JP2012037096A - ボイラ多缶設置システム - Google Patents

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Abstract

【課題】台数制御を行っているボイラ多缶設置システムにおいて、蒸気供給の遅れによって蒸気圧力値の大きな変動が発生することを、装置コストの大幅な増大を招くことなく防止する。
【解決手段】複数台のボイラ1と台数制御装置2を設置しておき、共通の給水タンク6から各ボイラ1へ供給した水を加熱することで蒸気を発生し、各ボイラ1で発生した蒸気は集合させた後に蒸気使用装置へ供給するようにしており、蒸気集合部5での蒸気圧力値に基づき、優先順位の高い順に必要台数分のボイラで燃焼を行うようにしているボイラ多缶設置システムにおいて、前記ボイラ1で発生した蒸気を前記給水タンク6に供給するための給水予熱用蒸気配管9と、給水タンク6への蒸気供給を制御する給水予熱制御弁8を設けておき、ボイラの燃焼台数が少なくなっており、かつ蒸気圧力が上昇しているという場合に、給水予熱制御弁8を開いて給水タンク6へ蒸気を供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は複数台の蒸気ボイラとボイラの燃焼台数を制御する台数制御装置を設けておき、蒸気集合部の蒸気圧力値に基づいて必要台数分のボイラを燃焼させるようにしているボイラ多缶設置システムに関するものである。
大型のボイラに換えて小型のボイラを複数台設置しておき、台数制御装置によってボイラの燃焼台数を制御することで蒸気の発生量を調節するボイラの多缶設置システムが広く普及している。蒸気ボイラの多缶設置システムでは、各ボイラで発生した蒸気を集合させる蒸気集合部に圧力検出装置を設けておき、圧力検出装置で検出した蒸気圧力値はボイラの燃焼台数を制御する台数制御装置へ入力する。台数制御装置では、蒸気集合部における蒸気圧力値に応じてボイラの燃焼台数を決定し、各ボイラに対して燃焼指令の出力を行う。台数制御装置では、蒸気圧力値に対応させてボイラの燃焼量を定めておき、検出した蒸気圧力値が低い場合にはボイラの燃焼台数又はボイラの燃焼量を多くすることで蒸気発生量を増加し、蒸気圧力値の上昇につれてボイラの燃焼台数又はボイラの燃焼量を少なくしていくことで蒸気発生量を減少させる。蒸気集合部の蒸気圧力値に応じてボイラ全体での燃焼量を増減することで、蒸気圧力値を所定の範囲内に保つ制御を行うことができる。
具体的には、台数制御装置では蒸気圧力の調節範囲を複数の圧力帯に区分し、圧力帯ごとにボイラの燃焼状態を定めた燃焼パターンを設定しておく。多缶設置しているボイラが、高燃焼・低燃焼・停止の3位置で燃焼を制御するものであれば、台数制御装置では検出している蒸気圧力値に基づいて、高燃焼・低燃焼・停止をそれぞれ何台とするかを設定しておく。燃焼パターンでは、検出している蒸気圧力値が低圧側の圧力帯になるほど燃焼量が大きくなるように高燃焼・低燃焼・停止の各台数を定めておき、燃焼の優先順位が高いボイラから順に設定台数分のボイラを燃焼させる。
ボイラ多缶設置システムでは、ボイラ全体での燃焼量を増減することで、ボイラから供給する蒸気量を増減するものであるが、ボイラに対する燃焼指令の出力と、実際に蒸気発生量の変化が現れるまでの間には時間差が生じる。燃焼量を少なくする場合と、燃焼している状態から燃焼量を増加する場合ならば、比較的短時間で蒸気発生量を変化させることができる。しかし、燃焼を停止していたボイラの燃焼を開始する場合には、燃焼開始前に燃焼室内を換気するプレパージなど燃焼準備の工程が必要であって、燃焼準備工程を行った後でなければ燃焼を開始することはできず、さらに缶水温度が低い場合には缶水温度が上昇するまでの間は蒸気を発生することができない。燃焼開始の指令を出力してから蒸気発生までの時間が長くかかる場合、その間は蒸気の供給を行えないために蒸気圧力値は低下し続けることになる。
例えば蒸気圧力値の上昇によってすべてのボイラで燃焼を停止している場合、蒸気圧力値が燃焼開始の圧力となり、稼働優先順位が第1位のボイラに燃焼指令を出力しても、第1位ボイラで燃焼準備工程を行っている間は蒸気供給は行われない。蒸気供給が行われない間は蒸気圧力値が低下し続け、蒸気圧力値がさらに低い側の圧力帯内へ低下すると、台数制御装置では稼働優先順位が第2位のボイラに対しても燃焼指令の出力を行う。蒸気圧力値が低下する速度が速い場合には、燃焼が始まる前にさらに下位のボイラに対しても順次燃焼指令の出力を行っていく。この場合、燃焼指令が出力されているボイラではまだ燃焼を行っていないために蒸気圧力値が低下しているのであって、燃焼を開始すると蒸気圧力値は上昇に転じるという場合であっても、台数制御装置としては蒸気圧力値が低下すれば順次燃焼指令を出力していくことになる。その後に各ボイラが燃焼準備の工程を終了して次々と燃焼を開始していくと、蒸気発生量は急激に増加する。蒸気使用量よりも蒸気発生量が大幅に多いと、蒸気圧力値は急上昇することになる。
台数制御装置では、蒸気圧力値が高くなればボイラの燃焼台数を削減することで蒸気発生量を削減していく。しかし必要以上にボイラの燃焼台数を増加したという場合には蒸気圧力値の上昇が急激であるため、ボイラの燃焼を次々と停止していくことになる。蒸気圧力値が制御範囲の上限値まで上昇するとボイラ全缶の燃焼を停止することになり、元の状態に戻ったことになる。その後、蒸気圧力値が低下して燃焼指令の出力を行っても、燃焼準備の工程が必要であるためにすぐには蒸気を発生させることができず、再び蒸気圧力値が急低下することになる。このようになると、蒸気圧力値が短時間で大きく変化し、ボイラは燃焼開始と燃焼停止を短時間で繰り返すハンチングを発生することになり、蒸気の安定供給ができなくなる。
蒸気圧力値の変動を防止する手段としては、特開2007−271133号に記載しているようにアキュムレータを設けることが考えられる。ボイラで発生した蒸気はアキュムレータを介して供給するようにすれば、蒸気使用側の需要変動はアキュムレータで吸収することになるため、蒸気圧力値の急激な変化を抑えることができる。ただしこの場合、アキュムレータを別途設置する必要があるため、装置のコストは増大することになる。
特開2007−271133号公報
本発明が解決しようとする課題は、台数制御を行っているボイラ多缶設置システムにおいて、蒸気供給の遅れによって蒸気圧力値の大きな変動が発生することを、装置コストの大幅な増大を招くことなく防止し、蒸気を安定的に供給することのできるボイラ多缶設置システムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、複数台のボイラと台数制御装置を設置しておき、共通の給水タンクから各ボイラへ供給した水を加熱することで蒸気を発生し、各ボイラで発生した蒸気は集合させた後に蒸気使用装置へ供給するようにしており、蒸気集合部での蒸気圧力値に基づき、優先順位の高い順に必要台数分のボイラで燃焼を行うようにしているボイラ多缶設置システムにおいて、前記ボイラで発生した蒸気を前記給水タンクに供給するための給水予熱用蒸気配管と、給水タンクへの蒸気供給を制御する給水予熱制御弁を設けておき、ボイラの燃焼台数が少なくなっており、かつ蒸気圧力が上昇しているという場合に、給水予熱制御弁を開いて給水タンクへ蒸気を供給するようにしたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記のボイラ多缶設置システムにおいて、蒸気集合部での蒸気圧力値が低下している場合や、すべてのボイラが燃焼を停止した場合には、給水タンクへの蒸気供給は行わないようにしていることを特徴とする。
本発明を実施することで、蒸気使用量の少ない時期であってもボイラの燃焼をすぐに停止してしまうことがなくなり、燃焼を行っているボイラがあれば蒸気使用量が急増した場合にも蒸気発生量を短時間で増加させることができるため、蒸気圧力値の大幅な変化を防止することができる。また、余剰蒸気は給水の予熱に利用するものであるために蒸気が無駄になることはなく、給水の温度を高くしておくと給水が蒸気になるまでのボイラ内での加熱時間が短くなるため、この点でも蒸気の供給が遅れることを防止する効果が得られる。そして給水タンクは元から存在する物であって、新たに必要となる物は給水予熱用蒸気配管と給水予熱制御弁だけであるため、僅かの装置コスト増大で本発明を実施することができる。
本発明を実施するボイラと台数制御装置のフロー図 実施例での蒸気圧力値の変化とボイラの運転状況を記した説明図 蒸気圧力値とボイラ燃焼状態を一覧化した説明図 従来制御での蒸気圧力値の変化とボイラの運転状況を記した説明図
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明を実施するボイラと台数制御装置2のフロー図である。実施例では1号缶・2号缶・3号缶からなる3台のボイラ1を並列に設けており、各ボイラ1は共通の蒸気集合部5に接続する。各ボイラで発生した蒸気は前記蒸気集合部5に集合した後で蒸気使用装置側へ送るようにしており、蒸気集合部5に圧力検出装置4を設ける。各ボイラ1には運転制御装置3を設けており、各ボイラの運転制御は個々の運転制御装置3によって行う。運転制御装置3は、各ボイラ1の燃焼状態を定める台数制御装置2と接続しており、台数制御装置2からの燃焼指令に基づいて運転の制御を行う。
台数制御装置2は、圧力検出装置4で検出した蒸気圧力値に基づいて、各ボイラにおける燃焼量を決定する。台数制御装置2には、圧力検出装置4によって検出する蒸気圧力値に対応させてボイラの燃焼状態を設定しておき、決定した燃焼状態になるように各ボイラに対して燃焼指令を出力する。また、台数制御装置2は各ボイラに対して燃焼の優先順位を定めておき、優先順位の高いボイラから順に燃焼させるようにしている。ここでの優先順位は、1号缶のボイラを第1位、2号缶のボイラを第2位、3号缶のボイラを第3位としている。
各ボイラ1への給水は、給水タンク6に貯めた水を供給するようにしている。給水タンク6には軟化装置で前処理を行った軟水を供給するようにしているとともに、蒸気集合部5の蒸気を給水タンクへ供給するための給水予熱用蒸気配管9を設け、蒸気を給水タンク6へ供給することができるようにしている。給水予熱用蒸気配管9の途中に給水予熱制御弁8を設けておき、給水予熱制御弁8の開閉も台数制御装置2からの指令に基づいて行う。
蒸気圧力値とボイラの燃焼状態は、図3のように設定しておく。台数制御装置2では、蒸気圧力値の調節範囲を複数の圧力帯に分割し、圧力帯ごとに各ボイラの燃焼状態を定める。ボイラは高燃焼・低燃焼・燃焼停止の三位置で燃焼制御を行うものとし、最大の燃焼量である高燃焼をH、高燃焼の半分の燃焼量である低燃焼をL、燃焼停止を−で示す。台数制御装置2では、蒸気圧力値が低くなるほどボイラの燃焼量を多くし、蒸気圧力値が高くなるとボイラの燃焼量を少なくすることで、蒸気圧力値を所定の範囲に保つようにする。蒸発量は、高燃焼1台の蒸気発生量が2t/h、低燃焼1台の蒸気発生量が1t/hであるとした場合でのボイラ全体での蒸気発生量を記しており、例えば蒸気圧力値が0.68MPaより低い場合には3台のボイラすべてが高燃焼となり、蒸気発生量は6t/hとなる。
圧力帯の設定は、蒸気圧力値が上昇していく場合と低下していく場合のそれぞれで設定しており、蒸気圧力値が圧力帯の境界付近にある場合に、検出蒸気圧力値のわずかな変動によって燃焼量の無駄な増減が発生することを防止している。例えば当初の蒸気圧力値が0.69MPaであって、0.71MPaに上昇した後で0.69MPaに戻った場合について説明する。この場合でのボイラの燃焼状態は、蒸気圧力値の上昇によってH,H,HからH,H,Lに変更するが、蒸気発生量の減少によって蒸気圧力値が0.69MPaに戻ってもH,H,Hに戻すことはしない。これは、蒸気圧力値の低下時には蒸気圧力値が0.68MPaに低下するまではH,H,Lを維持するように設定しているためであり、蒸気圧力値の上昇時と下降時で燃焼量を変更する値を異ならせることで、燃焼量の増減頻度を少なくすることができる。
また、台数制御装置2では、負荷低減によってボイラの燃焼台数が少なくなっている状態において、さらに圧力検出装置4で検出している蒸気圧力値が上昇している場合には、給水予熱制御弁8を開くように設定しておく。燃焼台数が少なくなっているのに蒸気圧力値が上昇しているという場合には、蒸気使用量が少ないということであり、蒸気圧力値の上昇が続けばいずれは燃焼台数を更に減らすことになる。給水予熱制御弁8を開くのは、蒸気使用装置への蒸気供給とは別の用途に蒸気を使用することで蒸気圧力値の上昇を防止し、蒸気圧力値の上昇によるボイラの燃焼停止を可能な限り少なくするというものである。そのため、圧力検出装置4で検出してる蒸気圧力値が高くなっていても、蒸気圧力値が低下している場合や、すべてのボイラが燃焼を停止している場合には、給水タンク6への蒸気供給は行わない。蒸気圧力値が低下している場合には燃焼台数を減少することにはならず、すべてのボイラが燃焼を停止した場合にも燃焼台数がそれ以上減少することはないため、給水タンク6への蒸気供給を行っていても上記の状態になると給水タンク6への蒸気供給は停止する。また、給水タンク6の温度を検出する温度検出装置7にて検出している給水温度が高くなった場合には、給水タンク6へ蒸気を送っても蒸気が無駄になる。そのため、給水タンク6の温度が設定温度より高くなった場合にも、給水タンク6への蒸気供給を停止するようにしておく。
給水タンク6への蒸気供給を行うことで蒸気を消費すると、蒸気圧力値の上昇は抑えられるため、それ以上のボイラ燃焼停止がなくなったり、燃焼停止するとしても燃焼停止は遅くなる。燃焼を行っているボイラが残っている状態で、蒸気使用装置での蒸気使用量が増加した場合、ボイラでの蒸気発生量を短時間で増加させることができるため、蒸気圧力値の大幅な変動を防止できる。
ボイラでは低燃焼と高燃焼で燃焼量を変更する場合と燃焼を停止する場合は、比較的短い時間で燃焼量の変更が行える。しかし、蒸気発生量を増加させるためには、燃焼停止ボイラの燃焼を開始させる必要があるという状態で蒸気圧力値が低下した場合は、燃焼停止ボイラに対して燃焼指令の出力を行ってもプレパージなど燃焼準備の工程を終了してから燃焼を開始するために、すぐには燃焼を開始できない。そして燃焼の開始が遅れると、その間に蒸気圧力値が大きく低下することになる。本発明では、可能な限りボイラの燃焼を停止させないことで、蒸気発生量の増加が必要になった場合に低燃焼から高燃焼に素早く燃焼量を増加し、蒸気発生量を増加することができるようにしておくことで、蒸気圧力値が大幅に低下することを防止するようにしている。
図2は、本発明の一実施例における蒸気圧力値、ボイラの運転状況、給水予熱の状況、蒸発量の時間的変化などを模式的に示したものである。図2の上段には、蒸気圧力値の変動状況、中段には台数制御装置2から各ボイラに対して出力する燃焼指令と、燃焼指令に基づいて行う各ボイラの運転状況、下段には給水予熱実施の有無とボイラ全体での蒸気発生量及び蒸気使用装置での蒸気使用量を記載している。
図2では、燃焼優先順位が第1位である1号缶で高燃焼を行い、第2位の2号缶と第3位の3号缶は低燃焼を行っている状態から始まっている。この時点での蒸気発生量は4t/hであり、蒸気使用量が1t/hであれば蒸気発生量よりも蒸気使用量が少ないために蒸気圧力値は上昇しており、時刻Aで蒸気圧力値が0.78MPaとなっている。蒸気圧力値が0.78MPaより高くなると、図3で定めているボイラの燃焼量はH,L,−となり、台数制御装置2はボイラに対してH,L,−の燃焼指令を出力するため、時刻Aで3号缶の燃焼を停止している。
時刻Aからは1号缶の高燃焼と2号缶の低燃焼で蒸気発生量は3t/hとなっているが、蒸気圧力値の上昇は継続している。時刻Bで蒸気圧力値が0.82MPaまで上昇すると、1号缶の燃焼量を高燃焼から低燃焼に変更し、ボイラ全体での蒸気発生量は2t/hとする。しかし蒸気使用量の1t/hは、2t/hの蒸気発生量よりも少ないため、蒸気圧力値は更に上昇している。台数制御装置2では、蒸気圧力値が0.82MPaより高くなってボイラの燃焼量は低燃焼2台となっていても、蒸気圧力値がさらに上昇し続けているため、給水予熱制御弁8を開く制御を行う。時刻Cで給水予熱制御弁8を開くと、蒸気集合部5の蒸気が給水予熱用蒸気配管9を通して給水タンク6へ送られ、蒸気は給水タンク6の温度上昇に使用される。蒸気を給水タンク6での給水予熱に使用することで蒸気使用量が増加したため、時刻C以降には蒸気圧力値の変化は小さくなっている。
その後、時刻Dの付近で蒸気使用装置における蒸気使用量は4t/hに増加しており、時刻D以降は蒸気圧力値が急激に低下している。台数制御装置2では、蒸気圧力値の低下を検出すると、給水予熱制御弁8を閉じて給水タンク6への蒸気供給を停止する。給水予熱制御弁8を閉じると蒸気の使用量は減少するが、蒸気圧力値の低下は続いており、時刻Eで0.80MPaまで低下している。
蒸気圧力値が0.80MPaまで低下すると、台数制御装置2は稼働優先順位が第1位である1号缶に対して燃焼量を低燃焼から高燃焼に増加する燃焼指令の出力を行う。低燃焼から高燃焼への燃焼量変更は、燃料供給量と燃焼用空気供給量を増加することで行えるため、蒸気発生量を3t/hに増加することは短時間で行える。増加した蒸気発生量よりも蒸気使用量の方が依然として多いという場合には、蒸気圧力値は更に低下し、時刻Fで0.76MPaより低くなると、3号缶に対して燃焼停止から低燃焼に変更する燃焼指令を出力する。しかし、燃焼を停止していた3号缶で燃焼を開始するには、プレパージ等燃焼準備の工程が必要であってすぐに燃焼を開始することはできず、この時点では蒸気発生量は増加していない。
そのため蒸気圧力値の低下は抑えられず、時刻Gで蒸気圧力値は0.72MPaとなり、2号缶の燃焼量を低燃焼から高燃焼に変更している。2号缶は既に低燃焼を行っており、低燃焼から高燃焼への変更は短時間で行えるため、時刻G以降の蒸気発生量は4t/hとなっており、蒸気発生量が増えたことで、蒸気圧力値の変化は小さくなっている。この時点では3号缶の燃焼は始まっていないが、低燃焼であった2号缶の燃焼量を増加したことで蒸気圧力値の低下をくい止めることができている。その後、3号缶で燃焼準備の工程が終了し、3号缶でも燃焼を開始すると蒸気圧力値は上昇している。
このように、蒸気圧力値が上昇して燃焼しているボイラが少なくなった場合には、蒸気を給水予熱に使用することで蒸気圧力値の上昇を抑え、燃焼台数が減少しないようにしておくことで、蒸気使用量が増加した場合に蒸気発生量を素早く増加させることができる。なお、余剰蒸気は給水の予熱に使用するものであり、給水を予熱しておくとボイラ内での加熱量が少なくて済むことになる。余剰蒸気の熱は給水を通じてボイラへ循環させるものであるため、蒸気は無駄にはならない。ただし、給水タンク6の温度が高くなった場合には、給水タンク6への蒸気供給を行って給水温度を上昇させる効果は得られないために蒸気は無駄になる。そのため、給水タンク6の温度を温度検出装置7にて検出しておき、温度検出装置7での検出温度が設定温度より高くなった場合には、給水予熱制御弁8を閉じて給水タンク6への蒸気供給は行わないことで、蒸気が浪費されないようにしておく。
図4には比較のために従来制御の例を記載している。図4は、給水タンク6への蒸気供給は行わない従来制御の例であって、その他の条件は図2の場合と同じであるとしている。この場合も当初は1台のボイラが高燃焼、2台のボイラが低燃焼を行い、蒸気発生量は4t/hであるところから始まっており、時刻aで3号缶の燃焼を停止し、その後の時刻bで1号缶の燃焼量を低燃焼に変更するところは図2と同じである。しかし図4の場合、給水予熱のために蒸気を使用することは行っていないために蒸気圧力値は上昇を続けており、時刻cで蒸気圧力値は0.86MPaに達し、2号缶の燃焼を停止している。
その後、時刻dの付近で蒸気使用量が増加して蒸気圧力値は低下し始めており、蒸気圧力値が0.84MPaまで低下した時刻dで2号缶に対して燃焼状態を燃焼停止から低燃焼変更する燃焼指令を出力する。2号缶では低燃焼の燃焼指令を受けると燃焼準備を開始するが、燃焼停止していたボイラでは燃焼準備の工程を経なければ燃焼を開始できず、その間は蒸気供給を行えないために蒸気圧力値の低下は継続している。時刻eで蒸気圧力値が0.80MPaに達しているため、台数制御装置2は1号缶に対して高燃焼の燃焼指令を出力する。低燃焼から高燃焼への燃焼量変更は短時間で行えるため、時刻eからは蒸気発生量が2t/hになっているが蒸気圧力値の低下は止まっていない。その後、時刻fで蒸気圧力値が0.76MPaになると、3号缶に対しても低燃焼の燃焼指令を出力し、3号缶でも燃焼準備を開始する。
2号缶及び3号缶では、燃焼指令を受けてもすぐには燃焼を開始できないため、蒸気圧力値は低下を続けており、時刻gで蒸気圧力値が0.72MPaになると燃焼量はHHLであるために2号缶には高燃焼の燃焼指令を出力する。しかし2号缶ではまだ燃焼を行っていないのであるから、燃焼指令を低燃焼から高燃焼に切り替えても蒸気発生量が増えることはない。同様に時刻hで3号缶への燃焼指令を高燃焼としているが、3号缶も燃焼を行っていないために燃焼量が増加することはなく、蒸気圧力値は更に低下している。その後、2号缶及び3号缶が順次燃焼を開始しており、3台とも高燃焼を行うと蒸気圧力値は上昇している。
図2の実施例での運転状況と、図4の従来例での運転状況を比較する。 図4の従来例では、蒸気圧力値の上昇によって2号缶は燃焼を停止している状態で蒸気使用量が増加している。そのために蒸気発生量の増加が遅れており、蒸気圧力値の低下は大きくなっていた。これに対して本発明の実施例である図2では、蒸気圧力値が上昇した時に蒸気を給水予熱に使用することで蒸気圧力値の上昇が抑えられており、2号缶は燃焼を停止していない。そのために蒸気使用量が増加して蒸気圧力値が低下した場合には、燃焼量の増加することで蒸気発生量を素早く増加することができ、蒸気圧力値の低下を少なくすることができている。
なお、本実施例では第2位のボイラが燃焼を停止する前に給水タンク6への蒸気供給を開始するため、蒸気圧力値が0.82MPaを越えた状態で蒸気圧力値が上昇していること検出すると給水タンク6への蒸気供給を開始するようにしている。しかし別順位のボイラを対象としてもよく、例えば低燃焼ボイラは2台は必要ないがボイラが全缶停止することは避けたいという場合には、第1位のボイラに対して燃焼を停止させないようにすればよい。この場合は、燃焼台数が1台になった状態、つまり蒸気圧力値が0.86MPaを越えた状態で、かつ蒸気圧力値がさらに上昇している場合に給水タンク6への蒸気供給を行うようにする。低燃焼で残すボイラの台数を何台にするのが最適かは、ボイラ設置環境等によって異なるため、設置環境に応じて給水タンクへの蒸気供給を行う設定値を定めるようにする。
1 ボイラ
2 台数制御装置
3 運転制御装置
4 圧力検出装置
5 蒸気集合部
6 給水タンク
7 温度検出装置
8 給水予熱制御弁



Claims (2)

  1. 複数台のボイラと台数制御装置を設置しておき、共通の給水タンクから各ボイラへ供給した水を加熱することで蒸気を発生し、各ボイラで発生した蒸気は集合させた後に蒸気使用装置へ供給するようにしており、蒸気集合部での蒸気圧力値に基づき、優先順位の高い順に必要台数分のボイラで燃焼を行うようにしているボイラ多缶設置システムにおいて、前記ボイラで発生した蒸気を前記給水タンクに供給するための給水予熱用蒸気配管と、給水タンクへの蒸気供給を制御する給水予熱制御弁を設けておき、ボイラの燃焼台数が少なくなっており、かつ蒸気圧力が上昇しているという場合に、給水予熱制御弁を開いて給水タンクへ蒸気を供給するようにしたことを特徴とするボイラ多缶設置システム。
  2. 請求項1に記載のボイラ多缶設置システムにおいて、蒸気集合部での蒸気圧力値が低下している場合や、すべてのボイラが燃焼を停止した場合には、給水タンクへの蒸気供給は行わないようにしていることを特徴とするボイラ多缶設置システム。
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