JP6482387B2 - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Description
従来のトリガー式液体噴出器では、容器体と連通する縦供給筒部の上部に、前方に向けて延びる射出筒部が設けられている。射出筒部の先端側にはノズルが付設されている。射出筒部の下方には、トリガー部の操作により作動するシリンダが配置されている。そして、トリガー部の操作を行うことで、縦供給筒部からシリンダ内に液体を吸い上げることができるとともに、その液体を射出筒部からノズルを経て前方に噴射(噴出)させることができる。
このように、トリガー部を引く操作を行う毎に、液体を噴出孔から噴射させつつ、プランジャを後方に移動させて補助シリンダ内に液体を溜める(充填する)ことができる。
なおプランジャの前進時、再びトリガー部を引かなければ、プランジャは最前進位置まで前進するが、その前にトリガー部を引く操作を繰り返すこともできる。この場合、プランジャが略一定の幅で後退と前進とを繰り返し、全体としては徐々に後方へ移動する。これにより、補助シリンダ内に徐々に液体が溜まっていく。
さらに、プランジャが連通孔を直接的に塞いでいるので、補助シリンダの内圧が所定値を超えない限り、液体が噴射されることがない。したがって、高圧弁等を別途設けなくても適正な圧力(噴射圧)で液体を噴射させることができるとともに、構成の簡略化を図り易い。しかも、前方付勢されているプランジャを後方移動させることで蓄圧できるので、液体を噴射する際に、液体に圧力をさらに加えた状態で噴射することができる。
さらには、未使用時に、噴出孔から液漏れすることを効果的に抑制することができる。
したがって、プランジャが後方に向けて過度に移動することを機械的に防止でき、補助シリンダ内に許容量以上の液体が充填されてしまうことを防止できる。これにより、補助シリンダ内の圧力が過度に上昇することを防いで、破損等の不具合が生じることを防止することができる。そのため、使い勝手が良く、液体の連続噴射を安心して行うことができる。
以下、本発明に係るトリガー式液体噴出器の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体2と、噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10から射出筒部11が延びる方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、かつ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bの上端開口部は頂壁部12dによって塞がれている。
なお、外筒12および内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方側に偏心している。
吐出弁30は、内筒13内に嵌合され、外筒12における頂壁部12dの下面に当接するベース部31と、ベース部31の下方に配置され、内筒13の内周面に段差状に形成された弁座32に対して上方から当接する弁体33と、ベース部31および弁体33を上下に連結する中空ばね部34と、を備えている。
なお、弁体33は中空ばね部34の付勢力に抗して上昇し、弁座32から離間することで、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間とを連通させる。
このテーパ筒部35は、下方に向かうにしたがって漸次縮径している。テーパ筒部35の内側には、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の吸込弁36が配置されている。吸込弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、を連通および遮断する。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口しているとともに、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体形成されている。
外筒部60は、シリンダ用筒部40の内側に嵌合されている。シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において密接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部に、環状の隙間S2が確保されている。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66および第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁30と吸込弁36との間に位置する空間に連通している。したがって、吐出弁30は、射出筒部11内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替え、吸込弁36は、容器体A内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替える。
なお、主シリンダ53および主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方および後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが外筒部60の内周面に対して摺接する。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52とは、互いに連結されている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から見た側面視で前方に凸の円弧状に形成され、かつ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
これら主板ばね54aおよび副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54dおよびポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
補助シリンダ90は、前壁部95と、前壁部95から後方に向けて延びたシリンダ筒96と、を備え、後方に開口した筒状に形成されている。前壁部95は、シリンダ筒96から下方に向けて突出しており、ノズル部材3を前方側から見た正面視で、左右方向よりも上下方向に長く形成されている。
キャップ97は、シリンダ筒96の内側に嵌合されるキャップ内筒97aと、シリンダ筒96に外嵌されるキャップ外筒97bと、キャップ内筒97aからその径方向の内側に向けて突出した環状のガイドリング97cと、を備えている。
これにより、補助シリンダ90の内部は、連通孔104および流通路102を通じて噴出孔4に連通している。つまり、連通孔104は、流通路102を通じて補助シリンダ90の内部と噴出孔4とを連通している。
ロッド110は、後方に開口した筒状に形成され、外周面にはシリンダ筒96の内周面に向けて突出する拡径ガイド部110aが形成されている。ロッド110の後端開口縁は、後述する作動部材130における挿入部131の環状壁(係止部)137に前方から係止する被係止部110bとして機能する。
補助ピストン111は、前後方向の中央部から前方および後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、その前後方向の両端部が、シリンダ筒96の内周面に対して密に摺接するリップ部111aとなっている。
コイルばね112は、ロッド110を囲繞するように配置され、後端部がキャップ97のキャップ内筒97aに前方から当接し、前端部が拡径ガイド部110aに後方から当接する。これにより、コイルばね112は、補助シリンダ90内においてプランジャ91を前方に向けて付勢している。
これにより、プランジャ91は、連通孔104を開放自在に閉塞している。特に、凸部113はコイルばね112からの付勢によって連通孔104をシールした状態で塞いでいる。
これに対して、プランジャ91の後方移動によって、ロッド110の被係止部110bが後述する作動部材130の環状壁137に対して前方から当接しているときのプランジャ91の位置を、最後退直前位置とする。さらに、プランジャ91が最後退直前位置を超えてさらに後方移動し、補助シリンダ90に対して作動部材130が後方に移動したときのプランジャ91の位置を、最後退位置とする。
したがって、プランジャ91が最後退位置に達している場合には、補助シリンダ90内に液体が最大量収容されている。
さらに、前壁部95には、前壁部95から後方に向けて延びる中間筒122を介して装着筒92が一体に形成されている。装着筒92は、射出筒部11に対して前方から嵌合している。これにより、ノズル部材3は、装着筒92を介して噴出器本体2に対して組み合わされている。
中間筒122には、上下方向に貫き、補助シリンダ90の内部と中間筒122の内部とを連通する縦孔が形成されており、この縦孔の上端開口が、上記した供給孔95aとなっている。縦孔内における上下方向のほぼ全長にわたって栓体125が挿入されている。栓体125は、縦孔のうち、供給孔95aを開放し、かつ下端開口を密に閉塞した状態で、縦孔の内周面との間に、中間筒122の内部と補助シリンダ90内とを連通する微小流路126を形成している。この栓体125により、縦孔の空間容積がさらに小さくなっている。
以上より、射出筒部11の内部と補助シリンダ90の内部とは、中間筒122の内部、微小流路126、および供給孔95aを通じて連通する。また、射出筒部11から供給孔95aに至る経路が、中間筒122の内部および微小流路126であるので、これらの経路の空間容積が大きくなるのを抑えることができる。
また、中間筒122と装着筒92との接続部分には、下方に向けて接続壁123が突設されている。そして、接続壁123の下端部が、トリガー部51の主板部材80の上端部に対して前方から当接することで、トリガー部51を最前方揺動位置に位置決めしている。
この挿入部131は、ガイドリング97cの内側に配置され、ガイドリング97cによって後方移動可能にガイドされた円筒状の第1挿入部135と、第1挿入部135からさらに前方に向けて延び、第1挿入部135より縮径した円筒状の第2挿入部136と、を備えた二段筒状に形成されている。
なお、プランジャ91が最前進位置から後方移動して最後退直前位置に達した際、ロッド110の被係止部110bが環状壁137に対して前方から係止する。
規制部133は、第3接続片143と一体に形成されているとともに、トリガー部51よりも前方に配置されている。具体的には、規制部133は、中間筒122の下方に配置され、前壁部95における左右方向に沿う横幅と同等の横幅に形成された前壁133aと、前壁133aの下端部から後方に向けて延び、接続壁123の下方に位置する下壁133bと、前壁133aの左右両側から後方に延び、下壁133bに対しても一体に接続された側壁133cと、を有している。
なお、図2に示されるように、前壁133aの上端縁は、下方に窪む曲線状に形成されるとともに、補助シリンダ90の前壁部95の下端縁は、下方に突出する曲線状に形成されており、前壁133aの上端縁と補助シリンダ90の前壁部95の下端縁とは互いに近接している。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1を使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、吐出弁30は閉弁している。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
また、未使用時に、噴出孔4から液漏れすることを効果的に抑制することができる。
この場合、プランジャ91は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、補助シリンダ90内に徐々に液体を溜めることができる。そして、プランジャ91を例えば最後退直前位置まで移動させることで、プランジャ91が最後退直前位置から最前進位置に移動するまでの長時間に亘って、液体を連続噴射することができる。
特に、トリガー部51が前方に戻らなくなるので、そのことを触覚的および視覚的に容易かつ確実に把握し易い。よって、トリガー部51のさらなる操作を強引に行うといった誤操作を未然に防止し易い。
また、挿入部201および栓体125によって、射出筒部11内および前記縦孔内における各空間容積がさらに小さくなっているので、補助シリンダ90内の圧力をさらに速やかに上昇させることができる。
したがって、液体を高い噴射圧で噴射させることができるうえ、プランジャ91をさらにスムーズに後方移動させることができる。
次に、本発明に係るトリガー式液体噴出器の第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
また、シリンダ筒96の後端部に装着されたキャップ197は、シリンダ筒96の内側に嵌合されたキャップ内筒197aと、キャップ内筒197aの後端部からその径方向の外側に向けて突出し、シリンダ筒96の後端縁に後方から係止される係止リング197bと、キャップ内筒197aの前方開口部を塞ぐ前壁部197cと、を備えている。前壁部197cの中央部には、補助シリンダ90の内部と外部とを連通し、補助シリンダ90内に対して空気を出入りさせる空気孔197dが形成されている。
中間部材151は、射出筒部11の前方開口部よりも前方側に位置し、前方開口部に対して対向配置された対向板160と、対向板160から後方に向けて延び、射出筒部11に外嵌された第1筒部161と、対向板160から前方に向けて延びる第2筒部162と、第2筒部162の内側に位置し、かつ対向板160から前方に向けて延びる中央突部163と、を備えている。
なお、中央突部163は、第2筒部162よりも前方に突出することなく、第2筒部162の内側に収まるように形成されている。
前壁部95において、囲繞筒101よりも下方に位置する部分には、後方に向けて突出し、中間部材151の第2筒部162に外嵌される第3筒部292が形成されている。第3筒部292が第2筒部162に外嵌されることで、ノズル部材3は噴出器本体2に対して一体に組み合わされている。なお、前壁部95には、第2筒部162の内側に密に嵌合するシール筒部23aが形成されている。
トリガー部51の主板部材80の上端部は、弾性板部54による付勢によって中間部材151の下端部に対して後方から当接している。これにより、トリガー部51は最前方揺動位置に位置決めされている。
前壁部95には、軸部120と保持筒121との間に位置し、かつ前壁部95を貫通する環状の旋回路177が形成されている。
旋回路177は、中間部材151における第2筒部162の内側に連通しているとともに、前壁部95に形成された供給孔129を通じて、補助シリンダ90内において補助ピストン111よりも前方側に位置する空間に連通している。これにより、補助シリンダ90の内部は、供給孔129、旋回路177、第2筒部162の内側、および射出孔164を通じて射出筒部11の内部に連通している。
ブラインドキャップ127は、軸部120と保持筒121との間に密に挿入される挿入筒128をさらに備えている。これにより、軸部120と保持筒121との間に形成される空間が占める容積を極力少なくすることができるうえ、第2筒部162の内側から補助シリンダ90内に向けて液体を速やかに移動させることが可能とされている。
また、中間部材151を利用して噴出器本体2にノズル部材3を組み合わせることができるので、既存の噴出器本体を利用してトリガー式液体噴出器を構成することもできる。したがって、低コストかつ簡略な構成でトリガー式液体噴出器を構成することができる。
また、第1実施形態のトリガー式液体噴出器1に代えて、例えば、作動部材がシリンダに対して後方に移動したときに、規制部をトリガー部に対して後方若しくは側方等から当接或いは近接させ、トリガー部を後方に揺動できなくするようにしてもよい。
第1実施形態および第2実施形態に係る各トリガー式液体噴出器1、150において、例えばトリガー部51の操作をロックする機構や、噴出孔4の前方に液体の噴射形態(例えば霧状、泡状等)を切り換えるための切換部材をさらに設けても構わない。
次に、本発明に係るトリガー式液体噴出器の第3実施形態について説明する。
なお、トリガー式液体噴出器250の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10から射出筒部11が延びる方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、かつ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bの上端開口部は頂壁部12dによって塞がれている。
なお、外筒12および内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方側に偏心している。
なお、中央突部24は、第2筒部23よりも前方に突出することなく、第2筒部23の内側に収まるように形成されている。
この下テーパ筒部35は、下方に向かうにしたがって漸次縮径している。下テーパ筒部35の内側には、下テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の吸込弁36が配置されている。吸込弁36は、内筒13内において、下テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、下テーパ筒部35よりも下方に位置する空間とを連通および遮断する。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口しているとともに、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体形成されている。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66および第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁37と吸込弁36との間に位置する空間に連通している。したがって、吐出弁37は、射出筒部11内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替え、吸込弁36は、容器体A内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替える。
なお、主シリンダ53および主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52とは、互いに連結されている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から見た側面視で前方に凸の円弧状に形成され、かつ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。
弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
これら主板ばね54aおよび副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54dおよびポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
被覆壁部134は、前後方向から見た正面視において上下方向に長い楕円形状に形成され、第3筒部231、連絡筒部232および分岐筒部233を前方から被覆している。被覆壁部134には、通過空間236と噴出孔4とを連通する連通孔237が形成されている。
連通孔237は、通過空間236の前端に直結されており、この通過空間236、第2筒部23内、および射出孔25を通して、射出筒部11の前端開口に向けて開口している。また、連通孔237と、射出筒部11の前端開口と、は前後方向に対向している。
ノズル体220の外嵌筒部221は、噴出器本体2の第2筒部23に装着可能に形成されている。図示の例では、ノズル体220の外嵌筒部221は、噴出器本体2の第2筒部23に外嵌可能に形成されている。
蓋部226の上端部は、ノズル壁部222に、左右方向に延びる開閉軸回りに回転自在に装着されている。蓋部226は、前記開閉軸回りの前方に向けて回転することで、噴出孔4を開放する。
通過空間236の流路断面積は、第2筒部23側の後方から連通孔237側の前方に向かうに従い漸次小さくなっている。通過空間236の前端における流路断面積は、連通孔237の流路断面積と同等になっている。
シリンダ筒96は、外装筒192を介して、噴出器本体2の上板部材84上に配置されており、縦供給筒部10よりも後方に突出している。
ロッド210は、前後方向に延在し、かつ後方に開口した筒状に形成され、外周面にはその径方向の外側に向けて突出するフランジ部210aが形成されている。補助ピストン211は、前後方向に延在し、かつ後方に開口した筒状に形成され、その前後方向の両端部には、前後方向の外側に向かうに従い漸次、その径方向の外側に向けて延びるテーパ状をなし、シリンダ筒96の内周面に対して密に摺接するリップ部211aが形成されている。
コイルばね112は、ロッド210を囲繞するように配置され、後端部が外装筒192の後壁部200に前方から当接し、前端部がロッド210のフランジ部210aに後方から当接する。これにより、コイルばね112は、補助シリンダ90内においてプランジャ191を前方に向けて付勢している。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器250を使用する場合について説明する。
なお、蓋部226が開かれて噴出孔4が開放され、かつトリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器250の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
この場合、プランジャ191は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、補助シリンダ90内に徐々に液体を溜めることができる。そして、プランジャ191を最後退位置まで移動させることで、プランジャ191が最後退位置から最前進位置に移動するまでの長時間に亘って、液体を連続噴射することができる。
例えば、補助シリンダ90内を、供給孔198を通じて射出筒部11内に連通させつつも、連通孔237を補助シリンダ90の前壁部95に設けることで、補助シリンダ90内を連通孔237に供給孔198を通さずに直接連通させてもよい。このように、ノズル部材3に、射出筒部11内および補助シリンダ90内と、噴出孔4と、を連通する連通孔237が形成された他の形態に適宜変更することが可能である。例えば、ノズル部材が、前後方向に延びるとともに、供給孔を通じて内部が射出筒部内に連通し、かつ前壁部に噴出孔に連通する連通孔が形成されたシリンダと、シリンダ内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されたピストンと、噴出器本体に装着される装着体と、を備え、ピストンが、連通孔を開放自在に閉塞している構成を採用することができる。
次に、本発明に係るトリガー式液体噴出器の第4実施形態について説明する。
なお、トリガー式液体噴出器350の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10から射出筒部11が延びる方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、かつ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bの上端開口部は頂壁部12dによって塞がれている。
なお、外筒12および内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方側に偏心している。
吐出弁30は、内筒13内に嵌合され、外筒12における頂壁部12dの下面に当接するベース部31と、ベース部31の下方に配置され、内筒13の内周面に段差状に形成された弁座32に対して上方から当接する弁体33と、ベース部31および弁体33を上下に連結する中空ばね部34と、を備えている。
なお、弁体33は中空ばね部34の付勢力に抗して上昇し、弁座32から離間することで、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間とを連通させる。
このテーパ筒部35は、下方に向かうにしたがって漸次縮径している。テーパ筒部35の内側には、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の吸込弁36が配置されている。吸込弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、を連通および遮断する。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口しているとともに、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体形成されている。
外筒部60は、シリンダ用筒部40の内側に嵌合されている。シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において密接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部に、環状の隙間S2が確保されている。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66および第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁30と吸込弁36との間に位置する空間に連通している。したがって、吐出弁30は、射出筒部11内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替え、吸込弁36は、容器体A内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替える。
なお、主シリンダ53および主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方および後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが外筒部60の内周面に対して摺接する。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52とは、互いに連結されている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から見た側面視で前方に凸の円弧状に形成され、かつ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
これら主板ばね54aおよび副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54dおよびポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
なお、中央突部24は、第2筒部23よりも前方に突出することなく、第2筒部23の内側に収まるように形成されている。
また、閉塞部材20の下端部が、トリガー部51の主板部材80の上端部に対して前方から当接することで、トリガー部51を最前方揺動位置に位置決めしている。
ノズル部材3は、噴出孔4が形成されたノズル体152と、前後方向に延在する補助シリンダ90と、補助シリンダ90内に収容されたプランジャ91と、を備えている。
補助シリンダ90は、前壁部95と、前壁部95から後方に向けて延びたシリンダ筒96と、を備え、後方に開口した筒状に形成されている。前壁部95は、シリンダ筒96から下方に向けて突出しており、ノズル部材3を前方側から見た正面視で、左右方向よりも上下方向に長く形成されている。
キャップ197は、シリンダ筒96の内側に嵌合されたキャップ内筒197aと、キャップ内筒197aの後端部からその径方向の外側に向けて突出し、シリンダ筒96の後端縁に後方から係止される係止リング197bと、キャップ内筒197aの前方開口部を塞ぐ前壁部197cと、を備えている。前壁部197cの中央部には、補助シリンダ90の内部と外部とを連通し、補助シリンダ90内の空気を出入りさせる空気孔197dが形成されている。
ロッド110は、後方に開口した筒状に形成され、外周面にはシリンダ筒96の内周面に向けて突出する拡径ガイド部110aが形成されている。
補助ピストン111は、前後方向の中央部から前方および後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、その前後方向の両端部が、シリンダ筒96の内周面に対して密に摺接するリップ部111aとなっている。
コイルばね112は、ロッド110を囲繞するように配置され、後端部がキャップ197のキャップ内筒197aに前方から当接し、前端部が拡径ガイド部110aに後方から当接する。これにより、コイルばね112は、補助シリンダ90内においてプランジャ91を前方に向けて付勢している。
なお、プランジャ91が補助シリンダ90に対して最前進位置に位置して、補助ピストン111の前端面が、前壁部95の後面に当接している状態で、補助シリンダ90内には液体がほとんど収容されていない。
なお、外嵌筒部221は、装着筒部235に対して前方に抜け止めがされた状態で回転可能に装着されている。つまり、ノズル体152は装着筒部235の軸線回りに回転可能とされている。
ノズル体152の外嵌筒部221は、噴出器本体2の第2筒部23に装着可能に形成されている。図示の例では、ノズル体152の外嵌筒部221は、噴出器本体2の第2筒部23に外嵌可能に形成されている。
ノズル体152の前側には、液体の噴出形態を霧状および泡状等に切り替えるためのノズル板175が、左右方向に延びる軸部176回りに開閉可能に取り付けられている。ノズル壁部170の後面のうち、被支持筒部172の内側に位置する部分には、旋回路12eが凹状に形成されている。
なお、被支持筒部172と外嵌筒部221との間には、装着筒部235の内側に密接するシール筒部178が設けられている。
なお、第1連通孔185および通過空間183の各流路断面積は、第1凹溝172aおよび第2凹溝182aからなる導入路186の流路断面積よりも大きい。
したがって、通過空間183、導入路186および旋回路12eは、射出筒部11内および補助シリンダ90内と、噴出孔4と、を連通する連通孔190として機能する。連通孔190は、第1連通孔185、第2筒部23内および射出孔25を通して、射出筒部11の前端開口に向けて開口している。連通孔190は、供給孔187の前側に位置し、供給孔187の前端開口に向けて開口している。そして、連通孔190のうち、後端部に位置する通過空間183の流路断面積が、これよりも噴出孔4側の前側に位置する導入路186の流路断面積よりも大きくなっている。
なお、供給孔187の流路断面積は、導入路186の流路断面積よりも大きい。また、連通孔190の通過空間183は、第1連通孔185および供給孔187の各前端に直結されている。また、連通孔190と、射出筒部11の前端開口と、は前後方向に対向している。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器350を使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器350の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
この際、供給孔187の流路面積が、導入路186の流路面積よりも大きいので、通過空間183に導入された液体を、供給孔187を通じて補助シリンダ90内に導入することもできる。これにより、プランジャ91を最前進位置からコイルばね112の付勢力に抗して後方に移動させることができる。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、吐出弁30は閉弁している。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
この場合、プランジャ91は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、補助シリンダ90内に徐々に液体を溜めることができる。
また、前記第1実施形態および前記第2実施形態に対して、前記第3実施形態および前記第4実施形態と同様の、噴出器本体2が、射出筒部11の前端部に配置された第2筒部(第1装着部)23を備え、ノズル部材3が、第2筒部23に装着される第3筒部(第2装着部)231と、噴出孔4が形成されたノズル体220、152と、ノズル体220、152に備えられた外嵌筒部(第3装着部)221が装着されることでノズル体220、152と補助シリンダ90とが連結される装着筒部(第4装着部)235と、を備え、ノズル体220、152の外嵌筒部221が、噴出器本体2の第2筒部23に装着可能に形成されてなる構成を適用してもよい。
前記第3実施形態において、ノズル体220に代えて、前記第4実施形態に係るノズル体152を採用してもよい。
前記第1実施形態および前記第2実施形態において、前記第3実施形態および前記第4実施形態のノズル体220、152を適用してもよい。
2…噴出器本体
3…ノズル部材
4…噴出孔
10…縦供給筒部
11…射出筒部
23…第2筒部(第1装着部)
50…トリガー機構
51…トリガー部
90…補助シリンダ
91、191…プランジャ
95a、129、187、198…供給孔
104、190、237…連通孔
110b…被係止部
130…作動部材
133…規制部
137…環状壁(係止部)
152、220…ノズル体
213…回収通路
221…外嵌筒部(第3装着部)
231…第3筒部(第2装着部)
235…装着筒部(第4装着部)
Claims (6)
- 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、内側が前記縦供給筒部の内部に連通した射出筒部と、
前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に揺動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への揺動によって、前記液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内に導入させるとともに、前記射出筒部内から前記噴出孔側に向けて射出させるトリガー機構と、を備え、
前記トリガー機構は、
前記トリガー部の揺動に連動して前後方向に移動する主ピストンと、
前記主ピストンの移動に伴って内部が加圧および減圧し、かつ内部が前記縦供給筒部に連通した主シリンダと、
前記縦供給筒部内に配設され、前記射出筒部内と前記主シリンダ内との連通およびその遮断を切替える吐出弁と、
前記縦供給筒部内に配設され、前記容器体内と前記主シリンダ内との連通およびその遮断を切替える吸込弁と、を備え、
前記ノズル部材には、
前後方向に延びるとともに、供給孔を通じて内部が前記射出筒部内に連通する補助シリンダと、
前記補助シリンダ内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されたプランジャと、が備えられるとともに、
前記補助シリンダ内と前記噴出孔とを連通する連通孔が形成されていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 前記連通孔は、前記補助シリンダの前壁部に形成され、
前記プランジャは、前記連通孔を開放自在に閉塞していることを特徴とする請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記連通孔は、前記射出筒部の前端開口に向けて開口していることを特徴とする請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
- 前記ノズル部材には、前記補助シリンダに対して後方移動可能に配設された作動部材が備えられ、
前記作動部材は、
前記プランジャに形成された被係止部よりも後方に離れて配置され、前記プランジャが後方移動したときに、前記被係止部が前方から係止する係止部と、
前記補助シリンダに対して前記作動部材が後方移動したときに、前記トリガー部に対して近接或いは当接して前記トリガー部の揺動を規制する規制部と、を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記補助シリンダにおいて、前記補助シリンダの前壁部から後方に離間した部分には、前記容器体内に連通する回収通路が開口していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
- 前記噴出器本体は、前記射出筒部の前端部に配置された第1装着部を備え、
前記ノズル部材は、前記第1装着部に装着される第2装着部と、前記噴出孔が形成されたノズル体と、前記ノズル体に備えられた第3装着部が装着されることで前記ノズル体と前記補助シリンダとが連結される第4装着部と、を備え、
前記ノズル体の第3装着部は、前記噴出器本体の第1装着部に装着可能に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
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