JP5970368B2 - ボイラ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明はボイラ制御装置に関する。
発電プラントに使用される燃料の中で、石炭は世界中に広く分布し、価格も安く、安定している。このため、今後も石炭火力発電は電力の安定供給に重要な役割を果たすことが期待されている。しかしながら、石炭火力は、LNGや石油などを燃料とする他方式の火力発電に比べて、発電量当たりの二酸化炭素の排出量が最も多い。このため、石炭火力プラントは、燃料消費量削減による発電コスト低減という経済面、及び、二酸化炭素排出量の削減という環境面の両観点から高効率化が求められている。
ボイラにおいて燃料消費量を削減するには、幾つかの方法がある。一つは、蒸気の高温化・高圧化などボイラ構造を改良することによる高効率化である。また、一つは、特に石炭ボイラの場合、燃焼制御の最適化により、未燃分を低減する方法である。ボイラの各個所に設置された空気用のポートから投入される空気の流量・流速を調整し、NOx・COなどの環境規制物質の排出量を抑えながら、石炭の燃焼率を向上させる。一方、制御によって燃料消費量を削減する別の方法としては、特に、負荷変化時において、燃料投入量を最適化することにより燃料消費量を抑える方法がある。
一般的なボイラでは、燃料流量に対する発電出力への応答は、遅れ時間が非常に大きくなる。これは、ボイラ内のチューブメタルの重量が非常に大きく、メタル温度の上昇に時間を要すること、また、出力上昇に応じて蒸気圧力も上昇させる変圧運転を行うので、負荷上昇時にはボイラの保有水量が増え、多くの熱量が必要になることによる。通常運転時においては、燃料流量は、蒸気温度の設定値偏差に対してフィードバック制御を行うことで制御する。これに対し、負荷上昇時には、フィードバック制御に加えて、前記した応答の遅れを補償するため、先行的に燃料を多く投入する制御を行う。この先行制御信号をBIR(Boiler Input Regulator、ボイラ入力加速信号)と呼び、特に、燃料流量に対するBIRを燃料BIRと呼ぶ。また、燃料BIRに応じて、給水流量や空気流量なども先行制御を行い、同様に給水BIR、空気BIRと呼ぶ。通常、これらのBIR信号の波形は、ボイラの試運転時において、試運転員が負荷上昇時の出力や温度の変動を見ながら、調整して決定している。したがって、負荷変化における負荷帯が同じであれば、つまり、500MWから750MWへの上昇、750MWから1000MWへの上昇など、負荷変化パターンが同じであれば、BIR信号の波形は同じになる。このとき、BIR信号の波形を決定する着眼点は、制御偏差が最小となるようにすることであり、温度や圧力変動を極力抑えた制御を実現するように調整されていた。
燃料BIRを調整する際の評価基準について、従来の信号変動の抑制に加えて、燃料消費量の最小化という観点からBIRの最適化を図ることが考えられる。つまり、燃料BIRを最適化することにより、過剰な燃料投入を抑えて、燃料消費量を低減する。この方法として、特開2003-295905に記載された制御方法が挙げられる。この制御方法では、試運転時に調整される燃料BIR信号に対して、蒸気温度などの制御偏差が許容値の範囲に収まり、かつ、燃料消費量が最小となるように、燃料BIR信号に対して補正値を乗じている。補正値の決定は、シミュレータにより求める方法もあるし、あるいは、実機で補正値を変えて得られた運転データにより求める方法もあると記載している。
特開2003−295905号公報
以上のように、特許文献1では燃料BIRに補正処理を加えることにより、燃料流量の削減を図っている。ただし、特許文献1では、シミュレーションデータまたは実機データを用いて、補正値をあらかじめ決定しておく必要がある。このため、シミュレーションデータを使用する場合は、シミュレーション誤差による影響を受ける。また、実機データを使用する場合は、補正値と燃料消費量の特性カーブを得るために、同じ負荷変化パターンで補正値を変えた幾つかの条件で実機を運転する必要がある。プラントによっては、このような試験的な運転ができない場合もある。また、ボイラの経年劣化によって、最適な補正値も変わっていくため、定期的に補正値を決めるための試験運転を行う必要がある。
さらに、前記した公知例では、燃料BIRの補正値は、調整によって更新した後は固定値である。負荷変化の間に補正値が逐次変化していく処理は想定していない。つまり、燃料BIR信号を補正して信号の波形を変えたとしても、補正前の波形に対して、燃料流量の方向に縮尺または拡大をした波形しか得られない。したがって、補正による燃料消費量の低減幅は、補正前の波形に大きく依存する。
そこで本発明は、燃料BIR信号の最適化が図られ、負荷変化時における燃料消費量を低減できると共に、蒸気温度の変動も抑制することができるボイラ制御装置を提供する。
上記課題を解決するために本発明のボイラ制御装置は、ボイラの負荷変化時に、ボイラの応答遅れを補償するために先行的に燃料を投入する燃料流量の先行制御信号を作成するボイラ制御装置において、ボイラでの計測値を基に、該先行制御信号を補正することを特徴とする。
本発明によれば、燃料BIR信号の最適化が図られ、負荷変化時における燃料消費量を低減できると共に、蒸気温度の変動も抑制することができる。
本発明の第一実施例であるボイラ制御装置の制御ロジック。 設定値計算器におけるボイラ出口ガス温度設定値の計算方法。 燃料BIR補正時の燃料BIRとボイラ出口ガス温度の例。 燃料BIR制御に関する支援システム画面。 本発明のボイラ制御装置を含むプラント全体の概略図。 本発明の第二実施例であるボイラ制御装置の制御ロジック。 本発明の第一実施例と第二実施例を組み合わせたときの制御ロジック。 本発明の第三実施例であるボイラ制御装置の制御ロジック。
本発明によるボイラ制御装置の構成について図面を参照して以下に説明する。
図5は、本発明の一実施例であるボイラ制御装置を含むプラント全体の概略図である。1がボイラ制御装置である。2が石炭火力プラントである。ただし、図に示す石炭火力プラントでは、ボイラのみを示し、蒸気タービン、発電機、給水加熱器などの他の機器は省略している。201がボイラ、202が石炭を粉砕するミルである。また、203は燃料流量を計測するセンサ、204は蒸気タービンに送る主蒸気温度を計測するセンサ、205はボイラ出口ガス温度を計測するセンサ、206はスートブロワの動作を計測するセンサである。また、3は運転員がプラントを監視制御するためのモニタである。
図1は、ボイラ制御装置に実装する制御ロジックを示す概略図である。ただし、この図では、燃料流量のデマンドを決定するロジックの主要部分のみを示している。図1に示す制御ロジックで示すように、燃料流量デマンドはBID信号(Boiler Input Demand、ボイラ入力指令)を基に決定する。最初に、BID信号の決定方法を説明する。
電力会社は、電力系統内の電力需要を監視し、各発電所へ発電量を指示する中央給電指令所を有している。中央給電指令所からプラントに届く負荷指令は発電出力の最終目標値である。これに対し、プラントの制御装置内で、発電機器の負荷変化率の制約を考慮しながら決定した発電量指令値をMWD(Mega Watt Demand)と呼ぶ。前記したように、ボイラは応答の遅れが大きい。ボイラの負荷変化率はガスタービンなどの応答の早い発電機器よりも低く抑えられて、発電量が緩やかに上昇するようなMWDが決定される。次に、MWDから前記したBIDを決定する。ボイラでは発電量を増加させる場合、ボイラ出口の主蒸気温度は一定となるよう制御し、これに対し、主蒸気の流量と圧力は増加させる。主蒸気流量は弁の開度によって調整する。主蒸気圧力はボイラへの給水を主蒸気よりも多くすることで増加させる。このため、給水の増加による必要熱量の増加を考慮し、MWDに対して圧力の制御偏差のPI制御(比例・積分制御)出力を加算した信号をBIDとする。
図1で示されているBID信号を入力として、関数発生器101では燃料流量のデマンド値を出力する。また、主蒸気温度の計測値を入力として、減算器102で制御偏差を求め、PI制御器103の入力とする。加算器104では、関数発生器101で出力した燃料流量デマンドに、PI制御器103の出力を加算し、主蒸気温度の制御偏差に応じた燃料流量デマンドの補正を行う。次に、加算器105で燃料BIRを加算し、最終的な燃料流量デマンドとなる。燃料BIRは負荷変化時のみに加算するものであり、一定負荷では0である。
加算器105で燃料流量デマンドに加算する燃料BIRは、あらかじめ調整された燃料BIRマスタ信号に対し、乗算器106において、燃料BIR補正器11が出力した補正値を乗じることにより求める。
次に、燃料BIR補正器11での処理を説明する。第一の実施例になる装置では、ボイラ出口ガス温度の計測値を用いて燃料BIRの補正値を求める。燃料BIR補正器11は、ボイラ出口ガス温度の計測値を取りこみ、減算器111で制御偏差を求める。このとき、ボイラ出口ガス温度の設定値は、設定値計算器112で求める。
図2に、設定値計算器112での処理の概要を示した。図2(a)で示すように、設定値計算器では、負荷指令値からMWDのトレンドを求める。次に、MWDに一次遅れ処理を行い、ボイラ出口ガス温度設定値のトレンド(規格化値)を求める。ここで、一次遅れの時定数はボイラの動特性を基にあらかじめ決めておく。次に、図2(b)で示すように、設定値のトレンドの開始温度が現在のボイラ出口ガス温度の計測値になるように、また、最終目標値が負荷とスートブロワに応じた直近のボイラ出口ガス温度の計測値になるように変換する。負荷によって排ガス温度は変わるのに加え、経年劣化によっても変わり、さらに、スートブロワによっても変わるためである。ボイラが経年劣化し、伝熱性能が劣化すると、排ガス温度は高くなる傾向にある。また、スートブロワとは、伝熱管に付着した灰を除去するため、蒸気を噴射する装置である。スートブロワの噴射直後は、伝熱性能が向上し、排ガス温度は低下する傾向にある。以上に述べた排ガス温度の変化特性を踏まえ、負荷とスートブロワに応じて、直近のボイラ出口ガス温度を図1に示す計測値DB(データベース)113から取りだす。計測値DB113では、発電出力、スートブロワからの経過時間、ボイラ出口ガス温度の計測値が格納されており、ボイラ出口ガス温度の変化傾向が把握できるようになっている。
以上の処理で求めたボイラ出口ガス温度の設定値と計測値との偏差は、PI制御器114に取り込まれ、ボイラ出口ガス温度の計測値が設定値に追従するような補正値を出力する。次いで、リミッター115で、PI制御器が出力した補正値に対して、上・下限の処理を行い、最終的な燃料BIR補正値となる。リミッターは、燃料BIRが過大あるいは過小になって、ボイラの運転を不安定にしないように調整する機能をもつ。このように燃料流量の先行制御信号であるBIRの補正値に上限または下限の少なくとも一方の処理を行うことにより、ボイラを安定に運転することができる。
図3に、燃料BIRに補正処理を行った例を示す。図3(a)は燃料BIR信号の補正の有無による信号波形の比較である。補正によって、燃料BIR信号は小さくなる方向に変わっている。つまり、補正値は100%より小さい値であることが分かる。また、(b)に補正の有無でのボイラ出口ガス温度を比較した。補正がない場合、ボイラ出口ガス温度はオーバーシュートしている。つまり、排ガス損失(排ガスによってボイラの系外に排出されるガス熱量による損失)が過大となっており、燃料消費量の増加をもたらす。これに対し、燃料BIRの補正を行うことで、ボイラ出口ガス温度のオーバーシュートは改善し、排ガス損失を減らすことができる。
図4に、燃料BIR制御に関する運転員の支援画面を示す。これは、前記の図5に示したモニタ3に表示される。301、302は燃料BIR補正処理の実行のON/OFFを制御するためのボタンである。これにより補正処理の動作のON/OFFを設定できる。303は予想される燃料削減量の推定値である。304は燃料流量のトレンドである。305は燃料BIRの補正の有無を比較したトレンドである。306はボイラ出口ガス温度の設定値と計測値を比較したトレンドである。307は主蒸気温度のトレンドである。これらの情報を提供することにより、燃料BIRの補正制御による効果や、プラントへの影響を把握することができる。
以上に示した本実施例の装置では、ボイラの負荷変化時に先行的に燃料を投入するための信号である燃料BIRに対し、ボイラ出口ガス温度の計測値を用いて補正処理を行うことで、燃料消費量を抑えた運転を行うことができる。これにより、発電コストが低減するので、経済的メリットが得られる。また、これまで、燃料BIRは試運転時に負荷変化時の温度変動を見ながら調整しており、熟練作業員の経験に依存する面があった。さらに、燃料BIRは試運転時に調整した波形を使用するため、経年劣化などでボイラの状態が変わった場合、その都度、再度調整する作業が必要になっていた。これに対し、本実施例の装置では、ボイラの計測値を基に、現在の状態に応じて最適になるように燃料BIRが自動的に補正される。このため、試運転における燃料BIRの調整作業の負担を減らすことができる。さらに、ボイラの計測値を基に、現在の状態に応じて最適化された燃料BIRを使用することによって、負荷変化時の蒸気温度の変動を低減でき、プラントの安全性と信頼性が向上できるメリットもある。
図6は、本発明の一実施例であるボイラ制御装置に実装する制御ロジックを示す概略図である。図1の実施例1における制御ロジックの中で、燃料BIR補正器11の処理のみが異なる。このため、本実施例を示す図6では、燃料BIR補正器のみを示している。
第一実施例ではボイラ出口ガス温度を基に、燃料BIRの補正処理を行っていた。これに対し、第二実施例ではボイラ出口ガスO2濃度を基に補正処理を行う。
図6に示す制御ロジックでは、減算器511によりボイラ出口ガスO2濃度の制御偏差を求める。ボイラ出口ガスO2濃度の制御設定値は設定値計算器512で求める。設定値の演算方法は、実施例1と同様である。負荷指令値からMWDを求め、これに一次遅れ処理を行う。次いで、計測値DB513に格納した負荷とボイラ出口ガスO2濃度のデータを用いて、負荷の最終目標値に応じて規格化する。
ボイラ出口ガスO2濃度の制御偏差はPI制御器514に取り込まれ、ボイラ出口ガスO2濃度の計算値が設定値に追従するような補正値を出力する。次いで、リミッター515で、PI制御器が出力した補正値に上・下限の処理を行い、最終的な燃料BIR補正信号とする。
以上が実施例2になる装置における燃料BIR補正器の処理内容である。これは、実施例1におけるボイラ出口ガス温度による燃料BIR補正器の代わりに用いてもよい。また、図7に示すように、ボイラ出口ガス温度による燃料BIR補正器11とボイラ出口ガスO2濃度による燃料BIR補正器51を連結して、両者で燃料BIRの補正処理を行ってもよい。
以上に示した本実施例になる装置では、ボイラ出口ガスのO2濃度を用いて燃料BIRの最適化を図っている。燃料が過剰な場合、O2濃度は低下傾向を示すので、この情報を用いて燃料BIRを補正することにより、燃料BIRの最適化処理が実現できる。また、O2濃度以外にも、CO濃度も燃料の過不足を示す指標となる。したがって、CO濃度で燃料BIRを補正する方法もある。この場合の装置の構成は、前記した図6で、O2濃度をCO濃度に置き換えればよい。
以上のように、ボイラ出口ガスから得られる計測情報として、温度に加えて、O2濃度、CO濃度などのガス組成を利用することにより、燃料BIRの補正処理の信頼性が向上する。
図8は、本発明の一実施例であるボイラ制御装置に実装する制御ロジックを示す概略図である。図1の実施例1における制御ロジックの中で、燃料BIR補正器11の処理のみが異なる。このため、本実施例を示す図8では、燃料BIR補正器のみを示している。
実施例1または実施例2ではボイラ出口ガスの情報を基に、燃料BIRの補正処理を行っていた。これに対し、本実施例ではボイラ収熱量を基に補正処理を行う。ただし、ボイラ収熱量を直接計測することはできない。蒸気の流量、温度、圧力から計算する。ボイラ収熱量は式(1)で計算する。
Q(kW)はボイラ収熱量である。また、Hはエンタルピー(kJ/kg)、Fは流量(kg/s)、Tは温度(℃)、Pは圧力(MPa)を表す。ここでfは温度、圧力からエンタルピーに換算する蒸気関数である。エンタルピーは計測できないので、温度、圧力の計測値から計算で求める。添え字は、MSが主蒸気(ボイラ出口)、SEPが気水分離器、FWがボイラ給水を表す。
図8に示す制御ロジックでは、ボイラ収熱量計算器416で、前記の式1を用いてボイラ収熱量を計算する。次いで、減算器411によりボイラ収熱量の制御偏差を求める。ボイラ収熱量の制御設定値は設定値計算器412で求める。設定値の演算方法は、実施例1と同様である。負荷指令値からMWDを求め、これに一次遅れ処理を行う。次いで、計測値DB413に格納した負荷とボイラ収熱量のデータを用いて、負荷の最終目標値に応じて規格化する。
ボイラ収熱量の制御偏差はPI制御器414に取り込まれ、ボイラ収熱量の計算値が設定値に追従するような補正値を出力する。次いで、リミッター415で、PI制御器が出力した補正値に上・下限の処理を行い、最終的な燃料BIR補正信号とする。
以上が実施例3になる装置における燃料BIR補正器の処理内容である。これは、実施例1におけるボイラ出口ガス温度による燃料BIR補正器の代わりに用いてもよい。また、実施例2で説明したように、ボイラ収熱量による燃料BIR補正器41を、実施例1や実施例2で示した他の補正器と連結して、複数の補正器で燃料BIRの補正処理を行ってもよい。
以上に示した本実施例になる装置では、実施例1や実施例2がガス側の情報を使用しているのに対し、蒸気側の情報を用いて燃料BIRの最適化を図っている。必要となる燃料流量はボイラ収熱量によって決まる。本実施例では、その情報を直接使用して燃料BIRの波形を補正しており、信頼性が向上できる。さらに、実施例1や実施例2のボイラ出口ガスと、本実施例のボイラ収熱量の両者を用いて、燃料BIRを補正することもでき、信頼性が向上できる。
各実施例の装置によれば、ボイラの計測値を用いて、燃料BIR信号の補正値を逐次計算し、燃料BIR信号を補正して、最終的な燃料BIR信号の波形を作成することができる。これにより、燃料BIR信号の最適化が図られ、負荷変化時における燃料消費量を低減できると共に、蒸気温度の変動も抑制することができる。また、負荷変化における制御性能が、試運転時に決定する燃料BIRのマスタ信号にあまり依存しない。これにより、燃料BIR信号の調整が試運転作業員の熟練度に頼ることがなくなり、作業員の負担を減らすことができる。また、ボイラの燃料としては、石炭のみではなく、ガスや石油でも同様の方法が適用できる。
各実施例では、ボイラの負荷変化時に、ボイラの応答遅れを補償するために先行的に燃料を投入する燃料流量の先行制御信号である燃料BIRを作成するボイラ制御装置において、ボイラでの計測値を基に、先行制御信号である燃料BIRを補正している。そうすることにより、燃料BIR信号の最適化が図られ、負荷変化時における燃料消費量を低減できると共に、蒸気温度の変動も抑制することができる。
燃料BIRは、より詳細に説明すると、計測値に対応する設定値を設け、設定値と計測値との偏差を用いて、燃料BIRの補正値を求め、燃料BIRのマスタ信号に補正値を乗じて作成されている。また各実施例中において計測値は、ボイラ出口ガスの温度、O2濃度、もしくはCO濃度、またはボイラ収熱量の何れかである。ボイラ収熱量は蒸気の温度、圧力、及び流量から計算することができる。
設定値は発電出力目標値である負荷指令値から、設定値計算器112により求められる。各実施例のボイラ制御装置は、計測値に加え、発電出力の計測値またはスートブロア履歴の少なくとも一方を格納するデータベースを備えている。設定値はこのデータベースに格納された計測値等のデータを用いて発電出力目標値である負荷指令値に対応するように計算される。
1 ボイラ制御装置
2 石炭火力プラント
3 モニタ
11 燃料BIR補正器
41 燃料BIR補正器
51 燃料BIR補正器
101 関数発生器
102 減算器
103 PI制御器
104 加算器
105 加算器
106 乗算器
107 乗算器
111 減算器
112 設定値計算器
113 計測値DB
114 PI制御器
115 リミッター
201 ボイラ
202 石炭を粉砕するミル
203 燃料流量を計測するセンサ
204 主蒸気温度を計測するセンサ
205 ボイラ出口ガス温度を計測するセンサ
206 スートブロワの動作を計測するセンサ
411 減算器
412 設定計算器
413 計測値DB
414 PI制御器
415 リミッター
416 ボイラ収熱量計算器
511 減算器
512 設定計算器
513 計測値DB
514 PI制御器
515 リミッター

Claims (6)

  1. ボイラの負荷変化時に、ボイラの応答遅れを補償するために先行的に燃料を投入する燃料流量の先行制御信号を作成するボイラ制御装置において、
    ボイラでの計測値に対応する設定値を設け、該設定値と該計測値との偏差を用いて、先行制御信号の補正値を求め、先行制御信号のマスタ信号に該補正値を乗じて該先行制御信号を作成し、該設定値は、負荷変化時における燃料消費量が、該先行制御信号を補正しない場合に比べて低くなるように逐次設定することを特徴とするボイラ制御装置。
  2. 請求項1に記載のボイラ制御装置において、
    該計測値はボイラ出口ガスの温度、O2濃度、もしくはCO濃度、またはボイラ収熱量の何れかであることを特徴とするボイラ制御装置。
  3. 請求項1又は2の何れかに記載のボイラ制御装置において、
    該設定値を発電出力目標値から作成することを特徴とするボイラ制御装置。
  4. 請求項1から3の何れかに記載のボイラ制御装置において、
    前記計測値と、発電出力の計測値またはスートブロワ履歴を格納するデータベースを備え、
    該設定値を、該データベースに格納されたデータを用いて発電出力目標値に対応するように計算することを特徴とするボイラ制御装置。
  5. 請求項2に記載のボイラ制御装置において、
    該ボイラ収熱量は蒸気の温度、圧力、及び流量から計算することを特徴とするボイラ制御装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れかに記載のボイラ制御装置において、
    該燃料流量の先行制御信号の補正値に上限または下限の少なくとも一方の処理を行うことを特徴とするボイラ制御装置。
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