JP2019177897A - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Abstract
Description
このトリガー式液体吐出器は、トリガー部の操作に伴って、貯留プランジャが後方移動しつつ、貯留シリンダ内に液体が一時的に貯留されるように構成されている。そして、トリガー部の操作を停止したとしても、前方付勢力によって貯留プランジャが前方に移動することに伴って、液体が噴出孔から連続的に噴射される。
従って、トリガー部を引く操作を行う毎に、貯留プランジャを移動させて貯留シリンダ内に液体を溜める(充填する)ことができる。
しかも、液体の連続噴射時、貯留シリンダ内から縦供給筒部側への液体の流出を第2逆止弁によって規制することができるので、例えば噴出孔から高い圧力で液体を外部に噴射することができる。
さらに、動滑車における仕事の原理により、付勢部材の復元力の約半分が、貯留プランジャへの付勢力として作用する。このため、動滑車を用いない場合と比較して、例えば付勢部材としてコイルばねを用いた場合に、その復元力を約2倍とし、有効巻き数を減らして密着高さを小さくすることができる。そして、付勢部材としてのコイルばねの密着高さが小さいほど、噴出器本体のかさ張りを抑えながら貯留プランジャのストローク量を大きくすることができる。
したがって、貯留プランジャが後方に向けて過度に移動することを機械的に防止でき、貯留シリンダ内に許容量以上の液体が充填されてしまうことを防止できる。これにより、貯留シリンダ内の圧力が過度に上昇することを防いで、破損等の不具合が生じることを防止することができる。
さらに、貯留プランジャが軸方向に移動する際に、中間部と第1端部との間の長さ、および中間部と第2端部との間の長さが変化するように、帯体が変形する。このため、例えば貯留プランジャの移動に伴って帯体が弛むことなどが抑止され、貯留プランジャをよりスムーズに移動させることができる。
以下、本発明に係るトリガー式液体噴出器の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1Aは、液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体2と、噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1Aの各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
ノズル部3は、噴出器本体2よりも上方に配置されている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10から射出筒部11が延びる方向を前方といい、その反対方向を後方という。
図2に示すように、外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、かつ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bの上端開口部は頂壁部12dによって塞がれている。
なお、外筒12および内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方に偏心している。
第2逆止弁30は、内筒13内に嵌合され、外筒12における頂壁部12dの下面に当接するベース部31と、ベース部31の下方に配置され、内筒13の内周面に段差状に形成された弁座32に対して上方から当接する弁体33と、ベース部31および弁体33を上下に連結する中空ばね部34と、を備えている。
なお、弁体33は中空ばね部34の付勢力に抗して上昇し、弁座32から離間することで、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間とを連通させる。
このテーパ筒部35は、下方に向かうにしたがって漸次縮径している。テーパ筒部35の内側には、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の第1逆止弁(吸込弁)36が配置されている。第1逆止弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、を連通および遮断する。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口しているとともに、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体形成されている。
外筒部60は、シリンダ用筒部40の内側に嵌合されている。シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において密接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部に、環状の隙間S2が確保されている。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66および第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、第2逆止弁30と第1逆止弁36との間に位置する空間に連通している。したがって、第2逆止弁30は、射出筒部11内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替え、第1逆止弁36は、容器体A内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替える。
なお、主シリンダ53および主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
ピストン本体部72の後端部には、ピストン本体部72の径方向内側に向かって突出し、ピストンガイド62の外周面に対して密に摺接する環状の内側リップ部72aが形成されている。これにより、内側リップ部72aとピストンガイド62の外周面との間には、シール性が確保されている。
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方および後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが外筒部60の内周面に対して摺接する。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
連結筒85の内周面のうち後方に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52とは、互いに連結されている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から見た側面視で前方に凸の円弧状に形成され、かつ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
これら主板ばね54aおよび副板ばね54bの下端部は、円弧状に湾曲した湾曲部54cを介して一体的に接続されている。湾曲部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54dおよびポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して湾曲部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
ピストンガイド62の後端部における外周面には、環状の窪み部181が形成されている。これにより、主ピストン52が最前方位置から後方に移動したときに、ピストン本体部72に形成された内側リップ部72aが上記窪み部181に達し、窪み部181内に収容可能とされている。
なお、窪み部181は、環状に形成されている場合に限定されるものではなく、ピストンガイド62の内側に向かって窪んでいれば良く、例えばピストンガイド62の外周面に1箇所だけ形成されていても構わないし、ピストンガイド62の周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
図示の例では、連通開口部183は、ピストンガイド62の周方向に間隔をあけて複数形成されている。連通開口部183は、ピストン本体部72の内周面とピストンガイド62の外周面との間の隙間に連通すると共に、ピストンガイド62の内側を通じて嵌合筒部41の内側に連通する。
なお、連通開口部183の形態は図示の例に限らず、例えばピストンガイド62の内径と同径の連通開口部183が1つだけ形成されていてもよい。
従って、内側リップ部72aと窪み部181との間、ピストン本体部72の内周面とピストンガイド62の外周面との間の隙間、連通開口部183内、ピストンガイド62の内側及び接続通路184内は、上記連通路180として機能する。
貯留部材90は、前壁部95と、前壁部95から後方に向けて延びた貯留シリンダ96と、を備え、後方に開口した筒状に形成されている。前壁部95は、貯留シリンダ96から上方および下方に向けて突出しており、前方から見た正面視で、左右方向よりも上下方向に長く形成されている。以下、貯留シリンダ96の中心軸線を軸線O2といい、軸線O2に沿う方向を軸方向という。本実施形態では、軸方向と前後方向とが一致しているが、両者は互いに異なる方向であってもよい。
キャップ97は、貯留シリンダ96の内側に嵌合されるキャップ内筒97aと、キャップ内筒97aからその径方向の外側に向けて突出した係止凸部97bと、キャップ内筒97aの後端開口部からその径方向内側に向けて延びる環状のバネ座97cと、を備えている。係止凸部97bは、係止孔96e内に位置している。これにより、キャップ97が貯留シリンダ96の後筒部96dに係止されている。
さらに、貯留シリンダ96の前端部における下側部分には、この部分を上下方向に貫く供給孔95aが形成されている。供給孔95aは、前筒部96a内と、後述する微小流路126と、を連通させている。
ロッド110は、後方に開口した筒状に形成され、外周面には貯留シリンダ96の内周面に向けて突出する拡径ガイド部110aが形成されている。ロッド110の後端開口縁は、後述する作動部材130の環状壁(係止部)137に前方から係止する被係止部110bとして機能する。
補助ピストン111は、その前後方向の中央部から前方および後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、その前後方向の両端部が、貯留シリンダ96の内周面に対して密に摺接するリップ部111aとなっている。
付勢部材160は、ロッド110の後端部を囲繞するように配置されている。付勢部材160の後端部はキャップ97のバネ座97cに前方から当接し、付勢部材160の前端部は後述する摺動部151に後方から当接する。
これにより、貯留プランジャ91は、連通孔95bを開放自在に閉塞している。特に、凸部113は付勢部材160からの付勢によって連通孔95bをシールした状態で塞いでいる。
これに対して、貯留プランジャ91の後方移動によって、ロッド110の被係止部110bが後述する作動部材130の環状壁137に対して前方から当接しているときの貯留プランジャ91の位置を、最後退直前位置とする。さらに、貯留プランジャ91が最後退直前位置を超えてさらに後方移動し、貯留部材90に対して作動部材130が後方に移動したときの貯留プランジャ91の位置を、最後退位置(図5)とする。
貯留プランジャ91が最後退位置に達している場合には、貯留シリンダ96内に液体が最大量収容されている。
前壁部95は装着筒92と一体に形成されている。装着筒92は、射出筒部11に対して前方から嵌合している。
以上より、射出筒部11内と貯留シリンダ96内とは、微小流路126および供給孔95aを通じて連通する。射出筒部11から供給孔95aに至る経路が、微小流路126であるので、この経路の空間容積が大きくなるのを抑えることができる。
また、前壁部95と装着筒92との接続部分には、下方に向けて接続壁123が突設されている。そして、接続壁123の下端部が、トリガー部51の主板部材80の上端部に対して前方から当接することで、トリガー部51を最前方揺動位置に位置決めしている。
この挿入部131は、バネ座97cの内側に配置され、バネ座97cによって後方移動可能にガイドされた柱状の第1挿入部135と、第1挿入部135からさらに前方に向けて延び、第1挿入部135より縮径した柱状の第2挿入部136と、を備えた二段柱状に形成されている。
なお、貯留プランジャ91が最前進位置から後方移動して最後退直前位置に達した際、ロッド110の被係止部110bが環状壁137に対して前方から係止する。
ここで本実施形態の噴出器本体2は、複数の帯体114と、摺動部材150と、を備えている。
各帯体114は、貯留プランジャ91に連結された第1端部114aと、貯留シリンダ96に連結された第2端部114cと、第1端部114aと第2端部114cとの間に位置して付勢部材160の付勢力を受ける中間部114bと、を有している。第1端部114aは、ロッド110の後端部(被係止部110b)に接続されており、ロッド110の径方向外側に向けて延びている。中間部114bは、軸線O2に沿う軸方向の一方側(後方)に向けて開口するように折り返されており、縦断面視で前方に凸のU字状に湾曲している。
図3に示すように、各帯体114の第2端部114cは、軸線O2に沿う方向から見て環状に形成された環状体115に接続されている。第2端部114c同士は、環状体115を介して、互いに連結されている。環状体115は、後筒部96d内に位置しており、中筒部96cの後端面とキャップ内筒97aの前端面との間で前後方向に挟まれている。これにより、環状体115の貯留シリンダ96に対する前後方向の移動が規制され、各第2端部114cが貯留シリンダ96に連結されている。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1Aを使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1Aの各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行う毎に、液体を噴出孔4から噴射させることができるとともに、貯留プランジャ91を後方に移動させて、貯留シリンダ96内に液体を溜める(充填する)ことができる。
すると、新たに吸い上げられた液体は、第1逆止弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、第2逆止弁30は閉弁している。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
また、未使用時に、噴出孔4から液漏れすることを効果的に抑制することができる。
この場合、貯留プランジャ91は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、貯留シリンダ96内に徐々に液体を溜めることができる。
そして、貯留プランジャ91を例えば最後退直前位置まで移動させることで、貯留プランジャ91が最後退直前位置から最前進位置に移動するまでの長時間に亘って、液体を連続噴射することができる。
特に、トリガー部51が前方に戻らなくなるので、そのことを触覚的および視覚的に容易かつ確実に把握し易い。よって、トリガー部51のさらなる操作を強引に行うといった誤操作を未然に防止し易い。
また、挿入部201および栓体125によって、射出筒部11内および前記縦孔内における各空間容積がさらに小さくなっているので、貯留シリンダ96内の圧力をさらに速やかに上昇させることができる。
したがって、液体を高い噴射圧で噴射させることができるうえ、貯留プランジャ91をさらにスムーズに後方移動させることができる。
さらに、貯留プランジャ91が前後方向(軸方向)に移動する際に、中間部114bと第1端部114aとの間の長さ、および中間部114bと第2端部114cとの間の長さが変化するように、帯体114が変形する。このため、例えば貯留プランジャ91の移動に伴って帯体114が弛むことなどが抑止され、貯留プランジャ91をよりスムーズに移動させることができる。
以下、第2実施形態に係るトリガー式液体噴出器1Bについて説明する。
図6に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1Bは、液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部210を有する噴出器本体2と、液体を前方に向けて噴出する噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1Bの各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部210から射出筒部211が延びる方向を前方といい、その反対方向を後方という。
外筒212は、大径部212aと、大径部212aの上方に配置され、かつ大径部212aよりも径が小さい小径部212bと、大径部212aの上端部と小径部212bの下端部とを連結するフランジ部212cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部212bは頂壁部212dによって上部開口部が塞がれている。
鍔部213dは、装着キャップ214と容器体Aの口部A1における上端開口縁とにより上下方向に挟まれる。
なお、外筒212及び内筒213で構成される縦供給筒部210の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方に偏心している。
支持筒部235は、軸線O1と同軸に配設され、その下端部は径方向外側に突出して内筒213の内周面に一体的に形成されている。支持筒部235の上端開口端は、第1逆止弁236が着座する着座面とされ、断面がテーパ状に形成されている。
接続筒部230の前端部には、接続筒部230内に密に嵌合し、接続筒部230の前端開口を閉塞する上記閉塞栓231が設けられている。
接続筒部230及び貯留シリンダ293は、上下方向に並列して配置され、共通の隔壁W3を備えている。図示の例では、貯留シリンダ293は縦供給筒部210上にも配置されている。そのため、縦供給筒部210及び貯留シリンダ293は、頂壁部212dによって形成される共通の隔壁W4を備えている。
前壁部292には、装着凹部294及び連通孔295が形成されている。
装着凹部294は、前壁部292の後端面に、貯留シリンダ293の軸線O2と同軸の環状に形成されている。連通孔295は、前壁部292を前後方向に貫通するように形成されている。連通孔295は、前壁部292を前後方向から見た正面視において、装着凹部294の内側に配置され、前壁部292を前後方向に貫通している。
後筒部297は、縦供給筒部210よりも後方に配置されている。後筒部297の後端部側には、係止凸部297aが後筒部297の周方向に間隔をあけて複数形成されている。係止凸部297aは後筒部297からその径方向外側に向けて突出している。
貯留シリンダ293には、供給孔291に加え、連絡溝340及び回収孔341がさらに形成されている。
回収孔341は、段部298に形成され、隔壁W4(頂壁部212d)を上下方向に貫通している。回収孔341の下端部は、シール筒部212eの内側に開口している。このように、回収孔341は、縦供給筒部210の真上に配置されている。
第2逆止弁302は、供給孔291を通じた接続筒部230内から貯留シリンダ293内への液体の供給を許容し、かつ供給孔291を通じた貯留シリンダ293内から接続筒部230内への液体の流出を規制する逆止弁とされている。つまり、第2逆止弁302は、後述する主シリンダ253内の加圧時に、噴出孔4と縦供給筒部210内との連通を許容し、かつ主シリンダ253内の減圧時に、噴出孔4と縦供給筒部210内との連通を遮断する逆止弁とされている。
弁基部301は、軸線O2と同軸の環状に形成され、前壁部292の後端面側に配置されている。弁基部301は、前方に向けて突設され、装着凹部294内に後方から入り込むことで装着凹部294に装着される装着凸部303を備えている。これにより、弁体300の全体は、前壁部292に対して一体に組み合わされている。
貯留プランジャ310は、貯留シリンダ293内を前後方向に摺動する補助ピストン320と、補助ピストン320の内側に嵌合されたロッド330と、を備えている。補助ピストン320及びロッド330は、前後方向に延びる筒状に形成され、軸線O2と同軸に配設されている。
プランジャ筒321は、前方から後方に向かうに従い漸次拡径する多段の筒状に形成されている。プランジャ筒321の前端部には、プランジャ筒321の周方向の全周に亘ってリップ部323が形成されている。
具体的には、リップ部323は前筒部296の内周面上を摺動する。なお、リップ部323は、前筒部296の内周面に密に摺接している。これにより、リップ部323と前筒部296の内周面との間には、シール性が確保されている。
特に、閉塞壁322は、後述する付勢部材360の弾性復元力(ばね力)によって前方に付勢されており、弁基部301の後端面に対して後方から強く押し付けられている。これにより、閉塞壁322は、連通孔295をシールしていると共に、貯留プランジャ310の全体が付勢部材360に抗して後方移動したときに開弁して連通孔295を開放する。従って、閉塞壁322は、貯留プランジャ310が後方移動するまで貯留シリンダ293内で液体を加圧することができると共に、液体の圧力が所定値に達したとき、すなわち貯留プランジャ310が付勢部材360に抗して後方移動したときに開弁して、噴出孔4側に加圧した液体を供給する蓄圧弁として機能する。
なお、閉塞壁322の前端面が弁基部301の後端面に対して着座(当接)している場合では、凹溝326と連通孔295との連通は遮断されている。
キャップ350は、軸線O2と同軸に配置され、貯留シリンダ293の後筒部297の外側に嵌合されたキャップ筒351と、キャップ筒351の後方開口部を塞ぐバネ座352と、を備えている。
キャップ筒351には、このキャップ筒351を貫く係止孔351aが、キャップ筒351の周方向に間隔をあけて複数形成されている。係止孔351aの内側には、後筒部297に形成された係止凸部297aが係止されている。これにより、キャップ350は、後方への抜け止めがされた状態で貯留シリンダ293に対して組み合わされている。
なお、バネ座352の中央部には、貯留シリンダ293の内部と外部とを連通する空気孔352aが形成されている。
付勢部材360は、ロッド330の後端部を囲繞するように配置されている。付勢部材360の後端部は、キャップ350のバネ座352に前方から当接し、付勢部材360の前端部は摺動部151に後方から当接する。
これに対して図9に示すように、貯留プランジャ310の後方移動によって、リップ部323が連絡溝340内に位置しているときの貯留プランジャ310の位置を、最後退位置とする。貯留プランジャ310が最後退位置に位置している場合には、貯留シリンダ293内に液体が最大に収容されている。
さらに、内筒213のフランジ部213cには、上記隙間S1と、内筒213の大径部213a及び装着キャップ214の内側と、を連通させる第3通気孔266が形成されている。
ただし、連通筒部263は内筒213内に突出していなくても構わない。この場合には、例えば規制突起212fを利用して、第1逆止弁236のさらなる上方への変位を規制することが可能とされている。
なお、主シリンダ253及び主ピストン252は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
ピストン本体部272の後端部には、ピストン本体部272の径方向内側に向かって突出し、ピストンガイド262の外周面に対して密に摺接する環状の内側リップ部272aが形成されている。これにより、内側リップ部272aとピストンガイド262の外周面との間には、シール性が確保されている。
トリガー部51および弾性板部54の構成は第1実施形態と同様であるため、同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
ノズル板370には、接続孔376が形成されている。接続孔376は、ノズル板370を前後方向から見た平面視で、装着筒371の内側に配置されている。規制壁372は、その下端部がトリガー部51の主板部材80の上端部に対して前方から当接することで、トリガー部51を最前方揺動位置に位置決めしている。
ピストンガイド262の後端部における外周面には、環状の窪み部381が形成されている。主ピストン252が最前方位置から後方に移動したときに、ピストン本体部272に形成された内側リップ部272aが上記窪み部381に達し、窪み部381内に収容可能とされている。
なお、窪み部381は、環状に形成されている場合に限定されるものではなく、ピストンガイド262の内側に向かって窪んでいれば良く、例えばピストンガイド262の外周面に1箇所だけ形成されていても構わないし、ピストンガイド262の周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
ただし、上述したリブ382は必須の構成ではなく、具備しなくても構わない。
図示の例では、連通開口部383は、ピストンガイド262の周方向に間隔をあけて複数形成されている。連通開口部383は、ピストン本体部272の内周面とピストンガイド262の外周面との間の隙間に連通すると共に、ピストンガイド262の内側を通じて嵌合筒部241の内側に連通する。
なお、連通開口部383は複数形成されている場合に限定されるものではなく、例えばピストンガイド262の内径と同径のサイズで1つだけ形成されていても構わない。
従って、内側リップ部272aと窪み部381との間、ピストン本体部272の内周面とピストンガイド262の外周面との間の隙間、連通開口部383内、ピストンガイド262の内側及び接続通路384内は、上記連通路380として機能する。
そして本実施形態の噴出器本体2は、第1実施形態と同様に、複数の帯体114と、摺動部材150と、を備えている。帯体114および摺動部材150の構成は第1実施系形態と同様であるため、説明を省略する。なお、帯体114の第1端部114aは、ロッド330の後端部に接続されることで、貯留プランジャ310に連結されている。また、環状体115が後筒部297とバネ座352との間に挟まれることで、帯体114の第2端部114cは貯留シリンダ293に連結されている。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1Bを使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1Bの各部内に液体が充填され、縦供給筒部210から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
なお、貯留プランジャ310が後方に移動することで、付勢部材360が弾性的に圧縮変形するので、貯留プランジャ310に対して前方に向けた付勢力(推力)を作用させることができる。
すると、新たに吸い上げられた液体は、第1逆止弁236を押し上げて開弁させ、連通筒部263内を通じて主シリンダ253内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。
なお、このとき第2逆止弁302は閉弁していると共に、第1逆止弁236の上方への移動量は内筒213内に突出した連通筒部263の一部によって規制されている。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
従って、容器体A内から縦供給筒部210内及び連通筒部263内を通じて主シリンダ253内に吸い上げる液体中に空気が含まれていたとしても、主ピストン252の後方移動に伴って主シリンダ253内から主に空気を排出でき、連通路380を通じて容器体A内側に空気を逃がすことができる。
また、上述した準備の完了後、トリガー部51の操作によって、貯留シリンダ293内に液体を効率良く充填することができるので、噴射不良を回避(抑制)しながら確実かつ速やかに液体の連続噴射を行うことができ、良好な噴射性能を得ることができる。
特に、主ピストン252が最前方位置から最後方位置に移動したときに、内側リップ部272aが窪み部381内に収容されるので、主シリンダ253内の液体のほぼ全量を縦供給筒部210内側に供給しながら、その最終段階で空気を主シリンダ253内から排出することができる。従って、主シリンダ253内から縦供給筒部210内への液体の適切な供給と、主シリンダ253内からの空気の適切な排出と、を両方共により安定かつ確実に行うことができる。従って、噴射不良の回避及びプライミング回数の低減等をより効果的に奏功することができる。
従って、例えば容器体A内から液体を吸上げるパイプ215として、細径化したものを用いることが良い。この場合には、主シリンダ253内の圧力、縦供給筒部210内のうち第1逆止弁236よりも上方に位置する部分の圧力、及び接続筒部230内の圧力を効率良く高めながら、液体を吸上げることができ、速やかな連続噴射に繋げることができる。
しかしながら、本実施形態によれば、例えば使用中に主シリンダ253内に泡が発生したとしても、主ピストン252を最後方位置に位置させることで、連通路380を通じて泡を主シリンダ253内から容器体A内に排出することができる。従って、その後の主ピストン252の前方に向けた復元移動によって主シリンダ253内を減圧したときに、排出される泡が占める体積分、容器体A内から液体を主シリンダ253内に吸上げることができる。従って、泡が発生した場合であっても、主シリンダ253内を確実に減圧させることができると共に、貯留シリンダ293内に液体を効率良く充填することができるので、泡の発生によって噴射ができなくなくなる等の噴射不良を招くことなく、安定した噴射を行うことができる。
特に、主シリンダ253内を確実に減圧させることができるので、プライミング回数の低減及び噴射不良の回避等を図ることができ、使い易く、利便性が向上した高品質なトリガー式液体噴出器1Bとすることができる。なお、例えば界面活性剤等が含まれ、泡状になり易い液体を使用する場合には、本実施形態のトリガー式液体噴出器1Bを特に好適に利用することができる。
さらに、回収孔341が縦供給筒部210の真上に配置されているため、貯留シリンダ293内の内容物をより効率よく容器体A内に戻すことができる。
この場合、貯留プランジャ310は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、貯留シリンダ293内に徐々に液体を溜めることができる。そして、貯留プランジャ310を例えば最後退位置まで移動させることで、貯留プランジャ310が最後退位置から最前進位置に移動するまでの長時間に亘って、液体を連続噴射することができる。
また、前記第1、第2実施形態では、トリガー部51が後方に揺動可能とされていたが、トリガー部51が後方に移動する形態を適宜採用することが可能である。例えば、トリガー部51を後方に向けてスライド移動可能としても良い。
Claims (4)
- 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方に配置され、液体を噴射する噴出孔が形成されたノズル部と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部の前方に配設され、前記縦供給筒部内の液体を前記噴出孔に導く射出筒部と、
前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内を通じて前記噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、を備えるトリガー式液体噴出器であって、
前記トリガー機構は、
前記トリガー部の移動に伴って前後に移動する主ピストンと、
前記主ピストンの移動に伴って内部が加圧及び減圧し、かつ内部が前記縦供給筒部内に連通する主シリンダと、を備え、
前記噴出器本体は、
前記トリガー部の後方への移動によって、前記縦供給筒部内を通過した液体が内部に供給される貯留シリンダと、
前記貯留シリンダ内にその中心軸線に沿う軸方向に移動可能に配設され、前記貯留シリンダ内への液体の供給に伴って前記軸方向のうちの一方側に向けて移動する貯留プランジャと、
前記主シリンダ内の加圧時に前記容器体内と前記縦供給筒部内との連通を遮断し、かつ前記主シリンダ内の減圧時に前記容器体内と前記縦供給筒部内との連通を許容する第1逆止弁と、
前記主シリンダ内の加圧時に前記貯留シリンダ内と前記縦供給筒部内との連通を許容し、かつ前記主シリンダ内の減圧時に前記貯留シリンダ内と前記縦供給筒部内との連通を遮断する第2逆止弁と、
前記貯留プランジャを前記軸方向のうちの他方側に向けて付勢する付勢力を生じさせる付勢部材と、
前記貯留プランジャに連結された第1端部と、前記貯留シリンダに連結された第2端部と、前記第1端部と前記第2端部との間に位置して前記付勢部材の付勢力を受ける中間部と、を有する帯体と、を備える、トリガー式液体噴出器。 - 前記貯留シリンダは前後方向に延びており、
前記噴出器本体には、前記貯留シリンダに対して後方移動可能に配設された作動部材が設けられ、
前記作動部材は、
前記貯留プランジャに形成された被係止部よりも後方に離れて配置され、前記貯留プランジャが後方移動したときに、前記被係止部が前方から係止する係止部と、
前記貯留シリンダに対して前記作動部材が後方移動したときに、前記トリガー部に対して近接あるいは当接して前記トリガー部の揺動を規制する規制部と、を有する、請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記貯留シリンダには、前記貯留プランジャが所定量以上後方移動したとき、前記貯留シリンダ内と前記縦供給筒部内とを連通させる回収孔が形成され、
前記縦供給筒部には、前記回収孔に連通するとともに、前記縦供給筒部を上下方向に縦断して前記容器体内に連通する回収通路が形成されている、請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記中間部は、前記軸方向のうちの前記一方側に向けて開口するように折り返されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
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