JP5541781B2 - ボイラの多缶設置システム - Google Patents

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本発明は複数台の蒸気ボイラを設置しておき、蒸気集合部の蒸気圧力値に基づいて必要台数分のボイラを燃焼させる台数制御装置を設けているボイラ多缶設置システムに関するものである。
大型のボイラに換えて小型のボイラを複数台設置しておき、台数制御装置によってボイラの燃焼台数を制御することで蒸気の発生量を調節するボイラの多缶設置システムが広く普及している。蒸気ボイラの多缶設置システムでは、各ボイラで発生した蒸気を集合させる蒸気集合部に圧力検出装置を設けておき、圧力検出装置で検出した蒸気圧力値はボイラの燃焼台数を制御する台数制御装置へ出力する。台数制御装置では、蒸気集合部における蒸気圧力値に応じてボイラの燃焼台数を決定し、各ボイラに対して燃焼指令の出力を行う。台数制御装置では、蒸気圧力値に対応させてボイラの燃焼量を定めておき、検出した蒸気圧力値が低い場合にはボイラの燃焼台数又はボイラの燃焼量を多くすることで蒸気発生量を増加し、蒸気圧力値の上昇につれてボイラの燃焼台数又はボイラの燃焼量を少なくしていくことで蒸気発生量を減少させる。蒸気集合部の蒸気圧力値に応じてボイラ全体での燃焼量を増減することで、蒸気圧力値を所定の範囲内に保つ制御を行うことができる。
具体的には、台数制御装置では図3に記載しているように、蒸気圧力の調節範囲を複数の圧力帯に区分し、圧力帯ごとにボイラの燃焼状態を定めた燃焼パターンを設定しておく。多缶設置しているボイラが、高燃焼・低燃焼・停止の3位置で燃焼を制御するものであれば、台数制御装置では検出している蒸気圧力値に基づいて、高燃焼・低燃焼・停止をそれぞれ何台とするかを設定しておく。燃焼パターンでは、検出している蒸気圧力値が低圧側の圧力帯になるほど燃焼量が大きくなるように高燃焼・低燃焼・停止の各台数を定めておき、燃焼の優先順位が高いボイラから順に決定台数分のボイラを燃焼させる。
ボイラ多缶設置システムでは、ボイラ全体での燃焼量を増減することで、ボイラから供給する蒸気量を増減するものであるが、ボイラに対する燃焼指令の出力と、実際に蒸気発生量の変化が現れるまでの間には時間差が生じる。燃焼量を少なくする場合と、燃焼している状態から燃焼量を増加する場合ならば、比較的短時間で蒸気発生量を変化させることができる。しかし、ボイラの燃焼を開始する場合には、炉内に未燃分が残留した状態で着火することを防止するため、燃焼開始前に燃焼室内を換気するプレパージなど燃焼準備の工程が必要であって、燃焼準備工程を行った後でなければ燃焼を開始することができない。燃焼開始の指令を出力しても、燃焼準備中のボイラでは蒸気を発生することができないため、その間は蒸気圧力値が低下し続けることになる。
特に蒸気圧力値の上昇によってすべてのボイラで燃焼を停止している場合、どのボイラに燃焼開始の指令を出力しても、燃焼準備の工程を終了してからでないと燃焼を開始することができず、蒸気供給が遅れるために蒸気圧力値は大きく低下することになる。
蒸気圧力値が燃焼開始の圧力となり、稼働優先順位が第1位のボイラに燃焼指令を出力しても、第1位ボイラで燃焼準備工程を行っている間に蒸気圧力値がさらに低い側の圧力区分内へ低下すると、台数制御装置では稼働優先順位が第2位のボイラに対しても燃焼指令の出力を行う。蒸気圧力値が低下する速度が速い場合には、燃焼が始まる前に下位のボイラに対して順次燃焼指令の出力を行っていく。この場合、燃焼指令が出力されているボイラではまだ燃焼を行っていないために蒸気圧力値が低下しているのであるが、台数制御装置としては、ボイラに対して燃焼指令を出力しても蒸気圧力値が低下しているため、さらに燃焼量を増加しなければならないとの判断を行い、必要な蒸気量に対応する燃焼量よりも多く燃焼指令を出力することになる。その後にボイラが燃焼準備の工程を終了して次々と燃焼を開始すると、蒸気使用量に対して蒸気発生量が大幅に大きくなる。蒸気使用量よりも蒸気発生量が大幅に多いと、蒸気圧力値は急上昇することになる。
台数制御装置では、蒸気圧力値が上昇すればボイラの燃焼台数を削減することで蒸気発生量を削減していく。しかし蒸気圧力値の上昇が急激であれば、蒸気圧力値は圧力制御範囲の上限値以上にまで上昇し、その場合にはすべてのボイラで燃焼を停止することになる。ボイラ全缶の燃焼を停止すると、蒸気圧力値が低下して燃焼指令の出力を行っても、燃焼準備の工程が必要であるためにすぐには蒸気を発生させることができず、再び蒸気圧力値が急低下することになる。このようになると、蒸気圧力値が短時間で大きく変化し、ボイラは燃焼開始と燃焼停止を短時間で繰り返すハンチングを発生することになり、蒸気の安定供給ができなくなる。
特開2002−81606号には、ボイラ燃焼中や待機中での蒸気圧力変化の勾配を検出し、検出した勾配に基づいて燃焼量の変更や燃焼開始指示信号を早めに出力するという発明の記載がある。これは、燃焼量の切り換え信号出力時と燃焼量変更時の時間差を短くするものであり、蒸気圧力値の低下が急激であれば通常より早い段階で燃焼指令を出力することになるため、制御の遅れを少なくすることができるというものである。しかしこの場合でも、燃焼優先順位の高いボイラから順に燃焼量を切り換える信号を出力して燃焼準備を開始していくものであるため、燃焼台数の急増と急減を繰り返すハンチングの発生を完全に防止するということはできなかった。
特開2002−81606号公報
本発明が解決しようとする課題は、台数制御を行っているボイラ多缶設置システムにおいて、蒸気供給の遅れによる蒸気圧力値の急低下を防止し、蒸気を安定的に供給することのできるボイラ多缶設置システムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、ボイラを複数台設置しておき、複数台のボイラで発生させた蒸気は一旦蒸気集合部に集合させてから蒸気必要部へ供給しており、蒸気集合部に設けた圧力検出装置で検出した蒸気圧力値に基づき、優先順位の高いボイラから順に燃焼指令の出力を行う台数制御装置を設けているボイラ多缶設置システムにおいて、台数制御装置は、燃焼台数が1台となった状態における蒸気圧力値の傾きから、ボイラが全缶燃焼停止となる時刻を予測し、ボイラ全缶停止までの時間が所定時間T以下になった場合には、燃焼を停止しているボイラ1台に対して燃焼準備の指令を先行して出力する制御を行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記のボイラ多缶設置システムにおいて、燃焼準備の指令を先行出力した後に、所定時間T内にボイラが全缶停止することはないとの判断が行われた場合には、燃焼準備の指令を取り消す制御を行うことを特徴とする。
本発明を実施することで、全缶燃焼停止とした状態から燃焼を開始する場合であっても、蒸気供給が遅れることによって蒸気圧力値が大幅に低下するということを防止でき、安定的な蒸気供給と、燃焼量増減頻度の低減を行うことができる。
本発明を実施するボイラと台数制御装置の構成図 実施例での蒸気圧力値の変化とボイラの運転状況を記した説明図 蒸気圧力値とボイラ燃焼状態を一覧化した説明図 従来制御での蒸気圧力値の変化とボイラの運転状況を記した説明図
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明を実施するボイラと台数制御装置2の構成図である。実施例では1号缶・2号缶・3号缶からなる3台のボイラ1を設けており、各ボイラ1は共通の蒸気集合部5に接続する。各ボイラで発生した蒸気は前記蒸気集合部5に集合した後で蒸気使用装置側へ送るようにしており、蒸気集合部5に圧力検出装置4を設ける。各ボイラ1には運転制御装置3を設けており、各ボイラの運転制御は個々の運転制御装置3によって行う。運転制御装置3は、各ボイラ1の燃焼状態を定める台数制御装置2と接続しており、台数制御装置2からの燃焼指令に基づいて運転の制御を行う。
台数制御装置2は、圧力検出装置4で検出した蒸気圧力値に基づいて、各ボイラにおける燃焼量を決定する。台数制御装置2には、圧力検出装置4によって検出する蒸気圧力値に対応させてボイラの燃焼状態を設定しておき、決定した燃焼状態になるように各ボイラに対して燃焼指令を出力する。また、台数制御装置2は各ボイラに対して燃焼の優先順位を定めておき、優先順位の高いボイラから順に燃焼させるようにしている。ここでの優先順位は、1号缶のボイラを第1位、2号缶のボイラを第2位、3号缶のボイラを第3位としている。
蒸気圧力値とボイラの燃焼状態は、図3のように設定しておく。蒸気圧力値の調節範囲を複数の圧力区分に分割し、圧力区分ごとに各ボイラの燃焼状態を定める。ボイラは高燃焼・低燃焼・燃焼停止の三位置で燃焼制御を行うものとし、最大の燃焼量である高燃焼をH、高燃焼の半分の燃焼量である低燃焼をL、燃焼停止を−で示している。蒸気圧力値が低くなるほどボイラの燃焼量を多くし、蒸気圧力値が高くなるとボイラの燃焼量を少なくすることで、蒸気圧力値を所定の範囲に保つ。蒸発量は、高燃焼1台の蒸気発生量が2t/h、低燃焼1台の蒸気発生量が1t/hであるとした場合の蒸気発生量を記しており、例えば蒸気圧力値が0.68MPaより低い場合には3台のボイラすべてが高燃焼となり、蒸気発生量は6t/hとなる。
圧力区分の設定は、蒸気圧力値が上昇していく場合と低下していく場合のそれぞれで設定しており、蒸気圧力値が圧力区分の境界付近にある場合に、検出蒸気圧力値のわずかな変動によって燃焼量の無駄な増減が発生することを防止する。例えば当初の蒸気圧力値が0.69MPaであって、3台のボイラが高燃焼を行っており、蒸気供給量が蒸気使用量よりも多いために蒸気圧力値が0.71MPaに上昇し、そのためにボイラの燃焼状態をH,H,HからH,H,Lに変更したところ、蒸気供給量の減少によって蒸気圧力値が0.69MPaに戻って安定したという場合を例に説明する。この場合、圧力低下時の圧力区分は圧力上昇時の圧力区分よりも低い圧力としているために、H,H,HからH,H,Lとした以降は、蒸気圧力値が0.68MPaに低下するまでH,H,Lであり、蒸気圧力値が0.69MPaであれば燃焼状態を変更する必要はない。そのため、燃焼量の増減頻度を少なくすることができる。
また、台数制御装置2では圧力検出装置4で検出している蒸気圧力値と時間から、蒸気圧力値変化の傾きを算出するようにしておく。そして、燃焼台数が1台となった状態での蒸気圧力値とその傾きから、所定時間T(例えば30秒)以内にボイラを全缶停止とする蒸気圧力値である0.90MPaに到達するか否かを予測する。蒸気圧力値の傾きが分かっていれば、同じ傾きで蒸気圧力値が変化し続けると仮定することで、蒸気圧力値が上限圧力にいつ達するかを予測することができる。台数制御装置2は、蒸気圧力値が上限圧力に達する時刻から所定時間Tだけさかのぼった時刻に、稼働優先順位が第2位のボイラに対して燃焼準備の指令を先行して出力する制御を設定しておく。
これは、ボイラでは低燃焼と高燃焼で燃焼量を変更する場合と燃焼を停止する場合は、比較的短い時間で燃焼量の変更が行えるが、燃焼停止から燃焼を開始する場合には、燃焼開始前に炉内を換気するプレパージなど燃焼準備の時間が必要であり、その分だけ蒸気の発生が遅れることによる。すべてのボイラで燃焼を停止していた状態で蒸気圧力値が低下した場合は、どのボイラも燃焼準備の工程を終了するまでは燃焼を開始することができず、燃焼の開始が遅れると、その間に蒸気圧力値が大きく低下するためである。本発明では、蒸気圧力値の上昇によって全缶燃焼停止となった場合には、その後に必ず燃焼停止状態のボイラへ燃焼指令を出力することになり、燃焼準備の工程が終了するまでは蒸気圧力値が低下し続けるということを見越して、燃焼準備の工程を先行して行うことで、蒸気圧力値の大幅な低下を防止するようにしている。
なお、燃焼準備の指令を先行出力した場合であっても、蒸気圧力値が上限圧力である0.90MPaに達する前に蒸気圧力値が低下した場合は、ボイラ全缶の燃焼を停止とするのが遠ざかったということになるため、燃焼準備の先行実施はキャンセルするようにしておく。
図2は、本発明の実施例における蒸気圧力値、ボイラの運転状況、蒸気発生量の時間的変化を模式的に示したものである。図2の上段には、蒸気圧力値の変動状況、中段には台数制御装置2から各ボイラに対して出力する運転指令に基づいて行う各ボイラの運転状況、下段にはボイラ全体での蒸気発生量の変化を記載している。
図2では、燃焼優先順位が第1位と第2位である1号缶と2号缶が低燃焼を行い、3号缶は燃焼を停止している状態から始まっている。この時点での蒸気発生量は2t/hであって蒸気圧力値は上昇傾向にあり、時刻Aで蒸気圧力値は0.86MPaとなっている。蒸気圧力値が0.86MPaより高くなると、図3で定めているボイラの燃焼量はL,−,−となるため、時刻Aで2号缶の燃焼を停止している。
時刻Aからは1号缶での低燃焼のみになって蒸気発生量は1t/hとなっているが、蒸気圧力値の上昇は継続している。台数制御装置2では、燃焼台数が1台だけになった場合、蒸気圧力値の傾きを算出し、最後まで燃焼を行っている第1位ボイラも燃焼停止となる蒸気圧力値である0.90MPaになる時刻を予測する。算出した蒸気圧力値の傾きは変化しないと仮定すると、現在の蒸気圧力値とその傾きから0.90MPaになる時刻を予測することができ、その時刻よりも設定時間Tだけ前倒しした時刻を算出する。図2では、時刻Cが蒸気圧力値0.90MPaの到達予測時刻、時刻Bがその30秒前の時刻であり、時刻Bになると燃焼を停止している2号缶に対し、燃焼準備の工程を先行して実施する指令を出力する。ボイラ2号缶では、時刻Bから燃焼準備を開始するが、稼働優先順位が第2位である2号缶が燃焼を開始するのは、蒸気圧力値が0.84MPa以下になってからであるため、燃焼準備の工程が終了してもそのまま待機としておき、この時点では燃焼を開始させない。
時刻Cで蒸気圧力値が0.90MPaに達すると、1号缶の燃焼を停止することでボイラは全缶燃焼停止となり、蒸気発生量は0になる。その後、ボイラからの蒸気供給がなくなったために蒸気圧力値は低下しており、時刻Dで蒸気圧力値が0.88MPaより低くなると、台数制御装置2は、稼働優先順位が第1位である1号缶に低燃焼の燃焼指令を出力し、ボイラの燃焼を開始して蒸気の供給を再開する。ただし、燃焼停止していたボイラでは、燃焼準備の工程を経なければ燃焼を開始できないため、1号缶が実際に燃焼を開始するのは燃焼準備の工程が終了した時刻Fからとなっており、時刻Dの以降も蒸気圧力値の低下が継続している。
蒸気圧力値が0.84MPaまで低下すると、台数制御装置2は稼働優先順位が第2位である2号缶に対して燃焼指令の出力を行う。2号缶の場合、時刻Bから先行して燃焼準備を行っており、時刻Eの時点では燃焼準備は終了しているため、すぐに燃焼を開始することができる。そのため時刻Eの以降は稼働優先順位が第2位である2号缶が1号缶よりも先に燃焼を開始することになっている。2号缶が燃焼を開始した時刻E以降は、蒸気の供給を開始したことによって蒸気圧力値は上昇に転じている。その後、時刻Fで1号缶も燃焼を開始し、時刻Gで蒸気圧力値が0.86MPaまで上昇すると2号缶の燃焼を停止するため、時刻E以降の蒸気発生量は1t/hとなっている。
ボイラの燃焼台数が1台になると、再び蒸気圧力値の傾きから蒸気圧力値が0.90MPaになる時刻を予測し、その時刻よりも30秒前倒しした時刻Hを算出する。この場合も時刻Hになると、2号缶に対して燃焼準備の工程先行実施する指令を出力し、2号缶では燃焼準備を先行して開始している。しかし今回は、時刻Hの以降に蒸気使用量が増加したなどの影響で蒸気圧力値は低下に転じている。台数制御装置2では、時刻Hで2号缶の燃焼準備を開始したが、蒸気圧力値がボイラ全缶燃焼停止の上限値に達する前に圧力低下を検出したため、2号缶の燃焼準備工程を中止し、燃焼停止状態に戻している。
蒸気圧力値が上限値に達する前に低下した場合とは、1号缶が燃焼を続けるということであり、燃焼を行っているボイラがある場合には、そのボイラの燃焼量を変更することで蒸気発生量を調節することができるため、燃焼準備を先行させて実施する必要性はないということになる。この場合には、燃焼準備を先行して行っても無駄になる可能性が高いため、2号缶は燃焼停止状態に戻しておく。
図4には比較のために従来制御の例を記載している。図4は、燃焼準備の先行実施は行わない従来制御の例であって、ほかの条件は図2の場合と同じにしている。この場合も当初は2台のボイラが低燃焼を行い、蒸気発生量は2t/hであるところから始まっており、時刻aで1号缶のみの低燃焼とし、その後1号缶も燃焼停止して蒸気発生量は低下に転じている所は図2と同じである。ただし図4の場合、燃焼準備の先行実施は行わないものであるため、時刻a以降の2号缶は燃焼停止状態を継続している。
その後、蒸気圧力値が0.88MPaまで低下した時刻cで、1号缶に対して低燃焼の燃焼指令を出力する。この場合も燃焼停止していたボイラでは、燃焼準備の工程を経なければ燃焼を開始できず、その間は蒸気供給を行えないために蒸気圧力値の低下は継続している。時刻dで蒸気圧力値が0.84MPaに達しているため、台数制御装置2は2号缶に対しても低燃焼の燃焼指令を出力する。2号缶も燃焼準備を行ってからでないと燃焼は行えず、先に燃焼準備を開始した1号缶もまだ燃焼準備中であるため、蒸気圧力値はさらに低下していく。時刻eで蒸気圧力値が0.80MPaになると、3号缶に対しても低燃焼の燃焼指令を出力し、3号缶でも燃焼準備を開始する。
最初に燃焼準備を開始した1号缶は、時刻fで燃焼準備の工程を終了して低燃焼を開始しており、蒸気発生量が始まったために蒸気圧力値は上昇に転じている。続いて2号缶での燃焼準備工程は時刻gで終了し、さらに3号缶での燃焼準備工程も時刻hで終了しており、2号缶及び3号缶で低燃焼を開始すると蒸気発生量は3t/hまで増加している。ボイラが次々と燃焼を開始したことで蒸気発生量は急増し、蒸気圧力値は上昇していく。蒸気圧力値は時刻iで0.82MPaに達しており、0.82MPa以上の圧力区分では低燃焼が2台であるために3号缶での燃焼を停止している。
図2の実施例での運転状況と、図4の従来例での運転状況を比較する。図2であれば、蒸気圧力値が0.84MPaまで低下した時刻Eから2号缶が燃焼を開始しており、そこから蒸気の供給を開始しているが、図4の場合は1号缶の燃焼準備が終了した時刻fで1号缶が燃焼を開始するまでは蒸気の供給が行われておらず、蒸気圧力値の低下が続いている。
従来例では蒸気供給が遅れることで蒸気圧力値が大きく低下しており、時刻fでは0.78MPaよりも低くなっている。実施例の場合は、早い段階で蒸気供給を開始しているため、蒸気圧力値が最も低くなった時点でも0.82MPaより高いレベルを維持しており、蒸気圧力値の低下は少なくなっている。また従来制御では、蒸気圧力値は0.78MPaより低い値まで低下したため、3号缶にも燃焼指令の出力を行い、3号缶は短時間の低燃焼を行っている。しかし、3号缶が燃焼を開始する前に蒸気圧力値は上昇を開始しており、3号缶は燃焼を行う必要はなかったものであるため、この3号缶の燃焼発停は無駄なものである。これに対して実施例では、蒸気圧力値の変化が小さいために燃焼量の無駄な増減が行われず、より安定的に蒸気供給を行うことができるようになっている。
稼働優先順位が第1位のボイラは燃焼を行っている段階で、稼働優先順位が第2位のボイラに対して燃焼準備の指令を出力するものであるため、燃焼が必要になる前に燃焼準備の工程を終了させておくことができ、燃焼が必要になった場合には直ちに燃焼を開始することができる。なお、本実施例では、先行して燃焼準備を行っていた2号缶は稼働優先順位が第2位であるため、第2位が燃焼を開始する蒸気圧力値である0.84MPaまで蒸気圧力値が低下してから燃焼を開始するようにしている。この場合、全缶燃焼停止中に稼働優先順位第2位のボイラを第1位に繰り上げるようにすれば、第1位ボイラが燃焼を開始する蒸気圧力値になった時点で燃焼を開始することができるため、より早い段階で蒸気供給を再開することができる。また、稼働優先順位の変更を行うのであれば、燃焼準備を先行実施するボイラは稼働優先順位が第2位のボイラである必要はなく、燃焼を行っている第1位ボイラ以外であればどのボイラを選択してもよい。
1 ボイラ
2 台数制御装置
3 運転制御装置
4 圧力検出装置
5 蒸気集合部

Claims (2)

  1. ボイラを複数台設置しておき、複数台のボイラで発生させた蒸気は一旦蒸気集合部に集合させてから蒸気必要部へ供給しており、蒸気集合部に設けた圧力検出装置で検出した蒸気圧力値に基づき、優先順位の高いボイラから順に燃焼指令の出力を行う台数制御装置を設けているボイラ多缶設置システムにおいて、台数制御装置は、燃焼台数が1台となった状態における蒸気圧力値の傾きから、ボイラが蒸気圧力値の上昇によって全缶燃焼停止となる時刻を予測し、ボイラ全缶停止までの時間が所定時間T以下になった場合には、燃焼を停止しているボイラ1台に対して燃焼準備の指令を先行して出力する制御を行うことを特徴とするボイラ多缶設置システム。
  2. 請求項1に記載のボイラ多缶設置システムにおいて、燃焼準備の指令を先行出力した後に、所定時間T内にボイラが全缶停止することはないとの判断が行われた場合には、燃焼準備の指令を取り消す制御を行うことを特徴とするボイラ多缶設置システム。
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