JP3797953B2 - 火力発電プラントの制御装置及び運転支援システム並びに運転支援サービス方法 - Google Patents

火力発電プラントの制御装置及び運転支援システム並びに運転支援サービス方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火力発電プラントの運転制御装置と運転支援システム並びに運転支援サービス方法に係り、特に先行的な制御の適用により制御偏差を小さくする方式の火力発電プラントの運転制御装置と運転支援システム並びに運転支援サービス方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、火力発電プラントは、原子力発電プラントとは異なり、電力系統の中で負荷変動分を調整する役割を担っており、従って、電力系統中の火力発電プラントに求められる重要な機能の一つに部分負荷運転に対する適応性がある。
【0003】
特に、最近は、電力系統に対して負荷変化率や負荷変化幅が大きい高度な運転性能が求められていることから、プラントの制御装置には、制御偏差を最小にすることに主眼がおかれている。
【0004】
ここで、このような制御偏差を最小にするための従来技術としては、例えば特開平9−274507号公報に開示の技術(以下、従来技術1と記す)があるが、この従来技術1は、プロセス量の将来挙動を予測して先行的に制御することにより制御偏差を小さくするものである。
【0005】
一方、環境問題の面からは、炭酸ガス発生量の削減が強く望まれるため、プラントの効率向上が至上命題で、このことは、エネルギー問題の面からも必要であり、更に電力自由化に伴い、発電事業者には一層のコスト競争力の強化が必要であることが背景にあることからも、発電コスト低減、すなわち発電効率の向上が必要である。
【0006】
そして、この発電コスト低減のための従来技術としては、特開平5―120256号公報(以下、従来技術2と記す)があるが、この従来技術2は、プラントの特性を区間的に凸関数で近似し、線形計画法により、制御偏差、操作量の変化量、発電コストなどからなる評価関数を最適化するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
まず、従来技術1は、先行的な制御の適用により制御偏差を小さくする方法については開示しているが、発電効率の向上と発電コストの削減については何も開示していない。
【0008】
次に、従来技術2は、線形計画法による最適化によって逐次、操作量を決定している。しかし、火力発電プラントは、運転状態よって制御特性が変化するという非線形性の強い制御特性をもち、このとき、時間の経過によっても制御特性が変化する。
【0009】
従って、従来技術2ではプラント特性の近似誤差が大きくなる場合があり、結果的に最適化によって求めた操作量では適切に制御できない場合があった。しかも最適化で求めた操作量で適切な制御が得られなかった場合、従来技術2では、プラントの運転が継続できなくなってしまう虞れがあった。
【0010】
本発明の第1の目的は、先行的な制御の適用のもとで、発電効率の向上と発電コストの削減が得られるようにした火力発電プラントの制御装置を提供することにあり、次に第2の目的は、同じく先行的な制御の適用のもとで、発電効率の向上と発電コストの削減が得られるようにした運転支援システムを提供することにあり、更に第3の目的は、同じく先行的な制御の適用のもとで、発電効率の向上と発電コストの削減が得られるようにした運転支援サービス方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的は、先行的な制御を適用して制御偏差を小さくする方式の火力発電プラントの制御装置において、前記火力発電プラントが負荷変化制御されているのか周波数制御されているのかの判定を、前記火力発電プラントの運転データ又は運転指令データの少なくとも一方の情報に基づいて行う状態判別手段と、前記火力発電プラントが負荷変化制御されているときのプロセス量に対する制御偏差と燃料消費量又は発電コストの関係に基づいて、前記制御偏差が所定の許容値の範囲内で、燃料消費量又は発電コストが最小となるように、前記先行的な制御のための先行制御指令値に対する補正値を決定する補正手段と、前記火力発電プラントが周波数制御されているときのプロセス量に対する制御偏差と燃料消費量又は発電コストの関係に基づいて、前記制御偏差が所定の許容値の範囲内で、燃料消費量又は発電コストが最小となるように、前記先行的な制御のための先行制御指令値に対する補正値を決定する制御パラメータ補正手段とが設けられていることにより達成される。
【0012】
次に、上記第2の目的は、火力発電プラントの運転支援システムにおいて、前記火力発電プラントの運転データと運転指令データ、制御指令データのうち少なくとも一つの情報を取込む運転情報入力手段と、該運転情報入力手段により取込まれた情報から前記火力発電プラントの運転状態が、周波数制御運転状態であるか負荷変化運転状態であるかを判定する状態判別手段と、負荷変化時の操作量に対する先行制御指令値と制御偏差及び燃料消費量又は発電コストとの関係に基づいて、制御偏差が所定の許容値の範囲内で、燃料消費量または発電コストが最小となるように先行制御指令値に対する補正値を決定する先行制御指令補正手段と、周波数制御運転時に、プロセス量に対する制御偏差を入力とする制御器の制御パラメータと制御偏差及び燃料消費量又は発電コストとの関係に基づいて、該制御偏差が所定の許容値の範囲内で、燃料消費量または発電コストが最小となるように制御パラメータに対する補正値を決定する制御パラメータ補正手段と、前記状態判別手段で判別した状態が負荷変化運転状態の場合には該先行制御指令補正手段により前記先行制御指令値に対する補正値を演算し、前記状態判別手段で判別した状態が前記周波数制御運転状態の場合には前記制御パラメータ補正手段により前記制御パラメータに対する補正値を演算し、先行制御指令値に対する補正値又は制御パラメータに対する補正値の演算結果を前記火力発電プラントの運転員に提示する演算結果出力手段とが設けられていることにより達成される。
【0013】
また、上記第3の目的は、火力発電プラントの運転支援システムを用い、発電事業者に負荷変化時の先行制御指令値の補正量又は周波数制御運転時の制御パラメータの補正量を提示し、それを用いて制御した場合の制御量に対する制御偏差と、燃料消費量または発電コストのうち少なくとも一方の運転結果データを入手し、該運転結果データに基づいて先行制御指令値の補正量または制御パラメータの補正量と制御偏差及び燃料消費量又は発電コストの制御性能対経済効果関係を導出し、前記発電事業者の所望する制御量に対する制御偏差の範囲内で該関係から求めた燃料消費量と発電コストを最小にする負荷変化時の先行制御指令値の補正量、周波数制御運転時の制御パラメータの補正量、現状運転に対する燃料消費量、発電コストの削減可能量の予想値、発電事業者が提示する燃料消費量、それに発電コストの削減量の目標値の何れかに対して、前記制御性能対経済効果関係から求めた該目標値を達成するための負荷変化時の先行制御指令値の補正量予想値と周波数制御運転時の制御パラメータの補正量予想値、それに制御量に対する制御偏差予想値の何れか前記発電事業者に提示する運転支援情報を提供し、前記発電事業者から該運転支援情報に対する対価を得るようにして達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による火力発電プラントの制御装置と運転支援システム及び運転支援サービス方法について、逐次、図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0015】
始めに、本発明が対象としている火力発電プラントの一例について、図2により説明すると、ここに示した火力発電プラント1は、大まかにいって、発電設備100と監視・制御用の運転制御装置300に大別される。
【0016】
そこで、まず、発電設備100について説明すると、ボイラ150では、火炉内に燃料と空気をバーナー160に供給して燃焼させ、火炉内に設けられている熱交換器152を加熱する。そして、給水ポンプ140により、この熱交換器152に循環されている供給水を蒸発させ、蒸気に変えた上で後段の熱交換器153と過熱器154で更に昇温過熱する。
【0017】
こうして過熱状態になった蒸気は、タービン加減弁121を介して高圧タービン130に導かれ、この高圧タービン130を通過した蒸気は、再熱器156で再び昇温されてから低圧タービン120に導入され、この結果、高圧タービン130と低圧タービン120が回転し、発電機110が駆動されて電力が発生される。
【0018】
タービン駆動後の蒸気は復水器125に導入し、ここで凝結され、復水となって給水ポンプ140に戻り、上記したように循環される。このとき、復水器125は冷却水126により冷却されている。また、ボイラ150から排出される燃焼ガスは、排ガス処理装置170により有害物質が除去された後、煙突175から大気中に放出される。
【0019】
この発電設備100の運転状態は、発電機出力計測器111と主蒸気温度(過熱器出口蒸気温度)測定器122、主蒸気圧力測定器123、再熱蒸気温度測定器124、それに再熱蒸気圧力測定器128などのデータ測定装置で計測され、計測された各種のプロセスデータが運転制御装置300に伝送される。
【0020】
この発電設備100には、上記した計測器や測定器の他にも、タービンの回転数(回転速度)などを制御するために必要な種々のプロセス量を計測するための装置が取り付けられており、それらによる計測値も運転制御装置300に取込まれているが、ここでは、それらの詳細な説明は省略する。
【0021】
そして運転制御装置300は、これらのプロセスデータに基づいて発電設備100の運転状態を把握し、望ましい状態になるように燃料流量調節弁162、空気流量調節弁161、タービン加減弁121、給水ポンプ140などの機器を操作している。
【0022】
このときの望ましい状態とは、基本的には中央給電指令所からの発電量指令値とプラントの発電出力値の差ができるだけ小さく、且つタービンの定格回転数と実回転数の差ができるだけ小さい状態で運転することである。
【0023】
そこで、中央給電指令所は、各発電所が供給できる電力量(発電量)と各発電所の発電効率を考慮し、必要とされる総電力量のもとで燃料消費量(燃料消費コスト)が最小になるように、各発電機毎の発電量を決定し、発電量指令501とする。
【0024】
次に、この発電量指令501に基づいた火力発電プラントの基本的な制御方法について、図4により説明すると、まず、図示してない中央給電指令所からは、上記した発電量指令501に加えてAFC指令(運用周波数補正指令)502も送られてくる。そして、これら発電量指令501とAFC指令502が加算されて目標負荷指令信号506となる。
【0025】
この目標負荷指令信号506には、PL(変化率制限器)521を通った後、系統周波数503と規定周波数504の差515に基づいて生成される周波数バイアス信号516が加算され、MWD信号507となる。ここで、MWDとはメガワットデマンドの略で、由来は必ずしも明確ではないが、当該技術分野で慣用されている用語である。
【0026】
そして、このMWD信号507に、系統周波数503と規定周波数504の差515に基づいて生成される発電量補正信号517を加えたものがタービン発電量指令信号508となり、このタービン発電量指令信号508と発電機の実際の出力510の差がタービン出力指令509である。
【0027】
また、このとき、MWD信号507に、ボイラ圧力の目標値519と実際の圧力518の偏差に基づいて生成される補正信号522を加算し、BID(ボイラ入力指令)指令520を生成する。そして、このBID指令520に基づいて、ボイラの燃料流量、給水流量、空気流量が決定される。
【0028】
図5は、このBID指令520から燃料流量指令、給水流量指令、空気流量指令を決定する方法の一例で、BID指令520は、まずFX(関数発生器)521a、521b、521cに入力され、それぞれ信号523、524、525に変換される。
【0029】
そして、これら信号523、524、525に、加算器550a、550b、550cにより、それぞれ負荷変化時の制御性能を向上させるためのBIR(先行制御指令値)指令526、527、528を加算し、更に、加算器551a、551b、551cにより、それぞれの操作量に対する制御偏差に基づく補正値529、536、543を加算して最終的な燃料流量指令535、給水流量指令542、空気流量指令549を生成するのである。
【0030】
このとき、燃料流量指令に対する補正値529は、蒸気温度目標値533に対する蒸気温度534の偏差531を減算器532で演算し、これをPI(比例積分制御器)530で演算して得る。
【0031】
次に、給水流量指令に対する補正値536は、給水流量目標値540に対する給水流量541の偏差538を減算器539で演算し、これをPI537で演算して得る。
【0032】
そして、空気流量指令に対する補正値543は、空気流量目標値547に対する空気流量548の偏差545を減算器546で演算し、これをPI544で演算して得る。
【0033】
図4に戻り、ここで電力系統の周波数を維持するためには、次のような方法で制御している。すなわち、まず、実際のタービン回転数512とタービンの定格回転数514の差513をタービン出力指令509に加え、これをタービン加減弁開度指令511とする。
【0034】
そして、このタービン加減弁開度指令511により、タービンに必要な蒸気量を変化させてタービンの回転数を制御し、規定周波数が維持されるようにするのである。このとき、規定周波数が50Hz とすると、タービン駆動の場合、発電機は2極の同期機が通例であるから、タービンの定格回転数は3000rpmである。
【0035】
以上のように、火力発電プラントでは、基本的には発電量指令501と、運用周波数補正指令502を受けて、それに基づいて運転が制御されているが、この制御方法は、運転制御装置300により実現されている。
【0036】
そこで、本発明による火力発電プラントの制御装置の一実施形態における運転制御装置300について、図1により説明する。なお、ここでは、代表的な例として、図4における燃料流量指令について説明することとし、このとき、図4で説明した発電量指令501とAFC指令502からBID信号520を作成するまでの回路については、それらを纏めてBID作成部301としている。
【0037】
そして、この図1の制御装置300では、PI530に比例ゲインパラメータ値(K2)448(詳しくは後述)がセットされるようになっており、加算器550aには、補正されたBIR指令526a(詳しくは後述)が入力されるようになっている点で、図5とは異なっている。
【0038】
このため、まず、この図1の運転制御装置300には、発電量指令501と、AFC指令502により運転状態を判別する状態判別手段400が設けてある。そして、このとき、発電量指令501とAFC指令502は、それらが同時に変化することはないから、状態判別手段400は、これを前提として、以下のようにして状態を判定する。
【0039】
まず、発電量指令501が変化していているのに、AFC指令502がゼロの場合は通常の負荷変化状態(以下、通常負荷変化運転時という)であると判定し、反対に発電量指令501が一定でAFC指令502がゼロの場合は一定負荷状態であると判定する。そして、発電量指令501が一定でAFC指令502が変化している場合を周波数制御運転状態(以下、周波数制御運転時という)と判定するのである。
【0040】
ここで、410はパラメータ設定手段で、これはBIR補正手段411とゲイン補正手段412の2種の手段を含み、これにより、状態判別手段400での判定結果401が通常負荷変化運転時の場合には、BIR補正手段411で演算したBIR補正値413を出力し、判定結果401が周波数制御運転時の場合はゲイン補正値手段412で演算したゲイン補正値414を出力するようになっている。
【0041】
このときの2系統の補正値413、414は、入出力手段430と選択器440、441に供給される。そして、まず、入出力手段430では、その表示装置433にBIR補正値413とゲイン補正値414の値を表示させ、表示された補正値の妥当性が運転員320により判断できるようにする。
【0042】
選択器440と選択器441には、それぞれのBIR補正値413とゲイン補正値414の外にも定数0信号442が入力されていて、運転員320から入力される選択信号431、432により、BIR補正値413と0、ゲイン補正値414と0の何れを選択するかが指令される。このときの選択信号431、432は、運転員320が入出力手段430に備えられているキーボード434又はマウス435を操作することにより入力される。
【0043】
従って、BIR補正値413、ゲイン補正値414が妥当であると運転員320が判断した場合は、選択器440と選択器441からBIR補正値413、ゲイン補正値414が出力され、そうでない場合は0が出力される。そして、これら選択器440、441から出力された値には、加算器450又は加算器451により、定数1.0信号443が加算される。
【0044】
この結果、まず、運転員320がBIR補正値413の値を妥当と判断した場合で、通常負荷変化運転時の場合は、乗算器452により、加算器451の出力が、図5で説明したBIR信号526にBIR補正信号413aとして乗算される。
【0045】
また、周波数制御運転状態の場合は、乗算器449により、加算器450の出力が、比例積分制御器530の比例ゲインとして設定されているゲインパラメータ値(K0)447にゲイン補正信号414aとして乗算され、補正された比例ゲインパラメータ値(K1)448が図5で説明した比例積分制御器530にセットされる。
【0046】
なお、この図1では、蒸気温度偏差に対する比例積分制御器530の比例ゲインだけを補正しているが、積分時定数や給水流量偏差に対する比例積分制御器など、他の制御パラメータを補正して制御特性を変化させることも可能である。
【0047】
次に、パラメータ設定設定手段410の中のBIR補正手段411によるBIR補正値413と、ゲイン補正手段412によるゲイン補正値414の決定方法について説明する。
【0048】
まず、通常負荷変化運転時におけるBIR補正値413の決定方法について説明すると、負荷変化時には、燃料流量、給水流量などの主要なプロセス量を変化させるが、この場合、伝熱プロセスの応答速度と、蒸気(水)の流動速度が異なっていることから、制御量である蒸気温度や圧力が変動しやすくなる。反面、ボイラは時定数が大きいため、フィードバック制御による応答では過渡的に遅れが出てしまう。
【0049】
そこで、このとき、フィードバック制御と並行し、それに先行して燃料流量や給水流量などの制御量を変化させ、負荷変化の際に生じる制御偏差を最小限に抑えるようにする技法が、ここで先行的な制御と呼んでいる制御方法で、このための指令がBIR(先行制御指令)指令である。
【0050】
ここで、図8は、負荷変化時の燃料流量と、このときの制御量である蒸気温度の関係の一例を示したもので、図の(a)に示すように、時刻t1 から時刻t2 の間に負荷がXからYに変化したときの燃料流量の変化を示したのが図(b)で、同じく蒸気温度の変化を示したのが同図(c)である。
【0051】
そして、この図8(b)、(c)に示すように、破線で示す燃料BIRなしの場合、つまり燃料流量制御に先行的な制御が適用されていなかった場合は、破線の特性で示すように、蒸気温度の変動が大きく、制御偏差も大きくなっているが、これに対して、燃料BIRを付加した場合は、実線の特性で示すように、蒸気温度の変動が抑えられている。
【0052】
そして、このとき、図8(b)中の領域Aで表わす部分の面積がBIRによる燃料消費量の増加分(+)に相当し、負荷変化終了後の領域Bで表わす部分の面積がBIRによる燃料消費量の減少分(−)に相当する。従って、BIRありにしたことにより、なしの場合からの燃料消費量の増減は、これら領域A、Bの和、すなわち(A−B)となる。
【0053】
ここで、燃料BIRなしの場合、負荷変化終了後の領域Bで燃料流量が相対的に増加しているのは、図8(c)に示すように、負荷変化終了後に一旦蒸気温度が大きく低下するので、これを抑制するようにフィードバック制御が働くためである。
【0054】
次に、図9は、負荷変化開始から負荷変化終了後の所定時間までの平均発電効率ηav とBIR補正値との関係、及び蒸気温度制御偏差とBIR補正値との関係の一例を示した特性図で、平均発電効率ηav は次式で定義した。
【0055】
【数1】
Figure 0003797953
この式で、Eは発電機出力(kW)、Ff は燃料流量(kg/s)、Hu は燃料発熱量(kJ/kg)であり、積分区間は、負荷変化開始時刻を0、負荷変化終了から所定時間経過後の時刻をtとしている。
【0056】
この図9において、BIR補正値=0は現在の設定値、つまりBIR指令値を示している。そして、このBIR指令値については、試運転などにより、通常は制御偏差が最小になるように調整している。従って、このBIR補正値=0においては、図8に示すように、かなり制御偏差が小さくなっている。
【0057】
ところで、この図9に示されているように、BIR補正値をプラス方向に変化させると、発電効率は大きくなり、マイナス方向に変化させると、発電効率は小さくなる傾向にある。一方、このとき蒸気温度制御偏差は、BIR補正値により最大偏差、最小偏差の値や、偏差の幅が変化する。
【0058】
ここで、図9の●点で示したプロット点は、BIR補正値を微小変化させて実機プラントを運転し、平均発電効率ηav と蒸気温度偏差を求めたものである。しかし、実機プラントの場合、大きくBIRを変更させたとすると、運転に支障をきたす虞れがある。そこで、実機運転データを用いて実機特性に合うように調整したプラントシミュレータを用いて予測した特性が図9の○点で示したプロット点である。
【0059】
使用したシミュレータは、物理式の組合せによる物理モデルを用いて火力発電プラントの状態変化に伴う非線形特性を模擬できるようにしたもので、このとき必要な実機特性に対するシミュレーション特性の近似には特開平10−214112号公報に述べられているパラメータの調整方法を用いればよく、容易に実現できる。
【0060】
なお、ここでは、シミュレータを用いて平均発電効率と制御偏差の特性を予測したが、これらの特性を1次式又は2次式等で近似し、図9に●点で示した実機プラントデータから、最小自乗法で近似式を決定して特性を予測しても良い。
【0061】
そして、この実施形態では、まず、この図9に示した特性に基づいて、蒸気温度に対する偏差の許容範囲(例えば目標に対して−16℃〜+8℃)内で、基本となるBIR指令値から補正値により動かし、最も発電効率が高くなるBIR補正値413を求める。
【0062】
ここで、基本となるBIR指令値とは、この図9で、BIR補正値が0のときの値であるが、このとき、図示のように、必ずしも最大発電効率状態になるとは限らない。これは、BIR指令値が、制御偏差を小さく抑えることに主眼をおいて設定されいるからである。
【0063】
ところで、実際の火力発電プラントにおいては、たとえ電力系統に連繋されているとはいえ、このように制御偏差を最優先して小さく抑える必要は必ずしもなく、実際には、ある程度の変動があっても、それがプラントの許容値の範囲内であれば、支障が生じることはない。
【0064】
例えば図8に示すように、蒸気温度か過渡的にかなり変動しても、制御性能に対する評価はともかくとして、このときプラント全体としての運転には特に不具合は生じない。
【0065】
本発明は、この点に着目し、制御偏差の抑制を優先して設定されている先行制御指令値、つまりBIR指令値やゲイン補正値などに補正を加え、発電効率の向上が優先されるようにしたものである。
【0066】
ここで、図9には、蒸気温度に対する制御偏差特性だけしか記載されていないが、蒸気圧力や、発電機出力についての制御偏差についても同様の方法で特性を分析し、それぞれに対する許容値を制限条件とした上で、発電効率の向上が優先されるように、同じく蒸気圧力や、発電機出力についてのBIR補正値を求めてやればよい。
【0067】
次に、周波数制御運転時におけるゲイン補正値414の決定方法について説明する。まず、図10にゲイン補正値と平均発電効率及び蒸気温度制御偏差の関係を示す。ここでも、図9と同様、ゲイン補正値=0は現状状態を示しており、●点は実機プラントデータにより求めたプロット点、○点はシミュレータにより求めたプロット点である。
【0068】
そして、このときも、上記したBIR補正値413の決定方法と同様に、制御偏差の許容範囲内で発電効率が最大となるゲイン補正値414を求める。但し、この補正値414はシミュレーション等による特性予測値を使用して決定しているため、予測誤差の影響を考慮しなければならない。そこで、決定した補正値をすぐに採用するのではなく、入出力手段430を介してオペレータ320の判断を求めるようになっている。
【0069】
或いは、決定した補正値に向かって徐々に補正値を変化させて行き、制御偏差が許容範囲を越えないところで、最終決定値としても良い。但し、このときプラントの特性は時間と共に変化する場合があるので、制御偏差が許容範囲内に有るか否かを常に監視しておき、許容範囲を越えた場合には入出力手段430の表示装置にその旨を表示する。
【0070】
また、この場合には、次回適用する補正幅を自動的に小さくするか、運転員320が次回適用時の補正値を入力しても良く、或いは図9と図10に示した特性を定期的に見直すようにしても良い。
【0071】
ところで、これら図9、図10に示した特性データは特性DB(データベース)420に保存されているが、このとき、BIR補正値413やゲイン補正値414についても、負荷時間帯や負荷変化幅、負荷変化率など各種の条件毎に決定しておき、特性DB420に格納しておく。そして、状態判別手段400により、これらの条件を判定し、その条件に対応するBIR補正値413やゲイン補正値414を使用する。
【0072】
この結果、上記実施形態によれば、先行制御指令値となるBIR指令値とゲイン指令値に、平均発電効率の向上を優先した補正が与えられるようになり、従って、この実施形態によれば、燃料消費量の削減による発電プラントの効率向上が図れることになり、結果的にCO2 の排出量が削減でき、環境負荷の低減が得られることになる。
【0073】
ところで、上記実施形態では、平均発電効率により評価したが、これに代えて燃料消費量の低減を優先して先行制御指令値を補正するようにしてもよく、これによっても、上記実施形態と同様、CO2 の排出量の削減と、環境負荷の低減を得ることができる。
【0074】
次に、本発明の他の実施の形態について説明すると、まず、図3は、本発明による火力発電プラントの運転支援システムの一実施形態で、これが上記した図1の実施形態と異なる点は、図1における状態判別手段400とパラメータ設定設定手段410、特性DB420を、運転制御装置300から分離し、運転支援装置310として独立にした点にあり、その他の点は同じである。
【0075】
そして、入出力手段430は、BIR補正値413とゲイン補正値414を、運転支援装置310から取込んだ上で、運転員320の判断により必要に応じて値を修正し、修正したBIR補正値413aとゲイン補正値414aをそれぞれ運転制御装置300に出力し、各選択器440、441に供給するようになっている。
【0076】
このとき入出力手段430の表示装置433に映出される表示画面433aの一例を示したのが図7で、この図において、グラフウィンドウ714、715、716、717にはそれぞれ燃料消費量、蒸気温度偏差、発電機出力偏差、蒸気圧力偏差と補正値の関係を表示したものである。
【0077】
そして、これらのグラフウィンドウ714〜717には、現状(補正値=0)での制御偏差の最大値、最小値を示す細い破線と、それらの許容範囲を示す太い破線が表示され、このとき制御偏差の許容範囲は、それぞれのグラフウィンドウの上部にある入力部711、712、713に、キーボード434から入力するようになっている。
【0078】
ここで、最適値探索ボタン700をマウス435でクリックすると、それぞれの制御偏差許容値の範囲内で最も燃料消費量が少ない先行制御指令補正値が、図1の実施形態で説明したようにして探索され、その結果が補正値表示部702に表示され、更に、このときの燃料削減量の予想値が燃料削減量表示部705に表示される。
【0079】
また、このときの最適値探索で求められた補正値は各グラフウィンドウ内にそれぞれ縦線718で表示され、それぞれの制御偏差許容値と制御偏差予想値の関係がグラフ上で確認できるようになっている。そして、このとき燃料消費量表示部710には、このときの燃料消費量予想値が表示される。
【0080】
一方、運転員320が補正値入力部703に補正値を入力し、或いは目標値入力部704に燃料削減量目標値を入力して、マニュアル探索ボタン701をマウス435でクリックすると、手動操作による探索が行え、こうして運転員320が入力したデータ444は入出力手段430を介して運転支援装置310に送られる。
【0081】
このように、手動操作により補正値を入力した場合は、その値に対応する燃料削減量予想値が燃料削減量表示部706に表示され、これにより生じてしまう制御偏差の予想値は、偏差予想値表示部707にプルダウンメニュー形式で表示される。
【0082】
そこで、マウス435により偏差予想値表示部707を選択すると、蒸気温度偏差、出力偏差、蒸気圧力偏差のそれぞれの最大値と最小値が数値で表示されるようになっている。このとき、補正値入力部703に、キーボード434から数値を入力する代りに、補正値バー708の設定表示709をマウス435で移動させて補正値を選択することもできるが、この場合の補正値は、補正値入力部703に表示される。
【0083】
また、燃料削減量目標値を入力した場合は、目標値の達成に必要な補正値が探索され、補正値入力部703に結果が表示されると共に、偏差予想値表示部707には、このときの各制御偏差予想値が表示される。
【0084】
従って、この図3の実施形態によれば、図1で説明した実施形態と同じ動作が得られる上、運転員320は、運転支援装置310と対話形式で補正値を探索することもでき、更には運転員320の判断により、運転支援装置310から提示された補正値を修正し、運転制御装置300に補正値を設定することもでき、この結果、運転員の知識やノウハウが取り入れ易くなり、より現実的な運転支援が可能になる。
【0085】
次に、図6は、本発明による火力発電プラントの運転支援サービス方法の一実施形態で、これが上記した実施形態における図3の構成と異なる点は、火力発電プラント1(図2)が1基ではなくて、複数基の火力発電プラント1a、1b、1cを備え、これらに共通に運転支援装置310が設けられている点にある。
【0086】
そして、この運転支援装置310は、各火力発電プラント1a、1b、1cを所有している発電事業者とは異なった別の運転支援会社600により所有されていて、この運転支援会社600から各火力発電プラント1a、1b、1cに運転支援情報が提供されるようになっている。
【0087】
このため、運転支援装置310には入出力I/F(インターフェース)601が設けらると共に、各火力発電プラント1a、1b、1cにも、それぞれ入出力I/F304が設けられていて、これらにより専用通信回線Nを介して相互に通信が行えるようになっている。
【0088】
そして、火力発電プラント1aには発電設備100と、運転制御装置300、運転員320とのマンマシンI/Fとなる入出力手段430、それに上記した入出力I/F304が設けてあり、これは他の火力発電プラント1b、1cも同じである。
【0089】
なお、その他の点は図1と図3の実施形態と同じで、それぞれの火力発電プラント1a、1b、1cには、中央給電指令所2から運転指令信号3a、3b、3cが供給されるようになっている点も同じで、ここで、この運転指令信号3a、3b、3cとは、それぞれ発電量指令501とAFC指令502のことである点も同じである。
【0090】
次に、この図6の実施形態の動作について説明する。なお、ここでは、代表して火力発電プラント1aと運転支援会社600の関係について説明するが、運転支援を実施する火力発電プラントは複数基(図6では3基)でも良いことはいうまでもなく、1基の火力発電プラント1aだけの場合と同様に実施することができる。
【0091】
運転制御装置300は、中央給電指令所2から供給される運転指令信号3aに従って発電設備100を制御しているが、このとき、運転支援会社600は、火力発電プラント1aの運転データ302と制御信号303を受け取り、これらの情報に基づいて、図1で説明した第1の実施形態と同じく、補正値413、414と発電効率又は燃料消費量の関係や、このときの制御偏差の特性を予想し、これら補正値413、414を火力発電プラント1aの運転員320にガイダンスする。
【0092】
ここで、制御信号303とは、図2において、発電設備100から運転制御装置300に入力されている発電機出力計測器111と主蒸気温度(過熱器出口蒸気温度)測定器122、主蒸気圧力測定器123、再熱蒸気温度測定器124、それに再熱蒸気圧力測定器128などのデータ測定装置で計測され、計測された各種のプロセスデータのことである。
【0093】
また、同じく補正値445は、図1と図3において、BIR補正値手段411から出力されるBIR補正値413と、ゲイン補正値手段412で演算したゲイン補正値414のことである。
【0094】
そこで、火力発電プラント1aの運転員320は、図3の実施形態で説明したように、運転支援装置310と対話形式で補正値と燃料削減量及び制御偏差の予想値などとの関係を検討し、当該運転員320の判断により必要に応じて提示された補正値を修正して運転制御装置300に補正値を設定する。
【0095】
そして、この結果、発電効率が向上され、燃料消費量が削減できたら、運転支援会社600は、上記した火力発電プラント1aを所有する発電事業者から、このときにガイダンスした制御パラメータ補正値と効果予想及び制御偏差予想について、それを提供したことの対価を受け取るのである。
【0096】
ここで、この実施形態では、運転支援会社600は、火力発電プラント1aの運転員320にガイダンス情報を提供するだけであるが、これに代えて、通信回線Nを介して運転制御装置300の補正値設定を直接変更するように構成してもよい。
【0097】
このとき、運転支援会社600は、発電事業者に対して燃料消費量削減量を保証した上で、実際の運転で運転支援会社600が保証した燃料削減量に満たなかった場合は、運転支援会社600が発電事業者に対して不足分相当の金額を支払い、反対に、保証量よりも多くの削減量が達成された場合は、発電事業者が運転支援会社600に超過分に相当する金額を支払うようにしても良い。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、先行制御指令値を補正するだけなので、火力発電プラントの燃料消費量を容易に削減することができ、発電効率の向上を簡単に得ることができる。
【0099】
また、この結果として、本発明によれば、CO2 の排出量が抑えられるので、環境負荷を確実に減らすことことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により火力発電プラントの制御装置の一実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】本発明が適用対象としている火力発電プラントの一例を示すブロック構成図である。
【図3】本発明による火力発電プラントの運転支援システムの一実施形態を示すブロック構成図である。
【図4】本発明が適用対象としている火力発電プラントの一例における制御指令作成系のブロック構成図である。
【図5】本発明が適用対象としている火力発電プラントの一例における制御指令作成系に続く燃料流量指令、給水流量指令、空気流量指令の作成系のブロック構成図である。
【図6】本発明による火力発電プラントの運転支援サービス方法の一実施形態を示すブロック構成図である。
【図7】本発明の一実施形態における表示画面の一例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施形態における特性変化の一例を示す特性図である。
【図9】本発明の一実施形態におけるBIR補正値と発電効率及び制御偏差の一例を示す特性図である。
【図10】本発明の一実施形態におけるゲイン補正値と発電効率及び制御偏差の一例を示す特性図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c 火力発電プラント
2 中央給電指令所
100 発電設備(火力発電所)
300 運転制御装置
310 運転支援装置
400 状態判別手段
410 パラメータ設定手段
420 特性DB
430 入出力手段
600 運転支援会社

Claims (3)

  1. 先行的な制御を適用して制御偏差を小さくする方式の火力発電プラントの制御装置において、
    前記火力発電プラントが負荷変化制御されているのか周波数制御されているのかの判定を、前記火力発電プラントの運転データ又は運転指令データの少なくとも一方の情報に基づいて行う状態判別手段と、
    前記火力発電プラントが負荷変化制御されているときのプロセス量に対する制御偏差と燃料消費量又は発電コストの関係に基づいて、前記制御偏差が所定の許容値の範囲内で、燃料消費量又は発電コストが最小となるように、前記先行的な制御のための先行制御指令値に対する補正値を決定する補正手段と、
    前記火力発電プラントが周波数制御されているときのプロセス量に対する制御偏差と燃料消費量又は発電コストの関係に基づいて、前記制御偏差が所定の許容値の範囲内で、燃料消費量又は発電コストが最小となるように、前記先行的な制御のための先行制御指令値に対する補正値を決定する制御パラメータ補正手段とが設けられていることを特徴とする火力発電プラントの制御装置。
  2. 火力発電プラントの運転支援システムにおいて、
    前記火力発電プラントの運転データと運転指令データ、制御指令データのうち少なくとも一つの情報を取込む運転情報入力手段と、
    該運転情報入力手段により取込まれた情報から前記火力発電プラントの運転状態が、周波数制御運転状態であるか負荷変化運転状態であるかを判定する状態判別手段と、
    負荷変化時の操作量に対する先行制御指令値と制御偏差及び燃料消費量又は発電コストとの関係に基づいて、制御偏差が所定の許容値の範囲内で、燃料消費量または発電コストが最小となるように先行制御指令値に対する補正値を決定する先行制御指令補正手段と、
    周波数制御運転時に、プロセス量に対する制御偏差を入力とする制御器の制御パラメータと制御偏差及び燃料消費量又は発電コストとの関係に基づいて、該制御偏差が所定の許容値の範囲内で、燃料消費量または発電コストが最小となるように制御パラメータに対する補正値を決定する制御パラメータ補正手段と、
    前記状態判別手段で判別した状態が負荷変化運転状態の場合には該先行制御指令補正手段により前記先行制御指令値に対する補正値を演算し、前記状態判別手段で判別した状態が前記周波数制御運転状態の場合には前記制御パラメータ補正手段により前記制御パラメータに対する補正値を演算し、先行制御指令値に対する補正値又は制御パラメータに対する補正値の演算結果を前記火力発電プラントの運転員に提示する演算結果出力手段とが設けられていることを特徴とする火力発電プラントの運転支援システム
  3. 請求項2に記載の火力発電プラントの運転支援システムを用い、発電事業者に負荷変化時の先行制御指令値の補正量又は周波数制御運転時の制御パラメータの補正量を提示し、それを用いて制御した場合の制御量に対する制御偏差と、燃料消費量または発電コストのうち少なくとも一方の運転結果データを入手し、
    該運転結果データに基づいて先行制御指令値の補正量または制御パラメータの補正量と制御偏差及び燃料消費量又は発電コストの制御性能対経済効果関係を導出し、
    前記発電事業者の所望する制御量に対する制御偏差の範囲内で該関係から求めた燃料消費量と発電コストを最小にする負荷変化時の先行制御指令値の補正量、周波数制御運転時の制御パラメータの補正量、現状運転に対する燃料消費量、発電コストの削減可能量の予想値、発電事業者が提示する燃料消費量、それに発電コストの削減量の目標値の何れかに対して、前記制御性能対経済効果関係から求めた該目標値を達成するための負荷変化時の先行制御指令値の補正量予想値と周波数制御運転時の制御パラメータの補正量予想値、それに制御量に対する制御偏差予想値の何れか前記発電事業者に提示する運転支援情報を提供し、
    前記発電事業者から該運転支援情報に対する対価を得ることを特徴とする火力発電プラントの運転支援サービス方法
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