JP2018089549A - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Abstract
Description
従来のトリガー式液体噴出器では、容器体と連通する縦供給筒部の上部に、前方に向けて延びる射出筒部が設けられている。射出筒部の先端側にはノズルが付設されている。射出筒部の下方には、トリガー部の操作により作動するシリンダが配置されている。そして、トリガー部の操作を行うことで、縦供給筒部からシリンダ内に液体を吸い上げることができると共に、その液体を射出筒部からノズルを経て前方に噴射(噴出)させることができる。
また、これと同時に縦供給筒部内を通過した液体を、切換通路を通じて貯留シリンダ内にも導入することができる。これにより、貯留シリンダ内の貯留プランジャを、軸方向の他方側への付勢力に抗して軸方向の一方側に向けて移動させることができる。従って、トリガー部を引く操作を行う毎に、液体を第1噴出孔から噴射させつつ、貯留プランジャを軸方向の一方側に移動させて貯留シリンダ内に液体を溜める(充填する)ことができる。
しかも、貯留プランジャに作用する付勢力に抗して貯留プランジャを軸方向の一方側に移動させているので、液体を加圧した状態(蓄圧状態)で貯留シリンダ内に充填することができる。
従って、トリガー部を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
従って、その後に、ノズル部材を連通位置に位置させて連続噴射を再開する際に、加圧された液体が第1噴出孔から不意に勢いよく噴射されてしまうような不都合を防止することができる。
そして、ノズル部材を遮断位置に位置させた場合には、切換通路が縦供給筒部内と第2噴出孔とを連通させるので、第1噴出孔からの液体の噴射を停止させつつ、第2噴出孔から液体を外部に向けて噴射させることができる。このとき、切換通路によって縦供給筒部内と貯留シリンダ内との連通は依然として遮断されているので、貯留シリンダ内で液体が加圧されることを防止しつつ、第2噴出孔から液体を噴射させることができる。
従って、その後に、ノズル部材を遮断位置から連通位置に移行させ、第1噴出孔からの連続噴射を再開する際に、加圧された液体が第1噴出孔から不意に勢いよく噴射されてしまうような不都合を防止することができる。
以下、本発明に係るトリガー式液体噴出器の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体2と、第1ノズル孔(第1噴出孔)4及び第2ノズル孔(第2噴出孔)5が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10に対して接続筒部11が位置する方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、且つ大径部12aよりも径が小さい小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bは頂壁部12dによって上部開口部が塞がれている。
内筒13の大径部13aにおいて、外筒12の大径部12aから下方に突出した部分には、その径方向の外側に向けて突出する環状の鍔部13dが形成されている。鍔部13dは、容器体Aの口部A1に装着(例えば螺着)される装着キャップ14の上端部内に配設され、装着キャップ14の上端部をその軸線回りに回転可能に係止する。
鍔部13dは、装着キャップ14と容器体Aの口部A1における上端開口縁とにより上下方向に挟まれる。
なお、外筒12及び内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方に偏心している。
吐出弁30は、内筒13内に嵌合され、外筒12における頂壁部12dの下面に当接するベース部31と、ベース部31の下方に配置され、内筒13の内周面に段差状に形成された弁座32に対して上方から当接する弁体33と、ベース部31及び弁体33を上下に連結する中空ばね部34と、を備えている。
なお、弁体33は中空ばね部34の付勢力に抗して上昇し、弁座32から離間することで、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間と、を連通させる。
このテーパ筒部35は、下方に向かうに従って漸次縮径している。テーパ筒部35の内側には、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座するボール弁36が配置されている。ボール弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、を連通及び遮断する。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口していると共に、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体に形成されている。
外筒部60は、シリンダ用筒部40の内側に嵌合されている。シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において密接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部には、環状の隙間S2が確保されている。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66及び第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁30とボール弁36との間に位置する空間に連通している。
従って、吐出弁30が接続筒部11内と主シリンダ53内との連通及びその遮断を切換え、ボール弁36が容器体A内と主シリンダ53内との連通及びその遮断を切換える。
なお、主シリンダ53及び主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方及び後方に向かうに従って漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが外筒部60の内周面に対して摺接している。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52とは、互いに連結されている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から見た側面視で前方に凸の円弧状に形成され、且つ接続筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
これら主板ばね54a及び副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54d及びポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれて移動すると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
貯留部材90は、接続筒部11及び縦供給筒部10の上方に配置され、トリガー部51の後方への揺動によって、縦供給筒部10内及び接続筒部11内を通過した液体が内部に供給される貯留シリンダ91と、貯留シリンダ91内にその中心軸線に沿う軸方向に移動可能に配設された貯留プランジャ92と、貯留シリンダ91の前壁部100から前方に向けて延びたガイド筒部93と、ガイド筒部93から下方に向けて延び、接続筒部11よりも前方に配置される中間筒部94と、中間筒部94から後方に向けて延び、接続筒部11に装着された装着筒部95と、を備えている。
貯留部材90は、装着筒部95が接続筒部11に装着されることで、接続筒部11に対して一体に組み合わされている。
貯留シリンダ91は、前壁部100、及び前壁部100から後方に向けて延びたシリンダ筒101を備え、後方に開口した筒状に形成されている。
なお、前壁部100のうち、供給孔102よりも下方に位置する部分の後面には、前方に向けて窪むと共に供給孔102に連通する供給溝103が形成されている。
シリンダ筒101の後端部には、二重筒状のキャップ105が後方から装着されている。キャップ105は、シリンダ筒101の内側に後方から嵌合されたキャップ内筒106と、シリンダ筒101の外側に後方から外嵌されたキャップ外筒107と、を備えている。
キャップ外筒107は、シリンダ筒101に形成された係止突起104に対して前方から係止されている。これにより、キャップ105は後方への抜け止めがされた状態でシリンダ筒101に装着されている。
ロッド110の外周面には、シリンダ筒101の内周面に向けて突出する拡径ガイド部111と、軸線O2回りに間隔をあけて配置された複数のリブ片112と、が形成されている。リブ片112は、拡径ガイド部111の後端部に一体に形成されている。ただし、リブ片112は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
プランジャ筒121の外周面には、プランジャ筒121の周方向の全周に亘ってリップ部123が形成されている。リップ部123は、拡径ガイド部111よりも前方に配置され、シリンダ筒101の内周面上を前後方向に密に摺動する。
コイルばね125は、ロッド110を囲繞するように配置され、後端部がキャップ内筒106に対して前方から接触し、且つ前端部がリブ片112に対して後方から接触している。これにより、コイルばね125は、貯留シリンダ91内において貯留プランジャ92を前方に向けて常時付勢している。
これに対して、貯留プランジャ92の後方移動によって、コイルばね125が最大限圧縮したときの貯留プランジャ92の位置を最後退位置とする(図13参照)。従って、貯留プランジャ92が最後退位置に達している場合には、貯留シリンダ91内に液体が最大量収容されている。
なお、本実施形態では、軸線O3方向から見た平面視で軸線O3に直交する方向を径方向といい、軸線O3回りに周回する方向を周方向という。
従って、本実施形態では、軸線O2を基準とした径方向及び周方向、軸線O3を基準とした径方向及び周方向が含まれるが、軸線O2及び軸線O3は互いに離れ且つ方向も異なるため、ガイド筒部93周辺の構成部材の説明において径方向及び周方向という場合には、軸線O2を基準とした径方向及び周方向とは区別する表現をあえて用いることなく、軸線O3を基準とした径方向及び周方向をいう。
突起片131の前端部は、前方隔壁130に対して一体に形成され、突起片131の後端部は貯留シリンダ91に対して一体に形成されている。これにより、突起片131は、前方隔壁130、ガイド筒部93及び貯留シリンダ91を一体に連結して、前方隔壁130における上端部側を補強している。なお、カバー体55は、突起片131の上端縁に配置された状態で組み付けられている。
前方隔壁130の上端部には、前方に向けて突出すると共に、後述する第1連結筒部151よりも上方に配置された位置決め突起132が形成されている。
縦孔135内には、縦孔135のほぼ全長に亘って栓体136が下方から挿入されている。栓体136は、貫通孔126を開放し、且つ縦孔135の下端開口を密に閉塞した状態で、縦孔135の内周面との間に微小流路137を形成している。縦孔135の空間容積は、栓体136によって小さく形成されている。
従って、縦供給筒部10内は、接続筒部11内、通路孔138、微小流路137及び貫通孔126を通じて、ガイド筒部93の内部に連通する。
挿入部139は、接続筒部11の内部空間のうち上側部分に僅かな隙間S3を確保するように、接続筒部11内における前後方向のほぼ全長に亘って前方から挿入されている。これにより、挿入部139は、接続筒部11内の空間容積を小さくしている。
なお、供給孔102は、ガイド軸部150とガイド筒部93との間に形成されている。
具体的には、ノズル部材3は、貯留部材90の第1連結筒部151に対して軸線O3回りに回転可能に装着され、前方隔壁130よりも前方に配置されている。よって、ノズル部材3は噴出器本体2に対して軸線O3回りに相対回転可能とされている。
第2連結筒部161及び切換筒部162は、軸線O3と同軸上に配置されている。
切換筒部162は、外周面がガイド筒部93の内周面に対して密に接触し、且つ内周面がガイド軸部150の外周面に対して密に接触した状態で、ガイド筒部93とガイド軸部150との間に嵌合されている。これにより、切換筒部162は、ガイド筒部93及びガイド軸部150によってガイドされながら、軸線O3回りに回転可能とされている。そのため、ノズル部材3の全体は、がたつき少なく安定した状態で軸線O3回りに回転可能とされている。
回転突起163及びシール筒部164は、軸線O3と同軸上に配置されている。
ただし、後方外郭筒部165の形状は、軸線O3方向から見た正面視で、円形状や三角形状以外の多角形状(例えば四角形状)に形成されていても良い。
後方外郭筒部165は、図4に示すように、第1壁部170、第2壁部171及び第3壁部172が角部173を介して周方向に繋がった三角形状に形成されている。従って、ノズル部材3を軸線O3回りに約120度の回転角度毎に回転させることで、第1壁部170、第2壁部171及び第3壁部172を順番にカバー体55の上面側に位置させることができる。
一対の係合リブ177は、位置決め突起132の周幅分の間隔を少なくとも周方向にあけて配置され、位置決め突起132に対して周方向から乗り越え可能に係合可能とされている。これにより、例えば図4に示すように、第1壁部170が上方に向くようにノズル部材3を回転させたときに、一対の係合リブ177の間に位置決め突起132を配置させて、ノズル部材3を位置決めすることが可能とされている。同様に、第2壁部171及び第3壁部172が上方に向くようにノズル部材3を回転させたときであっても、その位置にノズル部材3を位置決めすることが可能とされている。
ただし、ノズル壁部160及び前方外郭筒部166の形状は、軸線O3方向から見た正面視で、円形状や三角形状以外の多角形状(例えば四角形状)に形成されていても良い。
ノズル軸部180及び囲繞筒部181は、軸線O3よりも上方に偏心して位置された中心軸線に沿って延びている。
ノズル軸部180には、第1ノズル孔4が形成されたノズルキャップ184が装着されている。第1ノズル孔4は、流通路182を介して流通孔183に連通している。
図示の例では、第1ノズル孔4は軸線O3方向から見た正面視で、第2ノズル孔5よりも径が小さい円形状に形成されていると共に、環状の流通路182を経由した液体を噴射させる。これにより、第1ノズル孔4は、第2ノズル孔5とは異なる噴射態様で液体を噴射させることが可能とされている。
本実施形態では、噴射角が大きく、且つ粒径が小さい微細な霧状の噴射態様で第1ノズル孔4から液体を噴射させる。また、噴射角(広がり角)が小さく、直線状に等しい噴射態様で第2ノズル孔5から液体を噴射させる。特に第1ノズル孔4から液体を噴射させる場合には、液体を環状の流通路182内を流通させるので、液体にスピンをかけることができ、微細な霧状で噴射させ易い。
ノズル部材3は、この切換通路190を利用して、第1吐出位置P1において第1ノズル孔4から液体を霧状に外部に噴射させ、第2吐出位置P2において第2ノズル孔5から液体を直線状に外部に噴射させ、停止位置P3において第1ノズル孔4及び第2ノズル孔5からの液体の噴射を停止させるように構成されている。
図5、図7及び図9に示すように、ガイド軸部150のうち、前方隔壁130よりも前方に位置する前端部側の外周面には、軸線O3に沿って直線状に延びると共に前方に開口する第1切換溝191が形成されている。これにより、第1切換溝191は第1流通空間167内に常時連通している。第1切換溝191は、ガイド軸部150における下側部分に形成されている。
ガイド筒部93の内周面には、軸線O3に沿って直線状に延びると共に前方に開口する第2切換溝192が形成されている。これにより、第2切換溝192は第2流通空間168内に常時連通している。第2切換溝192は、ガイド筒部93の下側部分に形成されている。
そして、切換筒部162のうち貫通孔126よりも後方に位置する部分には、図5及び図10に示すように、切換筒部162を上下方向に貫通する切換孔193が形成されている。切換孔193は、軸線O3に沿って直線状に延びるスリット状に形成されていると共に後方に開口している。特に、切換孔193は、ノズル部材3を第1壁部170が上方を向いた第1吐出位置P1に位置させたときに下方に配置されて、貫通孔126に連通するように形成されている。
よって、第2吐出位置P2及び停止位置P3は、縦供給筒部10内と貯留シリンダ91内と第1ノズル孔4との連通を遮断する遮断位置として機能する。
第4切換溝195は、切換孔193及び第3切換溝194に対して周方向にずれた位置に形成されている。具体的には、第4切換溝195は、ノズル部材3を第2壁部171が上方を向いた第2吐出位置P2に位置させたときに下方に配置されて、貫通孔126に連通するように形成されている。
なお、第1遮断位置及び第2遮断位置は、上述した遮断位置に含まれる。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1を使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。また、図1に示すように、貯留部材90に対してノズル部材3を軸線O3回りに回転させて、第1壁部170が上方を向いた第1吐出位置P1に位置決めされているものとする。
そのため、切換通路190を通じて貫通孔126から第1ノズル孔4まで液体を供給することができる。すなわち、貫通孔126から切換孔193、第3切換溝194、第1切換溝191、第1流通空間167、流通孔183及び流通路182を通じて第1ノズル孔4まで液体を供給することができる。
これにより、第1ノズル孔4から液体を外部に霧状に噴射させることができる。
しかも、コイルばね125の付勢力に抗して貯留プランジャ92を後方に移動させているので、液体を加圧した状態(蓄圧状態)で、貯留シリンダ91内に充填することができる。
すると、新たに吸い上げられた液体は、ボール弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。
これにより、貯留シリンダ91内に溜まった液体を、切換通路190を通じて第1ノズル孔4側に向けて押し出すことができ、図5に示すように第1ノズル孔4から加圧された液体を引き続き霧状に噴射させることができる。
また、貯留シリンダ91内の圧力を速やかに上昇させて、貯留プランジャ92を直ちに後方移動させ易くなるので、プライミング回数を抑えながら速やかに液体を噴射させることができる。従って、使い勝手が良く、操作性に優れている。
この場合、貯留プランジャ92は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、貯留シリンダ91内に徐々に液体を溜めることができる。そして、貯留プランジャ92を例えば最後退位置まで移動させることで、貯留プランジャ92が最後退位置から最前進位置に移動するまでの長時間に亘って、液体を連続噴射することができる。
これにより、第4切換溝195を貫通孔126に連通させることができると共に、第2ノズル孔5を第2流通空間168内に連通させることができる。つまり、ノズル部材3を第2吐出位置P2に位置させることで、切換通路190は縦供給筒部10内と第2ノズル孔5とを連通させる。またこれと同時に、切換孔193及び第3切換溝194が貫通孔126に対して周方向にずれた位置に移動するので、切換通路190は縦供給筒部10内と貯留シリンダ91内との連通を遮断すると共に、縦供給筒部10内と第1ノズル孔4との連通を遮断する。
その結果、第1ノズル孔4からの液体の噴射を停止させつつ、第2ノズル孔5から外部に向けて直接状の液体を噴射させることができる。
また、切換筒部162が貫通孔126を閉塞するので、切換通路190は縦供給筒部10内と貯留シリンダ91内との連通を遮断すると共に、縦供給筒部10内と第1ノズル孔4との連通を遮断し、さらに縦供給筒部10内と第2ノズル孔5との連通を遮断する。
例えば図7に示すようにノズル部材3を第2吐出位置P2に位置させた場合には、切換通路190によって縦供給筒部10内と貯留シリンダ91内の連通が遮断されるので、貯留シリンダ91内に液体が供給されてしまうことを防止でき、貯留シリンダ91内で液体が加圧されてしまうことを防止することができる。
従って、その後に、ノズル部材3を軸線O3回りに回転させて、第2吐出位置P2から第1吐出位置P1に移行させ、第1ノズル孔4からの連続噴射を再開する場合に、加圧された液体が第1ノズル孔4から不意に勢いよく噴射されてしまうような不都合を防止することができる。
従って、その後に、ノズル部材3を軸線O3回りに回転させて、停止位置P3から第1吐出位置P1に移行させたとしても、加圧された液体が第1ノズル孔4から不意に勢いよく噴射されてしまうような不都合を防止することができる。
次に、本発明に係るトリガー式液体噴出器の第2実施形態について図面を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
内筒13内には、第1実施形態における吐出弁30が設けられておらず、ボール弁36だけが配設されている。よって、ボール弁36は、内筒13内においてテーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、を連通及び遮断する。
接続筒部201内には、逆止弁202が設けられている。
従って、逆止弁202は、縦供給筒部10側から中間筒部94側に向けた液体及び空気の流れを許容し、中間筒部94側から縦供給筒部10側に向けた液体及び空気の流れを規制している。
貯留シリンダ230は、貯留部材本体220の後方に配置されている。これにより、ノズル部材3、貯留部材本体220及び貯留シリンダ230は、前後方向に一列に並ぶように配置されている。
なお、シリンダ用筒部40は、接続筒部201と共通の隔壁W1を有すると共に、フランジ部12cと共通の隔壁W2を有している。
段部242は、前側から後側に向かうに従い漸次拡径している。後筒部241は、縦供給筒部10よりも後方に向けて突出している。後筒部241には、後筒部241を上下方向に貫通する係合孔243が後筒部241の周方向に間隔をあけて複数形成されている。
連絡溝245は、前筒部240の後端部における内周面に形成されている。連絡溝245は、前後方向に延びると共に後方に向けて開口している。図示の例では、連絡溝245は軸線O2回りに間隔をあけて複数配置されている。
回収通路247は、外筒12と内筒13との間に設けられ、縦供給筒部10を上下方向に縦断している。具体的には、回収通路247は内筒13の外周面に縦溝状に形成され、小径部13bを上下方向に貫通して大径部13a内に連通している。これにより、回収通路247は回収孔246と容器体A内とを連通している。
キャップ260は、後筒部241の内側に嵌合したキャップ筒261と、キャップ筒261の後端開口部を閉塞するキャップ壁262と、を備え、軸線O2と同軸に配置されている。
キャップ筒261には、後筒部241に形成された係合孔243に対して前方から係合する係合突起263が形成されている。これにより、キャップ260は、後方への抜け止めがされた状態で後筒部241に装着されている。
なお、キャップ壁262の中央部には、該キャップ壁262を前後方向に貫通して、貯留シリンダ230内と外部とを連通させる開口部264が形成されている。
摺動部材270は、前後方向に延びるプランジャ筒271と、プランジャ筒271の前端開口を閉塞する閉塞壁272と、を備えている。
プランジャ筒271は、前側から後側に向かうに従い漸次拡径する多段の筒状に形成されている。プランジャ筒271の外周面には、プランジャ筒271の周方向の全周に亘って第1リップ部273及び第2リップ部274が形成されている。
特に貯留プランジャ92は、コイルばね125によるばね力によって前方に付勢されているので、閉塞壁272の前端面が前壁部231の後端面に対して前方付勢状態で後方から当接している。これにより、貯留プランジャ92は、連通孔231を直接的に塞いでいる。
なお、連通孔236は、第1結合筒部280の内側に配置されている。また、第1結合筒部280は、接続筒部201よりも前方に突出している。
第1結合筒部280に対して第2結合筒部291が嵌合することで、貯留部材本体220と貯留シリンダ230とは前後方向に並んだ状態で一体に組み合わされている。
本実施形態のトリガー式液体噴出器200であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
例えば、図14及び図15に示すように、ノズル部材3が第1吐出位置P1に位置しているときに、トリガー部51を後方に引く操作を行うことで、トリガー部51の後方移動に伴って主ピストン52が後退するので、主シリンダ53内の液体を、連通筒部208内を通じて内筒13に導入することができる。すると、内筒13に導入された液体は、ボール弁36を押し下げて閉弁させると共に、接続筒部201内に供給され、中空ばね部205を弾性変形させながら第2隔壁204を前方に向けて押し込んで逆止弁202を開弁させる。
また、ノズル部材3を第2吐出位置P2に位置させることで、液体を第2ノズル孔5から直線状に噴射させることができる。
さらに、ノズル部材3を停止位置P3に位置させることで、第1ノズル孔4及び第2ノズル孔5からの液体の噴射を停止させることができる。
それに加え、接続筒部201内に逆止弁202が配置されているので、接続筒部201内及び縦供給筒部10内に液体が逆流することや、外気が入り込むことを防止することができ、作動の信頼性を向上することができる。
従って、貯留プランジャ92が後側に十分に移動した状態で、更に液体が貯留シリンダ230内に導入されるときに、この液体を回収通路247から容器体A内に戻すことができる。これにより、貯留シリンダ230内の圧力が過度に高くなるのを抑え、例えば、貯留シリンダ230の損傷などを防ぎ易くすることができる。
また、トリガー部51が後方に揺動可能とされていたが、トリガー部51が後方に移動する形態を適宜採用することが可能である。例えば、トリガー部51が後方に向けてスライド移動可能とされていても良い。さらに、トリガー部51の操作をロックする機構をさらに設けても構わない。
さらに、液体の噴射態様を、第1ノズル孔4と第2ノズル孔5とで異なるように構成したが、同じ噴射態様で噴射させても構わない。この場合には、ノズル部材3を第1吐出位置P1に位置させることで、液体を第1ノズル孔4から噴射させつつ、貯留シリンダ91(或いは230)内にも溜めることができるので、その後に連続噴射を行うことができる。また、ノズル部材3を第2吐出位置P2に位置させることで、貯留シリンダ91(或いは230)内に液体を溜めることなく、第2ノズル孔5から液体を噴射させることができる。従って、連続噴射を望まず、数回の簡単な噴射だけを希望する場合には、有効である。
P2…第2吐出位置(遮断位置、第1遮断位置)
P3…停止位置(遮断位置、第2遮断位置)
A…容器体
1、200…トリガー式液体噴出器
2…噴出器本体
3…ノズル部材
4…第1ノズル孔(第1噴出孔)
5…第2ノズル孔(第2噴出孔)
10…縦供給筒部
50…トリガー機構
51…トリガー部
91、230…貯留シリンダ
92…貯留プランジャ
190…切換通路
Claims (4)
- 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に、前記噴出器本体に対して相対移動可能に配置され、液体を噴射する第1噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前方付勢状態で後方に移動可能に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記第1噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、
前記トリガー部の後方への移動によって、前記縦供給筒部内を通過した液体が内部に供給される貯留シリンダと、
前記貯留シリンダ内に、前記貯留シリンダの中心軸線に沿う軸方向に移動可能に配設され、前記貯留シリンダ内への液体の供給に伴って前記軸方向のうちの一方側に向けて移動すると共に、他方側に向けて付勢された貯留プランジャと、を備え、
前記ノズル部材と前記噴出器本体との間には、前記噴出器本体に対する前記ノズル部材の相対移動に伴って、前記縦供給筒部内と前記第1噴出孔と前記貯留シリンダ内との連通、及びその遮断を切り換える切換通路が形成され、
前記ノズル部材は、前記噴出器本体に対する相対移動に伴って連通位置と遮断位置との間を移動可能とされ、
前記切換通路は、前記ノズル部材が前記連通位置に位置したときに、前記縦供給筒部内と前記貯留シリンダ内と前記第1噴出孔とを連通させ、且つ前記ノズル部材が前記遮断位置に位置したときに、前記縦供給筒部内と前記貯留シリンダ内との連通を遮断する、トリガー式液体噴出器。 - 請求項1に記載のトリガー式液体噴出器において、
前記切換通路は、前記ノズル部材が前記遮断位置に位置したときに、前記縦供給筒部内と前記第1噴出孔との連通をさらに遮断する、トリガー式液体噴出器。 - 請求項2に記載のトリガー式液体噴出器において、
前記ノズル部材には、前記切換通路を通じて前記縦供給筒部内に連通可能とされると共に、液体を前記第1噴出孔とは異なる噴射態様で噴射する第2噴出孔が形成され、
前記切換通路は、前記ノズル部材が前記連通位置に位置したときに、前記縦供給筒部内と前記第2噴出孔との連通を遮断させ、且つ前記遮断位置に位置したときに、前記縦供給筒部内と前記第2噴出孔とを連通させる、トリガー式液体噴出器。 - 請求項3に記載のトリガー式液体噴出器において、
前記遮断位置は、前記縦供給筒部内と前記第2噴出孔とを連通させる第1遮断位置と、前記縦供給筒部内と前記第2噴出孔との連通をさらに遮断する第2遮断位置と、を備え、
前記ノズル部材は、前記噴出器本体に対する相対移動に伴って前記第1遮断位置と前記第2遮断位置との間を移動可能とされている、トリガー式液体噴出器。
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