JP6846194B2 - 液体噴出器 - Google Patents
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Description
これにより、例えば商品流通時や保管時等には内容液の噴射を規制することが可能とされている。
従って、ノズル部材に作用する受圧面積自体を低減することができ、ノズル部材が前方に向けて押されてしまうことを抑制することができる。これにより、中継部材とノズル部とを安定に組み合わせた状態にすることができ、中継部材に対するノズル部材の組み付けを安定に維持することができる。その結果、例えば内容液を安定且つ精度良く噴射させることができるうえ、液漏れを生じ難くさせることもできる。
特に、噴射規制状態において液体噴出器内の内圧が上昇したとしても、先に述べたように、ノズル部材に作用する受圧面積自体が低減していることでノズル部材が前方に向けて押されてしまうことが抑制され、中継部材に対するノズル部材の組み付けが安定に維持されている。従って、噴射規制状態において液漏れを効果的に抑制することができる。
特に、ノズル部材が遮断位置に位置している場合には、第2嵌合筒部とガイド軸部との間に形成された切換通路を内容液が流れることがないので、第1嵌合筒部の内周面とガイド軸部の外周面との間に画成された環状空間内に内容液を留めることができる。そのため、ノズル部材が遮断位置に位置することで噴射規制状態になっているときに、液体噴出器内での内圧が上昇したとしても、環状空間内での内圧がノズル部材に作用するので、ガイド軸部分の面積を除外することができ、ノズル部材の受圧面積をさらに低減することができる。従って、中継部材に対するノズル部材の組み付けをさらに安定に維持することができる。
なお、トリガー式液体噴出器1の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10に対して射出筒部11が位置する方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、且つ大径部12aよりも径が小さい小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bは頂壁部12dによって上部開口部が塞がれている。
鍔部13dは、装着キャップ3と容器体Aの口部A1における上端開口縁とにより上下方向に挟まれる。
なお、外筒12及び内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方に偏心している。
吐出弁30は、内筒13内に嵌合され、外筒12における頂壁部12dの下面に当接するベース部31と、ベース部31の下方に配置され、内筒13の内周面に段差状に形成された弁座32に対して上方から当接する弁体33と、ベース部31及び弁体33を上下に連結する中空ばね部34と、を備えている。
なお、弁体33は中空ばね部34の付勢力に抗して上昇し、弁座32から離間することで、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間と、を連通させる。
このテーパ筒部35は、下方に向かうに従って漸次縮径している。テーパ筒部35の内側には、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座するボール弁36が配置されている。ボール弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、を連通及び遮断する。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口していると共に、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体に形成されている。
外筒部60は、シリンダ用筒部40の内側に嵌合されている。シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において密接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部には、環状の隙間S2が確保されている。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66及び第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁30とボール弁36との間に位置する空間に連通している。
従って、吐出弁30が射出筒部11内と主シリンダ53内との連通及びその遮断を切換え、ボール弁36が容器体A内と主シリンダ53内との連通及びその遮断を切換える。
なお、主シリンダ53及び主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方及び後方に向かうに従って漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが外筒部60の内周面に対して摺接している。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52とは、互いに連結されている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から見た側面視で前方に凸の円弧状に形成され、且つ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
これら主板ばね54a及び副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54d及びポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれて移動すると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
ガイド軸部94は第1装着筒部92よりも前方に突出することなく、第1装着筒部92の内側に収まるように形成されている。
なお、第2切換溝103の数は2つに限定されるものではなく、例えば1つ或いは3つ以上形成されていても良く、第1切換溝97の数に対応して配置することが好ましい。
ただし、サポート筒部105は、必須なものではなく具備しなくても構わない。
ノズル壁部100の後面のうち、第2嵌合筒部102の内側に位置する部分には、図2及び図3に示すように、ノズル孔6に連通すると共に周方向に内容液を内部で旋回させる凹状のスピン室110と、スピン室110から第2嵌合筒部102の内周面に向けて延び、スピン室110内に内容液を送り込むスピン溝111と、が形成されている。
スピン溝111は、例えばスピン室110における内周壁の接線方向に延びるように形成され、上述した第1切換溝97からの内容液をスピン室110内に送り込む。これにより、スピン室110内で周方向に旋回するようなスピンを内容液に作用させることができ、スピンのかかった内容液をノズル孔6に導くことができる。
つまり、ノズル孔6と射出筒部11内とを、スピン室110、スピン溝111、第2切換溝103、第1切換溝97、環状空間96及び連通孔95を通じて連通させることができ、内容液を射出筒部11内からノズル孔6に供給することが可能となる。
なお、図4に示すように、ノズル孔6と射出筒部11内とが連通するノズル部材5の回転位置を連通位置P1といい、図3に示すように、ノズル孔6と射出筒部11内との連通が遮断される回転位置を遮断位置P2という。よって、ノズル部材5は、連通位置P1と遮断位置P2との間で軸線O3回りに回転可能とされている。
また、上述した第1切換溝97及び第2切換溝103は、第2嵌合筒部102とガイド軸部94との間に形成され、中継部材4に対するノズル部材5の回転に伴って、第1嵌合筒部93内及び第2嵌合筒部102内を通じた、射出筒部11内とノズル孔6との連通及びその遮断を切り換える切換通路115を構成する。
しかしながら、第2嵌合筒部102は第1嵌合筒部93の内側に嵌合されているので、第1嵌合筒部93によって拡径変形等、径方向外側への変位が抑制されている。従って、第1嵌合筒部93が形成されていない場合に比べて、径方向外側への第2嵌合筒部102の変位を効果的に抑制することができ、変位に起因した割れ等が第2嵌合筒部102に生じることを防止することができる。
切換プレート120は、左右方向に延びる軸部121回りに開閉可能に取り付けられている。なお、図示の例では、軸部121はノズル壁部100における上端部の前方側に配置されている。
切換プレート120にはノズル孔6の前方に位置する部分に泡孔122が形成されている。これにより、切換プレート120を利用する場合には、ノズル孔6と切換プレート120との間で、ノズル孔6から噴射された内容液と外気とを混合させて泡状にすることができ、泡状の内容液を泡孔122から前方に向けて噴射させることが可能とされている。
ただし、切換プレート120は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1を使用する場合について説明する。なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に内容液が充填され、縦供給筒部10から内容液を吸い上げることができる状態になっているものとする。また、図4に示すようにノズル部材5が連通位置P1に位置決めされているものとする。
すると、新たに吸い上げられた内容液は、ボール弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。
これにより、第1切換溝97と第2切換溝103との連通を遮断することができるので、切換通路115を通じて内容液が射出筒部11内からノズル孔6側に供給されることを規制できる。従って、ノズル孔6を通じた内容液の噴射を規制した噴射規制状態に移行させることができ、ノズル孔6からの液漏れを抑制した状態で、トリガー式液体噴出器1の保管や流通等を行うことができる。
従って、保管や商品流通時等において噴射規制状態にした場合に、仮にトリガー部51の操作等によってトリガー式液体噴出器1内の内圧が上昇したとしても、第1装着筒部92よりも小径の第1嵌合筒部93内で内圧が上昇するだけであるので、この内圧上昇によってノズル部材5が受ける応力を低減することができる。
しかも、ノズル部材5が遮断位置P2に位置して噴射規制状態となっている場合には、切換通路115を内容液が流れることができないので、環状空間96内に内容液を留めることができる。従って、ノズル部材5の受圧面積をさらに低減することができる。
その結果、噴射規制状態とされている場合において液漏れを生じ難くさせることができると共に、噴射可能状態とされている場合において内容液を安定且つ精度良く噴射させることができる。
具体的には、第1装着筒部92内に内容液が存在していた従来の場合には、サポート筒部105がシール筒部として機能し、シール筒部であるサポート筒部105と第1装着筒部92との間でシールを行っていたので、シール筒部105の外周面と第1装着筒部92の内周面との間の摺動面積がシール面積となる。また、第1装着筒部92の直径がシール径となる。
これに対して本実施形態の場合には、第1嵌合筒部93と第2嵌合筒部102との間で内容液をシールするので、第1嵌合筒部93の内周面と第2嵌合筒部102の外周面との間の摺動面積(シール面積)を上記従来に比べて低減することができる。このようなことから、先に述べたように、ノズル部材5を回転させる際のシール抵抗を低減することができる。
いずれにしても、中継部材4に対してノズル部材5を相対移動可能に組み合わせ、ノズル部材5を連通位置P1と遮断位置P2との間で移動(回転移動や直線移動も含む)させることで、噴射可能状態と噴射規制状態とを切り換えても構わない。
この場合には、例えば切換プレート120に代えて、中継部材4にノズル孔6を開放可能に塞ぐ閉塞プレートを回動可能(開閉可能)に取り付け、閉塞プレートの開閉によってノズル孔6自体を直接的に開放及び閉塞させれば良い。このように構成することで、閉塞プレートの開閉に伴って、ノズル孔6を噴射可能状態と噴射規制状態とに切り換えることができる。
なお、中継部材4に対してノズル部材5を相対移動不能に組み合せた場合には、ガイド軸部94及び切換通路115を省略して、第1嵌合筒部93内をノズル孔6に常時連通させれば良い。この場合であっても、小径の第1嵌合筒部93内に内容液を供給できるので、ノズル部材5の受圧面積を従来よりも低減することができ、同様の作用効果を奏功することができる。
P1…連通位置
P2…遮断位置
O3…ガイド軸部の軸線
1…トリガー式液体噴出器(液体噴出器)
2…噴出器本体
4…中継部材
5…ノズル部材
6…ノズル孔
11…射出筒部
90…隔壁(閉塞壁部)
92…第1装着筒部(装着筒部)
93…第1嵌合筒部
94…ガイド軸部
100…ノズル壁部
102…第2嵌合筒部
115…切換通路
Claims (2)
- 内容液が収容された容器体に装着され、内容液を噴射する射出筒部を有する噴出器本体と、
前記射出筒部の前端部に装着された中継部材と、
ノズル孔が形成され、前記中継部材に対して前方から組み合わされたノズル部材と、を備え、
前記中継部材は、前記射出筒部の前端開口部を前方から覆う閉塞壁部と、前記閉塞壁部から前方に向けて突設され、前記ノズル部材が装着される装着筒部と、前記閉塞壁部のうち、前記装着筒部の内側に位置する部分から前方に向けて突設された第1嵌合筒部と、を備え、
前記ノズル部材は、前記ノズル孔が形成されたノズル壁部と、前記ノズル壁部から後方に向けて突設され、前記第1嵌合筒部に密に嵌合する第2嵌合筒部と、を備え、
前記射出筒部内と前記ノズル孔とは、前記第1嵌合筒部内及び前記第2嵌合筒部内を通じて連通し、
前記ノズル孔は、内容液の噴射が可能となる噴射可能状態と、内容液の噴射が規制される噴射規制状態と、に切り換え可能とされ、
前記ノズル部材は、前記中継部材に対して相対移動可能に組み合わされ、
前記第2嵌合筒部は、前記第1嵌合筒部の内側に密に嵌合することで、前記第1嵌合筒部と前記第2嵌合筒部との間をシールし、前記装着筒部と前記第2嵌合筒部との間に画成される空間内への内容液の入り込みを規制し、
前記閉塞壁部のうち、前記第1嵌合筒部の内側に位置する部分には、前方に向けて突設されると共に、前記第2嵌合筒部の内側に密に接触するガイド軸部が形成され、
前記第2嵌合筒部と前記ガイド軸部との間には、前記中継部材に対する前記ノズル部材の相対移動に伴って、前記第1嵌合筒部内及び前記第2嵌合筒部内を通じた、前記射出筒部内と前記ノズル孔との連通及びその遮断を切り換える切換通路が形成され、
前記ノズル部材は、前記射出筒部内と前記ノズル孔とを連通させる連通位置と、前記射出筒部内と前記ノズル孔との連通を遮断する遮断位置と、の間を移動可能とされ、この移動によって前記噴射可能状態と前記噴射規制状態とを切り換える、液体噴出器。 - 請求項1に記載の液体噴出器において、
前記ノズル部材は、前記ガイド軸部の軸線回りに前記中継部材に対して回転可能に組み合わされ、
前記ノズル部材は、前記連通位置と前記遮断位置との間を回転可能とされ、この回転によって前記噴射可能状態と前記噴射規制状態とを切り換える、液体噴出器。
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