JP6520317B2 - 高炉ガス焚き発電設備における高炉吹き抜け時の制御方法 - Google Patents

高炉ガス焚き発電設備における高炉吹き抜け時の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6520317B2
JP6520317B2 JP2015075092A JP2015075092A JP6520317B2 JP 6520317 B2 JP6520317 B2 JP 6520317B2 JP 2015075092 A JP2015075092 A JP 2015075092A JP 2015075092 A JP2015075092 A JP 2015075092A JP 6520317 B2 JP6520317 B2 JP 6520317B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blast furnace
steam
furnace gas
fuel
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015075092A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016194282A (ja
Inventor
純一 高村
純一 高村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2015075092A priority Critical patent/JP6520317B2/ja
Publication of JP2016194282A publication Critical patent/JP2016194282A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6520317B2 publication Critical patent/JP6520317B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、高炉から副生ガスとして得られる高炉ガスを燃料とする高炉ガス焚き発電設備において、高炉に吹き抜けが発生したときにおいても発電設備を安定的に運転継続させるための制御方法に関するものである。
従来から、製鉄所においては、高炉から副生ガスとして得られる高炉ガス(BFG)をボイラで燃焼させ、ボイラから発生する高温、高圧の蒸気を用いて蒸気タービン発電機により発電すること、またはガスタービン用燃焼器で高炉ガスを燃焼させ、発生する燃焼ガスを用いてガスタービン発電機により発電すること、すなわち高炉ガス焚き発電が行なわれている。
ところで高炉の操業中においては、いわゆる吹き抜けと称される現象が発生することがある。吹き抜けは、高炉内鉱石層の一部が流動化もしくはチャンネリングを起こして、大量のガスが、装入物と熱交換あるいは反応せずに、多量の顕熱とともに炉頂に達する現象である。このような吹き抜けが発生すると、高炉ガスのカロリー、即ちボイラで燃料として用いる際の発熱量が高くなる。そのため、ボイラに供給する燃料としての高炉ガスの流量が吹き抜けの前後で維持された場合、ボイラに供給される燃料の発熱量の総量が増大する。そうすると、ボイラの負荷が変動し、それに伴い火炉内圧力や、蒸気温度、蒸気圧力などのプロセス値が急激かつ大幅に変動する。その結果、いわゆるボイラトリップ状態に陥ってしまうことがある。そしてトリップ状態となれば、高炉ガス焚き発電設備からの電力及び蒸気の供給が停止するので、その場合の製鉄所内外に与える悪影響は多大となる。具体的には、製鉄所内の各工場への送電が停止することで、各工場の操業を停止せざるを得ない事態が生じたり、発電設備から製鉄所内の各工場への送気が停止することで、各所での操業に支障をきたしたりしてしまう。
上述のような観点から、高炉ガス焚き発電においては、高炉の吹き抜け時において、ボイラに供給される高炉ガスの発熱量が急激に増大することを防止して、吹き抜けによるボイラへの悪影響を最小限に抑えることが強く望まれる。
高炉の吹き抜け時において、ボイラに供給される高炉ガスの発熱量が急激に増大することを防止するための方法としては、既に特許文献1などにおいて提案されている。
特許文献1には、高炉ガスの温度から高炉ガス発熱量を推定し、さらに高炉ガス温度・圧力によって発熱量補正を行い、補正後の高炉ガス発熱量を基に、ボイラへ高炉ガスを導く流路に設けられた流量調節弁を制御して、ボイラへ供給する高炉ガスの熱量の変動を抑制する装置が提案されている。
特公平5−77926号公報
しかしながら、特許文献1のように、燃料流量を急激に変動させると、ボイラの火炉内圧力や、蒸気圧力などのプロセス値が急激かつ大幅に変動し、ボイラがトリップするおそれがある。したがって特許文献1の方法を実操業に適用しても、高炉の吹き抜け時においてボイラのトリップを確実かつ安定して防止することは困難であった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、高炉ガスを燃料として蒸気を発生する蒸気発生装置から発生する蒸気を用いた発電設備において、高炉の吹き抜け発生時の高炉ガスの発熱量の急激な増大に起因してトリップが発生してしまうことを、確実かつ安定して防止することを目的としている。
前記の目的を達成するための本発明は、高炉ガスを含む燃料を燃焼させて蒸気を発生させる蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置で発生した蒸気の熱エネルギーを回転エネルギーに変換する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転エネルギーを電力に変換する発電機と、を有する高炉ガス焚き発電設備における高炉吹き抜け時の制御方法であって、高炉吹き抜け時に、前記蒸気発生装置に供給する燃料流量を予め定められた所定の流量まで減少させると共に、前記蒸気発生装置から前記蒸気タービンに蒸気を供給する主蒸気管に設けられた、前記蒸気タービンに流入する蒸気量を制御するガバナ弁の制御対象を、前記発電機の出力から前記主蒸気管の圧力に切り替え、前記ガバナ弁による前記主蒸気管の圧力制御は、前記高炉吹き抜け前の前記主蒸気管の圧力を維持するように行われ、前記高炉吹き抜け時に減少させる、前記蒸気発生装置に供給する燃料流量は、前記蒸気発生装置に供給する燃料の総発熱量が、前記前記高炉吹き抜けの前後で変動しないように定められることを特徴としている。
本発明によれば、高炉吹き抜け時に、蒸気発生装置に供給する燃料流量を予め定められた所定の流量まで減少させると共に、ガバナ弁により主蒸気管の圧力が高炉吹き抜けの前後で変動しないように制御するので、高炉吹き抜けにより高炉ガスの発熱量が変動した場合であっても、蒸気発生装置への投入熱量の変動、及び主蒸気管の圧力変動を最小限に抑えることで、高炉ガス焚き発電設備を安定運転させ、当該発電設備の運転を継続させることができる。
前記蒸気発生装置はボイラであり、蒸気発生装置に供給する燃料は、前記高炉ガスを含む燃料ガス、または石炭若しくは油の少なくともいずれかと前記高炉ガスを含む燃料ガスを含むものであり、前記高炉吹き抜け時に、前記蒸気発生装置に供給する燃料流量が減少される燃料は、前記蒸気発生装置に供給する燃料が前記高炉ガスを含む燃料ガスである場合は、当該高炉ガスを含む燃料ガスであり、前記蒸気発生装置に供給する燃料が前記石炭または前記油の少なくともいずれかと前記高炉ガスを含む燃料ガスを含むものである場合は、前記石炭、前記油または前記高炉ガスを含む燃料ガスの少なくともいずれかであってもよい。
高炉ガスを燃料として蒸気を発生する蒸気発生装置から発生する蒸気を用いた発電設備において、高炉の吹き抜け発生時の高炉ガスの発熱量の急激な増大に起因してトリップが発生してしまうことを、確実かつ安定して防止することを目的としている。
本実施の形態に係る高炉焚き発電設備の構成の概要を示す系統図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる高炉ガス焚き発電設備1の構成の概要を示す系統図である。
高炉ガス焚き発電設備1は、蒸気発生装置としてのボイラ10と、ボイラ10に高炉ガスを含む燃料を供給する燃料供給設備11と、ボイラ10から発生した高温高圧の過熱蒸気である主蒸気の熱エネルギーを回転エネルギーに変換する蒸気タービン12と、蒸気タービン12の回転エネルギーを電力に変換する発電機13と、ボイラ10で発生した主蒸気を蒸気タービン12に導入する主蒸気管14と、蒸気タービン12で仕事をしてエンタルピが低下した蒸気を水に戻し復水として貯留する復水器15と、ボイラ10と復水器15とを接続する給水管16と、給水管16に設けられ、復水器15に貯留された復水をボイラ10に給水する給水ポンプ17と、を有している。なお、本実施の形態においては、ボイラ10は、例えば蒸発器としてのドラム(図示せず)を有する循環型ボイラであり、蒸気タービン12は、流入した蒸気の全量が復水器15により回収される場合について説明する。
燃料供給設備11は、ボイラ10に燃料として石炭を供給する石炭供給系統20と、燃料として高炉ガスを供給する高炉ガス供給系統21を有している。石炭供給系統20は、ボイラ10に投入する燃料としての石炭を貯蔵する石炭バンカ30と、石炭を粉砕して微粉化する微粉炭機31と、後述する制御装置100からの燃料投入指令に基づき、石炭バンカ30から微粉炭機31に石炭を投入する給炭機32を備えている。微粉炭機31で粉砕されて微粉化した石炭は、図示しない一次通風機から微粉炭機31に通風される一次燃焼用空気に随伴して微粉炭バーナ33に供給され、ボイラ10内で燃焼される。
高炉ガス供給系統21は、図示しない高炉の炉頂から排出された高炉ガスが流れる高炉ガス母管40から分岐点Pにおいて分岐された高炉ガス供給管41と、高炉ガス供給管41を流れる燃料ガスとしての高炉ガスをボイラ10内で燃焼させるガスバーナ42を有している。高炉ガス供給管41におけるガスバーナ42と分岐点Pとの間には、ガスバーナ42に供給する高炉ガスの流量を制御する流量調節弁43が設けられている。
高炉ガス供給管41における、流量調節弁43と分岐点Pとの間には、高炉ガス供給管41を流れる高炉ガスの状態量を検出するための状態量検出手段44が設けられている。状態量検出手段44は、高炉に吹き抜けが発生したことを検出するとともに、その吹き抜けの程度(高炉ガスの発熱量の増加の程度)を検出するためのものである。
状態量検出手段44は、高炉ガス供給管41を流れる高炉ガスの発熱量を測定する発熱量測定機構44aと、温度測定機構44b、圧力測定機構44c及び流量測定機構44dを有している。これら発熱量測定機構44a、温度測定機構44b、圧力測定機構44c及び流量測定機構44dにおける測定結果も、後述の制御装置100に伝送される。なお、状態量検出手段44は、高炉に吹き抜けが発生したことをより早く検出するために、高炉ガス母管40に極力近い位置(分岐点Pに極力近い位置)に配置することが好ましい。また、高炉吹き抜けが発生したことをより早く検出するという観点からは、例えば高炉ガス母管40に設けられた図示しない状態量検出手段により高炉ガスの状態を監視し、高炉吹き抜けが検出されたときに、その旨の信号を制御装置に入力するようにしてもよい。
主蒸気管14には、ボイラで発生した主蒸気の圧力を測定する蒸気圧力測定機構50と、蒸気タービン12に導入する主蒸気の流量を制御するガバナ弁51が設けられている。蒸気圧力測定機構50は制御装置100に電気的に接続されており、当該蒸気圧力測定機構50で検出された圧力は制御装置100に入力される。
次に、制御装置100について説明する。制御装置100は、状態量検出手段44で検出された高炉ガスの状態量を常時監視し、当該状態量に基づいて高炉の吹き抜けの有無を検出する。具体的には、状態量検出手段44の発熱量測定機構44aで測定された高炉ガスの発熱量(本実施の形態では標準状態における発熱量)が予め定めた閾値を超えたときに高炉に吹き抜けが発生したと判定する。なお、一般に発熱量測定機構44aでは、発熱量は標準状態(0℃、1気圧での状態)における値として測定される一方で、流量測定機構44dでは実際の高炉ガスの温度、圧力下における流量(実ガス流量)として測定される。そのため、制御装置100では、温度測定機構44b及び圧力測定機構44cの測定結果に基づいて、発熱量測定機構44aで測定された高炉ガスの発熱量を実ガスにおける発熱量に換算する。そして、換算後の発熱量及び必要燃料投入量に基づいてボイラ10に供給する高炉ガス実ガス流量を算出し、この算出された実ガス流量に基づいて流量調節弁43の開度を制御している。なお、流量測定機構44dで測定される流量は、厳密には実ガス流量ではなく、流量測定機構44dの設計圧力、温度における流量であるため、実際の高炉ガスの圧力、温度に基づいて流量補正された値が流量調節弁43などの制御に用いられる。
なお、高炉から排出される高炉ガスは、ベンチュリスクラバ(図示せず)等における水の散布によって水蒸気飽和の状態となっているのが通常であるので、ボイラ10供給する高炉ガスの流量算出の際には、温度測定機構44b及び圧力測定機構44cの測定結果に基づいて、水蒸気についての補正も同時に行われる。なお、例えば発熱量測定機構44aが、実ガス状態における発熱量を測定する機能を具備している場合は、温度測定機構44b及び圧力測定機構44cは必ずしも設ける必要はない。
そして、高炉において吹き抜けが発生したと判定されると、制御装置100では、吹き抜け発生後にボイラ10に投入される燃料の総発熱量が、吹き抜け発生前にボイラ10に投入されていた燃料の総発熱量から変化しないように、減少させるべき高炉ガスの流量を算出する。具体的には、例えば高炉吹き抜け前(通常時)に、高炉ガスが概ね発熱量800kcal/Nm、圧力4kPa、温度40℃で、30万Nm/hrの流量で供給されており、高炉吹き抜け後に、状態量検出手段44での高炉ガスの検出値が、概ね発熱量1200kcal/Nm、圧力6kPa、温度70℃に変化したとする。かかる場合、制御装置100では、高炉吹き抜けにより発熱量が概ね1.5倍となった高炉ガスの流量を、三分の二の20万Nm/hrに減少させるように計算が行われる。そして、制御装置100では、高炉ガスの供給量が20万Nm/hrとなるように、即ち、流量測定機構44dでの測定値が20万Nm/hrとなるように、流量調節弁43の開度が制御される。なおこの際、流量測定機構44dでの測定値は、既述の通り、温度測定機構44bや圧力測定機構44cの測定結果に基づいて適宜補正される。
また制御装置100では、燃料流量の設定値の変更と共に、蒸気タービン12の制御モードの切り替えが行われる。具体的には、高炉の吹き抜けが発生しておらず、高炉ガス焚き発電設備1が通常運転の状態にある場合は、制御装置100は、発電機13での電力量及び主蒸気管14の圧力を所定の値に一定制御する、いわゆるボイラタービン協調制御モードによる制御が行われている。このボイラタービン協調制御では、制御装置100により発電機13の出力が制御設定値と一致するようにガバナ弁51の開度が調整されると共に、主蒸気管14の圧力、即ち、蒸気圧力測定機構50での測定値が制御設定値と一致するようにボイラ10への燃料の供給量が制御される。そして、状態量検出手段44により高炉の吹き抜けが検出されると、制御装置100は、上述のように、ボイラ10への燃料供給量を減少させる。それと共に、蒸気圧力測定機構50での測定値が高炉吹き抜けの前後で変化しないように、ガバナ弁51により主蒸気圧力の制御を行う、いわゆるタービンフォローモード(前圧制御)へ制御モードを移行させる。これにより、ボイラ10から発生する蒸気量の変動を最小限に抑えると共に、主蒸気管14の圧力変動を最小限に抑える。
本実施の形態に係る高炉ガス焚き発電設備1には以上のように構成されている。次に、本実施の形態に係る高炉ガス焚き発電設備1において、高炉の吹き抜けが発生した場合の具体的な各機器の動作について説明する。
高炉の吹き抜けが生じていない通常時においては、発熱量測定機構44aで測定された高炉ガスの発熱量が制御装置100により常時監視されている。そして、高炉ガス供給管41を流れる高炉ガスの発熱量が予め定められた閾値を超えない場合は、換言すれば高炉の吹き抜けが生じていない場合は、高炉ガス焚き発電設備1の制御モードはボイラタービン協調モードとなっており、ガバナ弁51は発電機13の発電量を、流量調節弁43や給炭機32は主蒸気管14の圧力をそれぞれ制御設定値に維持するように動作している。この状態においては、高炉ガス母管40から高炉ガス供給管41に導かれた高炉ガスは、流量調節弁43により所定の流量がボイラ10のガスバーナ42へ連続的に供給される。
そして、制御装置100において監視されている高炉ガスの発熱量が、予め定められた閾値を超えた場合には、高炉吹き抜けが発生したと判定される。
高炉の吹き抜けが発生すると、制御装置100では、高炉吹き抜けの発生前後の高炉ガスの発熱量に基づいて、高炉吹き抜けの前後でボイラ10に投入される燃料の総発熱量が変化しないように、流量調節弁43を介してボイラ10に供給すべき高炉ガスの流量が算出され、当該算出された値が新たな制御設定値となる。そして、流量調節弁43は、この新たな制御設定値に基づいて開度が調節される。
また、高炉の吹き抜け発生時は、高炉ガスの供給量の設定値が変更されると共に、高炉ガス焚き発電設備1の制御モードが、ボイラタービン協調制御から、タービンフォローモードへと切り替えられる。これにより、ガバナ弁51による制御対象が、発電機13の出力から主蒸気の圧力、即ち主蒸気管14に設けられた蒸気圧力測定機構50の測定値となり、主蒸気管14内の圧力が、高炉吹き抜けの発生前後で変化しないように、ガバナ弁51の開度が制御される。
この際、状態量検出手段44が高炉ガス母管40からの分岐点Pに近い位置に設置されていると、状態量検出手段44での測定値に基づいて制御装置100で高炉の吹き抜けを検出してから、実際に発熱量が増加した高炉ガスがボイラ10に供給されるまで時間差が発生することが考えられる。かかる場合、ボイラ10に供給される燃料の総発熱量が一時的に減少し、ボイラ10から発生する蒸気量が一時的に減少し、主蒸気管14の圧力が低下することが考えられるが、ガバナ弁51がタービンフォローモード(前圧制御)に切り替えられ、例えば主蒸気管14の圧力が低下しないように、当該ガバナ弁51の開度が閉方向に調節される。そのため、ボイラ10における蒸気温度、蒸気圧力などのプロセス値が急激かつ大幅に変動することを抑制できる。
そして、高炉吹き抜けの結果、高炉ガス供給管41から供給される高炉ガスの発熱量が増加すると、最終的にボイラ10に供給される燃料の総発熱量は、高炉吹き抜けの前の値と同じとなる。その結果、制御モードがタービンフォローモードに切り替えられた状態の下でも、主蒸気管14の圧力、及び発電機13の出力が、高炉吹き抜け前と同じ状態となる。
そして、タービンフォローモードでの運転継続後、高炉の吹き抜けが収まると、高炉ガスの発熱量が徐々に低下していく。その状況下で、流量調節弁43の制御設定値を高炉吹き抜け後の状態で維持すると、ボイラ10に投入される燃料の総発熱量が徐々に低下していく。したがって、例えば制御装置100で高炉ガスの発熱量の低下が確認され、高炉の吹き抜けが収まったと判断された場合、制御装置100では流量調節弁43の制御設定値を徐々に上昇させ、最終的に、高炉吹き抜け前の状態まで戻す。そして、主蒸気管14の圧力や発電機13の出力が所望の値で静定した後は、制御装置100における制御モードがタービンフォローモードから再度ボイラタービン協調モードに移行して、引き続き運転が継続される。
以上の実施の形態によれば、高炉の吹き抜けが発生した際に、ボイラ10に供給する燃料流量を予め定められた所定の流量、即ち、高炉の吹き抜けの発生前後でボイラ10へ投入される燃料の総発熱量が変動しないように、高炉ガスの供給量を減少させると共に、ガバナ弁51により主蒸気管14の圧力が高炉吹き抜けの前後で変動しないように制御するので、高炉吹き抜けにより高炉ガスの発熱量が変動した場合であっても、ボイラ10への投入熱量の変動、及び主蒸気管14の圧力変動を最小限に抑えることができる。その結果、高炉ガスの発熱量の急激な増大に起因してトリップが発生してしまうことを、確実かつ安定して防止し、高炉ガス焚き発電設備1の運転を安定した状態で継続させることができる。
なお、以上の実施の形態では、高炉の吹き抜けの前後でボイラ10に投入される燃料の総発熱量が変動しないように、換言すれば、ボイラ10の負荷が変動しないように、燃料流量の制御設定値を変更したが、高炉の吹き抜けの後の燃料流量の制御設定値の決定の仕方は、本実施の形態の内容に限定されるものではない。換言すれば、高炉吹き抜け後のボイラ10の負荷を高炉吹き抜け前の負荷より低くすることを否定するものではなく、例えばボイラ10の負荷が80%超で100%以下の場合は、高炉吹き抜け時にボイラ負荷が一律に80%となるように制御してもよい。
また、以上の実施の形態では、高炉吹き抜け時に高炉ガスの流量を制御すべく、流量調節弁43の制御設定値を変更したが、ボイラ10に投入される燃料の総発熱量を維持するという観点からは、高炉ガス以外の燃料、例えば石炭の投入量を変化させるように、給炭機32の制御設定値を変化させるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、ボイラ10が高炉ガスと石炭の混焼ボイラである場合を例として説明したが、ボイラ10は例えば高炉ガスの専焼であってもよい。かかる場合、燃料供給設備11は高炉ガス供給系統21を有していれば足り、高炉ガスを含む燃料とは、高炉ガス供給系統21から供給される高炉ガスを意味する。また、ボイラ10は、高炉ガスと例えばコークス炉ガス(COG)やLNG、LPGといった他の燃料ガスとの混焼、あるいは例えば軽油、灯油、重油等の燃料油または石炭の少なくともいずれかと高炉ガスを含む燃料ガスとの混焼であってもよい。かかる場合、ボイラ10に供給される燃料の内の少なくともいずれかの制御設定値を変更するようにしてもよい。なお、ここでいう高炉ガスを含む燃料ガスとは、高炉ガスのみから構成される燃料ガスも含む。
以上の実施の形態では、蒸気発生装置はボイラ10であったが、蒸気発生装置としては、高炉ガスを燃料として用い且つ蒸気を発生することができるものであれば、例えば高炉ガスを燃料としてガスタービンを運転し、その排気ガスで蒸気を発生させる、いわゆるGTCC(ガスタービンコンバインドサイクル)設備であってもよい。かかる場合も、高炉の吹き抜けの際にガスタービンに供給する燃料流量を減少させ、排熱回収ボイラから発生する主蒸気の圧力を、蒸気タービン12のガバナ弁51で制御するようにしてもよい。
ことが好ましい。
なお、本発明の高炉吹き抜け時の制御方法は、高炉ガス焚き発電のための蒸気生成用ボイラに最適であるが、その他の用途の高炉ガス焚きボイラにも適用し得ることはもちろんである。
1 高炉ガス焚き発電設備
10 ボイラ
11 燃料供給設備
12 蒸気タービン
13 発電機
14 主蒸気管
15 復水器
20 石炭供給系統
21 高炉ガス供給系統21
30 石炭バンカ
31 微粉炭機
32 給炭機
40 高炉ガス母管
41 高炉ガス供給管
42 ガスバーナ
43 流量調節弁
44 状態量検出手段
44a 発熱量測定機構
44b 温度測定機構
44c 圧力測定機構
44d 流量測定機構
50 蒸気圧力測定機構
51 ガバナ弁
P 合流点

Claims (2)

  1. 高炉ガスを含む燃料を燃焼させて蒸気を発生させる蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置で発生した蒸気の熱エネルギーを回転エネルギーに変換する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転エネルギーを電力に変換する発電機と、を有する高炉ガス焚き発電設備における高炉吹き抜け時の制御方法であって、
    高炉吹き抜け時に、前記蒸気発生装置に供給する燃料流量を予め定められた所定の流量まで減少させると共に、前記蒸気発生装置から前記蒸気タービンに蒸気を供給する主蒸気管に設けられた、前記蒸気タービンに流入する蒸気量を制御するガバナ弁の制御対象を、前記発電機の出力から前記主蒸気管の圧力に切り替え、
    前記ガバナ弁による前記主蒸気管の圧力制御は、前記高炉吹き抜け前の前記主蒸気管の圧力を維持するように行われ、
    前記高炉吹き抜け時に減少させる、前記蒸気発生装置に供給する燃料流量は、前記蒸気発生装置に供給する燃料の総発熱量が、前記前記高炉吹き抜けの前後で変動しないように定められることを特徴とする、高炉ガス焚き発電設備における高炉吹き抜け時の制御方法。
  2. 前記蒸気発生装置はボイラであり、
    前記蒸気発生装置に供給する燃料は、前記高炉ガスを含む燃料ガス、または石炭若しくは油の少なくともいずれかと前記高炉ガスを含む燃料ガスを含むものであり、
    前記高炉吹き抜け時に、前記蒸気発生装置に供給する燃料流量が減少される燃料は、
    前記蒸気発生装置に供給する燃料が前記高炉ガスを含む燃料ガスである場合は、当該高炉ガスを含む燃料ガスであり、
    前記蒸気発生装置に供給する燃料が前記石炭または前記油の少なくともいずれかと前記高炉ガスを含む燃料ガスを含むものである場合は、前記石炭、前記油または前記高炉ガスを含む燃料ガスの少なくともいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の高炉ガス焚き発電設備における高炉吹き抜け時の制御方法。
JP2015075092A 2015-04-01 2015-04-01 高炉ガス焚き発電設備における高炉吹き抜け時の制御方法 Active JP6520317B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015075092A JP6520317B2 (ja) 2015-04-01 2015-04-01 高炉ガス焚き発電設備における高炉吹き抜け時の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015075092A JP6520317B2 (ja) 2015-04-01 2015-04-01 高炉ガス焚き発電設備における高炉吹き抜け時の制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016194282A JP2016194282A (ja) 2016-11-17
JP6520317B2 true JP6520317B2 (ja) 2019-05-29

Family

ID=57323556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015075092A Active JP6520317B2 (ja) 2015-04-01 2015-04-01 高炉ガス焚き発電設備における高炉吹き抜け時の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6520317B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110762506A (zh) * 2019-10-31 2020-02-07 大唐郓城发电有限公司 一种主汽温优化控制方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56136905U (ja) * 1980-03-17 1981-10-16
JPS5871501U (ja) * 1981-11-09 1983-05-14 三菱重工業株式会社 蒸気発生設備
JPS60223903A (ja) * 1984-04-20 1985-11-08 株式会社日立製作所 自家発電所の制御方法
JPS6370022A (ja) * 1986-09-11 1988-03-30 Hitachi Zosen Corp 高炉ガス焚ボイラにおける高炉ガス発熱量補正装置
JP2007248026A (ja) * 2006-03-20 2007-09-27 Jfe Steel Kk 高炉ガス焚発電設備の燃料制御方法および燃料制御装置
JP2011163294A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Chugoku Electric Power Co Inc:The 石炭ガス化ガス供給プラント
JP6051952B2 (ja) * 2013-03-04 2016-12-27 新日鐵住金株式会社 高炉ガス焚きボイラにおける燃料制御方法および燃料制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016194282A (ja) 2016-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6276647B2 (ja) 石炭焚ボイラおよびその運転制御方法
JP5970368B2 (ja) ボイラ制御装置
WO2012165601A1 (ja) 排熱回収ボイラおよび発電プラント
JP6605934B2 (ja) 石炭焚ボイラおよび低品位炭の乾燥方法
CN102235240A (zh) 作为用于高炉的热鼓风的燃气涡轮机排气
JP2007211705A (ja) ガス化複合発電システムにおける空気圧力制御装置
JP5665621B2 (ja) 排熱回収ボイラおよび発電プラント
JP5659973B2 (ja) 蒸気供給システム及びその制御方法並びに蒸気供給方法
JP2021501866A (ja) 流動層ボイラーを含む蒸気タービン発電所の負荷を低減して蒸気温度を維持するための方法及びシステム
JP6520317B2 (ja) 高炉ガス焚き発電設備における高炉吹き抜け時の制御方法
JP4979535B2 (ja) ボイラ装置
JP2007187352A (ja) ボイラの起動方法
JP6051952B2 (ja) 高炉ガス焚きボイラにおける燃料制御方法および燃料制御装置
JPH10281401A (ja) 石炭焚きボイラーの低負荷運転時におけるトリップ防止方法及び装置
JP5147763B2 (ja) ボイラ燃料切替え制御方法及びボイラ装置
CN110043893B (zh) 混燃锅炉煤气快速切除过程中的稳燃装置及控制方法
JP2008241048A (ja) ガス焚きボイラーの運転方法及び装置
JP2021021554A (ja) ボイラの制御装置、ボイラシステム、発電プラント、及びボイラの制御方法
JPH0988631A (ja) ガス燃料焚きガスタービン失火防止方法
JP5537475B2 (ja) 排熱回収ボイラおよび発電プラント
KR102040186B1 (ko) 부생가스 혼합장치 및 혼합방법
CN108398966A (zh) 一种吹灰系统压力监测装置及吹灰控制方法
JP2007285220A (ja) コンバインドサイクル発電設備
CN115371035A (zh) 超临界煤气锅炉稳定运行控制方法及系统
JP2022144706A (ja) ボイラ制御システム及び発電プラント、並びにボイラ制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190415

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6520317

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151