JP6476060B2 - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Description
従来のトリガー式液体噴出器では、容器体と連通する縦供給筒部の上部に、前方に向けて延びる射出筒部が設けられている。射出筒部の先端側にはノズルが付設されている。射出筒部の下方には、トリガー部の操作により作動するシリンダが配置されている。そして、トリガー部の操作を行うことで、縦供給筒部からシリンダ内に液体を吸い上げることができると共に、その液体を射出筒部からノズルを経て前方に噴射(噴出)させることができる。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
(1)本発明に係るトリガー式液体噴出器は、液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、前記噴出器本体は、上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、内側が前記縦供給筒部の内部に連通した射出筒部と、前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に揺動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への揺動によって、前記液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内に導入させると共に、前記射出筒部内から射出させるトリガー機構と、を備え、前記ノズル部材には、前後方向に延びると共に、供給孔を通じて内部が前記射出筒部内に連通するシリンダと、前記シリンダ内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されたピストンと、が備えられるとともに、前記射出筒部内および前記シリンダ内と、前記噴出孔と、を連通する連通孔が形成され、前記シリンダにおいて、前記シリンダの前壁部から後方に離間した部分には、前記容器体内に連通する回収通路が開口していることを特徴とする。
このように、トリガー部を引く操作を行う毎に、液体を噴出孔から噴射させつつ、ピストンを後方に移動させてシリンダ内に液体を溜めることができる。
ここでピストンが、シリンダにおいて回収通路が開口する部分よりも後側にまで後退すると、シリンダ内において液体が溜められた空間が、回収通路を通して容器体内に連通する。したがって、射出筒部内の液体がシリンダ内に導入されたとしても、この液体を、回収通路を通して容器体内に戻すことができる。これにより、ピストン内の過度な内圧上昇を抑えることが可能になり、このトリガー式液体噴出器の予期しない損傷を抑えることができる。
図1及び図2に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、図示しない液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体2と、噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10から射出筒部11が延びる方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、且つ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bは頂壁部12dによって上部開口部が塞がれている。
内筒13の小径部13bには、容器体A内に配置され、且つ容器体Aの図示しない底部に下端開口が位置するパイプ15の上部が嵌入されている。内筒13のフランジ部13cは、外筒12のフランジ部12cとの間に隙間S1を確保した状態で、外筒12のフランジ部12cよりも下方に位置している。内筒13の大径部13aには、外側に向けて突出し、装着キャップ14と容器体Aの口部A1における開口端縁との間に配置される環状の鍔部13dが形成されている。
なお、外筒12及び内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方側に偏心している。
閉塞部材20は、射出筒部11の前方開口部よりも前方側に位置し、前方開口部に対して対向配置された対向板部21と、対向板部21から後方に向けて延び、射出筒部11に外嵌された第1筒部22と、対向板部21から前方に向けて延びる第2筒部(装着筒)23と、第2筒部23の内側に位置し、且つ対向板部21から前方に向けて延びる中央突部24と、を備えている。
なお、中央突部24は、第2筒部23よりも前方に突出することなく、第2筒部23の内側に収まるように形成されている。
この下テーパ筒部35は、下方に向かうに従って漸次縮径している。下テーパ筒部35の内側には、下テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の吸込弁36が配置されている。吸込弁36は、内筒13内において、下テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、下テーパ筒部35よりも下方に位置する空間とを連通及び遮断する。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口していると共に、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体形成されている。
また、上述した吐出弁30、吸込弁36、トリガー部51、主ピストン52、主シリンダ53及び弾性板部54は、トリガー部51の後方への揺動によって、液体を縦供給筒部10内から射出筒部11内に導入させると共に射出筒部11内から射出させるトリガー機構50を構成する。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66及び第2貫通孔67を通じて、吐出弁30と吸込弁36との間の空間に連通している。
なお、主シリンダ53及び主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔70a内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52部とは、互いに連結されている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から側面視で前方に凸の円弧状に形成され、且つ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。
弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
これら主板ばね54a及び副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54d及びポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
被覆壁部134は、前後方向から見た正面視において上下方向に長い楕円形状に形成され、第3筒部131、連絡筒部132および分岐筒部133を前方から被覆している。被覆壁部134には、通過空間136と噴出孔4とを連通する連通孔137が形成されている。
蓋部126の上端部は、前壁122に、左右方向に延びる開閉軸回りに回転自在に装着されている。蓋部126は、前記開閉軸回りの前方に向けて回転することで、噴出孔4を開放する。
シリンダ筒96は、外装筒92を介して、噴出器本体2における上板部材84上に配置されており、縦供給筒部10よりも後方に突出している。
ロッド110は、後方に開口した筒状に形成され、外周面にはシリンダ筒96の内周面に向けて突出する拡径ガイド部110aが形成されている。補助ピストン111は、前後方向の中央部から前方及び後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、シリンダ筒96の内周面に対して密に摺接するリップ部111aを備えている。
コイルばね112は、ロッド110を囲繞するように配置され、後端部が外装筒92の後壁部100に前方から当接し、前端部が拡径ガイド部110aに後方から当接する。
これにより、コイルばね112は、補助シリンダ90内においてプランジャ91を前方に向けて付勢している。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1を使用する場合について説明する。
なお、噴出孔4が蓋部126から開放され、かつトリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。
この場合、プランジャ91は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、補助シリンダ90内に徐々に液体を溜めることができる。そして、プランジャ91を最後退位置まで移動させることで、プランジャ91が最後退位置から最前進位置に移動するまでの長時間に亘って、液体を連続噴射することができる。
また回収通路113が、回収孔114と連通隙間115と連通路116とを備えているので、ノズル部材3を簡便な構造としつつ、回収通路113における液体の漏出を更に抑制することができる。
2…噴出器本体
3…ノズル部材
4…噴出孔
10…縦供給筒部
11…射出筒部
50…トリガー機構
51…トリガー部
90…補助シリンダ(シリンダ)
91…プランジャ(ピストン)
92…外装筒
93…通路筒
95…前壁部
98…供給孔
113…回収通路
114…回収孔
115…連通隙間
116…連通路
137…連通孔
A…容器体
Claims (3)
- 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、内側が前記縦供給筒部の内部に連通した射出筒部と、
前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に揺動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への揺動によって、前記液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内に導入させると共に、前記射出筒部内から射出させるトリガー機構と、を備え、
前記ノズル部材には、
前後方向に延びると共に、供給孔を通じて内部が前記射出筒部内に連通するシリンダと、
前記シリンダ内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されたピストンと、が備えられるとともに、
前記射出筒部内および前記シリンダ内と、前記噴出孔と、を連通する連通孔が形成され、
前記シリンダにおいて、前記シリンダの前壁部から後方に離間した部分には、前記容器体内に連通する回収通路が開口していることを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 前記ノズル部材には、前後方向に延び前記シリンダに外装された外装筒が備えられ、
前記回収通路は、
前記シリンダにおいて、前記シリンダの前壁部から後方に離間した部分を貫通する回収孔と、
前記回収孔に連通し、前記シリンダの外周面と前記外装筒の内周面との間に設けられた連通隙間と、を備えていることを特徴とする請求項1記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記ノズル部材には、前記外装筒から下方に延びる通路筒が備えられ、
前記回収通路は、前記通路筒内に設けられ前記連通隙間と前記容器体内とを連通する連通路を備えていることを特徴とする請求項2記載のトリガー式液体噴出器。
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