JP6484335B2 - 部品実装装置及び吸着位置設定方法 - Google Patents

部品実装装置及び吸着位置設定方法 Download PDF

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Description

本発明は、部品実装装置及び吸着位置設定方法に関する。
従来より、部品が収容される収容部が複数形成されたテープを送り出すことにより部品を供給する部品供給装置が着脱可能に取り付けられ、部品をノズルで吸着して基材に実装する部品実装装置が知られている。特許文献1の部品実装装置は、部品供給装置の所定位置に付されたマークを検出して、部品供給装置の取付位置のずれ量を測定し、そのずれ量に基づいてノズルが部品を吸着する位置を補正することで、部品を収容部から安定して取り出して、実装精度を向上させる。
特開平6−244598号公報
特許文献1の部品実装装置は、部品供給装置の取付位置のずれに適切に対応することができるものの、各部品の収容部内における位置ずれに対応することは考慮されていない。ここで、収容部は、通常は部品を余裕をもって収容している。このため、収容部内の部品は、テープが停止するときの慣性などによって、収容部内で移動して位置ずれすることがある。一方で、部品実装装置は、部品上面に施される各種印字などの影響により、収容部内の部品の上面を精度よく検出できないことがある。このため、部品実装装置は、収容部内の部品の位置ずれに適切に対応することができず、部品を安定して取り出せないために実装精度が低下する場合がある。
本発明は、収容部から部品を安定的に取り出すことで、部品の実装精度を向上させることを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の部品実装装置は、
部品を吸着して基材に実装する部品実装装置であって、
前記部品を収容する収容部が複数形成された収容部材を、所定方向に間欠的に送ることで前記部品を供給する部品供給手段と、
前記収容部の前記所定方向における寸法と、該収容部に収容されている前記部品の前記所定方向における寸法との差分に基づいて、前記部品の吸着の基準となる基準位置に対して前記部品が慣性で寄る側にオフセットした位置を、吸着位置に設定する吸着位置設定手段と、
前記部品供給手段により供給された部品を前記吸着位置で吸着することにより前記収容部から取り出して前記基材に実装する部品実装手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の部品実装装置は、部品が慣性で寄る側にオフセットした位置を、吸着位置とすることで、部品の適正な位置を吸着することができる。この結果、部品実装装置は、収容部から部品を安定して取り出すことができるから、部品の実装精度を向上させることができる。
部品実装装置10の構成の概略を示す構成図である。 部品供給装置12の構成の概略を示す構成図である。 部品実装装置10の制御に関する構成を示すブロック図である。 制御装置70のCPU71により実行される部品実装処理の一例を示すフローチャートである。 制御装置70のCPU71により実行される吸着位置設定処理の一例を示すフローチャートである。 部品の吸着位置を設定する様子を示す説明図である。
図1は部品実装装置10の構成の概略を示す構成図であり、図2は部品供給装置12の構成の概略を示す構成図であり、図3は部品実装装置10の制御に関する構成を示すブロック図である。なお、本実施形態は、図1の左右方向がX方向であり、前後方向がY方向であり、上下方向がZ方向である。
部品実装装置10は、図1に示すように、テープに収容された部品Pを供給する部品供給装置12と、平板状の基材Sを搬送する基材搬送装置20と、搬送された基材Sを保持する基材保持装置30と、吸着ノズル62で部品Pを吸着して基材S上に実装するヘッド60と、ヘッド60をXY方向に移動させる移動機構50とを備える。また、部品実装装置10は、基材Sに付された各種マークや部品供給装置12のテープ上面の所定箇所などを撮像可能なマークカメラ64と、吸着ノズル62に吸着された部品Pを下方から撮像可能なパーツカメラ66と、部品実装装置10の全体の制御を司る制御装置70(図3参照)とを備える。ヘッド60は、吸着ノズル62を複数(例えば、12個)有しており、これらの吸着ノズル62は、図示しないZ軸モータにより上下方向に昇降される。なお、基材Sには、例えば、回路基板であるプリント配線板,一方の面に電子回路部品が搭載されるとともに電気的に接合され、他方の面には電子回路部品が未装着であるプリント回路板,ベアチップが搭載され、チップ付基板を構成する基材,ボールグリッドアレイを備えた電子回路部品が搭載される基材等が含まれる。
部品供給装置12は、キャリアテープ16(図2参照)が巻回されたリール13と、リール13からキャリアテープ16を引き出して送り出すフィーダ部14とを備え、部品実装装置10に着脱可能に取り付けられる。フィーダ部14は、図示しないスプロケットを回転させるためのステッピングモータなどの駆動モータ15(図3参照)を備える。キャリアテープ16は、部品Pを収容するための凹状のキャビティ17が長手方向に所定間隔で複数形成される。また、キャリアテープ16は、フィーダ部14のスプロケットの外周に形成されたスプロケット歯に係合する送り穴16aが形成される。この送り穴16aは、キャビティ17と同じ間隔で形成されている。部品供給装置12は、フィーダ部14の駆動モータ15を駆動してスプロケットを間欠的に回転させることにより、キャリアテープ16を所定量ずつY方向後方(所定方向)に間欠的に送り出して、ヘッド60(ノズル62)がピックアップ可能な部品供給位置に部品Pを供給する。また、図示は省略するが、部品供給装置12は、CPUやROM,RAMなどからなる制御部を備える。部品供給装置12は、部品実装装置10に取り付けられると、制御部が制御装置70と通信可能に接続される。
キャビティ17は、部品Pを余裕をもって収容することができるよう、部品Pよりも一回り大きなサイズに形成されている。このため、部品Pは、キャビティ17内で移動が可能となっている。したがって、部品Pは、キャリアテープ16が停止したときに、慣性によってキャビティ17内を送り方向前方側(Y方向後方側)に移動し、キャビティ17の内壁に衝突して停止することになる。したがって、図2の拡大図に示すように、部品Pは、キャビティ17内で送り方向前方側(Y方向後方側)に位置ずれした状態で、部品供給位置に供給されることになる。なお、部品Pがキャビティ内で位置ずれした状態では、Y方向は、送り方向後方側(Y方向前方側)にのみ隙間Gが生じている。
制御装置70は、図3に示すように、CPU71を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU71の他に、ROM72と、HDD73と、RAM74と、入出力インターフェース75とを備える。これらは、バス76を介して電気的に接続されている。制御装置70には、部品供給装置12の制御部からの収容部品Pに関する各種情報やマークカメラ64からの画像信号、パーツカメラ66からの画像信号などが入出力インターフェース75を介して入力されている。一方、制御装置70からは、部品供給装置12への駆動信号や基材搬送装置20への駆動信号、基材保持装置30への駆動信号、移動機構50への駆動信号、ヘッド60への駆動信号などが入出力インターフェース75を介して出力されている。また、制御装置70は、実装処理に関する情報の管理を行う管理装置80と通信ネットワークを介して双方向通信可能に接続されており、互いにデータや制御信号のやり取りを行っている。
管理装置80は、例えば、汎用のコンピュータであり、CPU81とROM82とHDD83とRAM84と入出力インターフェース85などを備える。これらは、バス86を介して電気的に接続されている。管理装置80は、マウスやキーボード等の入力デバイス87から入力信号が入出力インターフェース85を介して入力される。また、管理装置80は、ディスプレイ88への画像信号を入出力インターフェース85を介して出力する。HDD83は、基材Sの生産計画を記憶している。基材Sの生産計画は、部品実装装置10において基材Sの実装面のどの位置にどの部品Pをどの順番で実装するか、部品Pを実装した基材Sを何枚作製するかなどを定めた計画である。管理装置80は、生産計画に従って部品Pが実装されるよう制御装置70に指令信号を出力する。
以下は、こうして構成された部品実装装置10の動作の説明である。図4は、制御装置70のCPU71により実行される部品実装処理の一例である。制御装置70のCPU71は、管理装置80から指令信号を受信したときに、この処理を実行する。
部品実装処理では、CPU71は、まず、部品供給装置12を制御して、部品供給位置に部品Pを供給し(S100)、供給された部品Pを吸着ノズル62で吸着する位置を設定するための吸着位置設定処理を実行する(S110)。この吸着位置設定処理は、部品Pの吸着の基準となる吸着基準位置Rpに対し、各種補正を行うことで吸着位置Spを設定する処理であり、その詳細は後述する。次に、CPU71は、移動機構50とヘッド60とを制御して、S110で設定した吸着位置Spにヘッド60を移動させて吸着ノズル62で部品Pを吸着する吸着処理を行う(S120)。なお、ヘッド60は複数の吸着ノズル62を有するため、全ての吸着ノズル62が部品Pを吸着するまで、S100〜S120の処理を繰り返す。
CPU71は、吸着ノズル62が部品Pを吸着すると、移動機構50を制御してヘッド60をパーツカメラ66の上方を経由して基材S上に移動させる(S130)。また、CPU71は、ヘッド60がパーツカメラ66の上方にあるときに、吸着ノズル62に吸着されている部品Pをパーツカメラ66で撮像し、得られた画像を処理して吸着ノズル62に対する部品Pの吸着ずれ量を検出し、検出した吸着ずれ量に基づいて部品Pの実装位置に対する補正値Δを設定する(S140)。補正値Δは、X方向の吸着ずれを解消するための補正値ΔXとY方向の吸着ずれを解消するための補正値ΔYとがそれぞれ設定されて、RAM74に記憶される。なお、ヘッド60は複数の吸着ノズル62を有するため、補正値Δは吸着ノズル62(部品P)毎に設定される。このように、補正値Δは、吸着ノズル62で部品Pを吸着した後、ヘッド60が基材S上に移動するときに設定される。次に、CPU71は、移動機構50とヘッド60とを制御して、補正値Δで補正した実装位置上にヘッド60を移動させて吸着ノズル62で基材S上に部品Pを順次実装して(S150)、部品実装処理を終了する。
以下は、S110の吸着位置設定処理の説明である。図5は、制御装置70のCPU71により実行される吸着位置設定処理の一例である。吸着位置設定処理では、CPU71は、まず、部品供給位置に最も近い送り穴16aをマークカメラ64で撮像し、得られた画像を処理して吸着基準位置Rp(Xr,Yr)を設定する(S200)。吸着基準位置Rp(Xr,Yr)は、例えば、キャビティ17の中心位置に定めるものとした。また、キャビティ17の中心位置は、送り穴16aの中心位置からの距離(X方向距離とY方向距離)が予め定められている。なお、送り穴16aとキャビティ17は、同じ間隔としたため、いずれのキャビティ17も最も近い送り穴16aからの相対位置が一定である。S200では、CPU71は、得られた画像を処理して部品供給位置に最も近い送り穴16aを検出すると共にその中心位置を定め、その送り穴16aの中心位置から予め定められた距離にあるキャビティ17の中心位置を求めて、吸着基準位置Rp(Xr,Yr)として設定する。
次に、CPU71は、キャビティ17のY方向寸法(長さ)LCと部品PのY方向寸法(長さ)LPとを取得し(S210)、Y方向寸法LCとY方向寸法LPとの差分(LC−LP)を値2で除して半分にすることで、Y方向のオフセット値Yoを算出する(S220)。CPU71は、キャビティ17のY方向寸法LCと部品PのY方向寸法LPとを、部品供給装置12の制御部から通信により取得してもよいし、管理装置80から通信により取得してもよい。あるいは、制御装置70のHDD73が、各部品種に対応するY方向寸法LPとキャビティ17のY方向寸法LCとを記憶しており、CPU71は、今回実装する部品Pの部品種に対応するY方向寸法LPとキャビティ17のY方向寸法LCとをHDD73から読み出すことにより取得してもよい。また、CPU71が、オフセット値Yoを毎回算出するものに限られず、同じフィーダ部14から供給される部品Pに対して予め求めたオフセット値Yoを用いるものとしてもよい。また、オペレータが予め算出したオフセット値Yoを管理装置80から通信により取得するなど、オペレータが算出したオフセット値Yoを用いるものとしてもよい。
CPU71は、オフセット値Yoを算出すると、実装位置に対する補正値ΔがRAM74に記憶されているか否かを判定する(S230)。CPU71は、補正値Δが記憶されていないと判定すると、吸着基準位置Rp(Xr,Yr)にオフセット値Yoを反映させて補正した位置(Xr,Yr+Yo)を吸着位置Sp(Xs,Ys)に設定して(S240)、吸着位置設定処理を終了する。
ここで、図6は、吸着位置が設定される様子を示す説明図である。前述したように、吸着基準位置Rpは、送り穴16aの中心から所定方向に所定距離離れたキャビティ17の中心位置に設定される(図6(a))。このため、図6(a)に示すように、部品Pに位置ずれが生じておらず、キャビティ17の中心に部品Pが位置していれば、吸着ノズル62が吸着基準位置Rpで部品Pを吸着することで、部品Pの中心位置を吸着することは可能である。しかし、実際は、キャリアテープ16が停止したときの慣性の影響により、図6(b)に示すように、部品Pがキャビティ17内で送り方向前方側に移動して位置ずれしていることになる。この部品Pの位置ずれにより生じる隙間Gは、キャビティ17のY方向寸法LCと部品PのY方向寸法LPとの差分(LC−LP)に相当する。そこで、本実施形態は、図6(c)に示すように、その隙間Gである差分(LC−LP)の半分をオフセット値Yoに設定し、吸着基準位置Rpをオフセット値Yoに基づいて送り方向前方側(Y方向後方側)にオフセットした位置を、吸着位置Spに設定するのである。これにより、吸着ノズル62は、キャビティ17内で位置ずれしている部品Pの中心位置を適切に吸着することができる。このため、吸着ノズル62が部品Pを中心位置からずれた位置で吸着することにより、吸着時の部品Pの姿勢が不安定なものとなったり、吸着ミスが生じたりするのを防止することができる。即ち、吸着ノズル62が、部品Pを安定して吸着することができるから、部品Pの実装精度の向上を図ることができる。なお、説明の便宜上、部品Pが矩形品であって、キャビティ17の中心位置を吸着基準位置Rpとする場合を例示したが、これに限られず、部品Pが異形品であって、キャビティ17の中心位置以外を吸着基準位置Rpとする場合でも、CPU71は、オフセット値Yoに基づいてオフセットした位置を吸着位置Spに設定することができる。
一方、CPU71は、S230で補正値Δが記憶されていると判定すると、吸着基準位置Rp(Xr,Yr)にオフセット値Yoを反映させると共に、X方向の補正値ΔXとY方向の補正値ΔYとによる補正を行った位置(Xs+ΔX,Ys+Yo+ΔY)を吸着位置Sp(Xs,Ys)に設定して(S250)、吸着位置設定処理を終了する。これにより、吸着ノズル62は、送り方向前方側(Y方向後方側)のオフセット値Yoだけでなく、補正値Δを反映させた位置で、部品Pを吸着することができるから、部品Pを安定して吸着することができる。なお、複数の部品Pの補正値Δ(ΔX,ΔY)が記憶されている場合は、それらの平均値や中央値などを用いることができる。また、前述したように、補正値Δは、吸着ノズル62が部品Pを吸着してヘッド60が基材S上に移動するときに設定される。このため、補正値Δは、リール13が部品実装装置10に取り付けられてから吸着ノズル62が最初に部品Pを吸着する場合には、設定(記憶)されていないことになる。その場合でも、CPU71は、S240の処理でオフセット値Yoを反映させた位置を吸着位置Spとする。したがって、吸着ノズル62は、部品Pを最初に吸着するときから安定して部品Pを吸着することができる。このように、CPU71は、1回目に部品Pを吸着する際には、S240のようにオフセット値Yoを用いた補正を行い、2回目以降に部品Pを吸着する際には、S250のようにオフセット値Yoと補正値Δ(補正値ΔXおよび補正値ΔY)とを組み合わせた補正を行うことができる。また、例えばノズルA〜ノズルLまでの12個の吸着ノズル62を有するヘッド60の場合、CPU71は、各ノズルが1回目に部品Pを吸着する(ノズルA(1),ノズルB(1),・・・ノズルL(1))際には、オフセット値Yoを用いた補正を行うことができる。そして、CPU71は、各ノズルが2回目に部品Pを吸着する(ノズルA(2),ノズルB(2),・・・ノズルL(2))以降においては、オフセット値Yoと補正値Δ(補正値ΔXおよび補正値ΔY)とを組み合わせた補正を行うことができる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のキャビティ17が収容部に相当し、キャリアテープ16が収容部材に相当し、部品供給装置12が部品供給手段に相当し、図4の部品実装処理のS110(図5の吸着位置設定処理)を実行する制御装置70のCPU71が吸着位置設定手段に相当し、部品実装処理のS120,S150の処理を実行する制御装置70のCPU71が部品実装手段に相当する。また、パーツカメラ66と部品実装処理のS140の処理を実行する制御装置70のCPU71とが撮像手段に相当する。なお、本実施形態は、部品実装装置10の動作を説明することにより本発明の吸着位置設定方法の一例も明らかにしている。
以上説明した部品実装装置10は、凹状のキャビティ17と、キャビティ17に収容されている部品PとのY方向における寸法の差分に基づいて、部品Pの吸着基準位置Rp(キャビティ17の中心位置)に対して部品Pが慣性で寄る側(Y方向後方側)にオフセットした位置を、吸着位置Spに設定して部品Pを吸着する。これにより、キャリアテープ16が部品Pを部品供給位置まで送り出して停止したときにキャビティ17内の部品Pが慣性によって位置ずれしても、吸着ノズル62は、部品Pの適正な位置を吸着してキャビティ17から安定して取り出すことができる。このため、部品実装装置10は、部品Pの実装精度を向上させることができる。
また、部品実装装置10は、吸着基準位置Rpに対し、キャビティ17と部品PとのY方向寸法の差分の半分を部品Pが慣性で寄る側にオフセットした位置を、吸着位置Spに設定する。慣性によって移動した部品Pは、キャビティ17の送り方向前方側の内壁に衝突して停止する。このとき、部品Pの移動量は、キャビティ17と部品PとのY方向の隙間(Y方向の寸法の差分)の半分を上限とするから、差分の半分をオフセットすることで、吸着ノズル62がさらに安定して部品Pを取り出すことができる。
また、部品実装装置10は、キャビティ17から取り出された部品Pが基材Sに実装される前に、部品Pを下方から撮像し、撮像された画像に基づいて部品Pの位置ずれ量に基づく補正値Δを求めて実装位置を補正する。また、吸着ノズル62が次に部品Pを吸着する際に、その補正値Δを吸着位置の補正に用いるため、キャビティ17内における部品PのY方向(送り方向)の位置ずれだけでなく、部品PのX方向(送り方向に直交する方向)の位置ずれにも適切に対応することができる。また、Y方向の部品Pの位置ずれが想定よりも小さい場合、例えば、キャビティ17内の部品Pが送り方向前方側の内壁に衝突することなく停止する傾向がある場合などに、適切に対応することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、CPU71は、マークカメラ64で撮像した画像から検出した送り穴16aの位置に基づいてキャビティ17の中心位置を吸着基準位置Rpに設定するもの、即ち、間接的に検出したキャビティ17の中心位置を吸着基準位置Rpに設定したが、これに限られず、CPU71は、マークカメラ64で撮像した画像からキャビティ17を直接的に検出して、そのキャビティ17の中心位置を吸着基準位置Rpに設定してもよい。
上述した実施形態では、送り穴16aとキャビティ17とが同じ間隔で形成されるものとしたが、これに限られず、異なる間隔で形成されるものとしてもよい。例えば、送り穴16aの間隔よりも狭い間隔でキャビティ17が形成される場合、各キャビティ17は、それぞれ、基準となる送り穴16aからの距離および方向が定められていればよい。また、キャビティ17は、基準となる送り穴16aと共にマークカメラ64で撮像されるものとしてもよい。こうすれば、CPU71は、基準となる送り穴16aの位置に基づいて、間接的にキャビティ17の中心位置に吸着基準位置Rpを設定することができる。
上述した実施形態では、部品Pを最初に実装する場合など補正値Δが記憶されていない場合には、CPU71は、オフセット値Yoを用いて吸着位置SpをY方向にのみ補正したが、これに限られず、X方向についても補正してもよい。例えば、マークカメラ64がキャビティ17内の部品Pを撮像し、CPU71が、得られた画像を処理して部品PのX方向の位置ずれを検出し、検出した位置ずれ量に基づいてX方向に補正するものなどとすればよい。ここで、矩形状の部品Pは、通常は、長手方向をX方向とし短手方向をY方向とする向きで、キャビティ17に収容される。また、部品Pの上面には、部品Pの識別情報(文字や記号)が付されることが多い。このため、例えば、CPU71が、ごく小さな部品(例えば、X方向,Y方向の長さがいずれも1mm未満など)の上面画像を処理することを考えると、短手方向の両端位置は上面の識別情報の影響を受けて適切に検出できず、長手方向の両端位置は識別情報の影響を比較的受けずに良好に検出できる場合がある。したがって、CPU71は、Y方向については、実施形態で説明したように一律にオフセット値Yoによる補正を行い、X方向については、撮像により得られた画像から検出した位置ずれ量に基づく補正を行うものとすることができる。これにより、この変形例は、部品PのX方向およびY方向の位置ずれに適切に対応することができる。
上述した実施形態では、CPU71は、実装位置に対する補正値Δが記憶されている場合には、補正値Δに基づく補正とオフセット値Yoに基づく補正とをいずれも行うものとしたが、これに限られず、CPU71は、補正値Δが記憶されていても補正値Δに基づく補正を行わず、オフセット値Yoに基づく補正を行うものとしてもよい。また、CPU71は、X方向については、補正値Δに基づく補正を行い、Y方向については、補正値Δに基づく補正を行わずにオフセット値Yoに基づく補正を行うものなどとしてもよい。
上述した実施形態では、Y方向のオフセット値Yoは、キャビティ17のY方向寸法LCと、部品PのY方向寸法LPとの差分を値2で除した値、即ち、差分の半分としたが、これに限られず、差分の半分を上限とするオフセット値であれば如何なるものとしてもよい。即ち、差分に対するオフセット値の割合を半分(50%)とするものに限られず、差分に対するオフセット値の割合を30%や40%などとしてもよい。また、差分に対するオフセット値の割合は、一律とするものに限られず、部品Pの重量やサイズ,形状,種類などによって異なる割合としてもよい。
上述した実施形態では、部品供給装置12がキャリアテープ16(部品P)を所定方向(第1方向,Y方向後方)に送るものとして部品Pが慣性によって所定方向に寄る場合を考慮したが、所定方向に送るものに限られず、所定方向と反対方向(第2方向,Y方向前方)に送る場合があるものとしてもよい。例えば、部品供給装置12にリール13が取り付けられてキャリアテープ16の先頭の部品Pの位置決めをする際に、作業者がボタン操作などによりキャリアテープ16を送り出すことがある。その際、先頭の部品Pが部品供給位置より所定方向に行き過ぎると、作業者はキャリアテープ16を反対方向に送り、部品Pが部品供給位置まで戻ったときにキャリアテープ16を停止させる場合がある。その場合には、部品Pは、キャビティ17内の所定方向(Y方向後方)側に位置ずれしていないと考えられるから、オフセット値Yoによる補正を行わないものとしてもよい。即ち、部品供給位置に部品Pが供給された場合、CPU71は、直前のキャリアテープ16の送り方向が所定方向であるか否かを判定し、送り方向が所定方向(通常の送り方向)であれば、オフセット値Yoによる補正を行い、送り方向が反対方向であれば、オフセット値Yoによる補正を行わないものとすればよい。あるいは、反対方向に送ったキャリアテープ16を停止させる際に、部品Pが反対方向(Y方向前方)側に位置ずれすることもある。このため、直前のキャリアテープ16の送り方向が反対方向であれば、吸着位置Spが反対方向(Y方向前方)側となるようにオフセット値Yoによる補正を行うものなどとしてもよい。このように、キャリアテープ16が停止する直前の送り方向に基づいて部品Pが慣性で寄る方向側にオフセットした位置を吸着位置に設定することができる。
本発明は、部品を吸着して基材に実装する部品実装装置などに利用可能である。
10 部品実装装置、12 部品供給装置、13 リール、14 フィーダ部、15 駆動モータ、16 キャリアテープ、16a 送り穴、17 キャビティ、20 基材搬送装置、30 基材保持装置、50 移動機構、60 ヘッド、62 吸着ノズル、64
マークカメラ、66 パーツカメラ、70 制御装置、71,81 CPU、72,82 ROM、73,83 HDD、74,84 RAM、75,85 入出力インターフェース、76,86 バス、80 管理装置、87 入力デバイス、88 ディスプレイ、P 部品、S 基材。

Claims (4)

  1. 部品を吸着して基材に実装する部品実装装置であって、
    前記部品を収容する収容部が複数形成された収容部材を、所定方向に間欠的に送ることで前記部品を供給する部品供給手段と、
    前記収容部の前記所定方向における寸法と、該収容部に収容されている前記部品の前記所定方向における寸法との差分に基づいて、前記部品の吸着の基準となる基準位置に対して前記部品が慣性で寄る側にオフセットした位置を、吸着位置に設定する吸着位置設定手段と、
    前記部品供給手段により供給された部品を前記吸着位置で吸着することにより前記収容部から取り出して前記基材に実装する部品実装手段と、
    を備える部品実装装置。
  2. 請求項1に記載の部品実装装置であって、
    前記吸着位置設定手段は、前記基準位置に対して前記差分の半分を前記部品が慣性で寄る側にオフセットした位置を、前記吸着位置に設定する
    部品実装装置。
  3. 請求項1または2に記載の部品実装装置であって、
    前記部品実装手段により前記収容部から取り出された前記部品が前記基材に実装される前に、該部品を下方から撮像する撮像手段を備え、
    前記吸着位置設定手段は、前記撮像手段により撮像された画像に基づいて、前記吸着位置に対する前記部品の位置ずれ量を求め、前記オフセットした位置を前記位置ずれ量に基づいて補正して、前記吸着位置を設定する
    部品実装装置。
  4. 部品を収容する収容部が複数形成された収容部材を、所定方向に間欠的に送ることで前記部品を供給し、該供給した部品を吸着位置で吸着することにより前記収容部から取り出して基材に実装する部品実装装置における吸着位置設定方法であって、
    前記収容部の前記所定方向における寸法と、該収容部に収容されている前記部品の前記所定方向における寸法との差分に基づいて、前記部品の吸着の基準となる基準位置に対して前記部品が慣性で寄る側にオフセットした位置を、前記吸着位置に設定する
    吸着位置設定方法。
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