JP2017080725A - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Abstract
Description
従来のトリガー式液体噴出器では、容器体と連通する縦供給筒部の上部に、前方に向けて延びる射出筒部が設けられている。射出筒部の先端側にはノズルが付設されている。射出筒部の下方には、トリガー部の操作により作動するシリンダが配置されている。そして、トリガー部の操作を行うことで、縦供給筒部からシリンダ内に液体を吸い上げることができると共に、その液体を射出筒部からノズルを経て前方に噴射(噴出)させることができる。
このように、トリガー部を引く操作を行う毎に、液体を噴出孔から噴射させつつ、貯留プランジャを軸方向の一方側に移動させて貯留シリンダ内に液体を溜める(充填する)ことができる。
従って、トリガー部を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
また、負圧シリンダ内に発生した負圧を利用して、負圧プランジャ及び貯留プランジャを一体に復元移動させる構成であるので、例えばコイルバネ等の金属部品を用いた一般的な復元移動方式(付勢部材)とは異なり、作動時(液体噴射時)以外、各構成部品に対して余計な荷重(負荷)が作用することを防止できる。従って、例えば各構成部品に割れや伸び等を原因とする液漏れが発生することを抑制できる。さらに、コイルバネ等の金属部品を用いた場合には、金属材料を用いた分だけ廃棄時に環境負荷が大きく、コスト高になり易い。これに対して負圧を利用する本願発明では、例えば樹脂のみの単一の材料で構成することが可能であるので、環境に対する負荷が少なく、コストも抑えることができる。
そして、貯留シリンダ内に貯留された液体の連続噴射を行う際、噴射に伴って貯留プランジャが軸方向の他方側に移動するので、突起弁が射出筒部の後端開口部を後方から閉塞する。これにより、それ以上、射出筒部内に液体が導入されることを防止できるので、連続噴射を速やかに停止できるうえ、液切れを良くすることができる。
図1に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、図示しない液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体2と、噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10から射出筒部11が延びる方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、且つ大径部12aよりも径が小さい小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bは頂壁部12dによって上部開口部が塞がれている。
内筒13の大径部13aにおいて、外筒12の大径部12aから下方に突出した部分には、その径方向の外側に向けて突出する環状の鍔部13dが形成されている。鍔部13dは、容器体Aの口部A1に装着(例えば螺着)される装着キャップ14の上端部内に配設され、装着キャップ14の上端部をその軸線回りに回転自在に係止する。鍔部13dは、装着キャップ14と、容器体Aの口部A1における上端開口縁と、により上下方向に挟まれる。
なお、外筒12及び内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方側に偏心している。
吐出弁30は、内筒13内に嵌合され、外筒12における頂壁部12dの下面に当接するベース部31と、ベース部31の下方に配置され、内筒13の内周面に段差状に形成された弁座32に対して上方から当接する弁体33と、ベース部31及び弁体33を上下に連結する中空ばね部34と、を備えている。
なお、弁体33は中空ばね部34の付勢力に抗して上昇し、弁座32から離間することで、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間とを連通させる。
このテーパ筒部35は、下方に向かうに従って漸次縮径している。テーパ筒部35の内側には、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の吸込弁36が配置されている。吸込弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間とを連通及び遮断する。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口していると共に、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体形成されている。
外筒部60は、シリンダ用筒部40の内側に嵌合されている。シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において例えば密に当接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部に、環状の隙間S2が確保されている。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66及び第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁30と吸込弁36との間の空間に連通している。従って、吐出弁30が、射出筒部11内と主シリンダ53内との連通及びその遮断を切替え、吸込弁36が、容器体A内と主シリンダ53内との連通及びその遮断を切替える。
なお、主シリンダ53及び主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方及び後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが外筒部60の内周面に対して摺接している。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52部とは、互いに連結されている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から側面視で前方に凸の円弧状に形成され、且つ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
これら主板ばね54a及び副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54d及びポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
閉塞部材90は、射出筒部11の前端開口部よりも前方側に位置し、前端開口部に対して対向配置された対向板部91と、対向板部91から後方に向けて延び、射出筒部11に外嵌された第1筒部92と、対向板部91から前方に向けて延びる第2筒部93と、第2筒部93の内側に位置し、且つ対向板部91から前方に向けて延びる支持軸部94と、を備えている。
ノズル部材3は、閉塞部材90の支持軸部94よりも前方に配置され、噴出孔4が形成されたノズル壁部100と、ノズル壁部100から後方に向けて延び、第2筒部93に対して前方から外嵌される外嵌筒部101と、を備えている。外嵌筒部101が第2筒部93に装着されることで、先に述べたようにノズル部材3と噴出器本体2とが組み合わされている。
なお、外嵌筒部101は、第2筒部93に対して前方に抜け止めがされた状態で回転可能に装着されている。つまり、ノズル部材3は第2筒部93の軸線回りに往復回転可能とされている。
被支持筒部102の内周面には、前後方向に沿って直線状に延びると共に、後方に開口した第2溝部103が形成されている。図示の例では、第2溝部103は被支持筒部102の軸線回りに間隔をあけて2つ形成されている。これら第2溝部103は、支持軸部94に形成された第1溝部96に対して周方向の位置が一致するように形成され、第1溝部96に連通している。
また、射出孔95及び通過空間S3の各流路断面積は、第1溝部96及び第2溝部103からなる導入路106の流路断面積よりも大きい。
この切換プレート110は、左右方向に延びる軸部111回りに開閉可能に取り付けられている。図示の例では、上記軸部111はノズル壁部100における上端部の前方側に配置されている。また、切換プレート110には、噴出孔4の前方に位置する部分に泡孔112が形成されている。
これにより、切換プレート110を利用する場合には、噴出孔4と切換プレート110との間で、噴出孔4から噴出した液体と外気とを混合させて泡状にすることが可能とされている。但し、切換プレート110は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
貯留シリンダ121は、射出筒部11の内径よりも径が大きく形成され、後方に開口したシリンダ筒部130を備えている。供給孔120は、内筒13及び外筒12を前後方向に貫通するように形成され、軸線O1を挟んで外側吐出孔16及び内側吐出孔17に対して径方向の反対側に位置するように配置されている。これにより、射出筒部11の後端開口部は、供給孔120の前方に位置している。
なお、図示の例では、供給孔120の開口サイズは外側吐出孔16及び内側吐出孔17の開口サイズと同等とされている。
貯留プランジャ122は、シリンダ筒部130の内径よりも小径とされた有頂筒状の小径筒部135と、小径筒部135の後端開口部に一体に形成され、シリンダ筒部130の内周面に対して密に摺接する円筒状の摺動筒部136と、を備えている。
また突起弁137は、貯留プランジャ122の後方への移動に伴って、外側吐出孔16内及び内側吐出孔17内から後方に離脱する。従って、射出筒部11の後端開口部は、突起弁137によって後方から開放自在に閉塞されている。
摺動筒部136は、その前端部に、前方に向かうに従って漸次拡径するリップ部136aが形成されている。そして、このリップ部136aがシリンダ筒部130の内周面に対して密に摺接している。
そして、負圧シリンダ123は、複数の連結片142を介して縦供給筒部10及び貯留シリンダ121に対して連結され、縦供給筒部10の後側及び貯留シリンダ121の下方に配置された状態で安定的に支持されている。
さらに、図4に示すように、前側筒部162の内部には、その中心軸線O3に直交する径方向の内側に向かって突出した環状壁165が形成されている。環状壁165の前面には、中心軸線O3回りに間隔をあけて複数の縦溝166が形成されている。
後側筒部163の外周面には、中心軸線O3に直交する径方向の外側に向けて突出するリブ片167が周方向に間隔をあけて複数形成されている。これらリブ片167は、前後方向に沿って延びていると共に負圧シリンダ123の内周面に対して近接或いは接しており、プランジャ軸160のがたつきを抑制している。
なお、摺動筒部171は、その後端部が後方に向かうに従って漸次拡径するリップ部171aとされている。そして、このリップ部171aがシリンダ筒部140の内周面に対して密に摺接している。
逆止弁180は、環状壁165の内側に前方から挿入された軸筒181と、軸筒181の前端開口部に一体に形成され、中心軸線O3に直交する径方向の外側に膨らんだ有頂筒状の抜け止め部182と、軸筒181の後端開口部から後方に向かうにしたがって、中心軸線O3に直交する径方向の外側に向けて延びた環状の弁本体183と、を備えている。
連結軸部151の外周面には、中心軸線O2に直交する径方向の外側に向けて突出するリブ片153が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。これらリブ片153は、貯留シリンダ121の内周面に対して近接或いは接しており、連結軸部151のがたつきを抑制している。
従って、貯留プランジャ122及び負圧プランジャ124が最前進位置に配置されている場合には、貯留シリンダ121内に液体がほとんど収容されていない。
従って、貯留プランジャ122及び負圧プランジャ124が最後退位置に配置されている場合には、貯留シリンダ121内に液体が最大に収容されている。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1の組み立てのうち、貯留シリンダ121及び負圧シリンダ123内に貯留プランジャ122及び負圧プランジャ124を装着する作業について簡単に説明する。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1を使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
特に、貯留プランジャ122及び貯留プランジャ122が後方に移動するほど負圧力が大きくなるので、負圧プランジャ124及び貯留プランジャ122を前方に向けて付勢する付勢力が大きくなる。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、吐出弁30は閉弁している。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
さらに、コイルバネ等の金属部品を用いる場合には、廃棄時に環境負荷が大きいうえコスト高になり易い。これに対して、負圧を利用する本実施形態では、例えば樹脂のみの単一の材料で構成することが可能であるので、環境に対する負荷が少ないうえ、コストも抑えることができる。
さらには、液体の噴射を開始する初期段階では、突起弁137が射出筒部11の後端開口部を塞いでいるので、貯留シリンダ121の内圧が所定値を超えない限り、液体が噴射されることがない。従って、高圧弁等を別途設けなくても適正な圧力(噴射圧)で液体を噴射させることができると共に、構成の簡略化を図り易い。また、未使用時に噴出孔4から液漏れすることを効果的に抑制することができる。
この場合、貯留プランジャ122及び負圧プランジャ124は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、貯留シリンダ121内に徐々に液体を溜めることができる。そして、貯留プランジャ122及び負圧プランジャ124を最後退位置まで移動させることで、これら貯留プランジャ122及び負圧プランジャ124が最後退位置から最前進位置に移動するまでの長時間に亘って、液体を連続噴射することができる。
また、上記実施形態では、貯留シリンダ121と負圧シリンダ123とを上下に並設させたが、この場合に限定されるものではない。例えば、貯留シリンダ121と負圧シリンダ123とを直結して一体に形成し、貯留プランジャ122と負圧プランジャ124とを直結して一体に形成しても構わない。
1…トリガー式液体噴出器
2…噴出器本体
3…ノズル部材
4…噴出孔
10…縦供給筒部
11…射出筒部
50…トリガー機構
51…トリガー部
120…供給孔
121…貯留シリンダ
122…貯留プランジャ
123…負圧シリンダ
124…負圧プランジャ
137…突起弁
Claims (5)
- 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、内側が前記縦供給筒部の内部に連通した射出筒部と、
前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内に導入させると共に、前記射出筒部内から前記噴出孔側に向けて射出させるトリガー機構と、を備えるトリガー式液体噴出器であって、
前記噴出器本体は、
供給孔を通じて内部が前記縦供給筒部内に連通し、液体を貯留する貯留シリンダと、
前記貯留シリンダ内に、その中心軸線に沿う軸方向に移動自在に配設され、前記貯留シリンダ内への液体の貯留に伴って前記軸方向のうちの一方側に向けて移動する貯留プランジャと、
前記貯留プランジャに連結され、前記貯留プランジャの前記軸方向の移動に連係する負圧プランジャと、
前記軸方向に沿って延びると共に、前記軸方向の他方側に位置する開口部と外部の連通が遮断され、内部に前記負圧プランジャが前記軸方向の一方側に向けて移動自在に収容された負圧シリンダと、を備えていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 請求項1に記載のトリガー式液体噴出器において、
前記負圧プランジャの受圧面積は、前記貯留プランジャの受圧面積よりも大きいことを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 請求項1又は2に記載のトリガー式液体噴出器において、
前記貯留シリンダ及び前記負圧シリンダは、互いに並設されていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 請求項3に記載のトリガー式液体噴出器において、
前記貯留シリンダ及び前記負圧シリンダは、前記縦供給筒部から後方に向けて延設されていると共に、上下方向に並設されていることをトリガー式液体噴出器。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器において、
前記貯留シリンダは、前記縦供給筒部から後方に向けて延設され、
前記射出筒部の後端開口部は、前記供給孔の前方に位置するように形成され、
前記貯留プランジャの前端部には、前記供給孔を通じて前方に突設され、前記射出筒部の後端開口部を後方から開放自在に閉塞する突起弁が設けられていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。
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