JP6605933B2 - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Description
この種のトリガー式液体噴出器では、ノズル部材内に、噴出孔を開閉する蓄圧弁が配設される。蓄圧弁は、ノズル部材内の圧力が所定圧以上になると噴出孔を開放し、噴出孔から内容物を噴出させる。
本発明に係るトリガー式液体噴出器は、液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、前記噴出器本体は、上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、内側が前記縦供給筒部の内部に連通した射出筒部と、前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内に導入させるとともに、前記射出筒部内から前記噴出孔側に向けて射出させるトリガー機構と、を備えるトリガー式液体噴出器であって、前記縦供給筒部内には、前記縦供給筒部内と前記射出筒部内との連通、遮断を切り替える蓄圧弁が配設され、前記蓄圧弁は、前記縦供給筒部内に段差状に設けられ上方を向く弁座に対して、上方に向けて移動することで離反可能に着座する弁体と、前記弁体を下方に向けて付勢する弾性部材と、を備え、前記縦供給筒部の内周面において前記弁座よりも上方に位置する部分には、上下方向に延び下端が前記弁座に連なる凸リブであり前記弁体の上下動をガイドするガイドリブが設けられていることを特徴とする。
トリガー部を引く操作を止めると、縦供給筒部内から射出筒部内への液体の供給が停止される。このとき、弾性部材の付勢力(弾性復元力)により、弁体が復元変位させられて弁座に着座し、蓄圧弁が、縦供給筒部内と射出筒部内との連通を再び遮断する。
以上のように、このトリガー式液体噴出器によれば、蓄圧弁を備えた蓄圧式のトリガー式液体噴出器なので、例えば、蓄圧状態の液体を微細な霧状にして噴出することができる。さらに、蓄圧弁を縦供給筒部内に配設することができるので、蓄圧弁をノズル部材内に配設する場合に比べて、このトリガー式液体噴出器を容易に製造することができる。またこのように、蓄圧弁をノズル部材内に配設するのではなく縦供給筒部内に配設することで、ノズル部材の構造の自由度を高めることができる。したがって、トリガー式液体噴出器として、例えば、ノズル部材が噴出器本体に回転自在に装着され、ノズル部材の回転に伴って、噴出孔から噴出される液体の噴出の可否または噴出の態様(例えば、噴出範囲が広い、狭い等)を切り替える構成などを容易に採用することができる。
以上のように、このトリガー式液体噴出器によれば、蓄圧弁が縦供給筒部内と射出筒部内との連通を遮断したときに縦供給筒部内に残圧が生じても、この残圧を容器体内に回収することができるので、例えば、液だれの発生を効果的に抑制することができる。
以下、本発明に係るトリガー式液体噴出器の第1実施形態について、図1から図3を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体2と、噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10から射出筒部11が延びる方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、かつ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bの下端部は、フランジ部12cよりも下方に突出している。また、小径部12bの上端開口部は頂壁部12dによって塞がれている。
なお、外筒12および内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方側に偏心している。
弁体33は、縦供給筒部10内に設けられた弁座32に対して、上方に向けて移動することで離反可能に着座する。弁体33は、ベース部31の下方に配置され、弁座32に対して上方から当接する。弁座32は、内筒13の内周面に段差状に形成されている。内筒13の内周面において弁座32よりも上方に位置する部分には、ガイドリブ32aが設けられている。ガイドリブ32aは、上下方向に延びる凸リブであり、内筒13の周方向に間隔をあけて複数設けられている。ガイドリブ32aは、弁体33の上下動をガイドする。
突出軸部33bは、前記軸線O1上に位置している。突出軸部33bの外径は、内筒13の内径よりも小さい。突出軸部33bは、上側に位置する大径軸部33cと、下側に位置する小径軸部33dと、を備えている。大径軸部33cは、下側に向かうに従い漸次、縮径している。
なお、内筒13内における弁座32よりも下方に位置する空間内の圧力が所定圧以上に高められると、弁体33は弾性部材34の付勢力に抗して上昇し、弾性部材34を弾性変形させながら弁座32から離間する。これにより、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間と、が連通し、縦供給筒部10内と射出筒部11内との連通、遮断が切り替られる。
テーパ筒部35は、下方に向かうにしたがって漸次縮径している。テーパ筒部35の内側には、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の吸込弁36が配置されている。吸込弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、を連通および遮断する。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口しているとともに、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体形成されている。
なお、シリンダ53およびピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51とピストン52とは、互いに連結されている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から見た側面視で前方に凸の円弧状に形成され、かつ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
これら主板ばね54aおよび副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54dおよびポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
接続壁123の下端部は、トリガー部51の主板部材80の上端部に対して前方から当接することで、トリガー部51を最前方揺動位置に位置決めしている。
なお、外嵌筒部221は、第2筒部23に対して前方に抜け止めがされた状態で回転可能に装着されている。つまり、ノズル部材3は第2筒部23の軸線回りに回転可能とされている。
ノズル部材3の前側には、液体の噴出形態を霧状および泡状等に切り替えるためのノズル板175が、左右方向に延びる軸部176回りに開閉可能に取り付けられている。ノズル壁部170の後面のうち、被支持筒部172の内側に位置する部分には、旋回路12eが凹状に形成されている。
なお、被支持筒部172と外嵌筒部221との間には、第2筒部23の内側に密接するシール筒部178が設けられている。
なお、射出孔25および通過空間183の各流路断面積は、第1凹溝172aおよび第2凹溝182aからなる導入路186の流路断面積よりも大きくてもよい。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1を使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
なお図3に示すように、トリガー部51が最後方揺動位置に位置し、ピストン52が最後方移動位置に移動した状態では、ピストン本体部72の後端部が、規制突起61aに当接している。このとき、ピストン本体部72の後端部が、凹部62bと前後方向に同等の位置に位置し、貯留室53a内とピストン本体部72内とが、ピストン52の内周面とピストンガイド62の外周面との間を通して連通可能となっている。したがって、前述のように、蓄圧弁30が、縦供給筒部10内と射出筒部11内との連通を遮断したときに、縦供給筒部10内に残圧が生じた場合、この残圧を、供給孔68、貯留室53a内、ピストン52の内周面とピストンガイド62の外周面との間、ピストン本体部72内、ガイド孔62a、ピストンガイド62内、嵌合筒部41内および回収通路41aを通して容器体A内に回収することができる。このように回収通路41aは、ピストン52が後方に移動したときに、シリンダ53内を通して供給孔68と容器体A内とを連通する。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、シリンダ53内(貯留室53a内)に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、蓄圧弁30は閉弁している。
また、蓄圧弁30が縦供給筒部10内と射出筒部11内との連通を遮断したときに縦供給筒部10内に残圧が生じても、この残圧を容器体A内に回収することができるので、例えば、液だれの発生を効果的に抑制することができる。
次に、本発明に係る第2実施形態のトリガー式液体噴出器を、図4および図5を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
次に、本発明に係る第3実施形態のトリガー式液体噴出器を、図6および図7を参照して説明する。
なお、この第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
なお、大径軸部33cと小径軸部33dとを連結する段部には、前記軸線O1と同軸に配置された環状溝203が形成されている。
次に、本発明に係る第4実施形態のトリガー式液体噴出器を、図8を参照して説明する。
なお、この第4実施形態においては、第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
ノズル部材3が、噴出器本体2に回転自在に装着されていなくてもよく、実質的に回転不能であってもよい。
2 噴出器本体
3 ノズル部材
4 噴出孔
10 縦供給筒部
11 射出筒部
30 蓄圧弁
33 弁体
34 弾性部材
41a 回収通路
50 トリガー機構
51 トリガー部
52 ピストン
53 シリンダ
68 供給孔
101 係合部
201、202 嵌合部
A 容器体
Claims (4)
- 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、内側が前記縦供給筒部の内部に連通した射出筒部と、
前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内に導入させるとともに、前記射出筒部内から前記噴出孔側に向けて射出させるトリガー機構と、を備えるトリガー式液体噴出器であって、
前記縦供給筒部内には、前記縦供給筒部内と前記射出筒部内との連通、遮断を切り替える蓄圧弁が配設され、
前記蓄圧弁は、前記縦供給筒部内に段差状に設けられ上方を向く弁座に対して、上方に向けて移動することで離反可能に着座する弁体と、前記弁体を下方に向けて付勢する弾性部材と、を備え、
前記縦供給筒部の内周面において前記弁座よりも上方に位置する部分には、上下方向に延び下端が前記弁座に連なる凸リブであり前記弁体の上下動をガイドするガイドリブが設けられていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 前記弁体の外周面および前記弁座の内周面には、前記弁体が前記弁座に着座した状態で係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
- 前記係合部は、前記弁体の外周面および前記弁座の内周面に各別に設けられ互いに上下方向に凹凸嵌合し合う嵌合部を備えていることを特徴とする請求項2に記載のトリガー式液体噴出器。
- 前記トリガー機構は、
前記縦供給筒部から前後方向に突出し、前記縦供給筒部に形成された供給孔を通して前記縦供給筒部内に連通するシリンダと、
前記シリンダ内に前後摺動自在に嵌合され、前記トリガー部の後方への移動に伴って後方に移動して前記シリンダ内の液体を前記縦供給筒部内に前記供給孔を通して供給するピストンと、を備え、
前記噴出器本体には、前記ピストンが後方に移動したときに、前記シリンダ内を通して前記供給孔と前記容器体内とを連通する回収通路が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
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