JP4931532B2 - 構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法、構内単独運転移行時のボイラの燃料調整プログラム、及び構内単独運転移行時のボイラの燃料調整プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法、構内単独運転移行時のボイラの燃料調整プログラム、及び構内単独運転移行時のボイラの燃料調整プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも二種以上の燃料を使用するボイラを備える火力発電設備の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法、構内単独運転移行時のボイラの燃料調整プログラム、及び構内単独運転移行時のボイラの燃料調整プログラムを記録した記録媒体に関する。
製鉄所で発生する副生ガスを燃料とするボイラを備える火力発電設備は、電力会社の送電系統と接続し、製鉄所に電力を供給する。製鉄所内の設備のうち高炉の送風機などは、電力の供給が停止すると製鉄所全体に大きなダメージを与える。このため製鉄所の副生ガスを燃料として発電を行う共同火力あるいは自家発電設備等は、電力会社の送電系統との接続が断たれた場合でも、製鉄所の設備保全のために保安用の電源を供給することが求められる。図5に製鉄所で発生する副生ガスを燃料とする発電設備の電力系統図を示す。この発電設備1は、非保安系発電設備2と保安系発電設備3とに大別され、電力会社の送電系統4と接続し、製鉄所の非保安系負荷5及び保安系負荷6に電力を供給する。落雷、送電設備の異常などにより電力会社の送電系統4との接続が断たれると、遮断器7が開き、非保安系発電設備2が自動停止する。この結果、発電設備1は、保安系発電設備3が製鉄所の保安系負荷6のみと接続する運転となる。本発明では、この運転を構内単独運転と言う。
この構内単独運転に類似の運転に、発電所の送電系統に事故が発生した場合、発電所の所内動力だけを負荷として運転する所内単独運転、及び製鉄所等の産業用プラントに設置された発電設備が構内の負荷を担う単独運転がある(例えば特許文献1参照)。本発明の構内単独運転と所内単独運転とは、共に送電系統と切り離した発電設備の運転でありながら、移行後の負荷が予め想定されている所内単独運転と移行後の負荷を予め想定することのできない構内単独運転とでは、運転方法、制御方法は大きく異なる。また、特許文献1では所内単独運転は、所内負荷は発電機定格出力の5〜10%程度であり、また所内単独運転移行後のタービン出力も定格の10%程度と低い値であるから、所内単独運転移行時の負荷遮断は、通常の負荷遮断と変らないため、所内単独運転の移行は容易である。これに対して製鉄所等の産業用プラントに設置された発電設備が構内の負荷を担う単独運転は、単独運転移行後の負荷が高く単独運転への移行が容易ではないと指摘する。
また、通常運転から所内単独運転に移行するときの問題、及び通常運転から製鉄所等の産業用プラントに設置された発電設備が構内の負荷を担う単独運転へ移行するときの問題を解決する技術もいくつか提案されている。例えば、電気/油圧式ガバナ装置において、通常運転から所内単独運転へ移行するとき、負荷偏差発生から、速度偏差発生、検出までの時間遅れが生じ、さらに整定回転が上昇するとの問題が指摘され、これを解決するため、所内単独運転移行の信号で数秒間、蒸気タービンの負荷設定器の負荷設定値を実負荷とし、ガバナ弁開度のランバックを行うことでタービン速度上昇を防止する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
一方、通常運転から製鉄所等の産業用プラントに設置された発電設備が構内の負荷を担う単独運転へ移行するときの課題としては、単独運転時に周波数が大きく変動し、その後ガバナの制御により定格周波数に落ちつくが、その過程において周波数が低周波数側に過度に振れ、タービントリップに至り、単独運転への移行が失敗する可能性があるとし、これを解決するための技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、所内単独運転移行時のボイラの燃料調節方法については、ボイラの燃料調節弁開度制御装置に所内単独運転切替回路が備えられ、所内単独運転指令が発せられると所定の手順でボイラの燃料を絞り込む技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。
特開平10−61408号公報 特開平5−44403号公報 特開平10−288331号公報
図5に示す製鉄所で発生する副生ガスを燃料とするボイラを備える火力発電設備においては、保安系発電設備の発電機出力が保安系負荷よりも高く運用されているため、通常運転から構内単独運転に移行すると、タービンに流入する蒸気を手動操作又は自動操作で絞る。タービンに流入する蒸気を絞ると、ボイラ圧力が上昇するため、これを抑制するためボイラへ供給する燃料を絞る操作が必要となる。この燃料の絞込み操作は、運転員が、(1)警報装置等の警報により構内単独運転移行を確認し、(2)設備の状況把握、(3)構内使用電力の確認、(4)構内使用電力と同じ発電電力となるように燃料流量の調整を行うと言う順で操作を行っているため、燃料の絞込み操作には、数秒から数十秒の時間が必要となる。このためボイラの圧力が上昇し、安全弁が作動する場合もある。
特許文献3には、通常運転から所内単独運転へ移行したときのボイラの燃料制御方法が開示されているが、上記のように所内単独運転と構内単独運転とでは、共に送電系統と切り離した発電設備の運転でありながら、その内容、制御方法は大きく異なり、所内単独運転の運転、制御方法を構内単独運転にそのまま適用することはできない。また、構内単独運転移行時のボイラの燃料の調整方法については、上記特許文献1、2にも記載、示唆もされておらず、構内単独運転移行時に短時間にボイラの燃料を適正量に自動制御する方法の開発が待たれている。
さらに次の課題もある。一般的に製鉄所構内で発生する副生ガスを燃料とする発電用ボイラでは、高炉ガス(Bガス)、コークス炉ガス(Cガス)、転炉ガス(Lガス)及びこれらを混合したミックスガス(Mガス)、さらに重油又は軽油などを燃焼させている。これら多種の燃料は、発熱量がそれぞれ異なり、また燃焼させる流量も製鉄所の副生ガスの発生量に応じて常に変動している。構内単独運転への移行は、予め計画されたものではないため、このような多種の燃料を燃焼させるボイラにあっては、構内単独運転に移行したときに制御すべき燃料の総熱量がわかっても、これら多種の燃料をどのように調整するかが問題となる。またこれら燃料の調整は短時間のうちに行う必要がある。
本発明の目的は、少なくとも二種以上の燃料を使用するボイラの構内単独運転移行時の燃料調整を自動的かつ短時間のうちに行うことが可能な構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法、構内単独運転移行時のボイラの燃料調整プログラム、及び構内単独運転移行時のボイラの燃料調整プログラムを記録した記録媒体を提供することである。
本発明は、少なくとも二種以上の燃料を使用するボイラを備える火力発電設備と連係する送電系統が遮断され構内単独運転に移行したときの該ボイラの燃料を調整するボイラの燃料調整方法であって、
予め燃料に順番を定め、
構内単独運転に移行した信号を受けると同時に第一の発電機出力データを取得するステップと、構内単独運転に移行した信号を受け、該信号から予め定める極僅かな時間が経過したとき第二の発電機出力データを取得するステップと、前記第一の発電機出力データから前記第二の発電機出力データを減算し発電機出力の絞込み量を算出するステップと、該発電機出力の絞込み量から絞込むべきボイラの燃料の総熱量を算出するステップとを用いて絞込むべきボイラの燃料の総熱量を算出し、
算出された絞込むべきボイラの燃料の総熱量と第一番目の燃料の実流量、発熱量とから、第一番目の燃料の目標流量を算出し、
算出した第一番目の燃料の目標流量で絞込むべきボイラの燃料の総熱量に達するときは、燃料の目標流量の算出を終了し、第一番目の燃料の目標流量をゼロとしても絞込むべきボイラの燃料の総熱量に達しないときは、第一番目の燃料の目標流量をゼロとし、不足分に基づき第二番目の燃料の目標流量を算出し、以降同様の方法で各燃料の目標流量を算出し、該ボイラの燃料を調整することを特徴とする構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法である。
請求項2記載の本発明は、前記構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法の前記絞込むべきボイラの燃料の総熱量の算出方法において、
前記第一の発電機出力データから前記第二の発電機出力データを減算し発電機出力の絞込み量を算出するステップと、該発電機出力の絞込み量から絞込むべきボイラの燃料の総熱量を算出するステップとの間に、算出した発電機出力の絞込み量が、ボイラで適正に絞込み可能な最大値に対応する発電機出力の絞込み量以上であると判断すると、発電機出力の絞込み量をボイラで適正に絞込み可能な最大値に対応する発電機出力の絞込み量とするステップを有することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、前記構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法において、前記の予め定める燃料の順番は、発熱量の大きいものから小さいものの順番であることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、前記構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法において、前記二種以上の燃料は、製鉄所から排出される副生ガスであることを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、前記構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法において、前記二種以上の燃料は、製鉄所から排出される副生ガス及び重油を含み、
前記の予め定める燃料の順番は、該重油の順番が最後であり、他の燃料は、発熱量の大きいものから小さいものの順番であることを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、前記構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法において、前記の予め定める燃料の順番は、単位発熱量当たりの燃料費が高いものから安いものの順番であることを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、コンピュータに請求項1から請求項6のいずれか1に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法を実行させるための構内単独運転移行時のボイラの燃料調整プログラムである。
請求項8記載の本発明は、コンピュータに請求項1から請求項6のいずれか1に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法を実行させるための構内単独運転移行時のボイラの燃料調整プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明の構内単独運転移行時のボイラの燃料制御方法は、少なくとも二種以上の燃料を使用するボイラを備える火力発電設備において、連係する送電系統が遮断され構内単独運転に移行しても、絞込むべき燃料の順番を予め定めているので、短時間のうちにボイラの燃料調整を行うことができる。また燃料の目標流量の算出方法が、明確かつ簡単であるので、燃料調整が容易である。これらにより、構内単独運転に移行時のボイラの燃料調整を自動化し短時間のうちに燃料調整を行うことができる。
また本発明によれば、絞込むべきボイラの燃料の総熱量の算出方法は、構内単独運転移行時に発電機出力が極わずかな時間で構内使用電力(負荷)と同じ値になることに着目し、これに基づいて算出するので、本方法を用いて短時間のうちにボイラの絞込むべき燃料の総熱量を算出することが可能となる。これにより少なくとも二種以上の燃料を使用するボイラを備える火力発電設備と連係する送電系統が遮断され構内単独運転に移行しても、構内単独運転移行時のボイラの燃料調整を自動的かつ短時間のうちに行うことができる。
さらに絞込むべきボイラの燃料の総熱量の最大値を適正に絞込み可能な最大値とすることで、ボイラの燃料調整を適正に行うことができる。
また本発明によれば、予め定める燃料の順番は、発熱量の大きいものから小さいものの順番であるので、構内単独運転移行時のボイラの燃料流量の変化が少なく、ボイラの燃料調整を短時間内に又容易に行うことができる。
また本発明によれば、二種以上の燃料は、製鉄所から排出される副生ガスであるので、製鉄所で発生する副生ガスを燃料とする発電設備に本発明の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法を使用することができる。
また本発明によれば、二種以上の燃料は、製鉄所から排出される副生ガス及び重油を含み、予め定める燃料の順番は、重油の順番が最後であり、他の燃料は、発熱量の大きいものから小さいものの順番であるので、燃料流量の変化が小さく、構内単独運転移行時のボイラの燃料調整をより安定的に行うことができる。
また本発明によれば、予め定める燃料の順番は、単位発熱量当たりの燃料費が高いものから安いものの順番であるので、運転コストを低減することができる。
また本発明は、コンピュータに本発明の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法を実行させるためのプログラムであるので、このプログラムをコンピュータに読み取らせて、構内単独運転移行時のボイラの燃料調整を行わせることができる。
また本発明は、構内単独運転移行時のボイラ燃料調整プログラムを記録した記録媒体であるので、記録媒体を介することによって、プログラムをコンピュータに供給することができる。
図1及び図2は、本発明の実施の一形態としての多種類の燃料を使用するボイラを備える火力発電設備の構内単独運転移行時のボイラ燃料調整手順を示すフローチャートである。図1及び図2に示すフローチャートのステップS1からS20までの判断の組合せや順序は、一例を示すだけであり変更してもよいことはもちろんである。図3は、本発明の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整に用いられるコンピュータ50の電気的構成を示すブロック図である。また図4は、通常運転から構内単独運転へ移行するときの発電機出力の経時変化を簡略化し模的に示す図である。ここでは、ボイラを備える火力発電設備として、図5に示した製鉄所で発生する副生ガスを燃料とする火力発電設備を例として説明する。
コンピュータ50を用いて本発明のボイラ燃料調整を行う場合は、以下に示す構内単独運転移行時のボイラ燃料調整手順をプログラム化し、これを記憶部51に予め記憶させ、入力部52を介して、発電機出力データ、ボイラの燃料流量などのデータを取込む。入力部52を介して取込んだデータを記憶部51に記憶させ、演算部53からの実行指令によって必要に応じて読出し、演算部53で所定の演算を行い、燃料の目標流量を算出する。算出した目標流量は、出力部54を介してボイラの燃料制御回路へ出力し、ボイラの燃料調整を行う。
本発明のボイラ燃料調整手順は、概略的には、構内単独運転移行時に発電機出力が極わずかな時間で構内使用電力(負荷)と同じ値になることに着目し、これに基づき発電機出力の絞込み量を算出し、この発電機出力の絞込み量から絞込むべきボイラの燃料の総熱量を算出し、この絞込むべきボイラの燃料の総熱量に対応する燃料流量を所定の要領で算出し、ボイラ燃料調整を行う。
ステップS1では、構内単独運転移行前の運転(以下通常運転と記す)時の発電機出力データを入力部52を介して連続的に取込み、順次データを更新しながら新しく取込んだデータを記憶部51に記憶させる。通常運転時の発電機出力データを便宜上、第一の発電機出力データ(第一発電機出力データ)とする。第一発電機出力データの取込み、記憶部51へのデータの保存は、構内単独運転移行の信号が入力されるまで行う。
構内単独運転移行の信号が入力されると(ステップS2)、第一発電機出力データの取込み、記憶部51へのデータの保存を終了し(ステップS3)、構内単独運転移行の信号が入力され所定の時間が経過するまで例えば1秒間、ステップS1と同様に、発電機出力データを連続的に取込み、順次データを更新しながら新しく取込んだ発電機出力データを記憶部51に記憶させる(ステップS4、ステップS5)。このデータを便宜上、第二の発電機出力データ(第二発電機出力データ)とする。ここで所定の時間とは、通常運転から構内単独運転に移行したとき、発電機出力が構内使用電力(負荷)と同じ値となるまでの時間(図4中Δθ)を言う。この時間は、通常1秒以内の極僅かな時間である。
構内単独運転移行の信号が入力され所定の時間が経過すると、ステップS6において、第二発電機出力データの取込み、記憶部51へのデータの保存を終了する。これに引続き、ステップS6で取込み、記憶した第二発電機出力データが、発電機出力の最低値以下か否かの判断を行う(ステップS7)。ここで発電機出力が最低値にあるとは、ボイラ、タービン及び発電機を含めた火力発電設備が、安定して運転することができる負荷の一番少ない運転状態であることを示す。よって、発電機出力が最低出力を下回ると、火力発電設備を安定的に運転することができず、結果として火力発電設備を停止させることとなる。このため、ステップS7において、ステップS6で取込み、記憶した第二発電機出力データが、発電機出力の最低出力以下のときは、火力発電設備の停止を回避すべく、第二発電機出力データを発電機出力の最低値に置換する(ステップS8)。
ステップS7、ステップS8に引続き、発電機出力の絞込み量の算出を行う(ステップS9)。発電機出力の絞り込み量の算出は、第一発電機出力データから第二発電機出力データを減算することで行う。
次にステップS10で、構内単独運転移行時の発電機出力(図4中A)が発電機の最低出力以下であるか否か判断する。構内単独運転移行時の発電機出力が発電機の最低出力以下であると判断すると、以降の操作を終了する。この状態は、上記のように火力発電設備を安定的に運転させることができない状態であり、これ以上ボイラの燃料の絞込み量を算出する必要がないことによる。よって、ボイラの燃料制御は、通常運転時と同様の方法で行われる。一方、構内単独運転移行時の発電機出力が発電機の最低出力を越えていると判断すると、ステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が設定値3以下か否か判断する(ステップS11)。ステップS11で、ステップS9で算出した発電機の絞込み量が設定値3以下であると判断すると、以降の操作を終了する。
設定値3は、本実施形態のボイラの燃料制御方法を適用する必要があるか否かを判断するために導入する値である。ステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が小さい場合、つまり構内単独運転移行前後において、発電機出力に大きな変化がない場合は、通常運転時と同様のボイラ燃料制御方法で対処することができるため、算出された発電機出力の絞込み量が所定の値(設定値3)よりも小さい場合には、以降、本発明のボイラの燃料制御操作を終了する。
ステップS11で、ステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が設定値3よりも大きいと判断すると、発電機出力の絞込み量が設定値2以上か否か判断する(ステップS12)。この設定値2は、ステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が所定の値(設定値2)以上である場合に、発電機出力の絞込み量を所定の値とするために導入する値であり、ボイラで適正に絞込み可能な最大値に対応する発電機出力の絞込み量である。ステップS9で算出された発電機出力の絞込み量が非常に大きい場合に、この発電機出力の絞込み量をそのまま用いてボイラの燃料制御を行うと、ボイラの燃料流量の変化が急激となり、ボイラなどに不具合が生じるので、これを回避するために設定値2を用いて一定の制限を加える。
ステップS12で、ステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が設定値2以上であると判断すると、発電機の絞込み量を発電機出力の絞込み量の制限値である設定値2とし(ステップS13)、次のステップに進む。一方、ステップS12で、ステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が設定値2よりも小さいと判断すると、そのままステップS14に進む。よってステップS9で算出した発電機出力の絞込み量が設定値2よりも小さいと判断されると、ステップS9で算出された発電機出力の絞込み量がステップS14で使用される。ステップS14では、発電機出力の絞込み量を絞込むべき燃料の総熱量に換算する。周知の通り、発電機の出力は、連結するタービンに供給される蒸気量と比例関係にあるため、ボイラ燃料と一定の相関関係が成立する。よって発電機出力の絞込み量に所定の換算係数を乗算することで、絞込むべき燃料の総熱量を算出することができる。
次に、燃料の順番を示すiを1とし(ステップS15)、ステップS16で第1番目の燃料(第一燃料)の目標流量を算出する。目標流量は次の要領で算出する。ステップS14で算出した絞込むべき燃料の総熱量を第一燃料の発熱量で除算し、絞込むべき第一燃料の流量を求める。その後、現在供給されている第一燃料の流量からこの絞込むべき第一燃料の流量を減算し、第一燃料の目標流量を算出する。次に算出された第一燃料の目標流量がゼロ以上か否か判断する(ステップS17)。
算出した第一燃料の目標流量がゼロ以上であれば、燃料の目標流量の算出を終了し、この値に基づきボイラの燃料調整を行う(ステップS20)。一方、算出した第一燃料の目標流量が負の値であれば、第一燃料の目標流量をゼロとし、さらに不足の絞込み燃料熱量を算出する(ステップS18)。不足の絞込み燃料熱量は、ステップS16で算出した第一燃料の目標流量の絶対値に第一燃料の発熱量を乗算することで算出する。ステップS16で算出した第一燃料の目標流量が負の値であることは、第一燃料の供給を全て停止しても絞込みに必要な熱量を確保できないことを意味する。このため、第二燃料の絞込み量を算出する必要が生じる。
第二燃料の絞込み量は、次の手順で行う。ステップS19でiを2とし第二燃料を選択した後、ステップS16に戻り、ここで第二燃料の目標流量を算出する。算出要領は、第一燃料の目標流量の算出方法と同じである。具体的には、ステップS18で算出した不足の絞込み燃料熱量を第二燃料の発熱量で除算し、絞込むべき第二燃料の流量を求める。その後、現在供給されている第二燃料の流量からこの絞込むべき第二燃料の流量を減算し、第二燃料の目標流量を算出する。第二燃料目標流量がゼロ以上と判断すると(ステップS17)、燃料の目標流量の算出を終了し、第一燃料の目標流量ゼロ、及び算出した第二燃料の目標流量の値に基づきボイラの燃料調整を行う(ステップS20)。一方ステップS17で、第二燃料の目標流量が負の値であれば、第三燃料以降の燃料の目標流量がゼロ以上となるまで、上記操作を行う。以上の操作により、多種類の燃料を使用するボイラを備える火力発電設備の構内単独運転移行時のボイラ燃料調整を行うことができる。
本発明は、多種類の燃料を使用するボイラを備える火力発電設備の構内単独運転移行時のボイラ燃料調整方法であるので、製鉄所から排出される副生ガスである高炉ガス、コークス炉ガス、転炉ガス、ミックスガスを燃料とするボイラを備える火力発電設備に適用することができる。さらにこれらガスに加え重油を燃料とするボイラの場合、重油を絞込みを行う燃料の順番の最後とすることで、構内単独運転移行時のボイラの燃料調整をより安定的に行うことができる。高炉ガス、コークス炉ガス、転炉ガス、ミックスガスの一般的な発熱量は、表1に示すように大きく異なる。
Figure 0004931532
このように多種類の燃料の発熱量が異なるときは、絞込みを行う燃料の順番を、発熱量の大きいものから小さいものの順番とすることで、ボイラの燃料流量の変化量を小さくすることが可能となり、ボイラの燃料調整を短時間に、又安定的に行うことができる。また、絞込みを行う燃料の順番を、単位発熱量当たりの燃料費が高いものから安いものの順番とすることで、運転コストを低減することができる。
なお、上記図1のフローチャートでは、ステップS10で、構内単独運転移行時の発電機出力(図4中A)であるステップS3で取得、記憶した第一発電機出力データの値が発電機の最低出力以下であるか否か判断する例を示したけれども、この判断を図1に示す第一発電機出力データを取得、記憶するステップS3の次に行ってもよい。これにより第一発電機出力データの値が発電機の最低出力以下のときは、以降のステップを行う必要がないので、計算がより簡便化される。
本発明の実施の一形態としての多種類の燃料を使用するボイラを備える火力発電設備の構内単独運転移行時のボイラ燃料調整手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の一形態としての多種類の燃料を使用するボイラを備える火力発電設備の構内単独運転移行時のボイラ燃料調整手順を示すフローチャートである。 本発明の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整に用いられるコンピュータ50の電気的構成を示すブロック図である。 通常運転から構内単独運転へ移行するときの発電機出力の経時変化を簡略化し模的に示す図である。 従来からある製鉄所で発生する副生ガスを燃料とする発電設備1の電力系統図である。
符号の説明
50 コンピュータ
51 記憶部
52 入力部
53 演算部
54 出力部

Claims (8)

  1. 少なくとも二種以上の燃料を使用するボイラを備える火力発電設備と連係する送電系統が遮断され構内単独運転に移行したときの該ボイラの燃料を調整するボイラの燃料調整方法であって、
    予め燃料に順番を定め、
    構内単独運転に移行した信号を受けると同時に第一の発電機出力データを取得するステップと、構内単独運転に移行した信号を受け、該信号から予め定める極僅かな時間が経過したとき第二の発電機出力データを取得するステップと、前記第一の発電機出力データから前記第二の発電機出力データを減算し発電機出力の絞込み量を算出するステップと、該発電機出力の絞込み量から絞込むべきボイラの燃料の総熱量を算出するステップとを用いて絞込むべきボイラの燃料の総熱量を算出し、
    算出された絞込むべきボイラの燃料の総熱量と第一番目の燃料の実流量、発熱量とから、第一番目の燃料の目標流量を算出し、
    算出した第一番目の燃料の目標流量で絞込むべきボイラの燃料の総熱量に達するときは、燃料の目標流量の算出を終了し、第一番目の燃料の目標流量をゼロとしても絞込むべきボイラの燃料の総熱量に達しないときは、第一番目の燃料の目標流量をゼロとし、不足分に基づき第二番目の燃料の目標流量を算出し、以降同様の方法で各燃料の目標流量を算出し、該ボイラの燃料を調整することを特徴とする構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法。
  2. 前記絞込むべきボイラの燃料の総熱量の算出方法において、
    前記第一の発電機出力データから前記第二の発電機出力データを減算し発電機出力の絞込み量を算出するステップと、該発電機出力の絞込み量から絞込むべきボイラの燃料の総熱量を算出するステップとの間に、算出した発電機出力の絞込み量が、ボイラで適正に絞込み可能な最大値に対応する発電機出力の絞込み量以上であると判断すると、発電機出力の絞込み量をボイラで適正に絞込み可能な最大値に対応する発電機出力の絞込み量とするステップを有することを特徴とする請求項1に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法。
  3. 前記の予め定める燃料の順番は、発熱量の大きいものから小さいものの順番であることを特徴とする請求項1又は2に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法。
  4. 前記二種以上の燃料は、製鉄所から排出される副生ガスであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法。
  5. 前記二種以上の燃料は、製鉄所から排出される副生ガス及び重油を含み、
    前記の予め定める燃料の順番は、該重油の順番が最後であり、他の燃料は、発熱量の大きいものから小さいものの順番であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法。
  6. 前記の予め定める燃料の順番は、単位発熱量当たりの燃料費が高いものから安いものの順番であることを特徴とする請求項1又は2に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法。
  7. コンピュータに請求項1から請求項6のいずれか1に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法を実行させるための構内単独運転移行時のボイラの燃料調整プログラム。
  8. コンピュータに請求項1から請求項6のいずれか1に記載の構内単独運転移行時のボイラの燃料調整方法を実行させるための構内単独運転移行時のボイラの燃料調整プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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