JP2017214076A - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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さらに、このトリガー式液体噴出器では、ノズル部内に、噴出孔を開閉する蓄圧弁が配設される。蓄圧弁は、蓄圧室内の圧力が所定圧以上になると噴出孔を開放し、噴出孔から内容物を噴射させる。
また、蓄圧室内は内容積が比較的大きい射出筒部内と連通しているため、蓄圧室内の圧力を高めて噴出孔を開放させるために必要なトリガー部の操作回数(以下、プライミング回数という)を低減しにくいという課題があった。
また、蓄圧弁が射出筒部内に配設されているため、部品点数を増加させずに射出筒部の内容積を減少させることができる。これにより、トリガー部を操作した際に射出筒部内の圧力を速やかに上昇させてプライミング回数を抑えることが容易になる。さらに、射出筒部の内容積が減少することにより、射出筒部内に空気が残存しにくくなり、空気が残存することによって生じる噴出量のばらつきや噴出孔からの液だれなどを抑制することができる。
図1に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体2と、噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の各構成部材は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた射出成形により成形されている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10から射出筒部11が延びる方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
縦供給筒部10は、外筒12と、外筒12内に嵌合される内筒13と、を備えている。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配設され、かつ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、小径部12bの上方に配設され、かつ小径部12bよりも縮径した接続筒部12fと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結する環状連結部12cと、小径部12bの上端部と接続筒部12fの下端部とを連結する天壁部12dと、を備えている。接続筒部12fの中心軸線は、軸線O1に対して前側に偏心している。天壁部12dは、後述する吸込弁36の上方を覆っている。小径部12bの下端部は、環状連結部12cよりも下方に突出している。
なお、外筒12および内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後側に偏心している。
射出筒部11は前壁を有し、かつ後端が解放された筒状に形成されており、射出筒部11の前壁には、該前壁を前後方向に貫通する連通孔11cが形成されている。射出筒部11の後方には、射出筒部11の中心軸線O2と同軸に配設された後筒部11bが射出筒部11と一体に形成されている。後筒部11bは、前壁を有し、かつ後端が解放された筒状に形成されている。後筒部11bの内径および外径は、射出筒部11の内径および外径よりも大きい。後筒部11bの前壁のうち、後筒部11bの中心軸線よりも下側の部分は、外筒12の接続筒部12fにおける後側の部分と一体となっている。射出筒部11の内部は、接続筒部12f内、および内筒13の縮径部13gを通じて、縦供給筒部10の内部に連通している。
後筒部11bには、後筒部11bの後端開口部を閉塞する閉塞蓋99が配設されている。閉塞蓋99は、後筒部11b内に嵌合し、かつ後端が閉塞され前方に向けて開口する筒状の蓋本体部99aと、中心軸線O2と同軸に配設され、蓋本体部99aの後壁から前方に突出する円柱状のガイド突部99bと、蓋本体部99aの後壁の上端部に連なり、前方に向けて延びて後筒部11bの前壁に係止される係止部99cと、を有する。ガイド突部99bには、前後方向に延在する圧縮バネ98の後端部が外嵌されている。
射出筒部11内には、その前後方向の全長にわたって延在する蓄圧弁90が配設されている。蓄圧弁90は、前方付勢状態で後方に移動自在に配設され、射出筒部11の連通孔11cにおける前側の開口(以下、前端開口11aという)を開放自在に閉塞する。蓄圧弁90は、前後方向に延在する円柱状の弁本体部91と、弁本体部91の後端から後方に向かって延びるガイド筒92と、ガイド筒92の後端縁から射出筒部11における径方向の外側に向かって延びる環状のフランジ部93と、フランジ部93の前面から前方に突出する摺動部94と、を有する。弁本体部91の前端部には前方に向けて突の曲面部91aが形成されている。弁本体部91、ガイド筒92、フランジ部93、摺動部94、および曲面部91aは、射出筒部11の中心軸線O2と同軸に配設されている。弁本体部91の後端部(蓄圧弁90の後部)は、外筒12の接続筒部12fの上端開口(縦供給筒部10の上端開口)と上下方向で対向している。曲面部91aの前端部は、射出筒部11の連通孔11c内に後方から進入している。なお、曲面部91aの前端部は、連通孔11cの内側に位置している。
圧縮バネ98の前端部は、ガイド筒92内に嵌合している。圧縮バネ98は、閉塞蓋99と蓄圧弁90との間で前後方向に圧縮されている。圧縮バネ98の復元力が、蓄圧弁90の前方付勢力として作用している。この前方付勢力により、蓄圧弁90の曲面部91aが射出筒部11の連通孔11cにおける後端開口に押し付けられ、連通孔11cが閉塞されている。蓄圧弁90には、隙間S4内および蓄圧室S5内の液体の圧力によって後方に向けた力が作用する。この液圧による後方への力が圧縮バネ98による前方付勢力を上回ると、蓄圧弁90が後方に変位して、曲面部91aによる連通孔11cの閉塞が解放される。
テーパ筒部35は、下方に向かうに従って漸次縮径している。テーパ筒部35の内側には、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の吸込弁36が配設されている。吸込弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、を連通および遮断する。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口しているとともに、部分的に外筒12における環状連結部12cと一体に形成されている。
噴出器本体2は、射出筒部11から下方に向けて延び、前方付勢状態で後方に揺動自在に配設されたトリガー部51と、トリガー部51の揺動に連動して前後方向に移動するピストン52と、ピストン52の移動に伴って内部が加圧および減圧するシリンダ53と、トリガー部51を前方に付勢する弾性板部54と、縦供給筒部10および射出筒部11の全体を、少なくとも上方および左右方向から覆うカバー体55と、をさらに備えている。
なお、シリンダ53およびピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配設されている。
トリガー部51が最後方揺動位置に位置し、ピストン52が最後方移動位置に移動した状態では、ピストン本体部72の後端部が、ピストンガイド62の凹部62bと前後方向に同等の位置に位置する。このとき、貯留室53a内とピストン本体部72内とが、ピストン52の内周面と凹部62bとの間を通して連通する。ピストン本体部72内は、ガイド孔62aおよびピストンガイド62内を通して嵌合筒部41内に連通している。嵌合筒部41内は、噴出器本体2に設けられた回収通路41aを通して容器体A内に連通する。回収通路41aは、縦供給筒部10に設けられている。回収通路41aは、外筒12の小径部12bの内周面と、内筒13の小径部13bの外周面と、の間に設けられている。回収通路41aは、前記第3通気孔65および内筒13の大径部13a内を通して容器体A内に連通する。これにより、貯留室53a内が、ピストン52の内周面と凹部62bとの間、ピストン本体部72内、ガイド孔62a、ピストンガイド62内、嵌合筒部41内および回収通路41aを通して容器体A内に連通する。以上により、トリガー部51を最初に操作する場合に、貯留室53a内の空気を容器体A内に効率よく排出することができる。
また、貯留室53a内に内容物が満たされている場合には、トリガー部51を最後方揺動位置まで揺動させた際に貯留室53a内に残圧が生じて、この残圧によって噴出孔4から内容物が不意に吐出される「液だれ」が発生する場合がある。本実施形態によれば、貯留室53a内に残圧が生じても、この残圧をピストン52の内周面と凹部62bとの間、ピストン本体部72内、ガイド孔62a、ピストンガイド62内、嵌合筒部41内および回収通路41aを通して容器体A内に回収することができるため、残圧による噴出孔4からの液だれを抑制し、液切れを良くすることができる。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51とピストン52とは、互いに連結されている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から見た側面視で前方に凸の円弧状に形成され、かつ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
これら主板ばね54aおよび副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54dおよびポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
接続壁123の下端部は、トリガー部51の主板部材80の上端部に対して前方から当接することで、トリガー部51を最前方揺動位置に位置決めしている。
ノズル部3は、噴出器本体2の前方に配設されている。ノズル部3は、噴出器本体2の第2筒部23に装着される。ノズル部3は、閉塞部材20の対向板部21よりも前方に配設され、噴出孔4が形成されたノズル壁部170と、ノズル壁部170から後方に向けて延び、第2筒部23に対して前方から外嵌する外嵌筒部221と、を備えている。外嵌筒部221が、第2筒部23に装着されることで、ノズル部3と噴出器本体2とが連結される。
なお、外嵌筒部221は、第2筒部23に対して前方に抜け止めがされた状態で回転可能に装着されている。つまり、ノズル部3は第2筒部23の中心軸線回りに回転可能とされている。
ノズル部3の前側には、液体の噴出形態を霧状および泡状等に切り替えるためのノズル板175が、左右方向に延びる軸部176回りに開閉可能に取り付けられている。ノズル壁部170の後面のうち、被支持筒部172の内側に位置する部分には、旋回路12eが凹状に形成されている。
なお、被支持筒部172と外嵌筒部221との間には、第2筒部23の内側に密接するシール筒部178が設けられている。
なお、射出孔25および通過空間183の各流路断面積は、第1凹溝172aおよび第2凹溝182aからなる導入路186の流路断面積よりも大きくてもよい。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1を使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、シリンダ53内(貯留室53a内)に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、吸込弁36の所定量以上の上昇は、吸込弁36の上方を覆う外筒12の天壁部12dにより規制される。
さらに、蓄圧弁90が射出筒部11内に配設されているため、例えば蓄圧弁90をノズル部3内に配設する場合に比べて、ノズル部3の構造を簡略化し、ノズル部3の前後方向や上下方向のかさ張りを容易に抑えることができる。またこのように、蓄圧弁90をノズル部3内に配設するのではなく射出筒部11内に配設することで、ノズル部3の構造の自由度を高めることができる。従って、トリガー式液体噴出器1として、例えば本実施形態のように、ノズル部3が噴出器本体2に回転自在に装着され、ノズル部3の回転に伴って、噴出孔4から噴射される液体の噴射の可否を切り替える構成などを容易に採用することができる。
また、蓄圧弁90の後部と縦供給筒部10の上端開口とが上下方向で対向しているため、縦供給筒部10を通過した液体を直ちに隙間S4内および蓄圧室S5内に導入して、速やかに蓄圧弁90に作用する液体の圧力を上昇させることができる。
また、前記実施形態では、蓄圧弁90の後部と縦供給筒部10の上端開口とが上下方向で互いに対向していると説明したが、これに限られず、蓄圧弁90を縦供給筒部10より前方に位置させてもよい。
また、前記実施形態ではシリンダ53とピストン52とを備えるトリガー機構50を用いたが、これに限られず、例えば蛇腹状に収縮変形するポンプを備えたトリガー機構によって縦供給筒部10内から射出筒部11内を通じて噴出孔4側に向けて容器体A内の液体を流通させる構成を採用してもよい。
また、前記実施形態では液体を噴出孔4から前方に向けて噴射するトリガー式液体噴出器1について説明したが、本発明はこれに限られず、例えば上方や左方など前方以外の方向に向けて液体を噴射するトリガー式液体噴出器を採用してもよい。
Claims (3)
- 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配設され、液体を噴射する噴出孔が形成されたノズル部と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、内側が前記縦供給筒部の内部に連通した射出筒部と、
前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内に導入させるとともに、前記射出筒部の前端開口から前記噴出孔側に向けて射出させるトリガー機構と、を備えるトリガー式液体噴出器であって、
前記射出筒部内には、前方付勢状態で後方に移動自在に配設され、前記射出筒部の前記前端開口を開放自在に閉塞する蓄圧弁が配設されていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 前記蓄圧弁は、前記射出筒部内の前後方向における全長にわたって配設されていることを特徴とする請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
- 前記蓄圧弁の後部と、前記縦供給筒部の上端開口と、が上下方向で互いに対向していることを特徴とする請求項1または2に記載のトリガー式液体噴出器。
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