JP6470102B2 - 繊維強化複合材及びその成形体 - Google Patents
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Description
繊維強化プラスチックは、その高い弾性及び強度等から、自動車部材、建築材、内装材、精密機器、電子機器等の幅広い用途に使用されている。
また、ベース樹脂として硬質の熱可塑性樹脂[例えば、ポリエステル樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂等)、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ナイロン等]等が使用された例もある(特許文献1〜6等)。
また、本発明の別の目的は、耐衝撃性に優れた繊維強化複合材を得ることである。
さらに、本発明の別の目的は、表面外観に優れた繊維強化複合材を得ることである。
さらに、本発明の別の目的は、これらの繊維強化複合材を非熱可塑性樹脂成形体の補強材として使用した複合成形体を得ることである。
すなわち、本発明は以下の繊維強化複合材等に関する。
[1]連続繊維の強化繊維束と、熱可塑性エラストマー成分で構成された繊維強化複合材。
[2]熱可塑性エラストマー成分の形態が、糸である前記[1]記載の繊維強化複合材。
[3]熱可塑性エラストマー成分の水分散液又は粉体が強化繊維束と複合化された前記[1]記載の繊維強化複合材。
[4]熱可塑性エラストマー成分が、芳香族ポリエステル単位を含むハードセグメント(a)と、脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位を含むソフトセグメント(b)とを構成成分として含むポリエステルブロック共重合体(A)を60質量%以上含有する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の繊維強化複合材。
[5]熱可塑性エラストマー成分が、さらにポリビニルアルコール系樹脂(B)を含有する前記[1]〜[4]のいずれかに記載の繊維強化複合材。
[6]熱可塑性エラストマー成分の融点より60℃高い温度で測定した、熱可塑性エラストマー成分の溶融粘度が、剪断速度100/secの条件で50〜10000Pa・secであることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか記載の繊維強化複合材。
[7]熱可塑性エラストマー成分が、結晶性芳香族ポリエステル単位を含むハードセグメント(a)と、脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位を含むソフトセグメント(b)とを構成単位として含み、融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)、ポリビニルアルコール系樹脂(B)、シランカップリング剤(C)及び酸化防止剤(D)とを含み、前記ポリエステルブロック共重合体(A)を66〜98.98質量%、前記ポリビニルアルコール系樹脂(B)を1〜30質量%、前記シランカップリング剤(C)を0.01〜5.0質量%、並びに前記酸化防止剤(D)を0.01〜5.0質量%含むことを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか記載の繊維強化複合材。
[8]熱可塑性エラストマーを成分が、結晶性芳香族ポリエステル単位を含むハードセグメント(a)と、脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位を含むソフトセグメント(b)とを構成単位として含み、融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)、ポリビニルアルコール樹脂(B)、シランカップリング剤(C)、酸化防止剤(D)及びポリエステルランダム共重合体(E)を含み、前記ポリエステルブロック共重合体(A)を46〜98.98質量%、前記ポリビニルアルコール系樹脂(B)を1〜30質量%、前記シランカップリング剤(C)を0.01〜5.0質量%、前記酸化防止剤(D)を0.01〜5.0質量%、並びに前記ポリエステルランダム共重合体(E)を1〜25質量%含むことを特徴とする前記[1]〜[7]のいずれか記載の繊維強化複合材。
[9]前記[1]〜[8]のいずれか記載の繊維強化複合材と、非熱可塑性樹脂成形体とが接合した複合成形体。
[10]繊維強化複合材と非熱可塑性樹脂成形体とが、接着剤を介することなく熱融着している前記[9]に記載の複合成形体。
[11]非熱可塑性樹脂成形体が、金属、ガラス、コンクリート又は木材である前記[9]又は[10]に記載の複合成形体。
また、本発明によれば、表面外観に優れた繊維強化複合材及びその成形体を得ることができる。
また、本発明によれば、強化繊維とベース樹脂の密着性に優れた繊維強化複合材及びその成形体を得ることができる。
また、本発明の繊維強化複合材は、非熱可塑性樹脂成形体の補強材として使用することができる。
さらに、本発明の繊維強化複合材は、接着剤を介することなく非熱可塑性樹脂成形体と接合することができる。
本発明の繊維強化複合材は、強化繊維束と、熱可塑性エラストマー成分とで構成される。
本発明において、強化繊維束は、通常は、複数の強化繊維が一方向に配列されている繊維束である。強化繊維束は、連続繊維の強化繊維の繊維束であることが好ましい。
強化繊維としては、特に限定されないが、例えば、無機繊維、有機繊維等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ガラス繊維としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Sガラス、Dガラス等のガラスの繊維等が挙げられる。
アラミド繊維としては、例えば、パラ系アラミド繊維(例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維)、メタ系アラミド繊維(例えば、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維)等が挙げられる。
サイジング剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等)、ポリエチレングリコール、ポリウレタン、ポリエステル等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
強化繊維束の加工品は、1枚で使用しても2枚以上を重ね合わせて使用してもよい。
本発明において、熱可塑性エラストマー(以下、TPEもいう)成分は、熱可塑性エラストマー単独であってよいし、熱可塑性エラストマー以外の成分を含んでいてもよい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリエステル系TPE(例えば、ポリエステル単位を含むハードセグメントと、ポリエーテル及び/又はポリエステル単位を含むソフトセグメントとを構成単位として含むポリエステルブロック共重合体)、ポリスチレン系TPE(例えば、ポリスチレン単位を含むハードセグメントと、ポリブタジエン単位及び/又はポリイソプレン単位を含むソフトセグメントとを構成単位として含むポリスチレンブロック共重合体)、ポリオレフィン系TPE(例えば、ポリプロピレン単位を含むハードセグメントと、ポリオレフィン単位を含むソフトセグメントとを構成単位として含むポリオレフィンブロック共重合体)、ポリウレタン系TPE(例えば、ポリウレタン単位を含むハードセグメントと、ポリエステル単位及び/又はポリエーテル単位を含むソフトセグメントとを構成単位として含むポリウレタンブロック共重合体)、ポリアミド系TPE(例えば、ナイロン単位を含むハードセグメントと、ポリエステル単位及び/又はポリエーテル単位を含むソフトセグメントとを構成単位として含むポリアミドブロック共重合体)等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
これらの熱可塑性エラストマーの中でも、強化繊維との接着性や制震性等の観点から、ポリエステル系TPEがより好ましい。
上記芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体は、1種単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
上記他のジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体は、1種単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
本発明に使用するジオールの具体例としては、分子量400以下のジオール、例えば、脂肪族ジオール[例えば、アルカンジオール(例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等)、脂環族ジオール[例えば、シクロアルカンジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等)、芳香族ジオール{例えば、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニルプロパン、2,2’−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−クオーターフェニル等}が好ましい。
かかるジオールは、エステル形成性誘導体(例えば、アセチル体、アルカリ金属塩等)の形でも用い得る。これらのジオール成分およびその誘導体は、1種又は2種以上併用してもよい。
ハードセグメント(a)は、好ましくは、テレフタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分とから形成されるポリブチレンテレフタレート単位、イソフタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分とから形成されるポリブチレンイソフタレート単位、及びその両者の共重合体(ブロック共重合体又はランダム共重合体)等であり、特に好ましくは、テレフタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分から形成されるポリブチレンテレフタレート単位と、イソフタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分から形成されるポリブチレンイソフタレート単位とを有する共重合体(ブロック共重合体又はランダム共重合体)等である。
脂肪族ポリエーテルとしては、例えば、ポリC2―6アルキレングリコール{又はポリ(C2―6アルキレンオキシド)グリコール}[例えば、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール等]、C2―6アルキレンオキシドの共重合体[例えば、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(C2―6アルキレンオキシド)グリコールのC2―6アルキレンオキシド付加重合体{例えば、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体等}、C2―6アルキレンオキシドの共重合体グリコール(例えば、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコール等)]等が挙げられる。
また、脂肪族ポリエステルとしては、例えば、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を重合成分とする重合体[例えば、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン等]、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアルコールを重合成分とする重合体(例えば、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート等)等が挙げられる。
これらは、1種単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
本発明に用いられるポリビニルアルコール系樹脂(B)としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等が挙げられる。
使用するポリビニルアルコール系樹脂(B)としては、特に制限されず、市販品を使用することでき、例えば、積水化学工業(株)製エスフレックスBL−1、BL−2、BX−L、BM−S、KS−3等、電気化学工業(株)製デンカブチラール3000−1、3000−2、3000−4、4000−2等挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられるシランカップリング剤(C)としては、特に制限されないが、好ましくは、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基、スルフィド基等の官能基(反応性基)を有するものであり、中でもエポキシ基を有するシランカップリング剤が好適に使用される。
シランカップリング剤(C)の具体例としては、例えば、アミノ基含有アルコキシシラン[例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等]、エポキシ基含有アルコキシシラン[例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等]、スルフィド基含有アルコキシシラン[例えば、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド等]、ビニル基含有アルコキシシラン(例えば、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等)、アリル基含有アルコキシシラン(例えば、アリルトリメトキシシラン等)、(メタ)アクリル基含有アルコキシシラン(例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等)、メルカプト基含有アルコキシシラン(例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等)等が挙げられ、好ましくはエポキシ基含有アルコキシシランであり、これらは1種単独でまたは2種以上併用して使用することができる。
本発明に用いられる酸化防止剤(D)としては、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤からなる群より選ばれた1種又は2種以上等が挙げられ、中でも芳香族アミン系酸化防止剤が好適に使用される。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−一ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド、4,4’−チオビス(6−t−プチル−o−クレゾール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸のジエチルエステル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル−ジフェニルメタン、α−オクタデシル−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、6−(ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、ヘキサメチレングリコール−ビス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸アミド)、2,2−チオ[ジエチル−ビス−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンホスホン酸のジオクタデシルエステル、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ジ−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル]イソシアヌレートなどが挙げられる。これらの中でも特にテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンのような分子量が500以上のものの使用が好ましい。
リン系酸化防止剤とは、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸誘導体、フェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、およびジァルキルビスフェノールAジホスファイトなどのリンを含む化合物である。これらの中でも、分子中にリン原子とともにイオウ原子も有する化合物、あるいは分子中に2つ以上のリン原子を有する化合物の使用が好ましい。
熱可塑性エラストマーの範疇に属さない樹脂としては、例えば、ポリエステルランダム共重合体(E)である。
ポリエステルランダム共重合体(E)としては、本発明の効果を阻害しない限り特に限定されず、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、東レ・ファインケミカル社製「ケミット」(登録商標)、東洋紡社製「バイロン」(登録商標)、ユニチカ社製「エリーテル」(登録商標)等が挙げられ、具体的には、ケミットR1159、R−228、R−248、R−283、Q−1500、R−273、R−50、R−98、R−99、R−92、K−1294、K−1089(以上、東レ・ファインケミカル社製)、バイロン200、220、240、103、300、500(以上、東洋紡社製)、エリーテルUE3220、UE3221、UE3230、UE3231、UE3400、UE350(以上、ユニチカ社製)等が挙げられる。
添加剤としては、例えば、成形助剤(例えば、公知の結晶核剤や滑剤等)、耐光剤(例えば、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等)、耐加水分解改良剤、着色剤(例えば、顔料、染料等)、帯電防止剤、導電剤、難燃剤、補強剤、充填剤、可塑剤、離型剤等を任意に含有することができる。
これら添加剤の配合量は、特に限定されないが、熱可塑性エラストマー100質量部に対して、例えば0.01質量部〜10質量部、好ましくは0.05質量部〜5質量部である。
熱可塑性エラストマー成分は、さらに、ポリエステルランダム共重合体(E)を含むことがより好ましい。
このような範囲であれば、強化繊維束に含浸し易く、強化繊維束との接合強度も向上する等の観点から好ましい。溶融粘度は、後述の実施例に従った方法で測定することができる。
本発明の繊維強化複合材は、例えば、TPE成分を、一方向に引き揃えられた強化繊維の繊維束(強化繊維束)又はその加工品と接合させ、TPE成分と強化繊維束を複合化する方法により製造することができる。前記接合は、例えば、TPE成分を、強化繊維束又はその加工品に含浸させることにより行うことができる。前記含浸は、TPE成分を加熱溶融させることにより行うことが好ましい。
この方法において、TPE成分の形状(形態)は、特に限定されず、例えば、糸(繊維)、シート、フィルム、不織布、粉、ペレット等が挙げられる。TPE成分を糸、シート、フィルム、不織布、粉、ペレットに成形する方法は特に限定されず、従来公知の方法に従ってよい。
また、この方法において、強化繊維束の加工品としては、特に限定されない。
加熱溶融温度は、特に限定されないが、例えば100〜300℃等である。
加熱溶融時間は、特に限定されないが、例えば10秒〜5分等である。
加熱溶融の際の荷重は、特に限定されないが、例えば0.1〜10MPa等である。
加熱溶融後は、温度20〜40℃等に調整したプレス等を用いて、荷重(例えば0.1〜10MPa等)を加えて(例えば10秒〜5分等)冷却固化させてもよい。
この場合、TPE成分としては、TPE成分の水分散液、TPE成分の粉体等が好ましい。
TPE成分の粉体は、TPE成分を冷凍粉砕することにより得ることができる。また、TPE成分の粉体の平均粒径は、例えば1〜20μmである。
水分散液を使用する場合は、水分散液を塗布した強化繊維束又はその加工品を乾燥し、水分を除去した後、前記加熱溶融を施すことによって、繊維強化複合材を得ることができる。水分散液を使用することで、TPE成分が強化繊維束内に含浸し易くなり、強化繊維との接合強度も高くなる。
本発明においては、積層後の最外層がいずれもTPE成分の層となるように積層することが、得られる繊維強化複合材の表面外観が優れたものとなることから好ましい。
繊維強化複合材の成型方法は、特に限定されないが、例えば、ハンドレイアップ成形、スプレーアップ成形、SMC(Sheet Molding Compound)成形、RTM(Resin Transfer Molding)成形、BMC(Bulk Molding Compound)成形を使用することができる。これらの成形方法は、従来公知の方法に従ってよい。
本発明の繊維強化複合材を、非熱可塑性樹脂成形体(非熱可塑性樹脂材料)と接合させることによって、繊維強化複合材の複合成形体を得ることができる。本発明において、非熱可塑性樹脂成形体との接合は、接着剤を介することなく行うことができる。
前記非熱可塑性樹脂成形体としては、特に限定されないが、例えば、アルミ合金、銅合金、各種鋼材、マグネシウム合金等の金属、さらにアルマイトやクロム等の表面処理を施した金属、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、檜、楓、杉等の木材、各種ガラス、コンクリート、モルタル、アスファルト等が挙げられる。
加熱溶融方法は特に限定されず、従来公知の方法に従ってよく、例えば、ホットプレス機、電磁誘導加熱機、レーザー溶着機等を用いて行うことができる。
また、本発明の繊維強化複合材及びその複合成形体は、コンクリートや鋼材等と接合することにより、コンクリートや鋼材等で形成された構造物の補強用途(例えば、橋梁、高架、建築物などの補強材用途)にも使用することができる。
本発明の繊維強化複合材及びその複合成形体は、従来は接着剤等で接合していた部品に対し、熱可塑性エラストマー成分を加熱溶融することで、接着剤等を介しなくても直接接合させることが可能になる。
ポリエステルブロック共重合体(A)として東レ・デュポン(株)製ハイトレル4057N(融点:162℃)、ポリビニルアルコール系樹脂(B)として積水化学工業(株)製エスレックBL−1、シランカップリング剤(C)として東レ・ダウコーニング(株)製Z−6040、酸化防止剤(D)として白石カルシウム(株)製Naugard445(芳香族アミン系酸化防止剤)、ポリエステルランダム共重合体(E)として東レ・ファインケミカル(株)製ケミットR−99を、表1に示す配合比率でドライブレンドし、45mmφのスクリューを有する2軸押出機を用いて、220℃の温度設定で溶融混練したのちペレット化し、熱可塑性エラストマー成分(Y−1)、(Y−2)、(Y−3)、(Y−4)、(Y−5)を得た。
ティー・エイ・インスツルメント社製DSC Q100を使用し、10℃/分の昇温速度で常温から240℃まで加熱し融点を測定した。
(株)東洋精機製作所製キャピログラフC1を使用し、測定温度202℃、オリフィス長さ10mm、オリフィス径1.0mmの条件で剪断速度と溶融粘度の関係を測定し、剪断速度100/secの時の溶融粘度を読み取った。
各熱可塑性エラストマー成分について、厚50μm、幅300mm×長さ300mmのフィルムを成膜した。また、ポリブチレンテレフタレート(東レ(株)製、トレコン1401)を使用した膜厚50μm、幅300mm×長さ300mmのフィルムを成膜した。
各熱可塑性エラストマー成分について、目付が100g/m2、幅300mm×長さ300mmとなる不織布をメルトブローにて作成した。また、ポリブチレンテレフタレート(東レ(株)製、トレコン1401)を使用した目付が100g/m2、幅300mm×長さ300mmとなる不織布をメルトブローにて作成した。
得られた繊維強化複合材から幅10mm、長さ170mmの試験片切り出し、図1に示す装置を使い上部の20mmをクランプで固定し、固定部とは逆の端部を加振して第2共振点での減衰特性として損失係数と共振周波数を測定した。
得られた繊維強化複合材から幅100mm、長さ100mmの試験片を切り出し、図2に示す装置を使い鉄台座の上に試験片を置いて、繊維強化複合材表面に対して高さ66.5cmから28gの鋼球を自由落下させたときの鉄台座の最大加速度と、中心から10cm、高さ14cmの最大音圧レベルを測定した。
得られた繊維強化複合材を幅20mm、長さ100mmに切断し、厚1mm、幅20mm、長さ50mmのアルミ(A1100)製板と重なり部分の長さが20mmになるように積層し、温度220℃に設定したホットプレス機にて、複合材の熱可塑性エラストマー成分部分を加熱溶融させて繊維強化複合材をアルミ製板に熱融着させて接合試験片を作成した。得られた接合試験片の繊維強化複合材端とアルミ製板の端をチャックではさみ、インストロンジャパン製INSTRON5565を用いて、歪み速度200mm/minで引張剪断剥離強度を測定した。
得られた繊維強化複合材を幅20mm、長さ200mmに切断し、膜厚6mm、幅20mm、長さ200mmの檜材の片面に、熱可塑性エラストマー成分を使用した試験片では200℃のアイロンを、ポリブチレンテレフタレートを使用した試験片では230℃のアイロンを押し当て加熱溶融させて複合成形体を作成した。得られた複合成形体を図3に示す様に支点間距離100mmの間で檜材に鋼球が当たるよう檜材を上側に固定し、荷重250gの鋼球を50cmの高さから、固定した繊維強化複合体の檜材側に落下させ、複合成形体である檜材と繊維強化複合材の破損状態を目視にて確認した。複合材として形状を保持していたものを◎、檜材が破壊したが補強繊維が破断していないものを○、檜材と繊維強化複合材の両方が破壊したものを×とした。
熱可塑性エラストマー成分(Y−1)フィルムと東レ(株)製トレカクロスUT70−20G一方向材を各々幅約100mm×長さ250mmに切断し、最外層のいずれにもTPE成分(Y−1)フィルムを有する状態で、TPE成分フィルム3枚とトレカクロス2枚を交互に積層し、両表面には離型フィルムとしてテフロンフィルムを挿入し、温度200℃に調整したホットプレスと金型にて1MPaの荷重を30秒間加え、TPE成分を溶融させ炭素繊維に含浸させた。その直後に温度30℃に調整したプレスで1MPaの荷重を30秒間加えて冷却固化させて繊維強化複合材を得た。繊維強化複合材の表面にはTPE成分の層が存在し、目視ではピンホールが確認されない良好な表面外観を得た。得られた繊維強化複合材及び該複合材を用いて得られた成形体の各種試験の測定結果を表2に示す。
熱可塑性エラストマー成分(Y−2)不織布を使用した以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材を得た。繊維強化複合材の表面にはTPE成分の層が存在し、目視ではピンホールが確認されない良好な表面外観を得た。得られた繊維強化複合材及び該複合材を用いて得られた成形体の各種試験の測定結果を表2に示す。
熱可塑性エラストマー成分(Y−2)フィルムとファイベックス(株)製アラミドシート(フィブラシートAK−20/20)を各々幅約100mm×長さ約250mmに切断し、最外層のいずれにもTPE成分(Y−2)フィルムを有する状態で、TPE成分フィルム3枚とアラミドシート2枚を交互に積層し、両表面には離型フィルムとしてテフロンフィルムを挿入し、温度200℃に調整したホットプレスと金型にて1MPaの荷重を30秒間加え、TPE成分を溶融させ炭素繊維に含浸させた。その直後に温度30℃に調整したプレスで1MPaの荷重を30秒間加えて冷却固化させて繊維強化複合材を得た。繊維強化複合材の表面にはTPE成分の層が存在し、目視ではピンホールが確認されない良好な表面外観を得た。得られた繊維強化複合材及び該複合材を用いて得られた成形体の各種試験の測定結果を表2に示す。
熱可塑性エラストマー成分(Y−3)フィルムを使用した以外は、実施例3と同様の方法で繊維強化複合材を得た。繊維強化複合材の表面にはTPE成分の層が存在し、目視ではピンホールが確認されない良好な表面外観を得た。得られた繊維強化複合材及び該複合材を用いて得られた成形体の各種試験の測定結果を表2に示す。
熱可塑性エラストマー成分(Y−4)フィルムを使用した以外は、実施例3と同様の方法で繊維強化複合材を得た。繊維強化複合材の表面にはTPE成分の層が存在し、目視ではピンホールが確認されない良好な表面外観を得た。得られた繊維強化複合材及び該複合材を用いて得られた成形体の各種試験の測定結果を表2に示す。
東レ(株)製炭素繊維プリプレグ トレカ(マトリックス樹脂2592を使用した3252S−10)を、幅約250mm×長さ250mmで切断し、切断した4枚を繊維方向が90度ずれる形で積層し最表面の両面に熱可塑性エラストマー成分(Y−1)不織布を積層する。その後離型フィルムとしてテフロンフィルムで周りを被った後、温度160℃、荷重1MPaで、30分間ホットプレスを用いて成形し、30℃に設定した冷却用のプレスで荷重1MPaで5分間冷却固化させ、最表面にTPE成分の層を配した炭素繊維強化複合材を得た。得られた繊維強化複合材は、目視ではピンホールが確認されない良好な表面外観を有していた。得られた繊維強化複合材及び該複合材を用いて得られた成形体の各種試験の測定結果を表2に示す。
熱可塑性エラストマー成分(Y−5)不織布を使用した以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材を得た。繊維強化複合材の表面にはTPE成分の層が存在し、目視ではピンホールが確認されない良好な表面外観を得た。得られた繊維強化複合材及び該複合材を用いて得られた成形体の各種試験の測定結果を表2に示す。
熱可塑性エラストマー成分(Y−1)の変わりにポリブチレンテレフタレートで成膜したフィルムを使用した以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化熱可塑性樹脂複合材を得た。繊維強化熱可塑性樹脂複合材の表面には熱可塑性樹脂の層が存在し、目視ではピンホールが確認されない良好な表面外観を得た。得られた繊維強化熱可塑性樹脂複合材及び該複合材を用いて得られた成形体の各種試験の測定結果を表2に示す。
実施例6で使用した炭素繊維プリプレグを使用し、最表面にTPE成分を積層しない他は、実施例6と同様の方法で炭素繊維強化熱硬化性樹脂複合体を得た。繊維強化複合材の表面には数個のピンホールが確認された。また、接合強度試験用に炭素繊維強化熱硬化性樹脂複合体を幅20mm、長さ100mmに切断し、膜厚1mm、幅20mm、長さ50mmのアルミ(A1100)製板の端部20mmに重なるようにエポキシ樹脂(コニシ(株)社製ボンドE2500S)を膜厚が0.1mmとなるように塗布した後、温度30℃、荷重0.1MPaで、24時間放置してエポキシ樹脂を硬化させて、炭素繊維強化熱硬化性樹脂複合材の複合成形体を得た。
さらに、成形体の落球試験用に、炭素繊維強化熱硬化性樹脂複合体を幅20mm、長さ200mmに切断し、膜厚6mm、幅20mm、長さ200mmの桧材の片面に、エポキシ樹脂(コニシ(株)社製ボンドE2500S)を膜厚が0.1mmとなるように塗布した後、温度30℃、荷重0.1MPaで、24時間放置してエポキシ樹脂を硬化させて、炭素繊維強化熱硬化性樹脂複合材の複合成形体を得た。得られた炭素繊維強化熱硬化性樹脂複合体及び複合成形体の各種試験の測定結果を表2に示す。
ファイベックス(株)製アラミドシート(フィブラシート”AK−20/20)を、幅250mm×長さ250mmで切断した強化繊維4枚を使用し、各アラミドシートにエポキシ樹脂(コニシ(株)社製ボンドE2500S)を膜厚が0.1mmとなるように塗布した4枚を積層し、離型フィルムとしてテフロンフィルムで周りを被った後、温度30℃、荷重0.1MPaで、24時間放置してエポキシ樹脂を硬化させて繊維強化熱硬化性樹脂複合材を得た。繊維強化複合材の表面には数個のピンホールが確認された。
また、接合強度試験用に上記アラミドシートを幅20mm、長さ100mmに4枚切断し、厚み1mm、幅20mm、長さ50mmのアルミ(A1100)製板の端部20mmに重なるようにエポキシ樹脂(コニシ(株)社製ボンドE2500S)を塗布したアラミドシートを積層した後、温度30℃、荷重0.1MPa、時間24時間放置してエポキシ樹脂を膜厚が0.1mmとなるように硬化させて繊維強化熱硬化性樹脂複合材の複合成形体を得た。
さらに、複合成形体の落球試験用に、上記アラミドシートを幅20mm、長さ200mmに切断し、厚み6mm、幅20mm、長さ200mmの桧材の片面に、エポキシ樹脂(コニシ(株)社製ボンドE2500S)を膜厚が0.1mmとなるように塗布したアラミドシートを積層した後、温度30℃、荷重0.1MPaで、24時間放置してエポキシ樹脂を硬化させて繊維強化熱硬化性樹脂複合材の複合成形体を得た。得られた繊維強化熱硬化性樹脂複合材及び複合成形体の各種試験の測定結果を表2に示す。
アルミと熱溶着させた複合成形体の接合強度では、実施例1〜3、6及び7で特に高い値を示し、また、実施例1〜7のいずれにおいても、破断面には繊維強化複合材側にもアルミ側にもTPE成分由来の付着物が付着しており、接着材層となるTPE成分の層が破壊していた。
複合成形体として接合強度と落球試験を行った結果では、比較例1では、ポリブチレンテレフタレート樹脂はアルミとは接合せず、また、檜材との接合も弱く落球の衝撃で繊維強化熱可塑性樹脂複合材は剥がれ破損した。
比較例2及び3では、エポキシ樹脂で接合したことで十分な接合強度を得るために長時間を要したが、アルミや檜材とも比較的高い接合強度を示した。しかし、落球試験では木材が受けた高い衝撃エネルギーにより硬質のエポキシ樹脂が破壊し、さらにそのエネルギーで炭素繊維やアラミド繊維も破損する現象が確認され、複合成形体の補強としては不十分な結果であった。
さらに特定の熱可塑性エラストマー成分を使用することで、金属、ガラス、木材、コンクリート等への熱融着がより好適となり、制振性、耐衝撃性を向上させた複合成形体への適用や、金属、ガラス、木材、コンクリート等の補強材として使用することができる。
2.クランプ
3.鉄製台座
4.鋼球
5.騒音計
6.檜材
7.鋼球
Claims (10)
- 連続繊維の強化繊維束と、熱可塑性エラストマー成分で構成された繊維強化複合材であり、熱可塑性エラストマー成分が強化繊維束を被覆しており、金属である非熱可塑性樹脂成形体と接合するための、繊維強化複合材。
- 熱可塑性エラストマー成分が、芳香族ポリエステル単位を含むハードセグメント(a)と、脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位を含むソフトセグメント(b)とを構成成分として含むポリエステルブロック共重合体(A)を60質量%以上含有する請求項1記載の繊維強化複合材。
- 熱可塑性エラストマー成分の融点より60℃高い温度で測定した、熱可塑性エラストマー成分の溶融粘度が、剪断速度100/secの条件で50〜10000Pa・secであることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化複合材。
- 熱可塑性エラストマー成分が、芳香族ポリエステル単位を含むハードセグメント(a)と、脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位を含むソフトセグメント(b)とを構成単位として含み、融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)、ポリビニルアルコール系樹脂(B)、シランカップリング剤(C)及び酸化防止剤(D)とを含み、前記ポリエステルブロック共重合体(A)を66〜98.98質量%、前記ポリビニルアルコール系樹脂(B)を1〜30質量%、前記シランカップリング剤(C)を0.01〜5.0質量%、並びに前記酸化防止剤(D)を0.01〜5.0質量%含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材。
- 熱可塑性エラストマー成分が、芳香族ポリエステル単位を含むハードセグメント(a)と、脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位を含むソフトセグメント(b)とを構成単位として含み、融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)、ポリビニルアルコール樹脂(B)、シランカップリング剤(C)、酸化防止剤(D)及びポリエステルランダム共重合体(E)を含み、前記ポリエステルブロック共重合体(A)を46〜98.98質量%、前記ポリビニルアルコール系樹脂(B)を1〜30質量%、前記シランカップリング剤(C)を0.01〜5.0質量%、前記酸化防止剤(D)を0.01〜5.0質量%、並びに前記ポリエステルランダム共重合体(E)を1〜25質量%含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の繊維強化複合材。
- 連続繊維の強化繊維束と、熱可塑性エラストマー成分で構成された繊維強化複合材であり、熱可塑性エラストマー成分が強化繊維束を被覆しており、熱可塑性エラストマー成分が、芳香族ポリエステル単位を含むハードセグメント(a)と、脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位を含むソフトセグメント(b)とを構成単位として含み、融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)、ポリビニルアルコール樹脂(B)、シランカップリング剤(C)、酸化防止剤(D)及びポリエステルランダム共重合体(E)を含み、前記ポリエステルブロック共重合体(A)を46〜98.98質量%、前記ポリビニルアルコール系樹脂(B)を1〜30質量%、前記シランカップリング剤(C)を0.01〜5.0質量%、前記酸化防止剤(D)を0.01〜5.0質量%、並びに前記ポリエステルランダム共重合体(E)を1〜25質量%含む繊維強化複合材。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化複合材と、金属である非熱可塑性樹脂成形体とが接合した複合成形体。
- 請求項6記載の繊維強化複合材と、非熱可塑性樹脂成形体とが接合した複合成形体。
- 繊維強化複合材と非熱可塑性樹脂成形体とが、接着剤を介することなく熱融着している請求項7又は8に記載の複合成形体。
- 非熱可塑性樹脂成形体が、金属、ガラス、コンクリート又は木材である請求項8又は9に記載の複合成形体。
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