JP2019210000A - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Abstract
Description
噴出器本体は、上下方向に延びる縦供給筒部と、縦供給筒部の前方に配設され、縦供給筒部内の液体を噴出孔に導く射出筒部と、縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方移動可能に配設されたトリガー部と、トリガー部の前後動に伴い前後動するピストンと、ピストンの前後動に伴って加圧及び減圧させられるシリンダと、を備えている。
一方、トリガー部の前方への移動(復帰)に伴い、ピストンが前方に移動すると、シリンダ内が減圧される。シリンダ内が減圧されると、容器体内の液体が内筒内に吸い上げられることで、ボール弁が押し上げられる。これにより、ボール弁が弁座部から離間し、ボール弁と弁座部との間を通って液体がシリンダ内に流入する。
しかしながら、正倒立用アダプタを有するトリガー式液体噴出器を倒立姿勢で使用した場合には、ボール弁が自重によって弁座部から離間する。この状態において、噴出動作の際にピストンが後方に移動すると、シリンダ内や連絡通路内の液体がボール弁と弁座部との間の隙間を通じて容器体に向けて流れる可能性がある。すなわち、倒立姿勢において、シリンダ内や連絡通路内の液体を射出筒部に効率的に供給することができず、ピストンの移動量に応じた所望量の液体を噴出させることが難しい場合があった。その結果、正立姿勢と倒立姿勢とで噴射量のばらつきが生じる可能性があった。
本発明の一態様に係るトリガー式液体噴出器は、液体が収容される容器体に装着される噴出器本体と、前記噴出器本体の前方に配設され、液体を噴出する噴出孔が形成されたノズル部と、前記噴出器本体の下端部に取り付けられた正倒立用アダプタと、を備え、前記噴出器本体は、上下方向に延在するとともに、前記容器体内の液体を吸い上げる有頂筒状の縦供給筒部と、前記縦供給筒部の前方に配設され、前記縦供給筒部内の液体を前記噴出孔に導く射出筒部と、前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方移動可能に配設されたトリガー部と、前記トリガー部が連結され、前記トリガー部の前後動に伴い前後動するピストンと、前記ピストンの前後動に伴って加圧及び減圧させられるシリンダと、を有し、前記縦供給筒部は、前記容器体に連通するとともに、内周面から突設された弁座部を有する内筒と、前記内筒の周囲を取り囲むとともに、前記射出筒部及び前記シリンダ内に連通する連絡通路を前記内筒の外周面との間に画成する外筒と、を備え、前記内筒内において、前記弁座部と前記縦供給筒部の天壁部とで画成された収容空間には、前記連絡通路に連通するとともに、前記弁座部から接離可能な第1切替弁が収容され、前記正倒立用アダプタは、正立導入口を通じて前記容器体と前記縦供給筒部内との間を連通させる第1空間、及び倒立導入口を通じて前記容器体内と前記第1空間とを連通させる第2空間を画成するアダプタ本体と、前記噴出器本体が前記容器体に装着された状態で前記容器体の正立時に前記第1空間及び前記第2空間の連通を遮断し、前記容器体の倒立時に前記第1空間及び前記第2空間を連通させる第2切替弁と、を備え、前記容器体の倒立時に、前記第1切替弁が自重によって前記弁座部から離れて前記天壁部に当接した状態において、上下方向に沿う縦断面視で前記第1切替弁と前記弁座部との間の隙間における前記弁座部に直交する方向での最小断面積をD1、前記弁座部の最小開口面積をD2とすると、0.62≦D2/D1≦3.62に設定されている。
一方、D2/D1を3.62以下に設定することで、シリンダ内での負圧発生時に容器体内から吸い上げられた液体が通過可能な大きさに隙間を設定できる。そのため、ピストンをスムーズに移動させることが可能になるので、シリンダ内に効率的に液体を導入できるとともに、トリガー部の操作性を向上させることができる。
この構成によれば、断面積D1を10.0mm2以下に設定することで、断面積D1を比較的小さくすることができる。そのため、上述したように倒立姿勢での噴出量を確保し、正立姿勢と倒立姿勢とにおける噴出量のばらつきを抑制できる。
一方、断面積D1を1.7mm2以上に設定することで、シリンダ内での負圧発生時にシリンダ内に効率的に液体を導入できるとともに、トリガー部の操作性を向上させることができる。
この構成によれば、正立姿勢の際に、第1切替弁を弁座部に確実に着座させることができる。これにより、正立姿勢での噴出量を安定させることができる。
(第1実施形態)
図1に示す噴出容器1は、液体が収容される容器体2と、容器体2の口部2aに着脱可能に取り付けられたトリガー式液体噴出器(以下、単に噴出器3という。)と、を備えている。
噴出器3は、噴出器本体10と、ノズル部11と、正倒立用アダプタ12と、を備えている。なお、本実施形態の容器体2内に収容される液体には、例えば浴室やトイレ等に使用される洗剤(界面活性剤を含み泡化するもの)であって、水と同等の粘度を有するものが好適に用いられている。但し、容器体2内に収容される液体は、適宜変更が可能である。
以下の説明において、縦供給筒部14(後述する上外筒部23)の第1軸線O1に沿う方向を上下方向という。噴出容器1の正立姿勢において、上下方向における容器体2に向かう方向を下側、噴出器3に向かう方向を上側という。上下方向から見た平面視において、第1軸線O1に交差する方向を径方向という。径方向のうち、一方向を前後方向といい、縦供給筒部14から射出筒部15が延びる方向を前側といい、その反対方向を後側という。また、径方向のうち、前後方向に直交する方向を左右方向という。なお、図示の例において、第1軸線O1は、容器体2の容器軸線に対して後方に偏心している。但し、第1軸線O1と容器軸線とは同軸であってもよい。
外筒21は、下方に位置するものほど拡径された多段筒状に形成されている。具体的に、外筒21は、上外筒部23と、上外筒部23から下方に連なる下外筒部24と、を備えている。本実施形態において、上外筒部23及び下外筒部24は、何れも有頂筒状に形成されている。
上外筒部23の周壁部において、上下方向の中央部には、前方に向けて開口する供給口27が形成されている。
上内筒部31は、上外筒部23と同軸に配置されている。上内筒部31は、上外筒部23内に上外筒部23の下方から嵌合されている。上内筒部31の上部は、下部に比べて外径が小さい小径部34を構成している。したがって、上内筒部31(周壁部)の内周面と、小径部34の外周面と、の間には連絡通路S1が形成されている。連絡通路S1は、上述した吐出口26及び供給口27間を接続している。なお、小径部34の上端縁は、上外筒部23の天壁部に上外筒部23の下方から近接又は当接している。
シリンダ71は、前方に開口する有底筒状に形成されている。なお、以下の説明では、シリンダ71の中心軸線をシリンダ軸O3とする。シリンダ軸O3は、前後方向に延在している。
ピストンガイド78は、底壁部79の内周縁から前方に向けて突出している。ピストンガイド78は、後方に向けて開口する有頂筒状に形成されている。
ピストン本体91は、後方に向けて開口する有頂筒状に形成されている。ピストン本体91の内側には、上述したピストンガイド78が挿入されている。
トリガー部63は、下方に向かうに従い前方に向けて湾曲しながら延在している。トリガー部63の上端部は、左右方向に延びる軸線C1回りに回動可能に射出筒部15に連結されている。トリガー部63における上下方向の中央部は、ピストン本体91の前端部に、左右方向に延びる軸線C2回りに回動可能、かつ上下方向に移動可能に連結されている。ピストン72は、トリガー部63の軸線C1回りの回動動作に伴い、シリンダ71に対して前後動する。
連結部材100は、後方に開口する有頂筒状に形成されている。連結部材100の周壁部内には、射出筒部15の前端部が嵌合されている。連結部材100の前壁部には、前壁部を前後方向に貫通する連通孔105が形成されている。連通孔105は、射出筒部15の前端開口部15aを通じて射出筒部15内に連通している。
ノズル本体101の前壁部には、噴出孔112aを有するノズルキャップ112が組み付けられている。
第1取付部材140は、上方に位置するものほど縮径された多段筒状に形成されている。具体的に、第1取付部材140は、小径部145、中径部146及び大径部147を備えている。
中径部146は、第1フランジ150の外周縁から下方に延設されている。中径部146は、上述した第2軸線O2と同軸に配置されている。中径部146は、下内筒部32内に下内筒部32の下方から嵌合されている。これにより、下内筒部32の下端開口部が閉塞されている。中径部146の下端縁には、径方向の外側に張り出す第2フランジ152が形成されている。第2フランジ152は、下内筒部32の下端縁に下内筒部32の下方から近接又は当接している。
第1連通筒160は、第1軸線O1と同軸に配置されている。第1連通筒160には、小径部145の下端部(第1フランジ150よりも下方に突出した部分)が第1連通筒160の上方から嵌合されている。
第2連通筒161は、第1連通筒160の前方に連なっている。第2連通筒161は、下方に向かうに従い漸次縮径している。本実施形態において、第2連通筒161と第1取付部材140との間に画成された空間は、弁室(第2空間)165を構成している。弁室165は、上述した倒立導入口153を通じて容器体2内に連通している。弁室165には、ボール弁(第2切替弁)164が収容されている。ボール弁164は、第2連通筒161の下端開口縁に接離することで、第2連通筒161の下端開口を開閉する。
閉塞部170は、上方に開口する有底筒状に形成されている。閉塞部170は、仕切部材142を間に挟んだ状態で、大径部147内に嵌合されている。
固定筒171は、閉塞部170の後部(第1軸線O1と同軸となる位置)において、閉塞部170の底壁部を上下方向に貫いている。固定筒171の下部には、吸上パイプ175が嵌合されている。固定筒171の上端開口部(正立導入口)171aは、上述した第1連通筒160内に連通している。したがって、第1連通筒160は、固定筒171を通じて容器体2内に連通している。一方、第2連通筒161は、倒立導入口153を通じて容器体2内に連通している。
0.62≦D2/D1≦3.62…(1)
0.53≦D3/D1≦3.1…(2)
D3/D1を0.53以上とすることで、倒立姿勢による噴出動作時において、連絡通路S1内を流れる液体のうち、隙間P1を通過する液体の流量に比べ、射出筒部15内に流れ込む液体の流量を多くすることができる。その結果、正立姿勢と倒立姿勢とにおける噴出量のばらつきを低減できる。
一方、D3/D1を3.1以下とすることで、シリンダ71内に液体を効率的に導入することができる。なお、上述した効果をより発揮させるためには、0.77≦D3/D1≦1.5であることがより好ましい。
噴出容器1の正立姿勢において、容器体2内の液体を噴出させるには、トリガー部63を弾性板部64の付勢力に抗して後方に引く。すると、トリガー部63の後方移動に伴ってピストン72が後退することで、シリンダ71内が加圧される。シリンダ71内が加圧されると、シリンダ71内の液体が連絡通路S1を通じて収容空間40に流入することで、ボール弁41が弁座部35に押さえ付けられる。これにより、容器体2内と連絡通路S1の間の連通が遮断される。そのため、シリンダ71内の液体が、連絡通路S1を通して射出筒部15内に導入される。射出筒部15内に液体が導入されると、射出筒部15内が加圧される。すると、連通孔105を通して蓄圧弁102における小径ピストン部102a及び大径ピストン部102bの内部が加圧される。
噴出容器1の倒立姿勢においても、トリガー部63を後方に引くことで、シリンダ71内が加圧される。すると、シリンダ71内や連絡通路S1内の液体は、射出筒部15内及び収容空間40のそれぞれに導入される。この際、射出筒部15を通過する際の流通抵抗は、ボール弁41と弁座部35との隙間P1を通過する際の流通抵抗に比べて小さくなるように隙間P1が設定されている。そのため、液体は、射出筒部15内に積極的に導入されることで、上述したように噴出孔112aから噴射される。
この構成によれば、D2/D1を0.62以上に設定することで、断面積D1を比較的小さくすることができる。そのため、倒立姿勢による噴出動作時において、連絡通路S1内を流れる液体がボール弁41と弁座部35との間の隙間P1を通過し難くなる。すなわち、連絡通路S1内を流れる液体のうち、隙間P1を通過する液体の流れに比べ、射出筒部15内に流れ込む液体の流れを支配的にすることで、射出筒部15内に効率的に液体を導入できる。その結果、正立姿勢と倒立姿勢とにおける噴出量のばらつきを抑制できる。
一方、D2/D1を3.62以下に設定することで、シリンダ71内での負圧発生時に容器体2内から吸い上げられた液体が通過可能な大きさに隙間P1を設定できる。そのため、ピストン72をスムーズに移動させることが可能になるので、シリンダ71内に効率的に液体を導入できるとともに、トリガー部63の操作性を向上させることができる。
この構成によれば、断面積D1を10.0mm2以下に設定することで、断面積D1を比較的小さくすることができる。そのため、上述したように倒立姿勢での噴出量を確保し、正立姿勢と倒立姿勢とにおける噴出量のばらつきを抑制できる。
一方、断面積D1を1.7mm2以上に設定することで、シリンダ71内での負圧発生時にシリンダ71内に効率的に液体を導入できるとともに、トリガー部63の操作性を向上させることができる。
この構成によれば、正立姿勢の際に、ボール弁41を弁座部35に確実に着座させることができる。これにより、正立姿勢での噴出量を安定させることができる。
例えば、上述した実施形態では、第1切替弁としてボール弁41を用いた場合について説明したが、この構成のみに限らず、自重によって弁座部35に接離する構成であればよい。
上述した実施形態では、ボール弁41が有頂筒状に形成された外筒21の天壁部23aに当接する構成について説明したが、内筒22を有頂筒状に形成してもよい。
2…容器体
2a…口部
10…噴出器本体
11…ノズル部
12…正倒立用アダプタ
14…縦供給筒部
15…射出筒部
15a…前端開口部
21…外筒
22…内筒
23a…天壁部
35…弁座部
40…収容空間
41…ボール弁(第1切替弁)
63…トリガー部
71…シリンダ
72…ピストン
112a…噴出孔
140…第1取付部材(アダプタ本体)
141…第2取付部材(アダプタ本体)
142…仕切部材(アダプタ本体)
153…倒立導入口
164…ボール弁(第2切替弁)
165…弁室(第2空間)
171a…上端開口部(正立導入口)
S1…連絡通路
Claims (3)
- 液体が収容される容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方に配設され、液体を噴出する噴出孔が形成されたノズル部と、
前記噴出器本体の下端部に取り付けられた正倒立用アダプタと、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在するとともに、前記容器体内の液体を吸い上げる有頂筒状の縦供給筒部と、
前記縦供給筒部の前方に配設され、前記縦供給筒部内の液体を前記噴出孔に導く射出筒部と、
前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方移動可能に配設されたトリガー部と、
前記トリガー部が連結され、前記トリガー部の前後動に伴い前後動するピストンと、
前記ピストンの前後動に伴って加圧及び減圧させられるシリンダと、を有し、
前記縦供給筒部は、
前記容器体に連通するとともに、内周面から突設された弁座部を有する内筒と、
前記内筒の周囲を取り囲むとともに、前記射出筒部及び前記シリンダ内に連通する連絡通路を前記内筒の外周面との間に画成する外筒と、を備え、
前記内筒内において、前記弁座部と前記縦供給筒部の天壁部とで画成された収容空間には、前記連絡通路に連通するとともに、前記弁座部から接離可能な第1切替弁が収容され、
前記正倒立用アダプタは、
正立導入口を通じて前記容器体と前記縦供給筒部内との間を連通させる第1空間、及び倒立導入口を通じて前記容器体内と前記第1空間とを連通させる第2空間を画成するアダプタ本体と、
前記噴出器本体が前記容器体に装着された状態で前記容器体の正立時に前記第1空間及び前記第2空間の連通を遮断し、前記容器体の倒立時に前記第1空間及び前記第2空間を連通させる第2切替弁と、を備え、
前記容器体の倒立時に、前記第1切替弁が自重によって前記弁座部から離れて前記天壁部に当接した状態において、上下方向に沿う縦断面視で前記第1切替弁と前記弁座部との間の隙間における前記弁座部に直交する方向での最小断面積をD1、前記弁座部の最小開口面積をD2とすると、
0.62≦D2/D1≦3.62に設定されているトリガー式液体噴出器。 - 1.7mm2≦D1≦10.0mm2に設定されている請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
- 前記第1切替弁の比重は、水よりも大きい請求項1又は請求項2に記載のトリガー式液体噴出器。
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