JP2016203141A - トリガー式液体噴出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の連続噴射を可能にすること。【解決手段】噴出器本体2と噴出孔4が形成されたノズル部材3とを備え、噴出器本体は、トリガー部51の後方への揺動によって液体を射出筒部11内から射出させるトリガー機構50を備え、ノズル部材には、供給孔95aを通じて内部が射出筒部内に連通するシリンダ90と、シリンダ内に収容されたピストン91と、シリンダに対して後方移動可能に配設された作動部材130とが備えられると共に、射出筒部内及びシリンダ内と、噴出孔と、を連通する連通孔104が形成され、作動部材は、ピストンに形成された被係止部110bよりも後方に離れて配置され、ピストンが後方移動したときに被係止部が前方から係止する係止部137と、シリンダに対して作動部材が後方移動したときに、トリガー部に対して近接或いは当接してトリガー部の揺動を規制する規制部133とを備えているトリガー式液体噴出器1を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、トリガー式液体噴出器に関する。
ノズルの下方に延びるトリガー部の操作により、容器体から液体を吸い上げてノズルから吐出するトリガー式液体噴出器が知られている(例えば下記特許文献1)。
従来のトリガー式液体噴出器では、容器体と連通する吸上げ筒部の上部に、前方に向けて延びる射出筒部が設けられている。射出筒部の先端側にはノズルが付設されている。射出筒部の下方には、トリガー部の操作により作動するシリンダが配置されている。そして、トリガー部の操作を行うことで、吸上げ筒部からシリンダ内に液体を吸い上げることができると共に、その液体を射出筒部からノズルを経て前方に噴射(噴出)させることができる。
特許第3781904号公報
しかしながら、上記従来のトリガー式液体噴出器では、トリガー部を引くときにのみ液体が噴射される。従って、例えば広い面積に対して液体を吹き付けるようなときには、何度もトリガー部を引く操作を繰り返す必要があり面倒である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、液体の連続噴射を可能にしたトリガー式液体噴出器を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
(1)本発明に係るトリガー式液体噴出器は、液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、前記噴出器本体は、上下方向に延在し、液体を吸上げる吸上げ筒部と、前記吸上げ筒部から前方に向けて延設され、内側が前記吸上げ筒部の内部に連通した射出筒部と、前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に揺動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への揺動によって、前記液体を前記吸上げ筒部内から前記射出筒部内に導入させると共に、前記射出筒部内から射出させるトリガー機構と、を備え、前記ノズル部材には、前後方向に延びると共に、供給孔を通じて内部が前記射出筒部内に連通するシリンダと、前記シリンダ内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されたピストンと、前記シリンダに対して後方移動可能に配設された作動部材と、が備えられると共に、前記射出筒部内及び前記シリンダ内と、前記噴出孔と、を連通する連通孔が形成され、前記作動部材は、前記ピストンに形成された被係止部よりも後方に離れて配置され、前記ピストンが後方移動したときに、前記被係止部が前方から係止する係止部と、前記シリンダに対して前記作動部材が後方移動したときに、前記トリガー部に対して近接或いは当接して前記トリガー部の揺動を規制する規制部と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係るトリガー式液体噴出器によれば、液体を収容した容器体に装着した状態でトリガー部を後方に引くことで、射出筒部の内圧を上昇させることができるので、吸上げ筒部内に吸上げた液体を射出筒部内に導入させると共に、射出筒部内から射出させて供給孔を通じてシリンダ内に導入することができる。これにより、シリンダ内のピストンを前方付勢に抗して後方に移動させることができる。またこのとき、射出筒部内の液体を、連通孔を通じて噴出孔に導いて、噴出孔から外部に噴射させることができる。
このように、トリガー部を引く操作を行う毎に、液体を噴出孔から噴射させつつ、ピストンを後方に移動させてシリンダ内に液体を溜める(充填する)ことができる。
そして、トリガー部を引く操作を止めると、射出筒部内から連通孔への液体の供給が停止するが、前方付勢によってピストンが前方移動しはじめる。これにより、シリンダ内に充填した液体を、連通孔を通じて噴出孔から引き続き噴射させることができる。従って、トリガー部を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
ところで、例えばトリガー部を引く操作を連続的に繰り返し行うことにより、ピストンが後方に大きく移動すると、ピストンの被係止部が作動部材の係止部に係止する。そのため、トリガー部のさらなる操作によってピストンがさらに後方に移動すると、これに伴って作動部材がシリンダに対して後方に移動する。これにより、作動部材の規制部をトリガー部に対して近接或いは当接させることができ、トリガー部のそれ以上の揺動を規制することができる。
従って、ピストンが後方に向けて過度に移動することを機械的に防止でき、シリンダ内に許容量以上の液体が充填されてしまうことを防止できる。これにより、シリンダ内の圧力が過度に上昇することを防いで、破損等の不具合が生じることを防止することができる。そのため、使い勝手が良く、液体の連続噴射を安心して行うことができる。
(2)前記作動部材は、前記シリンダ内に後方から挿入され、前記係止部が形成された挿入部と、前記挿入部に接続されると共に、前記シリンダの外部において前方に向けて延びた接続部と、を備え、前記規制部は、前記接続部に接続されると共に前記トリガー部よりも前方に配置され、前記トリガーに対して前方から近接或いは当接しても良い。
この場合には、ピストンの被係止部が挿入部の係止部に係止した後、トリガー部の操作によりピストンがさらに後方に移動した場合、これに伴ってトリガー部よりも前方に配置された規制部が後方に移動する。これにより、後方に揺動したトリガー部に対して規制部を前方から近接或いは当接させることができ、トリガー部を前方に戻らなくすることができる。従って、それ以上のトリガー部の揺動を確実に規制することができる。
特に、触覚的及び視覚的にトリガー部が前方に戻らなくなることを容易且つ確実に把握し易いので、例えばトリガー部のさらなる操作を強引に行うといった誤操作を未然に防止し易い。
本発明によれば、トリガー部を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
本発明に係るトリガー式液体噴出器の実施形態を示す縦断面図である。 図1に示すノズル部材を前方から見た正面図である。 図1に示すノズル部材を後方から見た背面図である。 図1に示すトリガー部を後方側に引いた状態を示す側面図(一部縦断面図)である。 図4に示す状態からトリガー部をさらに後方側に引き、作動部材を後方移動させた状態を示す側面図(一部縦断面図)である。 本発明に係るトリガー式液体噴出器の変形例を示す縦断面図である。
以下、本発明に係るトリガー式液体噴出器の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、図示しない液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる吸上げ筒部10を有する噴出器本体2と、噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
なお、本実施形態では、吸上げ筒部10の中心軸線を軸線O1とし、この軸線O1に沿って容器体A側を下側、その反対側を上側という。また、軸線O1に直交する2方向のうち一方向を前後方向、他方向を左右方向という。
噴出器本体2は、上下方向に延在する上記吸上げ筒部10と、吸上げ筒部10から前後方向に沿って延設され、内側が吸上げ筒部10の内部に連通した射出筒部11と、を備え、左右方向から見た側面視でL字状に形成されている。
なお、前後方向のうち、吸上げ筒部10から射出筒部11が延びる方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
吸上げ筒部10は、有頂筒状の外筒12と、外筒12内に嵌入される内筒13と、を備えている。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、且つ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bは頂壁部12dによって上部開口部が塞がれている。
内筒13は、大径部13aと、大径部13aの上方に配置され、且つ大径部13aよりも縮径した小径部13bと、大径部13aの上端部と小径部13bの下端部とを連結するフランジ部13cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。
外筒12の大径部12aには、容器体Aの口部A1に装着(例えば螺着)される装着キャップ14が取り付けられている。
内筒13の小径部13bには、容器体A内に配置され、且つ容器体Aの図示しない底部に下端開口が位置するパイプ15の上部が嵌入されている。内筒13のフランジ部13cは、外筒12のフランジ部12cとの間に隙間S1を確保した状態で、外筒12のフランジ部12cよりも下方に位置している。内筒13の大径部13aには、外側に向けて突出し、装着キャップ14と容器体Aの口部A1における開口端縁との間に配置される環状の鍔部13dが形成されている。
なお、外筒12及び内筒13で構成される吸上げ筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方側に偏心している。
射出筒部11は、後端部が吸上げ筒部10における上端部の前側に接続されている。この際、射出筒部11の内部は、外筒12に形成された外側吐出孔16、及び内筒13に形成された内側吐出孔17を通じて吸上げ筒部10の内部に連通している。
内筒13の上端部側の内側には、環状の第1テーパ筒部31が形成された筒体30、及び球状の第1吸込弁32が配置されている。
筒体30は、上述した内側吐出孔17よりも下方に配置されており、内筒13の内側に嵌合されている。この際、筒体30の下端部は、内筒13の内周面に段差状に形成された段部33に対して上方から当接することで位置決めされている。第1テーパ筒部31は、筒体30の上端部から内側に向けて突出すると共に、下方に向かうに従って漸次縮径するように形成されている。
第1吸込弁32は、第1テーパ筒部31の内周面に離反可能に着座している。これにより、第1吸込弁32は、内筒13内において、第1テーパ筒部31よりも上方に位置する空間と、第1テーパ筒部31よりも下方に位置する空間とを連通及び遮断する。
内筒13の内周面のうち上記筒体30及び第1吸込弁32よりも下方に位置し、且つパイプ15の上端よりも上方に位置する部分には、内側に向けて突出する環状の第2テーパ筒部35がさらに形成されている。
第2テーパ筒部35は、第1テーパ筒部31と同様に、下方に向かうに従って漸次縮径している。第2テーパ筒部35の内側には、第2テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の第2吸込弁36が配置されている。第2吸込弁36は、内筒13内において、第2テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、第2テーパ筒部35よりも下方に位置する空間とを連通及び遮断する。
外筒12において、射出筒部11よりも下方に位置する部分には、前方に向けて突出するシリンダ用筒部40が一体形成されている。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口していると共に、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体形成されている。
噴出器本体2は、射出筒部11から下方に向けて延び、前方付勢状態で後方に揺動自在に配置されたトリガー部51と、トリガー部51の揺動に連動して前後方向に移動する主ピストン52と、主ピストン52の移動に伴って内部が加圧及び減圧する主シリンダ53と、トリガー部51を前方に付勢する弾性板部54と、吸上げ筒部10、射出筒部11及び後述する補助シリンダ90を後方及び上方から覆うカバー体55と、をさらに備えている。
なお、カバー体55は、吸上げ筒部10、射出筒部11及び補助シリンダ90の全体を、上方、後方及び左右方向から覆っている。
また、上述した第1吸込弁32、第2吸込弁36、トリガー部51、主ピストン52、主シリンダ53及び弾性板部54は、トリガー部51の後方への揺動によって、液体を吸上げ筒部10内から射出筒部11内に導入させると共に射出筒部11内から射出させるトリガー機構50を構成する。
主シリンダ53は、前方に向けて開口する外筒部60と、外筒部60の後方開口部を塞ぐ後壁部61と、後壁部61の中央部分から前方に向けて突設される有頂筒状のピストンガイド62と、を備えている。
ピストンガイド62は、内側が後方に開口しており、この開口内にシリンダ用筒部40における後壁(外筒12の小径部12b)から前方に向けて突設された嵌合突部41が嵌合されている。
外筒部60は、シリンダ用筒部40の内側に嵌合されている。この際、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において例えば液密に当接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間には、前後の当接している部分の間に環状の隙間S2が確保されている。
外筒部60には、外筒部60の内側と上記隙間S2とを連通させる第1通気孔63が形成されている。外筒12のフランジ部12cには、上記隙間S2と、外筒12のフランジ部12cと内筒13のフランジ部13cとの間に画成された隙間S1と、を連通させる第2通気孔64が形成されている。さらに、内筒13のフランジ部13cには、上記隙間S1と、内筒13の大径部13a及び装着キャップ14の内側と、を連通させる第3通気孔65が形成されている。
主シリンダ53の後壁部61には、ピストンガイド62の上方に位置する部分に、外筒12を貫通する第1貫通孔66が形成されている。この第1貫通孔66は、吸上げ筒部10の内筒13に形成された第2貫通孔67を通じて、第1吸込弁32と第2吸込弁36との間の空間に連通している。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66及び第2貫通孔67を通じて、第1吸込弁32と第2吸込弁36との間の空間に連通している。
主ピストン52は、トリガー部51に連結される円柱状の連結部70と、連結部70よりも後方に位置し、連結部70よりも大径とされたピストン筒71と、を備え、全体として後方に開口した筒状に形成されている。
なお、主シリンダ53及び主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
ピストン筒71は、後方に向けて開口し、且つ内部にピストンガイド62が挿入されるピストン本体部72と、ピストン本体部72の後端部から外側に向けて突出し、且つ外筒部60の内周面に例えば液密に摺接する摺動筒部73と、を備えている。
ピストン本体部72は、内径がピストンガイド62の外径よりも大きく形成されている。図示の例では、ピストン本体部72の内周面とピストンガイド62の外周面との間には若干の隙間があいている。
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方及び後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが外筒部60の内周面に対して摺接している。
主ピストン52の連結部70は、後述する連結軸86を介してトリガー部51に連結されている。これにより、主ピストン52は、トリガー部51と共に弾性板部54の付勢力によって前方に付勢されていると共に、トリガー部51の後方への移動に伴って後方に移動して主シリンダ53内に押し込まれる。
また、トリガー部51が最前方揺動位置にあるときに、主ピストン52の摺動筒部73は第1通気孔63を閉塞している。そして、トリガー部51の後方への揺動によって主ピストン52が所定量だけ後方移動したときに、摺動筒部73が第1通気孔63を開放する。これにより、容器体Aの内部は、第3通気孔65、第2通気孔64及び第1通気孔63を通じて外部に連通する。
トリガー部51は、左右方向から見た側面視で後方に向けて凹状に湾曲する前面を有する主板部材80と、主板部材80の左右の側縁部から後方に向けて起立する一対の側板部材81と、を備えている。
一対の側板部材81の上端部には、射出筒部11の側方に至るまで上方に延出し、射出筒部11を左右方向から挟み込む一対の連結板82が形成されている。一対の連結板82には、左右方向の外側に向けて回転軸部83が突設されている。これら回転軸部83は、射出筒部11の上方を覆う上板部材84に設けられた図示しない軸受け部に回動可能に支持されている。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
トリガー部51には、主板部材80を前後方向に貫通する開口部51aが形成されていると共に、開口部51aの周縁部から後方に向けて延びるように連結筒85が形成されている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52部とは、互いに連結されている。
なお、主ピストン52の連結部70は、連結軸86回りに回動可能とされ、且つ上下方向で所定量だけ移動可能に連結されている。これにより、トリガー部51の前後方向への揺動に伴って、主ピストン52は前後移動可能とされている。
射出筒部11の上面には、吸上げ筒部10における外筒12の頂壁部12dに連結される水平板状の上記上板部材84が取り付けられている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から側面視で前方に凸の円弧状に形成され、且つ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
一対の板ばねのうち、弾性板部54の前側に位置する板ばねが主板ばね54aとされ、後側に位置する板ばねが副板ばね54bとされている。
これら主板ばね54a及び副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54d及びポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
トリガー部51の主板部材80の上端部は、弾性板部54による付勢によって後述する接続壁123の下端部に対して後方から当接している。これにより、トリガー部51は最前方揺動位置に位置決めされている。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
なお、係止片54dは、トリガー部51が後方に引かれた場合であっても、ポケット部81aから上方に抜け出しつつもトリガー部51が最後方揺動位置に至るまでポケット部81aへの係合状態を維持する。
ノズル部材3は、装着筒92を介して射出筒部11に装着されることで、噴出器本体2に対して組み合わされている。
ノズル部材3は、主に噴出器本体2よりも前方且つ上方側に配置されており、前後方向に延在する補助シリンダ(シリンダ)90と、補助シリンダ90内に収容されたプランジャ(ピストン)91と、射出筒部11に対して装着される装着筒92と、補助シリンダ90に対して後方移動可能に配設された作動部材130と、を備えている。
補助シリンダ90は、射出筒部11の上方に配置され、中心軸線O2に沿って前後方向に延びている。これにより、補助シリンダ90は射出筒部11に対して平行に配置されている。
補助シリンダ90は、図1及び図2に示すように、前壁部95と、前壁部95から後方に向けて延びたシリンダ筒96と、を備え、後方に開口した筒状に形成されている。前壁部95は、下方に向けて延びており、ノズル部材3を前方側から見た正面視で、左右方向よりも上下方向に長く形成されている。
図1に示すように、シリンダ筒96は、噴出器本体2における上板部材84上に配置されており、吸上げ筒部10よりも後方に突出している。シリンダ筒96の後端部には、キャップ97が装着されている。
キャップ97は、シリンダ筒96の内側に嵌合されると共に、シリンダ筒96よりも後方に突出したキャップ筒97aと、キャップ筒97aから外側に向けて突出し、シリンダ筒96の後端縁に後方から係止される係止リング97bと、キャップ筒97aから内側に向けて突出した環状のガイドリング97cと、を備えている。
補助シリンダ90の前壁部95には、前方に向けて円柱状のノズル軸部100が突設されていると共に、このノズル軸部100を外側から囲む囲繞筒101が前方に向けて突設されている。これらノズル軸部100及び囲繞筒101は、シリンダ筒96の中心軸線O2と同軸上に配置されている。なお、囲繞筒101は、ノズル軸部100よりも前方に向けて僅かに突出している。
ノズル軸部100と囲繞筒101との間には、環状の流通路102が形成されている。また、ノズル軸部100には、前方に向けて開口する噴出孔4が形成された有頂筒状のノズルキャップ103が装着され、流通路102と噴出孔4とが連通している。そして、前壁部95には、流通路102に連通する連通孔104が形成されている。
これにより、補助シリンダ90の内部は、連通孔104及び流通路102を通じて噴出孔4に連通している。つまり、連通孔104は、流通路102を通じて補助シリンダ90の内部と噴出孔4とを連通している。
さらに、前壁部95の後面(補助シリンダ90の内部側)には、連通孔104の下方に位置する部分に、後述する微小流路126に連通する供給溝(供給孔)95aが形成されている。
プランジャ91は、ロッド110と、ロッド110の前端部に嵌着される補助ピストン111とを、備え、補助シリンダ90内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されている。
ロッド110は、後方に開口した筒状に形成され、外周面にはシリンダ筒96の内周面に向けて突出する拡径ガイド部110aが形成されている。ロッド110の後端開口縁は、後述する作動部材130における挿入部131の環状壁(係止部)137に前方から係止する被係止部110bとして機能する。
補助ピストン111は、前後方向の中央部から前方及び後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、シリンダ筒96の内周面に対して液密に摺接するリップ部111aを備えている。
プランジャ91とキャップ97との間には、例えば金属製のコイルばね112が圧縮状態で配置されている。
コイルばね112は、ロッド110を囲繞するように配置され、後端部がキャップ97のキャップ筒97aに前方から当接し、前端部が拡径ガイド部110aに後方から当接する。これにより、コイルばね112は、補助シリンダ90内においてプランジャ91を前方に向けて付勢している。
補助ピストン111には、前方に向けて突出し、補助シリンダ90の前壁部95に形成された連通孔104内に入り込んで、該連通孔104を直接的に塞ぐ凸部113が形成されている。
これにより、プランジャ91は、連通孔104を開放自在に閉塞している。特に、凸部113はコイルばね112からの付勢によって連通孔104をシールした状態で塞いでいる。
なお、凸部113が連通孔104を塞いでいるときのプランジャ91の位置を最前進位置とする。従って、プランジャ91が最前進位置に配置されている場合には、補助シリンダ90内に液体がほとんど収容されていないうえ、連通孔104が遮断されている。
これに対して、プランジャ91の後方移動によって、ロッド110の被係止部110bが後述する作動部材130の環状壁137に対して前方から当接しているときのプランジャ91の位置を、最後退直前位置とする。さらに、プランジャ91が最後退直前位置を超えてさらに後方移動し、補助シリンダ90に対して作動部材130が後方に移動したときのプランジャ91の位置を、最後退退位置とする。
従って、プランジャ91が最後退位置に達している配置されている場合には、補助シリンダ90内に液体が最大に収容されている。
補助シリンダ90の前壁部95のうち、囲繞筒101よりも下方に位置する部分には、開口部が形成されていると共に、この開口部を外側から囲む保持筒121が前方に向けて突設されている。
さらに、前壁部95には、後方に向けて延びる中間筒122を介して装着筒92が一体に形成されている。装着筒92は、射出筒部11に対して前方から嵌合している。これにより、ノズル部材3は、装着筒92を介して噴出器本体2に対して組み合わされている。
中間筒122は、補助シリンダ90の下方に配置されていると共に、シリンダ筒96の下面に一体形成されている。中間筒122の内部は、射出筒部11の内部に連通している。中間筒122の内径は、保持筒121の内径及び射出筒部11の内径よりも縮径している。これにより、中間筒122内の空間容積が大きくなることを抑えている。
また、中間筒122と装着筒92との接続部分には、下方に向けて接続壁123が突設している。そして、接続壁123の下端部がトリガー部51の上端部に対して前方から当接することで、トリガー部51を最前方揺動位置に位置決めしている。
保持筒121には、前方側から二重筒状のブラインドキャップ125が例えば液密に嵌合されており、上述した開口部を塞いでいる。
ブラインドキャップ125は、保持筒121の内側に前方側から入り込んだ状態で嵌合されており、ブラインドキャップ125と中間筒122の前方開口端との間に、中間筒122の内部と補助シリンダ90内とを連通する微小流路126を形成している。
これにより、射出筒部11の内部と補助シリンダ90の内部とは、供給溝95a、中間筒122の内部及び微小流路126を通じて連通する。特に、射出筒部11から補助シリンダ90の供給溝95aに至る経路が、中間筒122の内部及び微小流路126であるので、これらの経路の空間容積が大きくなることを抑えることができる。
なお、本実施形態では、射出筒部11の内部と噴出孔4とが、中間筒122の内部、微小流路126、供給溝95a、補助シリンダ90の内部、連通孔104及び流通路102を通じて連通する。従って、連通孔104は、先に述べたように補助シリンダ90の内部と噴出孔4とを連通しているが、それに加え、射出筒部11の内部と噴出孔4とについても連通させている。
図1〜図3に示すように、作動部材130は、補助シリンダ90内に後方から挿入された挿入部131と、挿入部131に一体に形成されると共に、補助シリンダ90の外部にて前方に向けて延びた接続部132と、接続部132に一体に形成されると共にトリガー部51よりも前方に配置され、トリガー部51の揺動を規制する規制部133と、を備えている。
挿入部131は、キャップ97におけるガイドリング97cの内側を通じてシリンダ筒96の内部に後方から挿入されており、補助シリンダ90の中心軸線O2に沿って前後方向に延びている。
この挿入部131は、ガイドリング97cの内側に配置され、ガイドリング97cによって後方移動可能にガイドされた円筒状の第1挿入部135と、第1挿入部135からさらに前方に向けて延び、第1挿入部135より縮径した円筒状の第2挿入部136と、を備えた二段筒状に形成されている。
第1挿入部135と第2挿入部136との接続部分には、前方に向いた環状壁137を有する段差部が形成されている。環状壁137は、プランジャ91のロッド110の被係止部110bよりも後方に離れて配置されている。第2挿入部136は、プランジャ91のロッド110内に後方から挿入されている。これにより、プランジャ91は、第2挿入部136でガイドされながら補助シリンダ90内において後方移動可能とされている。
なお、プランジャ91が最前進位置から後方移動して最後退直前位置に達した際、ロッド110の被係止部110bが環状壁137に対して前方から係止する。
接続部132は、キャップ筒97aの後方に配置され、第1挿入部135の後端部に一体に形成された接続プラグ140と、接続プラグ140から下方に向けて延びた後、さらに屈曲して前方に向けて延び、左右方向から見た側面視でL字状に形成された第1接続片141と、第1接続片141から左右方向に延びた第2接続片142と、第2接続片142から吸上げ筒部10の外側を前方に向けて延びた第3接続片143と、を備えている。
接続プラグ140は、キャップ筒97aの後端開口縁に対して後方から当接しており、シリンダ筒96内への挿入部131の挿入量を規定している。
規制部133は、第3接続片143一体に形成されていると共に、トリガー部51よりも前方に配置されている。具体的には、規制部133は、中間筒122の下方に配置され、前壁部95の横幅(左右方向に沿った横幅)と同等の横幅に形成された前壁133aと、前壁133aの下端部から後方に向けて延び、接続壁123の下方に位置する下壁133bと、前壁133aの左右両側から後方に延び、下壁133bに対しても一体に接続された側壁133cと、を有している。
従って、規制部133の内部は、上述した3つの壁面(前壁133a、下壁133b、側壁133c)によって囲まれた中空とされ、接続壁123を収納可能としている。下壁133bの後端部には、下方に向けて延びた突起片133dが形成されている。この突起片133dは、トリガー部51における上端部の前方側に近接或いは当接した状態で配置されている。
(トリガー式液体噴出器の作用)
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1を使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填され、吸上げ筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
図4に示すように、トリガー部51を弾性板部54の付勢力に抗して後方に引くと、トリガー部51の後方移動に伴って主ピストン52が後退するので、図1に示す主シリンダ53内の液体を、第1貫通孔66及び第2貫通孔67を通じて吸上げ筒部10の内筒13に導入することができる。すると、内筒13に導入された液体は、第2吸込弁36を押し下げて閉弁させると共に、第1吸込弁32を押し上げて開弁させるので、内側吐出孔17及び外側吐出孔16を通じて射出筒部11内に液体を導入することができる。
これにより、射出筒部11の内圧が上昇するので、射出筒部11内の液体を中間筒122の内部に導入させ、さらに微小流路126及び供給溝95aを通じて補助シリンダ90内に導入することができる。これにより、図4に示すように、プランジャ91を最前進位置からコイルばね112の付勢力に抗して後方に移動させることができ、凸部113を連通孔104から離間させて、連通孔104を開放することができる。
従って、連通孔104及び流通路102を通じて液体を噴出孔4に導き、噴出孔4から前方に向けて液体を噴射させることができ、これと同時にプランジャ91を後方に向けて移動させることができる。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行う毎に、液体を噴出孔4から噴射させることができると共に、プランジャ91を後方に移動させて、補助シリンダ90内に液体を溜める(充填する)ことができる。
そして、トリガー部51を引く操作を止めて該トリガー部51を解放すると、弾性板部54の弾性復元力によってトリガー部51が前方に付勢されて元の位置に復帰するので、これに伴って主ピストン52が前方移動する。そのため、主シリンダ53内に負圧が生じ、この負圧によってパイプ15を通じて容器体A内の液体を吸上げ筒部10に吸い上げることができる。
すると、新たに吸い上げられた液体は、第2吸込弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、第1吸込弁32は閉弁している。
このとき、射出筒部11から補助シリンダ90内への液体の供給は停止するものの、コイルばね112の弾性復元力によってプランジャ91が最前進位置に向けて前方移動しはじめる。これにより、補助シリンダ90内に溜まった液体を、連通孔104及び流通路102を通じて噴出孔4に導き、噴出孔4を通じて前方に液体を噴射させることができる。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
特に、補助シリンダ90に、噴出孔4に連通する連通孔104と射出筒部11内に連通する供給溝95aとがそれぞれ形成され、さらにプランジャ91が連通孔104を直接的に塞いでいるので、射出筒部11から補助シリンダ90に至る経路の空間容積(経路が占める内部容積)を制約少なく容易に小さくすることができる。従って、トリガー部51を操作した際、液体を射出筒部11内から補助シリンダ90内に直ちに導入することができ、補助シリンダ90内の圧力を速やかに上昇させて、プランジャ91を直ちに後方移動させ易い。そのため、プライミング回数を抑えながら速やかに液体を噴射させることができる。従って、使い勝手が良く、操作性に優れている。
さらに、プランジャ91が連通孔104を直接的に塞いでいるので、補助シリンダ90の内圧が所定値を超えない限り、液体が噴射されることがない。従って、高圧弁等を別途設けなくても適正な圧力(噴射圧)で液体を噴射させることができると共に、構成の簡略化を図り易い。しかも、コイルばね112によって前方付勢されているプランジャ91を後方移動させることで蓄圧できるので、液体を噴射する際に、液体に圧力をさらに加えた状態で噴射することができる。
また、未使用時に、噴出孔4から液漏れすることを効果的に抑制することができる。
なお、プランジャ91の前進時、再びトリガー部51を引く操作を行わない限り、プランジャ91は最前進位置まで移動するが、その前にトリガー部51を引く操作を繰り返し行っても良い。
この場合、プランジャ91は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、補助シリンダ90内に徐々に液体を溜めることができる。そして、プランジャ91を例えば最後退直前位置まで移動させることで、プランジャ91が最後退直前位置から最前進位置に移動するまでの長時間に亘って、液体を連続噴射することができる。
ところで、例えばトリガー部51を引く操作を連続的に繰り返し行うことにより、プランジャ91が最後退直前位置まで移動すると、図5に示すように、ロッド110の被係止部110bが作動部材130における挿入部131の環状壁137に前方から係止する。そのため、トリガー部51のさらなる操作によってプランジャ91がさらに後方移動すると、これに伴って作動部材130の全体が補助シリンダ90に対して後方に移動する。これにより、トリガー部51よりも前方に配置された規制部133の突起片133dを、後方に揺動させたトリガー部51に対して前方から当接或いは近接させることができ、トリガー部51を前方に戻らなくすることができる。従って、それ以上のトリガー部51の揺動を確実に規制することができる。
従って、プランジャ91を最後退位置に留まらせて、それ以上後方に移動することを機械的に防止することができ、補助シリンダ90内に許容量以上の液体が充填されてしまうことを防止できる。これにより、補助シリンダ90内の圧力が過度に上昇することを防止でき、破損等の不具合が生じることを防止することができる。そのため、使い勝手が良く、液体の連続噴射を安心して行うことができる。
特に、トリガー部51が前方に戻らなくなるので、そのことを触覚的及び視覚的に容易且つ確実に把握し易い。よって、トリガー部51のさらなる操作を強引に行うといった誤操作を未然に防止し易い。
以上説明したように、本実施形態におけるトリガー式液体噴出器1によれば、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
なお、補助シリンダ90は、射出筒部11の上方に配置され、且つ射出筒部11と平行に配置されているので、補助シリンダ90が射出筒部11と前後に連なるように配置される場合に比べて、トリガー式液体噴出器1の全長を短くして小型化を図りつつ、プランジャ91のストロークを確保して長時間の連続噴射を行い易い。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、ノズル部材3を射出筒部11に直接装着することで、噴出器本体2に組み合わせる構成としたが、この場合に限定されるものではなく、例えば中間部材を介してノズル部材3を噴出器本体2に組み合わせても良い。以下に、この場合のトリガー式液体噴出器の変形例について簡単に説明する。
図6に示すように、トリガー式液体噴出器150は、ノズル部材3が射出筒部11に前方側から装着された中間部材151を備えている。さらに、ノズル部材3は、噴出孔4が形成されたノズル体152を備えている。
中間部材151は、射出筒部11の前方開口部よりも前方側に位置し、前方開口部に対して対向配置された対向板160と、対向板160から後方に向けて延び、射出筒部11に外嵌された第1筒部161と、対向板160から前方に向けて延びる第2筒部162と、第2筒部162の内側に位置し、且つ対向板160から前方に向けて延びる中央突部163と、を備えている。
なお、中央突部163は、第2筒部162よりも前方に突出することなく、第2筒部162の内側に収まるように形成されている。
第2筒部162及び中央突部163は、射出筒部11の中心軸線に対して下方に偏心した位置に配置されている。対向板160のうち、中央突部163の上方に位置し、且つ第2筒部162の内側に位置する部分には、射出筒部11の前方開口部に連通する射出孔164が形成されている。これにより、第2筒部162の内部は、射出孔164を通じて射出筒部11の内部に連通している。
ノズル体152は、前壁部95から前方に向けて突出した後述する第4筒部181に装着される。このノズル体152は、前壁部95よりも前方に配置され、噴出孔4が形成されたノズル壁部170と、ノズル壁部170から後方に向けて延び、第4筒部181に対して前方から外嵌される第1嵌合筒171と、を備えている。
なお、第1嵌合筒171は、第4筒部181に対して前方に抜け止めがされた状態で回転可能に装着されている。つまり、ノズル体152は第4筒部181の軸線回りに回転可能とされている。
ノズル壁部170のうち第1嵌合筒171の内側に位置する部分には、後述する中心軸部182に対して回転可能に外嵌する中心筒部172が後方に向けて突設されている。中心筒部172の内周面には、前後方向に沿って延びる第1凹溝172aが形成されている。
ノズル体152の前側には、液体の噴出形態を霧状及び泡状等に切り替えるためのノズル板175が、左右方向に沿った軸部176回りに開閉可能に取り付けられている。ノズル壁部170のうち中心筒部172の内側には、旋回路177が凹状に形成されている。
なお、中心筒部172と第1嵌合筒171との間には、第4筒部181の内側に液密に接するシール筒部178が設けられている。また、ノズル板175は、図1に示すトリガー式液体噴出器1に取り付けても構わない。この場合には、例えばノズルキャップ103の前側に配置されるように、補助シリンダ90の前壁部95にノズル板175を取り付けることが可能である。
ノズル部材3の前壁部95は、中間部材151における第2筒部162の前方側に位置するように、下方に向けて延びている。
そして、前壁部95には、後方に向けて延び、中間部材151の第2筒部162に対して装着される第3筒部180と、前壁部95の上下中央部から前方に向けて突出する第4筒部181と、第4筒部181の内側に配置され、前壁部95から前方に向けて突出する中心軸部182と、が形成されている。
第4筒部181と、ノズル体152の中心筒部172との間には、筒状の通過空間183が形成されている。通過空間183は、上述した第1凹溝172a及び第2凹溝182aが互いに連通したときに、第1凹溝172a、第2凹溝182a及び旋回路177を通じて噴出孔4に連通する。
前壁部95のうち中心軸部182の下方に位置する部分には、通過空間183と中間部材151における第2筒部162の内側とを連通する第1連通孔185が形成されている。これにより、射出筒部11の内部と噴出孔4とは、射出孔164、第2筒部162の内側、第1連通孔185、通過空間183、第1凹溝172a、第2凹溝182a及び旋回路177を通じて連通する。
なお、第1連通孔185の流路断面積は、第1凹溝172a及び第2凹溝182aからなる導入路186の流路断面積よりも大きい。
さらに、前壁部95のうち中心軸部182の上方に位置する部分には、通過空間183と補助シリンダ90内とを連通する第2連通孔(供給孔)187が形成されている。これにより、補助シリンダ90の内部と噴出孔4とは、第2連通孔187、通過空間183、第1凹溝172a、第2凹溝182a及び旋回路177を通じて連通する。
従って、通過空間183、第1凹溝172a及び第2凹溝182aは、射出筒部11内及び補助シリンダ90内と、噴出孔4とを連通する連通孔190として機能する。なお、第2連通孔187の流路断面積は、導入路186の流路断面積よりも大きい。
なお、作動部材130は、先に説明した実施形態と同様に取り付けられている。但し、この場合における作動部材130の規制部133は、第3筒部180の下方に配置されている。
このように構成されたトリガー式液体噴出器150の場合には、トリガー部51の操作により射出筒部11の内圧を上昇させることで、射出筒部11内の液体を射出孔164、第2筒部162の内側、第1連通孔185、通過空間183、第1凹溝172a、第2凹溝182a及び旋回路177を通じて噴出孔4から前方に向けて噴射することができる。このとき、第1連通孔185の流路面積が導入路186の流路面積よりも大きいので、通過空間183に導入される液体の圧力が上昇する。さらに、第2連通孔187の流路断面積が第1連通孔185の流路断面積よりも大きいので、通過空間183に導入された液体を、第2連通孔187を通じて補助シリンダ90内に導入することができる。
これにより、プランジャ91を最前進位置からコイルばね112の付勢力に抗して後方に移動させることができる。
従って、トリガー部51を後方に引く操作を行う毎に、液体を噴出孔4から噴射させることができると共に、プランジャ91を後方に移動させて、補助シリンダ90内に液体を溜めることができる。
そして、トリガー部51を引く操作を止めて該トリガー部51を解放すると、射出筒部11から通過空間183への液体の供給は停止するものの、コイルばね112の弾性復元力によってプランジャ91が最前進位置に向けて前方移動しはじめる。これにより、補助シリンダ90内に溜まった液体を、第2連通孔187、通過空間183、第1凹溝172a、第2凹溝182a及び旋回路177を通じて噴出孔4から前方に噴射させることができる。
従って、このように構成されたトリガー式液体噴出器150であっても、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。なお、作動部材130の作用は、同様であるので説明を省略する。
特に、中間部材151を利用して噴出器本体2にノズル部材3を組み合わせることができるので、既存の噴出器本体を利用してトリガー式液体噴出器を構成することができる。従って、低コスト且つ簡略な構成でトリガー式液体噴出器を構成することができる。
1、150…トリガー式液体噴出器
2…噴出器本体
3…ノズル部材
4…噴出孔
10…吸上げ筒部
11…射出筒部
50…トリガー機構
51…トリガー部
90…補助シリンダ(シリンダ)
91…プランジャ(ピストン)
95a…供給溝(供給孔)
104…連通孔
110b…被係止部
130…作動部材
131…挿入部
132…接続部
133…規制部
137…環状壁(係止部)
187…第2連通孔(供給孔)
190…連通孔

Claims (2)

  1. 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
    前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
    前記噴出器本体は、
    上下方向に延在し、液体を吸上げる吸上げ筒部と、
    前記吸上げ筒部から前方に向けて延設され、内側が前記吸上げ筒部の内部に連通した射出筒部と、
    前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に揺動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への揺動によって、前記液体を前記吸上げ筒部内から前記射出筒部内に導入させると共に、前記射出筒部内から射出させるトリガー機構と、を備え、
    前記ノズル部材には、
    前後方向に延びると共に、供給孔を通じて内部が前記射出筒部内に連通するシリンダと、
    前記シリンダ内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されたピストンと、
    前記シリンダに対して後方移動可能に配設された作動部材と、が備えられると共に、前記射出筒部内及び前記シリンダ内と、前記噴出孔と、を連通する連通孔が形成され、
    前記作動部材は、
    前記ピストンに形成された被係止部よりも後方に離れて配置され、前記ピストンが後方移動したときに、前記被係止部が前方から係止する係止部と、
    前記シリンダに対して前記作動部材が後方移動したときに、前記トリガー部に対して近接或いは当接して前記トリガー部の揺動を規制する規制部と、を備えていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。
  2. 請求項1に記載のトリガー式液体噴出器において、
    前記作動部材は、
    前記シリンダ内に後方から挿入され、前記係止部が形成された挿入部と、
    前記挿入部に接続されると共に、前記シリンダの外部において前方に向けて延びた接続部と、を備え、
    前記規制部は、前記接続部に接続されると共に前記トリガー部よりも前方に配置され、前記トリガーに対して前方から近接或いは当接することを特徴とするトリガー式液体噴出器。
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