JP6524779B2 - ボイラシステム - Google Patents
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Description
なお、段階値制御ボイラとは、複数段階の燃焼位置で燃焼するN位置ボイラ(例えば、燃焼停止、低燃焼、高燃焼等の3位置ボイラ)をいい、このような段階値制御ボイラでは、燃焼率が段階的(例えば、50%毎)に変更される。他方、連続制御ボイラとは、例えば、燃焼率を1%刻みで変更可能なボイラをいい、段階値制御ボイラに比べ細かな調整が可能であり、圧力安定性が向上する。
また、連続制御ボイラにより構成されるボイラシステムでは、台数制御装置は、目標圧力を予め設定しておき、蒸気ヘッダの蒸気圧力と目標圧力との偏差に応じた制御量を算出することで、ボイラ群の燃焼状態を制御することができる(特許文献2参照)。
具体的には、段階値制御ボイラと連続制御ボイラとが混在するボイラシステムにおいて、ボイラ群の台数制御を行う台数制御装置は、要求負荷に応じた要求蒸気量分の蒸気を連続制御ボイラから出力するようにボイラ群の燃焼状態を制御するとともに、連続制御ボイラから出力する蒸気量が段階値制御ボイラにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を超える所定蒸気量に達することを条件に、当該燃焼位置に相当する蒸気量の出力を連続制御ボイラから段階値制御ボイラに切り換える。
こうすることで、連続制御ボイラを要求負荷に対する負荷追従用に用いることができる一方で、定常的に必要になる蒸気量に対するベース燃焼用に段階値制御ボイラを用いることができ、両ボイラが持つ優位性を生かした台数制御を可能としている(特許文献3参照)。
また、特許文献3に記載された燃焼制御方法は、連続制御ボイラ20Bを要求負荷に対する負荷追従用に用いる一方で、定常的に必要になる蒸気量に対するベース燃焼用に段階値制御ボイラ20Aを用いるものであるが、要求負荷の急激な増減に対する燃焼制御については想定していなかった。
前記第2燃焼制御部は、前記第3偏差量(過不足分に相当する蒸気量)が正の値の場合、前記第3偏差量に相当する蒸気量を減少させる一方、前記第3偏差量が負の値の場合、前記第3偏差量の絶対値に相当する蒸気量を増加させる、ボイラシステムに関する。
そうすることで、段階値制御ボイラと連続制御ボイラとが混在するボイラシステムにおいて、それぞれのボイラが持つ優位性を生かした台数制御が可能なボイラシステムを提供することができる。
まず、本実施形態に係るボイラシステム1の全体構成につき、図1を参照しながら説明する。ボイラシステム1は、段階値制御ボイラ20A及び連続制御ボイラ20Bが混在するボイラ群2と、これら複数のボイラ20A、20Bにおいて生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダ6と、この蒸気ヘッダ6の内部の圧力を測定する蒸気圧センサ7と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する制御部4を有する台数制御装置3と、を備える。
蒸気ヘッダ6は、蒸気管11を介してボイラ群2を構成する複数のボイラ20A及び20Bに接続されている。この蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。
蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で生成された蒸気を集合させて貯留することにより、複数のボイラ20A及び20Bの相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給する。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御装置3は、この蒸気消費量の変動に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力値(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20A及び20Bの燃焼状態を制御する。
本実施形態のボイラ群2は、3台の段階値制御ボイラ20Aと、2台の連続制御ボイラ20Bとからなり、3台の段階値制御ボイラ20Aは段階値制御ボイラ群2Aを構成し、2台の連続制御ボイラ20Bは連続制御ボイラ群2Bを構成する。
段階値制御ボイラ20Aとは、燃焼を選択的にオン/オフしたり、又は炎の大きさを調整すること等により燃焼量を制御して、選択された燃焼位置に応じて燃焼量を段階的に増減可能なボイラである。
1)燃焼停止位置(第1燃焼位置:0%)
2)低燃焼位置L(第2燃焼位置:例えば最大燃焼量の5〜35%で設定される、本実施形態では20%)
3)中燃焼位置M(第3燃焼位置:例えば最大燃焼量の40〜70%で設定される、本実施形態では45%)
4)高燃焼位置H(第4燃焼位置:100%(最大燃焼量))。
台数制御装置3(制御部4)は、優先順位が高い段階値制御ボイラ20A(の燃焼位置)から順に燃焼させ、優先順位が低い段階値制御ボイラ20A(の燃焼位置)から順に燃焼を停止する。
段階値制御ボイラ20Aは、複数の段階的な燃焼位置で燃焼するところ、それぞれの燃焼位置でボイラ効率(段階値制御ボイラ20Aの熱効率)が異なる。図3に示すように、本実施形態の段階値制御ボイラ20Aでは、複数の燃焼位置のうち燃焼させる上で最も燃焼効率の良い燃焼位置(エコ燃焼位置)が中燃焼位置Mに設定されている。
連続制御ボイラ20Bとは、少なくとも、図2に示すように、最小燃焼状態S1(例えば、最大燃焼率の20%の燃焼量における燃焼状態)から最大燃焼状態S2の範囲で、燃焼量が連続的に制御可能とされているボイラである。連続制御ボイラ20Bは、例えば、燃料をバーナに供給するバルブや、燃焼用空気を供給するバルブの開度(燃焼比)を制御することにより、燃焼量を調整するようになっている。
より具体的には、複数の連続制御ボイラ20Bそれぞれには、変動可能な蒸気量の単位である単位蒸気量Uが設定されている。これにより、連続制御ボイラ20Bは、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、単位蒸気量U単位で、蒸気量を変更可能となっている。
最大変動蒸気量上限値は正の値で例えば、最大蒸気量の+7%、及び最大変動蒸気量下限値は、負の値で例えば最大蒸気量の−5%のように設定される。
例えば、連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量上限値が+7%の場合、最大蒸気量の7%を超える負荷が発生したとき、当該連続制御ボイラ20Bは、単位時間(1秒間)で応答(追従)できないことになる。
同様に、連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量下限値が−5%の場合、最大蒸気量の5%を超える負荷が減少したとき、当該連続制御ボイラ20Bは、単位時間(1秒間)で応答(追従)できない事象が発生する。
なお、最大変動蒸気量上限値及び最大変動蒸気量下限値は、それぞれ単位蒸気量Uの整数倍である。したがって、最大変動蒸気量上限値及び最大変動蒸気量下限値は、単位蒸気量Uの整数倍を設定してもよい。
連続制御ボイラ20Bは、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲で燃焼率を連続的に変更することができるが、燃焼率によってボイラ効率(連続制御ボイラ20Bの熱効率)が異なる。そこで、ボイラ効率が最も高くなる燃焼率をエコ運転ポイントとして設定し、また、ボイラ効率が所定値よりも高くなる燃焼率の範囲をエコ運転ゾーンとして設定する。図3を参照すると、連続制御ボイラ20Bのエコ運転ポイントは燃焼率50%であり、エコ運転ゾーンは、燃焼率30%から70%の範囲である。
また、記憶部5は、各段階値制御ボイラ20Aのボイラ容量、燃焼位置の段階数、後述するエコ燃焼位置等に関する情報を記憶することができる。
同様に、記憶部5は、各連続制御ボイラ20Bのボイラ容量、最小燃焼状態S1の燃焼率、単位蒸気量U、エコ運転ポイント、エコ運転ゾーン、最大変動蒸気量上限値、及び最大変動蒸気量下限値等に関する情報を記憶することができる。
本実施形態では、蒸気使用設備18の要求に応じて、初めに連続制御ボイラ20Bを燃焼させる。そして、制御部4は、例えば、特許文献3に記載された燃焼制御方法により、連続制御ボイラ20Bを要求負荷に対する負荷追従用に用いる一方で、定常的に必要になる蒸気量に対するベース燃焼用に段階値制御ボイラ20Aを用いているとする。
逆に、要求負荷が急激に減少して、必要減少蒸気量(負の値)が燃焼状態にある連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量下限値の合計値(負の値)を超過する場合に、制御部4は、段階値制御ボイラ20Aを第1の制御対象として、段階値制御ボイラ20Aの燃焼可能な燃焼位置を制御して、燃焼している段階値制御ボイラ20Aの燃焼位置を下位の位置に変更して、当該燃焼位置の変更に相当する蒸気量を減少させ、連続制御ボイラ20Bを第2の制御対象として、過不足分を吸収させる。
まず、必要蒸気量算出部41は、要求負荷に応じて必要とされる必要蒸気量を算出する。
要求負荷が増加する場合、第1偏差量は正の値となり、必要増加蒸気量に相当するといえる。
要求負荷が減少する場合、第1偏差量は負の値となり、必要減少蒸気量(負の値)に相当する。
まず、要求負荷が増加する場合について、図4の左側を参照しながら、制御部4の各機能部を説明する。
要求負荷が増加する場合、第1偏差算出部431により算出された第1偏差量は正の値となり、必要増加蒸気量に相当する。
すなわち、第2偏差量は、過不足分に相当する蒸気量に相当するといえる。
より具体的には、第2燃焼制御部47は、第2偏差量が正の値の場合、前記第2偏差量に相当する蒸気量を増加させる一方、第2偏差量が負の値の場合、第2偏差量の絶対値に相当する蒸気量を減少させる。
このために、制御部4は、第1判定部451を備えることができる。
ここで、第1条件は、不足する蒸気量を増加するように連続制御ボイラが負荷応答できる条件であるといえる。また、第2条件は、過剰となる蒸気量を減少するように連続制御ボイラが負荷応答できる条件であるといえる。
このために、制御部4は、第2判定部452を備えることができる。
すなわち、第2判定部452は、燃焼量を段階値制御ボイラ20Aに切り換えた後であっても、連続制御ボイラ20Bは、少なくとも最小蒸気量を出力できることを判定する。
このために、制御部4は、第3判定部453を備えることができる。
すなわち、第3判定部453は、燃焼量を段階値制御ボイラ20Aに切り換えた後であっても、連続制御ボイラ20Bは、少なくともエコ運転ゾーンにとどまることを判定する。
以上、要求負荷が増加する場合について説明した。
具体的には、要求負荷が減少する場合における、第2検出部442と、第3偏差算出部433と、第4判定部454と、第5判定部455と、第6判定部456と、第1燃焼制御部46と、第2燃焼制御部47について説明する。
要求負荷が減少する場合、第1偏差算出部431により算出された第1偏差量は負の値となり、必要減少蒸気量(負の値)に相当する。
すなわち、第3偏差量は、過不足分に相当する蒸気量に相当するといえる。
より具体的には、第2燃焼制御部47は、第3偏差量が正の値の場合、連続制御ボイラ20Bの燃焼率を減少させて第3偏差量に相当する蒸気量を減少させる一方、第3偏差量が負の値の場合、連続制御ボイラ20Bの燃焼率を増加させて第3偏差量の絶対値に相当する蒸気量を増加させる。
このために、制御部4は、第4判定部454を備えることができる。
ここで、第3条件は、過剰となる蒸気量を減少するように連続制御ボイラが負荷応答できる条件であるといえる。また、第4条件は、不足する蒸気量を増加するように連続制御ボイラが負荷応答できる条件であるといえる。
このために、制御部4は、第5判定部455を備えることができる。
すなわち、第5判定部455は、燃焼量を段階値制御ボイラ20Aに切り換えた後であっても、連続制御ボイラ20Bは、少なくとも最小蒸気量を出力できることを判定する。
このために、制御部4は、第6判定部456を備えることができる。
すなわち、第6判定部456は、燃焼量を段階値制御ボイラ20Aに切り換えた後であっても、連続制御ボイラ20Bは、少なくともエコ運転ゾーンにとどまることを判定する。
図5及び図6は、要求負荷が増加する場合であって、第1偏差量である必要増加蒸気量(正の値)が、燃焼状態にある連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量上限値の合計値を超過する第1状態にある場合に、段階値制御ボイラ20Aを第1の制御対象として、出力蒸気量を増加させる場合を示す。
(5A)において、第1検出部441が、必要増加蒸気量(第1偏差量)が、燃焼状態にある連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量上限値の合計値を超過する第1状態にあることを検出する。
すると、(5B)において、第1燃焼制御部46は、段階値制御ボイラ20A(2号機)の燃焼位置を低燃焼位置から中燃焼位置に変更して、段階値制御ボイラ20A(2号機)の中燃焼位置に相当する蒸気量を出力させる。
(5C)において、段階値制御ボイラ20A(2号機)の中燃焼位置に相当する蒸気量の増加でも、第2偏差量が正の値となり、必要増加蒸気量に不足するため、第2燃焼制御部47は、連続制御ボイラ20Bを第2の燃焼制御対象として、不足分に相当する蒸気量(第2偏差量)を連続制御ボイラ20Bから出力させる。
(6A)において、第1検出部441が、必要増加蒸気量(第1偏差量)が、燃焼状態にある連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量上限値の合計値を超過する第1状態にあることを検出する。
すると、(6B)において、第1燃焼制御部46は、段階値制御ボイラ20A(2号機)の燃焼位置を低燃焼位置から中燃焼位置に変更して、段階値制御ボイラ20A(2号機)の中燃焼位置に相当する蒸気量を出力させる。
(6C)において、段階値制御ボイラ20A(2号機)の中燃焼位置に相当する蒸気量の増加により、第2偏差量が負の値となり、必要増加蒸気量を超過するため、第2燃焼制御部47は、連続制御ボイラ20Bを第2の燃焼制御対象として、過剰となる蒸気量(第2偏差量の絶対値)を連続制御ボイラ20Bから減少させる。
なお、図示しないが、仮に、図5の(5C)において、第2偏差量(正の値)が、燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラの20Bの最大変動蒸気量上限値の合計値を超える場合には、連続制御ボイラ20Bは単位時間で負荷応答できないため、(5B)において、段階値制御ボイラ20A(2号機)の燃焼位置は低燃焼位置のままとして、中燃焼位置への変更は行わない。
この場合、制御部4は、燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラ20Bに対して最大変動蒸気量上限値に相当する蒸気量を出力させた後、ボイラ群2の燃焼制御を行う。
この場合、制御部4は、燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラ20Bに対して最大変動蒸気量上限値に相当する蒸気量を出力させた後、ボイラ群2の燃焼制御を行う。
また、第2偏差量が負の値を取る場合であって、仮に、図6の(6C)において、連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量が、連続制御ボイラ20Bの出力可能な最小蒸気量の合計値を下回る場合(すなわち、(6A)において燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量の合計値が、当該連続制御ボイラ20Bが出力可能な最小蒸気量の合計値と第2偏差量の絶対値に相当する蒸気量分との合計値よりも小さい場合)には、(6B)において、段階値制御ボイラ20A(2号機)の燃焼位置は低燃焼位置のままとして、中燃焼位置への変更は行わないように構成することができる。
この場合、制御部4は、燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラ20Bに対して最大変動蒸気量上限値に相当する蒸気量を出力させた後、ボイラ群2の燃焼制御を行う。
(7A)において、第2検出部442が、必要減少蒸気量(第1偏差量)が、燃焼状態にある連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量下限値の合計値を下回る第2状態にあることを検出する。
すると、(7B)において、第1燃焼制御部46は、段階値制御ボイラ20A(2号機)の燃焼位置を中燃焼位置から低燃焼位置に変更して、段階値制御ボイラ20A(2号機)の中燃焼位置に相当する蒸気量を減少させる。
(7C)において、段階値制御ボイラ20A(2号機)の中燃焼位置に相当する蒸気量の減少でも、必要減少蒸気量に足らないため、第2燃焼制御部47は、連続制御ボイラ20Bを第2の燃焼制御対象として、過剰となる蒸気量(第3偏差量)を連続制御ボイラ20Bから減少させる。
(8A)において、第2検出部442が、必要減少蒸気量(第1偏差量)が、燃焼状態にある連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量下限値の合計値を下回る第2状態にあることを検出する。
すると、(8B)において、第1燃焼制御部46は、段階値制御ボイラ20A(2号機)の燃焼位置を中燃焼位置から低燃焼位置に変更して、段階値制御ボイラ20A(2号機)の中燃焼位置に相当する蒸気量を減少させる。
(8C)において、段階値制御ボイラ20A(2号機)の中燃焼位置に相当する蒸気量の減少により、逆に要求負荷量に足りなくなったため、第2燃焼制御部47は、連続制御ボイラ20Bを第2の燃焼制御対象として、不足分に相当する蒸気量(第3偏差量の絶対値)を連続制御ボイラ20Bから出力させる。
この場合、制御部4は、燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラ20Bに対して最大変動蒸気量下限値に相当する蒸気量を減少させた後、ボイラ群2の燃焼制御を行う。
この場合、制御部4は、燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラ20Bに対して最大変動蒸気量下限値に相当する蒸気量を減少させた後、ボイラ群2の燃焼制御を行う。
また、仮に図7の(7C)において、連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量が、連続制御ボイラ20Bの出力可能な最小蒸気量の合計値を下回る場合(すなわち、(7A)において燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラ20Bの出力蒸気量の合計値が、当該連続制御ボイラ20Bが出力可能な最小蒸気量の合計値と第3偏差量に相当する蒸気量分との合計値よりも小さい場合)には、(7B)において、段階値制御ボイラ20A(2号機)の燃焼位置は中燃焼位置のままとして、低燃焼位置への変更は行わないようにすることができる。
この場合、制御部4は、燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラ20Bに対して最大変動蒸気量下限値に相当する蒸気量を減少させた後、ボイラ群2の燃焼制御を行う。
この点、図5〜図8では、連続制御ボイラ20Bのボイラ効率を考慮していないが、連続制御ボイラ20Bのボイラ効率を考慮し、出力する蒸気量の切り換えを行うこととしてもよい。
これにより、連続制御ボイラの単位時間あたりの最大変動蒸気量を超過する急激な負荷増大を検知した場合であっても、段階値制御ボイラを第1制御対象として燃焼量増大を行うことで、負荷応答性をよくすることが可能となる。
これにより、連続制御ボイラ20Bが、過不足分を単位時間に負荷応答することができない場合には、段階値制御ボイラ20Aを第1の制御対象として、段階値制御ボイラ20Aの燃焼可能な燃焼位置を制御して、段階値制御ボイラ20Aの燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を出力させずに、燃焼状態にある連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量上限値の合計値となる蒸気量を出力させることで、処理効率を上げることができる。
これにより、燃焼状態にある連続制御ボイラ20Bは、少なくとも最小蒸気量を出力している状態を保つことで、負荷追従性を保つことができる。
これにより、燃焼状態にある連続制御ボイラ20Bを常にエコ運転ゾーンの範囲で燃焼させることができるため、連続制御ボイラ20Bを効率良く燃焼させることができ、ボイラシステム1を効率的に運転することができる。
これにより、連続制御ボイラの単位時間あたりの最大変動蒸気量を超過する急激な負荷減少を検知した場合であっても、段階値制御ボイラを第1制御対象として燃焼量減少を行うことで、負荷応答性をよくすることが可能となる。
これにより、連続制御ボイラ20Bが、過不足分を単位時間に負荷応答することができない場合には、段階値制御ボイラ20Aを第1の制御対象として、段階値制御ボイラ20Aの燃焼可能な燃焼位置を制御して、段階値制御ボイラ20Aの燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を減少させずに、燃焼状態にある連続制御ボイラ20Bの最大変動蒸気量下限値の合計値となる蒸気量を減少させることで、処理効率を上げることができる。
これにより、燃焼状態にある連続制御ボイラ20Bは、少なくとも最小蒸気量を出力している状態を保つことで、負荷追従性を保つことができる。
これにより、燃焼状態にある連続制御ボイラ20Bを常にエコ運転ゾーンの範囲で燃焼させることができるため、連続制御ボイラ20Bを効率良く燃焼させることができ、ボイラシステム1を効率的に運転することができる。
例えば、本実施形態では、本発明を、5台のボイラ20A,20Bからなるボイラ群2を備えるボイラシステムに適用したが、これに限らない。すなわち、本発明は、1以上の段階値制御ボイラ20Aと、1以上の連続制御ボイラ20Bとが混在するボイラ群2であれば適用可能である。
2 ボイラ群
20A 段階値制御ボイラ
20B 連続制御ボイラ
3 台数制御装置
4 制御部
41 必要蒸気量算出部
42 出力蒸気量算出部
431 第1偏差算出部
432 第2偏差算出部
433 第3偏差算出部
441 第1検出部
442 第2検出部
451 第1判定部
452 第2判定部
453 第3判定部
454 第4判定部
455 第5判定部
456 第6判定部
46 第1燃焼制御部
47 第2燃焼制御部
5 記憶部
Claims (8)
- 1つ以上の段階的な燃焼位置で燃焼可能な段階値制御ボイラ及び燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な1つ以上の連続制御ボイラを備えるボイラ群と、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
前記1つ以上のそれぞれの連続制御ボイラには、単位時間あたりに変動可能な蒸気量の上限値である最大変動蒸気量上限値が設定されており、
前記制御部は、
要求負荷に応じて必要とされる必要蒸気量を算出する必要蒸気量算出部と、
前記ボイラ群により出力される蒸気量である出力蒸気量を算出する出力蒸気量算出部と、
前記必要蒸気量算出部により算出された必要蒸気量から、前記出力蒸気量算出部により算出された出力蒸気量を減算した偏差量である第1偏差量を算出する第1偏差算出部と、
前記第1偏差量が、燃焼状態にある前記連続制御ボイラの前記最大変動蒸気量上限値の合計値を超過する第1状態にあることを検出する第1検出部と、
前記第1検出部により前記第1状態が検出された場合、前記第1偏差量から、前記段階値制御ボイラにおいて燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を減算した偏差量である第2偏差量を算出する第2偏差算出部と、
前記第1検出部により前記第1状態が検出された場合に、前記段階値制御ボイラを第1の制御対象として、前記段階値制御ボイラの燃焼可能な燃焼位置を制御して、前記段階値制御ボイラの燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を出力させる第1燃焼制御部と、
前記第1燃焼制御部により、前記段階値制御ボイラの燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を出力させた場合に、前記連続制御ボイラを第2の制御対象として、前記連続制御ボイラの燃焼状態を制御する第2燃焼制御部と、を備え、
前記第2燃焼制御部は、前記第2偏差量が正の値の場合、前記第2偏差量に相当する蒸気量を増加させる一方、前記第2偏差量が負の値の場合、前記第2偏差量の絶対値に相当する蒸気量を減少させる、ボイラシステム。 - 前記1つ以上のそれぞれの連続制御ボイラには、単位時間あたりに変動可能な蒸気量の上限値である最大変動蒸気量上限値に加えて、単位時間あたりに変動可能な蒸気量の下限値である最大変動蒸気量下限値が設定されており、
前記制御部は、さらに、
前記第2偏差量が正の値であって、かつ前記第2偏差量が前記最大変動蒸気量上限値の合計値以下となる第1条件、又は前記第2偏差量が負の値であって、かつ前記第2偏差量が前記最大変動蒸気量下限値の合計値以上となる第2条件を判定する第1判定部を備え、
前記第1燃焼制御部は、前記第1判定部により前記第1条件又は前記第2条件が判定された場合、前記段階値制御ボイラを第1の制御対象として、前記段階値制御ボイラの燃焼可能な燃焼位置を制御して、前記段階値制御ボイラの燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を出力させる、請求項1に記載のボイラシステム。 - 前記制御部は、さらに、
前記第1判定部により前記第2条件が判定された場合に、前記燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラの出力蒸気量の合計値が、前記連続制御ボイラが出力可能な最小蒸気量の合計値よりも前記第2偏差量の絶対値に相当する蒸気量分多いことを判定する第2判定部を備え、
前記第1燃焼制御部は、前記第2判定部により前記燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラの出力蒸気量の合計値が、前記連続制御ボイラが出力可能な最小蒸気量の合計値よりも前記第2偏差量の絶対値に相当する蒸気量分多いことが判定された場合、前記段階値制御ボイラを第1の制御対象として、前記段階値制御ボイラの燃焼可能な燃焼位置を制御して、前記段階値制御ボイラの燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を出力させる請求項2に記載のボイラシステム。 - 前記制御部は、さらに、
前記第1判定部により前記第2条件が判定された場合に、前記燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラの出力蒸気量の合計値が、前記連続制御ボイラのボイラ効率が所定閾値よりも高くなるエコ運転ゾーンの下限値に相当する蒸気量の合計値よりも前記第2偏差量の絶対値に相当する蒸気量分多いことを判定する第3判定部を備え、
前記第1燃焼制御部は、前記第3判定部により前記燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラの出力蒸気量の合計値が、前記連続制御ボイラの前記エコ運転ゾーンの下限値に相当する蒸気量の合計値よりも前記第2偏差量の絶対値に相当する蒸気量分多いことが判定された場合、前記段階値制御ボイラを第1の制御対象として、前記段階値制御ボイラの燃焼可能な燃焼位置を制御して、前記段階値制御ボイラの燃焼可能な燃焼位置に相当する蒸気量を出力させる請求項2に記載のボイラシステム。 - 1つ以上の段階的な燃焼位置で燃焼可能な段階値制御ボイラ及び燃焼率を連続的に変更して燃焼可能な1つ以上の連続制御ボイラを備えるボイラ群と、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
前記1つ以上のそれぞれの連続制御ボイラには、単位時間あたりに変動可能な蒸気量の下限値である最大変動蒸気量下限値が設定されており、
前記制御部は、
要求負荷に応じて必要とされる必要蒸気量を算出する必要蒸気量算出部と、
前記ボイラ群により出力される蒸気量である出力蒸気量を算出する出力蒸気量算出部と、
前記必要蒸気量算出部により算出された必要蒸気量から、前記出力蒸気量算出部により算出された出力蒸気量を減算した偏差量である第1偏差量を算出する第1偏差算出部と、
前記第1偏差量の値が、燃焼状態にある前記連続制御ボイラの前記最大変動蒸気量下限値の合計値を下回る第2状態にあることを検出する第2検出部と、
前記第2検出部により前記第2状態が検出された場合、前記第1偏差量の絶対値から、燃焼している段階値制御ボイラの燃焼位置を下位の位置に変更したときの、当該燃焼位置の変更に相当する蒸気量を減算した偏差量である第3偏差量を算出する第3偏差算出部と、
前記第2検出部により前記第2状態が検出された場合、前記段階値制御ボイラを第1の制御対象として、前記燃焼している段階値制御ボイラの燃焼位置を下位の位置に変更して、当該燃焼位置の変更に相当する蒸気量を減少させる第1燃焼制御部と、
前記第1燃焼制御部により、前記段階値制御ボイラの燃焼位置を下位の位置に変更して、当該燃焼位置の変更に相当する蒸気量を減少させた場合に、前記連続制御ボイラを第2の制御対象として、前記連続制御ボイラの燃焼状態を制御する第2燃焼制御部と、を備え、
前記第2燃焼制御部は、前記第3偏差量が正の値の場合、前記第3偏差量に相当する蒸気量を減少させる一方、前記第3偏差量が負の値の場合、前記第3偏差量の絶対値に相当する蒸気量を増加させる、ボイラシステム。 - 前記1つ以上のそれぞれの連続制御ボイラには、単位時間あたりに変動可能な蒸気量の下限値である最大変動蒸気量下限値に加えて、単位時間あたりに変動可能な蒸気量の上限値である最大変動蒸気量上限値が設定されており、
前記制御部は、さらに、
前記第3偏差量が正の値であって、かつ前記第3偏差量が前記最大変動蒸気量下限値の絶対値の合計値以下となる第3条件、又は前記第3偏差量が負の値であって、かつ前記第3偏差量の絶対値が前記最大変動蒸気量上限値の合計値以下となる第4条件を判定する第4判定部を備え、
前記第1燃焼制御部は、前記第4判定部により前記第3条件又は前記第4条件が判定された場合、前記段階値制御ボイラを第1の制御対象として、前記燃焼している段階値制御ボイラの燃焼位置を下位の位置に変更して、当該燃焼位置の変更に相当する蒸気量を減少させる、請求項5に記載のボイラシステム。 - 前記制御部は、さらに、
前記第4判定部により前記第3条件が判定された場合に、前記燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラの出力蒸気量の合計値が、前記連続制御ボイラが出力可能な最小蒸気量の合計値よりも前記第3偏差量に相当する蒸気量分多いことを判定する第5判定部を備え、
前記第1燃焼制御部は、前記第5判定部により前記燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラの出力蒸気量の合計値が、前記連続制御ボイラが出力可能な最小蒸気量の合計値よりも前記第3偏差量に相当する蒸気量分多いことが判定された場合、前記段階値制御ボイラを第1の制御対象として、前記燃焼している段階値制御ボイラの燃焼位置を下位の位置に変更して、当該燃焼位置の変更に相当する蒸気量を減少させる、請求項6に記載のボイラシステム。 - 前記制御部は、さらに、
前記第4判定部により前記第3条件が判定された場合に、前記燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラの出力蒸気量の合計値が、前記連続制御ボイラのボイラ効率が所定閾値よりも高くなるエコ運転ゾーンの下限値に相当する蒸気量の合計値よりも前記第3偏差量に相当する蒸気量分多いことを判定する第6判定部を備え、
前記第1燃焼制御部は、前記第6判定部により前記燃焼状態にあるすべての連続制御ボイラの出力蒸気量の合計値が、前記連続制御ボイラのボイラ効率が所定閾値よりも高くなるエコ運転ゾーンの下限値に相当する蒸気量の合計値よりも前記第3偏差量に相当する蒸気量分多いことが判定された場合、前記段階値制御ボイラを第1の制御対象として、前記燃焼している段階値制御ボイラの燃焼位置を下位の位置に変更して、当該燃焼位置の変更に相当する蒸気量を減少させる、請求項6に記載のボイラシステム。
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