JP2017170281A - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Abstract
Description
従来のトリガー式液体噴出器では、容器体内と連通する縦供給筒部の上部に、前方に向けて延びる射出筒部が設けられている。射出筒部の前端側には、容器体内の液体を噴射(噴出)させる噴出孔を備えたノズルが配置されている。射出筒部の下方には、前方付勢状態で後方に揺動自在に支持されたトリガー部と、トリガー部の操作によって作動する供給手段と、が配置されている。
前方付勢力に抗してトリガー部が操作されると、供給手段が作動し、縦供給筒部を通して容器体内から液体を吸い上げ、その液体を射出筒部およびノズルの噴出孔を経て前方に噴射させることができる。このとき、トリガー部に作用する前方付勢力を起因として、射出筒部に下方に向けた力が加えられる。トリガー部の操作を解除すると、トリガー部に作用する前方付勢力によってトリガー部が復元変位するとともに、供給手段が待機状態に復帰する。
例えばトリガー部の1度の操作(以降、1ストロークと記す)で噴射する液体の量を多くするために、供給手段を大型にする場合がある。このとき、供給手段を作動させるための力が大きくなるのに伴い、作動した供給手段を待機状態に復帰させるのに必要な力も大きくなるため、トリガー部に作用する付勢力も大きくする必要がある。これにより、射出筒部に下方に向けた大きな力が加えられて、射出筒部が下方に傾く場合がある。
また、軽量化などのために射出筒部を薄肉に形成した場合にも、射出筒部に加えられる下方に向けた力によって、射出筒部が下方に傾く場合がある。
上記のように射出筒部が下方に傾くと、射出筒部の前端側に配置されたノズルが下方に変位し、噴出孔が下を向いてしまうおそれや、射出筒部が変形してしまうおそれがあった。
なお、シリンダを前後方向に延びる円筒状に形成した場合には、シリンダの前後方向における剛性が向上するから、シリンダが前後方向の圧縮力によって変形するのが防止されるため、上記効果をより確実に奏功させることができる。
また、規制部が上下方向において弾性部材の固定部および係止部の間に配置されるため、上下方向のかさ張りを抑えたコンパクトなトリガー式液体噴出器を提供することができる。
また、弾性部材がトリガー部の左右両側からトリガー部に付勢力を付与するため、トリガー部が左右方向にねじれるのを抑止しつつ、この左右両側に配設された弾性部材の間において規制部がトリガー部を前後方向に貫いているため、左右方向のかさ張りを抑えたコンパクトなトリガー式液体噴出器を提供することができる。
図1に示されるように、トリガー式液体噴出器1は、液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体2と、液体を噴射する噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の各部材は、特に記載がなければ合成樹脂を材料として射出成形などにより形成されている。
さらに噴出器本体2は、射出筒部11に対して前方側から装着されて射出筒部11の前端開口部11aを閉塞するとともに、射出筒部11内と噴出孔4とを連通する連通孔25が形成された閉塞部材20と、射出筒部11から下方に向けて延び、前方付勢状態で後方に揺動自在に配置されたトリガー部51と、射出筒部11の下方に配設され、トリガー部51の後方への揺動によって、液体を縦供給筒部10から射出筒部11内を通じて噴出孔4側に向けて流通させる供給手段50と、縦供給筒部10および射出筒部11の全体を上方、後方および左右方向から覆うカバー体55と、を備えている。
縦供給筒部10は、有頂筒状の外筒12と、外筒12内に嵌合される内筒13と、を備えている。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、かつ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bの上端開口部は頂壁部12dによって塞がれている。
外筒12において、射出筒部11よりも下方に位置する部分には、前方に向けて突出するシリンダ用筒部40が一体に形成されている。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口しているとともに、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体に形成されている。
なお、外筒12および内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの中心軸に対して後方側に偏心している。
このテーパ筒部35は、下方に向かうに従って漸次縮径している。テーパ筒部35の内側には、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の吸込弁36が配置されている。吸込弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、を連通および遮断する。
射出筒部11は、縦供給筒部10から前方に向けて突出し、後端部が縦供給筒部10における上端部の前側に接続されている。射出筒部11の内部は、外筒12に形成された外側吐出孔16、および内筒13に形成された内側吐出孔17を通じて縦供給筒部10の内部に連通している。
供給手段50は、吐出弁30と、吸込弁36と、トリガー部51の揺動に連動して前後方向に移動するピストン52と、ピストン52の移動に伴って内部が加圧および減圧し、かつ縦供給筒部10に装着されて内部が縦供給筒部10内に連通したシリンダ53と、からなる。
吐出弁30は上下方向に弾性変形可能に形成され、内筒13の上端部側の内側に配置されている。吐出弁30は、内筒13内に嵌合され、外筒12における頂壁部12dの下面に当接するベース部31と、ベース部31の下方に配置され、内筒13の弁座32に対して上方から当接する弁体33と、ベース部31および弁体33を上下に連結する中空ばね部34と、を備えている。
なお、弁体33は中空ばね部34の付勢力に抗して上昇し、弁座32から離間することで、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間とを連通させる。
シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において密接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部に、環状の隙間S2が確保されている。
これにより、シリンダ53の内側は、第1貫通孔66および第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁30と吸込弁36との間に位置する空間に連通している。従って、吐出弁30は、射出筒部11内とシリンダ53内との連通およびその遮断を切替え、吸込弁36は、容器体A内とシリンダ53内との連通およびその遮断を切替える。
なお、シリンダ53およびピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
フランジ部74は前後方向から見て環状に形成されており、ピストン本体部72と摺動筒部73とを連結している。
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方および後方に向かうに従って漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが外筒部60の内周面に対して摺接する。
なお、シリンダ53の外筒部60における内径を大きくして、トリガー部51の1ストローク当たりの噴出量を増加させる場合には、ピストン52のフランジ部74における外径を大きくすればよい。
トリガー部51は、左右方向から見て後方に向けて凹状に湾曲する前面を有する主板部材80と、主板部材80の左右の側縁部から後方に向けて起立する一対の側板部材81と、を備えている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。一対の連結軸86は、ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に各別に挿入されている。これにより、トリガー部51とピストン52とは、互いに連結されている。
射出筒部11の上面には上板部材84が取り付けられている。上板部材84は、上下方向から見て略矩形状に形成され、かつ射出筒部11の上面に固定された上面板84aと、上面板84aの左右方向の両端部から、下方に向けて各別に突出する一対の弾性部材54および一対の軸受け部84bと、を備える。一対の軸受け部84bおよび一対の弾性部材54は、左側の部分と右側の部分とでそれぞれ同一形状に形成されている。一対の弾性部材54は、トリガー部51および射出筒部11の左右方向の両側に各別に配置されるとともに、トリガー部51を前方付勢状態で支持している。
なお、本実施形態では上面板84aと、一対の軸受け部84bと、一対の弾性部材54と、が一体に形成されているが、それぞれが別体として形成されていてもよい。
一対の弾性部材54は、上下方向に延びるとともに左右方向から見て互いに同心の円弧状に形成された主板ばね54aおよび副板ばね54bと、これら板ばね54a、54bの上端部同士を接続する固定部54eと、これら板ばね54a、54bの下端部同士を接続する折り返し部54cと、折り返し部54cから下方に向けて突設された係止部54dと、を備えている。
係止部54dは、トリガー部51の側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて、このポケット部81aに係止されている。これにより、弾性部材54は、係止部54dおよびポケット部81aを介してトリガー部51を前方付勢状態で支持している。
また、係止部54dは、弾性部材54の弾性変形に伴ってポケット部81aに対して漸次上方に移動するが、トリガー部51が、その揺動しうる範囲のうち最後方の位置に至ってもポケット部81aへの係合状態を維持する。
閉塞部材20は、射出筒部11の前端開口部11aよりも前側に位置し、前端開口部11aに対して対向配置された対向板部21(対向部)と、対向板部21から後方に向けて延び、射出筒部11に外嵌された第1筒部22と、対向板部21から前方に向けて延びる第2筒部23と、第2筒部23の内側に位置し、かつ対向板部21から前方に向けて延びる中央突部24と、対向板部21のうち、第1筒部22より下方に位置する部分から後方に延在する規制部20aと、を備えている。
中央突部24は、第2筒部23よりも前方に突出することなく、第2筒部23の内側に収まるように形成されている。
なお、閉塞部材20の下端部が、トリガー部51の主板部材80の上端部に対して前方から当接することで、トリガー部51を待機位置に位置決めしている。
また、図1および図2に示すように、一対の規制部20aは左右方向から見て略矩形の板状に形成されている。一対の規制部20aの後端面は、シリンダ53のフランジ部53aに、フランジ部53aの前方から当接若しくは近接している。一対の規制部20aは、弾性部材54の固定部54eよりも下方で、かつ弾性部材54の係止部54dよりも上方に位置している。
なお、一対の規制部20aは前後方向に延びる板状に形成されているため、前後方向の圧縮力に対して剛性が高く、変形しにくい。
ノズル部材3は噴出器本体2よりも前方側に配置され、噴出孔4が形成されたノズル体152と、液体の噴出形態を霧状および泡状等に切り替えるためのノズル板175と、を備えている。
ノズル板175は、左右方向に延びる軸部176を備え、ノズル体152に対してこの軸部176回りに揺動可能に取り付けられている。
なお、外嵌筒部221は、第2筒部23に対して前方に抜け止めがされた状態で回転可能に装着されている。つまり、ノズル体152は第2筒部23の軸線回りに回転可能とされている。
ノズル壁部170の後面のうち、被支持筒部172の内側に位置する部分には、旋回路12eが凹状に形成されている。
なお、被支持筒部172と外嵌筒部221との間には、第2筒部23の内側に密接するシール筒部178が設けられている。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1の作用について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、吐出弁30は閉弁している。
トリガー部51が弾性部材54による前方付勢力に抗して後方に引かれると、弾性部材54には前方付勢力の反力Fが作用する。この反力Fは、図3中の矢印Fによって示されるように、弾性部材54が係止部54dにおいてトリガー部51から受ける後方に向けた力である。
反力Fにより、主板ばね54aおよび副板ばね54bは後方かつ下方に向けて引っ張られるため、弾性部材54の固定部54eには、図3の矢印Tによって示される引張力Tが作用する。そして、固定部54eは上面板84aとともに射出筒部11に固定されているため、射出筒部11は引張力Tによる下方に向けた力を受ける。
このように、弾性部材54がトリガー部51に作用させる前方付勢力を起因として、射出筒部11に下方に向けた力が加えられるため、前方付勢力が大きくなると射出筒部11に加えられる下方に向けた力も大きくなる。
このとき、射出筒部11の前方側には閉塞部材20が装着されており、閉塞部材には対向板部21から後方に向けて延在する規制部20aが形成されている。そして、規制部20aの後端面はシリンダ53のフランジ部53aに当接若しくは近接しているため、射出筒部11が下方に撓もうとすると、規制部20aの後端面がシリンダ53のフランジ部53aに当接して、これを押圧する。そして、シリンダ53は縦供給筒部10に装着されているため、シリンダ53が規制部20aから受けた押圧力は、縦供給筒部10に受け止められる。
また、軽量化や小型化などのために射出筒部11を薄肉に形成した場合にも、同様にして射出筒部11が下方に傾くのを抑止することができる。
さらに、シリンダ53が前後方向に延びる円筒状に形成されているため、シリンダ53の前後方向における剛性は大きく、シリンダ53が前後方向に圧縮する力によって変形することが防止されるため、上記効果をより確実に奏功させることができる。
また、規制部20aが上下方向において弾性部材54の固定部54eおよび係止部54dの間に配置されているため、上下方向のかさ張りを抑えたコンパクトなトリガー式液体噴出器1を提供することができる。
また、弾性部材54がトリガー部51の左右両側からトリガー部51に付勢力を付与するため、弾性部材54が左右のいずれか一方に配置された場合と比較してトリガー部51が左右方向にねじれるのを抑止しつつ、この左右両側に配設された弾性部材54の間において規制部20aがトリガー部51を前後方向に貫いているため、左右方向のかさ張りを抑えたコンパクトなトリガー式液体噴出器1を提供することができる。
また、前記実施形態ではシリンダ53とピストン52とを備える供給手段50を用いたが、これに限られず、例えば蛇腹状に収縮変形するポンプを備えた供給手段によって縦供給筒部10内から射出筒部11内を通じて噴出孔4側に向けて容器体A内の液体を流通させる供給手段を採用してもよい。
Claims (5)
- 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、内側が前記縦供給筒部の内部に連通した射出筒部と、
前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に揺動自在に配設されたトリガー部と、
前記射出筒部の下方に配設され、前記トリガー部の後方への揺動によって、前記液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内を通じて前記噴出孔側に向けて流通させる供給手段と、
前記射出筒部に対して前記射出筒部の前方側から装着されて前記射出筒部の前端開口部を閉塞するとともに、前記射出筒部内と前記噴出孔とを連通する連通孔が形成された閉塞部材と、を備え、
前記閉塞部材および前記供給手段のうちのいずれか一方には、他方に対して前後方向に当接若しくは近接する規制部が形成されていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 前記閉塞部材および前記供給手段は、前後方向で互いに対向する対向部を各別に備え、
前記規制部は、前記閉塞部材および前記供給手段の各対向部のうちのいずれか一方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記供給手段は、
前記トリガー部の揺動に連動して前後方向に移動するピストンと、
前記ピストンの移動に伴って内部が加圧および減圧し、かつ前記縦供給筒部に装着されて内部が前記縦供給筒部内に連通したシリンダと、を備え、
前記規制部は、前記閉塞部材および前記シリンダのうちのいずれか一方に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記噴出器本体は、前記トリガー部を前方付勢状態で支持する弾性部材を備え、
前記弾性部材は、前記射出筒部に固定された固定部と、該固定部の下方に配置され、前記トリガー部に係止された係止部と、を有し、
前記規制部は、前記固定部よりも下方で、かつ前記係止部よりも上方に位置していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器。 - 前記噴出器本体は、前記トリガー部を前方付勢状態で支持する弾性部材を備え、
前記弾性部材は、前記トリガー部および前記射出筒部の左右方向の両側に各別に配置され、
前記規制部は、前記トリガー部を前後方向に貫いていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
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- 2016-03-18 JP JP2016056030A patent/JP6647097B2/ja active Active
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