JP7370172B2 - トリガー式液体噴出器 - Google Patents

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Description

本発明は、トリガー式液体噴出器に関する。
従来、トリガー式液体噴出器として、例えば特許文献1に記載の構成が知られている。トリガー式液体噴出器は、容器体に装着される噴出器本体と、噴出器本体の前方に設けられ、容器体内の液体を噴出する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備える。噴出器本体は、容器体内の液体を吸い上げる縦供給筒部と、縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に配設されるトリガー部を有し、トリガー部の後方への移動によって、液体を縦供給筒部内から噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、を備える。トリガー機構は、トリガー部に連動して前後方向に移動するピストンと、ピストンが挿入され、かつ内部が縦供給筒部内に連通するシリンダと、を有する。
特開平8-71463号公報
従来のトリガー式液体噴出器では、周辺環境などの影響で容器体内の内圧が上昇した場合に、シリンダ内でピストンが前方に押し出され、シリンダとのシールが開放されることがあった。その結果、ピストンとシリンダとの隙間から液漏れが生じる。
上記事情に鑑み、本発明は、ピストンとシリンダとのシール性を良好に維持できるトリガー式液体噴出器を提供することを目的の一つとする。
本発明のトリガー式液体噴出器の一つの態様は、容器体に装着される噴出器本体と、前記噴出器本体の前方に設けられ、前記容器体内の液体を噴出する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、前記噴出器本体は、上下方向に延び、前記容器体内の液体を吸い上げる縦供給筒部と、前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に配設されるトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、を備え、前記トリガー機構は、前記トリガー部に連動して前後方向に移動するピストンと、前記ピストンが挿入され、かつ内部が前記縦供給筒部内に連通するシリンダと、を備え、前記シリンダは、前記ピストンの一部に前方から係止可能に対向する係止部を有し、前記係止部は、前記シリンダの内周面に突設され、前記シリンダと一体に形成されており、前記噴出器本体は、前記縦供給筒部から前方に向けて突出し、内部に前記シリンダが嵌合するシリンダ装着筒を有し、前記シリンダ装着筒は、前記シリンダ装着筒の外周面に突設される係止突起を有し、前記シリンダは、前記シリンダ装着筒に係止され、前記シリンダ装着筒に対する前記シリンダの前方への抜け出しを規制する抜け止め部を有し、前記抜け止め部は、前記シリンダの外周面の外側に位置し、前記シリンダの前端部から後方に向けて延びる抜け止め腕部と、前記抜け止め腕部の後端部に接続され、前記係止突起に対して後方から接触する抜け止め係止部と、を有し、前記シリンダの中心軸であるシリンダ軸回りに隣り合う一対の前記抜け止め腕部の各後端部に、前記抜け止め係止部の前記シリンダ軸回りの両端部が接続されている
本発明では、シリンダが、ピストンの一部に対して前方から係止可能な係止部を有する。このため、例えば気温の上昇等、周辺環境などの影響により容器体内の内圧が上昇し、ピストンを前方に押し出す力が作用しても、係止部がピストンに係止されることにより、シリンダに対するピストンの前方への抜け出しが抑えられる。したがって本発明によれば、ピストンとシリンダとのシール性が良好に維持される。
特に、トリガー部とピストンとが連結されている場合には、トリガー部のうちピストンに連結される連結軸の、トリガー部の前後動による移動軌跡が、シリンダの中心軸(シリンダ軸)とは一致しない円弧状となる。このため、容器体の内圧上昇時には、ピストンがシリンダに対して上方に持ち上がるように押し出され、ピストンとシリンダとのシールが開放されやすい傾向があった。一方、本発明によれば、このような不具合を安定して抑制できる。
また係止部は、シリンダと一体に形成されている。このため、上述の機能を有する係止部を設けるにあたり、構成部材を増やす必要はなく部品点数が少なく抑えられる。本発明によれば、省コスト化が可能である。
また係止部は、シリンダの内周面に突設されている。このため、係止部を設けるにあたり、例えば、噴出器本体の外形が大きくなったり、トリガー式液体噴出器の外観上の美観が損なわれたりするような不具合も抑えられる。
上記トリガー式液体噴出器において、前記噴出器本体は、前記縦供給筒部から前方に向けて突出し、内部に前記シリンダが嵌合するシリンダ装着筒を有し、前記シリンダは、前記シリンダ装着筒に係止され、前記シリンダ装着筒に対する前記シリンダの前方への抜け出しを規制する抜け止め部を有する。
この場合、液体の噴出時にシリンダの内圧が上昇しても、シリンダ装着筒からシリンダが前方に抜け出すことが抑えられる。
上記トリガー式液体噴出器において、前記噴出器本体は、前記縦供給筒部から前方に向けて突出し、前記シリンダ装着筒内に配置されるピストンガイドを有し、前記ピストンは、後方に向けて開口し、内部に前記ピストンガイドが挿入されるピストン本体部と、前記ピストン本体部の外周面に突設され、前記シリンダの内周面に摺接する摺動筒部と、を有し、前記係止部は、前記シリンダの内周面に突設される環状の鍔部と、前記鍔部の内周部に接続されて前後方向に延び、内部に前記ピストン本体部が挿入されるピストンガイド筒部と、を有することが好ましい。
この場合、ピストンガイドおよびピストンガイド筒部によって、ピストン本体部の内側および外側の少なくともいずれかから、前後方向への移動をガイドすることが可能になり、ピストンの前後動の移動姿勢が安定する。したがって、ピストンとシリンダとのシール性がより安定する。
上記トリガー式液体噴出器において、前記鍔部が、前記摺動筒部に対して前方から係止可能であることが好ましい。
この場合、ピストンの構成要素の中でも直径の大きい摺動筒部に対して、係止部の構成要素の中でも直径の大きい鍔部が係止される。このため、係止部によってピストンの前方抜け出しを抑える機能がより安定する。
本発明の一つの態様のトリガー式液体噴出器によれば、ピストンとシリンダとのシール性を良好に維持できる。
第1実施形態のトリガー式液体噴出器を示す縦断面図である。 図1のトリガー式液体噴出器のピストンおよびシリンダ付近を拡大して示す縦断面図である。 トリガー式液体噴出器を示す側面図である。 ピストンおよびシリンダ付近を示す横断面図である。 第2実施形態のトリガー式液体噴出器を示す縦断面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態のトリガー式液体噴出器1について、図1~図4を参照して説明する。
図1~図4に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、容器体Aに装着される噴出器本体2と、容器体A内の液体を噴出する噴出孔6が形成されたノズル部材5と、噴出器本体2とノズル部材5とを連結する中継部材4と、を備える。また噴出器本体2は、容器体A内の液体を吸い上げる縦供給筒部10を有する。なお、トリガー式液体噴出器1の各構成部品は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成形品とされている。
本実施形態では、縦供給筒部10の中心軸線O1が延びる方向、つまり中心軸線O1に沿う方向を上下方向と呼ぶ。上下方向のうち、噴出器本体2から容器体Aへ向かう方向を下方と呼び、容器体Aから噴出器本体2へ向かう方向を上方と呼ぶ。
上下方向から見て、中心軸線O1に直交する方向のうち、縦供給筒部10とノズル部材5とを繋ぐ方向を前後方向と呼ぶ。前後方向のうち、縦供給筒部10からノズル部材5へ向かう方向を前方と呼び、ノズル部材5から縦供給筒部10へ向かう方向を後方と呼ぶ。
上下方向から見て、中心軸線O1に直交する方向のうち、前後方向と直交する方向を左右方向と呼ぶ。左右方向のうち、中心軸線O1に接近する方向を左右方向の内側と呼び、中心軸線O1から離間する方向を左右方向の外側と呼ぶ。
図1に示すように、噴出器本体2は、上下方向に延びる縦供給筒部10と、縦供給筒部10の前方に設けられ、縦供給筒部10内の液体を噴出孔6側に向けて流通させる射出筒部11と、縦供給筒部10から前方に向けて突出し、射出筒部11の下方に配置されるシリンダ装着筒40と、縦供給筒部10から前方に向けて突出し、シリンダ装着筒40内に配置されるピストンガイド62と、縦供給筒部10の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に配設されるトリガー部51を有するトリガー機構Tと、縦供給筒部10、射出筒部11、シリンダ装着筒40および後述するシリンダ53を上方、後方および左右方向から覆うカバー体55と、を備える。
縦供給筒部10は、有頂筒状の外筒12と、外筒12内に嵌合された内筒13と、を備える。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、かつ大径部12aより内径および外径が小さい小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備える。小径部12bの上端開口は、頂壁部12dにより塞がれている。
内筒13は、大径部13aと、大径部13aの上方に配置され、かつ大径部13aより内径および外径が小さい小径部13bと、大径部13aの上端部と小径部13bの下端部とを連結するフランジ部13cと、を備える。
内筒13の小径部13b内に、容器体A内に配置され、かつ容器体Aの図示しない底部に下端開口が位置するパイプ15の上部が嵌合されている。内筒13のフランジ部13cは、外筒12のフランジ部12cよりも下方に位置している。内筒13のフランジ部13cと、外筒12のフランジ部12cとの間には、隙間S1が設けられている。
内筒13の大径部13aのうち、外筒12の大径部12aよりも下方に位置する部分には、径方向の外側に向けて突出する環状鍔部13dが形成されている。環状鍔部13dは、容器体Aの口部A1に例えば螺着により装着される装着キャップ3の上端部内に配設され、装着キャップ3の上端部をその軸線回りに回転可能に係止する。環状鍔部13dは、装着キャップ3と容器体Aの口部A1における上端開口縁とにより上下方向に挟まれる。
外筒12および内筒13で構成される縦供給筒部10の中心軸線O1は、口部A1の中心軸と同軸とされる容器体Aの容器軸に対して、後方に偏って配置される。
内筒13の上端部内に、上下方向に弾性変形可能に形成された吐出弁30が配設されている。
吐出弁30は、内筒13内に嵌合され、外筒12における頂壁部12dの下面に当接するベース部31と、ベース部31の下方に配置され、内筒13の内周面に段差状に形成された弁座32に対して上方から当接する弁体33と、ベース部31および弁体33を上下に連結する中空ばね部34と、を備える。
弁体33は、中空ばね部34によって上方から押圧されており、弁座32に対して密に当接している。弁体33は、内筒13内において、弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間と、の連通を遮断する。弁体33は、中空ばね部34の付勢力に抗して上昇し、弁座32から離間することで、内筒13内において、弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間と、を連通する。
内筒13の内周面のうち、弁座32よりも下方に位置し、かつパイプ15の上端よりも上方に位置する部分に、内側に向けて突出する環状のテーパ筒部35が形成されている。テーパ筒部35は、下方に向かうに従い縮径している。テーパ筒部35の内側に、テーパ筒部35の内周面に離間可能に着座するボール弁(逆止弁)36が配置されている。
ボール弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、の連通を遮断する。ボール弁36が上昇してテーパ筒部35の内周面から離間することで、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、が連通する。
内筒13の小径部13bには、貫通孔67が形成されている。貫通孔67は、内筒13内において、弁座32よりも下方に位置し、かつテーパ筒部35よりも上方に位置する空間に開口している。貫通孔67は、シリンダ装着筒40の後述する孔部66と連通する。
射出筒部11は、前後方向に延び、後端部が縦供給筒部10における上端部の前側部分に接続されている。射出筒部11の内部は、外筒12に形成された外側吐出孔16および内筒13に形成された内側吐出孔17を通して、縦供給筒部10の内部に連通している。内側吐出孔17は、内筒13内において、弁座32よりも上方に位置する空間に開口している。内側吐出孔17と外側吐出孔16とは、前後方向に隣接して配置される。
シリンダ装着筒40は、外筒12の外周面から前方に向けて突出する。シリンダ装着筒40は、前端部が開口され、後端部が底壁(後壁)41により閉塞された有底筒状である。シリンダ装着筒40の内部には、後述するシリンダ53が嵌合する。シリンダ装着筒40の底壁41は、外筒12の小径部12bと一体に形成されている。つまり底壁41は、縦供給筒部10の一部を構成する。シリンダ装着筒40の下端部は、外筒12のフランジ部12cと一体に形成されている。
図1~図4に示すように、シリンダ装着筒40は、底壁41を前後方向に貫通する孔部66と、底壁41から前方に向けて突出する嵌合筒部68と、シリンダ装着筒40の外周面に突設される係止突起69と、シリンダ装着筒40の内周面のうち後端部に配置されて該内周面から窪む第1係止凹部40aと、シリンダ装着筒40の内周面のうち前端部に配置されて該内周面から窪む第2係止凹部40bと、を有する。なお図3においては、カバー体55の図示を省略している。
図1および図2に示すように、孔部66は、底壁41のうちピストンガイド62と嵌合筒部68との間に位置する部分に開口する。孔部66は、ピストンガイド62の上方に位置する。
嵌合筒部68は、底壁41のうちシリンダ装着筒40の内周面とピストンガイド62との間に位置する部分に配置される。嵌合筒部68が底壁41から前方に突出する突出量は、ピストンガイド62が底壁41から前方に突出する突出量よりも小さい。
図3および図4に示すように、係止突起69は、シリンダ装着筒40の外周面から外側に突出する。係止突起69がシリンダ装着筒40の外周面から突出する突出高さは、後方へ向かうに従い大きくなる。係止突起69は、後述するシリンダ53のシリンダ軸O2回りに延びる。係止突起69の後端面は、平坦に形成されている。係止突起69の後端面は、シリンダ軸O2と直交する方向に拡がる平面状である。係止突起69は、シリンダ装着筒40の外周面のうち前部に配置される。本実施形態では係止突起69が、シリンダ装着筒40の外周面に、該外周面の周方向(シリンダ軸O2回り)に互いに間隔をあけて複数(2つ)設けられる。
図1、図2および図4に示すように、ピストンガイド62は、前後方向に延びる筒状である。ピストンガイド62は、シリンダ装着筒40の底壁41から前方に突出する。ピストンガイド62は、前端部が開口され、後端部が底壁41により塞がれている。本実施形態ではピストンガイド62の前端部が、シリンダ装着筒40の前端部よりも後方に位置する。
トリガー機構Tは、トリガー部51の後方への移動によって、液体を縦供給筒部10内から射出筒部11内を通して噴出孔6側に向けて流通させる。トリガー機構Tは、トリガー部51と、トリガー部51に連動して前後方向に移動するピストン52と、ピストン52が挿入され、かつ内部が縦供給筒部10内に連通するシリンダ53と、を備える。
シリンダ53は、シリンダ装着筒40内に嵌合される。シリンダ53は、前後方向に延びる筒状である。つまりシリンダ53の中心軸であるシリンダ軸O2は、前後方向に延びる。シリンダ53、ピストンガイド62およびシリンダ装着筒40は、シリンダ軸O2を共通軸として互いに同軸に配置されている。
シリンダ53の外周面とシリンダ装着筒40の内周面とは、前後方向の両端部において密接している。シリンダ53の外周面とシリンダ装着筒40の内周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部には、環状の隙間S2が設けられている。シリンダ53の後端部は、嵌合筒部68の外側に嵌合する。シリンダ53の後端部の内周面と、嵌合筒部68の外周面とは、密に接触しシールされていて、このシール状態が維持されている。シリンダ53の後端部は、シリンダ装着筒40の底壁41により塞がれている。
シリンダ53は、シリンダ53の内側と隙間S2とを連通する第1通気孔63を有する。外筒12のフランジ部12cには、外筒12のフランジ部12cと内筒13のフランジ部13cとの間の隙間S1と、隙間S2と、を連通する第2通気孔64が形成されている。内筒13のフランジ部13cには、内筒13の大径部13aの内側と、隙間S1と、を連通する第3通気孔65が形成されている。
シリンダ53内と縦供給筒部10内とは、孔部66および貫通孔67を通して互いに連通している。また、吐出弁30は、射出筒部11内とシリンダ53内との連通およびその遮断を切り換え、ボール弁36は、容器体A内とシリンダ53内との連通およびその遮断を切り換える。
シリンダ53の前端部は、シリンダ装着筒40の前端開口よりも前方に突出する。シリンダ53の前端部は、シリンダ装着筒40の前端に対して前方から当接する。シリンダ53の前端部のうち上端部は、上方に突出している。シリンダ53は、この上端部から後方に向けて延びる装着突部53aを備える。装着突部53aとシリンダ53の外周面との間には、上下方向に隙間が設けられている。装着突部53aは、一対の板面が上下方向を向く板状である。装着突部53aの左右方向の中央部には、スリットが形成されている。スリットは、装着突部53aを上下方向に貫通して前後方向に延び、後方に向けて開口する。このスリットには、差込板115が差し込まれる。差込板115は、シリンダ装着筒40の上端部と、射出筒部11の後部の下端部と、を上下方向に連結する。差込板115は、一対の板面が左右方向を向く板状である。
シリンダ53は、ピストン52の一部に前方から係止可能に対向する係止部53bと、シリンダ装着筒40に係止され、シリンダ装着筒40に対するシリンダ53の前方への抜け出しを規制する抜け止め部53cと、を有する。
係止部53bは、シリンダ53の内周面に突設され、シリンダ53と一体に形成されている。係止部53bは、シリンダ53の内周面に突設される環状の鍔部53dと、鍔部53dの内周部に接続されて前後方向に延び、内部にピストン52の後述するピストン本体部72が挿入されるピストンガイド筒部53eと、を有する。
鍔部53dは、シリンダ軸O2を中心とする円環板状である。鍔部53dは、シリンダ53の内周面のうち前部に配置される。鍔部53dの後面は、ピストン52の後述する摺動筒部73の前端部に、その前方から係止可能に対向する。つまり鍔部53dは、摺動筒部73に対して前方から係止可能である。
ピストンガイド筒部53eは、シリンダ53内に収容される。本実施形態ではピストンガイド筒部53eの前端の前後方向の位置が、シリンダ53の前端の前後方向の位置と略同じである。なおピストンガイド筒部53eの前端の前後方向の位置は、シリンダ53の前端の前後方向の位置より後方でもよい。ピストンガイド筒部53eの内周面と、ピストン本体部72の外周面との間には、僅かに隙間が設けられている。
ピストンガイド筒部53eの内径は、前後方向に沿って一定である。鍔部53dの内周部は、ピストンガイド筒部53eの外周面のうち、前後方向の両端部間に位置する中間部分に連結されている。ピストンガイド筒部53eの外径は、鍔部53dとの連結部分よりも前方においては前後方向に沿って一定であり、鍔部53dとの連結部分よりも後方においては、後方へ向かうに従い小さくなる。
抜け止め部53cは、シリンダ53の外周面の外側に位置し、シリンダ53の前端部から後方に向けて延びる抜け止め腕部53fと、抜け止め腕部53fの後端部に接続され、係止突起69に対して後方から接触する抜け止め係止部53gと、を有する。
抜け止め腕部53fは、前後方向に延びる板状であり、弾性変形可能である。抜け止め腕部53fは、シリンダ装着筒40の外周面の外側に配置される。抜け止め腕部53fは、シリンダ軸O2回りに互いに間隔をあけて複数設けられる。
抜け止め係止部53gは、シリンダ軸O2回りに延びる板状である。抜け止め係止部53gは、シリンダ装着筒40の外周面の外側に配置される。
本実施形態では、シリンダ軸O2回りに隣り合う一対の抜け止め腕部53fの各後端部に、抜け止め係止部53gのシリンダ軸O2回りの両端部が接続されている。また、互いに接続される一対の抜け止め腕部53fおよび抜け止め係止部53gの組が、シリンダ53のシリンダ軸O2回りに互いに間隔をあけて複数(2つ)設けられる。
またシリンダ53は、シリンダ53の外周面のうち後端部に配置されて該外周面から突出する第1係止凸部53jと、シリンダ53の外周面のうち前端部に配置されて該外周面から突出する第2係止凸部53kと、を有する。
第1係止凸部53jは、シリンダ装着筒40の第1係止凹部40aと係止される。第1係止凸部53jと第1係止凹部40aとにより、シリンダ嵌合構造が構成されている。
第2係止凸部53kは、シリンダ装着筒40の第2係止凹部40bと係止される。第2係止凸部53kと第2係止凹部40bとにより、シリンダ締め代構造が構成されている。なお、第2係止凹部40bは、形成されていなくてもよい。この場合、第2係止凸部53kが、シリンダ装着筒40の内周面に押圧により係止されることで、シリンダ締め代構造が構成される。
ピストン52は、トリガー部51に連結された円柱状のトリガー連結部70と、トリガー連結部70より後方に位置し、トリガー連結部70よりも大径とされたピストン筒71と、を備え、全体として後方に開口した筒状に形成されている。ピストン52は、シリンダ軸O2と同軸に配置されている。
ピストン筒71は、後方に向けて開口し、内部にピストンガイド62が挿入されるピストン本体部72と、ピストン本体部72の外周面に突設され、シリンダ53の内周面に摺接する摺動筒部73と、を有する。つまりピストン52は、ピストン本体部72と、摺動筒部73と、を有する。
ピストン本体部72の内径は、ピストンガイド62の外径よりも大きい。ピストン本体部72の内周面とピストンガイド62の外周面との間には、隙間が設けられている。
摺動筒部73は、摺動筒部73の前後方向の中央部から前方および後方に向かうに従い、それぞれ拡径している。摺動筒部73の前後方向の両端部に位置する一対のリップ部は、シリンダ53の内周面に対して摺動する。
シリンダ53内において摺動筒部73よりも後側に位置する部分、ピストン本体部72とピストンガイド62との間の空間、およびピストンガイド62内には、縦供給筒部10の内筒13内から貫通孔67および孔部66を通して液体が流入される貯留室53hが形成されている。
ピストン52のトリガー連結部70は、後述する連結軸86を介してトリガー部51に連結されている。これにより、ピストン52は、トリガー部51とともに後述する弾性板部54により前方に付勢され、かつトリガー部51の後方への移動に伴って後方に移動してシリンダ53内に押し込まれる。
トリガー部51が最前方移動位置(最前端位置)に位置しているときに、ピストン52の摺動筒部73は第1通気孔63を閉塞している。トリガー部51の後方への移動によってピストン52が所定量だけ後方移動したときに、摺動筒部73は第1通気孔63を開放する。これにより、容器体Aの内部は、第3通気孔65、隙間S1、第2通気孔64、隙間S2および第1通気孔63を通して、外部に連通する。
トリガー部51は、一対の板面が前後方向を向く主板部80と、主板部80の左右方向の両端部から後方に向けて突出する一対の側板部81と、主板部80の下端部および一対の側板部81の下端部に接続する下板部87と、を備える。
主板部80は、主板部80の一対の板面のうち前面が、左右方向から見た側面視で後方に向けて凹状に湾曲する。主板部80は、主板部80の一対の板面のうち後面が、左右方向から見た側面視で後方に向けて凸状に湾曲する。
一対の側板部81の上端部には、上方に延び、射出筒部11を左右方向に挟み込む一対の連結板82が形成されている。一対の連結板82には、左右方向の外側に向けて突出する回転軸部83が各別に設けられている。回転軸部83は、射出筒部11の上方を覆う上板部材84に設けられた軸受け部に回動可能に支持されている。これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に回動することで前後方向に揺動可能である。
主板部80の上端部には、後方に向けて延びる連結筒85が形成されている。連結筒85の内周面の後部に、連結筒85の内側に向けて左右方向に突出した一対の連結軸86が形成されている。連結軸86は、ピストン52のトリガー連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51とピストン52とが、互いに連結されている。
ピストン52のトリガー連結部70は、連結軸86に対してその軸線回りに回動可能とされ、かつ上下方向に所定量だけ移動可能に連結されている。
射出筒部11の上面には、縦供給筒部10における外筒12の頂壁部12dに連結された水平板状の上板部材84が取付けられている。
上板部材84は、上板部材84における左右方向の両端部に、弾性変形可能な弾性板部54を有する。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で前方に凸となる円弧状をなし、射出筒部11の下方まで延びる。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心とされた円弧状をなし、前後に並ぶ一対の板ばね部を備える。
弾性板部54は、一対の板ばね部の各下端部同士を接続し、左右方向から見た側面視で下方に向けて凸となる円弧状をなす折返し部を有する。弾性板部54は、折返し部から下方に向けて突出する係止片54dを有する。係止片54dは、トリガー部51の側板部81に形成されたポケット部81aに、上方から差し込まれる。
これにより弾性板部54は、係止片54dおよびポケット部81aを介して、トリガー部51を前方に付勢している。
本実施形態では、ポケット部81aが、トリガー部51の左右方向の両端部に一対設けられる。ポケット部81aは、側板部81から左右方向の外側に突出して形成される。ポケット部81aは、上方および後方に開口する。ポケット部81aは、側板部81の上部に配置される。
トリガー部51が後方に引かれて最前方移動位置から移動すると、ポケット部81aに係合する係止片54dが後方に移動し、弾性板部54が弾性変形する。このとき、係止片54dは、ポケット部81aに対して上昇しつつも、ポケット部81aへの係合状態が維持される。
図1に示すように、中継部材4は、噴出器本体2の前方に配設されている。中継部材4は、射出筒部11に装着されて、噴出器本体2から前方に突出している。中継部材4は、射出筒部11の前端開口を前方から覆う隔壁90と、隔壁90から後方に向けて延び、射出筒部11に外嵌された外嵌筒部91と、隔壁90から前方に向けて延び、ノズル部材5が装着された第1装着筒部92と、隔壁90のうち第1装着筒部92の内側に位置する部分から前方に向けて延びるガイド軸部94と、を備える。
隔壁90の前面の前後方向の位置と、カバー体55の前端縁の前後方向の位置とは、略同じである。第1装着筒部92およびガイド軸部94は、前後方向に延びるノズル軸O3と同軸に配設されている。ノズル軸O3は、射出筒部11の中心軸線よりも下方に位置している。
ガイド軸部94は、前端部が閉塞され、かつ後方に開口した有頂筒状に形成されている。ガイド軸部94は、第1装着筒部92よりも前方に突出することなく、第1装着筒部92の内側に収まるように形成されている。
隔壁90のうち、ガイド軸部94の上方に位置し、かつ第1装着筒部92の内側に位置する部分には、射出筒部11内に連通する連通孔95が形成されている。これにより、ガイド軸部94と第1装着筒部92との間に画成された環状空間96は、連通孔95を通して射出筒部11内に連通している。
ノズル部材5は、噴出器本体2の前方に設けられる。ノズル部材5は、第1装着筒部92に装着されて、中継部材4から前方に突出している。ノズル部材5は、中継部材4を介して噴出器本体2に接続される。
ノズル部材5は、第1装着筒部92の前端開口を前方から覆うノズル壁部100と、ノズル壁部100から後方に向けて延び、第1装着筒部92に対して前方に抜け止めされた状態で外嵌された第2装着筒部101と、ノズル壁部100から後方に向けて延び、第2装着筒部101の内側に配置され、内部にガイド軸部94が嵌合するガイド筒部102と、第2装着筒部101を外側から囲う外装筒部103と、ノズル壁部100から後方に向けて延び、第2装着筒部101の内側かつガイド筒部102の外側に配置され、第1装着筒部92の内側に嵌合するサポート筒部105と、ノズル壁部100を前後方向に貫通しノズル軸O3と同軸に配置される噴出孔6と、を備える。
ノズル壁部100は、一対の板面が前後方向を向く板状である。ノズル壁部100の後面には、第1装着筒部92の前端が当接している。
ガイド筒部102は、第1装着筒部92の内側に、第1装着筒部92と隙間をあけて配置される。ガイド筒部102の後端部は、環状空間96に開口する。ガイド筒部102の内周面およびガイド軸部94の外周面には、環状空間96と噴出孔6とを連通する溝部104が形成されている。
外装筒部103は、前後方向に延びる筒状である。本実施形態では外装筒部103が、略三角形筒状である。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1の作用について説明する。
なお、トリガー部51の前後方向への複数回の揺動操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填されているものとする。
トリガー部51を弾性板部54の付勢力に抗して後方に引くと、トリガー部51の後方移動に伴ってピストン52が後退し、シリンダ53内(貯留室53h)の液体が、孔部66および貫通孔67を通して縦供給筒部10の内筒13内に導入される。内筒13に導入された液体は、ボール弁36を押し下げて閉弁させるとともに、吐出弁30を押し上げて開弁させ、液体が加圧された状態で内側吐出孔17および外側吐出孔16を通って、射出筒部11内に供給される。
射出筒部11内に供給された液体は、連通孔95、環状空間96および溝部104を通って噴出孔6に到達し、噴出孔6の前端開口から霧状等とされて噴出される。
液体の噴出後、トリガー部51を解放すると、弾性板部54の弾性復元力によってトリガー部51が前方に付勢されて元の位置に復帰し、これに伴ってピストン52が前方移動する。この際、シリンダ53内(貯留室53h)に負圧が生じ、この負圧によって、吐出弁30が閉弁した状態で、ボール弁36が上昇して開弁し、容器体A内の液体がパイプ15を通して縦供給筒部10に吸い上げられ、貫通孔67および孔部66を通ってシリンダ53内に導入される。
以上説明した本実施形態のトリガー式液体噴出器1では、シリンダ53が、ピストン52の一部に対して前方から係止可能な係止部53bを有する。このため、例えば気温の上昇等、周辺環境などの影響により容器体A内の内圧が上昇し、ピストン52を前方に押し出す力が作用しても、係止部53bがピストン52に係止されることにより、シリンダ53に対するピストン52の前方への抜け出しが抑えられる。したがって本実施形態によれば、ピストン52とシリンダ53とのシール性が良好に維持される。
特に本実施形態のように、トリガー部51とピストン52とが連結されている場合には、トリガー部51のうちピストン52に連結される連結軸86の、トリガー部51の前後動による移動軌跡が、シリンダ53の中心軸(シリンダ軸O2)とは一致しない円弧状となる。このため、容器体Aの内圧上昇時には、ピストン52がシリンダ53に対して上方に持ち上がるように押し出され、ピストン52とシリンダ53とのシールが開放されやすい傾向があった。一方、本実施形態によれば、このような不具合を安定して抑制できる。
また係止部53bは、シリンダ53と一体に形成されている。このため、上述の機能を有する係止部53bを設けるにあたり、構成部材を増やす必要はなく部品点数が少なく抑えられる。本実施形態によれば、省コスト化が可能である。
また係止部53bは、シリンダ53の内周面に突設されている。このため、係止部53bを設けるにあたり、例えば、噴出器本体2の外形が大きくなったり、トリガー式液体噴出器1の外観上の美観が損なわれたりするような不具合も抑えられる。
また本実施形態では、シリンダ53の第1係止凸部53jとシリンダ装着筒40の第1係止凹部40aとを備えるシリンダ嵌合構造、および、シリンダ53の第2係止凸部53kとシリンダ装着筒40の第2係止凹部40bとを備えるシリンダ締め代構造が設けられている。これにより、シリンダ53がシリンダ装着筒40に固定されて前方に抜け出すことが抑制されている。
また本実施形態では、シリンダ53が、シリンダ装着筒40に係止され、シリンダ装着筒40に対するシリンダ53の前方への抜け出しを規制する抜け止め部53cを有する。
この場合、液体の噴出時にシリンダ53の内圧が上昇しても、シリンダ装着筒40からシリンダ53が前方に抜け出すことがさらに抑えられる。
また本実施形態では、ピストン本体部72の内部にピストンガイド62が挿入され、ピストン本体部72の外側にピストンガイド筒部53eが配置される。
この場合、ピストンガイド62およびピストンガイド筒部53eによって、ピストン本体部72の内側および外側の少なくともいずれかから、前後方向への移動をガイドすることが可能になり、ピストン52の前後動の移動姿勢が安定する。したがって、ピストン52とシリンダ53とのシール性がより安定する。
また本実施形態では、鍔部53dが、摺動筒部73に対して前方から係止可能である。
この場合、ピストン52の構成要素の中でも直径の大きい摺動筒部73に対して、係止部53bの構成要素の中でも直径の大きい鍔部53dが係止される。このため、係止部53bによってピストン52の前方抜け出しを抑える機能がより安定する。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態のトリガー式液体噴出器20について、図5を参照して説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付して、その説明を省略する。
図5に示すように本実施形態では、縦供給筒部10の内部に吐出弁30が設けられておらず、ノズル部材5の内部に蓄圧弁111が設けられる。つまり本実施形態のトリガー式液体噴出器20は、蓄圧式である。また特に図示しないが、本実施形態においても、シリンダ装着筒40が係止突起69を備え、シリンダ53が抜け止め部53cを備える。
縦供給筒部10の内筒13の小径部13bのうち、上側部分の外径は、下側部分の外径よりも小さい。内筒13の小径部13bの上端部のうち、前側の部分には、上方および前方に向けて開口する切り欠き部13fが形成されている。小径部13b内は、容器体A内の液体を噴出器本体2内に供給する供給通路L1とされている。内筒13の小径部13bの上側部分の外周面と、外筒12の小径部12bの内周面との間には、連絡通路L2が形成されている。連絡通路L2は、外筒12に形成された外側吐出孔16を通して射出筒部11内に連通している。連絡通路L2は、切り欠き部13fを通して、内筒13の小径部13b内の供給通路L1と連通している。また連絡通路L2は、孔部66と連通している。
シリンダ装着筒40の底壁41には、ピストンガイド62内に開口するガイド孔62aが形成されている。ガイド孔62aは、底壁41を前後方向に貫通する。
ピストンガイド62の外周面における後端部には、環状の窪み部62bが形成されている。
また、縦供給筒部10における外筒12の小径部12bの内周面と、内筒13の小径部13bの下側部分の外周面との間のうち、前側の部分には、ガイド孔62aと、内筒13の第3通気孔65と、を連通する接続通路42が形成されている。そして、ガイド孔62a内、接続通路42および第3通気孔65は、ピストンガイド62内と容器体A内とを連通する回収通路43を構成している。
ピストン52は、ピストン本体部72の内周面に突設され、ピストンガイド62の外周面に摺接する内周摺接部74を有する。内周摺接部74は、シリンダ軸O2を中心とする環状であり、ピストン本体部72の後端部に配置される。これにより、シリンダ53内において、摺動筒部73および内周摺接部74よりも後側に位置する部分に、縦供給筒部10における連絡通路L2から孔部66を通して液体が流入される貯留室53hが形成されている。
トリガー部51が最前方移動位置(最前端位置)にあるときに、ピストン52の摺動筒部73は第1通気孔63を閉塞している。そして、トリガー部51の後方への揺動によってピストン52が所定量だけ後方移動したときに、摺動筒部73が第1通気孔63を開放する。これにより、容器体Aの内部は、第3通気孔65、外筒12のフランジ部12cと内筒13のフランジ部13cとの間に画成された隙間S1、第2通気孔64、シリンダ装着筒40の内側に位置する隙間S2、および第1通気孔63を通じて外部に連通する。
ところで、トリガー部51を最初に操作する場合には、後述する蓄圧弁111に、後方に向けて空気の圧力を作用させることで、蓄圧弁111を後退させて噴出孔6を開放し、貯留室53h内の空気を排出させる必要がある。しかしながら、蓄圧弁111に作用する後方に向けた空気の圧力が所定の圧力を下回ると、後述するコイルスプリング108の前方付勢力によって蓄圧弁111が前進し、噴出孔6が閉塞され、空気の排出が停止する。このため貯留室53h内に空気が残存しやすい。そこで本実施形態では、下記のように貯留室53h内と容器体A内とを連通させて、貯留室53h内に残存した空気を容器体A内に排出可能としている。
すなわち、トリガー部51が最後方移動位置(最後端位置)に位置し、ピストン52が最後方移動位置に移動した状態では、内周摺接部74が、ピストンガイド62の窪み部62bと前後方向に同等の位置に配置される。このとき、貯留室53h内とピストン本体部72内とが、ピストン本体部72の内周面と、ピストンガイド62の外周面と、の間を通して連通する。
これにより、貯留室53h内が、ピストン本体部72の内周面とピストンガイド62の外周面との間、ピストン本体部72内、ピストンガイド62内、および回収通路43を通して容器体A内に連通する。以上により、トリガー部51を最初に操作する場合に、貯留室53h内の空気を容器体A内に効率よく排出することができる。
ノズル部材5は、ノズル壁部100の後方に画成された蓄圧室110と、蓄圧室110に収容される蓄圧弁111および金属製のコイルスプリング108と、ノズル壁部100から前方に突出し、内部に噴出孔6が形成されたノズル筒部109と、ノズル壁部100の後面に突設される弁座部106と、噴出孔6を前方から開閉可能に閉塞する蓋部38と、蓋部38をノズル部材5の前端部に回動可能に連結する回動軸107と、を有する。
蓄圧弁111は、コイルスプリング108により前方に付勢されて、ノズル壁部100の後面に形成された弁座部106に着座し、噴出孔6を閉塞する。蓄圧弁111の後部には小径ピストン部111aが形成され、蓄圧弁111の前部には大径ピストン部111bが形成されている。蓄圧弁111は、連通孔95および環状空間96から導入される液体の圧力を両ピストン部111a、111bに作用させる。この圧力が一定以上となると、両ピストン部111a、111bの受圧面積の差により蓄圧弁111が後退し、噴出孔6を開放する。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器20の作用について説明する。
まず、蓋部38を閉状態から開状態とする。すなわち、蓋部38を回動軸107回りに回動させて、噴出孔6の閉塞状態を解除し、噴出孔6を前方に開口させる。
トリガー部51を弾性板部54の付勢力に抗して後方に引くと、トリガー部51は後方に向けて移動し、この移動に伴ってピストン52が後退する。これにより、シリンダ53の貯留室53h内の液体が、孔部66内および連絡通路L2を通して、射出筒部11内に導入される。このとき、ボール弁36が閉弁され、射出筒部11内と容器体A内との供給通路L1を通した連通が遮断されるとともに、射出筒部11内が加圧され、連通孔95および環状空間96を通して蓄圧弁111における小径ピストン部111aおよび大径ピストン部111bの各内部も加圧される。
この際、大径ピストン部111bの内径は、小径ピストン部111aの内径よりも大きくなっているので、小径ピストン部111aおよび大径ピストン部111bの各受圧面積の差によって、蓄圧弁111には後方に向けた圧力が作用する。この圧力が所定の圧力以上になると、蓄圧弁111がコイルスプリング108の前方付勢力に抗して後退させられ、蓄圧弁111の前端部が弁座部106から離間することにより、射出筒部11の内部と噴出孔6とが、連通孔95、環状空間96、蓄圧弁111の内部、および蓄圧弁111の前端部と弁座部106との間の隙間を通して連通し、液体が噴出孔6から噴出される。
トリガー部51を引く操作を止めると、貯留室53h内から縦供給筒部10の連絡通路L2を通した射出筒部11内への液体の供給が停止される。このとき、コイルスプリング108の前方付勢力により蓄圧弁111が前進し、蓄圧弁111の前端部が弁座部106に着座してこれを閉塞し、射出筒部11の内部と噴出孔6との連通を遮断させる。
そして、弾性板部54の弾性復元力によってトリガー部51が前方に付勢されて元の位置に復帰し、これに伴ってピストン52が前進する。そのため、貯留室53h内に負圧が生じ、この負圧によってパイプ15を通じて容器体A内の液体を縦供給筒部10の供給通路L1に吸い上げることができる。すると、新たに吸い上げられた液体は、ボール弁36を押し上げて開弁させ、連絡通路L2を通して貯留室53h内に導入される。これにより、次の液体の噴射に備えることができる。
以上説明した本実施形態のトリガー式液体噴出器20によれば、前述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
また本実施形態では、蓄圧弁111を備える構成により、ピストン52を前方に押し出す力(シリンダ53を前方に押し出す力でもある)が、第1実施形態よりも大きくなる。このため、抜け止め部53cがより効果的に作用して、シリンダ53がシリンダ装着筒40から前方に抜け出すことが抑制される。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
前述の第1実施形態および第2実施形態では、シリンダ装着筒40が係止突起69を有し、シリンダ53が、係止突起69に係止される抜け止め部53cを有する例を挙げたが、これに限らない。例えば、蓄圧弁を用いていない直圧式の第1実施形態のトリガー式液体噴出器1では、シリンダ装着筒40が係止突起69を有しておらず、シリンダ53が抜け止め部53cを有していなくてもよい。この場合でも、上述したシリンダ嵌合構造およびシリンダ締め代構造により、シリンダ装着筒40に対してシリンダ53が固定され、前方への抜け出しは抑制される。すなわち、シリンダ53は、第1係止凸部53jおよび第2係止凸部53kを「抜け止め部」として有していてもよい。上記構成によれば、部品点数を抑えつつシリンダ53を抜け止めでき、かつシリンダ装着筒40およびシリンダ53の各材料(樹脂)使用量をより抑えられる。
ノズル部材5は、噴出孔6を囲い、かつ内側に外気を導入する外気導入孔が形成された造泡筒を備えていてもよい。この場合、噴出孔6から液体を泡状にして噴出することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態および変形例を適宜組み合わせてもよい。
1,20…トリガー式液体噴出器、2…噴出器本体、5…ノズル部材、6…噴出孔、10…縦供給筒部、40…シリンダ装着筒、51…トリガー部、52…ピストン、53…シリンダ、53b…係止部、53c…抜け止め部、53d…鍔部、53e…ピストンガイド筒部、62…ピストンガイド、72…ピストン本体部、73…摺動筒部、A…容器体、T…トリガー機構

Claims (3)

  1. 容器体に装着される噴出器本体と、
    前記噴出器本体の前方に設けられ、前記容器体内の液体を噴出する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
    前記噴出器本体は、
    上下方向に延び、前記容器体内の液体を吸い上げる縦供給筒部と、
    前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に配設されるトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、を備え、
    前記トリガー機構は、
    前記トリガー部に連動して前後方向に移動するピストンと、
    前記ピストンが挿入され、かつ内部が前記縦供給筒部内に連通するシリンダと、を備え、
    前記シリンダは、前記ピストンの一部に前方から係止可能に対向する係止部を有し、
    前記係止部は、前記シリンダの内周面に突設され、前記シリンダと一体に形成されており、
    前記噴出器本体は、前記縦供給筒部から前方に向けて突出し、内部に前記シリンダが嵌合するシリンダ装着筒を有し、
    前記シリンダ装着筒は、前記シリンダ装着筒の外周面に突設される係止突起を有し、
    前記シリンダは、前記シリンダ装着筒に係止され、前記シリンダ装着筒に対する前記シリンダの前方への抜け出しを規制する抜け止め部を有し、
    前記抜け止め部は、
    前記シリンダの外周面の外側に位置し、前記シリンダの前端部から後方に向けて延びる抜け止め腕部と、
    前記抜け止め腕部の後端部に接続され、前記係止突起に対して後方から接触する抜け止め係止部と、を有し、
    前記シリンダの中心軸であるシリンダ軸回りに隣り合う一対の前記抜け止め腕部の各後端部に、前記抜け止め係止部の前記シリンダ軸回りの両端部が接続されている
    トリガー式液体噴出器。
  2. 前記噴出器本体は、前記縦供給筒部から前方に向けて突出し、前記シリンダ装着筒内に配置されるピストンガイドを有し、
    前記ピストンは、
    後方に向けて開口し、内部に前記ピストンガイドが挿入されるピストン本体部と、
    前記ピストン本体部の外周面に突設され、前記シリンダの内周面に摺接する摺動筒部と、を有し、
    前記係止部は、
    前記シリンダの内周面に突設される環状の鍔部と、
    前記鍔部の内周部に接続されて前後方向に延び、内部に前記ピストン本体部が挿入されるピストンガイド筒部と、を有する、
    請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
  3. 前記鍔部が、前記摺動筒部に対して前方から係止可能である、
    請求項2に記載のトリガー式液体噴出器。
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