される前記ヘッダ圧力値が前記制御上限圧力値を超える場合、燃焼しているすべての前記ボイラの燃焼を停止する全台待機部と、前記ボイラ群を前記制御部の制御対象外である手動運転状態から、前記制御部の制御に復旧し、自動運転状態に切り換える、制御対象切換部と、前記制御対象切換部により前記ボイラ群が前記手動運転状態から前記自動運転状態に切り換えられた場合、前記全台待機部の機能をキャンセルする全台待機機能制御部と、前記ヘッダ圧力値を前記目標圧力値に保つように、現時点の必要蒸気量MVを速度形PIアルゴリズム又は速度形PIDアルゴリズムにより算出する必要蒸気量算出部と、前記必要蒸気量算出部により算出された現時点の必要蒸気量MVを発生させるよう前記複数のボイラの燃焼状態を制御する出力制御部と、を備え、前記必要蒸気量算出部は、前記制御対象切換部により前記ボイラ群が前記手動運転状態から前記自動運転状態に切り換えられ、且つ当該切り換え時点における前記ヘッダ圧力値が前記制御上限圧力値を超えている場合、現時点の必要蒸気量MVの初回(n=1)の算出処理において、(i)現時点の必要蒸気量MVとして、又は(ii)前回の必要蒸気量MVn−1として、前記切り換え時点又は前記初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値を設定する、ボイラシステムに関する。
また、前記全台待機機能制御部は、前記全台待機部の機能のキャンセルを開始してから予め設定された第1時間経過するまで、前記ヘッダ圧力値が上昇し続けている場合、前記全台待機部の機能のキャンセルを終了し、当該全台待機部の機能を有効にすることができる。
また、前記全台待機機能制御部は、前記全台待機部の機能のキャンセルを開始してから予め設定された第2時間を経過した場合、前記全台待機部の機能のキャンセルを終了し、前記全台待機部の機能を有効にすることができる。
また、前記制御部は、前記目標圧力値よりも大きく、前記制御上限圧力値より小さな値となる第1閾値を予め設定し、前記全台待機部は、その機能のキャンセルが終了されてその機能が有効になった場合に、前記蒸気圧測定手段により測定される前記ヘッダ圧力値が前記第1閾値以上であるときは、燃焼しているすべての前記ボイラの燃焼を停止することができる。
また、前記全台待機機能制御部は、前記全台待機部の機能のキャンセルを開始してから前記第2時間を経過するまでに、前記ヘッダ圧力値が前記第1閾値を下回った場合、前記全台待機部の機能のキャンセルを終了し、当該全台待機部の機能を有効にすることができる。
本発明によれば、ボイラ群を手動運転している状態で、ボイラ群を自動運転に切り替わった直後の全台待機を回避することができるため、自動運転復帰直後のヘッダ圧力の安定性が向上するボイラシステムを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るボイラシステム1の概略を示す図である。 ボイラ群の概略を示す図である。 制御部4の構成を示す機能ブロック図である。 第1実施形態に係るボイラシステム1の動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るボイラシステム1の動作を示すフローチャートである。 従来の台数制御を実施した場合における、手動運転ボイラ全台を自動運転に切り換えた場合のヘッダ圧力の推移を示す図である。 第1実施形態に係る台数制御を実施した場合における、手動運転ボイラ全台を自動運転に切り換えた場合のヘッダ圧力の推移を示す図である。 第1実施形態に係る台数制御を実施した場合における、手動運転ボイラ全台を自動運転に切り換えた場合のヘッダ圧力の推移を示す図である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るボイラシステム1について説明する。図1は、ボイラシステム1の概略を示す図である。
なお、ボイラシステム1は、複数台の連続制御ボイラ、すなわち燃焼量を連続的に変更して燃焼可能な複数台のボイラからなるとしているが、これに制限されない。複数台の段階値制御ボイラからなるボイラシステム1、又は連続制御ボイラ及び段階値制御ボイラが混在するボイラシステム1にも本発明は適用される。
図1に示すように、ボイラシステム1は、複数(5台)のボイラ20を含むボイラ群2と、ボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気集合部としての蒸気ヘッダ6と、蒸気圧測定手段としての蒸気圧センサ7と、台数制御装置3と、を備える。
ボイラ群2は、負荷機器としての蒸気使用設備18に供給する蒸気を生成する。
蒸気ヘッダ6の上流側は、蒸気管11を介してボイラ群2(各ボイラ20)に接続されている。蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で発生させた蒸気を集合させて貯留することにより各ボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給するようになっている。
蒸気圧センサ7は、信号線13を介して、台数制御装置3に電気的に接続されている。蒸気圧センサ7は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(ボイラ群2で発生した蒸気の圧力)を測定し、測定した蒸気圧に係る信号(蒸気圧信号)を、信号線13を介して台数制御装置3に送信する。
ボイラシステム1は、ボイラ群2で発生させた蒸気を、蒸気ヘッダ6を介して、蒸気によって運転される蒸気使用設備18に供給可能とされている。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御時においては、この蒸気消費量に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼量を制御する。
蒸気使用設備18の需要の増大により要求負荷が増加し、供給蒸気量が不足すれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が減少することになる。一方、蒸気使用設備18の需要の低下により要求負荷が減少し、供給蒸気量が過剰になれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が増加することになる。このため、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号により要求負荷の変動をモニターすることができる。ボイラシステム1は、この蒸気圧に基づいて蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)に応じた目標蒸気量を算出するようになっている。
台数制御装置3は、制御部4と記憶部5とを備える。台数制御装置3は、ボイラ群2の燃焼制御に関して、例えば、記憶部5に記憶される設定条件(目標圧力値、ボイラの優先順位等)を変更することができる。なお、設定条件の設定及び変更は、その全部又は一部を手動で行ってもよく、あるいは、その全部又は一部を自動で行ってもよい。
ボイラ20は、燃料の燃焼量に応じた蒸気を発生する蒸気ボイラであって、燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な連続制御ボイラである。図2に示すように、連続制御ボイラとは、少なくとも、最小燃焼状態S1(例えば、最大燃焼率の20%の燃焼量における燃焼状態)から最大燃焼状態S2の範囲で、燃焼量が連続的に制御可能とされているボイラである。連続制御ボイラは、例えば、燃料をバーナに供給するバルブや、燃焼用空気を供給するバルブの開度(燃焼比)を制御することにより、燃焼量を調整するようになっている。
また、燃焼量を連続的に制御するとは、後述のローカル制御部22における演算や信号がデジタル方式とされて段階的に取り扱われる場合(例えば、ボイラ20の出力(燃焼量)が1%刻みで制御される場合)であっても、事実上連続的に出力を制御可能な場合を含む。
本実施形態におけるボイラは、ボイラ20の燃焼停止状態S0と最小燃焼状態S1との間の燃焼状態の変更については、ボイラ20(バーナ)の燃焼をオン/オフすることで制御される。そして、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、燃焼量が連続的に制御可能となっている。
より具体的には、複数のボイラ20それぞれには、変動可能な蒸気量の単位である単位蒸気量Uが設定されている。これにより、ボイラ20は、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、単位蒸気量U単位で、蒸気量を変更可能となっている。
単位蒸気量Uは、ボイラ20の最大燃焼状態S2における蒸気量(最大蒸気量)に応じて適宜設定できるが、ボイラシステム1における出力蒸気量の必要蒸気量に対する追従性を向上させる観点から、ボイラ20の最大蒸気量の0.1%〜20%に設定されることが好ましく、1%〜10%に設定されることがより好ましい。
尚、出力蒸気量とは、ボイラ群2により出力される蒸気量を示し、この出力蒸気量は、複数のボイラ20それぞれから出力される蒸気量の合計値により表される。
複数のボイラ20には、それぞれ優先順位が設定されている。優先順位は、燃焼指示や燃焼停止指示等を行うボイラ20を選択するために用いられる。優先順位は、例えば整数値を用いて、数値が小さいほど優先順位が高くなるよう設定することができる。図2に示すように、ボイラ20の1号機〜5号機のそれぞれに「1」〜「5」の優先順位が割り当てられている場合、1号機の優先順位が最も高く、5号機の優先順位が最も低い。この優先順位は、通常の場合、後述の制御部4の制御により、所定の時間間隔(例えば、24時間間隔)で変更される。
複数のボイラ20のそれぞれは、信号線16を介して台数制御装置3と電気的に接続され、台数制御装置3の制御により燃焼状態(燃焼量)が制御される。また、複数のボイラ20のそれぞれは、運転者の操作により又は自動的に台数制御装置3の制御から切り離された場合、運転者の手動制御により燃焼状態が制御される。
以上説明したボイラ20は、図1に示すように、燃焼が行われるボイラ本体21と、ボイラ20の燃焼状態を制御するローカル制御部22と、を備える。
ローカル制御部22は、蒸気消費量に応じてボイラ20の燃焼状態を変更させる。具体的には、ローカル制御部22は、信号線16を介して台数制御装置3から送信される制御信号又は運転者の手動操作により入力された制御信号に基づいて、ボイラ20の燃焼状態を制御する。また、ローカル制御部22は、台数制御装置3で用いられる信号を、信号線16を介して台数制御装置3に送信する。台数制御装置3で用いられる信号としては、ボイラ20の実際の燃焼状態、及びその他のデータ等が挙げられる。
以上のように構成されたボイラシステム1では、ボイラ群2で発生させた蒸気が、蒸気ヘッダ6を介して蒸気使用設備18に供給される。
ボイラシステム1において、ヘッダ圧力は、蒸気使用設備18における蒸気消費量(要求負荷)に応じて変動する。台数制御装置3は、PI又はPIDアルゴリズムによりヘッダ圧力を目標圧力にするために必要な蒸気量(必要蒸気量)を算出し、算出した蒸気量に基づいて自動運転ボイラの燃焼量(燃焼率)を制御する。これにより、自動運転ボイラから蒸気ヘッダ6に供給される蒸気量が調節されるため、ヘッダ圧力を目標圧力に近づけることができる。
次に、台数制御装置3の詳細について説明する。
台数制御装置3は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号に基づいて、要求負荷に応じたボイラ群2の目標蒸気量、及び目標蒸気量に対応する各ボイラ20の燃焼状態を算出し、各ボイラ20(ローカル制御部22)に台数制御信号を送信する。この台数制御装置3は、図1に示すように、記憶部5と制御部4とを備え、信号線16を介して各ボイラ20に電気的に接続されている。
制御部4は、信号線16を介してボイラ20に各種の指示を送信したり、各ボイラ20から各種のデータを受信したりして、ボイラ20の燃焼状態及び運転台数の制御を実行する。各ボイラ20は、台数制御装置3から燃焼状態の変更指示の信号を受けると、その指示に従って該当するボイラ20の燃焼量を制御する。なお、制御部4は、信号線16を介して自動運転ボイラのみならず、手動運転ボイラの燃焼状態に関する情報を受信する。
制御部4は、ボイラ群2から発生した蒸気の圧力(蒸気ヘッダ6に貯留された蒸気の蒸気圧力)に基づくフィードバック制御により各自動運転ボイラ20の燃焼状態を制御する。すなわち、制御部4は、蒸気ヘッダ6の蒸気圧力と目標圧力値との偏差に対して、所定のPI又はPIDアルゴリズムに基づくフィードバック制御を行うことで、ヘッダ圧力が目標圧力値となるために必要な蒸気量を算出し、算出した蒸気量を発生するように自動運転ボイラ20を制御する。
制御部4の詳細な構成については後述する。
記憶部5は、台数制御装置3(制御部4)の制御により各ボイラ20に対して行われた指示の内容や、各ボイラ20から受信した燃焼状態等の情報、各ボイラ20の単位蒸気量Uの設定に関する情報、複数のボイラ20の優先順位の設定に関する情報、優先順位の変更(ローテーション)に関する設定の情報等を記憶する。
また、記憶部5は、蒸気圧センサ7により測定される蒸気圧に係る設定条件として、目標圧力値を記憶することができる。また、記憶部5は、当該目標圧力値に関連した制御上限圧力値を記憶することができる。なお、制御上限圧力値は目標圧力値とは独立して設定することもできる。また、記憶部5は、当該制御上限圧力値に関連した制御上限圧力ディファレンシャルを記憶することができる。
また、記憶部5は、後述する全台待機部41の機能のキャンセル終了に係る設定条件として、第1時間及び第2時間を記憶することができる。
次に制御部4の詳細な構成について説明する。図3は、制御部4の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御部4は、全台待機部41と、制御対象切換部42と、全台待機機能制御部43と、必要蒸気量算出部44と、出力制御部45と、を含んで構成される。
全台待機部41は、蒸気圧センサ7により測定されるヘッダ圧力値が目標圧力値を上回り、制御上限圧力値を超える場合、燃焼しているすべてのボイラ20の燃焼を停止する。
また、全台待機部41は、ヘッダ圧力が制御上限圧力値を超える値から下降している場合において、ヘッダ圧力値が制御上限圧力値を下回っても、制御上限圧力値から制御上限圧力ディファレンシャルを減算した値(以下「第1閾値」ともいう)以上であるときは、依然としてすべてのボイラ20の燃焼を停止したままとすることができる。
すなわち、全台待機部41は、後述する全台待機機能制御部43により、その機能のキャンセルが終了され、その機能を有効にされた場合に、蒸気圧センサ7により測定されるヘッダ圧力値が、第1閾値以上であるときは、すべてのボイラ20の燃焼を停止したままとすることができる。
制御対象切換部42は、例えば、運転員の指示又は外部入力信号に基づいて、ボイラ群2を制御部4の制御対象外である手動運転状態から、制御部4の制御による自動運転状態に切り換える。
全台待機機能制御部43は、制御対象切換部42によりボイラ群2が手動運転状態から自動運転状態に切り換えられた場合に、ヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えていると、全台待機部41の機能をキャンセルする。
なお、全台待機機能制御部43は、制御対象切換部42によりボイラ群2が手動運転状態から自動運転状態に切り換えられた場合において、全台待機部41の機能をキャンセルするようにしてもよい。
そうすることで、ボイラ群2を手動運転している状態で、ボイラ群2が手動運転から自動運転に切り替わった直後の全台待機を回避することができる。
全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから予め設定された第1時間(例えば5秒)経過するまでの間、ヘッダ圧力値が上昇し続けている場合、全台待機部41の機能のキャンセルを終了し、全台待機部41の機能を有効にすることが好ましい。
より具体的には、例えば1秒毎にヘッダ圧力値の変化値を算出し、1秒ごとのヘッダ圧力値の変化値が第1時間(例えば5秒間)増加している場合、ヘッダ圧力値が上昇し続けていると判断し、全台待機部41の機能を有効にする。
そうすることで、ヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えて上昇し続けている場合に、全台待機部41の機能が有効となり、燃焼しているすべてのボイラ20の燃焼が停止され、ヘッダ圧力を減少させることができる。
なお、第1時間は5秒に限定されない。必要に応じて、適宜、設定することができる。
また、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間(以下、「キャンセル時間」ともいう)を経過した場合、全台待機部41の機能のキャンセルを終了し、全台待機部41の機能を有効にする。
こうすることで、第2時間を経過しても、ヘッダ圧力値が第1閾値以上となる場合には、全台待機部41の機能が有効となり、全台待機部41は、燃焼しているすべてのボイラ20の燃焼を停止することができる。
なお、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間を経過するまでに、ヘッダ圧力値が第1閾値を下回った場合、全台待機部41の機能のキャンセルを終了し、全台待機部41の機能を有効にすることができる。
必要蒸気量算出部44は、ヘッダ圧力値を目標圧力値に保つように、現時点の必要蒸気量MVを速度形PIアルゴリズム又は速度形PIDアルゴリズムにより算出する。
より具体的には、必要蒸気量算出部44は、蒸気圧センサ7で測定されたヘッダ圧力値PV(フィードバック値)と予め設定された目標圧力値SV(設定値)との偏差がゼロとなるように、現時点の必要蒸気量MVを、以下に示す速度形PIDアルゴリズムにより算出する。なお、速度形PIアルゴリズムについては、速度形PIDアルゴリズムにおいて、D制御出力(変化分)を省略したものであり、その説明は省略する。
必要蒸気量算出部44は、複数のボイラ20から発生させるべき現時点の必要蒸気量MVを、下記の速度形演算式(1)により算出する。
MV=MVn−1+ΔMV ・・・(1)
式(1)において、MV:現時点の必要蒸気量(今回必要蒸気量)、MVn−1:前回の制御周期時点の必要蒸気量(前回必要蒸気量)、ΔMV:前回から今回までの必要蒸気量変化分である。ここで、添字nは、繰り返し演算の演算回数(n回目:n=1,2,…,Nの正の整数値)を示す。
速度形演算は、制御周期毎に前回から今回までの必要蒸気量変化分ΔMVのみを計算し、これに前回必要蒸気量MVn−1を加算して、今回必要蒸気量MVを計算する方法である。
これに対して、制御周期毎に今回必要蒸気量MVを直接計算するPID制御アルゴリズムは、位置形演算と言う。
前回から今回までの必要蒸気量変化分ΔMVは、下記の式(2)により算出される。
ΔMV=ΔP+ΔI+ΔD ・・・(2)
式(2)において、ΔP:P制御出力(変化分)、ΔI:I制御出力(変化分)、ΔD:D制御出力(変化分)であり、それぞれ下記の式(3)〜(5)により求められる。
ΔP=K×(e−en−1) ・・・(3)
ΔI=K×(Δt/T)×e ・・・(4)
ΔD=K×(T/Δt)×(e−2en−1+en−2) ・・・(5)
式(3)〜(5)において、Δt:制御周期、K:比例ゲイン、T:積分時間、T:微分時間、e:現時点の偏差量、en−1:前回の制御周期時点の偏差量、en−2:前々回の制御周期時点の偏差量である。
現時点の偏差量eは、目標圧力値SVと、蒸気圧センサ7で測定されたヘッダ圧力値PVとの差であって、下記の式(6)により求められる。
=SV−PV ・・・(6)
必要蒸気量算出部44は、式(3)、(4)、(5)で算出された各出力(変化分)を、式(2)に従って合計することにより、前回から今回までの必要蒸気量変化分ΔMVを算出する。
そして、必要蒸気量算出部44は、式(1)のように、前回必要蒸気量MVn−1に必要蒸気量変化分ΔMVを加算して、今回必要蒸気量MVを計算する。
<手動運転状態から自動運転状態に切り換えられる場合>
必要蒸気量算出部44は、制御対象切換部42によりボイラ群2が手動運転状態から自動運転状態に切り換えられ、当該切り換え時点におけるヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えている場合、現時点の必要蒸気量MVの初回(n=1)の算出処理において、現時点の必要蒸気量MVとして、前記切り換え時点又は前記初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値を設定する。
その後、今回必要蒸気量MVは、前回必要蒸気量MVn−1に前回から今回までの必要蒸気量変化分ΔMVを加算することで、算出することができる。
ヘッダ圧力値が目標圧力値を大きく上回っている場合は、積分制御の働きにより必要蒸気量(MV)を減少させる動作となるため、必要蒸気量(MV)は、前記切り換え時点又は前記初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値から減少させるように算出されることになる。
すなわち、必要蒸気量算出部44は、現時点の必要蒸気量MVを、前記切り換え時点又は前記初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値から始めて、その値を減少させるように算出され、後述する出力制御部45は、出力蒸気量を減少させるように動作することになる。
そうすることで、ヘッダ圧力値を下降させることが期待できる。
なお、制御対象切換部42によりボイラ群2が手動運転状態から自動運転状態に切り換えられ、当該切り換え時点におけるヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えている場合、現時点の必要蒸気量MVの初回(n=1)の算出処理において、前回の必要蒸気量MVn−1として、前記切り換え時点又は前記初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値を設定するようにしてもよい。その後、今回必要蒸気量MVは、前回必要蒸気量MVn−1に前回から今回までの必要蒸気量変化分ΔMVを加算することで、算出することができる。
出力制御部45は、必要蒸気量算出部44により算出された現時点の必要蒸気量MVを発生させるよう、自動運転ボイラ20の燃焼状態を制御する。すなわち、出力制御部45は、ボイラ群2から現時点の必要蒸気量MVの蒸気が発生するように各自動運転ボイラ20の燃焼状態を制御する。
出力制御部45は、必要蒸気量算出部44により算出された現時点の必要蒸気量MVに基づいて、燃焼させる自動運転ボイラ20の台数を設定する。出力制御部45は、記憶部5に記載されている優先順位に従って燃焼を開始又は停止する自動運転ボイラ20を設定するとともに、それら自動運転ボイラ20のローカル制御部22に対して、台数制御信号(運転の開始又は停止)を出力する。また、出力制御部45は、必要蒸気量算出部44により算出された現時点の必要蒸気量MVに基づいて、燃焼させる自動運転ボイラ20の燃焼量を設定する。これにより、現時点の必要蒸気量MVの蒸気が発生するように各自動運転ボイラ20の燃焼状態を制御することで、必要蒸気量に対応する蒸気量(以下、「出力蒸気量」ともいう)が蒸気ヘッダ6に供給される。
次に、ボイラシステム1が、手動運転から自動運転に復帰した場合の動作について、図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5は、ボイラシステム1が、手動運転から自動運転に復帰した場合の制御の流れを示すフローチャートである。
ステップST1において、制御対象切換部42は、例えば、運転員の指示又は外部入力信号に基づいて、ボイラ群2を手動運転状態から、制御部4の制御に復旧し、自動運転状態に切り換える。
ステップST2において、全台待機機能制御部43は、ヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えているか否かを判定する。ヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えている場合(Yes)、ステップST3に移る。ヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えていない場合(No)、ステップST18に移る。
ステップST3において、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能をキャンセルする。
ステップST4において、必要蒸気量算出部44は、前記切り換え時点又は初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値を取得する。
ステップST5において、必要蒸気量算出部44は、現時点の必要蒸気量MVの初回(n=1)の算出処理において、現時点の必要蒸気量MVとして、前記切り換え時点又は初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値を設定する。
ステップST6において、出力制御部42は、ステップST5において設定された現時点の必要蒸気量MVに基づいてボイラ20の燃焼状態(燃焼量)を制御する。
なお、必要蒸気量算出部44は、現時点の必要蒸気量MVの初回(n=1)の算出処理において、前回の必要蒸気量MVn−1として、前記切り換え時点又は前記初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値を設定するようにしてもよい。
ステップST7において、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第1時間(例えば5秒)経過しているか否かを判定する。第1時間経過している場合(Yes)、ST11に移る。第1時間経過していない場合(No)、ST8に移る。
ステップST8において、必要蒸気量算出部44は、前回から今回までの必要蒸気量変化分ΔMVを算出する。
ステップST9において、必要蒸気量算出部44は、前回必要蒸気量MVn−1に必要蒸気量変化分ΔMVを加算して、今回必要蒸気量MVを算出する。
ステップST10において、出力制御部42は、必要蒸気量算出部44が算出した今回必要蒸気量MVに基づいてボイラ20の燃焼状態(燃焼量)を制御する。
その後、ステップST7に移る。
ステップST11において、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第1時間の間、ヘッダ圧力値が上昇し続けていたか否か、判定する。第1時間の間、ヘッダ圧力値が上昇し続けていた場合(Yes)、ステップST17に移る。第1時間の間、ヘッダ圧力値が上昇し続けていない場合(No)、ステップST12に移る。
ステップST12において、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間を経過しているか否かを判定する。第2時間経過している場合(Yes)、ST17に移る。第2時間経過していない場合(No)、ST13に移る。
ステップST13において、全台待機機能制御部43は、ヘッダ圧力値が第1閾値を下回っているか否かを判定する。ヘッダ圧力値が第1閾値を下回っている場合(Yes)、ST17に移る。ヘッダ圧力値が第1閾値を下回っていない場合(No)、ST14に移る。
ステップST14において、必要蒸気量算出部44は、前回から今回までの必要蒸気量変化分ΔMVを算出する。
ステップST15において、必要蒸気量算出部44は、前回必要蒸気量MVn−1に必要蒸気量変化分ΔMVを加算して、今回必要蒸気量MVを算出する。
ステップST16において、出力制御部42は、必要蒸気量算出部44が算出した今回必要蒸気量MVに基づいてボイラ20の燃焼状態(燃焼量)を制御する。
その後、ステップST12に移る、
ステップST17において、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを終了し、全台待機部41の機能を有効にする。
ステップST18以降において、制御部4は通常時の燃焼制御を行う。
より具体的には、ステップ18において、ヘッダ圧力値が依然として第1閾値以上の場合、全台待機部41は、全台待機指示を出力する。
その後、ヘッダ圧力値が第1閾値を下回る時点において、ボイラに対して燃焼指示が出され、必要蒸気量算出部44は、今回必要蒸気量MVを、前回必要蒸気量MVn−1に必要蒸気量変化分ΔMVを加算して算出し、出力制御部42は、必要蒸気量算出部44が算出した今回必要蒸気量MVに基づいてボイラ20の燃焼状態(燃焼量)を制御する。
また、ステップST18において、ヘッダ圧力値が第1閾値を下回っている場合には、必要蒸気量算出部44は、今回必要蒸気量MVを、前回必要蒸気量MVn−1に必要蒸気量変化分ΔMVを加算して算出し、出力制御部42は、必要蒸気量算出部44が算出した今回必要蒸気量MVに基づいてボイラ20の燃焼状態(燃焼量)を制御する。
次に、図6、図7、及び図8を参照して、手動運転から自動運転に切り換わった直後に従来どおり、全台待機部41の機能が有効とされる場合と比較しながら、第1実施形態に係る台数制御を実施した場合の動作を説明する。
ここで、図6は、従来の台数制御を実施した場合における、全台の手動運転ボイラを自動運転に切り換えた場合のヘッダ圧力の推移を示す図である。これに対して、図7及び図8は、本発明の第1実施形態に係る台数制御を実施した場合における、全台の手動運転ボイラを自動運転に切り換えた場合のヘッダ圧力の推移を示す図である。
<従来例>
前述したとおり、従来の台数制御を実施した場合、図6に示すように、ボイラ群が手動運転から自動運転に復帰した時点(t1)のヘッダ圧力値が、全台待機となる制限上限圧力値を超えていた場合、全台待機部41は、即時に全台待機指示を出力する。
そうすることで、ボイラ群2は、全台待機となり、ヘッダ圧力が急激に低下する。
その後、ヘッダ圧力値が制御上限圧力よりも制御上限圧力ディファレンシャル分下回る時点(t2)において、ボイラに対して燃焼指示が出される。
しかしながら、一旦待機状態となったボイラが給蒸を開始するまでの遅延(T)があるため、(t2+T)時点よりも後の時点(t3)において、ヘッダ圧力は目標圧力を大幅に下回る。
このように、従来の台数制御を実施した場合、圧力安定性が低下してしまう事象が発生する。
<キャンセル時間経過まで、全台待機部41の機能をキャンセルする場合>
これに対して、第1実施形態に係る台数制御を実施した場合、図7に示すように、ボイラ群2が手動運転から自動運転に復帰した時点(t1)のヘッダ圧力値が、全台待機となる制限上限圧力値を超えているときは、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能をキャンセルする。
必要蒸気量算出部44は、現時点の必要蒸気量MVの初回(n=1)の算出処理において、(i)現時点の必要蒸気量MVとして、又は(ii)前回の必要蒸気量MVn−1として、前記切り換え時点又は前記初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値を設定する。その後、必要蒸気量算出部44は、前回必要蒸気量MVn−1に必要蒸気量変化分ΔMVを加算して、今回必要蒸気量MVを計算する。
そうすることで、ヘッダ圧力値が目標圧力値を大きく上回っていることから、積分制御の働きにより必要蒸気量(MV)を減少させる動作となるため、必要蒸気量算出部44は、今回必要蒸気量を、前記切り換え時点又は前記初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値から始めて、その値を減少させるように算出し、出力制御部45は、出力蒸気量を減少させるように動作する。
こうすることで、手動運転から自動運転に切り換わった直後の全台待機を回避することができ、自動運転復帰直後のヘッダ圧力の安定性を向上することができる。
その後、図7に示すように、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してからキャンセル時間Tを経過した時点(t2)において、全台待機部41の機能のキャンセルを終了する。
ところが、図7に示すように、t2時点において、ヘッダ圧力値は依然として制御上限圧力値を超えている場合、全台待機部41は、即時に全台待機指示を出力する。
そうすることで、ボイラ群2は、全台待機となり、ヘッダ圧力が低下する。その後、ヘッダ圧力値が第1閾値を下回る時点(t3)において、ボイラに対して燃焼指示が出されるように動作する。
こうすることで、キャンセル時間経過後に、ヘッダ圧力値が依然として制御上限圧力値を超えている場合には、全台待機部41の機能が有効となることから、ヘッダ圧力を下降させることができる。
<キャンセル時間経過までに、ヘッダ圧力値が第1閾値を下回る場合>
第1実施形態に係る制御を実施した場合において、キャンセル時間経過までに、ヘッダ圧力値が第1閾値を下回る場合について、図8を参照して説明する。
図8に示すように、ボイラ群2が手動運転から自動運転に復帰した時点(t1)のヘッダ圧力値が、全台待機となる制限上限圧力値を超えていた場合、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能をキャンセルする。
必要蒸気量算出部44は、現時点の必要蒸気量MVの初回(n=1)の算出処理において、(i)現時点の必要蒸気量MVとして、又は(ii)前回の必要蒸気量MVn−1として、前記切り換え時点又は前記初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値を設定する。その後、必要蒸気量算出部44は、前回必要蒸気量MVn−1に必要蒸気量変化分ΔMVを加算して、今回必要蒸気量MVを計算する。
そうすることで、ヘッダ圧力値が目標圧力値を大きく上回っていることから、積分制御の働きにより必要蒸気量(MV)を減少させる動作となるため、必要蒸気量算出部44は、現時点の必要蒸気量MVを、前記切り換え時点又は前記初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値から始めて、その値を減少させるように算出され、出力制御部45は、出力蒸気量を減少させるように動作する。
こうすることで、手動運転から自動運転に切り換わった直後の全台待機を回避することができ、自動運転復帰直後のヘッダ圧力の安定性を向上することができる。
その後、図8に示すように、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してからキャンセル時間Tを経過する前に、ヘッダ圧力値が第1閾値を下回る時点(t2)において、全台待機部41の機能のキャンセルを終了する。
その後、図8に示すように、ヘッダ圧力値が目標圧力値を上回っていることから、積分制御の働きにより必要蒸気量(MV)を減少させる動作となるため、必要蒸気量算出部44は、現時点の必要蒸気量MVを、t2時点の燃焼しているすべてのボイラ20により出力されている出力蒸気量の合計値よりも減少させるように算出され、出力制御部45は、出力蒸気量を減少させるように動作することになる。
こうすることで、ヘッダ圧力を目標圧力に収束させて、圧力の安定性を向上することができる。
第1実施形態のボイラシステム1によれば、例えば、次の効果が奏される。
第1実施形態のボイラシステム1においては、ボイラ群2が手動運転から自動運転に復帰した場合、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能をキャンセルする。その際、必要蒸気量算出部44は、現時点の必要蒸気量MVの初回(n=1)の算出処理において、(i)現時点の必要蒸気量MVとして、又は(ii)前回の必要蒸気量MVn−1として、前記切り換え時点又は前記初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値を設定する。その後、必要蒸気量算出部44は、前回必要蒸気量MVn−1に必要蒸気量変化分ΔMVを加算して、今回必要蒸気量MVを計算する。
そのため、第1実施形態によれば、手動運転から自動運転に切り換わった直後の全台待機を回避することができ、自動運転復帰直後のヘッダ圧力の安定性を向上することができる。
第1実施形態のボイラシステム1においては、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第1時間の間、ヘッダ圧力値が上昇し続けていた場合、全台待機部41の機能のキャンセルを終了する。
そのため、第1実施形態によれば、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第1時間の間、ヘッダ圧力値が上昇し続けていた場合、全台待機とすることができ、ヘッダ圧力を速やかに減少させることができる。
第1実施形態のボイラシステム1においては、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間(キャンセル時間T)を経過した時点において、全台待機部41の機能のキャンセルを終了する。
そのため、第1実施形態によれば、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間経過後においても、ヘッダ圧力値が制御上限圧力値を超えていた場合、全台待機とすることができ、ヘッダ圧力を速やかに減少させることができる。
第1実施形態のボイラシステム1においては、全台待機機能制御部43は、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してからキャンセル時間Tを経過するまでに、ヘッダ圧力値が第1閾値(制御上限圧力値から制御上限圧力ディファレンシャルを減算した値)を下回る時点において、全台待機部41の機能のキャンセルを終了する。
そのため、第1実施形態によれば、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してからヘッダ圧力値を減少させることで、ヘッダ圧力を目標圧力に収束させて、圧力の安定性を向上することができる。
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した第1実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、第1実施形態では、複数のボイラ20を連続制御ボイラにより構成することとしているが、ボイラ20は連続制御ボイラに限らず、段階値制御ボイラにより構成することとしてもよい。なお、段階値制御ボイラとは、複数の段階的な燃焼位置を有し、燃焼を選択的にオン/オフしたり、炎の大きさを調整したりすること等により燃焼量を制御して、選択された燃焼位置に応じて燃焼量を段階的に増減可能なボイラである。一例として、複数のボイラ20を、燃焼停止位置、低燃焼位置及び高燃焼位置の3位置を有する3位置ボイラにより、構成することとしてもよい。もちろん、ボイラ20は、3位置に限らず、任意のN位置の燃焼位置を有することとしてもよい。
また、例えば、第1実施形態では、本発明を、5台のボイラ20からなるボイラ群2を備えるボイラシステムに適用したが、これに限らない。すなわち、本発明を、6台以上のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよく、また、2台のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよい。
また、第1実施形態のフローチャートでは、全台待機機能制御部43は、ステップST12において、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間を経過しているか否かを判定し、ステップST13において、ヘッダ圧力値が第1閾値を下回っているか否かを判定したが、この処理順番を入れ替えてもよい。すなわち、全台待機機能制御部43は、ステップST12において、ヘッダ圧力値が第1閾値を下回っているか否かを判定し、ステップST13において、全台待機部41の機能のキャンセルを開始してから第2時間を経過しているか否かを判定するようにしてもよい。
1 ボイラシステム
2 ボイラ群
3 台数制御装置
4 制御部
5 記憶部
6 蒸気ヘッダ(蒸気集合部)
7 蒸気圧センサ(蒸気圧測定手段)
18 蒸気使用設備(負荷機器)
20 ボイラ
41 全台待機部
42 制御対象切換部
43 全台待機機能制御部
44 必要蒸気量算出部
45 出力制御部

Claims (5)

  1. 燃焼率を変更して燃焼可能な複数のボイラからなり、負荷機器に蒸気を供給するボイラ群と、
    前記ボイラ群により生成された蒸気が集合する蒸気ヘッダと、
    前記蒸気ヘッダの内部の蒸気圧であるヘッダ圧力値を測定する蒸気圧測定手段と、
    前記蒸気圧測定手段により測定される前記ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値と一致するように、前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、
    を備えるボイラシステムであって、
    前記制御部は、
    前記目標圧力値より大きな値である制御上限圧力値を予め設定し、前記蒸気圧測定手段により測定される前記ヘッダ圧力値が前記制御上限圧力値を超える場合、燃焼しているすべての前記ボイラの燃焼を停止する全台待機部と、
    前記ボイラ群を前記制御部の制御対象外である手動運転状態から、前記制御部の制御に復旧し、自動運転状態に切り換える、制御対象切換部と、
    前記制御対象切換部により前記ボイラ群が前記手動運転状態から前記自動運転状態に切り換えられた場合、前記全台待機部の機能をキャンセルする全台待機機能制御部と、
    前記ヘッダ圧力値を前記目標圧力値に保つように、現時点の必要蒸気量MVを速度形PIアルゴリズム又は速度形PIDアルゴリズムにより算出する必要蒸気量算出部と、
    前記必要蒸気量算出部により算出された現時点の必要蒸気量MVを発生させるよう前記複数のボイラの燃焼状態を制御する出力制御部と、
    を備え、
    前記必要蒸気量算出部は、前記制御対象切換部により前記ボイラ群が前記手動運転状態から前記自動運転状態に切り換えられ、且つ当該切り換え時点における前記ヘッダ圧力値が前記制御上限圧力値を超えている場合、現時点の必要蒸気量MVの初回(n=1)の算出処理において、(i)現時点の必要蒸気量MVとして、又は(ii)前回の必要蒸気量MVn−1として、前記切り換え時点又は前記初回の算出処理の実行時点に燃焼しているすべての前記ボイラにより出力されている出力蒸気量の合計値を設定する、ボイラシステム。
  2. 前記全台待機機能制御部は、前記全台待機部の機能のキャンセルを開始してから予め設定された第1時間経過するまで、前記ヘッダ圧力値が上昇し続けている場合、前記全台待機部の機能のキャンセルを終了し、当該全台待機部の機能を有効にする、請求項1に記載のボイラシステム。
  3. 前記全台待機機能制御部は、前記全台待機部の機能のキャンセルを開始してから予め設定された第2時間を経過した場合、前記全台待機部の機能のキャンセルを終了し、前記全台待機部の機能を有効にする、請求項1又は請求項2に記載のボイラシステム。
  4. 前記制御部は、前記目標圧力値よりも大きく、前記制御上限圧力値より小さな値となる第1閾値を予め設定し、前記全台待機部は、その機能のキャンセルが終了されてその機能が有効になった場合に、前記蒸気圧測定手段により測定される前記ヘッダ圧力値が前記第1閾値以上であるときは、燃焼しているすべての前記ボイラの燃焼を停止する、請求項3に記載のボイラシステム。
  5. 前記全台待機機能制御部は、前記全台待機部の機能のキャンセルを開始してから前記第2時間を経過するまでに、前記ヘッダ圧力値が前記第1閾値を下回った場合、前記全台待機部の機能のキャンセルを終了し、当該全台待機部の機能を有効にする、請求項4に記載のボイラシステム。
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