JP2016203141A - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Abstract
Description
従来のトリガー式液体噴出器では、容器体と連通する吸上げ筒部の上部に、前方に向けて延びる射出筒部が設けられている。射出筒部の先端側にはノズルが付設されている。射出筒部の下方には、トリガー部の操作により作動するシリンダが配置されている。そして、トリガー部の操作を行うことで、吸上げ筒部からシリンダ内に液体を吸い上げることができると共に、その液体を射出筒部からノズルを経て前方に噴射(噴出)させることができる。
(1)本発明に係るトリガー式液体噴出器は、液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、前記噴出器本体は、上下方向に延在し、液体を吸上げる吸上げ筒部と、前記吸上げ筒部から前方に向けて延設され、内側が前記吸上げ筒部の内部に連通した射出筒部と、前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に揺動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への揺動によって、前記液体を前記吸上げ筒部内から前記射出筒部内に導入させると共に、前記射出筒部内から射出させるトリガー機構と、を備え、前記ノズル部材には、前後方向に延びると共に、供給孔を通じて内部が前記射出筒部内に連通するシリンダと、前記シリンダ内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されたピストンと、前記シリンダに対して後方移動可能に配設された作動部材と、が備えられると共に、前記射出筒部内及び前記シリンダ内と、前記噴出孔と、を連通する連通孔が形成され、前記作動部材は、前記ピストンに形成された被係止部よりも後方に離れて配置され、前記ピストンが後方移動したときに、前記被係止部が前方から係止する係止部と、前記シリンダに対して前記作動部材が後方移動したときに、前記トリガー部に対して近接或いは当接して前記トリガー部の揺動を規制する規制部と、を備えていることを特徴とする。
このように、トリガー部を引く操作を行う毎に、液体を噴出孔から噴射させつつ、ピストンを後方に移動させてシリンダ内に液体を溜める(充填する)ことができる。
従って、ピストンが後方に向けて過度に移動することを機械的に防止でき、シリンダ内に許容量以上の液体が充填されてしまうことを防止できる。これにより、シリンダ内の圧力が過度に上昇することを防いで、破損等の不具合が生じることを防止することができる。そのため、使い勝手が良く、液体の連続噴射を安心して行うことができる。
特に、触覚的及び視覚的にトリガー部が前方に戻らなくなることを容易且つ確実に把握し易いので、例えばトリガー部のさらなる操作を強引に行うといった誤操作を未然に防止し易い。
図1に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、図示しない液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる吸上げ筒部10を有する噴出器本体2と、噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
なお、前後方向のうち、吸上げ筒部10から射出筒部11が延びる方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、且つ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bは頂壁部12dによって上部開口部が塞がれている。
内筒13の小径部13bには、容器体A内に配置され、且つ容器体Aの図示しない底部に下端開口が位置するパイプ15の上部が嵌入されている。内筒13のフランジ部13cは、外筒12のフランジ部12cとの間に隙間S1を確保した状態で、外筒12のフランジ部12cよりも下方に位置している。内筒13の大径部13aには、外側に向けて突出し、装着キャップ14と容器体Aの口部A1における開口端縁との間に配置される環状の鍔部13dが形成されている。
なお、外筒12及び内筒13で構成される吸上げ筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方側に偏心している。
筒体30は、上述した内側吐出孔17よりも下方に配置されており、内筒13の内側に嵌合されている。この際、筒体30の下端部は、内筒13の内周面に段差状に形成された段部33に対して上方から当接することで位置決めされている。第1テーパ筒部31は、筒体30の上端部から内側に向けて突出すると共に、下方に向かうに従って漸次縮径するように形成されている。
第2テーパ筒部35は、第1テーパ筒部31と同様に、下方に向かうに従って漸次縮径している。第2テーパ筒部35の内側には、第2テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の第2吸込弁36が配置されている。第2吸込弁36は、内筒13内において、第2テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、第2テーパ筒部35よりも下方に位置する空間とを連通及び遮断する。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口していると共に、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体形成されている。
また、上述した第1吸込弁32、第2吸込弁36、トリガー部51、主ピストン52、主シリンダ53及び弾性板部54は、トリガー部51の後方への揺動によって、液体を吸上げ筒部10内から射出筒部11内に導入させると共に射出筒部11内から射出させるトリガー機構50を構成する。
外筒部60は、シリンダ用筒部40の内側に嵌合されている。この際、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において例えば液密に当接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間には、前後の当接している部分の間に環状の隙間S2が確保されている。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66及び第2貫通孔67を通じて、第1吸込弁32と第2吸込弁36との間の空間に連通している。
なお、主シリンダ53及び主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方及び後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが外筒部60の内周面に対して摺接している。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52部とは、互いに連結されている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から側面視で前方に凸の円弧状に形成され、且つ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
これら主板ばね54a及び副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54d及びポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
ノズル部材3は、主に噴出器本体2よりも前方且つ上方側に配置されており、前後方向に延在する補助シリンダ(シリンダ)90と、補助シリンダ90内に収容されたプランジャ(ピストン)91と、射出筒部11に対して装着される装着筒92と、補助シリンダ90に対して後方移動可能に配設された作動部材130と、を備えている。
補助シリンダ90は、図1及び図2に示すように、前壁部95と、前壁部95から後方に向けて延びたシリンダ筒96と、を備え、後方に開口した筒状に形成されている。前壁部95は、下方に向けて延びており、ノズル部材3を前方側から見た正面視で、左右方向よりも上下方向に長く形成されている。
キャップ97は、シリンダ筒96の内側に嵌合されると共に、シリンダ筒96よりも後方に突出したキャップ筒97aと、キャップ筒97aから外側に向けて突出し、シリンダ筒96の後端縁に後方から係止される係止リング97bと、キャップ筒97aから内側に向けて突出した環状のガイドリング97cと、を備えている。
これにより、補助シリンダ90の内部は、連通孔104及び流通路102を通じて噴出孔4に連通している。つまり、連通孔104は、流通路102を通じて補助シリンダ90の内部と噴出孔4とを連通している。
ロッド110は、後方に開口した筒状に形成され、外周面にはシリンダ筒96の内周面に向けて突出する拡径ガイド部110aが形成されている。ロッド110の後端開口縁は、後述する作動部材130における挿入部131の環状壁(係止部)137に前方から係止する被係止部110bとして機能する。
補助ピストン111は、前後方向の中央部から前方及び後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、シリンダ筒96の内周面に対して液密に摺接するリップ部111aを備えている。
コイルばね112は、ロッド110を囲繞するように配置され、後端部がキャップ97のキャップ筒97aに前方から当接し、前端部が拡径ガイド部110aに後方から当接する。これにより、コイルばね112は、補助シリンダ90内においてプランジャ91を前方に向けて付勢している。
これにより、プランジャ91は、連通孔104を開放自在に閉塞している。特に、凸部113はコイルばね112からの付勢によって連通孔104をシールした状態で塞いでいる。
これに対して、プランジャ91の後方移動によって、ロッド110の被係止部110bが後述する作動部材130の環状壁137に対して前方から当接しているときのプランジャ91の位置を、最後退直前位置とする。さらに、プランジャ91が最後退直前位置を超えてさらに後方移動し、補助シリンダ90に対して作動部材130が後方に移動したときのプランジャ91の位置を、最後退退位置とする。
従って、プランジャ91が最後退位置に達している配置されている場合には、補助シリンダ90内に液体が最大に収容されている。
さらに、前壁部95には、後方に向けて延びる中間筒122を介して装着筒92が一体に形成されている。装着筒92は、射出筒部11に対して前方から嵌合している。これにより、ノズル部材3は、装着筒92を介して噴出器本体2に対して組み合わされている。
また、中間筒122と装着筒92との接続部分には、下方に向けて接続壁123が突設している。そして、接続壁123の下端部がトリガー部51の上端部に対して前方から当接することで、トリガー部51を最前方揺動位置に位置決めしている。
ブラインドキャップ125は、保持筒121の内側に前方側から入り込んだ状態で嵌合されており、ブラインドキャップ125と中間筒122の前方開口端との間に、中間筒122の内部と補助シリンダ90内とを連通する微小流路126を形成している。
これにより、射出筒部11の内部と補助シリンダ90の内部とは、供給溝95a、中間筒122の内部及び微小流路126を通じて連通する。特に、射出筒部11から補助シリンダ90の供給溝95aに至る経路が、中間筒122の内部及び微小流路126であるので、これらの経路の空間容積が大きくなることを抑えることができる。
この挿入部131は、ガイドリング97cの内側に配置され、ガイドリング97cによって後方移動可能にガイドされた円筒状の第1挿入部135と、第1挿入部135からさらに前方に向けて延び、第1挿入部135より縮径した円筒状の第2挿入部136と、を備えた二段筒状に形成されている。
なお、プランジャ91が最前進位置から後方移動して最後退直前位置に達した際、ロッド110の被係止部110bが環状壁137に対して前方から係止する。
規制部133は、第3接続片143一体に形成されていると共に、トリガー部51よりも前方に配置されている。具体的には、規制部133は、中間筒122の下方に配置され、前壁部95の横幅(左右方向に沿った横幅)と同等の横幅に形成された前壁133aと、前壁133aの下端部から後方に向けて延び、接続壁123の下方に位置する下壁133bと、前壁133aの左右両側から後方に延び、下壁133bに対しても一体に接続された側壁133cと、を有している。
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1を使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填され、吸上げ筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
すると、新たに吸い上げられた液体は、第2吸込弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、第1吸込弁32は閉弁している。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
また、未使用時に、噴出孔4から液漏れすることを効果的に抑制することができる。
この場合、プランジャ91は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、補助シリンダ90内に徐々に液体を溜めることができる。そして、プランジャ91を例えば最後退直前位置まで移動させることで、プランジャ91が最後退直前位置から最前進位置に移動するまでの長時間に亘って、液体を連続噴射することができる。
特に、トリガー部51が前方に戻らなくなるので、そのことを触覚的及び視覚的に容易且つ確実に把握し易い。よって、トリガー部51のさらなる操作を強引に行うといった誤操作を未然に防止し易い。
なお、補助シリンダ90は、射出筒部11の上方に配置され、且つ射出筒部11と平行に配置されているので、補助シリンダ90が射出筒部11と前後に連なるように配置される場合に比べて、トリガー式液体噴出器1の全長を短くして小型化を図りつつ、プランジャ91のストロークを確保して長時間の連続噴射を行い易い。
なお、中央突部163は、第2筒部162よりも前方に突出することなく、第2筒部162の内側に収まるように形成されている。
なお、第1嵌合筒171は、第4筒部181に対して前方に抜け止めがされた状態で回転可能に装着されている。つまり、ノズル体152は第4筒部181の軸線回りに回転可能とされている。
なお、中心筒部172と第1嵌合筒171との間には、第4筒部181の内側に液密に接するシール筒部178が設けられている。また、ノズル板175は、図1に示すトリガー式液体噴出器1に取り付けても構わない。この場合には、例えばノズルキャップ103の前側に配置されるように、補助シリンダ90の前壁部95にノズル板175を取り付けることが可能である。
そして、前壁部95には、後方に向けて延び、中間部材151の第2筒部162に対して装着される第3筒部180と、前壁部95の上下中央部から前方に向けて突出する第4筒部181と、第4筒部181の内側に配置され、前壁部95から前方に向けて突出する中心軸部182と、が形成されている。
なお、第1連通孔185の流路断面積は、第1凹溝172a及び第2凹溝182aからなる導入路186の流路断面積よりも大きい。
これにより、プランジャ91を最前進位置からコイルばね112の付勢力に抗して後方に移動させることができる。
2…噴出器本体
3…ノズル部材
4…噴出孔
10…吸上げ筒部
11…射出筒部
50…トリガー機構
51…トリガー部
90…補助シリンダ(シリンダ)
91…プランジャ(ピストン)
95a…供給溝(供給孔)
104…連通孔
110b…被係止部
130…作動部材
131…挿入部
132…接続部
133…規制部
137…環状壁(係止部)
187…第2連通孔(供給孔)
190…連通孔
Claims (2)
- 液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在し、液体を吸上げる吸上げ筒部と、
前記吸上げ筒部から前方に向けて延設され、内側が前記吸上げ筒部の内部に連通した射出筒部と、
前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に揺動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への揺動によって、前記液体を前記吸上げ筒部内から前記射出筒部内に導入させると共に、前記射出筒部内から射出させるトリガー機構と、を備え、
前記ノズル部材には、
前後方向に延びると共に、供給孔を通じて内部が前記射出筒部内に連通するシリンダと、
前記シリンダ内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されたピストンと、
前記シリンダに対して後方移動可能に配設された作動部材と、が備えられると共に、前記射出筒部内及び前記シリンダ内と、前記噴出孔と、を連通する連通孔が形成され、
前記作動部材は、
前記ピストンに形成された被係止部よりも後方に離れて配置され、前記ピストンが後方移動したときに、前記被係止部が前方から係止する係止部と、
前記シリンダに対して前記作動部材が後方移動したときに、前記トリガー部に対して近接或いは当接して前記トリガー部の揺動を規制する規制部と、を備えていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 請求項1に記載のトリガー式液体噴出器において、
前記作動部材は、
前記シリンダ内に後方から挿入され、前記係止部が形成された挿入部と、
前記挿入部に接続されると共に、前記シリンダの外部において前方に向けて延びた接続部と、を備え、
前記規制部は、前記接続部に接続されると共に前記トリガー部よりも前方に配置され、前記トリガーに対して前方から近接或いは当接することを特徴とするトリガー式液体噴出器。
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