JP2017213497A - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Description
従来のトリガー式液体噴出器では、容器体と連通する縦供給筒部の上部に、前方に向けて延びる射出筒部が設けられている。射出筒部の先端側にはノズルが付設されている。射出筒部の下方には、トリガー部の操作により作動するシリンダが配置されている。そして、トリガー部の操作を行うことで、縦供給筒部からシリンダ内に液体を吸い上げることができるとともに、その液体を射出筒部からノズルを経て前方に噴射(噴出)させることができる。
本発明に係るトリガー式液体噴出器は、液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、前記噴出器本体は、上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、前記縦供給筒部の前方に配設され、前記縦供給筒部内の液体を前記噴出孔に導く射出筒部と、前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内を通して前記噴出孔側に流通させるトリガー機構と、を備え、前記縦供給筒部は、外筒と、前記外筒内に嵌合される内筒と、を備え、前記トリガー機構は、前記トリガー部の移動に連動して前後方向に移動する主ピストンと、前記主ピストンの移動に伴って内部が加圧および減圧し、かつ内部が前記縦供給筒部内に連通した主シリンダと、を備えるトリガー式液体噴出器であって、前記噴出器本体は、前記縦供給筒部内に連通する供給孔および前記射出筒部内に連通する連通孔が形成され、前記トリガー部の後方への移動によって、前記縦供給筒部内を通過した液体が、前記供給孔を通して内部に供給される貯留シリンダと、前記貯留シリンダ内にその中心軸線に沿う軸方向に移動自在に配設され、前記貯留シリンダ内への液体の供給に伴い前記軸方向のうちの一方側に向けて移動するとともに他方側に向けて付勢される貯留プランジャと、を備え、前記外筒と前記内筒との間には、前記貯留プランジャが前記一方側に移動したときに、前記貯留シリンダ内と前記容器体内とを連通する回収通路が設けられ、前記主シリンダには、前記主シリンダから前後方向に突出し、前記外筒に形成された第1貫通孔を通して前記内筒に形成された第2貫通孔内に嵌合され、前記縦供給筒部内と前記主シリンダ内とを連通する連通筒部が設けられていることを特徴とする。
このように、トリガー部を引く操作を行う毎に、液体を噴出孔から噴射させつつ、貯留プランジャを前記軸方向の一方側に移動させて貯留シリンダ内に液体を溜める(充填する)ことができる。
そして、トリガー部を引く操作を止めると、縦供給筒部内への液体の供給が停止するが、貯留プランジャに作用する付勢力によって、貯留プランジャが前記軸方向の他方側に向けて復元移動しはじめる。これにより、貯留シリンダ内に充填した液体が、貯留シリンダ内から連通孔および射出筒部を通して噴出孔側に向けて押し出されることで、液体を噴出孔から引き続き噴射させることができる。したがって、トリガー部を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
なお貯留プランジャが前記軸方向の他方側に向けて復元移動する際、再びトリガー部を引かなければ、貯留プランジャは貯留シリンダにおける前記軸方向の他端まで移動するが、その前にトリガー部を引く操作を繰り返すこともできる。この場合、貯留プランジャが略一定の幅で前記軸方向の一方側への移動と他方側への移動とを繰り返し、全体としては徐々に前記軸方向の一方側へ移動する。これにより、貯留シリンダ内に徐々に液体が溜まっていく。
本発明によれば、噴出器本体に、回収通路が設けられている。したがって、貯留プランジャが軸方向の一方側に十分に移動した状態で、更に液体が貯留シリンダ内に導入されるときに、この液体を回収通路から容器体内に戻すことができる。これにより、貯留シリンダ内の圧力が過度に高くなるのを抑え、例えば、貯留シリンダの損傷などを防ぎ易くすることができる。
また、連通筒部が第2貫通孔内に嵌合されている。したがって、連通筒部の外周面と第1貫通孔の内周面との間のシール性を確保しなくても、連通筒部の外周面と第2貫通孔の内周面との間のシール性を確保することにより、縦供給筒部内の内容物が第1貫通孔を通して外部に漏出したり、縦供給筒部内と回収通路とが短絡したりするのを抑制することができる。
図1および図2に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体2と、液体を前方に向けて噴出する噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10に対して射出筒部11が位置する方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、かつ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結する環状連結部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bの上端開口部は頂壁部12dによって塞がれている。頂壁部12dには、シール筒部12eと、規制突起12fと、が設けられている。シール筒部12eおよび規制突起12fは、いずれも頂壁部12dから下方に向けて延び、かつ軸線O1と同軸に配置されている。シール筒部12eは、規制突起12fを外側から囲繞している。
なお、外筒12および内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方側に偏心している。
このテーパ筒部35は、下方に向かうにしたがって漸次縮径している。テーパ筒部35の内側には、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の吸込弁36が配置されている。吸込弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、を連通および遮断する。
閉塞栓31は、接続筒部30の前端開口を閉塞する。閉塞栓31は、接続筒部30内に密に嵌合している。閉塞栓31には、後方に向けて突出する突出部34が設けられている。突出部34は、接続筒部30の流路断面積を減少させる。
前壁部95には、装着凹部97と、連通孔104と、が設けられている。装着凹部97は、貯留シリンダ90の中心軸線O2と同軸の環状に形成されている。装着凹部97は、前壁部95の後端面に形成されている。連通孔104は、前壁部95を前後方向から見た正面視において、装着凹部97の内側に配置されている。連通孔104は、前壁部95を前後方向に貫通している。
プランジャ筒110は、前側から後側に向かうに従い漸次拡径する多段の筒状に形成されている。プランジャ筒110の外周面には、リップ部124、125が設けられている。リップ部124、125は、プランジャ筒110の周方向の全周にわたって形成されている。リップ部124、125は、シリンダ筒96の内周面上を前後方向に密に摺動する。リップ部124、125は、前後方向に間隔をあけて一対配置されている。リップ部124、125は、前側の第1リップ部124と、後側の第2リップ部125と、を備えている。第1リップ部124は、前筒部112の内周面上を摺動する。第2リップ部125は、後筒部113の内周面上を摺動する。
受け部材122の後端部は、摺動部材121から後方に向けて突出している。受け部材122には、受け座部128が設けられている。受け座部128は、受け部材122の外周面から、受け部材122の径方向に突出している。受け座部128は、受け部材122の周方向の全周にわたって延びる環状に形成されている。
外筒部60は、シリンダ用筒部40の内側に嵌合されている。シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において密接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部に、環状の隙間S2が確保されている。
連通筒部68は、内筒13内に突出している。連通筒部68において内筒13内に位置する部分は、弁押さえ部68aとして機能する。弁押さえ部68aは、吸込弁36が開弁したときに吸込弁36に係止し、吸込弁36の上方への更なる変位を規制する。
なお、主シリンダ53および主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方および後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置する摺接部73aが外筒部60の内周面に対して摺接する。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52とは、互いに連結されている。
これら主板ばね54aおよび副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54dおよびポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
これにより、貯留シリンダ90の内部は、連通孔104、射出筒部11内、接続孔106および流通路102を通じて噴出孔4に連通している。つまり、連通孔104は、貯留シリンダ90の内部と噴出孔4とを連通している。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1を使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、貯留弁32は閉弁している。また、吸込弁36の上方への移動量は、弁押さえ部68aによって規制される。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
また、未使用時に、噴出孔4から液漏れすることを効果的に抑制することができる。
この場合、貯留プランジャ91は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、貯留シリンダ90内に徐々に液体を溜めることができる。そして、貯留プランジャ91を例えば最後退位置まで移動させることで、貯留プランジャ91が最後退位置から最前進位置に移動するまでの長時間に亘って、液体を連続噴射することができる。
また、連通筒部68が第1貫通孔66を通して第2貫通孔67内に嵌合されることにより、内筒13が外筒12から下方に抜け出てしまうことが規制されている。これにより、トリガー式液体噴出器1の組み立て性を向上させることができる。
また、接続筒部30および貯留シリンダ90が、上下方向に並列して配置されて共通の隔壁W3を備えているので、噴出器本体2の小型化を図ることができる。
この態様によれば、貯留プランジャ91を復元移動させるときに、負圧シリンダ内の負圧を利用するので、例えば、付勢部材33など他の部材から作用する付勢力を利用しなくても、貯留プランジャ91を復元移動させることができる。これにより、構造の簡素化を図りつつ、貯留プランジャ91に推力を付与することができる。なお、付勢部材33を使用しないことで、トリガー式液体噴出器を合成樹脂材料のみによって形成することも可能になる。
例えば、射出筒部11が縦供給筒部10から前方に向けて延びていて、貯留シリンダ90が射出筒部11の上方に配置されていてもよい。なお、この構成において、貯留弁32がなくて供給孔95aが連通孔104を兼ねている場合、トリガー部51を後方に移動させるときに、縦供給筒部10から射出筒部11を通して噴出孔4に内容物を流通させつつ、縦供給筒部10から供給孔95aを通して貯留シリンダ90内に内容物を供給することができる。そしてトリガー部51の後方への移動を停止したときに、貯留シリンダ90内の内容物を、供給孔95a(連通孔104)および射出筒部11を通して噴出孔4に流通させることができる。
前記実施形態では、噴出孔4が、前方に向けて液体を噴射するが、本発明はこれに限られず、前方とは異なる方向に液体を噴出してもよい。
2 噴出器本体
3 ノズル部材
4 噴出孔
10 縦供給筒部
11 射出筒部
30 接続筒部
31 閉塞栓
32 貯留弁
50 トリガー機構
51 トリガー部
52 主ピストン
53 主シリンダ
66 第1貫通孔
67 第2貫通孔
68 連通筒部
68a 弁押さえ部
90 貯留シリンダ
91 貯留プランジャ
95a 供給孔
104 連通孔
117 回収通路
A 容器体
A1 口部
W3 隔壁
Claims (5)
- 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部の前方に配設され、前記縦供給筒部内の液体を前記噴出孔に導く射出筒部と、
前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内を通して前記噴出孔側に流通させるトリガー機構と、を備え、
前記縦供給筒部は、外筒と、前記外筒内に嵌合される内筒と、を備え、
前記トリガー機構は、
前記トリガー部の移動に連動して前後方向に移動する主ピストンと、
前記主ピストンの移動に伴って内部が加圧および減圧し、かつ内部が前記縦供給筒部内に連通した主シリンダと、を備えるトリガー式液体噴出器であって、
前記噴出器本体は、
前記縦供給筒部内に連通する供給孔および前記射出筒部内に連通する連通孔が形成され、前記トリガー部の後方への移動によって、前記縦供給筒部内を通過した液体が、前記供給孔を通して内部に供給される貯留シリンダと、
前記貯留シリンダ内にその中心軸線に沿う軸方向に移動自在に配設され、前記貯留シリンダ内への液体の供給に伴い前記軸方向のうちの一方側に向けて移動するとともに他方側に向けて付勢される貯留プランジャと、を備え、
前記外筒と前記内筒との間には、前記貯留プランジャが前記一方側に移動したときに、前記貯留シリンダ内と前記容器体内とを連通する回収通路が設けられ、
前記主シリンダには、前記主シリンダから前後方向に突出し、前記外筒に形成された第1貫通孔を通して前記内筒に形成された第2貫通孔内に嵌合され、前記縦供給筒部内と前記主シリンダ内とを連通する連通筒部が設けられていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 前記噴出器本体は、前記縦供給筒部内に配置され、前記容器体内と前記主シリンダ内との連通およびその遮断を切替える吸込弁を備え、
前記吸込弁は、前記主シリンダ内が加圧されたときに閉弁し、前記縦供給筒部内を通した前記容器体内と前記主シリンダ内との連通を遮断し、
前記吸込弁は、前記主シリンダ内が減圧したときに上方に向けて変位または変形することで開弁し、前記縦供給筒部内を通して前記容器体内と前記主シリンダ内とを連通し、
前記連通筒部は、前記内筒内に突出し、
前記連通筒部において前記内筒内に位置する部分は、前記吸込弁が開弁したときに前記吸込弁に係止し、前記吸込弁の上方への更なる変位または変形を規制する弁押さえ部として機能することを特徴とする請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記射出筒部は、前記貯留シリンダから前方に向けて延設され、
前記噴出器本体は、
前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、前記縦供給筒部内と前記供給孔とを連通する接続筒部と、
前記主シリンダと一体に形成され、前記接続筒部の前端開口を閉塞する閉塞栓と、を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記噴出器本体は、前記供給孔を通した前記接続筒部内から前記貯留シリンダ内への液体の供給を許容するとともに、前記供給孔を通した前記貯留シリンダ内から前記接続筒部内への液体の流出を規制する貯留弁を備えていることを特徴とする請求項3に記載のトリガー式液体噴出器。
- 前記接続筒部および前記貯留シリンダは、上下方向に並列して配置されて共通の隔壁を備えていることを特徴とする請求項3または4に記載のトリガー式液体噴出器。
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