JP6627266B2 - 強化繊維複合積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂と強化繊維を複合した積層体に関する。
近年、大型の電化製品の筐体や、自動車や鉄道の内装材、外装材など、軽量かつ高強度で、耐衝撃性にも優れる成形品のニーズが高まっている。特に、こうした成形品は熱に対しての寸法変化の応答性が小さいこと、すなわち低線膨張性の材料であることが求められている。そのような背景を踏まえて、熱可塑性樹脂と無機繊維を複合した低線膨張性の材料が提案されている。
例えば、特許文献1(特開2014−43524号公報)には、強化繊維としての炭素繊維及び耐熱有機繊維と熱可塑性繊維とからなり、耐衝撃性と立体形状への賦形性を有する材料が開示されている。
また、特許文献2(特開2005−289056号公報)には、高強度繊維を含む耐衝撃性繊維強化プラスチックであって、曲げ弾性率の異なる層を2つ以上有する材料が開示されている。
特開2014−43524号公報 特開2005−289056号公報
特許文献1に開示されている成形用基材では、強化繊維である炭素繊維で機械特性を、耐熱有機繊維で耐衝撃性を発現しようと試みるとともに、強化繊維の繊維長と繊維径を一定の範囲に調整することにより立体形状への賦形性を確保している。しかし、この材料では低線膨張性は十分ではなく、耐衝撃性と低線膨張性の両立は難しい。
特許文献2に開示されている耐衝撃性繊維強化プラスチックでは、曲げ弾性率の異なる層を2つ以上積層し、高速飛来物の衝突面側に高曲げ弾性率層を配置しているが、本発明における耐衝撃性の評価で採用するデュポン衝撃試験での衝撃面と反対側の面へのダメージの抑制には不十分である。
このように、従来の技術においては、耐衝撃性、低線膨張性及び成形性のバランスに優れた積層体は提供されていなかった。
従って、本発明は、耐衝撃性、低線膨張性及び成形性のバランスに優れた強化繊維複合積層体を提供することを課題とする。
本発明者らは上記の課題に鑑みて鋭意検討した結果、特定の強化繊維複合積層体が、耐衝撃性等の機械的特性と低線膨張性及びプレス成形性のバランスに優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下を要旨とする。
[1] 強化繊維と熱可塑性樹脂を含むA1層、A2層、及びB層を少なくとも有し、A1層/B層/A2層の順で積層してなる強化繊維複合積層体であって、A1層及びA2層の強化繊維の破断伸び率が、B1層の強化繊維の破断伸び率よりも高いことを特徴とする強化繊維複合積層体。
[2] 前記A1層、A2層及びB層の熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である、[1]に記載の強化繊維複合積層体。
[3] 前記A1層及びA2層の強化繊維の破断伸び率が0.8%以上である、[1]又は[2]に記載の強化繊維複合積層体。
[4] 前記B層の強化繊維の破断伸び率が0.3〜0.7%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の強化繊維複合積層体。
[5] 前記A1層及び/又はA2層内に、耐衝撃性シートを含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の強化繊維複合積層体。
[6] 前記耐衝撃性シートが、積層体表面に近い位置に積層されている、[5]に記載の強化繊維複合積層体。
[7] 前記耐衝撃性シートが、樹脂100質量部に対して耐衝撃改良剤を10〜120質量部含む樹脂シートである、[5]又は[6]に記載の強化繊維複合積層体。
[8] 前記耐衝撃性シートが、耐衝撃有機繊維シートである、[5]又は[6]に記載の強化繊維複合積層体。
[9] 前記耐衝撃性シートが、織物状炭素繊維シートである、[5]又は[6]に記載の強化繊維複合積層体。
本発明によれば、耐衝撃性等の機械的特性と低線膨張性及びプレス成形性のバランスに優れ、大型の電化製品の筐体や、自動車や鉄道の内装材、外装材などに好適な、無機繊維複合積層体を提供することができる。
以下に本発明の強化繊維複合積層体の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の強化繊維複合積層体(以下、「本積層体」と称す場合がある。)は、強化繊維と熱可塑性樹脂を含むA1層、A2層、及びB層の少なくとも3層を有し、A1層/B層/A2層の順で積層してなる強化繊維複合積層体であって、A1層及びA2層(以下、これらをまとめて「A層」と称す場合がある。)の強化繊維の破断伸び率が、B1層の強化繊維の破断伸び率よりも高いことを特徴とする。
なお、本発明において、強化繊維の破断伸び率は、JIS K7161引張特性の試験法に準じた測定方法により測定される値である。
本積層体の製造方法は特に限定されないが、A層を構成する強化繊維シート及び熱可塑性樹脂シートと、B層を構成する強化繊維シート及び熱可塑性樹脂シートとをそれぞれ作製し、これらを必要枚数積層して本積層体とすることが好ましい。なお、本積層体の製造に際して、A層には、強化繊維シート及び熱可塑性樹脂シートと共に耐衝撃性シートを積層してもよい。
1.A1層(表層)、A2層(裏層)
本積層体を構成するA1層及びA2層は、本積層体の実質的な表裏層として存在する層であり、A層は、強化繊維100質量部に対し、熱可塑性樹脂を50質量部以上、350質量部以下、特に70質量部以上、300質量部以下含有することが好ましい。また、A層は、強化繊維と熱可塑性樹脂を主成分としてこれらを合計で40質量%以上、特に45〜100質量%含有することが好ましい。A層の熱可塑性樹脂含有量が上記の範囲であることにより、十分量の強化繊維を確保して耐衝撃性を高めると共に、低線膨張性を確保することができる。
ただし、このA層中の強化繊維と熱可塑性樹脂の含有量割合において、「熱可塑性樹脂」には、A層が後述の耐衝撃性シートとして、耐衝撃改良剤含有樹脂シートを含む場合、この耐衝撃改良剤含有樹脂シート中の熱可塑性樹脂は含まれるが、耐衝撃性シートとして、耐衝撃有機繊維シートを含む場合、耐衝撃有機繊維シートに含有されるバインダー樹脂は含まれない。また、A層を構成する強化繊維シートがバインダー樹脂を含有する場合、この強化繊維シートに含有されるバインダー樹脂も含まれない。
また、このA層中の強化繊維と熱可塑性樹脂の含有量割合において、「強化繊維」には、A層が後述の耐衝撃性シートとして耐衝撃有機繊維シート又は織物状炭素繊維シートを含む場合、耐衝撃有機繊維シートに含まれる耐衝撃有機繊維や、織物状炭素繊維シートに含まれる炭素繊維も強化繊維に含むものとする。
後述のB層についても同様である。
1−1.強化繊維
A層に用いる強化繊維(以下、「強化繊維A」と称す場合がある。)としては特に限定されるものではなく、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアリレート繊維、LCP繊維(液晶ポリエステル繊維)等が挙げられる。これらの強化繊維は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。この中でも低線膨張性と耐衝撃性の観点から、強化繊維AとしてはPAN系炭素繊維を用いることが好ましい。
本発明では、強化繊維Aの破断伸び率が、B層に用いる強化繊維(以下、「強化繊維B」と称す場合がある。)の破断伸び率よりも高いことを特徴とする。耐衝撃性の観点、即ち、衝撃のインパクトが本積層体の表面より発生した時に、表層であるA1層中の強化繊維の破断伸びでこの衝撃エネルギーを吸収し、さらには本積層体の裏面へ伝わった変形を裏層であるA2層の強化繊維の破断伸びで吸収することにより、亀裂等のダメージを抑制する効果の面から、強化繊維Aの破断伸び率は0.8%以上であることが好ましく、より好ましくは0.9%以上、さらに好ましくは1.0%以上である。強化繊維Aの破断伸び率が0.8%未満であると、本積層体の耐衝撃性が劣る傾向にある。耐衝撃性の観点から、強化繊維Aの破断伸び率は大きい程好ましいが、上述した強化繊維の破断伸び率は通常2.5%以下である。
強化繊維Aの平均繊維長としては特に限定されるものではないが、本積層体中の強化繊維Aの平均繊維長は10〜100mm、特に10〜60mmであることが好ましい。平均繊維長が10mm未満のものは耐衝撃性の付与効果に乏しく、100mmを超えるものは強化繊維シートの作製工程において、繊維の塊等の発生を招き、シートの均質性を阻害する。また、強化繊維Aの繊維径は、通常7〜10μm程度であるが、強化繊維は、一般的に静電密度や収束剤等でこのような繊維径の強化繊維の繊維束として提供される。本積層体中の強化繊維Aの繊維束の最大径は1〜10mm、特に1〜9.5mm、とりわけ1〜9mmであることが好ましい。最大径を上記範囲とすることにより、本積層体の低線膨張性と良好な表面外観とプレス成形性のバランスを維持することができる。
ここで、強化繊維A及び後述の強化繊維Bの平均繊維長及び最大径は、後述する実施例の項に記載の方法で測定することができる。
なお、A層には、強化繊維の1種のみが含まれていてもよく、材質や、繊維、平均繊維長、繊維径等の異なる強化繊維の2種以上が含まれていてもよい。また、A1層の強化繊維とA2層の強化繊維とは同一のものであってもよく、異なるものであってもよいが、材料の調達の利便性と積層体の反りの面では同一であることが好ましい。
1−2.熱可塑性樹脂
A層に用いる熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。ポリカーボネート系樹脂やポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂を使用することで、成形性に優れると共に、耐熱性に優れた本積層体が得られる。これらの樹脂は1種を単独で使用しても良く、2種以上を混合して用いても構わない。
以下、本発明においてA層に用いることができるポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂についてそれぞれ説明する。
(1)ポリカーボネート系樹脂
A層に用いるポリカーボネート系樹脂は、ホモポリマー及びコポリマーのいずれであってもよい。また、ポリカーボネート系樹脂は、分岐構造であっても、直鎖構造であってもよいし、さらに分岐構造と直鎖構造との混合物であってもよい。また、複数のポリカーボネート系樹脂を混合して用いてもよい。
なお、いわゆるポリエステルカーボネート樹脂(分子鎖中にエステル結合とカーボネート結合を両方有する樹脂)も、ポリカーボネート系樹脂に含む。
A層に用いるポリカーボネート系樹脂を構成する2価アルコール(ジオール)の代表例としてはビスフェノール類が挙げられ、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、すなわちビスフェノールAが好ましく用いられる。
なお、ビスフェノールA以外のジオールを単独、又は、複数のジオールを併用したポリカーボネート系樹脂でも良く、芳香族ジオール、脂肪族ジオール、脂環式ジオールのいずれでも構わない。
A層に用いるポリカーボネート系樹脂のメルトマスフローレート(MFR)は、JIS K7210(1999年)に従い、温度300℃、荷重1.2kgfの条件で測定され、1g/10min以上、40g/10min以下であることが好ましく、2g/10min以上、35g/10min以下であることがさらに好ましく、3g/10min以上、30g/10min以下であることが特に好ましい。MFRが1g/10min以上であることで、本積層体のプレス成形時の型への追従性が容易となる。一方、40g/10min以下であることで、本積層体のプレス成形時に、加圧によって成形型より流れ出るおそれがなく、強化繊維A間への樹脂含浸が容易となる。
A層に用いるポリカーボネート系樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の重合方法、例えば、ホスゲン法、エステル交換法、ピリジン法等が挙げられる。
(2)ポリアミド系樹脂
A層に用いるポリアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミドが好ましく、ωアミノ酸の開環単独重合で得られるもの、異なるωアミノ酸の開環共重合で得られるもの、及びジアミンとジカルボン酸の共重合で得られるもの、が挙げられる。なお、芳香族ポリアミドや、芳香族−脂肪族ポリアミドを用いることもできる。
A層に用いるポリアミド系樹脂のメルトマスフローレート(MFR)は、脂肪族ポリアミドの場合、JIS K7210(1999年)に従い、温度230℃、荷重2.16kgfの条件で測定され、0.1g/10min以上、60g/10min以下であることが好ましく、0.5g/10min以上、30g/10min以下であることがさらに好ましく、1g/10min以上、20g/10min以下であることが特に好ましい。MFRが0.1g/10min以上であることで、本積層体のプレス成形時の型への追従性が容易となる。一方、60g/10min以下であることで、本積層体のプレス成形時に、加圧によって成形型より流れ出るおそれがなく、強化繊維A間への樹脂含浸が容易となる。
A層に用いるポリアミド系樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の重合方法を採用することができる。
(3)ポリエステル系樹脂
A層に用いるポリエステル系樹脂としては、耐熱性や成形性の観点から芳香族ポリエステル系樹脂が好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどが挙げられる。
A層に用いるポリエステル系樹脂のメルトマスフローレート(MFR)は、JIS K7210(1999年)に従い、温度230℃、荷重2.16kgfの条件で測定され、0.1g/10min以上、60g/10min以下であることが好ましく、0.5g/10min以上、30g/10min以下であることがさらに好ましく、1g/10min以上、20g/10min以下であることが特に好ましい。MFRが0.1g/10min以上であることで、本積層体のプレス成形時の型への追従性が容易となる。一方、60g/10min以下であることで、本積層体のプレス成形時に、加圧によって成形型より流れ出るおそれがなく、強化繊維A間への樹脂含浸が容易となる。
A層に用いるポリエステル系樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の重合方法を採用することができる。
強化繊維と同様、A1層に用いる熱可塑性樹脂とA2層に用いる熱可塑性樹脂とは同一であってもよく、異なるものであってもよい。ただし、材料調達の利便性や積層体の反りの面で同一であることが好ましい。
1−3.A層の作製方法
A層は、通常、上述の強化繊維Aのシート(強化繊維シート)と、熱可塑性樹脂シートとを各々作製し、これを積層することで作製される。その際、必要に応じて、強化繊維シート及び熱可塑性樹脂シートと共に耐衝撃性シートを積層して用いてもよい。
(1)強化繊維シート
A層の作製に用いる強化繊維シートの作製方法は特に限定されるものではないが、強化繊維シートは、強化繊維マット、又は強化繊維ペーパーであることが好ましい。ここで、「強化繊維マット」と「強化繊維ペーパー」はいずれも繊維束を開繊・分散し、湿式法や乾式法で成形・抄紙して平膜状としたシートである。この強化繊維シートには前述の強化繊維Aの1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
強化繊維シートは、繊維同士が容易に解離しないようにポリオレフィン系樹脂等のバインダー樹脂を含有してもよく、繊維にポリオレフィン系樹脂等のバインダー樹脂を含浸させた所謂プリプレグなどであっても構わない。一般に「強化繊維マット」は、バインダー樹脂の含有量や厚みの点において「強化繊維ペーパー」と区別される。通常、強化繊維マットは強化繊維ペーパーに比べ、バインダー樹脂の含有量が多く、厚みが厚い。
中でも、A層を構成する強化繊維シートとしては、樹脂含浸性や低線膨張性、コストの観点より、抄紙する時に繊維の開繊を進めることができ、強化繊維量を高く維持できる強化繊維ペーパーが特に好ましい。
強化繊維ペーパーは、通常乾式抄紙法と湿式抄紙法のいずれかで製造されるが、生産性と繊維の開繊がより良好となる観点から乾式抄紙法で製造されたものを用いることが好ましい。
強化繊維ペーパーは、耐衝撃性、低線膨張性の観点より、坪量(強化繊維量とバインダー樹脂)の多いものが好ましいが、ペーパー自体の生産性とコストとのバランスを考慮して、強化繊維ペーパーの坪量は、好ましくは50〜400g/m、さらに好ましくは50〜350g/m、特に好ましくは50〜300g/mである。また、強化繊維ペーパーのバインダー樹脂量は、強化繊維に対して10〜60質量%程度とすることが好ましい。
A層の作製に用いる強化繊維シートの厚みには特に制限はないが、通常100〜5000μm程度である。
(2)熱可塑性樹脂シート
A層を構成する熱可塑性樹脂シートの作製方法としては特に限定されず、Tダイキャスト法、カレンダー法、プレス法など、公知の溶融製膜方法を採用することができる。
より具体的には、熱可塑性樹脂の1種又は2種以上と、必要に応じて用いられる樹脂用添加剤等の他の成分を直接混合して溶融製膜する方法や、あらかじめこれらを溶融混練して混合物のペレットを作製し、これを用いて溶融製膜する方法を挙げることができる。
A層の作製に用いる熱可塑性樹脂シートの厚みには特に制限はないが、通常50〜200μm程度である。
上記添加剤の具体例としては、難燃剤、カーボンブラック等の顔料や着色料、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤などが挙げられる。
なお、ここで、熱可塑性樹脂シートは、後述の耐衝撃改良剤を含む耐衝撃性シートと区別され、A層を構成する熱可塑性樹脂シートは耐衝撃改良剤を含まないか、耐衝撃改良剤を含む場合でも後述の耐衝撃性シートにおける耐衝撃改良剤含有量よりも少ない量で含む。
(3)耐衝撃性シート
本発明において、A層の作製には、耐衝撃性シート、即ち、衝撃を吸収して耐衝撃性を向上させるためのシートを用いてもよく、耐衝撃性シートを用いることにより、本積層体の耐衝撃性をより一層高めることができる。
耐衝撃性シートとしては、耐衝撃改良剤を含む樹脂シート、耐衝撃有機繊維シート、織物状炭素繊維シートなどを用いることができる。
(3−1)耐衝撃改良剤を含む樹脂シート
耐衝撃改良剤を含む樹脂シートに用いる耐衝撃改良剤としては、通常熱可塑性樹脂において柔軟性の向上に用いられるゴム等を用いることができる。
耐衝撃改良剤としてのゴムの種類は、特に限定されるものではなく、ゴム弾性を有する重合体成分から構成されるものであればよい。例えば、天然ゴム、アクリル成分、シリコーン成分、ニトリル成分、共役ジエン成分、ウレタン成分等を重合させたものから構成されるゴム、エチレン−プロピレン系ゴム、エチレン−ブテン系ゴム等のエチレン−α−オレフィン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム(その水素添加物も含む)、スチレン−イソプレン系ゴム(その水素添加物も含む)等が挙げられる。市販品としては、例えば、三菱レイヨン社製のメタブレンSタイプ(シリコーン・アクリルゴム)、メタブレンWタイプ(アクリルゴム)、メタブレンCタイプ(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン樹脂)等が挙げられる。耐衝撃改良剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
耐衝撃改良剤を含む樹脂シートに用いる樹脂としては、A層に用いる熱可塑性樹脂として例示したものを用いることが好ましい。この場合、耐衝撃性シートとしての耐衝撃改良剤を含む樹脂シートに用いる熱可塑性樹脂と、A層の作製に用いる前述の熱可塑性樹脂シートの熱可塑性樹脂とは同一のものであっても異なるものであってもよいが、材料調達の利便性、耐衝撃性シートと熱可塑性樹脂シートとを積層して一体化する際の密着性の面で同一であることが好ましい。
耐衝撃改良剤を含む樹脂シートにおける耐衝撃吸収剤の含有量は、成形性及び耐衝撃性の観点から、耐衝撃性シート中の樹脂100質量部に対し、10〜120質量部が好ましく、15〜110質量部がより好ましく、20〜100質量部がさらに好ましい。
なお、この耐衝撃改良剤を含む樹脂シートについても、前述の熱可塑性樹脂シートに含まれる添加剤として例示した各種の添加剤を含有していてもよい。この耐衝撃改良剤を含む樹脂シートは、前述の熱可塑性樹脂シートと同様の方法で作製することができる。
耐衝撃性シートとしての耐衝撃改良剤を含む樹脂シートの厚みには特に制限はないが、通常100〜300μm程度である。
(3−2)耐衝撃有機繊維シート
耐衝撃有機繊維シートを構成する耐衝撃有機繊維、即ち、衝撃を吸収し耐衝撃性を向上させる有機繊維としては、アラミド繊維、高分子量ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、PPS(ポリフェニレンサルファイド)繊維、ポリイミド繊維等が例示できる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
耐衝撃有機繊維は、樹脂含浸性と耐衝撃性向上の観点より、繊維径10〜50μmで、平均繊維長3〜50mmであることが好ましい。
耐衝撃有機繊維シートは、このような耐衝撃有機繊維と、必要に応じてバインダーとなるポリビニルアルコール(PVA)繊維等のバインダー繊維とを用い、前述の強化繊維ペーパーと同様の方法で作製することができる。バインダー繊維は、耐衝撃有機繊維とバインダー繊維との合計100質量%に対して5〜50質量%程度用いることが、耐衝撃性の向上効果と生産性の面で好ましい。
耐衝撃有機繊維シートの厚みには特に制限はないが、通常50〜500μm程度である。
(3−3)織物状炭素繊維シート
織物状炭素繊維シートとしては、平織や朱子織等の織物状炭素繊維シートが例示でき、中でも製造プロセス面の生産性の観点や耐衝撃のインパクトによるエネルギーを効率よく吸収し、材料の変形を抑制する事から平織(クロス)の織物状炭素繊維シートが好適に使用できる。
平織(クロス)とは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に浮き沈みさせて織ることにより得られるものである。
織物状炭素繊維シートに用いる炭素繊維としては、耐衝撃性に優れることから、PAN系の炭素繊維が好ましく、その繊維径は7〜10μm程度、フィラメント数は1000〜3000本程度であることが好ましい。また、織物状炭素繊維シートは、耐衝撃性向上効果、樹脂含浸性等の観点から、坪量100〜400g/m程度であることが好ましい。また、織物状炭素繊維シートの厚みには特に制限はないが、通常100〜350μm程度である。
2.B層(コア層)
本積層体を構成するB層は、A1層(表層)とA2層(裏層)との間に設けられたコア層(中間層)として存在する層であり、B層は、強化繊維100質量部に対し、熱可塑性樹脂を10〜400質量部、好ましくは30〜300質量部、さらに好ましくは50〜200質量部含有することが好ましい。また、B層は、強化繊維と熱可塑性樹脂を主成分としてこれらを合計で30質量%以上、特に30〜100質量%含有することが好ましい。このB層の熱可塑性樹脂含有量が上記の範囲であることによって、本積層体について優れた低線膨張性を実現できる。
2−1.強化繊維
B層に用いる強化繊維(以下、「強化繊維B」と称す場合がある。)としては、強化繊維Aとして例示したものと同様のものの1種又は2種以上を用いることができるが、特に炭素繊維を用いることが好ましい。炭素繊維としては、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維のいずれでも良く、これらを組み合わせて用いてもよいが、低線膨張性の観点からピッチ系炭素繊維が好ましい。ピッチ系炭素繊維としては、メソフェーズピッチ系炭素繊維と、等方性ピッチ系炭素繊維のいずれでもよいが、本積層体の機械強度や低線膨張性を向上する観点から、破断伸びが0.3〜0.7%のピッチ系炭素繊維がさらに好ましい。
前述の通り、本積層体における強化繊維Aは強化繊維Bよりも破断伸び率が高いことを特徴とするが、強化繊維Aの破断伸び率(%)と強化繊維Bの破断伸び率(%)の差は1.0〜2.0(%)程度であることが好ましい。強化繊維Aの破断伸び率が強化繊維Bの破断伸び率よりも高いことで、本積層体表面からの衝撃エネルギーを吸収する効果と低線膨張性の効果のバランスを取ることができるが、その差が過度に小さいとこのバランスがとりにくくなる。逆にその差が過度に大きいと、強化繊維Bに必要な破断伸び率を満たし得なくなる。
強化繊維Bの平均繊維長としては特に限定されるものではないが、本積層体中の強化繊維Bの平均繊維長は1〜100mm、特に1〜60mmであることが好ましい。平均繊維長が1mm未満のものは低線膨張性の付与効果に乏しく、100mmを超えるものは強化繊維シートの作製工程において、繊維の塊等の発生を招き、シートの均質性を阻害する。また、強化繊維Bの1本の繊維径は、通常7〜10μm程度であるが、強化繊維は、一般的に静電密度や収束剤等でこのような繊維径の強化繊維の繊維束として提供される。本積層体中の強化繊維Bの繊維束の最大径は1〜10mm、特に1〜9.5mm、とりわけ1〜9mmであることが好ましい。最大径を上記範囲とすることにより、本積層体の低線膨張性と良好な表面外観とプレス成形性のバランスを維持することができる。
なお、B層には、強化繊維の1種のみが含まれていてもよく、材質や、繊維、平均繊維長、繊維径等の異なる強化繊維の2種以上が含まれていてもよい。
2−2.熱可塑性樹脂
B層に用いる熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。ポリカーボネート系樹脂やポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂を使用することで、成形性に優れると共に、耐熱性に優れた本積層体が得られる。これらの樹脂は1種を単独で使用しても良く、2種以上を混合して用いても構わない。本発明においてB層に用いるポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂としては、A層に用いる熱可塑性樹脂として前述したものをいずれも用いることができ、そのメルトマスフローレート(MFR)の好適範囲等についても同様である。
A層に用いる熱可塑性樹脂とB層に用いる熱可塑性樹脂とは同一のものでも異なるものでもよいが、B層とA層との接着性、材料調達の利便性の観点より、B層の熱可塑性樹脂はA層の熱可塑性樹脂と同一であることが好ましい。
2−3.B層の作製方法
B層は、通常、上述の強化繊維Bのシート(強化繊維シート)と、熱可塑性樹脂シートとを各々作製し、これを積層することで作製される。その際、必要に応じて、強化繊維シート及び熱可塑性樹脂シート共に前述の耐衝撃性シートを積層して用いてもよい。
(1)強化繊維シート
B層の作製に用いる強化繊維シートは、強化繊維Aの代りに強化繊維Bを用いること以外は、A層の作製に用いる強化繊維シートと同様に作製することができる。
B層を構成する強化繊維シートとして好適な強化繊維ペーパーは、通常乾式抄紙法と湿式抄紙法のいずれかで製造されるが、生産性と繊維の開繊がより良好となる観点から湿式抄紙法で製造されたものを用いることが好ましい。
この強化繊維ペーパーの坪量、バインダー樹脂量や厚みについても、A層を構成する強化繊維シートと同様の条件を採用することが好ましい。
(2)熱可塑性樹脂シート
B層を構成する熱可塑性樹脂シートは、前述したA層を構成する熱可塑性樹脂シートの作製方法と同様の方法で、同様の厚みに作製することができる。
B層を構成する熱可塑性樹脂シートについても、前述したA層を構成する熱可塑性樹脂シートが含んでいてもよい各種の添加剤として挙げたものを含有してもよい。
また、B層を構成する熱可塑性樹脂シートは、前述の耐衝撃性シートとしての耐衝撃改良剤を含む樹脂シートに含まれる耐衝撃改良剤として例示した耐衝撃改良剤を含有していてもよく、その場合、耐衝撃改良剤の含有量は、熱可塑性樹脂に対して100質量%以下であることが好ましい。
3.その他の層
本積層体は、本発明の特徴や効果を阻害しない範囲内で、A層及びB層以外の他の層を設けてもよい。
具体的には、本積層体はA1層/B層/A2層の積層構成であればよく、例えばA層のさらに外側に、印刷層などの意匠性を有する層や、防汚層などの表面保護層を設けることもできる。また、A層とB層の層間に、必要に応じて接着層などを設けることもできる。
4.本積層体の製造方法
本積層体は、前記の通り、A層を構成する強化繊維シート、熱可塑性樹脂シート及び必要に応じて用いられる耐衝撃性シートを作製し、また、B層を構成する強化繊維シート及び熱可塑性樹脂シートを作製し、これらを積層することで製造することができる。
本積層体にA層及びB層以外のその他の層を設ける場合は、同様に、その他の層を構成するシートを作製し、A層用積層シートとB層用積層シートとの間にこれを積層すればよい。A層の更に外層に他の層を設ける場合は、予め他の層を構成するシートを作製して本積層体の製造時に一体化してもよく、製造後に更に表面層を設けてもよい。
A層に前述の耐衝撃性シートを設ける場合、耐衝撃性シートは、A1層及びA2層のいずれか一方にのみ設けてもよく、両層に設けてもよいが、少なくともA1層に設けることが好ましく、また、A層のうち表面に近い位置に設けることが、耐衝撃性シートによる耐衝撃性の向上効果を有効に得る上で好ましい。
本積層体は、より具体的には、A層を構成する強化繊維シートと熱可塑性樹脂シートの必要枚数を積層してA層用積層シートを得、一方で、B層を構成する強化繊維シートと熱可塑性樹脂シートの必要枚数を積層してB層用積層シートを得、これらをA層用積層シート/B層用積層シート/A層用積層シートとの順で重ね合わせて適当な温度及び圧力でプレス成形することにより製造することができる。
ここで、強化繊維シートと熱可塑性樹脂シートは、適宜1〜複数枚の強化繊維シートと熱可塑性樹脂シートを交互に積層することが好ましい。強化繊維シートを複数枚用いる場合、複数枚の強化繊維シートは同一のものであっても、強化繊維の種類や厚み等が異なるものであってもよいが、同一であることが材料調達の利便性の観点より好ましい。熱可塑性樹脂シートについても同様である。
また、耐衝撃性シートを設ける場合、耐衝撃性シートは熱可塑性樹脂シート間に介在するように設けることが好ましい。
プレス成形条件は、A層及びB層に用いる熱可塑性樹脂の種類によっても異なるが、プレス成形温度としては、200〜290℃の範囲が好ましく、210〜260℃の範囲がより好ましい。また、プレス圧力としては0.5〜6MPaの範囲が好ましく、1〜6MPaの範囲がより好ましい。
かかる範囲においてプレス成形することにより、低線膨張性と耐衝撃性とプレス成形性のバランスに優れた積層体を作製することができる。
本積層体の製造は、いわゆるバッチ法で行っても良く、A層及びB層に用いる熱可塑性シートを作製しつつ、A層及びB層に用いる強化繊維シートや耐衝撃性シートを供給して、これらを連続的に積層しながらプレス成形する連続プレス法で行ってもよい。
5.本積層体の厚み
本積層体の厚み(総厚み)は特に限定されないが、0.5mm以上、5.0mm以下であることが好ましく、0.75mm以上、4.0mm以下であることがさらに好ましく、1.0mm以上、3.0mm以下であることが特に好ましい。本積層体の厚みが0.5mm以上であれば、本積層体や、本積層体をプレス成形した製品が表面外観に優れる。また、本積層体の厚みが5.0mm以下であれば、本積層体がプレス成形性に優れる。
本積層体を構成するA1層、B層、A2層の各層の厚み比については特に制限はないが、A1層及びA2層の厚みは、それぞれ本積層体の総厚みの1/10〜2/5の範囲であることが好ましい。また、A1層とA2層の厚みは同一であってもよく異なるものであってもよいが、A1層とA2層の厚みは同一であることが、本積層体の反りの観点から好ましい。また、B層の厚みは、本積層体の総厚みの1/5〜4/5の範囲であることが好ましい。
主として耐衝撃性に寄与するA層と、主として低線膨張性に寄与するB層を上記の厚みの範囲で設けることにより、耐衝撃性と低線膨張性が共に良好な本積層体を得ることができる。
前述の通り、A層に耐衝撃性シートを設ける場合、耐衝撃性シートはA層のうち本積層体表面に近い位置に設けることが好ましい。具体的には、A層の厚みがDである場合、耐衝撃性シートは、A層の表面からDの1/6〜1/3の範囲に設けることが好ましい。
また、耐衝撃性シートにより形成される層の厚みは、A層の厚みDに対して20〜50%程度であることが、低線膨張性と耐衝撃性の両立の上で好ましい。
以下、本発明をより具体的に説明するための実施例を示すが、本発明は以下の実施例に示される具体的態様に限定されるものではない。
1.測定・評価
実施例及び比較例における測定・評価は以下の方法・基準で行った。
(1)低線膨張性
日立ハイテクサイエンス社製TMA測定装置7100を用い、JIS K7197に準じて、作製した積層体について20℃から150℃までの線膨張率を測定し、線膨張係数を算出し、以下の基準で評価した。
◎:線膨張係数が1×10−5/℃以下
○:線膨張係数が1×10−5/℃より大きく3×10−5/℃以下
×:線膨張係数が3×10−5/℃より大きい
(2)デュポン衝撃試験
作製した積層体を、幅50mm、長さ150mmに切断し、デュポン衝撃試験装置の撃ち型(半径6.5mmの1/4型)と受け台(1/4用受け台)の間にセットし、落下錘(300g)を25mm間隔で順次落下させていき、サンプルの衝撃面の裏面表面が破壊する高さを求め、以下の基準で評価した。
○:破壊発生高さが100mm以上
△:破壊発生高さが100mm未満で75mmを超える
×:破壊発生高さが75mm以下
(3)プレス成形性
作製した積層体について、凹凸形状高さが10mmの段差のある賦形型を用いて、温度=240℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形を行い、積層体の表面を目視で観察して、以下の基準で評価した。
○:表面に炭素繊維が露出せず、かつ、割れが生じていない状態
×:表面に炭素繊維が露出している状態、又は、賦形型の絞りに積層体が追従できず割れが生じている状態。
2.使用材料
(1)熱可塑性樹脂
・ポリカーボネート樹脂(PC):カリバー301−30(住化スタイロン社製)、MFR(300℃、1.2kgf荷重)=30g/min
・ポリアミド樹脂(PA):UBEナイロン1022B(宇部興産社製)
(2)強化繊維
・ピッチ系炭素繊維(C−1):ダイアリードK6371T(三菱樹脂(株)製)、メソフェーズピッチ系炭素繊維、破断伸び率=0.4%、繊維径=10μm
・PAN系炭素繊維(C−2):パイロフィルTR40(三菱レイヨン社製)、破断伸び率=2.0%、繊維径=7〜9μm
(3) 耐衝撃性シート用材料
・PAN系炭素繊維クロス:パイロフィルTR3110M(三菱レイヨン社製)、平織クロス、坪量=200g/cm、繊維径=7〜9μm、フィラメント数=3000本
・ポリアリレート繊維:ベクトランHT(クラレ社製)、繊維長=10mm
・耐衝撃改良剤:メタブレンS2003(三菱レイヨン社製)、シリコーン・アクリルゴム
3.各シートの作製
(1) 熱可塑性樹脂シートの作製
熱可塑性樹脂100質量部に対し、滑剤等を所定の割合で混合して、東洋精機(株)製のプラストグラフミキサーに供給し、温度=230℃、回転数=50rpm、混練時間=5分の条件で溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を2枚の金属板間に挟み込み、温度=230℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚み100μmの熱可塑性樹脂シートを作製した。
以下、熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂を用いた熱可塑性樹脂シートを「PCシート」と称し、熱可塑性樹脂としてポリアミド樹脂を用いた熱可塑性樹脂シートを「PAシート」と称す。
(2) 炭素繊維シートの作製
(2−1) PAN系炭素繊維(C−2)シート
乾式法による不織布の作製方法を用い、PAN系炭素繊維(C−2)を気流中で浮遊・解繊した後にスクリーン上に吸引してシート化するエアレイ法で、坪量100g/m、厚み5000μmで、バインダー樹脂(PVA樹脂繊維)含有量20質量%(対炭素繊維)炭素繊維シートを作製した。以下、この炭素繊維シートを「C−2シート」と称す。
(2−2) ピッチ系炭素繊維(C−1)シートの作製
ピッチ系炭素繊維(C−1)を、JIS P8220−1(2012年)に準じて、湿式抄紙法により離解機を用いて開繊・分散し、バインダー樹脂としてPVA繊維を炭素繊維に対して10質量%用いて抄紙して秤量(炭素繊維量)100g/m、厚み3000μmの炭素繊維ペーパーを作製した。この時、離解機は、プロペラの回転数=3000rpm、回転時間=5秒の条件で運転した。以下、この炭素繊維ペーパーを「C−1シート」と称す。
(3) 耐衝撃性シートの作製
(3−1) 耐衝撃改良剤含有樹脂シートの作製
ポリカーボネート樹脂100質量部に対し滑剤等を所定の割合で混合し、さらに耐衝撃改良剤(メタブレンS2030)を100質量部加え、東洋精機(株)製のプラストグラフミキサーに供給し、温度=230℃、回転数=50rpm、混練時間=5分の条件で溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を2枚の金属板間に挟み込み、温度=230℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚み150μmの耐衝撃改良剤含有樹脂シートを作製した。以下、このシートを「ゴム含有PCシート」と称す。
(3−2) ポリアリレート繊維シートの作製
ポリアリレート繊維(ベクトランHT)90質量%とバインダー繊維としてPVA繊維10質量%とを用いて、JIS P8220−1(2012年)に準じて、湿式抄紙法により離解機を用いて開繊・分散し、抄紙して秤量150g/m、厚み200μmのポリアクリレート繊維ペーパーを作製した。この時、離解機は、プロペラの回転数=3000rpm、回転時間=20秒の条件で運転した。以下、このポリアクリレート繊維ペーパーを「PARシート」と称す。
4.実施例及び比較例
[実施例1]
PCシート3枚とC−2シート4枚を、PCシート/C−2シート/PCシート/C−2シート/C−2シート/PCシート/C−2シートの順で積層してA層用積層シートとした。
このA層用積層シートで形成されるA層は、PAN系炭素繊維(C−2)100質量部に対して、ポリカーボネート樹脂を95質量部含むものである。
PCシート2枚とC−1シート6枚を、C−1シート/C−1シート/PCシート/C−1シート/C−1シート/PCシート/C−1シート/C−1シートの順で積層してB層用積層シートとした。
このB層用積層シートで形成されるB層は、ピッチ系炭素繊維(C−1)100質量部に対して、ポリカーボネート樹脂を41質量部含むものである。
A層用積層シート/B層用積層シート/A層用積層シートの順で厚み方向に対象となるように重ね合わせ、これを2枚の金属板間に挟み込み、温度=260℃、圧力=4MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、A層の厚みがそれぞれ0.6mmで、B層の厚みが0.4mmで、総厚みが1.6mmの積層体を作製した。
[実施例2]
PCシート3枚とゴム含有PCシート1枚とC−2シート4枚を、PCシート/ゴム含有PCシート/PCシート/C−2シート/C−2シート/C−2シート/C−2シート/PCシートの順で積層してA層用積層シートとした。
このA層用積層シートで形成されるA層は、PAN系炭素繊維(C-2)100質量部に対して、ポリカーボネート樹脂(PCシート中のポリカーボネート樹脂とゴム含有PCシート中のポリカーボネート樹脂の合計)を125質量部含むものである。
PCシート1枚とC−1シート6枚を、C−1シート/C−1シート/C−1シート/PCシート/C−1シート/C−1シート/C−1シートの順で積層してB層用積層シートとした。
このB層用積層シートで形成されるB層は、ピッチ系炭素繊維(C-1)100質量部に対して、ポリカーボネート樹脂を20質量部含むものである。
A層用積層シート/B層用積層シート/A層用積層シートの順で厚み方向に対象となるように重ね合わせ、これを2枚の金属板間に挟み込み、実施例1と同様の条件でプレス成形し、A層の厚みがそれぞれ0.65mmで、B層の厚みが0.3mmで、総厚みが1.6mmの積層体を作製した。
[実施例3]
PCシート3枚と、PAN系炭素繊維クロス1枚(以下「PANクロス」と称す。)と、C−2シート2枚を、PCシート/PCシート/PANクロス/C−2シート/PCシート/C−2シートの順で積層してA層用積層シートとした。
このA層用積層シートで形成されるA層は、PAN系炭素繊維(C-2)及びPANクロス中のPAN系炭素繊維の合計100質量部に対して、ポリカーボネート樹脂を93質量部含むものである。
PCシート4枚とC−1シート6枚を、PCシート/C−1シート/C−1シート/PCシート/C−1シート/C−1シート/PCシート/C−1シート/C−1シート/PCシートの順で積層してB層用積層シートとした。
このB層用積層シートで形成されるB層は、ピッチ系炭素繊維(C-1)100質量部に対して、ポリカーボネート樹脂を82質量部含むものである。
A層用積層シート/B層用積層シート/A層用積層シートの順で厚み方向に対象となるように重ね合わせ、これを2枚の金属板間に挟み込み、実施例1と同様の条件でプレス成形し、A層の厚みがそれぞれ0.5mmで、B層の厚みが0.6mmで、総厚みが1.6mmの積層体を作製した。
[実施例4]
PCシート4枚とPARシート1枚とC−2シート2枚を、PCシート/PARシート/PCシート/C−2シート/PCシート/C−2シート/PCシートの順で積層してA層用積層シートとした。
このA層用積層シートで形成されるA層は、PAN系炭素繊維(C-2)とPARシート中のポリアリレート繊維の合計100質量部に対して、ポリカーボネート樹脂を140質量部含むものである。
実施例1と同様にPCシート2枚とC−1シート6枚を積層して、B層用積層シートとした。
A層用積層シート/B層用積層シート/A層用積層シートの順で厚み方向に対象となるように重ね合わせ、これを2枚の金属板間に挟み込み、実施例1と同様の条件でプレス成形し、A層の厚みがそれぞれ0.55mmで、B層の厚みが0.6mmで、総厚みが1.7mmの積層体を作製した。
[実施例5]
PAシート3枚とC−2シート4枚を、PAシート/C−2シート/PAシート/C−2シート/C−2シート/PAシート/C−2シートの順で積層してA層用積層シートとした。
このA層用積層シートで形成されるA層は、PAN系炭素繊維(C−2)100質量部に対して、ポリアミド樹脂を93質量部含むものである。
PAシート2枚とC−1シート6枚を、C−1シート/C−1シート/PAシート/C−1シート/C−1シート/PAシート/C−1シート/C−1シートの順で積層してB層用積層シートとした。
このB層用積層シートで形成されるB層は、ピッチ系炭素繊維(C−1)100質量部に対して、ポリアミド樹脂を41質量部含むものである。
A層用積層シート/B層用積層シート/A層用積層シートの順で厚み方向に対象となるように重ね合わせ、これを実施例1と同様の条件でプレス成形し、A層の厚みがそれぞれ0.6mmで、B層の厚みが0.4mmで、総厚みが1.6mmの積層体を作製した。
[比較例1]
PCシート10枚と、C−1シート15枚をPC/PC/C−1/C−1/C−1/PC/C−1/C−1/C−1/PC/PC/C−1/C−1/C−1/PC/PC/C−1/C−1/C−1/PCC−1/C−1/C−1/PC/PCの順で積層して積層シートとした。この積層シートを、実施例1と同様の条件でプレス成形し、総厚みが1.6mmの積層体を作製した。
[比較例2]
実施例1において、A層用積層シートに、C−2シートに代えてC−1シートを用い、B層用積層シートに、C−1シートに代えてC−2シートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。
実施例1〜5及び比較例1,2で得られた積層体について、前述の評価を行い、結果を表1に示した。
Figure 0006627266
表1に示したように、実施例において作製した本発明の強化繊維複合積層体は、低線膨張性と耐衝撃性とプレス成形性のバランスに優れたものとなっている。
一方、本発明において特定する条件を満たさない比較例の積層体は、耐衝撃性に劣る。
なお、実施例1〜5の積層体について、積層体中のC−1シートとC−2シート部分の炭素繊維の平均繊維長及び繊維束の最大径を以下の方法で測定したところ、いずれも以下の通りであった。
<炭素繊維束の最大径>
作製した積層体の厚み方向の断面を、光学顕微鏡を用いて観察し、A層又はB層の視野を任意に50箇所観察し、全視野中に存在する炭素繊維束の最大径をC−2シート又はC−1シート部分の炭素繊維束の最大径とした。
<炭素繊維の平均繊維長>
作製した積層体の厚み方向の断面を、光学顕微鏡を用いて観察した。A層又はB層の視野を任意に50箇所観察し、全視野中に存在する炭素繊維の長さを1本ずつ測り、この総和の平均をC−2シート又はC−1シート部分の炭素繊維の平均繊維長とした。
C−1シート:平均繊維長=6mm
繊維束の最大径=3mm
C−2シート:平均繊維長=40mm
繊維束の最大径=2mm
また、実施例2〜4の積層体について、A層の厚み方向の断面を光学顕微鏡を用いて観察し、耐衝撃性シートの存在位置を確認したところ、耐衝撃性シートは、A層の表面からA層の厚みに対して以下の深さ位置に存在していた。
実施例2:A層の厚みD0.65mmに対して100〜300μmの範囲
実施例3:A層の厚みD0.5mmに対して200〜300μmの範囲
実施例4:A層の厚みD0.55mmに対して100〜300μmの範囲
本積層体は、低線膨張性と耐衝撃性及びプレス成形性のバランスに優れ、しかも軽量性や低コスト化の要求に応えることが可能な炭素繊維複合積層体であり、大型の電化製品の筐体や、自動車や鉄道の内装材、外装材などの各種成形品に好適に利用することができる。

Claims (7)

  1. 1層/B層/A2層の順で積層してなる強化繊維複合積層体であって、
    A1層、A2層、及びB層の全てが強化繊維と熱可塑性樹脂を含み、
    A1層及びA2層の強化繊維として、炭素繊維を有し、
    B層の強化繊維として、破断伸び率が0.3〜0.7%の炭素繊維を有し、
    A1層及びA2層の強化繊維の破断伸び率が、層の強化繊維の破断伸び率よりも1.0〜2.0%く、
    A1層及びA2層は、強化繊維100質量部に対し、熱可塑性樹脂を50質量部以上350質量部以下含有し、
    B層は、強化繊維100質量部に対し、熱可塑性樹脂を10〜400質量部含有し、
    A1層及び/又はA2層は、耐衝撃性シートが熱可塑性樹脂シート間に介在するように設けられている強化繊維複合積層体。
  2. 前記A1層、A2層及びB層の熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である、請求項1に記載の強化繊維複合積層体。
  3. 前記A1層及びA2層の強化繊維の破断伸び率が0.8%以上である、請求項1又は2に記載の強化繊維複合積層体。
  4. 前記耐衝撃性シートが、積層体表面に近い位置に積層されている、請求項1〜3のいずれかに記載の強化繊維複合積層体。
  5. 前記耐衝撃性シートが、樹脂100質量部に対して耐衝撃改良剤を10〜120質量部含む、請求項1〜4のいずれかに記載の強化繊維複合積層体。
  6. 前記耐衝撃性シートが、耐衝撃有機繊維シートである、請求項1〜5のいずれかに記載の強化繊維複合積層体。
  7. 前記耐衝撃性シートが、織物状炭素繊維シートである、請求項1〜5のいずれかに記載の強化繊維複合積層体。
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