JP5025207B2 - ボイラ燃料制御装置、構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法、構内単独運転移行時のボイラの燃料制御プログラム、及び構内単独運転移行時のボイラの燃料制御プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

ボイラ燃料制御装置、構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法、構内単独運転移行時のボイラの燃料制御プログラム、及び構内単独運転移行時のボイラの燃料制御プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、ボイラを備える火力発電設備の構内単独運転移行時の絞込むべきボイラの燃料流量又は熱量を算出し、ボイラの燃料制御を行うボイラ燃料制御装置、構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法、構内単独運転移行時のボイラの燃料制御プログラム、及び構内単独運転移行時のボイラの燃料制御プログラムを記録した記録媒体に関する。
製鉄所で発生する副生ガスを燃料とするボイラを備える火力発電設備は、電力会社の送電系統と接続し、製鉄所に電力を供給する。製鉄所内の設備のうち高炉の送風機などは、電力の供給が停止すると製鉄所全体に大きなダメージを与える。このため製鉄所の副生ガスを燃料として発電を行う共同火力あるいは自家発電設備等は、電力会社の送電系統との接続が断たれた場合でも、製鉄所の設備保全のために保安用の電源を供給することが求められる。図5に製鉄所で発生する副生ガスを燃料とする発電設備の電力系統図を示す。この発電設備1は、非保安系発電設備2と保安系発電設備3とに大別され、電力会社の送電系統4と接続し、製鉄所の非保安系負荷5及び保安系負荷6に電力を供給する。落雷、送電設備の異常などにより電力会社の送電系統4との接続が断たれると、遮断器7が開き、非保安系発電設備2が自動停止する。この結果、発電設備1は、保安系発電設備3が製鉄所の保安系負荷6のみと接続する運転となる。本発明では、この運転を構内単独運転と言う。
この構内単独運転に類似の運転に、発電所の送電系統に事故が発生した場合、発電所の所内動力だけを負荷として運転する所内単独運転、及び製鉄所等の産業用プラントに設置された発電設備が構内の負荷を担う単独運転がある(例えば特許文献1参照)。本発明の構内単独運転と所内単独運転とは、共に送電系統と切り離した発電設備の運転でありながら、移行後の負荷が予め想定されている所内単独運転と移行後の負荷を予め想定することのできない構内単独運転とでは、運転方法、制御方法は大きく異なる。また、特許文献1では所内単独運転は、所内負荷は発電機定格出力の5〜10%程度であり、また所内単独運転移行後のタービン出力も定格の10%程度と低い値であるから、所内単独運転移行時の負荷遮断は、通常の負荷遮断と変らないため、所内単独運転の移行は容易である。これに対して製鉄所等の産業用プラントに設置された発電設備が構内の負荷を担う単独運転は、単独運転移行後の負荷が高く単独運転への移行が容易ではないと指摘する。
また、通常運転から所内単独運転に移行するときの問題、及び通常運転から製鉄所等の産業用プラントに設置された発電設備が構内の負荷を担う単独運転へ移行するときの問題を解決する技術もいくつか提案されている。例えば、電気/油圧式ガバナ装置において、通常運転から所内単独運転へ移行するとき、負荷偏差発生から、速度偏差発生、検出までの時間遅れが生じ、さらに整定回転が上昇するとの問題が指摘され、これを解決するため、所内単独運転移行の信号で数秒間、蒸気タービンの負荷設定器の負荷設定値を実負荷とし、ガバナ弁開度のランバックを行うことでタービン速度上昇を防止する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
一方、通常運転から製鉄所等の産業用プラントに設置された発電設備が構内の負荷を担う単独運転へ移行するときの課題としては、単独運転時に周波数が大きく変動し、その後ガバナの制御により定格周波数に落ちつくが、その過程において周波数が低周波数側に過度に振れ、タービントリップに至り、単独運転への移行が失敗する可能性があるとし、これを解決するための技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、所内単独運転移行時のボイラの燃料調節方法については、ボイラの燃料調節弁開度制御装置に所内単独運転切替回路が備えられ、所内単独運転指令が発せられると所定の手順でボイラの燃料を絞り込む技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。
特開平10−61408号公報 特開平5−44403号公報 特開平10−288331号公報
図5に示す製鉄所で発生する副生ガスを燃料とするボイラを備える火力発電設備においては、保安系発電設備の発電機出力が保安系負荷よりも高く運用されているため、通常運転から構内単独運転に移行すると、タービンに流入する蒸気を手動操作又は自動操作で絞る。タービンに流入する蒸気を絞ると、ボイラ圧力が上昇するため、これを抑制するためボイラへ供給する燃料を絞る操作が必要となる。この燃料の絞込み操作は、運転員が、(1)警報装置等の警報により構内単独運転移行を確認し、(2)設備の状況把握、(3)構内使用電力の確認、(4)構内使用電力と同じ発電電力となるように燃料流量の調整を行うという順で操作を行っているため、燃料の絞込み操作には、数秒から数十秒の時間が必要となる。このためボイラの圧力が上昇し、安全弁が作動する場合もある。
特許文献3には、通常運転から所内単独運転へ移行したときのボイラの燃料制御方法が開示されているが、上記のように所内単独運転と構内単独運転とでは、共に送電系統と切り離した発電設備の運転でありながら、その内容、制御方法は大きく異なり、所内単独運転の運転、制御方法を構内単独運転にそのまま適用することはできない。また、構内単独運転移行時のボイラの燃料の調整方法については、上記特許文献1、2にも記載、示唆もされておらず、構内単独運転移行時に短時間にボイラの燃料を適正量に自動制御する方法の開発が待たれている。
本発明の目的は、構内単独運転移行時に制御すべきボイラの燃料流量又は熱量を短時間内に算出し、ボイラの燃料を適正量に自動制御可能とするボイラ燃料制御装置、構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法、構内単独運転移行時のボイラの燃料制御プログラム、及び構内単独運転移行時のボイラの燃料制御プログラムを記録した記録媒体を提供することである。
請求項1記載のボイラ燃料制御装置は、ボイラを備える火力発電設備と連係する送電系統が遮断され構内単独運転に移行したときの該ボイラの燃料を制御するボイラの燃料制御装置であって、
構内単独運転に移行した信号を受けると同時に発電機出力の値を記憶する第一記憶手段と、
構内単独運転に移行した信号を受け、該信号から予め定める極僅かな時間が経過したとき信号を出力する信号発生手段と、
該信号発生手段からの信号を受けると同時に発電機出力の値を記憶する第二記憶手段と、
該第一記憶手段が記憶する発電機出力の値から該第二記憶手段が記憶する発電機出力の値を減算し、発電機出力の絞込み量を算出する絞込み出力算出手段と、
該発電機出力の絞込み量に所定の換算係数を乗算し、絞込むべきボイラの燃料流量又は熱量を算出する絞込み燃料算出手段と、
を含むことを特徴とする。
請求項2記載のボイラ燃料制御装置は、さらに、前記第二記憶手段が記憶する発電機出力の値が発電機の最低出力以下であるときは、前記絞込み出力算出手段に前記第二記憶手段が記憶する発電機出力の値に換え、発電機の最低出力の値を出力する第一切替手段を含むことを特徴とする。
請求項3記載のボイラ燃料制御装置は、さらに、前記第一記憶手段が記憶する発電機出力の値が発電機の最低出力の値を超え、かつ前記絞込み出力算出手段が算出する発電機出力の絞込み量が、予め定める第二設定値以上であるときは、前記絞込み燃料算出手段に前記発電機出力の絞込み量に換え、発電機出力の絞込み量として該第二設定値を出力する第二切替手段を含むことを特徴とする。
請求項4記載のボイラ燃料制御装置は、さらに、前記第一記憶手段が記憶する発電機出力の値が発電機の最低出力以下、及び/又は前記絞込み出力算出手段が算出する発電機出力の絞込み量が、予め定める第三設定値以下であるときは、前記絞込み燃料算出手段に前記発電機出力の絞込み量に換え、発電機出力の絞込み量をゼロとして出力する第三切替手段を含むことを特徴とする。
請求項5記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法は、ボイラを備える火力発電設備と連係する送電系統が遮断され構内単独運転に移行したときの該ボイラの燃料制御方法であって、
構内単独運転に移行した信号を受けると同時に第一の発電機出力データを取得するステップと、
構内単独運転に移行した信号を受け、該信号から予め定める極僅かな時間が経過したとき第二の発電機出力データを取得するステップと、
該第一の発電機出力データから該第二の発電機出力データを減算し発電機出力の絞込み量を算出するステップと、
該発電機出力の絞込み量から絞込むべきボイラの燃料流量又は熱量を算出するステップと、
を含むことを特徴とする。
請求項6記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法は、さらに、前記第二の発電機出力データの値が発電機の最低出力以下であるか否かを判断するステップと
前記第二の発電機出力データの値が発電機の最低出力以下であると判断すると、前記第二の発電機出力データの値に換え、発電機の最低出力の値を出力するステップと、を含み、
これらステップを前記発電機出力の絞込み量を算出するステップよりも前に行うことを特徴とする。
請求項7記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法は、さらに、前記第一の発電機出力データの値が発電機の最低出力以下であるか否かを判断するステップと、
前記発電機出力の絞込み量が予め定める第二設定値以上か否かを判断するステップと、
前記第一の発電機出力データの値が発電機の最低出力の値を超え、かつ前記発電機出力の絞込み量が第二設定値以上であると判断すると、前記発電機出力の絞込み量に換え、発電機出力の絞込み量として第二設定値を出力するステップと、を含み、
これらステップを前記ボイラの燃料流量又は熱量を算出するステップよりも前に行うことを特徴とする。
請求項8記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法は、さらに、前記第一の発電機出力データの値が発電機の最低出力以下であるか否かを判断するステップと、
前記発電機出力の絞込み量が予め定める第三設定値以下か否かを判断するステップと、を含み、
これらステップを前記ボイラの燃料流量又は熱量を算出するステップよりも前に行い、前記第一の発電機出力データの値が発電機の最低出力以下、及び/又は前記発電機出力の絞込み量が予め定める第三設定値以下であると判断すると、以降のステップを行うことなくボイラの燃料制御を終了することを特徴とする。
請求項9記載のプログラムは、コンピュータに構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法を実行させるための構内単独運転移行時のボイラの燃料制御プログラムである。
請求項10記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータに構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法を実行させるための構内単独運転移行時のボイラの燃料制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明のボイラ燃料制御装置は、構内単独運転移行時に発電機出力が極僅かな時間で構内使用電力(負荷)と同じ値になることに着目してなしたものであって、構内単独運転に移行した信号を受けると同時に発電機出力の値を記憶する第一記憶手段と、構内単独運転に移行した信号を受け、この信号から予め定める極僅かな時間が経過したとき信号を出力する信号発生手段と、信号発生手段からの信号を受けると同時に発電機出力の値を記憶する第二記憶手段と、第一記憶手段が記憶する発電機出力の値から第二記憶手段が記憶する発電機出力の値を減算し、発電機の絞込み出力を算出する絞込み出力算出手段と、絞込み出力に所定の換算係数を乗算し、絞込むべきボイラの燃料流量又は熱量を算出する絞込み燃料算出手段と、を含むので、本装置を用いて短時間のうちにボイラの絞込むべき燃料流量又は熱量を算出することが可能となる。これにより、短時間のうちにボイラの燃料を適正量に自動制御することが可能となる。
また本発明の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法は、構内単独運転移行時に発電機出力が極僅かな時間で構内使用電力(負荷)と同じ値になることに着目してなしたものであって、構内単独運転に移行した信号を受けると同時に取得した第一の発電機出力データから、構内単独運転に移行し予め定める極僅かな時間が経過したときの第二の発電機出力データを減算し、発電機の絞込み出力を算出し、この絞込み出力から絞込むべきボイラの燃料流量又は熱量を算出するので、本方法を用いて短時間のうちにボイラの絞込むべき燃料流量又は熱量を算出することが可能となる。これにより、短時間のうちにボイラの燃料を適正量に自動制御することが可能となる。
また本発明によれば、ボイラ燃料制御装置は、さらに、第二記憶手段が記憶する発電機出力の値が発電機の最低出力以下であるときは、絞込み出力算出手段に第二記憶手段が記憶する発電機出力の値に換え、発電機の最低出力の値を出力する。これにより、仮に構内単独運転移行後の構内使用電力が発電機の最低出力を下回ったとしても、発電機の最低出力が確保されるようにボイラの燃料が自動制御され、火力発電設備の運転を安定して継続させることができる。
また本発明によれば、さらに、構内単独運転に移行した信号を受けると同時に記憶した発電機出力の値が発電機出力の最低出力を超え、算出された発電機の絞込み出力が第二設定値以上であると判断すると、算出された発電機の絞込み出力に換え、発電機の絞込み出力として第二設定値を出力するので、第二設定値にボイラで適正に絞込み可能な最大値に対応する発電機出力の絞込み量を入力すれば、より適切にボイラの燃料制御を行うことができる。
また本発明のボイラ燃料制御装置は、さらに、構内単独運転に移行した信号を受けると同時に記憶した発電機出力の値が発電機出力の最低出力以下、及び/又は算出された発電機の絞込み出力が予め定める第三設定値以下であると判断すると、算出された発電機の絞込み出力に換え、発電機の絞込み出力をゼロとして出力するので、発電機出力に絞り代がないときや、算出された発電機の絞込み出力の値が小さいときは、本ボイラ燃料制御装置のボイラで絞込むべき燃料流量又は熱量指令はゼロとなる。これによりボイラは、通常の燃料制御を行うこととなり、燃料制御が容易となり、より適正にボイラの燃料制御を行うことができる。同様に、本発明の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法は、構内単独運転に移行した信号を受けると同時に記憶した発電機出力の値が発電機出力の最低出力以下、及び/又は算出された発電機の絞込み出力が予め定める第三設定値以下であると判断すると、ボイラで絞込むべき燃料流量又は熱量の算出を行わない。これによりボイラは、通常の燃料制御を行うこととなり、燃料制御が容易となり、より適正にボイラの燃料制御を行うことができる。
また、本発明は、コンピュータに本発明の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法を実行させるためのプログラムであるので、このプログラムをコンピュータに読み取らせて、構内単独運転移行時のボイラの燃料制御を行わせることができる。
また本発明は、構内単独運転移行時のボイラ燃料制御プログラムを記録した記録媒体であるので、記録媒体を介することによって、プログラムをコンピュータに供給することができる。
図1は、本発明の実施の一形態としてのボイラを備える火力発電設備の構内単独運転移行時のボイラの燃料を制御するボイラ燃料制御装置10の系統図である。また、図2は、通常運転から構内単独運転へ移行するときの発電機出力の経時変化を簡略化し模的に示す図である。ここでは、ボイラを備える火力発電設備として、図5に示した製鉄所で発生する副生ガスを燃料とする火力発電設備を例として説明する。ボイラ燃料制御装置10は、構内単独運転に移行したときの絞込むべき燃料流量又は熱量を算出し、ボイラの燃料を制御する。本ボイラ燃料制御装置10は、構内単独運転に移行すると、発電機出力は、極僅かな時間(1秒以内)で構内使用電力の値と同じになることに着目し、構内単独運転移行時(通常運転時)の発電機出力と構内単独運転移行後の発電機出力の差から絞込むべき発電機出力を算出し、これから絞込むべき燃料流量又は熱量を算出する点に特徴がある。
保安系発電機出力は、11と12の信号に分かれて各々アナログメモリ13、14に入力され信号15、16として出力される。アナログメモリ13、14は、信号40、43が入力されると、データを記憶するけれども、信号40、43が入力されないときは、データの記憶を行わない。このため、通常運転時においては、信号11、12、15、16は全て同じ値となる。信号15は、第一切替手段である選択器19に入力され、第一信号設定器17で設定される設定値18と比較され、選択器19は、大きい方の値を信号20として出力する。第一設定器17で設定する設定値18は、発電機出力の最低値である。ここで発電機出力の最低値とは、ボイラ、タービン及び発電機を含めた火力発電設備が安定して運転することができる最低の負荷を示す。またここでは、設定値18として80MWが入力される例を示しているが、この値は例示であり、この値に限定されないことは言うまでもない。
通常運転時においては、出力信号15は、発電機出力の最低値以上であるので、選択器19は、信号20の値として信号15の値を出力する。減算演算器21には、信号16及び信号20の値が入力され、減算演算器21は、信号16から信号20の値を減算し信号22を出力する。通常運転時においては、信号16及び信号20の値が同一のため、信号22の値はゼロとなる。
信号22は、第二切替手段である選択器23に送られ、さらに選択器23には、第二信号設定器24で設定される設定値25が入力され、選択器23は、信号22と設定値25とを比較し、値の小さい方を選択する。第二信号設定器24で設定する設定値25は、ボイラで適正に絞込み可能な最大値に対応する発電機出力の絞込み量を設定するためのものである。ここでは、設定値25として20MWが入力される例を示しているが、この値に限定されるものではない。選択器23は、通常運転時においては信号22の値がゼロのため、信号22の値を信号26として第三切替手段である信号切替器29に送る。
信号切替器29には、出力信号26のほか、第四信号設定器27で設定される設定値28が入力される。信号切替器29は、構内単独運転移行など所定の条件が揃ったときに出力される信号47が入力されると、信号26を絞り込むべき発電機出力として出力し、信号47が入力されないと設定値28を絞り込むべき発電機出力として出力する。第四信号設定器27で設定する設定値28は、発電機出力の最小の絞込み量でありゼロが設定される。つまり発電機出力の絞り込みを行う必要がないことを意味する。
通常運転時は、信号47が信号切替器29に入力されないので、信号切替器29は設定28を絞込むべき発電機出力として出力する。よって、通常運転時では、絞込むべき発電機出力がゼロとなり、絞込むべき燃料流量又は熱量も当然にゼロとなる。つまり通常運転時には、ボイラ燃料制御装置10は何らの燃料制御も行わない。よってボイラは、通常運転時の燃料制御方法に従って運転されることとなる。
構内単独運転に移行すると、構内単独運転移行の信号40、41がアナログメモリ14、タイマ42に瞬時に送られる。アナログメモリ14は、構内単独運転の信号を受けると同時に保安系発電機出力信号12を記憶する。一方、タイマ42は、所定の時間を経過した後、信号43をアナログメモリ13に出力する。アナログメモリ13は、信号43を受けると同時に保安系発電機出力信号11を記憶する。タイマ42で設定する所定の時間とは、構内単独運転信号が発せられてから、保安系発電機出力が構内使用電力と同じ値になるのに必要な時間(図2中Δθ)であり、通常この時間は、1秒以内の極短い時間である。
アナログメモリ14が記憶する保安系発電機出力信号12は、構内単独運転の信号を受けると同時に記憶されるので、通常運転時最後の保安系発電機出力(図2中A)と言える。一方アナログメモリ13が記憶する保安系発電機出力信号11は、構内単独運転移行後の保安系発電機出力(図2中B)と言える。アナログメモリ13、14は、各々信号40、43が出力されている間は、記憶したデータを出力する。このため、アナログメモリ14は、記憶する保安系発電機出力(図2中A)を信号16として減算演算器21に送り、アナログメモリ13は、記憶する保安系発電機出力(図2中B)を信号15として選択器19へ送る。選択器19は、設定値18と信号15とを比較し大きい方の値を信号20として減算演算器21に送る。減算演算器21は、信号16の値から信号20の値を減算し、発電機出力の絞込み量を算出し、この値を信号22として第二切替手段である選択器23に送る。
選択器23は、第二信号設定器24で設定、入力される設定値25と信号22とを比較し、値の小さい方を信号26として出力する。選択器23により、減算演算器21で算出された発電機出力の絞込み量が非常に大きな値であっても、発電機出力の絞込み量として一定の制限を加えることができる。これによりボイラに不都合を生じさせることなく、燃料の調節を行うことができる。第三切替手段である信号切替器29には、信号26が入力されるとともに、第四信号設定器27で設定される設定値28が入力される。信号切替器29は、構内単独運転移行など所定の条件が揃ったときに出力される信号47が入力されると、信号26を絞り込むべき発電機出力として出力し、信号47が入力されないときは、設定値28を絞り込むべき発電機出力として出力する。
ここで信号切替器29に入力される信号47は、次の条件が揃ったとき出力される。第一の条件として構内単独運転に移行した信号が入力されたこと。第二の条件として構内単独運転の信号を受けると同時に記憶した通常運転時最後の保安系発電機出力(図2中A)が発電機の最低出力を超えていること。これは、信号48の値と予め設定した発電機出力の最低値とを図示を省略した比較器で比較することで行う。通常運転時最後の保安系発電機出力(図2中A)が発電機の最低出力以下であれば、この状態は、上記のように発電設備を安定的に運転させることができない状態であり、これ以上ボイラの燃料の絞込み量を算出する必要がないことによる。第三の条件として減算演算器21で算出された発電機出力の絞込み量49が、所定の値(第三設定値)以上であること。これは、減算演算器21で算出された発電機出力の絞込み量49が小さい値の場合、通常のボイラの燃料制御方法で対処することができることによる。
第四信号設定器27が設定する設定値28は、ゼロが設定されるため上記3つの条件の全てが揃わないと、発電機出力の絞込み量はゼロとなり、結果として構内単独運転移行に伴うボイラの燃料制御は行われない。上記3つの条件の全てが揃えば、信号切替器29から出力される信号30が発電機出力の絞込み量として信号31となり、乗算器33で、信号31と燃料流量又は熱量の換算係数32とが乗算され、絞込むべき燃料流量又は熱量34が算出される。算出された絞込むべき燃料流量又は熱量の信号は、ボイラの燃料制御回路に送られ、ボイラの燃料制御が行われる。
次ぎに、上記構成からなるボイラ燃料制御装置10の制御要領を、数値を用いて具体的に説明する。なおここに示す数値は、ボイラ燃料制御装置10の制御要領を分りやすくするために用いたものであって、本発明がこれら数値に限定されないことは言うに及ばない。
ケース1:標準的なケース。
構内単独運転移行時の発電機出力(図2中A)を100MW、構内単独運転移行後の発電機出力(図2中B)を90MW、発電機出力の最低出力を80MW、信号46を出力する条件である発電機出力絞込み量の値(第三設定値)を5MWと仮定する。このケースの場合、選択器19は、アナログメモリ13からの信号15が90MWで、設定値18の80MWを超えるため信号20として90MWを出力する。よって、減算演算器21は、10MWを信号22として出力する。選択器23は、設定値25と比較して信号22の値が小さいため、10MWを信号26として出力する。今回の条件では、信号47が出力されるため、絞込むべき発電機出力は10MWとなる。
ケース2:構内単独運転移行前後の発電機の出力差が小さいケース。
構内単独運転移行時の発電機出力(図2中A)を100MW、構内単独運転移行後の発電機出力(図2中B)を97MW、発電機出力の最低出力を80MW、信号46を出力する条件である発電機出力絞込み量の値(第三設定値)を5MWと仮定する。このケースの場合、選択器19は、アナログメモリ13からの信号15が97MWで、設定値18の80MWを超えるため信号20として97MWを出力する。よって、減算演算器21は、3MWを信号22として出力する。選択器23は、設定値25と比較して信号22の値が小さいため、3MWを信号26として出力する。今回の条件では、信号49の値が信号46を出力する条件である発電機出力絞込み量の値5MWよりも小さいため、信号47が出力されない。よって選択器29は設定値28を出力し、絞込むべき発電機出力は0MWとなる。
ケース3:構内単独運転移行時及び構内単独運転以降後の発電機出力が発電機出力の最低出力を下回っているケース。
構内単独運転移行時の発電機出力(図2中A)を79MW、構内単独運転移行後の発電機出力(図2中B)を75MW、発電機出力の最低出力を80MW、信号46を出力する条件である発電機出力絞込み量の値(第三設定値)を5MWと仮定する。このケースの場合、選択器19は、アナログメモリ13からの信号15が75MWで、設定値18の80MWより小さいため信号20として80MWを出力する。よって、減算演算器21は、−1MWを信号22として出力する。選択器23は、設定値25と比較して信号22の値が小さいため、−1MWを信号26として出力する。今回の条件では、信号48の値が発電機の最低出力を下回っているため、信号47が出力されない。よって選択器29は設定値28を出力し、絞込むべき発電機出力は0MWとなる。
ケース4:構内単独運転移行前後で発電機出力の差が大きいケース。
構内単独運転移行時の発電機出力(図2中A)を110MW、構内単独運転移行後の発電機出力(図2中B)を85MW、発電機出力の最低出力を80MW、信号46を出力する条件である発電機出力絞込み量の値(第三設定値)を5MWと仮定する。このケースの場合、選択器19は、アナログメモリ13からの信号15が85MWで、設定値18の80MWを超えるため信号20として85MWを出力する。よって、減算演算器21は、25MWを信号22として出力する。選択器23は、設定値25と比較して信号22の値が大きいため、設定値25を信号26として出力する。今回の条件では、信号47が出力されるため、絞込むべき発電機出力は20MWとなる。
ケース5:構内単独運転移行前後の発電機の出力差が大きく、構内単独運転移行後の発電機出力が発電機出力の最低値を下回るケース。
構内単独運転移行時の発電機出力(図2中A)を110MW、構内単独運転移行後の発電機出力(図2中B)を75MW、発電機出力の最低出力を80MW、信号46を出力する条件である発電機出力絞込み量の値(第三設定値)を5MWと仮定する。このケースの場合、選択器19は、アナログメモリ13からの信号15が75MWで、設定値18の80MWを下回るため信号20として80MWを出力する。よって、減算演算器21は、30MWを信号22として出力する。選択器23は、設定値25と比較して信号22の値が大きいため、設定値25を信号26として出力する。今回の条件では、信号47が出力されるため、絞込むべき発電機出力は20MWとなる。
ケース6:構内単独運転移行前後の発電機の出力差が小さく、構内単独運転移行後の発電機出力が発電機出力の最低値を下回るケース。
構内単独運転移行時の発電機出力(図2中A)を86MW、構内単独運転移行後の発電機出力(図2中B)を75MW、発電機出力の最低出力を80MW、信号46を出力する条件である発電機出力絞込み量の値(第三設定値)を5MWと仮定する。このケースの場合、選択器19は、アナログメモリ13からの信号15が75MWで、設定値18の80MWを下回るため信号20として80MWを出力する。よって、減算演算器21は、6MWを信号22として出力する。選択器23は、設定値25と比較して信号22の値が小さいため、6MWを信号26として出力する。今回の条件では、信号47が出力されるため、絞込むべき発電機出力は6MWとなる。今回のケースでは、構内単独運転移行後の構内使用電力が発電機出力の最低値を下回るけれども、発電機出力の最低出力が確保されるようにボイラの燃料が自動制御されるので、発電設備の運転を安定して継続させることができる。
以上のケース1から6の絞込むべき発電機出力を表1に記載した。
Figure 0005025207
図3は、本発明の他の実施形態としてのボイラを備える火力発電設備の構内単独運転移行時のボイラ燃料制御をコンピュータを用いて行うときの手順を示すフローチャートである。なお、図3に示すフローチャートのステップS1からS14までの判断の組合せや順序は、一例を示すだけであり変更してもよいことはもちろんである。図4は、本発明の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御に用いられるコンピュータ50の電気的構成を示すブロック図である。コンピュータ50の記憶部51には、予め構内単独運転移行時のボイラ燃料制御プログラムが記憶され、また入力部52を介して取込まれたデータは、記憶部51に記憶され、演算部53からの実行指令によって読み出される。演算部53で所定の演算を行い算出したデータは、出力部54を介してボイラの燃料制御回路に送り、ボイラの燃料制御を行う。
ステップS1では、構内単独運転移行前の運転(以下通常運転と記す)時の発電機出力データを入力部52を介して連続的に取込み、順次データを更新しながら新しく取込んだデータを記憶部51に記憶させる。通常運転時の発電機出力データを便宜上、第一発電機出力データとする。第一発電機出力データの取込み、記憶部51へのデータの保存は、構内単独運転移行の信号が入力されるまで行う。
構内単独運転移行の信号が入力されると(ステップS2)、第一発電機出力データの取込み、記憶部51へのデータの保存を終了し(ステップS3)、構内単独運転移行の信号が入力され所定の時間が経過するまで例えば1秒間、ステップS1と同様に、発電機出力データを連続的に取込み、順次データを更新しながら新しく取込んだ発電機出力データを記憶部51に記憶させる(ステップS4、ステップS5)。このデータを便宜上、第二発電機出力データとする。ここで所定の時間とは、通常運転から構内単独運転に移行したとき、発電機出力が構内使用電力(負荷)と同じ値となるまでの時間(図2中Δθ)を言う。この時間は、通常1秒以内の極僅かな時間である。
構内単独運転移行の信号が入力され所定の時間が経過すると、ステップS6において、第二発電機出力データの取込み、記憶部51へのデータの保存を終了する。これに引続き、ステップS6で取込み、記憶した第二発電機出力データが、発電機出力の最低値以下か否かの判断を行う(ステップS7)。ここで発電機出力が最低値にあるとは、ボイラ、タービン及び発電機を含めた火力発電設備が、安定して運転することができる負荷の一番少ない運転状態であることを示す。よって、発電機出力が最低出力を下回ると、火力発電設備を安定的に運転することができず、結果として火力発電設備を停止させることとなる。このため、ステップS7において、ステップS6で取込み、記憶した第二発電機出力データが、発電機出力の最低出力以下のときは、火力発電設備の停止を回避すべく、第二発電機出力データを発電機出力の最低値に置換する(ステップS8)。
ステップS7、ステップS8に引続き、発電機出力の絞込み量の算出を行う(ステップS9)。発電機出力の絞り込み量の算出は、第一発電機出力データから第二発電機出力データを減算することで行う。
次にステップS10で、構内単独運転移行時の発電機出力(図2中A)が発電機の最低出力以下であるか否か判断する。構内単独運転移行時の発電機出力が発電機の最低出力以下であると判断すると、以降の操作を終了する。この状態は、上記のように火力発電設備を安定的に運転させることができない状態であり、これ以上ボイラの燃料の絞込み量を算出する必要がないことによる。よって、ボイラの燃料制御は、通常運転時と同様の方法で行われる。一方、構内単独運転移行時の発電機出力が発電機の最低出力を越えていると判断すると、ステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が設定値3以下か否か判断する(ステップS11)。ステップS11で、ステップS9で算出した発電機の絞込み量が設定値3以下であると判断すると、以降の操作を終了する。
設定値3は、本実施形態のボイラの燃料制御方法を適用する必要があるか否かを判断するために導入する値である。ステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が小さい場合、つまり構内単独運転移行前後において、発電機出力に大きな変化がない場合は、通常運転時と同様のボイラ燃料制御方法で対処することができるため、算出された発電機出力の絞込み量が所定の値(設定値3)よりも小さい場合には、以降、本発明のボイラの燃料制御操作を終了する。
ステップS11で、ステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が設定値3よりも大きいと判断すると、発電機出力の絞込み量が設定値2以上か否か判断する(ステップS12)。この設定値2は、ステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が所定の値(設定値2)以上である場合に、発電機出力の絞込み量を所定の値とするために導入する値であり、ボイラで適正に絞込み可能な最大値に対応する発電機出力の絞込み量である。ステップS9で算出された発電機出力の絞込み量が非常に大きい場合に、この発電機出力の絞込み量をそのまま用いてボイラの燃料制御を行うと、ボイラの燃料流量の変化が急激となり、ボイラなどに不具合が生じるので、これを回避するために設定値2を用いて一定の制限を加える。
ステップS12で、ステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が設定値2以上であると判断すると、発電機の絞込み量を発電機出力の絞込み量の制限値である設定値2とし(ステップS13)、次のステップに進む。一方、ステップS12で、ステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が設定値2よりも小さいと判断すると、そのままステップS14に進む。よってステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が設定値2よりも小さいと判断されると、ステップS9で算出された発電機出力の絞込み量がステップS14で使用される。ステップS14では、発電機出力の絞込み量をボイラの燃料流量又は熱量に換算する。ボイラの燃料流量又は熱量の算出は、周知のボイラ燃料の発熱量と発電機の出力との関係から求める。算出したボイラ燃料流量又は熱量の値を出力部54を介して、ボイラの燃料制御回路へ送り、最大の変化率でボイラの燃料調整を行う。
上記図3のフローチャートでは、ステップS10で、構内単独運転移行時の発電機出力(図2中A)であるステップS3で取得、記憶した第一発電機出力データの値が発電機の最低出力以下であるか否か判断する例を示したけれども、この判断を図3に示す第一発電機出力データを取得、記憶するステップS3の次に行ってもよい。これにより第一発電機出力データの値が発電機の最低出力以下のときは、以降のステップを行う必要がないので、計算がより簡便化される。
以上のように本発明の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御を行う燃料制御装置、制御方法は、構内単独運転移行時に発電機出力が極僅かな時間で構内使用電力(負荷)と同じ値になることに着目し、構内単独運転移行前後の発電機出力の差から絞込むべき発電機出力を算出し、この絞込むべき発電機出力をボイラの燃料流量又は熱量に変換し、ボイラの燃料制御を行うので、構内単独運転移行後、短時間のうちにボイラの燃料流量を適正に制御することができる。また、本発明の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法は、構内単独運転移行時の絞込むべき燃料流量又は熱量をコンピュータを用いて算出し、この値をボイラの燃料制御回路へ送ることでボイラの燃料制御を行うので自動化することができる。さらに構内単独運転移行時の絞込むべき燃料流量又は熱量を算出するプログラムを記録媒体に記録することで、これをコンピュータに読取らせ実行させることができる。
本発明の実施の一形態としてのボイラを備える火力発電設備の構内単独運転移行時のボイラの燃料を制御するボイラ燃料制御装置10の系統図である。 通常運転から構内単独運転へ移行するときの発電機出力の経時変化を簡略化し模的に示す図である。 本発明の他の実施形態としてのボイラを備える火力発電設備の構内単独運転移行時のボイラ燃料制御をコンピュータ50を用いて行うときの手順を示すフローチャートである。 図3のボイラ燃料制御に用いられるコンピュータ50の電気的構成を示すブロック図である。 従来からある製鉄所で発生する副生ガスを燃料とする発電設備1の電力系統図である。
符号の説明
10 ボイラ燃料制御装置
13 アナログメモリ
14 アナログメモリ
19 選択器
21 減算演算器
23 選択器
24 第二信号設定器
29 信号切替器
33 乗算器
42 タイマ
50 コンピュータ
51 記憶部
52 入力部
53 演算部
54 出力部

Claims (10)

  1. ボイラを備える火力発電設備と連係する送電系統が遮断され構内単独運転に移行したときの該ボイラの燃料を制御するボイラの燃料制御装置であって、
    構内単独運転に移行した信号を受けると同時に発電機出力の値を記憶する第一記憶手段と、
    構内単独運転に移行した信号を受け、該信号から予め定める極僅かな時間が経過したとき信号を出力する信号発生手段と、
    該信号発生手段からの信号を受けると同時に発電機出力の値を記憶する第二記憶手段と、
    該第一記憶手段が記憶する発電機出力の値から該第二記憶手段が記憶する発電機出力の値を減算し、発電機出力の絞込み量を算出する絞込み出力算出手段と、
    該発電機出力の絞込み量に所定の換算係数を乗算し、絞込むべきボイラの燃料流量又は熱量を算出する絞込み燃料算出手段と、
    を含むことを特徴とするボイラ燃料制御装置。
  2. さらに、前記第二記憶手段が記憶する発電機出力の値が発電機の最低出力以下であるときは、前記絞込み出力算出手段に前記第二記憶手段が記憶する発電機出力の値に換え、発電機の最低出力の値を出力する第一切替手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のボイラ燃料制御装置。
  3. さらに、前記第一記憶手段が記憶する発電機出力の値が発電機の最低出力の値を超え、かつ前記絞込み出力算出手段が算出する発電機出力の絞込み量が、予め定める第二設定値以上であるときは、前記絞込み燃料算出手段に前記発電機出力の絞込み量に換え、発電機出力の絞込み量として該第二設定値を出力する第二切替手段を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のボイラ燃料制御装置。
  4. さらに、前記第一記憶手段が記憶する発電機出力の値が発電機の最低出力以下、及び/又は前記絞込み出力算出手段が算出する発電機出力の絞込み量が、予め定める第三設定値以下であるときは、前記絞込み燃料算出手段に前記発電機出力の絞込み量に換え、発電機出力の絞込み量をゼロとして出力する第三切替手段を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のボイラ燃料制御装置。
  5. ボイラを備える火力発電設備と連係する送電系統が遮断され構内単独運転に移行したときの該ボイラの燃料制御方法であって、
    構内単独運転に移行した信号を受けると同時に第一の発電機出力データを取得するステップと、
    構内単独運転に移行した信号を受け、該信号から予め定める極僅かな時間が経過したとき第二の発電機出力データを取得するステップと、
    該第一の発電機出力データから該第二の発電機出力データを減算し発電機出力の絞込み量を算出するステップと、
    該発電機出力の絞込み量から絞込むべきボイラの燃料流量又は熱量を算出するステップと、
    を含むことを特徴とする構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法。
  6. さらに、前記第二の発電機出力データの値が発電機の最低出力以下であるか否かを判断するステップと
    前記第二の発電機出力データの値が発電機の最低出力以下であると判断すると、前記第二の発電機出力データの値に換え、発電機の最低出力の値を出力するステップと、を含み、
    これらステップを前記発電機出力の絞込み量を算出するステップよりも前に行うことを特徴とする請求項5に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法。
  7. さらに、前記第一の発電機出力データの値が発電機の最低出力以下であるか否かを判断するステップと、
    前記発電機出力の絞込み量が予め定める第二設定値以上か否かを判断するステップと、
    前記第一の発電機出力データの値が発電機の最低出力の値を超え、かつ前記発電機出力の絞込み量が第二設定値以上であると判断すると、前記発電機出力の絞込み量に換え、発電機出力の絞込み量として第二設定値を出力するステップと、を含み、
    これらステップを前記ボイラの燃料流量又は熱量を算出するステップよりも前に行うことを特徴とする請求項5又は6に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法。
  8. さらに、前記第一の発電機出力データの値が発電機の最低出力以下であるか否かを判断するステップと、
    前記発電機出力の絞込み量が予め定める第三設定値以下か否かを判断するステップと、を含み、
    これらステップを前記ボイラの燃料流量又は熱量を算出するステップよりも前に行い、前記第一の発電機出力データの値が発電機の最低出力以下、及び/又は前記発電機出力の絞込み量が予め定める第三設定値以下であると判断すると、以降のステップを行うことなくボイラの燃料制御を終了することを特徴とする請求項5又は6に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法。
  9. コンピュータに請求項5から請求項8のいずれか1に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法を実行させるための構内単独運転移行時のボイラの燃料制御プログラム。
  10. コンピュータに請求項5から請求項8のいずれか1に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法を実行させるための構内単独運転移行時のボイラの燃料制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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