JP7314715B2 - ボイラシステム - Google Patents
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Description
具体的には、ユーザが望む制御圧力帯域を予め上限値(以下、「比例分配設定圧力値」ともいう)と制御幅(以下「比例分配制御幅」ともいう)により設定し、当該制御圧力帯域を、台数制御を行う全てのボイラ(例えば、仮想ボイラ)毎に割り当てることで、複数のボイラの燃焼量の制御を行う、比例分配制御方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。
比例分配制御方式を適用することで、制御圧力帯域の最大設定圧力値から制御幅を減算して算出される圧力値を下限値(「制御圧力帯下限値」ともいう)としたとき、ヘッダ圧力値が上限値と下限値とにより規定される圧力制御帯域の範囲内に収まるように、ボイラ群の燃焼状態が制御される。
このため、低負荷時のハンチングを抑止するために、例えば、圧力制御帯域の幅(制御幅)を広げることでゲインを小さくする、及び/又は台数制御対象ボイラの台数を少なくすることが行われる。そうすることで、低負荷時においては、ボイラ1台あたりの制御幅を広く確保することができ、それにより圧力変動に対する燃焼量の増減が緩慢となり、ヘッダ圧力が安定するようにできる。なお、ゲインとは、圧力変化量に対する蒸気出力量の変化の割合を表す。すなわち、ゲインが大きい場合とは、所定の圧力変化量に対して大きな蒸気出力量の変化が生じる場合をいい、ゲインが小さい場合とは、所定の圧力変化量に対して小さな蒸気出力量の変化が生じる場合をいう。
また、台数制御対象ボイラの台数を少なくした場合、制御対象から外れた予備ボイラは燃焼しないため、仮に想定外の負荷増加が発生した場合、台数制御対象ボイラのみでは、必要な蒸気供給が賄えなくなるリスクが高まることが予想される。
このため、圧力変動幅に対する要求が厳しく、なおかつ設置ボイラ台数が多いユーザにおいては、依然として、圧力制御帯域の幅(制御幅)を小さくして、台数制御対象ボイラ数が多い状態で運用せざるを得ないケースが多い。
しかし、日によって負荷状況が異なる等、負荷変動の予測がつかない場合が多く、さらにオペレータの経験を必要とする等によりオペレータによるパターン切換え運用は困難である。
ボイラシステム1は、図1に示すように、複数(4台)の段階値制御ボイラ20を含むボイラ群2と、これら複数の段階値制御ボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダ6と、蒸気ヘッダ6の内部の圧力値(以下「ヘッダ圧力値」ともいう)を測定する蒸気圧センサ7と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する制御部4を有する台数制御装置3と、を備える。
ボイラ群2は、負荷機器としての蒸気使用設備18に供給する蒸気を発生する。
ボイラ本体21は、水管やバーナを備え、図示せぬ水源(給水タンク)から供給された缶水を水管内で加熱し、蒸気を生成する。
図2に示すように、本実施形態の段階値制御ボイラ20は、
1)燃焼停止位置(第1燃焼位置:0%)、
2)低燃焼位置L(第2燃焼位置:50%)、
3)高燃焼位置H(第3燃焼位置:100%(最大燃焼量))の段階的な燃焼位置を有する段階値制御ボイラ(以下、「3位置制御ボイラ」ともいう)である。
なお、段階値制御ボイラ20の高燃焼位置Hにおける燃焼状態(高燃焼状態)において出力される最大蒸気量を最大出力蒸気量ともいう。
ここで、段階値制御ボイラ20の最大出力蒸気量を2000kg/hとする場合、低燃焼位置Lにおける出力蒸気量は1000kg/hとなる。
図3は、本実施形態に係る各ボイラ20の燃焼状態(燃焼位置)と、標準圧力制御帯域における複数の圧力帯域と、の関係を示す図である。ここで、標準圧力制御帯域は、例えば、比例分配設定圧力値を0.80MPa、比例分配制御幅を0.10MPaとする。なお、標準圧力制御帯域における比例分配制御幅は、最小の幅として、後述する制御幅補正部43によりこれ以上狭くしないものとする。
本実施形態においては、図3に示すように、ボイラ20の燃焼状態(燃焼位置)は、ボイラを高燃焼位置で燃焼させる高燃焼状態にする場合を「H」、低燃焼位置で燃焼させる低燃焼状態にする場合を「L」、燃焼停止状態にする場合を「-」として示す。
図3に示すように、本実施形態では、標準圧力制御帯域は、a~hの8つの圧力帯域に区分される。そして、ボイラシステム1は、圧力帯域毎に、対応する各ボイラ20の燃焼状態(燃焼位置)を設定しておき、ヘッダ圧力値がどの圧力帯域に対応するかによって各ボイラ20の燃焼状態(燃焼位置)を決定する。ボイラ群2の燃焼状態(燃焼位置)は、8つの圧力帯域に対応して、8つ設定される。
具体的には、1号機の優先順位が最も高く、4号機の優先順位が最も低い場合、ヘッダ圧力値が圧力帯域h(0.70MPaから0.7125MPa)の場合、全てのボイラ20を高燃焼状態(H)とし、ヘッダ圧力値が圧力帯域g(0.7125MPaから0.725MPa)の場合、4号ボイラを低燃焼状態(L)に変更し、ヘッダ圧力値が圧力帯域f(0.725MPaから0.7375MPa)の場合、さらに3号ボイラを低燃焼状態(L)に変更し、ヘッダ圧力値が圧力帯域e(0.7375MPaから0.75MPa)の場合、さらに2号ボイラを低燃焼状態(L)に変更し、ヘッダ圧力値が圧力帯域d(0.75MPaから0.7625MPa)の場合、さらに1号ボイラを低燃焼状態(L)に変更し、ヘッダ圧力値が圧力帯域c(0.7625MPaから0.775MPa)の場合、4号ボイラを燃焼停止状態(-)に変更し、ヘッダ圧力値が圧力帯域b(0.775MPaから0.7875MPa)の場合、さらに3号ボイラを燃焼停止状態(-)に変更し、ヘッダ圧力値が圧力帯域a(0.7875MPaから0.80MPa)の場合、さらに2号ボイラを燃焼停止状態(-)に変更(すなわち、1号ボイラのみ低燃焼状態(L))となるように制御される。
例えば、図2に示すように、3位置制御ボイラは、低燃焼量ボイラ、(高燃焼量-低燃焼量)ボイラの2台の仮想ボイラからなるとすることができる。例えば、3位置制御ボイラを低燃焼位置で燃焼させる場合、低燃焼量ボイラに対して燃焼指示を行い、他方、(高燃焼量-低燃焼量)ボイラに対しては燃焼停止指示を行っていると制御上扱うことができる。
制御部4の構成については、後述する。
図4に示すように、記憶部5は、標準圧力制御帯域記憶部51と、基準圧力記憶部52と、を備えてもよい。標準圧力制御帯域記憶部51は、標準圧力制御帯域を記憶する。標準圧力制御帯域は、通常時(例えば、平均負荷が50%以上の場合)に用いる制御圧力帯域である。
また、基準圧力記憶部52は、後述する基準圧力設定部41により設定される基準圧力値を記憶するようにしてもよい。
このほか、記憶部5は、制御部4の制御により各段階値制御ボイラ20に対して行われた指示の内容、各段階値制御ボイラ20から受信した燃焼位置等の情報、及び優先順位の変更(ローテーション)に関する設定情報等を記憶する。
このため、図4に示すように、制御部4は、基準圧力設定部41と、負荷算出部42と、制御幅補正部43と、標準制御切換部44と、を含んで構成される。
基準圧力設定部41は、標準圧力制御帯域の範囲内に基準圧力値を設定する。ここで、基準圧力値とは、ヘッダ圧力値が基準圧力値となる場合の必要蒸気量が、後述する負荷算出部42により算出されるボイラ群2の平均負荷と合致するように、後述する制御幅補正部43により比例分配制御幅を補正して再構築するための指針となる圧力値である。
基準圧力設定部41は、例えばユーザから入力されるパラメータに基づいて標準圧力制御帯域の範囲内の任意の値を基準圧力値として設定するようにしてもよい。また、ボイラシステム起動時に、基準圧力設定部41により自動的に設定されるようにしてもよい。例えば、標準圧力制御帯域の中間値を基準圧力値としてデフォルト値として予め設定されてもよい。
基準圧力値を適用することで、ボイラ群2の平均負荷が低い場合には比例分配制御幅を広く補正することができ、平均負荷が高くなるにしたがって、比例分配制御幅を狭く補正することができる。
また、基準圧力値がボイラ群2の平均負荷に合致するように制御されることから、ヘッダ圧力値が、ユーザの許容する圧力下限を下回ることがないように、制御幅を適切に補正することができ、例えば、低負荷時の制御幅を過度に広げることがない。
なお、基準圧力値を標準圧力制御帯域の中間値よりも大きな値にしたときの補正時の制御幅は、基準圧力値を標準圧力制御帯域の中間値とした場合の補正時の制御幅よりも狭くなる。逆に、基準圧力値を標準圧力制御帯域の中間値よりも小さな値にしたときの制御幅は、基準圧力値を標準圧力制御帯域の中間値とした場合の制御幅よりも広くなる。
まず、任意の時点における、各ボイラ20の燃焼状態から算出される出力蒸気量の合計値であるボイラ群2の出力蒸気量を、当該時点におけるボイラ群2の蒸気負荷と定義する。具体的には、負荷算出部42は、任意の時点において、信号線16を介して各ボイラ20から受信した実際の燃焼位置に基づいて、各ボイラ20の出力蒸気量を算出することができる。そして、負荷算出部42は、各ボイラ20の出力蒸気量の合計値を算出することで、任意の時点における蒸気負荷を算出することができる。
負荷算出部42は、予め設定された所定期間を遡った時点(例えば、現在からX秒前)から現在までのボイラ群2の蒸気負荷を平滑化することで、ボイラ群2の平均負荷(以下「ボイラ群2の現在の平均負荷」ともいう)を算出する。
平滑化の例について説明する。
負荷算出部42は、現時点を満了点として予め設定された所定期間を遡った時点を起算点とする期間内における各ボイラ20の制御周期毎の出力蒸気量の合計値の平均値を前記ボイラ群の蒸気負荷とするようにしてもよい。具体的には、例えば負荷算出部42は、予め設定された所定期間を遡った時点(例えば、現在からX秒前)から現在までのボイラ群2の蒸気負荷を移動平均することで、ボイラ群2の現在の平均負荷としてもよい。こうすることで、ボイラ群2の蒸気負荷の現在の傾向を反映することができる。
負荷算出部42は、現時点を満了点として予め設定された所定期間を遡った時点を起算点とする期間内における、各ボイラ20の制御周期毎の出力蒸気量の合計値に時間に依存する重み付けを適用することで算出される重みづけされた値の平均値をボイラ群2の蒸気負荷とするようにしてもよい。具体的には、例えば負荷算出部42は、予め設定された所定期間を遡った時点(例えば、現在からX秒前)から現在までのボイラ群2の蒸気負荷について、それぞれの蒸気負荷に所定の重み係数を掛けた値の平均値を算出することで、ボイラ群2の現在の平均負荷としてもよい。ここで、重み係数は現時点に近い時点ほど、より大きな値になるようにしてもよい。こうすることで、平均負荷の算出にあたって、現在に近い蒸気負荷の値をより反映することができる。
制御幅補正部43は、ヘッダ圧力値が、基準圧力設定部41により設定された基準圧力値となる場合の必要蒸気量が、負荷算出部42により算出される平均負荷の値と合致するように、比例分配制御幅を補正する。
具体的には、負荷算出部42により算出された平均負荷の値が、ヘッダ圧力値を補正後の比例分配制御幅の基準圧力値に制御するための必要蒸気量と合致するように、比例分配制御幅を補正する。
なお、制御幅補正部43は、低負荷時の比例分配制御幅を補正するものとして、高負荷時に、通常時の標準圧力制御帯域の比例分配制御幅よりさらに狭める補正は行わないようにしてもよい。
図5Aから図5Eに、ボイラ群2の現在の平均負荷の値が、ヘッダ圧力値を補正後の比例分配制御幅の基準圧力値に制御するための必要蒸気量と合致する、補正後の比例分配制御幅を例示する。なお、図5Aから図5Eにおいて、左側に記載のボイラ20ほど優先順位が高いボイラとする。
最初に、図5Aは、ボイラシステム1の比例分配制御方式による台数制御を、標準圧力制御帯域を用いるケースを示す図である。図5Aに示すように、比例分配設定圧力は0.80MPa、比例分配制御幅0.10MPaとして、基準圧力値を標準圧力制御帯域の中間値0.75MPaとする。
この場合、ヘッダ圧力値が0.75MPaとなる場合の必要蒸気量は、4台のボイラ20がすべて低燃焼状態で燃焼する場合の出力蒸気量、すなわち4000kg/h(=1000kg/h×4)である。
したがって、ボイラシステム1の現在の平均負荷が4000kg/hの場合には、比例分配制御幅として、0.10MPaが適用され、ヘッダ圧力値が標準圧力制御帯域内に収まるように制御される。
なお、平均負荷が4000kg/hを超える場合においても、ボイラシステム1は、標準圧力制御帯域に基づいて制御することができる。
この場合、比例制御幅を0.14MPaに変更することで、図5Bに示すように、ヘッダ圧力値が補正後の圧力制御帯域内に収まるように制御されるとともに、実際に必要とするヘッダ圧力値(基準圧力値0.75MPa)を得ることができる。
この場合、比例制御幅を0.20MPaに変更することで、図5Cに示すように、ヘッダ圧力値が補正後の圧力制御帯域内に収まるように制御されるとともに、実際に必要とするヘッダ圧力値(基準圧力値0.75MPa)を得ることができる。
この場合、比例制御幅を0.40MPaに変更することで、図5Dに示すように、ヘッダ圧力値が補正後の圧力制御帯域内に収まるように制御されるとともに、実際に必要とするヘッダ圧力値(基準圧力値0.75MPa)を得ることができる。
このように、負荷算出部42により算出された現在の平均負荷(現在から所定時間過去に遡った所定時間内の傾向値)の値が、ヘッダ圧力値を補正後の比例分配制御幅の基準圧力値に制御するための必要蒸気量と合致するように、比例分配制御幅を補正することで、低負荷時の制御幅を過度に広げることなく、高負荷時に安定する圧力を所定範囲内に維持するとともに、かつ低負荷時の(ヘッダ圧力が下がり過ぎない)圧力安定性を向上させることができる。
このように、ユーザによる負荷状況に応じた複数の制御パターンの構築及び制御パターンの切り替え操作を不要とすることができ、1つの標準圧力制御帯域と基準圧力値と、を設定しておくだけで、低負荷状態~中負荷状態~高負荷状態のいずれにおいても、ヘッダ圧力を自動的に所定の制御圧力内に保持するとともに、基準圧力の近傍に安定化させることが可能となる。
例えば、基準圧力値を標準圧力制御帯域の中間値に設定した場合、現在の蒸気負荷が最大蒸気負荷の50%以上になると、自動的に標準圧力制御帯域が適用される。そして、現在の蒸気負荷が低負荷の場合にのみ、自動的に補正された比例分配制御幅が適用される。上述したように、低負荷になるほど、補正度合いが大きくなる。
制御幅補正部43による比例分配制御幅の補正は、ボイラシステム1が低負荷かつ負荷変動がさほど大きくない場合に有効であり、例えば低負荷状態において急激な負荷増加が発生する場合には適さない。
このため、標準制御切換部44は、例えばヘッダ圧力値が、補正後の圧力制御帯域内で安定的に推移しているとき(例えばヘッダ圧力が基準圧力の近傍で推移)に、急激な圧力低下が発生し、ヘッダ圧力値が標準圧力制御帯域の下限値(「制御圧力帯下限値」)を下回った場合、比例分配制御幅の補正処理を終了させて、標準圧力制御帯域による比例分配制御方式に切換える。そうすることで、さらなる圧力低下を抑止し、ヘッダ圧力を速やかに標準圧力制御帯域内に戻すことを優先する。
ここで、急激な圧力低下とは、予め設定された所定時間内にヘッダ圧力値が、例えば、標準圧力制御帯域の下限値(「制御圧力帯下限値」)を下回るようなケースを指す。
前述した実施例では、図5Cに示す補正後の比例分配制御幅を適用して比例分配制御を行っている場合に、急激な圧力低下が発生して、例えばヘッダ圧力値が、基準圧力値から標準圧力制御帯域の下限値(「制御圧力帯下限値」)である0.70MPaを下回った場合、標準制御切換部44は、圧力低下抑止を最優先とし、制御幅補正部43による補正制御を終了させ、標準圧力制御帯域を適用する通常制御に戻すことで、更なる圧力低下を抑止させることができる。
標準制御切換部44は、比例分配制御幅の補正処理を終了させて、標準圧力制御帯域による比例分配制御方式に切換えた後、ヘッダ圧力が標準圧力制御帯域内に戻った時点で、比例分配制御幅の補正処理を再開させてもよい。
以上、本発明のボイラシステム1の好ましい一実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
また、各段階値制御ボイラ20のボイラ容量、燃焼位置の段階数、及び各燃焼位置における燃焼率等が、各段階値制御ボイラ20のそれぞれで異なることとしてもよい。
(1)本実施形態のボイラシステム1は、ヘッダ圧力値が、予め設定された最大設定圧力値を上限値とし、予め設定された制御幅により規定される圧力制御帯域である標準圧力制御帯域の範囲内に収まるようにボイラ群2の燃焼状態を制御され、さらに、基準圧力設定部41により、標準圧力制御帯域の範囲内に基準圧力値が設定され、負荷算出部42により、ボイラ群2に含まれる各ボイラ20の出力蒸気量の合計値からボイラ群2の蒸気負荷を算出し、制御幅補正部43により、ヘッダ圧力値が基準圧力値となる場合の必要蒸気量が、負荷算出部42により算出される蒸気負荷と合致するように、最大設定圧力値を上限値とする制御幅を補正するように制御される。
これにより、本実施形態のボイラシステム1は、低負荷時の制御幅を過度に広げることなく、ヘッダ圧力値が、例えば許容下限圧力値を下回る事象が発生することを防止することができる。
また、従来のように、負荷状況に応じた制御パターンを予め構築しておき、オペレータによる制御パターンを切換える制御が不要となることから、ユーザの運用上の負担を軽減することができる。
これにより、基準圧力設定部41は、基準圧力値を容易に算出することができ、ユーザの運用上の負担を軽減することができる。
これにより、制御幅補正部43は、蒸気負荷の現在の傾向とみなすことができる所定期間内の出力蒸気量の平均値に基づいて、制御幅を変更するか否かを判断することができる。
そうすることで、所定時間内における蒸気負荷の値に基づいて、蒸気負荷の現在の傾向を算出する際に、現在に近い蒸気負荷の値をより反映することができ、制御幅補正部43は、現在の蒸気負荷の値をより反映した傾向に基づいて、制御幅を変更するか否かを判断することができる。
そうすることで、例えば、低負荷時に基準圧力(例えば、予め設定されている標準制御圧力制御帯域の中間値)で制御されている場合に、急激な負荷増加により、予め設定されている標準制御圧力制御帯域の下限値を下回った場合、制御幅補正部43による補正制御を終了させ、通常制御に戻すことで、更なる圧力低下を抑止させることができる。
2 ボイラ群
20 段階値制御ボイラ
3 台数制御装置
4 制御部
41 基準圧力設定部
42 負荷算出部
43 制御幅補正部
44 標準制御切換部
5 記憶部
51 標準圧力制御帯域記憶部
52 基準圧力記憶部
Claims (5)
- 複数のボイラからなるボイラ群と、
前記ボイラ群において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダと、
前記蒸気ヘッダの内部の圧力値であるヘッダ圧力値を測定する蒸気圧測定手段と、
前記蒸気圧測定手段により測定される前記ヘッダ圧力値が、予め設定された最大設定圧力値を上限値とし、予め設定された制御幅により規定される圧力制御帯域である標準圧力制御帯域の範囲内に収まるように前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、
を備えるボイラシステムであって、
前記制御部は、
前記標準圧力制御帯域の範囲内に基準圧力値を設定する基準圧力設定部と、
前記ボイラ群に含まれる各ボイラの出力蒸気量の合計値から、前記ボイラ群の蒸気負荷を算出する負荷算出部と、
ヘッダ圧力値が前記基準圧力値となる場合の必要蒸気量が、前記負荷算出部により算出される蒸気負荷と合致するように、前記最大設定圧力値を上限値とする制御幅を補正する制御幅補正部と、
を備えるボイラシステム。 - 前記基準圧力設定部は、前記標準圧力制御帯域の中間値を前記基準圧力値とする、請求項1に記載のボイラシステム。
- 前記負荷算出部は、現時点を満了点として予め設定された所定期間を遡った時点を起算点とする期間内における各ボイラの制御周期毎の出力蒸気量の合計値の平均値を前記ボイラ群の蒸気負荷とする、請求項1又は請求項2に記載のボイラシステム。
- 前記負荷算出部は、現時点を満了点として予め設定された所定期間を遡った時点を起算点とする期間内における、各ボイラの制御周期毎の出力蒸気量の合計値に時間に依存する重み付けを適用することで算出される重みづけされた値の平均値を前記ボイラ群の蒸気負荷とする、請求項3に記載のボイラシステム。
- 前記制御部は、さらに、
予め設定されている時間内に、ヘッダ圧力値が前記標準圧力制御帯域の下限値を下回った場合、前記標準圧力制御帯域による制御に切換える標準制御切換部を備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のボイラシステム。
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