JP4940167B2 - ボイラの制御装置及びボイラの制御方法 - Google Patents

ボイラの制御装置及びボイラの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ボイラを制御するボイラの制御装置及びボイラの制御方法に係わり、特にボイラの燃焼を制御するボイラの制御装置及びボイラの制御方法に関する。
ボイラは高さが数十メートルにも及ぶ大きな構造物であり、ボイラの内部で起きている現象を把握することは困難である。また、ボイラは燃料の燃焼反応、燃焼ガス中成分の反応、ガス及び水・蒸気の流動、伝熱現象と多用な現象の複合現象であり、燃料の燃焼によって燃焼ガス中に窒素酸化物(NOx)などの有害物質が発生することを抑制するためにハード面、制御面で様々な技術が開発されてきた。
例えば特開2007−107849号公報には、ボイラに燃焼炉内の燃焼ガスに含まれるNOx濃度及び一酸化炭素(CO)濃度を測定する濃度測定手段が設置されており、この濃度測定手段で測定した前記NOx濃度及びCO濃度の測定値をフィードバックして燃焼炉に設けたアフタエアの旋回流空気ノズル及び縮流空気ノズルからそれぞれ供給する空気供給量を調整する制御手段を設けることによって、燃焼ガス中のNOxとCOとの濃度がバランスよく低減できる技術が開示されている。
また、制御技術の面ではPID制御を基本とする制御ロジックが主流であるが、ボイラの現象は上述したように複雑であるため、技術文献の強化学習(Reinforcement Learning)、三上貞芳・皆川雅章共訳、森北出版株式会社(2000年12月20日出版)に記載されているような学習制御技術をボイラの制御装置に適用することが望ましい。
特開2007−107849号公報 強化学習(Reinforcement Learning)、三上貞芳・皆川雅章共訳、森北出版株式会社(2000年12月20日出版)
上記した特開2007−107849号公報に記載の技術では、NOx濃度の測定値を指標としてアフタエアに設置した空気ノズルから供給する空気流量を決定するが、ボイラで発生するNOx濃度はスートブロワの作動によって不連続に変化する。
スートブロワとは、ボイラ内の壁面または伝熱管などの伝熱面が灰や煤が付着して汚れて伝熱性能が低下することを抑制するために、空気または蒸気を前記壁面または伝熱管などの伝熱面噴射して伝熱面に付着した灰や煤を洗浄・除去する装置である。
このスートブロワによって灰や煤を前記伝熱面から除去するとボイラの伝熱性能が回復するため、燃焼ガスからの熱吸収量が増加する。そのため、燃焼ガスのガス温度が低下して高温条件で発生するNOx(サーマルNOx)の生成量が減少し、NOx濃度が低下する。
またスートブロワが作動後は、ボイラの壁面または伝熱管などの伝熱面に徐々に灰が堆積していくため、徐々に伝熱性能が低下して熱吸収量が減少する。これによって燃焼ガスのガス温度が上昇していき、サーマルNOxの生成量が増加して燃焼ガス中のNOx濃度が徐々に増加する。
すなわち、ボイラの燃料流量、空気流量などの条件が同じであっても、スートブロワの動作状況によってボイラで発生する燃焼ガス中のNOx濃度に変化が生じるのである。
従って、濃度測定手段で検出したNOx濃度の測定値を空気供給量を調整する制御手段にそのままフィードバックしてアフタエアに設置した空気ノズルから供給する空気供給量を調整した場合には、スートブロワの作動が外乱になってアフタエアから供給すべき前記空気供給量などの操作量を正しく設定できない可能性がある。
また、ボイラで発生したNOx濃度を抑制するような操作を学習制御を用いて実現しようとする場合でも、上述したようにスートブロワの作動状況によって同じ運転操作条件でも発生するNOx濃度が変化するために、NOx濃度を抑制する正しい操作が学習できない可能性がある。
本発明の目的は、スートブロワの作動がボイラの制御系に外乱となる状況を回避してボイラに供給すべき空気供給量の操作量を正しく設定してボイラで発生するNOx濃度を所望の値に低減可能にしたボイラの制御装置及びボイラの制御方法を提供することにある。
本発明のボイラの制御装置は、ボイラの内壁面または伝熱管に付着する付着物を除去するスートブロワを備えたボイラの運転を制御するボイラの制御装置において、前記ボイラの制御装置は、前記スートブロワが作動時から経過した時間であるスートブロワ経過時間と、ボイラで発生する燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定値または該NOx濃度測定値の基準値からの偏差との関係に基づいて、前記スートブロワ経過時間を入力してNOx濃度の測定値を補正した補正NOx濃度を演算して出力するNOx濃度補正手段と、前記NOx濃度補正手段から出力された前記補正NOx濃度を用いてボイラに設置したバーナまたはエアポートから供給する空気流量に対応する操作指令値を演算してボイラの操作機器に出力する操作指令決定手段を備えていることを特徴とする。
また本発明のボイラの制御装置は、ボイラの内壁面または伝熱管に付着する付着物を除去するスートブロワを備えたボイラの運転制御装置において、前記ボイラの制御装置は、前記スートブロワが作動時から経過した時間であるスートブロワ経過時間と、ボイラで発生する燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定値または該NOx濃度測定値の基準値からの偏差との関係に基づいて、前記スートブロワ経過時間を入力してNOx濃度測定値を補正した補正NOx濃度を演算して出力するNOx濃度補正手段と、前記NOx濃度補正手段から出力された前記補正NOx濃度とボイラに設置したバーナまたはエアポートから供給する空気流量または該空気流量に対する操作指令値との関係に基づいて前記空気流量または前記操作指令値を入力として前記補正NOx濃度推定値を演算して出力するモデル化手段と、前記モデル化手段に前記空気流量または前記操作指令値を入力してモデル化手段から出力される前記補正NOx濃度推定値を読み込んで前記補正NOx濃度推定値が所定の条件になる前記空気流量または前記操作指令値を学習し、この学習結果に基づいて前記空気流量または前記操作指令値を演算して出力する学習手段と、前記学習手段から出力される前記空気流量または前記操作指令値の演算結果を入力として前記バーナまたはエアポートに供給する空気流量に対応する操作指令値を演算してボイラの操作機器に出力する操作指令決定手段を備えていることを特徴とする。
本発明のボイラの制御方法は、ボイラの内壁面または伝熱管に付着する付着物を除去するスートブロワを備えたボイラの運転を制御するボイラの制御方法において、ボイラの制御装置に備えられたNOx濃度補正手段によって、前記スートブロワが作動時から経過した時間であるスートブロワ経過時間とボイラで発生する燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定値または該NOx濃度測定値の基準値からの偏差との関係に基づいて、前記スートブロワ経過時間を入力してNOx濃度の測定値を補正した補正NOx濃度を出力しており、ボイラの制御装置に備えられた操作指令決定手段によって、前記NOx濃度補正手段から出力された前記補正NOx濃度を用いてボイラに設置したバーナまたはエアポートの空気流量に対応する操作指令値を演算していることを特徴とする。
また本発明のボイラの制御方法は、ボイラの内壁面または伝熱管に付着する付着物を除去するスートブロワを備えたボイラの運転制御方法において、ボイラの制御装置に備えられたNOx濃度補正手段によって前記スートブロワが作動時から経過した時間であるスートブロワ経過時間とボイラで発生する燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定値または該NOx濃度測定値の基準値からの偏差との関係に基づいて、前記スートブロワ経過時間を入力してNOx濃度測定値を補正した補正NOx濃度を出力しており、ボイラの制御装置に備えられたモデル化手段によって前記NOx濃度補正手段から出力された前記補正NOx濃度とボイラに設置したバーナまたはエアポートの少なくとも一方の空気流量または該空気流量に対する操作指令値との関係に基づいて前記空気流量または前記操作指令値を入力として前記補正NOx濃度推定値を出力しており、ボイラの制御装置に備えられた学習手段によって前記モデル化手段に前記空気流量または前記操作指令値を入力してモデル化手段から出力される前記補正NOx濃度推定値を読込み、前記補正NOx濃度推定値が所定の条件になる前記空気流量または前記操作指令値を学習し、この学習結果に基づいて前記空気流量または前記操作指令値を演算しており、ボイラの制御装置に備えられた操作指令決定手段によって前記学習手段が出力する前記空気流量または前記操作指令値の演算結果を入力として前記バーナまたはエアポートの空気流量に対応する操作指令値を演算していることを特徴とする。
本発明によればスートブロワの作動がボイラの制御系に外乱となる状況を回避してボイラに供給すべき空気供給量の操作量を正しく設定してボイラで発生するNOx濃度を所望の値に低減可能にしたボイラの制御装置及びボイラの制御方法が実現できる。
本発明のボイラの制御装置及びボイラの制御方法の実施例について図面を用いて以下に説明する。
本発明の一実施例であるボイラの制御装置及びボイラの制御方法について、図1を参照しながら説明する。
図1に示された本発明の一実施例であるボイラの制御装置は、制御対象プラントのボイラ100の制御を行なう制御装置200として、制御対象プラントのボイラ100から運転状態量であるプロセス値の計測情報205を受け取り、この計測情報205を使用して制御装置200内に設置された各演算手段によって予めプログラムされた演算を行ってボイラ100に対する操作指令信号(制御信号)285を演算して送信し、前記ボイラ100を制御するように構成されている。
この制御装置200には、制御対象プラントのボイラ100との間で計測情報205と操作指令信号285との授受を行なう入出力インターフェース220が設置されている。
また、入出力手段221が設置されており、この入出力手段221に備えた入力手段222から運転員が入出力インターフェース220を介して設定値や運転モード、手動運転の際の操作指令等の入力データ225を入力し、この入出力インターフェース220を介して入出力手段221に備えた表示画面223に画面表示用のデータ224を出力して前記表示画面223に表示できるように構成されている。
前記制御装置200には、演算手段として基本操作指令値235を演算して運転実績データベース240及び操作指令決定手段280に出力する基本操作指令演算手段230と、基本操作指令演算手段230から出力された基本操作指令値235を読込み、基本操作指令値235またはこれに補正を加えた操作指令値285を出力する操作指令決定手段280と、ボイラ100の構造をモデル化した数値解析モデルであって、ボイラの燃焼反応、ガス流動、伝熱のプロセスを差分法、有限体積法、有限要素法等の数値解析手法を用いて計算する数値解析演算手段400を備えている。
また、この制御装置200には、ボイラ100で発生するNOx濃度およびCO濃度を低減するため、ボイラ100のバーナ102から投入する空気量と、アフタエアポート103から投入する空気量を調整する機能が備えられている。
前記制御装置200には、演算手段として更に、運転実績データベース240から出力されたボイラ100の運転データ245に基づいてボイラ100から排出される排ガスのNOx濃度補正値255を出力するNOx濃度補正手段250と、操作パラメータとNOx濃度との関係をモデル化してNOx濃度の推定値275を出力するモデル化手段270と、モデル化手段270が出力するNOx濃度の推定値275が設定条件を満足する操作パラメータ値295を学習して操作指令決定手段280に該操作パラメータ値295を出力する学習手段290を備えている。
また前記制御装置200には、データベースとして、ボイラ100の運転状態の計測情報であるプロセス計測値205と運転員の入力信号、上位制御システムからの指令信号等から成る運転データ206を蓄積・格納している運転実績データベース240と、数値解析演算手段400で計算した数値解析結果401を蓄積・格納する解析結果データベース402を備えている。
そして制御対象のプラントであるボイラ100は、前記制御装置200の入出力インターフェース220から受け取った操作指令信号285に従って、ボイラ100の運転を操作する、例えばバルブの開度やダンパ開度といったアクチュエータを動作させてボイラ100の運転状態をコントロールする。
また、制御装置200は別設されている中央給電指令所50から受信する負荷指令信号51に基づいてボイラ100の発電出力を制御するように構成されている。
本実施例は火力発電プラントに設置されたボイラ100の燃焼制御に適用した例であり、本実施例では特に、ボイラ100から排出される排ガス中のNOx濃度及び又はCO濃度を低下させる制御機能に適用した具体例を中心に説明する。
図2には図1に示した本発明の一実施例であるボイラの制御装置の制御対象となる石炭焚きボイラを備えた火力発電プラントの概略構成を示す。
まず、図2を用いてボイラ100を備えた火力発電プラント発電の仕組みについて説明する。
図2において、燃料となる石炭はミル110にて粉砕して微粉炭として石炭搬送用の1次空気、及び燃焼調整用の2次空気と共にボイラ100に設置したバーナ102を通じてボイラ100に投入し、ボイラ100の火炉内部で燃料の石炭を燃焼する。
燃料の石炭と1次空気は配管134から、2次空気は配管141からバーナ102に導かれる。
また、2段燃焼用のアフタエアを、ボイラ100に設置したアフタエアポート103を通じてボイラ100に投入する。このアフタエアは、配管142からアフタエアポート103に導かれる。
燃料の石炭をボイラ100の火炉の内部で燃焼させて発生した高温の燃焼ガスは、ボイラ100の火炉を矢印で示した経路に沿って下流側に流れ、ボイラ100に配置された熱交換器106を通過して熱交換した後、燃焼排ガスとなってボイラ100から排出されてボイラ100の外部に設置されたエアーヒーター104に流下する。
エアーヒーター104を通過した燃焼排ガスはその後、図示していない排ガス処理装置で燃焼排ガスに含まれている有害物質を除去した後に、煙突をから大気に放出される。
ボイラ100を循環する給水は、タービン108に設置された図示していない復水器から給水ポンプ105を介してボイラ100に導かれ、ボイラ100の火炉に設置した熱交換器106においてボイラ100の火炉の内部を流下する燃焼ガスによって加熱されて高温高圧の蒸気となる。
尚、本実施例では熱交換器106の数を1個として図示しているが、熱交換器を複数個配置してもよい。
熱交換器106で発生した高温高圧の蒸気は、タービンガバナ弁107を介して蒸気タービン108に導かれ、蒸気の持つエネルギーによって蒸気タービン108を駆動し、この蒸気タービン108に連結した発電機109を回転させて発電する。
次に、ボイラ100の火炉に設置されたバーナ102からボイラ100の火炉内に投入される1次空気及び2次空気、ボイラ100の火炉に設置されたアフタエアポート103からボイラ100の火炉内に投入されるアフタエアの経路について説明する。
1次空気は、ファン120から配管130に導かれ、途中でエアーヒーター104の内部を通過する配管132とエアーヒーター104をバイパスする配管131とに分岐し、これらの配管132及び配管131を流下した1次空気は再び配管133にて合流してミル110に導かれる。
エアーヒーター104を通過する空気は、ボイラ100の火炉から排出される燃焼排ガスにより加熱される。
この1次空気を用いてミル110で生成される石炭(微粉炭)を配管133を通じてバーナ102に搬送する。
2次空気及びアフタエアは、ファン121から配管140に導かれ、エアーヒーター104の内部を通過する配管140を流下して加熱された後に、配管140の下流側で2次空気用の配管141と、アフタエア用の配管142とに分岐して、それぞれボイラ100の火炉に設置されたバーナ102とアフタエアポート103に導かれるように構成されている。
本実施例であるボイラ100の制御装置200は、ボイラの排ガス中のNOx濃度およびCO濃度を低減するため、バーナ102からボイラ100に投入する空気量と、アフタエアポート103からボイラ100に投入する空気量を調整する機能を持っている。
火力発電プラントには、該火力発電プラントの運転状態を検出する様々な計測器が配置されており、これらの計測器から取得されたプラントの計測信号は、プロセス計測値205として制御装置200に送信される。
火力発電プラントの運転状態を検出する様々な計測器として、例えば図2には発電出力計測器153、及びNOx濃度及び/又はCO濃度を計測する濃度計測器154がそれぞれ図示されている。
前記熱交換器106で発生した蒸気で駆動される蒸気タービン108によって回転する発電機109によって発電された電力量は発電出力計測器153で計測する。
また、ボイラ100を流下する燃焼ガスに含まれている成分(CO、NOxなど)の濃度に関する情報は、ボイラ100の下流側であるボイラ出口の流路に設けたNOx濃度及び/又はCO濃度を計測する濃度計測器154で計測される。
尚、一般的には図2に図示した以外にも多数の計測器が火力発電プラントに配置されているが、ここでは図示を省略する。
図2に示すように、エアーヒーター104の内部に配設された配管140の下流側で分岐した2次空気用の配管141及びアフタエア用の配管142、エアーヒーター104の内部に配設された配管132、及びエアーヒーター104をバイパスした配管131には図示していない空気ダンパがそれぞれ配置されており、これらの空気ダンパを操作することによって配管131、132、141、142内で空気が通過する面積を変更し、これらの配管131、132、141、142を通過する空気流量を個別に調整する。
そして火力発電プラントのボイラ100を制御する制御装置200から出力される操作指令信号285を用いて、ミル110や前記空気ダンパなどの機器を操作してボイラ100の運転を制御するように構成されている。
前記ボイラ100の火炉には、ボイラ内壁及び伝熱管に付着した灰や煤による汚れを除去して伝熱性能を維持する目的でスートブロワ111が複数箇所に設置されている。このスートブロワ111はノズルから高圧の空気または蒸気を噴射してボイラ内壁や伝熱管の伝熱面に付着した灰や煤などを洗浄するものである。
前記制御装置200に設置した基本操作指令演算手段230は、PID(比例・積分・微分)制御器を基本構成要素として構成されており、中央給電指令所50から受信する負荷指令信号51に基づいて、ボイラ100の運転状態を計測したプロセス計測値205、入出力手段221から入力する運転員の入力信号、上位制御システムからの指令信号等からなる運転データ206を入力としてボイラ100に設置されているバルブ、ダンパ、モータ等の各種動作機器に対する基本操作指令値235を演算して出力するものである。
次に、前記制御装置200に設置した操作指令決定手段280について説明する。
操作指令決定手段280は、基本操作指令演算手段230から出力される基本操作指令値235、または学習手段290から出力される操作パラメータ値295のうちのどちらか一方を選択し、この選択したものを操作指令値285として出力するものである。
次に前記制御装置200に設置した操作指令決定手段280を構成する選択回路を示す制御ブロック図について図4を用いて説明する。
図4に示した制御ブロック図の操作指令決定手段280では、該操作指令決定手段280に設けられた減算器281によって基本操作指令値235と学習手段290による強化学習結果である操作パラメータ値295との偏差信号287を計算し、この偏差信号287を該操作指令決定手段280に設けられた加算器284によって基本操作指令値235に加算して強化学習操作指令値288を作成する。
もし、入力データの異常または演算回路の異常により学習手段290の出力値である操作パラメータ値295の値が異常になった場合には、偏差信号287に該操作指令決定手段280に設けられた乗算器283で乗じる係数をゼロにすることで強化学習操作指令値288は基本操作指令値235と等しくなるため、誤って異常信号を出力する危険性が低減される。
操作パラメータ値295の値が異常か否かは、学習手段290への入力データ及び出力データの上下限値チェック及び変化率の上下限チェックで判定する。この入力データ又は出力データが一つでも予め設定した前記上下限値を逸脱する場合は、該操作指令決定手段280に設けられた切替器282の出力信号を0とすることで異常の可能性がある操作パラメータ値295の出力を防止する。切替器282は、それ以外の場合は出力信号を1としている。
そして該操作指令決定手段280に設けられた別の切替器286では、入力する強化学習操作指令値288と基本操作指令値235のうち、何れか一方を選択して操作指令値285として出力する。
また、操作パラメータ値295が異常の場合には、強化学習操作指令値288は別の切替器286に入力する選択候補から外される。そこで、この操作パラメータ値295が異常時の場合には、基本操作指令値235として今回値と前回値のどちらか一方の基本操作指令値235が出力されるように構成されているので、運転の安全性が確保される。
また、前述したように操作パラメータ値295の値が異常時には切替器282の出力信号を0としているので、万が一、別の切替器286で強化学習操作指令値288が選択されたとしてもこの別の切替器286からは基本操作指令値235が操作指令値285として出力されるので異常信号を出力することは無く、二重に安全性が確保されている。
次に前記制御装置200に設置した学習手段290について説明する。
図1の制御装置200に示したように、学習手段290は運転実績データベース240に蓄積されたボイラ100の運転データ245、数値解析演算手段400で計算した数値解析結果401を用いて強化学習理論によりプラントの運転状態に対応した適切な操作方法を学習する機能を有している。
強化学習理論の詳細な説明は、例えば前述の非特許文献1である“強化学習(Reinforcement Learning)、三上貞芳・皆川雅章共訳、森北出版株式会社、2000年12月20日出版”に述べられているので、ここでは強化学習の概念のみを説明する。
図3に強化学習理論による制御の概念図を示す。図3において、制御装置610は制御対象600に対して操作指令630を出力する。制御対象600は制御指令630に従って動作するが、この時、制御指令630による動作により制御対象600の状態が変化する。
そして制御装置610は、変化した制御対象600の状態が制御装置610にとって望ましいか、または、望ましくないか、また、それらがどの程度かを示す量である報酬620を制御対象600から受け取る。
実際には制御対象600から受け取る情報は制御対象600の状態量であって、それに基づいて制御装置610が報酬620を計算するのが一般的である。一般に、望ましい状態に近づくほど報酬が大きくなり、望ましくない状態になるほど報酬が小さくなるように設定される。
制御装置610は試行錯誤的に操作を実施して、報酬620が最大になる(すなわち、できるだけ望ましい状態に近づく)ような操作方法を学習することにより、制御対象600の状態に応じて適切な制御ロジックが構築されるのである。
ニューラルネットワークに代表される教師付学習理論は、予め成功事例を教師データとして提供する必要があり、新規プラントで運転データがない場合や、現象が複雑で予め成功事例を準備できない場合には不向きである。
これに対して強化学習理論は教師なし学習に分類され、自らが試行錯誤的に望ましい操作を生成する能力を持っている点で、制御対象の特性が必ずしも明確でない場合に対しても適用可能な利点を持っている。
しかしながら、プラントの運転データのみで学習するためには、学習に必要な運転データが十分蓄積されるまで待つ必要があるため、効果を発揮するまでに長時間を要する場合がある。
また、試行錯誤的に学習するため、学習過程では運転上望ましくない状態になる可能性もあり、場合によっては安全面で支障をきたす恐れもある。
そこで、本実施例のボイラの制御装置では、学習を2段階で実施している。まず、第一段階の学習としては、実際の制御対象ではなく制御対象を模擬するモデルを対象に学習する。
この第一段階の学習ではモデルを対象に学習するので、試行錯誤の過程で実際には不適切な運転操作や、安全上好ましくない運転操作があっても良く、結果的にそれらの操作をしないように学習することができる。
しかしながら、モデルは実際のプラントと全く同じ挙動をすることはなく、モデルには誤差がつきものである。そこで、第二段階の学習として、実機プラントの運転データを用いてモデルの誤差を修正しながら、修正したモデルで学習し直すことで制御性能を高めている。この第二段階の学習を再学習または追加学習と呼ぶ。
本実施例の制御装置200に設置した数値解析演算手段400は、ボイラ100の構造をモデル化した数値解析モデルであり、ボイラ100の燃焼反応、ガス流動、伝熱のプロセスを差分法、有限体積法、有限要素法等の数値解析手法を用いて計算するものである。
数値解析演算手段400としては数値解析の解析精度が高い方が望ましいが、本実施例では解析手法に特徴があるのでは無く、解析手法を限定するものではないため数値解析方法に関する説明は省略するが、計算対象であるボイラの形状を計算格子(メッシュ)に分割し、格子内の物理量の収支を計算するようにしている。
数値解析演算手段400による数値解析によってボイラ100のガス温度、ガス成分の濃度、ガス流速と流れの方向等が計算結果として出力され、数値解析データベース402に蓄積される。
前記数値解析演算手段400による数値解析により、ボイラ100の様々な操作条件における現象を計算し、ボイラ100のNOx濃度の計測位置におけるNOx濃度を計算する。
また、前記数値解析演算手段400は必ずしも制御装置200の内部に設置する必要はなく、制御装置200とは異なる別の計算機として設置しても良い。
また、数値解析データベース402も同様に必ずしも制御装置200の内部に設置する必要はなく、制御装置200と別設して数値解析データベース402に格納されているデータをモデル化手段270及び学習手段290に出力できるように制御装置200との間で通信できる通信機能があれば良い。
前記数値解析演算手段400によって計算された数値解析結果401は数値解析データベース402に蓄積される。モデル化手段270はこの数値解析データベース402に蓄積された数値解析結果401の中から必要な数値解析結果401のデータを読込む。
そしてモデル化手段270は、ボイラ100のNOx濃度の計測値を教師信号、その時の操作量を入力信号として、入力層、中間層、出力層からなるニューラルネットワークで、誤差逆伝播法(バックプロパゲーション法)を用いて入出力関係を学習する。
ニューラルネットワークの構成及び学習方法は一般的な方法であり、また、これらの方法が他の方法であっても良く、本実施例ではニューラルネットワークの構成や学習方法には依存しないので、ここでは詳細な説明を省略する。
前記学習手段290では、前述したように第一段階の学習として、このニューラルネットワークで学習した数値解析に基づくプラント特性を相手に、NOx濃度を抑制する操作方法を学習する。
操作量に相当する操作信号293はボイラ100に設置したバーナ102及びアフタエアポート103の各位置毎の空気流量、バーナ毎の燃料流量である。
本実施例ではボイラ100の燃料流量、空気流量と、ボイラ100から排出される燃焼排ガス中のNOx濃度の関係をモデル化しているが、本実施例は入力項目及び出力項目をこれだけに限定するものではい。また、モデル化方法もニューラルネットワークに限定するものではなく、回帰モデル等の他の統計モデルを用いても良い。
前記学習手段290ではモデル化手段270で作成したモデルに対して、ボイラ100に設置したバーナ102及びアフタエアポート103の各位置毎の空気流量、バーナ102毎の燃料流量からなる操作信号293をモデル化手段270の入力データとして出力する。
このデータ293はボイラ100の操作条件に対応しており、それぞれ上下限値、変化幅(刻み幅)、一回の操作で取り得る最大変化幅が設定してある。データ293の各量は取り得る値の範囲内でランダムに各数値が決定される。
モデル化手段270では作成済みのニューラルネットワークモデルに学習手段290からデータ293を入力し、この学習手段290に対する出力データとなるNOx濃度の推定値275を計算して出力する。
学習手段290はモデル化手段270の出力データであるNOx濃度の推定値275を受信し、報酬値を計算する。
前記学習手段290で計算される報酬は式(1)で定義する。ここで、Rは報酬値、ONOxはNOx値、SNOxはNOx及の目標設定値、κ1、κ2、κ3、κ4、は正の定数である。
前記学習手段290で計算される報酬は式(1)で定義する。ここで、Rは報酬値、ONOxはNOx値、SNOxはNOxの目標設定値、κ1、κ2、κ3、κ4、は正の定数である。
Figure 0004940167
式(1)に示すように、前記学習手段290ではNOxの目標設定値よりもNOx濃度が低下した場合は報酬R1を与え、さらに、NOxの目標設定値よりもNOx濃度が大幅に低下した場合はその偏差に比例して報酬R2を与えるようになっている。
なお、報酬の定義方法は他にも多様な方法が考えられ、式(1)の方法に限定されるものではない。
学習手段290は式(1)で計算される報酬Rが最大になるように操作量の組合せである操作信号293を学習するため、現状態に対応してNOx濃度を低減する操作量の組合せの操作信号293を学習することができる。
学習手段290は学習が終了した状態で、現在時刻のボイラ100の運転データ206を読込み、前記学習結果に基づいて式(1)で計算される報酬Rが最大となる操作パラメータ値295を演算して操作指令決定手段280に出力する。
以上により、制御対象プラントであるボイラ100の稼動前、すなわち運転実績データが無い状態でも強化学習によってCO、NOxを抑制する運転操作方法が得られるので、ボイラ100の試運転時から本制御技術が適用でき、効果を発揮することができる。
また、運転実績データベース240の運転実績データのみで学習する場合、運転実績データベース240に蓄積させる制御対象プラントのボイラ100のデータの蓄積に数週間〜数ヶ月を必要とするため、その間十分な制御性能が得られない可能性がある。そのため、NOx濃度が高くなり環境性が悪化したり、脱硝装置で用いる還元剤(アンモニア)の消費量が増加する可能性がある。
また、試行錯誤運転のため、安全運転の面からも好ましくない状態になる危険性もあるが、本実施例のボイラの制御装置によればこれらのリスクを抑制・回避できる点で有効である。
しかしながら、数値解析結果の誤差(実機プラント計測値との偏差)をゼロにすることは困難であるため、ボイラ100が稼動した後は、運転実績データベース240に蓄積されたボイラ100の運転実績データを用いてモデル化手段270に構成されたニューラルネットワークモデルの特性を補正する。これが、第二段階の学習である。
そのために、モデル化手段270では運転実績データベース240に蓄積された運転データ245から上記操作信号293(バーナ及びアフタエアポートの各位置毎の空気流量、バーナ毎の燃料流量)とNOx濃度との関係データを数値解析データに加えて追加学習する機能を有している。
このモデル化手段270による追加学習により、実機ボイラの運転データ245の特性がニューラルネットワークの特性モデルに反映され、モデルの精度が向上する。
また、この運転データ245で補正したモデルを相手に学習手段290が再度学習し直す機能もあり、これにより、より実機ボイラの特性に即した制御が可能となり、NOx濃度の低減効果が大きい操作方法を学習できる。
しかしながら、NOx濃度は、火力発電プラントの発電機出力、ボイラ100のバーナ102及びアフタエアポート103の各位置毎の空気流量、バーナ102毎の燃料流量が同じであっても、変化する場合がある。特に、スートブロワ111の動作によってNOx濃度は変化する。
次にボイラ100の火炉に設置されて、ノズルから高圧の空気または蒸気を噴射してボイラ内壁及び伝熱管に付着した灰や煤による汚れを除去するスートブロワ111の動作とボイラ100の燃焼ガス中のNOx濃度との関係について説明する。
NOxは主に次の2種類に大別できる。一つは燃料中の窒素が酸化するもので、フューエルNOxと呼ばれている。もう一つは、燃焼空気中に含まれる窒素が酸化されるもので、サーマルNOxと呼ばれる。このうち、後者は燃焼ガス温度が高い方がNOxの発生量が多いことが知られている。
ボイラ100の火炉に設置されるスートブロワ111はボイラ100内の冷却壁面や伝熱管に付着する灰や煤などの伝熱阻害物質を洗浄して、伝熱性能を回復させる目的がある。スートブロワ111によって洗浄した直後は、伝熱量が増加して燃焼ガス温度が低下するため、サーマルNOxの発生量も低下する。
スートブロワ111で洗浄した後は時間の経過と共に灰や煤が付着または堆積するため、ボイラの燃焼ガスから冷却壁面または伝熱管への伝熱量が低下する。そのため、燃焼ガス温度が上昇し、サーマルNOxの発生量が増加する。
スートブロワ111を作動させるタイミングの決め方にもいろいろな方法がある。例えば、予め設定した時間間隔で作動するものや、ボイラ100に配置された熱交換器106を流れる蒸気の温度、圧力、流量から計算した伝熱量が設定した値を下回った場合に作動するものなどがある。何れの方法でも、スートブロワ111の作動によって、サーマルNOx濃度が変化することは同じである。
本実施例の制御装置200に設けられたモデル化手段270は、操作量(バーナ102及びアフタエアポート103の各位置毎の空気流量、バーナ102毎の燃料流量)とNOx濃度との関係を学習するが、同じ操作量の条件であっても、NOx濃度が変化するため、操作量とNOx濃度との関係を正しく模擬できなくなる。すなわち、スートブロワ111が作動することが、外乱となってしまうのである。
この場合、例えば、操作方法は適切でなかったが、スートブロワ111の作動によりNOx濃度が下がった場合、この関係をモデル化したモデル化手段270を相手に操作方法を学習する学習手段290は、これをNOx濃度を下げる操作だと学習する。実際にはスートブロワ111の影響でNOxが下がったのであるから、この学習結果で制御した場合、この操作ではNOx濃度が低減できない。
そこで、本発明の実施例においては、制御装置200にNOx濃度補正手段250を備えることで、この課題を解決する。
次にこのNOx濃度補正手段250の構成について図6を用いて説明する。
図6は本実施例の制御装置200に備えられたNOx濃度補正手段250を構成する制御ブロックを示すものであり、NOx濃度補正手段250はNOx補正モデル251と燃料種別データ記憶手段252とを備えて構成されている。
燃料種別データ記憶手段252は燃料である石炭の銘柄毎に、NOx補正モデル251で使用するモデルパラメータを記憶している。
NOx補正モデル251では使用する燃料種類すなわち石炭種類に応じて、燃料種別データ記憶手段252に記憶してある対応するモデルパラメータを選択して使用する。これは石炭の種類によって、灰の性状や付着する性質が異なり、NOx濃度に及ぼす影響が異なるためである。
NOx濃度補正手段250に備えられたNOx補正モデル251には、図7に示すようにニューラルネットワークを構成しているNOx基準値演算部411と、同じくニューラルネットワークを構成しているNOx補正値演算部403とを備えて制御ブロックが構成されている。
図7において、NOx基準値演算部411は灰付着とスートブロワ111の噴射によるNOx濃度の変化を補正するためのNOx濃度基準値412を演算するものであり、このNOx基準値演算部411で演算したNOx濃度基準値412をNOx補正値演算部413に出力する。
NOx基準値演算部411ではスートブロワ111の噴射から所定時間経過後のNOx濃度を基準値とする。ここでスートブロワ111の噴射から所定時間経過後のNOx濃度を用いるのは、NOx濃度には反応時間と燃焼部からNOx計測位置までの燃焼ガスの流動遅れがあるからである。
またNOx濃度の基準値はNOx濃度及び/又はCO濃度を計測する濃度計測器154によって検出された数分間のNOx濃度計測値の平均値としても良い。
スートブロワ111の噴射後に基準値となるNOx濃度を計算し、その時の操作量とNOx濃度基準値との関係を図8に示すニューラルネットワークを構成するNOx濃度補正手段250で学習する。
図8は制御装置200のNOx濃度補正手段250を構成するニューラルネットワークを示すもので、このニューラルネットワークの入力データは操作量であるバーナ102及びアフタエアポート103の各位置毎の空気流量や、バーナ102毎の燃料流量であり、このニューラルネットワークの出力データはNOx濃度基準値である。
また、このニューラルネットワークの教師データは前述したスートブロワ111の噴射から所定時間経過後のNOx濃度である。
そこで図7のNOx濃度補正手段250に設けられたNOx補正モデル251に設置したNOx基準値演算部411を構成するニューラルネットワークに、現在時刻における操作量の前記データを入力すると、NOx基準値演算部411でスートブロワ111の作動状況によらず、操作量の条件に対応したNOx濃度基準値412を演算して出力する。
次に図7のNOx補正モデル251に設置したNOx補正値演算部413を構成するニューラルネットワークに、NOx基準値演算部411から出力されたNOx濃度基準値412を読込んで、現在時刻におけるNOx濃度計測値とNOx濃度基準値412との差を計算して出力する。
この差が現在時刻におけるNOx濃度補正値255であり、スートブロワ111の噴射後の経過時間とNOx濃度補正値255との関係をこのNOx補正値演算部413を構成する図9に示すニューラルネットワークで学習する。
図9に示したNOx補正値演算部413を構成するニューラルネットワークの入力データは、操作量であるバーナ102及びアフタエアポート103の各位置毎の空気流量、バーナ102毎の燃料流量と、NOx濃度計測値及びスートブロワ111の噴射後の経過時間である。
そしてNOx補正値演算部413を構成するニューラルネットワークの出力データはNOx濃度補正値255であり、操作量の条件に対応してスートブロワ111の噴射後の経過時間に応じたNOx濃度補正値255を出力する。
また、このNOx補正値演算部413を構成するニューラルネットワークの入力データは、少なくともスートブロワ111の噴射後の経過時間が必要であるが、他の入力項目は本例に限定されるものではない。
また、NOx補正値演算部413を構成するニューラルネットワークは入出力データ間の関係を記述する手段であって、回帰式などの他の方法でも良い。
先に述べたように、制御装置200のモデル化手段270は数値解析結果に基づいて学習する機能と、数値解析結果に実機ボイラ100の運転データ245を加えて追加学習する機能を有している。
この時、運転データ245に含まれるNOx濃度計測値が灰付着とスートブロワ111の動作によって変動するため、学習の外乱になる恐れがあった。
そこで前述したように本実施例のボイラ制御装置では、運転データ245中のNOx濃度計測値からNOx濃度補正値255を差し引くことにより、数値解析と同じ条件におけるNOx濃度計測値を補正することを可能としている。
これにより本実施例のモデル化手段270では、スートブロワ111によるNOx濃度変化の影響を排除して、操作量とNOx濃度との関係を学習することができるようになる。
従って、本実施例のボイラ制御装置では、学習手段290でスートブロワ111の動作による影響によって適切な操作を学習できなくなる恐れが回避されることから、NOx濃度を低減する操作方法が学習可能となり、よって効果的にNOx濃度の排出量を抑制することができる。
数値解析では灰付着の時間的変化や、それに伴う熱吸収量の変化、NOx濃度の変化を計算する方法も考えられるが、灰付着の現象は非常に複雑であり、その解析精度と計算時間の増加を考えると現実的ではない。
そこで、本実施例のボイラ制御装置では、灰付着状態の基準状態を設定して数値解析し、実機ボイラの運転データからNOx濃度への影響を補正するようにしている。
本実施例の数値解析においては、灰付着状態は伝熱面の熱伝達率及び放射率についてスートブロワ111の噴射後の状態を想定して設定する。
NOx濃度補正手段250はNOx濃度補正値255をNOx濃度計測値から差し引いて、補正後のNOx濃度を計算する機能を有している他、NOx濃度計測値の移動平均値を計算する機能もあり、それらの2つの値256を入出力手段221に設置した表示画面223に出力して表示する。
図5に本実施例のボイラ制御装置200に設置した入出力手段221の表示画面223に表示する表示画面例を示す。
図5に示された表示画面223の画面は、使用炭種選択欄420、補正モデル炭種選択欄421、補正値描画ボタン422、グラフ表示欄423、時刻スクロールバー424、炭種設定ボタン425から構成される。
使用炭種選択欄420は現在使用中の石炭種類を選択するもので、プルダウンメニュー形式で予め登録されている石炭種類が表示され、その中から選ぶようになっている。石炭種類が新規の種類である場合は、入出力手段221の入力手段222のキーボードから使用炭種選択欄420に種類名を入力することで新たに登録される。
また、使用石炭種類が運転中に変更になった場合は、使用炭種を選択後に炭種設定ボタン425をマウス操作でクリックすることで、入出力手段221から制御装置200のNOx濃度補正手段250に石炭種情報が送信される。
そしてNOx濃度補正手段250に備えられたNOx補正モデル251では、この石炭種情報に対応するモデルパラメータを燃料種別データ記憶手段252から読込んでNOx濃度の補正値を計算する。モデルパラメータとはニューラルネットワークの各ノード間の結合重み係数である。
図5に示した補正モデル炭種選択欄421はNOx濃度補正手段250に設置されたNOx補正モデル251で計算するモデルパラメータの石炭種類を指定することができる。
使用炭種選択欄420で選択した石炭種類に自動的に設定されるようになっているが、モデル炭種選択欄421で意図的に他の石炭種類のモデルパラメータを使うように設定することができる。この機能により、石炭種類によるNOx変化傾向の相違がわかりやすくなる。
図5に示したグラフ表示欄423には上段にスートブロワ111の噴射後の経過時間が、下段にはNOx濃度の計測値が横軸時刻に対して表示される。時刻スクロールバー424をマウス操作により左右に移動させることにより、過去のデータも表示させることができるように構成されている。
NOx計測値はグラフ表示欄423のグラフ上に実線で、移動平均値は点線で示されている。また、補正値描画ボタン422をマウス操作でクリックすると制御装置200の学習手段270で計算した補正後のNOx濃度が前記グラフ表示欄423のグラフ上に一点鎖線で表示され、灰付着及びスートブロワ111の影響を除いたNOx濃度の変化傾向を確認することができるように構成されている。
本実施例のボイラ制御装置では図5に示したグラフ表示欄423にグラフ表示するNOx濃度は計測値の値を実線で、移動平均値を点線で、補正後のNOx値を一点鎖線でそれぞれ表示しているが、グラフ表示するNOx濃度は予め定めた基準値からの偏差量でもよく、基準値として前記NOx濃度基準値412を用いても良い。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施例によればスートブロワの作動がボイラの制御系に外乱となる状況を回避してボイラに供給すべき空気供給量の操作量を正しく設定してボイラで発生するNOx濃度を所望の値に低減可能にしたボイラの制御装置及びボイラの制御方法が実現できる。
本発明は、ボイラの燃焼を制御するボイラの制御装置及びボイラの制御方法に適用可能である。
本発明の一実施例であるボイラの制御装置を示す概略構成図。 図1に示した実施例であるボイラの制御装置が備えられた火力発電プラントを示す概略構成図。 強化学習理論による制御の概念を説明する図。 図1に示した実施例のボイラの制御装置に備えられた操作指令決定手段を構成する選択回路を示す制御ブロック図。 本発明の実施例であるボイラの制御装置に設置された表示画面に表示した表示例。 図1に示した実施例のボイラの制御装置に備えられたNOx濃度補正手段の構成を説明する図である。 図1に示した実施例のボイラの制御装置に備えられたNOx補正モデルの構成を示す制御ブロック図。 図1に示した実施例のボイラの制御装置に備えられたモデル化手段270でNOx基準値を演算するニューラルネットワークの入出力データを示す説明図。 図1に示した実施例のボイラの制御装置に備えられたモデル化手段270でNOx補正値を演算するニューラルネットワークの入出力データを示す説明図。
符号の説明
100:ボイラ、200:制御装置、220:入出力インターフェース、221:入出力手段、230:基本制御指令演算手段、240:運転実績データベース、250:NOx濃度補正手段、251:NOx補正モデル、270:モデル化手段、280:操作指令決定手段、290:学習手段、400:数値解析演算手段、402:数値解析結果データベース、411:NOx基準値演算部、413:NOx補正値演算部。

Claims (8)

  1. ボイラの内壁面または伝熱管に付着する付着物を除去するスートブロワを備えたボイラの運転を制御するボイラの制御装置において、
    前記ボイラの制御装置は、前記スートブロワが作動時から経過した時間であるスートブロワ経過時間と、ボイラで発生する燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定値または該NOx濃度測定値の基準値からの偏差との関係に基づいて、前記スートブロワ経過時間を入力してNOx濃度の測定値を補正した補正NOx濃度を演算して出力するNOx濃度補正手段と、
    前記NOx濃度補正手段から出力された前記補正NOx濃度を用いてボイラに設置したバーナまたはエアポートから供給する空気流量に対応する操作指令値を演算してボイラの操作機器に出力する操作指令決定手段を備えていることを特徴とするボイラの制御装置。
  2. ボイラの内壁面または伝熱管に付着する付着物を除去するスートブロワを備えたボイラの運転制御装置において、
    前記ボイラの制御装置は、前記スートブロワが作動時から経過した時間であるスートブロワ経過時間と、ボイラで発生する燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定値または該NOx濃度測定値の基準値からの偏差との関係に基づいて、前記スートブロワ経過時間を入力してNOx濃度測定値を補正した補正NOx濃度を演算して出力するNOx濃度補正手段と、
    前記NOx濃度補正手段から出力された前記補正NOx濃度とボイラに設置したバーナまたはエアポートから供給する空気流量または該空気流量に対する操作指令値との関係に基づいて前記空気流量または前記操作指令値を入力として補正NOx濃度推定値を演算して出力するモデル化手段と、
    前記モデル化手段に前記空気流量または前記操作指令値を入力してモデル化手段から出力される前記補正NOx濃度推定値を読み込んで前記補正NOx濃度推定値が所定の条件になる前記空気流量または前記操作指令値を学習し、この学習結果に基づいて前記空気流量または前記操作指令値を演算して出力する学習手段と、
    前記学習手段から出力される前記空気流量または前記操作指令値の演算結果を入力として前記バーナまたはエアポートに供給する空気流量に対応する操作指令値を演算してボイラの操作機器に出力する操作指令決定手段を備えていることを特徴とするボイラの制御装置。
  3. 請求項2に記載のボイラの制御装置において、
    前記モデル化手段は、前記ボイラで生じる燃焼現象を物理的または化学的に記述したモデル式に基づいて計算した数値解析結果のうち、バーナまたはエアポートの空気流量の解析データと、計算した窒素酸化物(NOx)の解析データとを、前記空気流量または前記操作指令値及び前記補正NOx濃度の代りに読み込んで、前記バーナまたはエアポートに供給する空気流量を入力して前記NOx濃度の推定値を演算して出力することを特徴とするボイラの制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のボイラの制御装置において、
    前記NOx濃度補正手段は、前記スートブロワ経過時間と、前記窒素酸化物(NOx)濃度の測定値または該NOx濃度測定値の基準値からの偏差との関係を燃料種類毎に複数構築し、これら複数構築した前記関係のデータを記憶する燃料種別データ記憶手段を備えたことを特徴とするボイラの制御装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のボイラの制御装置において、
    前記ボイラの制御装置は前記スートブロワ経過時間と、窒素酸化物(NOx)濃度の測定値、または該NOx濃度測定値の基準値からの偏差をそれぞれ表示する表示画面を有する入出力手段を備えていることを特徴とするボイラの制御装置。
  6. 請求項4に記載のボイラの制御装置において、
    前記ボイラの制御装置は、この制御装置に備えられたNOx濃度補正手段に入力データを入力する入力手段を備えており、前記NOx濃度補正手段は前記入力手段から入力された燃料種類のデータに基づいて該燃料種類のデータに相当する燃料種類の関係データを前記燃料種別データ記憶手段から読み込んでNOx濃度の補正値を演算して出力するNOx濃度補正モデルを備えていることを特徴とするボイラプラントの制御装置。
  7. ボイラの内壁面または伝熱管に付着する付着物を除去するスートブロワを備えたボイラの運転を制御するボイラの制御方法において、
    ボイラの制御装置に備えられたNOx濃度補正手段によって、前記スートブロワが作動時から経過した時間であるスートブロワ経過時間とボイラで発生する燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定値または該NOx濃度測定値の基準値からの偏差との関係に基づいて、前記スートブロワ経過時間を入力してNOx濃度の測定値を補正した補正NOx濃度を出力しており、
    ボイラの制御装置に備えられた操作指令決定手段によって、前記NOx濃度補正手段から出力された前記補正NOx濃度を用いてボイラに設置したバーナまたはエアポートの空気流量に対応する操作指令値を演算していることを特徴とするボイラの制御方法。
  8. ボイラの内壁面または伝熱管に付着する付着物を除去するスートブロワを備えたボイラの運転制御方法において、
    ボイラの制御装置に備えられたNOx濃度補正手段によって前記スートブロワが作動時から経過した時間であるスートブロワ経過時間とボイラで発生する燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定値または該NOx濃度測定値の基準値からの偏差との関係に基づいて、前記スートブロワ経過時間を入力してNOx濃度測定値を補正した補正NOx濃度を出力しており、
    ボイラの制御装置に備えられたモデル化手段によって前記NOx濃度補正手段から出力された前記補正NOx濃度とボイラに設置したバーナまたはエアポートの少なくとも一方の空気流量または該空気流量に対する操作指令値との関係に基づいて前記空気流量または前記操作指令値を入力として補正NOx濃度推定値を出力しており、
    ボイラの制御装置に備えられた学習手段によって前記モデル化手段に前記空気流量または前記操作指令値を入力してモデル化手段から出力される前記補正NOx濃度推定値を読込み、前記補正NOx濃度推定値が所定の条件になる前記空気流量または前記操作指令値を学習し、この学習結果に基づいて前記空気流量または前記操作指令値を演算しており、
    ボイラの制御装置に備えられた操作指令決定手段によって前記学習手段が出力する前記空気流量または前記操作指令値の演算結果を入力として前記バーナまたはエアポートの空気流量に対応する操作指令値を演算していることを特徴とするボイラの制御方法。
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